事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| メディア事業 | 6,244 | 93.9 | - | - | - |
| HR事業 | 340 | 5.1 | - | - | - |
| 保険事業 | 69 | 1.0 | - | - | - |
3【事業の内容】
1.当社グループについて
当社の社名は、世界最深地点で生存が確認された深海魚の名前(ヨミノアシロ)を拝借しており、「アシロに関わる人を誰よりも深く幸せにすることで、よりよい社会の実現に貢献する」という企業理念の下、表層的なサービスではなく、日常生活の基盤やインフラと成り得るサービスの創出を目指しております。
上記の企業理念の下、当社グループは、デジタル技術やウェブマーケティングノウハウを活用して、インターネット上で法律情報や弁護士情報等を提供する「リーガルメディア」、同事業から派生して立ち上げられた「派生メディア」から成る「メディア事業」を主要事業としております。また、当該事業を拡大する中で蓄積した弁護士業界のネットワークや知見、インターネット上での集客ノウハウを活かし、弁護士有資格者等の人材紹介サービスを提供する「HR事業」を2020年より、弁護士費用保険等の販売を行う「保険事業」を連結子会社の株式会社アシロ少額短期保険にて2022年より開始しております。なお、HR事業は現在、弁護士有資格者や公認会計士といった士業人材に限らず、管理部門人材の人材紹介サービスも提供し、事業の幅を拡大しております。
主要事業である「メディア事業」の中でも、収益の大きい「リーガルメディア」は主に月額定額の掲載料収入(サイト内の有料広告の掲載枠数に、月額定額の掲載枠単価を乗じた金額)であり、掲載枠数の増加に比例して収益が伸長するストック型の収益構造であることから、安定的な成長を目指すことが出来るビジネスモデルとなっております。
当社グループは、当社(株式会社アシロ)及び連結子会社1社(株式会社アシロ少額短期保険)の2社で構成されており、当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
会社名 |
当社との関係 |
主な事業内容 |
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メディア事業 |
株式会社アシロ |
当社 |
リーガルメディア及び派生メディアのサイト運営 |
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HR事業 |
株式会社アシロ |
当社 |
弁護士等の有資格者や管理部門人材の人材紹介サービス |
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保険事業 |
株式会社アシロ少額短期保険 |
連結子会社 |
少額短期保険業 |
上記の3事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報」に掲げる区分と同一であります。
なお、当社は、2025年4月25日開催の取締役会において、人材派遣事業を営む連結子会社である株式会社ヒトタス(以下「ヒトタス」といいます。)の全株式を同社の代表取締役である鈴木輝氏(以下「鈴木氏」といいます。)に譲渡すること、並びに鈴木氏に対してヒトタスの株式取得資金の一部を当社より貸付けることを決議し、2025年4月30日に鈴木氏に貸付を実行してヒトタスの全株式を譲渡しました。これに伴い、前連結会計年度及び当連結会計年度においてHR事業のうちヒトタスが営む人材派遣事業を非継続事業に分類しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記「37.非継続事業」」に記載のとおりであります。
2.各事業の概要
(1)メディア事業
メディア事業は、弁護士へのマーケティング支援サービスを提供しているリーガルメディアと、弁護士以外の広告主へのマーケティング支援サービスを提供している派生メディアに分類され、運営する主要なサイトとその概要を図で示すと以下のとおりです。
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媒体 |
運営サイト |
概要 |
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リーガル メディア |
ベンナビ |
ベンナビ離婚 |
分野特化型法律メディアサイト |
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ベンナビ交通事故 |
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ベンナビ相続 |
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ベンナビ労働問題 |
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ベンナビ刑事事件 |
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ベンナビ債権回収 |
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ベンナビ債務整理 |
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ベンナビIT |
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派生メディア |
キャリズム |
転職エージェントメディアサイト |
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浮気調査ナビ |
分野特化型探偵メディアサイト |
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人探しの窓口 |
分野特化型探偵メディアサイト |
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ユーザーはリーガルメディア・派生メディアとも原則として無料で閲覧することができ、メディアへ広告出稿をする弁護士・企業等の顧客から広告収入を頂くビジネスモデルとなっております。
派生メディアの報酬体系はユーザーからの問合せ数に応じた成果報酬型でありフロー収益となりますが、リーガルメディアの報酬体系は、サイト内の有料広告の掲載枠数に月額定額の掲載枠単価を乗じた広告収入を得るストック収益となっていることから、安定した収益を見込むことが可能となっております。
なお、当社運営サイトへのユーザー流入経路は大きく2通りに分けられ、1つはコラム記事等のコンテンツを制作することによる大手検索サイトでの自然検索(注)経由での流入であり、もう1つは大手検索サイトにおいてリスティング広告(注)等を出稿することによる広告経由での流入となります。
(注)自然検索とは、検索結果画面に表示されるURLのリストのうち、リスティング広告のような広告枠を含まない部分をいいます。検索エンジンのランキングアルゴリズムによってURLをランキング付けしてリスト化できるのは自然検索の部分であり、SEO(検索エンジン最適化)対策は自然検索での表示を対象に行います。リスティング広告とは、検索キーワードに応じて検索結果上位に表示される広告です。検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーがクリックするごとに課金されます。
(リーガルメディア)
リーガルメディアは、弁護士を主な顧客としているメディアサイトであり、「ベンナビ離婚」、「ベンナビ交通事故」等、弁護士が取り扱う事件分野に特化した個別のベンナビサイトにより主に構成されております。ベンナビは、離婚・交通事故・相続・労働問題・刑事事件・債権回収・債務整理・ITの8つの事件分野で独立したサイトを運営しており、弁護士個人又は弁護士法人の広告の掲載を行っております。
弁護士業界は、司法制度改革による弁護士数増加に伴い、案件獲得の競争が激化しております。各弁護士は得意分野や取扱い分野を明確化し、差別化を図ることが重要となっている中、当社が運営するリーガルメディアは個別の事件分野に特化したサイトであることから、弁護士にとって積極的に獲得したい事件分野の問合せが得られやすいサービスとなっております。また、ユーザーにとっては、悩みを抱えている事件分野を積極的に取り扱っている弁護士に相談できるサービスとなっており、ミスマッチが起こりづらい点が大きな特徴です。
