2025年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

エンジニアプラットフォームサービス マーケティングプラットフォームサービス コンサル・アドバイザリーサービス その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
エンジニアプラットフォームサービス 15,772 87.1 1,148 68.2 7.3
マーケティングプラットフォームサービス 466 2.6 49 2.9 10.4
コンサル・アドバイザリーサービス 1,867 10.3 487 28.9 26.1

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社である株式会社Branding Engineer、株式会社Branding Career、株式会社Digital Arrow Partners、株式会社ジンアース、株式会社MapleSystems、株式会社Growth One、株式会社2Hundred、TSR株式会社、株式会社Carecon、株式会社enableX、株式会社M&A承継機構、株式会社ストラテジーキャンパス、その他含め計13社(2025年11月27日時点)で構成されております。

なお、株式会社ストラテジーキャンパスについては、2025年9月30日時点で全株式を取得し、グループ会社化しております。

当社グループは、「BREAK THE RULES」を経営ビジョンに掲げ、「テクノロジー×HR (Human Resources)」をテーマに、ITエンジニアおよび、デジタルマーケティングに特化した事業を行っております。

当社グループの事業は、ITエンジニアに関連した「エンジニアプラットフォームサービス」、デジタルマーケティングに関連した「マーケティングプラットフォームサービス」、と戦略コンサルやM&Aアドバイザリーに関連した「コンサル・アドバイザリーサービス」に分類されます。

「エンジニアプラットフォームサービス」では、キャリア開発の機会と、安心して就業できる機会を提供し、そのITエンジニアのリソースを、従来の雇用形態に捉われない様々な形でITサービスやITシステムの開発力不足に悩む企業に提供し、国内におけるITエンジニアの人材不足を解決するソリューション事業を展開しております。

具体的には、株式会社Branding Engineerによって運営されるITエンジニアと、ITサービスの開発や自社での利用を目的としたシステム開発を行いたい企業とのマッチングプラットフォームサービスを運営する「Midworks事業」、ITエンジニアを必要とする企業へ受託開発サービス及びコンサルティングを提供する「FCS事業」、株式会社Branding Careerによって運営される専門領域特化型転職支援サービスを運営する「Stars Agent事業」、個人・法人双方に対してプログラミング教育やコーチングサービスを提供する「School事業」、株式会社Growth Oneによって運営される「受託開発事業」に加え、2023年8月期により連結された株式会社ジンアース、TSR株式会社、2024年8月期により連結された株式会社MapleSystems、2025年8月期により連結された株式会社Careconが行う「エンジニアマッチング事業」で構成されています。以上のようにエンジニアの学習から情報収集、独立支援や企業紹介等、エンジニアのキャリアに関するトータルサービスを展開しております。

「マーケティングプラットフォームサービス」では、当社が得意とするデジタルマーケティング領域に関するソリューションをクライアントに提供することで、テクノロジー化の進む現代社会においての新しいマーケティング手法の確立をサポートしております。

具体的には、株式会社Digital Arrow Partnersによって運営されるデジタルマーケティングノウハウを活用した企業へのコンサルティングサービスである「Digital Arrow Partners事業」、クローズドなASPサービスとしてクライアントのマーケティング指標改善支援を目指すSONOSAKIを運営する「ASP事業」、フリーランスマーケターをマッチングする「Expert Partners事業」に加え、株式会社2Hundredによって運営される「BtoCプラットフォーム事業」を展開しております。

「コンサル・アドバイザリーサービス」では、当社がこれまでの事業推進のノウハウをもとに、M&Aコンサルティング及び戦略・ITコンサルティングサービスを提供しております。

具体的には株式会社enableX、株式会社ストラテジーキャンパスによって運営される「戦略コンサルティング事業」、株式会社M&A承継機構によって運営される「M&Aアドバイザリー事業」を行っております。

なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

 

