事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 1,556 | 100.0 | -525 | 100.0 | -33.7 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、「新たな食体験を創り上げ、人生をもっとHappyに。」をビジョンに掲げ、「自分にベストなお店が見つかる」実名型グルメプラットフォーム「Retty」(※)を運営しております。
現在、インターネットメディアにおいて情報の信頼性が求められており、「誰が」書いたのかという視点も重要になってきております。これは飲食においても同様で、飲食店探しにおいて「友人・知人からの口コミ」が最も参考にされる情報源と当社は考えております。当社は、「食」の好みは人により千差万別であり、信頼できる「ヒト」から飲食店を探すのがベストであるという考えに基づいて「Retty」を設計・運用しております。
具体的には、「Retty」を利用するユーザーは全国の飲食店情報を閲覧できるほか、実際に飲食店を訪れたことがあるユーザーをフォローしオススメ口コミ情報を閲覧することができるようになっております。「Retty」では実名型のサービスとなっているため、当該オススメ口コミ情報の信頼性が高く、また、趣味嗜好が合うユーザー同士で情報提供ができるSNS機能を組み込んでいるため、点数評価では実現できない「人々がHappy」になる空間を提供していると考えております。飲食店側においても、点数評価ではないオススメ口コミ情報が掲載されることから「Retty」を受け入れやすい仕様となっており、当該オススメ情報を投稿するユーザーやフォローするユーザー数を確認できるほか、SNS機能を通じて当該ユーザーとの接点を持つことができるため、単なる一次集客のみならず、二次、三次集客へとつなげることが可能となっております。
このような設計にすることで「Retty」に蓄積される情報は多岐に及ぶことになり、現在は店舗データや実名口コミ情報にとどまらず、閲覧のログデータ、フォローや「いいね・行きたい」といったアクションデータなどが蓄積されております。これらのデータを分析しユーザーの閲覧、投稿、アクションから割り出された好みやシチュエーション、雰囲気などを考慮した、各ユーザーに最適化された飲食店情報を提供することができるようになっており、「Retty」の持続的な成長の源泉となっております。
「Retty」は、以下3つを特徴としております。
(※) 当社における「実名型」とは、利用者全員に対して本人確認をとっている状態を指すものではありませんが、Facebookアカウント等との連携により、個人がインターネット上において発信に責任が持てる環境を指しております。
当社事業は、実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントでありますが、「FRM」、「広告コンテンツ」の2つのサービスを展開しております。
(1)FRM
多くの飲食店は稼働率の向上を通じた売上の増加及び採算の改善による利益率の向上を至上命題としており、当社は「Retty」を通じたオンラインでの販促を提供することで、飲食店から毎月定額のサービス利用料収入を得ております。具体的には、契約した飲食店(以下、「有料店舗」といいます。)に対して、「Retty」内で上位に表示される仕組みや有料店舗の広告を掲載するサービスを提供するほか、飲食店に訪れたことがあるユーザーや当該ユーザーのオススメ口コミ情報及び当該ユーザーをフォローしているユーザーなど、多種にわたるユーザー情報を管理できる顧客管理システムを提供しております。当該顧客管理システムでは、ユーザーとコミュニケーションをとることができる当社独自の仕様となっているため、単なる広告を掲載するのみの販促ではなく、双方向型の販促を提供し、常連客作りに資する継続的な送客を有料店舗に提供しております。
「Retty」には多くのユーザー情報が蓄積されており、ユーザーに対しては最適化された飲食店情報を、有料店舗に対しては二次集客・三次集客につながる販促ツールを提供することで、飲食業界の大きな課題である低い利益率、及びそれに伴う高い廃業率などの改善に大きく貢献できるものと考えております。なお、その想いを込めて当該サービスを「FRM」(Fan Relationship Managementの略称)と名付けております。
当該サービスは、毎月定額の料金を有料店舗より頂くサブスクリプション型のビジネスモデルとなっており、当社は持続的かつ継続的に売上が積み重なっていくストック型の売上と位置づけております。
(2)広告コンテンツ
当社の広告コンテンツは、①実名型グルメプラットフォーム「Retty」を活用した広告ソリューション、②当社がこれまで実名型グルメプラットフォーム「Retty」を運営、拡大してきた中で蓄積してきたコンテンツを活用したコンテンツソリューションの2つから成り立っております。
① 広告ソリューションは「Retty」の利用者数を飲食店以外の顧客に送客するサービスであり、「Retty」を積極的に利用するユーザーを対象にブランド認知向上等のプロモーションを行いたい広告主に対して「Retty」内にタイアップ広告、「Retty」上の広告枠を、テクノロジーを活かして効率的に運用することで広告掲載収入を得るアドテクノロジー、「Retty」上において同業他社の飲食店予約サービス機能との連携をするなど他社とアライアンスを組むことで送客手数料収入を得ているアライアンスがあります。
② コンテンツソリューション
当社には、80万店に及ぶ店舗データや写真データ、実名口コミデータ、ユーザーログなどのコンテンツが蓄積されており、これをRettyのデータベースである「Food Data Platform」としてクライアントに継続的に提供することで、月額の利用料を頂いております。飲食業界以外の化粧品業界、アパレル業界、旅行業、不動産業といった幅広い業界のクライアントに向けて当社のコンテンツを提供することで、例えば自社の旅行サイトに当社の飲食店情報と口コミ情報を掲載する、当社の口コミ情報から外食トレンドの分析をするなど、自社サイトのコンテンツ制作、マーケティング、データ分析などに活用して頂いております。
なお、当社の当事業年度の四半期ごとの業績の推移は以下のとおりであります。
|
第1四半期会計期間 (自 2022年10月1日 至 2022年12月31日) |