リーガルメディアの各期の有料広告の掲載枠数(期末時点)、売上収益の推移は以下のとおりであります。なお、掲載枠数は、顧客である弁護士がサイト内で有料広告を出稿している枠の数であり、掲載枠数に月額定額の掲載枠単価を乗じた広告収入を顧客である弁護士から得ております。
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掲載枠数(件) (期末時点) |
売上収益(千円) (年間) |
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2016年10月期(注) |
499 |
- |
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2017年10月期 |
548 |
599,342 |
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2018年10月期 |
1,031 |
722,363 |
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2019年10月期 |
1,199 |
865,662 |
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2020年10月期 |
1,276 |
1,008,827 |
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2021年10月期 |
1,478 |
1,160,701 |
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2022年10月期 |
1,925 |
1,469,725 |
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2023年10月期 |
2,415 |
1,838,036 |
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2024年10月期 |
3,146 |
2,460,690 |
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2025年10月期 |
3,332 |
3,784,558 |
(注)当社及び旧 株式会社アシロにおけるサービス提供期間を通算した数値となります。リーガルメディアのみの売上収益については、当時は集計していなかったため、記載しておりません。
(派生メディア)
派生メディアは、「キャリズム」という転職エージェントを顧客としたメディアサイトと、「浮気調査ナビ」といった探偵事務所を顧客としたメディアサイト等により構成されております。派生メディアは弁護士に相談・依頼するユーザーが有する派生ニーズに対応したメディアサイトであり、例として「キャリズム」については、労働問題で悩みを抱えるユーザーに対して、弁護士への相談を促すだけでなく、転職という選択肢も提供することがユーザーの潜在的なニーズを満たし、ユーザーの利益に資するという考えの下、サービスを開始いたしました。
リーガルメディアの運営を行う中で培ってきたデジタル技術やウェブマーケティングノウハウを活用するとともに、リーガルメディアとの間でのユーザーの相互送客といった相乗効果の創出も図っております。
本サービスは、ユーザーは無料で利用でき、ユーザーからの問合せ数に応じた成果報酬を掲載顧客より得ております。
派生メディアの主要サイト合計の年間の問合せ数、売上収益は以下のとおりであります。なお、問合せ数は、ユーザーが顧客に対して電話、メール等による問合せを行った数であり、問合せ数に問合せ単価を乗じた広告収入を顧客から得ております。そのため、問合せ数が増加すれば広告収入が増加致しますが、問合せ数はGoogleの検索アルゴリズムなど外部環境の影響により増減し、フロー型の収益構造となっております。
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問合せ数(件) (年間)(注) |
売上収益(千円) (年間) |
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2017年10月期 |
2,394 |
74,823 |
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2018年10月期 |
6,084 |
109,329 |
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2019年10月期 |
19,081 |
291,068 |
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2020年10月期 |
27,714 |
454,599 |
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2021年10月期 |
21,809 |
335,925 |
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2022年10月期 |
33,486 |
597,045 |
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2023年10月期 |
51,166 |
1,159,279 |
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2024年10月期 |
90,607 |
1,966,444 |
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2025年10月期 |
105,447 |
2,458,065 |
(注)派生メディアの主要サイト(「キャリズム」「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」)合計の問合せ数です。
(2)HR事業
HR事業は、連結子会社である株式会社trient(2021年12月1日に当社が吸収合併を実施。)において2020年より事業を開始いたしました。法律事務所や法務人材を必要としている企業に対して、弁護士有資格者を紹介し、双方の求人ニーズ及び転職ニーズをマッチングする人材紹介サービスを提供し、弁護士専門の転職サイト「NO-LIMIT」を運営しております。また、弁護士に加えて公認会計士や税理士等の他士業人材や管理部門人材の人材紹介サービスも展開しており、会計士・税理士専門の転職サイト「Hi-Standard」、管理部門人材専門の転職サイト「BEET AGENT」等の運営も行っております。
本サービスは、採用候補者となるユーザーは無料で利用でき、候補者の採用が決定し、入社することによって採用企業から紹介手数料を得る成果報酬型を採用しており、フロー型の収益構造となっております。
当社グループがリーガルメディア関連事業の運営を通じて培った法律事務所とのネットワークやインターネット上での求職者集客ノウハウを活用することで、求人企業・求職者のいずれもスムーズな開拓が可能となっており、また、弁護士業界の知見を活かすことで精度の高い人材紹介サービスの提供を行っております。更に、人材紹介の対象を弁護士の他、公認会計士や税理士といった士業人材や管理部門人材に拡大しております。
HR事業の人材紹介サービスにおける求職者の新規登録者数、売上収益の推移は以下のとおりであります。
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新規登録者数(件) (年間) |
売上収益(千円) (年間) |
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2020年10月期 |
179 |
15,278 |
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2021年10月期 |
623 |
56,127 |