各プラットフォームの事業内容は以下のとおりであります。

(1) エンジニアプラットフォームサービス

エンジニアプラットフォームサービスは以下の4事業で構成されております。

① エンジニアマッチング事業

エンジニアマッチング事業は、企業に対して、準委任契約に基づきITエンジニアのリソースの提供を行っております。その中でも、主力事業である株式会社Branding Engineerが運営するMidworks事業に関しては、フリーランスエンジニアを中心にエンジニアマッチングサービスを提供しております。ITエンジニアがスキルを活かして収入を増やそうとする際の選択肢のひとつとして、フリーランスとして独立することが考えられます。しかし、独立すると収入が不安定になること、スキル維持・向上やその他の経費負担が生じること、万が一の際の保障が充実していないこと等が不安材料となり、独立に踏み切れないITエンジニアも存在します。特に、Midworks事業では、ITエンジニアが抱える独立に対する不安材料(収入・経費・保障)を可能な限り最小化し、安心して独立できる支援サービスを提供しております。そして、Midworksに登録されたITエンジニアのデータベースと開発力不足に悩む企業の求人ニーズとのマッチングを行い、ITエンジニアと企業の最適なマッチングを実現することで、企業の開発リソース不足を解決しております。

また、TSR株式会社、株式会社ジンアース、株式会社MapleSystems、株式会社Carecon等では、正社員エンジニアのリソース提供需要に応えるべく、主に自社でエンジニアを採用し企業へとリソース提供を行っております。

 


 

② School事業

School事業は、プログラミングスクール「tech boost」により、ITエンジニアを目指す方、テクノロジーに関して教養として学びたい方、または法人を対象に、プログラミング教育を提供する学習サービス、キャリアコーチングサービス「career boost」により、自身のキャリアをよりよくしたいと考える方を対象にコーチングを提供するサービスです。

「tech boost」は、基本的なWeb開発言語や、AIといった機械学習に関する技術など、受講者の経験やニーズに応じた幅広い学習機会を提供しております。従来のプログラミング教室とは異なり、オンラインでのシステム学習によりカリキュラムの大半が完結する独自の学習サービスに加え、現役エンジニアによるマンツーマンのコーチング制をとっております。

ITエンジニアを目指す方に関しては、カリキュラムが完了した後に、カリキュラムで学習した知見を活かし、就職活動時等にポートフォリオとして示すための、オリジナルアプリケーションの開発に取り組みます。

受講者に対してはキャリアカウンセリングを継続して行い、Midworks事業やTechStars事業等、当社の別事業とも連携して学習内容を実務で活かすためのキャリア形成まで支援していることが、当社サービスの特徴です。

「career boost」は、全てのビジネスパーソンに対して、幅広いカリキュラムプランから選択し、自身の報酬やキャリアの向上を目指すコーチングを提供しております。現状のキャリアや価値観の棚卸を通じて、AI時代にも求められる人としての力(人間力)を養い、キャリアアップに向けた支援を行います。また、専門スキルの習得を目指す方には、上述のプログラミングスクール「tech boost」のカリキュラムも組み込んだプランも提供しており、School事業を通して市場価値の高いビジネスパーソン、市場価値の高いITエンジニアを目指すことが可能な体制をとっております。

 


 

③ Stars Agent事業

Stars Agent事業は、専門領域特化型転職支援サービスです。
当社の強みは、当社独自の求職者データベース解析技術にあります。求職者データベースは、人材紹介サービス

業者向けに提供されている有料の人材データベースのほか、Midworks事業、メディア事業及びSchool事業を通じて当社に蓄積された人材データベースを活用しております。

企業は、採用が決まって初めて報酬が発生するため、費用対効果を適正に測ることが可能になります。また、テクノロジーを活用して予め採用基準に合致する求職者を効率的に抽出し、企業側から求人案件を打診するダイレクト・リクルーティング方式のため、採用基準と求職者のスキルとのミスマッチが起きにくく、企業と求職者が対等な関係で交渉できることが特徴です。また当社では、1人のエージェントが企業側、利用者側の両面に対して対応を行うことで、上述したミスマッチの防止や、利用者側に対しての最適な求人提案の実現につながっております。

 


 

④ FCS事業・受託開発事業

FCS事業及び受託開発事業は、自社にエンジニア部門がない、自社開発を行うことができないなどの課題を持つ企業に対して、受託開発及びエンジニア部門立上げのコンサルティングとして人員採用からチーム組成まで、企業のニーズに合わせたサービスを行っております。