第2四半期会計期間 (自 2023年1月1日 至 2023年3月31日) |
第3四半期会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) |
第4四半期会計期間 (自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) |
||||
金額 (千円) |
対前年 同四半期 (%) |
金額 (千円) |
対前年 同四半期 (%) |
金額 (千円) |
対前年 同四半期 (%) |
金額 (千円) |
対前年 同四半期 (%) |
|
売上高 |
414,456 |
96.8 |
402,328 |
97.1 |
363,452 |
83.2 |
376,022 |
86.2 |
うちFRM |
305,906 |
98.0 |
303,864 |
102.7 |
279,205 |
87.4 |
278,308 |
87.3 |
うち広告コンテンツ |
108,549 |
93.8 |
98,463 |
83.0 |
84,247 |
71.6 |
97,713 |
83.3 |
売上総利益 |
218,707 |
91.5 |
252,729 |
115.8 |
214,893 |
91.2 |
261,115 |
122.7 |
販売費及び一般管理費 |
418,924 |
103.9 |
374,842 |
99.0 |
365,148 |
83.5 |
313,441 |
71.5 |
営業損失(△) |
△200,216 |
- |
△122,113 |
- |
△150,255 |
- |
△52,325 |
- |
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
2023年、当初においては新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が残存しておりましたが、5月に新型コロナ感染症の感染症法上の分類が2類相当から5類へ移行したことを契機に飲食業界の景気も緩やかに回復しております。
このような状況の中当社のFRM(Fan Relationship Managementの略称)については、当事業年度は以下の方針に基づいて事業を推進しております。
①LTVの高い商品の販売比率向上
前事業年度よりテイクアウトプラン等のLTVが低い商品の販売比率を下げ、よりLTVが高い通常プランの販売比率を高めており、中長期的な売上向上に資する販売体制の確立が進んでおります。
②販売チャネルのリソースアロケーション見直し
当事業年度より解約率が継続的に高い特定代理店との関係性を再検討し、注力代理店チャネル及び直販にリソースを集中させる方針としております。
上述の結果として特定代理店を含めたFRM事業売上については当該特定代理店の解約率が高いことから減少傾向が継続しておりますが、当該特定代理店を除いた注力代理店チャネル及び直販チャネルにおいては当事業年度より売上の明らかな純増傾向が継続しております。
広告コンテンツについては、足許のユーザー数減少による影響を受けて、売上が減少しております。
これらの結果として当事業年度における売上高は1,556百万円(前事業年度比9.3%減)となりました。
費用面では、売上原価は608百万円(前事業年度比24.8%減)、販売費及び一般管理費は1,472百万円(前事業年度比11.2%減)となりました。
また、新型コロナウイルス特別貸付に係る利子補給金等により営業外収益3百万円(前事業年度比38.7%減)、支払利息等により営業外費用14百万円(前事業年度比45.7%増)、減損損失として特別損失74百万円(前事業年度は102百万円の特別損失)を計上しております。
以上より、当事業年度における営業損失は524百万円(前事業年度は751百万円の営業損失)、経常損失は535百万円(前事業年度は755百万円の経常損失)、当期純損失は612百万円(前事業年度は859百万円の当期純損失)となりました。
なお、当社は実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,224百万円となり、前事業年度末に比べ241百万円減少いたしました。これは主に、前払費用の減少105百万円、売掛金の減少62百万円、現金及び預金の減少22百万円、その他流動資産の減少42百万円によるものです。また、当事業年度末における固定資産は46百万円となり、前事業年度末に比べ160百万円減少いたしました。これは主に、敷金の償却及び減損損失の計上による敷金及び保証金の減少149百万円、長期前払費用の減少11百万円によるものです。
上記の結果として、総資産は1,271百万円となり、前事業年度末に比べ401百万円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は326百万円となり、前事業年度末に比べ531百万円減少いたしました。これは主に、借入金の返済によって短期借入金が594百万円減少したことによるものです。また、当事業年度末における固定負債は551百万円となり、前事業年度末に比べ41百万円増加いたしました。 これは、長期借入金が41百万円増加したことによるものです。
上記の結果として、総負債は878百万円となり、前事業年度末に比べ489百万円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は392百万円となり、前事業年度末に比べ88百万円増加いたしました。