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2022年10月期 |
2,391 |
105,943 |
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2023年10月期 |
4,668 |
135,739 |
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2024年10月期 |
5,804 |
191,033 |
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2025年10月期 |
5,794 |
335,297 |
(3)保険事業
保険事業は、少額短期保険業を営んでいる㈱アシロ少額短期保険(以下「アシロ少短」といいます。2022年9月1日に株式会社カイラス少額短期保険から社名を変更)の株式を2022年4月28日に追加取得して連結子会社化することにより、少額短期保険事業を開始しております。アシロ少短では、日常生活の中で遭遇したトラブルの解決を弁護士に依頼したときに生じる費用の一部を保険金で填補する保険の販売に注力しておりましたが、当連結会計年度より戦略的な事業構造の転換を推進することを目的として、これまでの個人向け弁護士費用保険から、より大きな市場機会が見込まれる法人向け保険への戦略的シフトを加速させるため、商品開発及び販売体制の構築に経営資源を集中投下いたしました。
具体的には、日本には約300万社を超える中小企業・個人事業主が存在し、その多くが法務リスクへの十分な備えを有していない現状を鑑みると、法人向け弁護士費用保険の潜在的な市場規模は個人向けを大きく上回ると考えております。この認識のもと、2025年7月に法人・個人事業主向け弁護士費用保険「bonobo(ボノボ)」の販売を開始いたしました。同商品は、顧客や取引先とのトラブル、従業員とのトラブル等、企業経営に関する法務リスクをサポートするものであり、弁護士利用時の費用の一部を補償するだけでなく、日頃の契約書確認や各種リーガルチェック等の法務業務を支援するサービスを付帯した商品となっております。
この方針のもと、個人向け保険については新規販促活動を停止し、今後は法人向け保険の販売チャネルの拡充と認知度向上施策を通じて中長期的な収益基盤を確立してまいります。
保険事業の売上収益の推移は以下のとおりであります。
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売上収益(千円) (年間) |
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2022年10月期(注) |
27,383 |
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2023年10月期 |
64,469 |
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2024年10月期 |
75,954 |
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2025年10月期 |
69,440 |
(注)2022年10月期の売上収益については、連結子会社化後の数値を記載しております。
上記のとおり当連結会計年度において販売する保険商品に重大な変更が生じたため、当連結会計年度から保有契約件数の推移の記載を省略しております。なお、前連結会計年度までの個人向け保険商品の保有契約件数は以下のとおりです。
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保有契約件数(件) (期末時点) |
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2022年10月期 |
1,588 |
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2023年10月期 |
1,994 |
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2024年10月期 |
2,000 |
以上述べた事業を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。
業績状況
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前期末に比べ909,047千円増加し3,334,771千円となりました。これは主に現金及び現金同等物が869,687千円、売上債権及びその他の債権が35,087千円増加したことによります。
当連結会計年度末の非流動資産は、前期末に比べ137,194千円減少し1,498,618千円となりました。これは主に使用権資産の償却等に伴い、使用権資産が143,161千円減少したことによります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、4,833,389千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前期末に比べ185,283千円増加し1,474,782千円となりました。これは主に未払法人所得税が166,569千円、保険契約負債が34,856千円それぞれ増加したことによります。
当連結会計年度末の非流動負債は、前期末に比べ257,464千円減少し218,522千円となりました。これは主に社債及び借入金が125,843千円、リース負債が80,967千円それぞれ減少したことによります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、1,693,304千円となりました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前期末に比べ844,034千円増加し3,140,085千円となりました。これは当期利益の計上により利益剰余金が1,023,632千円増加した一方、期末配当の実施等により資本剰余金が175,391千円減少したことによります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益や実質賃金の上昇などに伴う個人消費の緩やかな持ち直し、世界的なイベントの開催やインバウンド需要の高まりなど、景気回復の兆しが見られたものの、世界的な金融政策の不確実性や地政学的リスク、自然災害の頻発など、引き続き先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、前年である2024年の広告費は3兆6,517億円(前年比9.6%増加)となり、総広告費に占める構成比は47.6%に達しました。インターネット広告市場は一貫して成長を続けており、市場全体の拡大に寄与しております(出所:株式会社電通「2024年日本の広告費」)。
また、当社の主要顧客である弁護士業界においては、2024年3月時点で弁護士人口が45,808人と継続的に増加しており、法律サービスの供給能力が拡大しております。一方で、弁護士会等による法律相談件数は2023年度で約58.3万件(出所:日本弁護士連合会「弁護士白書2024年版」)と高い水準で推移しており、国民の法的サービスに対する潜在的需要は引き続き旺盛であります。これらの状況を背景として、弁護士人口の増加に伴い各弁護士事務所における新規顧客獲得競争が激化する一方、インターネットを活用した効率的な集客ニーズは構造的に高まり続けており、当社が展開する弁護士マッチングプラットフォームの市場機会は拡大を続けております。
このような事業環境のもと、当社グループは選択と集中による収益性向上を推進してまいりました。主力のメディア事業では、掲載枠数・顧客数の着実な純増に加え、サービスの高付加価値化による単価上昇が進展し、売上収益41.0%増、セグメント利益86.2%増と高い成長を実現いたしました。HR事業では事業の整理と業務効率化等の推進により初めてのセグメント黒字を達成し、保険事業では法人向け市場という新たな成長ドライバーの開拓に本格着手いたしました。