具体的に、株式会社Branding Engineerの大きな特徴としては単なる受託開発ではなく、人員採用や、チーム組成といったエンジニア部門の立上げまでをコンサルティングできることにあります。このため、エンジニア部門を有していないため、これまでに開発をあきらめていた企業にもサービス提供が可能となっております。

また、株式会社Growth Oneが提供する受託開発事業の特徴としては、生成AI台頭に伴う企業のAI活用に特化した受託開発に強みを持っている点です。コンサルティングから開発実装、社内の定着化までを伴走するパートナーとして企業のAI活用を支援します。グループ間の連携に伴い、即戦力のAI特化フリーランス人材のご提案も可能です。

 


 

(2) マーケティングプラットフォームサービス

マーケティングプラットフォームサービスは、以下の4事業で構成されております。

① Digital Arrow Partners事業

Digital Arrow Partners事業は、デジタルマーケティング分野に課題をかかえる企業に対して、コンサルティングを行うサービスです。

マーケティング組織の構築や、戦略立案といったデジタルマーケティングの上流工程および広告代行、SEO対策支援、インフルエンサーマーケティングなど、企業のプロモーションに関して、幅広くコンサルティングを行っております。

また、これまでの自社メディアにおいて獲得したメディア運営のノウハウや、複数の情報配信メディア運営を省力化するために独自で開発したCMS (Content Management System)のOEM提供を行うことにより、システム利用料及びその導入・運用に関するコンサルティング収入を得ております。

 

② ASP事業

ASP事業は、当社がこれまでにD2Cサービスの運営や広告運用によって得た知見を活かしたクローズドASPサービスであるSONOSAKIを運営しております。

SONOSAKIは従来のASPサービスでは重要視されていなかった、コンバージョン獲得後の成約率や、LTV、商品原

価、ROASといった様々なマーケティング指標の改善をサポートし、デジタルマーケティング分野で課題をかかえ

る企業に対しての支援を行うのが特徴です。

広告主に対して適切なメディアへの展開アドバイス、施策提案、支払い調整や、広告運用をするアフィリエイ

ターに対しての育成・管理、法令順守の記事チェックなどを行います。

広告主となる企業は、成果発生1件毎に報酬が発生するため、費用対効果を適正に測ることが可能になります。

 


 

③ Expert Partners事業

 Expert Partners事業は、当社がこれまでにMidworks事業によって得たフリーランスマッチングサービスの知見を活かしたフリーランスマーケターマッチングサービスであるExpert Partners Marketingを運営しております。

 ITエンジニアと同様に人材不足が見込まれるマーケター人材を、マーケター需要のある企業へとマッチングさせることで、リソース提供を行います。

 


 

 

④ BtoCプラットフォーム事業

 BtoCプラットフォーム事業では、当社がこれまでに企業と顧客をマッチングさせる事業によって得た知見を活かし、企業と顧客のマッチングが進んでいない業界への課題解決を目指した事業運営を行っております。

 具体的には、株式会社2Hundredによって運営される交通事故治療専門の通院先マッチングサービスであるドクター交通事故を展開しております。

 


 

 

(3) コンサル・アドバイザリーサービス

コンサル・アドバイザリーサービスは、以下の2事業で構成されております。

① 戦略コンサルティング事業

 戦略コンサルティング事業は、近年、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によりこれらサービスの需要が高まっており、競合他社との競争も厳しくなることが予想されます。このような市場環境に対応するために、業界ごとの高度な専門性を持つ人材を用いて、多角的な観点からのクライアントの課題解決を目指した事業運営を行っております。

 具体的には、株式会社enableX、株式会社ストラテジーキャンパスによって運営される戦略コンサルティング事業を展開しております。

 

② M&Aアドバイザリー事業

 M&Aアドバイザリー事業は、近年、事業継承のニーズの高まりを受け、これらに対応するべく、実務経験豊富なアドバイザーによる高品質なサポート体制を実現し、グループ会社の事業でもあるIT、DX、マーケティングなどの知見も活用した総合的なアドバイザリーサービスを用いてクライアントの課題解決を目指した事業運営を行っております。