これは主に、2022年11月11日付けで平尾氏及びじげん社と資本業務提携契約を締結し、普通株式による資金調達によって資本金及び資本準備金がそれぞれ342百万円増加したこと、2022年12月23日開催の第12回定時株主総会の決議に基づき、2023年2月7日付で資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分の効力が生じ、資本金が357百万円、資本剰余金が501百万円減少し、利益剰余金が859百万円増加したこと、当事業年度において当期純損失612百万円を計上したことにより利益剰余金が612百万円減少したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は872百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、284百万円(前事業年度は558百万円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失609百万円、減損損失74百万円、前払費用の減少104百万円、未払又は未収消費税等の増減48百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、42百万円(前事業年度は8百万円の使用)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入51百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、219百万円(前事業年度は832百万円の獲得)となりました。これは主に、上述した第三者割当増資等の株式発行による収入700百万円、短期借入金の純減少594百万円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称 |
当事業年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
前事業年度比(%) |
FRM(千円) |
1,167,284 |
93.7 |
広告コンテンツ(千円) |
388,974 |
82.9 |
合計(千円) |
1,556,259 |
90.7 |
(注)1.当社は実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
当事業年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社リエゾン |
375,136 |
21.9 |
200,269 |
12.9 |
(注)1.前事業年度末において主な販売実績の相手先であった株式会社EPARKグルメは、2023年5月31日に株式会社リエゾンに社名変更しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「⑦経営成績の分析」、「(1)②財政状態の状況」、「(1)③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社における資金需要は、主として運転資金であります。運転資金の需要のうち主なものは、業容拡大のための営業人員の人件費、サービス品質のさらなる向上のための開発人員の人件費及び有料店舗数増加のための販売代理店に対する販売手数料であります。この財源については、自己資金の効率的な運用に加え、金融機関からの資金調達を基本としております。なお、事業活動を円滑に実行できるよう、適正な水準の資金の流動性の維持及び確保を最優先としております。具体的には、何らかの理由により売上債権の入金が滞った場合でも取引先に対する支払に遅れが発生せず、かつ、必要に応じて金融機関からの資金調達を実行するまでの間、事業運営に支障が出ない水準の預金残高を維持しております。
④継続企業の前提に関する重要事象等について
当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (5)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、当該事象を解消するための対応策を実施しているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと認識しております。
⑤目標とする経営指標
当社の目標とする経営指標は、FRMにおける有料店舗数であります。
(FRMにおけるお店会員(固定)プランの有料店舗数)
お店会員(固定)プランの有料店舗数は、当事業年度末時点において前事業年度末から1,393件減少し、5,528店舗(前事業年度末比79.9%)となりました。一方で今後については従前相対的に解約率の高かった代理店チャネルの整備も進み解約も落ち着くことが予想されるため、優良な代理店の開拓・育成を中心とした営業人員数を拡大させていくことで有料店舗数の回復を目指してまいります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑧経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は1,556百万円(前事業年度比9.3%減)となりました。FRMについては特定代理店の解約率が高いことから減少傾向が継続しておりますが、当該特定代理店を除いた販売チャネルにおいては当事業年度より売上の明らかな純増傾向が継続しております。また、広告コンテンツについては足許のユーザー数減少による影響を受けて、売上が減少しております。
(売上原価・売上総利益)
当事業年度における売上原価は608百万円(前事業年度比24.8%減)となりました。これは主に、コスト削減の推進による人件費抑制によるものです。
上記の結果として、当事業年度における売上総利益は947百万円(前事業年度比4.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業損失)
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,472百万円(前事業年度比11.2%減)となりました。これは主に、コスト削減の推進による人件費抑制及びオフィス移転による地代家賃抑制によるものです。
上記の結果として、当事業年度における営業損失は524百万円(前事業年度は751百万円の営業損失)となり、赤字となりました。
(営業外収益・営業外費用・経常損失)
当事業年度における営業外収益は営業外収益3百万円(前事業年度比38.7%減)となりました。これは主に、新型コロナウイルス特別貸付に係る利子補給金によるものです。
当事業年度における営業外費用は14百万円(前事業年度比45.7%増)となりました。これは主に、支払利息等によるものです。
上記の結果として、当事業年度における経常損失は535百万円(前事業年度は755百万円の経常損失)となりました。
(当期純損失)
上記のとおり、経常損失535百万円、及びオフィス移転に伴う旧オフィスの原状回復費用等74百万円の減損損失計上により、当事業年度における当期純損失は612百万円(前事業年度は859百万円の当期純損失)となりました。