以上の結果、国際会計基準(IFRS)に準拠した当連結会計年度の業績は、売上収益は6,647,361千円(前年同期比41.6%増)、営業利益は1,419,373千円(同262.0%増)、税引前利益は1,415,248千円(同270.5%増)、非継続事業からの当期利益と合わせて当期利益は990,779千円(同674.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,023,632千円(同620.1%増)となりました。
IFRSに準拠した2026年10月期の見通しは、売上収益7,000百万円、営業利益1,500百万円、税引前利益1,450百万円、当期利益960百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益980百万円を予想しております。当社グループを取り巻く事業環境に関し、インターネット広告市場の継続的な成長に加え、弁護士人口及び法律相談需要が増加基調にある一方、技術革新の加速、顧客ニーズの多様化、競合他社との競争激化など、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応することが求められております。こうした状況のなか、当社グループは、中長期的に実現すべき成長の目安として2030年10月期の売上収益200億円の達成を掲げております。そのなかで、2026年10月期は安定的かつ持続的な成長を実現するための収益構造の見直し・再構築期間と位置付けております。メディア事業では、中小規模事務所開拓と商品多様化により収益の多様化及び収益基盤の安定化を図ります。HR事業については、引き続き人材紹介事業に注力したうえで、士業人材・企業管理部門人材へ取扱い職種を拡大して売上収益の拡大を推進いたします。保険事業では法人向け弁護士費用保険「bonobo」の販売体制の整備・強化を図り、将来の本格的な収益貢献を目指して販売活動に注力いたします。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
[メディア事業]
(リーガルメディア)
主力のリーガルメディアにおいては、新規顧客開拓を推し進めるとともに、解約率の引き下げ並びに既存顧客からの追加受注に注力した結果、2025年10月における掲載枠数は3,332枠(前年同月比5.9%増)、掲載顧客数は1,191件(同3.3%増)と着実に純増を続けております。また、当社プラットフォームの集客力向上に伴い、サービスの高付加価値化を推進した結果、平均単価の上昇に寄与いたしました。
この結果、リーガルメディアの売上収益は3,784,558千円(前年同期比53.8%増)、営業利益は1,558,846千円(同103.2%増)と、数量成長と単価上昇の相乗効果により高い成長を実現いたしました。
(派生メディア)
派生メディアにおいては、企業の採用意欲の高まりが継続していることを背景に、積極的な広告出稿と送客の質・量が評価され、転職メディア「キャリズム」の案件数が大幅に増加いたしました。また、浮気調査のための探偵事務所を検索する「浮気調査ナビ」も引き続き好調に推移しております。その結果、当連結会計年度における問合せ総数は105,447件(前年同期比16.4%増)と順調に拡大いたしました。
この結果、派生メディアの売上収益は2,458,065千円(前年同期比25.0%増)、営業利益は475,745千円(同46.1%増)と着実に成長いたしました。
(メディア事業全般)
以上の結果、メディア事業全体の売上収益は6,242,624千円(前年同期比41.0%増)、セグメント利益は2,034,591千円(同86.2%増)となりました。
[HR事業]
人材紹介サービスにおいては、業務フローの改善や業務効率化等を推し進め、体制の最適化を図ってまいりました。2020年より開始した人材紹介サービスは、当初の弁護士に加えて、他士業の人材や管理部門人材にも取扱い職種の幅を広げ、法律事務所や事業会社等を中心とする取引先からのニーズに応え、サービスの質の向上と業務効率化を継続してまいりました。その結果、人材紹介サービスは引き続き堅調に売上収益を伸ばしており、初めてセグメント利益を計上するに至りました。
なお、当連結会計年度において、2025年4月30日に人材派遣事業を営む連結子会社であるヒトタスの全株式を同社代表取締役である鈴木氏に譲渡いたしました。HR事業につきましては、2023年10月より事務人材の人材派遣サービスを展開してまいりましたが、利益率の観点から当社として積極的に推進するサービスではなく、当社の他事業における顧客からの要望にお応えする範囲で運営していく方針でありました。一方、ヒトタスの代表取締役である鈴木氏が人材派遣サービスの可能性を感じており、自らの手で拡大していく意向を示したため、当社の取締役会にて検討した結果、鈴木氏に対して全株式を譲渡することが当社にとっても有益であると判断して当該譲渡の実行に至りました。この戦略的な事業整理によりHR事業は人材紹介サービスに注力する体制となり、収益性が大幅に改善いたしました。そのため、HR事業のうち人材派遣事業を非継続事業(注)に分類しております。
以上の結果、売上収益は335,297千円(前年同期比75.5%増)、セグメント利益は71,480千円(前年同期は116,004千円の損失)となりました。
(注)当社が適用しているIFRSでは当連結会計年度に株式譲渡された人材派遣事業は非継続事業として区分することとされております。そのため、上記に記載している連結経営成績及びセグメント別損益のうち、売上収益、営業利益及び税引前利益については非継続事業を除いた継続事業の金額を記載しております。
[保険事業]
株式会社アシロ少額短期保険が営む保険事業は、当連結会計年度より戦略的な事業構造の転換を推進することを目的として、これまでの個人向け弁護士費用保険から、より大きな市場機会が見込まれる法人向け保険への戦略的シフトを加速させるため、商品開発及び販売体制の構築に経営資源を集中投下いたしました。
具体的には、日本には約300万社を超える中小企業・個人事業主が存在し、その多くが法務リスクへの十分な備えを有していない現状を鑑みると、法人向け弁護士費用保険の潜在的な市場規模は個人向けを大きく上回ると考えております。この認識のもと、2025年7月に法人・個人事業主向け弁護士費用保険「bonobo(ボノボ)」の販売を開始いたしました。同商品は、顧客や取引先とのトラブル、従業員とのトラブル等、企業経営に関する法務リスクをサポートするものであり、弁護士利用時の費用の一部を補償するだけでなく、日頃の契約書確認や各種リーガルチェック等の法務業務を支援するサービスを付帯した商品となっております。
この方針のもと、個人向け保険については新規販促活動を停止し、今後は法人向け保険の販売チャネルの拡充と認知度向上施策を通じて中長期的な収益基盤を確立してまいります。
以上の結果、売上収益は69,440千円(前年同期比8.6%減)、セグメント損益は159,559千円の損失(前年同期は130,470千円の損失)となりました。当期の損失拡大は、法人向け保険の商品開発、システム構築、販売体制整備等への先行投資によるものであり、中長期的な成長に向けた戦略的な布石と位置付けております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,466,157千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,339,147千円の資金流入(前期は729,894千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前利益の計上1,415,248千円、減価償却費及び償却費の計上139,968千円、減少要因として法人所得税の支払い290,729千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは49,742千円の資金流出(同10,769千円の資金流出)となりました。これは主に、増加要因として子会社(ヒトタス)の売却による収入14,715千円、減少要因として貸付けによる支出43,963千円、無形資産の取得による支出14,400千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは419,718千円の資金流出(同348,607千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として配当金の支払いによる支出175,614千円、リース負債の返済による支出103,801千円、長期借入金の返済による支出81,740千円、社債の償還による支出70,000千円によるものであります。