 具体的には、株式会社M&A承継機構によって運営されるM&Aアドバイザリー事業を展開しております。

 

 

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

事業系統図

 


業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景とした内需の底堅さがみられる一方、物価上昇の影響が残る中で回復は緩やかにとどまりました。消費者物価は基調的に高止まりする局面が続き、実質賃金の改善はなお途上であり、消費者の節約志向が持続しました。

海外経済においては、主要国の通商政策の変化や地政学的リスクの高まりにより国際貿易をめぐる不確実性が増し、為替変動や資源価格の上昇などを通じて国内景気の先行きに対する不透明感が強まりました。

一方、構造的な人手不足は引き続き深刻化しており、とりわけIT人材の確保は企業活動における大きな課題となっております。生成AIをはじめとする新技術の実用化やサイバーセキュリティ需要の高まりに伴い、ITスキルに対する企業の需要は一段と強まっており、国内の労働市場においても高水準での人材需要が継続しております。

このような事業環境のもと、当社の事業領域と相関の高いIT市場においては、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資や生成AIを活用した業務効率化・新規事業開発の取り組みが拡大しております。ITエンジニアに対する採用意欲は依然として強い状況が続いていることから、デジタルシフトを進める企業にITエンジニアを提供する当社の役割は、より重要なものになると認識しております。

このような事業環境下におきまして、当社は昨年に引き続き企業のデジタル化を推進すべく、企業に対しITエンジニアリソースの提供を行うとともに、ITエンジニアの独立支援を行うMidworks事業を中心としたエンジニアプラットフォームサービスの拡大に注力いたしました。当連結会計年度におきましては、Midworks事業を中心に積極的なエンジニア獲得や顧客獲得のための広告費や、グループ全体に対しての正社員エンジニアや営業人材及びコンサル人材の採用に関する採用広告費の投資を行いました。

 

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高18,077,366千円(前年同期比26.5%増)、営業利益819,999千円(前年同期比72.7%増)、経常利益807,250千円(前年同期比81.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は494,316千円(前年同期比161.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

当社グループの報告セグメントは、株式会社Branding Engineerを中心とした「エンジニアプラットフォームサービス」、株式会社Digital Arrow Partnersを中心とした「マーケティングプラットフォームサービス」、株式会社M&A承継機構、株式会社enableXを中心とした「コンサル・アドバイザリーサービス」の3区分としております。  

 

a. エンジニアプラットフォームサービス

エンジニアプラットフォームサービスは、株式会社Branding Engineerによって運営される企業とフリーランスエンジニアをマッチングするMidworks事業、システムの受託開発やエンジニア組織のコンサルティングを行っているFCS事業、株式会社Branding Careerによって運営されるITエンジニアを中心とした専門領域特化型転職支援サービスであるStars Agent事業、個人・法人双方に対してプログラミング教育やコーチングサービスを提供するSchool事業、株式会社Growth Oneによって運営される受託開発事業、TSR株式会社、株式会社ジンアース、株式会社MapleSystems、株式会社Careconによって運営されるエンジニアマッチングサービスで構成されています。

当連結会計年度においては主にMidworks事業において、前期に引き続き新規取引先の獲得に注力するとともに、稼働エンジニア数を増加させるための施策としてエンジニア獲得・顧客獲得のための広告投資のほか、内勤の営業人材の採用および教育に関する投資を積極的に行いました。

また、Midworks事業の拡大に向けた取り組みとしてエンジニア派遣事業を本格的に始動し、正社員エンジニアの採用投資も積極的に行っています。

この結果、本報告セグメントの売上高は15,758,646千円(前年同期比23.5%増)、セグメント利益は1,148,261千円(前年同期比4.3%増)となりました。

 

b. マーケティングプラットフォームサービス

マーケティングプラットフォームサービスは、株式会社 Digital Arrow Partnersによって運営される WEBマーケティングコンサルサービスであるDigital Arrow Partners事業、クローズドASPサービスであるASP事業、フリーランスマーケターをマッチングするExpert Partners Marketing事業に加え、株式会社2Hundredによって運営されるBtoCプラットフォーム事業で構成されております。

