リスク
3 【事業等のリスク】
当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について、以下に記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社はこれらのリスクの発生可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容を慎重に判断した上で行われる必要があると考えております。なお、以下の記載事項は、本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであります。また、以下の事業等のリスクは、全ての事業活動上又は投資判断上のリスクを網羅しているものではありません。
(1) 事業環境の変化に関するリスク
① 経済環境について
当社のプロシェアリング事業は、ビジネス領域、エンジニア領域の経験・知見を求める法人企業に対して、プロ人材による準委任型の業務委託形式でのコンサルテーション、アドバイザリーを提供し、契約形態も月1日~月20日、対面・遠隔、雇用契約・業務委託契約(準委任契約)と柔軟なレパートリーを準備しております。我が国における構造的な課題である少子高齢化に端を発する働き方改革の促進や、オープンイノベーションを推進する法人企業によるプロ人材の活用ニーズの高まりは今後も継続していくものと想定され、経済環境が悪化した場合の影響を受けにくい事業であると考えております。また、当社は登録プロ人材の増加やデータベースの拡充等により顧客満足度を高め、経済環境に左右されないように努めております。
しかしながら、経済環境が急激に悪化した場合には、顧客の需要が想定以上に減少し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
当社のプロシェアリング事業は、業務委託契約によって法人企業に外部人材提案をする企業、インターネット上のマッチングプラットフォームを提供する国内企業等と競合が生じております。当社は25,900名(登録者総数)が登録する、経営課題・業界・地域・契約形態等の柔軟性あるサービスとなっており、各業界や各業務において実務経験を有しているアドバイザーの幅広い領域の経験・知見を取りまとめた、更新頻度の高いデータベースを有し、それに基づく様々なサービスの提供を行っております。しかしながら、今後競合他社による新たな付加価値の提供等により当社の競争力が低下した場合には、価格競争やプロジェクト件数の減少等により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 当社の事業活動に関するリスク
① 人材の確保・育成について
当社は、今後の事業拡大のために優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しており、積極的に人材を採用するとともに人材の育成に取り組んでいく方針であります。しかしながら、当社が求める人材を適切な時期に確保、育成できなかった場合、また、社外流出等何らかの事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② システムトラブルについて
当社の事業は、経営課題・プロ人材情報が全て格納されているSalesforceプラットフォームの上に成り立っており、定期的にバックアップを取っております。しかし、自然災害や事故等何らかの理由によりシステムトラブルが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ プロシェアリング事業への依存について
当社の営業収益は、プロシェアリング事業のみによる収益となっております。今後も積極的な営業施策や広告宣伝による法人顧客や登録プロ人材の増加、提供サービスの拡充、事業規模拡大を通じた認知度向上等により、収益規模は拡大していくものと考えておりますが、新たな法的規制の導入や改正、その他予期せぬ要因によって、当社の想定通りにプロシェアリング事業が発展しない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 社歴が浅いことについて
当社は2014年1月に設立されており、設立後の経過期間は10年程度と社歴の浅い会社であります。従って当社の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
(3) 当社の財務活動に関するリスク
① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用することが考えられることから、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、2024年9月末時点において、新株予約権による潜在株式数は222,600株であり、発行済株式総数8,444,200株の2.6%に相当しております。
② 配当政策について
当社は、現在成長過程にあると認識しており、事業の拡充や組織体制の整備への投資のため、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来配当を実施しておりませんが、株主への利益還元を重要な課題として認識しております。今後、事業基盤の整備等を進め、株主に対して、継続的かつ安定的な配当を行うことを検討していく方針でありますが、現時点において配当の実施時期等については未定であります。
(4) 法的規制・訴訟に関するリスク
① サービスの安全性、健全性について
当社は、一人のプロ人材が複数社に同時に支援に入ることを支援するサービスでありますが、プロ人材が意図せず、守秘義務に服している情報(注)を顧客に提供してしまう可能性があります。そのため当社では、毎月プロ人材に作成依頼・回収を行う「業務報告書」の授受において、「セキュリティチェックリスト」に自己回答を課し、口頭での当社担当からの説明を行っております。また、プロ人材が取得しうる法人顧客のインサイダー情報に関しては、プロジェクト稼働時に締結する業務委託契約書にて守秘義務を課し並びにインサイダー取引に利用しないこと、またプロジェクト進捗中において取得次第即座に当社に連絡をすることを告知しております。プロ人材より当社が取得した業務報告書にインサイダー情報の記載がある場合、当該ファイルにパスワードをかけ閲覧制限をかけております。しかしながら、仮に情報漏洩が発生した場合には、当社の信用低下を招くとともに損害賠償請求訴訟の提起等により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 一般的には、就業規則や秘密保持契約等で定められている情報や、秘密として管理することが明示されている情報等が該当すると考えられます。守秘義務に服する情報としては、事業戦略、事業計画、財務情報、取引先情報、顧客名簿、及び個人情報等、秘密保持契約等で定められている情報や、秘密として管理することが明示されている情報等を指します。
② 個人情報について
当社は、事業運営にあたり多くの個人情報を保有しております。それを踏まえ、「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って作成したプライバシーポリシー等の社内規程に沿って個人情報を管理し、また、従業員に対する個人情報の取り扱いに関する教育を行い、個人情報の適切な取り扱いに努めております。またプライバシーマークの付与認定取得等、情報セキュリティ対策の強化に取り組んでおります。しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に流出した場合は、当社の信用低下を招くとともに損害賠償請求訴訟の提起等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制について
当社は、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「電子署名及び認証業務に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」、「不正競争防止法」、「下請法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の法的規制を受けております。これらの内、当社が事業を展開するに当たり直接規制等を受ける法律に関しては、「個人情報の保護に関する法律」「不正競争防止法」であります。当社は、個人情報の保護に関する法律をはじめとする主要法令等の遵守を徹底する体制の整備及び社内教育を実施し、関連諸法令等の遵守を図っておりますが、今後、新たな法令の制定や既存法令における規制強化等がなされ、当社の事業が制約を受ける場合、もしくは万が一法令等遵守体制が機能しなかった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 知的財産権について
当社は現在、他社の知的財産権を侵害している事実は認識しておりません。また、当社は新サービス、新事業を開始する際には、特許庁のホームページで権利の状況を確認する等、法務・コンプライアンス部門が権利侵害となるものの有無の確認、弁護士への相談等の対応を図っております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立していることにより当社の事業運営が制約を受ける場合や第三者の知的財産権侵害が発覚した場合等においては、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 第三者との係争について
当社は、コンプライアンス研修の推進等、役職員の法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、当社並びに役職員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があり、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、現在成長過程にあると認識しており、事業の拡充や組織体制の整備への投資のため、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来、配当を実施しておりません。しかしながら、株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業基盤の整備状況や投資計画、業績や財政状態等を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを検討していく方針であります。
内部留保資金については、事業の拡充や組織体制の整備への投資のための資金として、有効に活用していく方針であります。
当社の剰余金の配当を行う場合は、期末配当の年1回を基本方針としており、その他年1回の中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。配当の決定機関は、期末配当は株主総会、中間配当は取締役会であります。