(参考情報)
当社グループは、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、EBITDA及び調整後EBITDAを経営成績に関する参考指標として公表することとしました。EBITDAは、営業利益から非資金費用項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。また、調整後EBITDAは、EBITDAからIFRS適用に伴う非資金費用項目(株式報酬費用、使用権資産の償却費等)の影響を除外しております。
EBITDA及び調整後EBITDAの計算式及び算出方法は次のとおりであります。
・EBITDA =営業利益+減価償却費及び償却費-その他の収益 +その他の費用
・調整後EBITDA =EBITDA ±IFRS適用に伴う非資金費用項目
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(単位:千円) |
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前連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
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財務諸表における営業利益 |
392,090 |
1,419,373 |
|
+減価償却費及び償却費 |
158,758 |
139,883 |
|
-その他の収益 |
△38,452 |
△11,633 |
|
+その他の費用 |
204,460 |
3,189 |
|
小計 |
324,766 |
131,438 |
|
EBITDA |
716,855 |
1,550,811 |
|
+有給休暇引当金繰入額 |
6,128 |
8,608 |
|
+株式報酬費用 |
11,880 |
17,336 |
|
+敷金の計上額の調整 |
267 |
266 |
|
-使用権資産償却費の調整 |
△111,726 |
△92,499 |
|
-資本取引直接増分費用の調整 |
- |
- |
|
小計 |
△93,452 |
△66,288 |
|
調整後EBITDA |
623,404 |
1,484,523 |
(注)千円未満は四捨五入して記載しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
メディア事業 (千円) |
6,242,624 |
141.0 |
|
うち、リーガルメディア (千円) |
3,784,558 |
153.8 |
|
派生メディア (千円) |
2,458,065 |
125.0 |
|
HR事業 (千円) |
335,297 |
175.5 |
|
保険事業 (千円) |
69,440 |
91.4 |
|
合計(千円) |
6,647,361 |
141.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の
とおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社フォーイット |
1,104,904 |
23.5 |
1,217,971 |
18.3 |
|
弁護士法人アディーレ法律事務所 |
350,579 |
7.5 |
1,075,864 |
16.2 |
|
オープン株式会社(旧 株式会社セグメント) |
539,842 |
11.5 |
806,742 |
12.1 |
(注)株式会社セグメントは、2024年6月1日にRPAテクノロジーズ株式会社及びオープンアソシエイツ株式会社と統合し、オープン株式会社に社名変更しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって特に重要と認識しているものは以下のとおりであります。
・のれんの減損テスト
当社グループは、のれんについて、毎期又は減損の兆候が存在する場合には都度、減損テストを実施しております。減損テスト時に見積る資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。なお、この公正価値は、用いられる評価技法へのインプットに基づき、レベル3に区分されます。
重要なのれんの資金生成単位の状況は以下のとおりであります。
メディア事業におけるのれん
メディア事業におけるのれん1,138,725千円は、株式会社ASIROが旧 株式会社アシロ(実質的な存続会社)の株式を取得して子会社化し、旧 株式会社アシロを吸収合併したことで生じたものであります。
当該使用価値は、取締役会が承認した3年以内の事業計画のうちメディア事業に係る計数を基礎とし(今後の3年間の売上収益の成長率は前連結会計年度においては平均16.1%、当連結会計年度においては平均11.3%と仮定して算出)、その後の永久成長率は0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、運営するメディアサイトの掲載枠数等を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。また、この事業計画は、主としてリーガルメディアにおいては掲載枠数、派生メディアにおいては問合せ数の影響を受けます。
使用価値の測定で使用した割引率は、前連結会計年度においては12.1%、当連結会計年度においては12.2%であり、これは、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
資金生成単位の使用価値を算定して実施した減損テストにおける主要な仮定は、リーガルメディアの掲載件数及び派生メディアの問合せ数、並びに割引率です。
減損テストの結果、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において算定された回収可能価額は帳簿価額を上回っているため、減損損失は計上しておりません。主要な仮定は不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの仮定の見直しが必要となった場合には、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 (2024年10月31日) |
当連結会計年度 (2025年10月31日) |
前年同期比 |
||
|
増減額 |
増減率(%) |
||||
|
|
流動資産 |
2,425,724 |
3,334,771 |
909,047 |
37.5 |
|
|
非流動資産 |
1,635,812 |
1,498,618 |
△137,194 |
△8.4 |
|
資産合計 |
4,061,536 |
4,833,389 |
771,853 |
19.0 |
|
|
|
流動負債 |
1,289,498 |
1,474,782 |
185,283 |
14.4 |
|
|
非流動負債 |
475,986 |
218,522 |
△257,464 |
△54.1 |
|
負債合計 |
1,765,484 |
1,693,304 |
△72,181 |
△4.1 |
|
|
資本合計 |
2,296,051 |
3,140,085 |
844,034 |
36.8 |
|
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて771,853千円増加し、4,833,389千円となりました。この主な要因は、現金及び現金同等物が869,687千円増加した一方、使用権資産の償却に伴い143,161千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて72,181千円減少し、1,693,304千円となりました。この主な要因は、返済により社債及び借入金が149,425千円、リース負債が103,801千円減少した一方、未払法人所得税が166,569千円増加したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて844,034千円増加し、3,140,085千円となりました。この主な要因は、当期利益の計上等により利益剰余金が1,023,632千円増加した一方、期末配当の実施等により資本剰余金が175,391千円減少したことによるものであります。