当連結会計年度においては、WEBマーケティング全般のコンサルティングへとサービスの拡充を行った結果、受注が堅調に伸びました。

この結果、本報告セグメントの売上高は454,103千円(前年同期比△8.4%)、セグメント利益は48,652千円(前年同期比20.9%増)となりました。

 

c. コンサル・アドバイザリーサービス

コンサル・アドバイザリーサービスは、株式会社enableX及びSAICOOL株式会社によって運営される戦略コンサルティング事業、株式会社M&A承継機構によって運営されるM&Aアドバイザリー事業を行っております。

当連結会計年度においては、それぞれの領域において業界経験が豊富な人材を中心に採用を行い、事業拡大を行いました。

また、戦略コンサルティング領域においては当連結会計年度中に4件のM&Aを実施し、株式会社enableXを中心とした提供サービス内容と体制の強化を図っています。

この結果、本報告セグメントの売上高は1,864,616千円(前年同期比80.3%増)、セグメント利益は487,474千円(前年同期比72.2%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末と比較して2,845,972千円増加し、9,947,870千円となりました。これは主に、流動資産において現金及び預金が859,004千円増加したこと、売掛金及び契約資産が398,694千円増加したこと、固定資産においてのれんが933,829千円増加したこと等によるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末と比較して2,263,851千円増加し、6,479,938千円になりました。これは主に、流動負債において1年内返済予定の長期借入金が445,861千円、未払金が314,410千円増加したこと、固定負債において長期借入金が1,121,260千円増加したこと等によるものです。
 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して582,121千円増加し、3,467,931千円になりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が472,672千円増加したこと等によるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は4,557,240千円となり、前連結会計年度末に比べ859,004千円増加いたしました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、749,693千円の収入となりました(前年同期は697,114千円の収入)。主な内訳は、売上債権が166,952千円増加した一方で、税金等調整前当期純利益が818,150千円、未払金が217,653千円等増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,278,120千円の支出となりました(前年同期は120,254千円の支出)。主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,143,088千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入21,128千円、敷金及び保証金の差入による支出131,331千円、有形固定資産の取得による支出60,224千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、1,387,432千円の収入となりました(前年同期は1,831,705千円の収入)。主な内訳は、長期借入れによる収入2,143,118千円、短期借入金の純増減額100,000千円等の資金の増加があった一方で、長期借入金の返済による支出835,702千円、配当金の支払額21,519千円の資金の減少があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 

 

b.受注実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

エンジニアプラットフォームサービス

15,758,646

23.5

マーケティングプラットフォームサービス

454,103

△8.4

コンサル・アドバイザリーサービス

1,864,616

80.3

合計

18,077,366

26.5

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表を作成するために、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行っています。経営者は、これらの見積りについて過去の経験・実績や現在及び見込まれる経済状況などを勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果になる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等、会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

 

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度における売上高は18,077,366千円となり、前連結会計年度に比べ3,786,484千円増加(前年同期比26.5%増)となりました。

これは主にMidworks事業を中心に前期に引き続き新規取引先の獲得に注力した他、戦略コンサルティング事業及びM&Aアドバイザリー事業において人材獲得による事業拡大を行ったことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は12,565,845千円となり、前連結会計年度に比べ2,396,579千円増加(前年同期比23.6%増)となりました。これは主にエンジニア数の増加にあわせて、売上原価に含まれるエンジニアの外注費及び労務費も増加したことによるものであります。

この結果、売上総利益は5,511,521千円となり、前連結会計年度に比べ1,389,904千円増加(前年同期比33.7%増)となりました。売上総利益率については当連結会計年度で30.5%となり、前連結会計年度28.8%に対して1.7ポイント上昇いたしました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は4,691,522千円となり、前連結会計年度に比べ1,044,778千円増加(前年同期比28.6%増)となりました。これは主に、Midworks事業を中心に積極的なエンジニア獲得や顧客獲得のための広告費や、グループ全体に対しての正社員エンジニアや営業人材及びコンサル人材の採用に関する採用広告費の投下によるものであります。