ⅱ.経営成績
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
前年同期比 |
|
|
増減額 |
増減率 (%) |
|||
|
売上収益 |
4,694,121 |
6,647,361 |
1,953,240 |
41.6 |
|
メディア事業 |
4,427,134 |
6,242,624 |
1,815,490 |
41.0 |
|
うち、リーガルメディア |
2,460,690 |
3,784,558 |
1,323,868 |
53.8 |
|
派生メディア |
1,966,444 |
2,458,065 |
491,622 |
25.0 |
|
HR事業 |
191,033 |
335,297 |
144,263 |
75.5 |
|
保険事業 |
75,954 |
69,440 |
△6,513 |
△8.6 |
|
売上原価 |
2,953,924 |
4,022,569 |
1,068,645 |
36.2 |
|
売上総利益 |
1,740,196 |
2,624,792 |
884,596 |
50.8 |
|
販売費及び一般管理費 |
1,182,098 |
1,213,863 |
31,765 |
2.7 |
|
その他の収益 |
38,452 |
11,633 |
△26,818 |
△69.7 |
|
その他の費用 |
204,460 |
3,189 |
△201,271 |
△98.4 |
|
営業利益 |
392,090 |
1,419,373 |
1,027,283 |
262.0 |
|
税引前利益 |
381,944 |
1,415,248 |
1,033,305 |
270.5 |
|
当期利益 |
127,996 |
990,779 |
862,783 |
674.1 |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
142,160 |
1,023,632 |
881,472 |
620.1 |
当連結会計年度における経営成績は、売上収益は6,647,361千円(前期比41.6%増)となりました。
[メディア事業]
(リーガルメディア)
主力のリーガルメディアにおいては、新規顧客開拓を推し進めるとともに、解約率の引き下げ並びに既存顧客からの追加受注に注力した結果、2025年10月における掲載枠数は3,332枠(前年同月比5.9%増)、掲載顧客数は1,191件(同3.3%増)と着実に純増を続けております。また、当社プラットフォームの集客力向上に伴い、サービスの高付加価値化を推進した結果、平均単価の上昇に寄与いたしました。
この結果、リーガルメディアの売上収益は3,784,558千円(前年同期比53.8%増)、営業利益は1,558,846千円(同103.2%増)と、数量成長と単価上昇の相乗効果により高い成長を実現いたしました。
(派生メディア)
派生メディアにおいては、企業の採用意欲の高まりが継続していることを背景に、積極的な広告出稿と送客の質・量が評価され、転職メディア「キャリズム」の案件数が大幅に増加いたしました。また、浮気調査のための探偵事務所を検索する「浮気調査ナビ」も引き続き好調に推移しております。その結果、当連結会計年度における問合せ総数は105,447件(前年同期比16.4%増)と順調に拡大いたしました。
この結果、派生メディアの売上収益は2,458,065千円(前年同期比25.0%増)、営業利益は475,745千円(同46.1%増)と着実に成長いたしました。
[HR事業]
人材紹介に関しては、業務フローの改善や業務効率化等を推し進め、体制の最適化を図ってまいりました。なお、当連結会計年度において、2025年4月30日に人材派遣事業を営む連結子会社であるヒトタスの全株式を同社代表取締役である鈴木氏に譲渡いたしました。HR事業につきましては、2023年10月より事務人材の人材派遣サービスを展開してまいりましたが、利益率の観点から当社として積極的に推進するサービスではなく、当社の他事業における顧客からの要望にお応えする範囲で運営していく方針でありました。一方、ヒトタスの代表取締役である鈴木氏が人材派遣サービスの可能性を感じており、自らの手で拡大していく意向を示したため、当社の取締役会にて検討した結果、鈴木氏に対して全株式を譲渡することが当社にとっても有益であると判断して当該譲渡の実行に至りました。この戦略的な事業整理によりHR事業は人材紹介サービスに注力する体制となり、収益性が大幅に改善いたしました。そのため、HR事業のうち人材派遣事業を非継続事業に分類しております。
以上の結果、売上収益は335,297千円(前年同期比75.5%増)、セグメント利益は71,480千円(前年同期は116,004千円の損失)となりました。
[保険事業]
株式会社アシロ少額短期保険が営む保険事業は、当連結会計年度より戦略的な事業構造の転換を推進することを目的として、これまでの個人向け弁護士費用保険から、より大きな市場機会が見込まれる法人向け保険への戦略的シフトを加速させるため、商品開発及び販売体制の構築に経営資源を集中投下いたしました。
具体的には、日本には約300万社を超える中小企業・個人事業主が存在し、その多くが法務リスクへの十分な備えを有していない現状を鑑みると、法人向け弁護士費用保険の潜在的な市場規模は個人向けを大きく上回ると考えております。この認識のもと、2025年7月に法人・個人事業主向け弁護士費用保険「bonobo(ボノボ)」の販売を開始いたしました。同商品は、顧客や取引先とのトラブル、従業員とのトラブル等、企業経営に関する法務リスクをサポートするものであり、弁護士利用時の費用の一部を補償するだけでなく、日頃の契約書確認や各種リーガルチェック等の法務業務を支援するサービスを付帯した商品となっております。
この方針のもと、個人向け保険については新規販促活動を停止し、今後は法人向け保険の販売チャネルの拡充と認知度向上施策を通じて中長期的な収益基盤を確立してまいります。
以上の結果、売上収益は69,440千円(前年同期比8.6%減)、セグメント損益は159,559千円の損失(前年同期は130,470千円の損失)となりました。当期の損失拡大は、法人向け保険の商品開発、システム構築、販売体制整備等への先行投資によるものであり、中長期的な成長に向けた戦略的な布石と位置付けております。
売上原価は、売上原価の大半を占める広告媒体費が売上収益の増加に伴って増加したため、全体では1,068,645千円増加して4,022,569千円(同36.2%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は、社員の増加に伴って人件費や採用費等が増加したものの各種費用の抑制に努めた結果、全体では31,765千円増加して1,213,863千円(同2.7%増)となりました。
以上の結果、営業利益は1,419,373千円(同262.0%増)、税引前利益は1,415,248千円(同270.5%増)、当期利益は990,779千円(同674.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,023,632千円(同620.1%増)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
|||
|
金額 |
構成比(注) (%) |
金額 |
構成比(注) (%) |
||
|
メディア事業 |
売上収益 |
4,427,134 |
94.3 |
6,242,624 |
93.9 |
|
セグメント利益 |
1,092,602 |
278.7 |
2,034,591 |
143.3 |
|
|
HR事業 |
売上収益 |
191,033 |
4.1 |
335,297 |
5.0 |
|
セグメント利益 |
△116,004 |
△29.6 |
71,480 |
5.0 |
|
|
保険事業 |
売上収益 |
75,954 |
1.6 |
69,440 |
1.0 |
|
セグメント利益 |
△130,470 |
33.3 |
△159,559 |
△11.2 |
|
|
調整額 |
売上収益 |
- |
- |
- |
- |
|
セグメント利益 |
△454,039 |
△115.8 |
△527,139 |
△37.1 |
|
|
合計 |
売上収益 |
4,694,120 |
100.0 |
6,647,361 |
100.0 |
|
セグメント利益 |