この結果、当連結会計年度における営業利益は819,999千円となり、前連結会計年度に比べ345,125千円増加(前年同期比72.7%増)となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度において、助成金収入12,447千円、受取補償金7,044千円を含め営業外収益を30,045千円計上いたしました。一方で、主に金融機関からの借入れに伴う支払利息27,033千円、支払手数料10,882千円を含め営業外費用を42,794千円計上いたしました。

この結果、当連結会計年度における経常利益は807,250千円となり、前連結会計年度に比べ361,634千円増加(前年同期比81.2%増)となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度において、一部の連結子会社にて運営していたメディア事業の譲渡を行ったことから事業譲渡益10,900千円を計上いたしました。

この結果、税金等調整前当期純利益は818,150千円となり、前連結会計年度に比べ390,316千円増加(前年同期比91.2%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、税金費用288,700千円、非支配株主に帰属する当期純利益35,133千円を計上いたしました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は494,316千円となり、前連結会計年度に比べ305,452千円増加(前年同期比161.7%増)となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備資金は無いため、人件費の支払いから販売代金の入金までの期間の運転資金及びM&Aが資金需要となり、当社グループのフリーキャッシュ・フロー並びに金融機関からの借入れによる資金調達を行うことを基本としております。効率的な人材配置と債権回収により営業キャッシュ・フローの増加に努めるとともに、借入金につきましては、長期資金の割合を高めて、財務健全性の維持を図り、当連結会計年度末における借入金の残高は3,637,281千円となっております。なお、資金調達の機動性と安定性を図るため、取引先金融機関15行と取引をしております。なお、現金及び現金同等物の残高は4,557,240千円となっております。

 

⑤ 目標とする経営指標

当社グループは売上高成長率及び営業利益成長率を重要な経営指標としております。金融機関からの借入れにより調達した資金をもとに、Midworks事業を中心に積極的なエンジニア獲得や顧客獲得のための広告や、グループ全体に対しての営業人材及びコンサル人材の採用に関する採用広告の投資を行うとともに、機動的なM&Aを行った結果、前連結会計年度に比し総売上高では26.5%、営業利益では72.7%の成長となりました。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

セグメント情報

 

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1. 報告セグメントの概要

(1) 報告セグメントの決定方法

 当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、ITエンジニアを取り巻く様々な事業環境を収益獲得機会ととらえて事業活動を展開しておりますが、一定程度の事業規模となっている事業のほかにも新しい事業を確立すべく、常に複数の新規事業も並行して事業活動を展開しております。

 したがって、当社グループは事業の成長段階に応じて、「エンジニアプラットフォームサービス」「マーケティングプラットフォームサービス」「コンサル・アドバイザリーサービス」の3つを報告セグメントとしております。

 

(2) 各報告セグメントに属するサービスの種類

「エンジニアプラットフォームサービス」は、キャリア開発の機会と、安心して就業できる機会を提供し、そのITエンジニアのリソースを、従来の雇用形態に捉われない様々な形でITサービスやITシステムの開発力不足に悩む企業に提供し、国内におけるITエンジニアの人材不足を解決するソリューション事業を展開しております。

具体的には、株式会社Branding Engineerによって運営される企業とフリーランスエンジニアをマッチングするMidworks事業、システムの受託開発やエンジニア組織のコンサルティングを行っているFCS事業、株式会社Branding Careerによって運営されるITエンジニアを中心とした専門領域特化型転職支援サービスであるStars Agent事業、個人・法人双方に対してプログラミング教育やコーチングサービスを提供するSchool事業、株式会社Growth Oneによって運営される受託開発事業、TSR株式会社、株式会社ジンアース、株式会社MapleSystems、株式会社Careconによって運営されるエンジニアマッチングサービスで構成されています。エンジニアの学習から情報収集、独立支援や企業紹介等、エンジニアのキャリアに関するトータルサービスを展開しております。

「マーケティングプラットフォームサービス」は、当社が得意とするデジタルマーケティング領域に関するソリューションをクライアントに提供することで、テクノロジー化の進む現代社会においての新しいマーケティング手法の確立をサポートしております。

具体的には、株式会社Digital Arrow Partnersによって運営されるWEBマーケティングコンサルサービスであるDigital Arrow Partners事業、クローズドASPサービスであるASP事業、フリーランスマーケターをマッチングするExpert Partners Marketing事業に加え、株式会社2Hundredによって運営されるBtoCプラットフォーム事業で構成されております。