392,090 |
100.0 |
1,419,373 |
100.0 |
|
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
メディア事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益とフロー収益の内訳(注)は次のとおりであります。
(注)リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
|||
|
金額 |
構成比(注) (%) |
金額 |
構成比(注) (%) |
||
|
リーガルメディア |
売上収益 |
2,460,690 |
52.4 |
3,784,558 |
56.9 |
|
うち、ストック収益 |
2,227,423 |
47.5 |
3,659,446 |
55.1 |
|
|
うち、フロー収益 |
233,267 |
5.0 |
125,112 |
1.9 |
|
|
営業利益 |
767,012 |
195.6 |
1,558,846 |
109.8 |
|
|
派生メディア |
売上収益 |
1,966,444 |
41.9 |
2,458,065 |
37.0 |
|
営業利益 |
325,590 |
83.0 |
475,745 |
33.5 |
|
|
合計 |
売上収益 |
4,427,134 |
94.3 |
6,242,624 |
93.9 |
|
営業利益 |
1,092,602 |
278.7 |
2,034,591 |
143.3 |
|
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
前年同期比 |
|
|
増減額 |
||||
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
729,894 |
1,339,147 |
609,252 |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△10,769 |
△49,742 |
△38,972 |
|
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△348,607 |
△419,718 |
△71,111 |
|
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,596,471 |
2,466,157 |
869,687 |
|
|
有利子負債(リース負債を除く) |
492,833 |
343,408 |
△149,425 |
|
|
|
短期 |
149,362 |
125,780 |
△23,582 |
|
|
長期 |
343,471 |
217,628 |
△125,843 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,466,157千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,339,147千円の資金流入(前期は729,894千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前利益の計上1,415,248千円、減価償却費及び償却費139,968千円、減少要因として法人所得税の支払い290,729千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは49,742千円の資金流出(同10,769千円の資金流出)となりました。これは主に、増加要因として子会社(ヒトタス)の売却による収入14,715千円、減少要因として貸付けによる支出43,963千円、無形資産の取得による支出14,400千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは419,718千円の資金流出(同348,607千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として配当金の支払による支出175,614千円、リース負債の返済による支出103,801千円、長期借入金の返済による支出81,740千円、社債の償還による支出70,000千円によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社が運営する各種メディアサイトに関する広告費用等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能であり、必要に応じて金融機関からの借入等を行う方針であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の課題について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、リーガルメディアの有料広告の掲載枠数を主要な経営指標と位置づけております。下表のとおり掲載枠数は継続的に増加しており、当連結会計年度(2025年10月期)末時点における掲載枠数は、営業活動及びフォロー活動の強化により前年同月期比5.9%増となっており、売上収益の継続的かつ累積的な増加に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しております。
リーガルメディアの掲載枠数
(単位:件)
|
|
2021年10月期 |
2022年10月期 |
2023年10月期 |
2024年10月期 |
2025年10月期 |
|
掲載枠数(期末時点) |
1,478 |
1,925 |
2,415 |
3,146 |
3,332 |
セグメント情報
7.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、複数のメディアサイトの運営及びHR事業、保険事業等を展開しておりますが、事業活動の内容等、適切な情報を提供するため、サービス等の要素が概ね類似する事業セグメントを集約し、「メディア事業」、「HR事業」、「保険事業」の3つを報告セグメントとしております。
「メディア事業」は、「ベンナビシリーズ」を中心としたリーガルメディアと、転職メディア「キャリズム」等の派生メディアの運営を行っております。
「HR事業」は、厚生労働大臣の許可を受けて、職業安定法に基づく有料職業紹介事業等を行っております。
「保険事業」は、弁護士費用保険の販売等を行っております。
当社は、2025年4月25日開催の取締役会において、人材派遣事業を営む連結子会社である株式会社ヒトタス(以下「ヒトタス」といいます。)の全株式を同社の代表取締役である鈴木輝氏(以下「鈴木氏」といいます。)に譲渡すること、並びに鈴木氏に対してヒトタスの株式取得資金の一部を当社より貸付けることを決議し、2025年4月30日に鈴木氏に貸付を実行してヒトタスの全株式を鈴木氏に譲渡しました。これにより、HR事業のうちヒトタスが営む人材派遣事業を非継続事業に分類しており、セグメント情報は非継続事業を除いた継続事業の金額を記載しております。なお、詳細は、連結財務諸表注記「37.非継続事業」に記載しております。
(2)報告セグメントに関する情報
当社グループの報告セグメントによる収益及び業績は以下のとおりであります。なお、報告セグメントの利益
は、営業利益ベースの数値であります。
前連結会計年度(自 2023年11月1日 至 2024年10月31日)
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(単位:千円) |
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報告セグメント |
調整額 (注1、2) |
連結 |
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メディア 事業 |
HR事業 |
保険事業 |
計 |
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売上収益 |
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外部収益 |
4,427,134 |
191,033 |
75,954 |
4,694,121 |
- |
4,694,121 |
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セグメント間収益 |
1,799 |
2,496 |
- |
4,295 |
△4,295 |
- |
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合計 |
4,428,933 |
193,529 |
75,954 |
4,698,416 |
△4,295 |
4,694,121 |
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セグメント利益又は損失(損失は△) |
1,092,602 |
△116,004 |
△130,470 |
846,128 |
△454,039 |
392,090 |
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金融収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
336 |
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金融費用 |
- |
- |
- |
- |
- |
10,482 |
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税引前利益 |
- |
- |
- |
- |
- |
381,944 |
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セグメント資産 |
2,128,751 |
188,834 |
139,619 |
2,457,204 |
1,604,331 |
4,061,536 |
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その他の項目 |
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減価償却費及び 償却費 |
102,402 |
32,863 |
- |
135,265 |
23,493 |
158,758 |
|
非金融資産の減損損失 (注3) |
136,549 |
- |
66,911 |
203,460 |
- |
203,460 |
|
資本的支出 |
19,863 |
1,765 |
- |
21,629 |
1,253 |
22,882 |
(注)1.セグメント利益又は損失の調整額は、主に各報告セグメントに配分していない全社費用であります。
2.セグメント資産の調整額は、主に当社における余資運用資金(預金)等、各報告セグメントに配分していな
い全社資産が含まれております。
3.非金融資産の減損損失については、連結財務諸表注記「14.非金融資産の減損」に記載しております。
当連結会計年度(自 2024年11月1日 至 2025年10月31日)
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(単位:千円) |
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報告セグメント |
調整額 (注1、2) |
連結 |
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メディア 事業 |
HR事業 |
保険事業 |
計 |
||
|
売上収益 |
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|
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外部収益 |
6,242,624 |
335,297 |
69,440 |
6,647,361 |
- |
6,647,361 |
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セグメント間収益 |
1,532 |
4,301 |
- |
5,834 |
△5,834 |
- |
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合計 |
6,244,156 |
339,598 |
69,440 |
6,653,194 |
△5,834 |
6,647,361 |
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セグメント利益又は損失(損失は△) |
2,034,591 |
71,480 |
△159,559 |
1,946,512 |
△527,139 |
1,419,373 |
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金融収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
4,049 |
|
金融費用 |
- |
- |
- |
- |
- |
8,173 |
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税引前利益 |
- |
- |
- |
- |
- |
1,415,248 |
|
セグメント資産 |
2,085,920 |
79,034 |
119,048 |
2,284,003 |
2,549,386 |
4,833,389 |
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その他の項目 |
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減価償却費及び 償却費 |
93,988 |
23,587 |
119 |
117,694 |
22,189 |
139,883 |
|
資本的支出 |
6,771 |
1,699 |
9 |
8,479 |
1,599 |
10,078 |
(注)1.セグメント利益又は損失の調整額は、主に各報告セグメントに配分していない全社費用であります。
2.セグメント資産の調整額は、主に当社における余資運用資金(預金)等、各報告セグメントに配分していな
い全社資産が含まれております。
(3)製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
(4)地域別に関する情報
外部顧客の海外売上収益について重要性がないため、地域別の売上収益の記載を省略しております。
また、国内所在地に帰属する非流動資産の帳簿価額が連結財政状態計算書の非流動資産の大半を占めるため、地
域別の非流動資産の記載を省略しております。
(5)主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、前連結会計年度又は当連結会計年度において連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は以下のとおりであります。
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(単位:千円) |
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関連する主な 報告セグメント |
前連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年11月1日 至 2025年10月31日) |
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株式会社フォーイット |
メディア事業 |
1,104,904 |
1,217,971 |
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弁護士法人アディーレ法律事務所 |
メディア事業 |
350,580 |
1,075,864 |
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オープン株式会社 (旧 株式会社セグメント) |
メディア事業 HR事業 |
539,842 |
806,742 |
(注)株式会社セグメントは、2024年6月1日にRPAテクノロジーズ株式会社及びオープンアソシエイツ株式会社と統合し、オープン株式会社に社名変更しております。