 「コンサル・アドバイザリーサービス」は、事業成長に課題を抱える企業に対して、新規事業の立ち上げから、マーケティング、開発支援までの事業戦略に関するコンサルティングを提供する戦略コンサルティング事業と、M&Aを通じて、事業・経営の承継における最善の意思決定を支援するM&Aアドバイザリー(M&A戦略コンサルティング、FA、PMIコンサルティング等)事業を行っております。

  具体的には、株式会社enableX及びSAICOOL株式会社によって運営される戦略コンサルティング事業、株式会社M&A承継機構によって運営されるM&Aアドバイザリー事業で構成されております。

 

2. 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 

 

3. 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自  2023年9月1日  至  2024年8月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

合計

エンジニア

プラットフォーム

サービス

マーケティング

プラットフォーム

サービス

コンサル・

アドバイザリー

サービス

売上高

 

 

 

 

 

 

顧客との契約から生じる収益

 

 

 

 

 

 

 外部顧客への売上高

12,760,687

495,781

1,034,412

14,290,882

14,290,882

 セグメント間の内部売上高又は振替高

7,114

13,789

20,264

41,168

△41,168

12,767,802

509,570

1,054,677

14,332,050

△41,168

14,290,882

セグメント

利益

1,100,452

40,249

283,042

1,423,744

△946,317

477,427

その他の

項目

 

 

 

 

 

 

 減価償却費

3,188

3,188

38,082

41,271

 のれんの

 償却額

123,386

5,936

129,323

129,323

 

(注)1.セグメント売上高の調整額は、セグメント間の内部売上高消去額であります。

2.セグメント利益の調整額△946,317千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

3.減価償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産の減価償却費であります。

 

当連結会計年度(自  2024年9月1日  至  2025年8月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

合計

エンジニア

プラットフォーム

サービス

マーケティング

プラットフォーム

サービス

コンサル・

アドバイザリー

サービス

売上高

 

 

 

 

 

 

顧客との契約から生じ

る収益

 

 

 

 

 

 

 外部顧客への売上高

15,758,646

454,103

1,864,616

18,077,366

18,077,366

 セグメント間の内部売上高又は振替高

13,602

11,671

2,339

27,613

△27,613

15,772,248

465,775

1,866,955

18,104,980

△27,613

18,077,366

セグメント

利益

1,148,261

48,652

487,474

1,684,388

△854,984

829,403

その他の

項目

 

 

 

 

 

 

 減価償却費

7,273

270

2,383

9,928

29,945

39,873

 のれんの

 償却額

158,738

26,285

185,023

185,023

 

(注)1.セグメント売上高の調整額は、セグメント間の内部売上高消去額であります。

2.セグメント利益の調整額△854,984千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

3.減価償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産の減価償却費であります。

 

4. 報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

 

 

(単位:千円)

利益

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

477,427

829,403

子会社株式の取得関連費用

△2,553

△9,404

連結財務諸表の営業利益

474,873

819,999

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)

1. 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2. 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

    本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3. 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)

1. 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2. 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

    本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3. 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

エンジニア

プラットフォーム

サービス

マーケティング

プラットフォーム

サービス

コンサル・

アドバイザリー

サービス

 減損損失

8,410

8,410

8,410

 

 

当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

エンジニア

プラットフォーム

サービス

マーケティング

プラットフォーム

サービス

コンサル・

アドバイザリー

サービス

 減損損失

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

エンジニア

プラットフォーム

サービス

マーケティング

プラットフォーム

サービス

コンサル・

アドバイザリー

サービス

 当期末残高

939,056

939,056

939,056

 

(注)のれんの償却額については、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

エンジニア

プラットフォーム

サービス

マーケティング

プラットフォーム

サービス

コンサル・

アドバイザリー

サービス

 当期末残高

1,138,420

734,466

1,872,886

1,872,886

 

(注)のれんの償却額については、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年9月1日  至 2024年8月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(2024年9月1日  至 2025年8月31日)

 該当事項はありません。