2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    176名(単体) 2,322名(連結)
  • 平均年齢
    44.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.9年(単体)
  • 平均年収
    10,569,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.9%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

「第2 事業の状況」中、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

その他

合計

従業員数(人)

1,826

88

408

2,322

[445]

[19]

[39]

[503]

 

(注) 1 従業員数は、海外の現地採用者3人を含み、臨時従業員(嘱託を含む)484人及び出向者45人を含んでおりません。

2 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

176

44.9

21.9

10,569

3.9

[9]

 

(注) 1 従業員数は、当社と株式会社十六銀行を兼務する者及び受入出向者を含み、臨時従業員(嘱託を含む)及び出向者を含んでおりません。

2 平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与には受入出向者を含んでおりません。

3 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4 平均勤続年数は、転籍前の株式会社十六銀行での勤続年数を通算しております。

5 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。なお、事業年度中の育児休職者等を含んでおりません。

 

③ 最大人員会社の状況

当事業年度における従業員数が最も多い会社

株式会社十六銀行

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

1,617

[330]

40.0

17.6

7,752

3.1

 

(注) 1 従業員数は、受入出向者及び海外の現地採用者を含み、当社と株式会社十六銀行を兼務する者、臨時従業員(嘱託を含む)及び出向者を含んでおりません。

2 平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与には受入出向者及び海外の現地採用者を含んでおりません。

3 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。なお、事業年度中の育児休職者等を含んでおりません。

 

④ 労働組合の状況

当社及び連結子会社には十六フィナンシャルグループ社員組合(組合員数1,769人)が組織されております。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

 

⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

(イ) 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)

男性労働者の

育児休業取得率

(%)

労働者の男女の賃金の差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)(%)

雇用形態別

職位別

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

管理職

代理職

一般

12.3

105.5

53.0

74.1

60.1

91.8

91.1

98.9

 

(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号。以下「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものであります。

2 男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は当事業年度を対象期間として、それぞれ算出しております。

3 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

4 賃金体系は性別を問わず同水準となっております。男女間において、現状職位の人員分布に差があることから、賃金差異が生じております。

 

(ロ) 連結子会社

女性活躍推進法及び育児・介護休業法の規定による公表をしないことから記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

(1) サステナビリティ

当社グループでは、サステナビリティを巡る取組みについての基本的な方針として「サステナビリティ方針」を策定しています。

 

「サステナビリティ方針」

十六フィナンシャルグループは、サステナビリティへの取組みを重要な経営課題と認識しています。気候変動をはじめとするさまざまな社会課題の解決に本業である「地域総合金融サービス業」を通じて取り組み、グループ経営理念である「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」に貢献するとともに、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

(※)サステナビリティの定義:お客さま・地域の成長と豊かさを実現できる社会を創り、将来の世代に引き継ぐこと

 

 

また、「サステナビリティ方針」のもと、環境、社会、ガバナンスの分野における行動指針として、各種方針を定めています。

 

サステナビリティに関する主な方針

 


 

① ガバナンス

当社グループでは、「サステナビリティ方針」で公表しているとおり、サステナビリティへの取組みを重要な経営課題と認識しています。また、「十六フィナンシャルグループSDGs宣言」では、「地域経済の活性化」「地域社会の持続的発展」「環境保全と気候変動対策」「多様な人材の活躍推進」「ガバナンスの高度化」を重点課題(マテリアリティ)としています。

(イ) 監督体制

取締役会においては、サステナビリティに関する重点課題(マテリアリティ)への取組状況やサステナビリティKPIの進捗状況について監督しています。

(ロ) 執行体制

サステナビリティを巡る課題に適切に対応するため、取締役社長を議長とし、グループ経営会議の構成員、各部長等により構成される「サステナビリティ会議」を設置しています。同会議は、原則として3か月に1回以上開催し、気候変動を含むサステナビリティに関する取組方針の策定、目標の設定及び取組状況の確認といった重要事項について審議しており、その結果を経営戦略やリスク管理に反映しています。また、同会議における審議事項については取締役会へ3か月に1回以上定期的に報告しています。

さらに、サステナビリティ会議の下部組織として、「サステナブルビジネス」「環境活動」「D&I」「気候変動・生物多様性」を所管する4つのワーキンググループを設置しています。

各ワーキンググループは、担当常務役員を含む、グループ各社の組織横断的なメンバーで構成されており、原則として毎月1回以上開催し、それぞれが所管する事項について審議した結果を、グループサステナビリティ推進部に報告しています。

サステナビリティに関するガバナンス体制

 


 

サステナビリティ会議の主な審議事項

 


 

 

(ハ) 役員報酬

当社グループでは、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、役員報酬の一部にESG要素を反映させる株式報酬制度を導入しています。ESG要素の評価指標については、前年度のサステナブルファイナンス実行額、GHG排出量削減、女性管理職比率などのサステナビリティKPIの達成状況を採用しています。

 

② 戦略

多様化・複雑化する環境・社会課題を解決し、「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」に貢献することが、金融機関としての大きな役割であり、当社グループにとっての重要な戦略となります。

「十六フィナンシャルグループSDGs宣言」では、当社グループの経営理念、事業内容、地域特性等を考慮し、5つの重点課題(マテリアリティ)を設定しています。また、これらの重点課題に取り組むため、ビジネス、マネジメントの両面から特に注力すべき取組施策を定め、当社グループ全体で取り組んでいます。

 


 

 

③ リスク管理

当社グループは、統合的リスク管理の枠組みを整備しており、グループ全体の金融リスクを「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」に分類のうえ、管理しています。サステナビリティ関連のリスクについては、ビジネス、環境、D&Iなどの観点から認識し、サステナビリティ会議にて審議し、審議内容は取締役会に報告しています。

また、当社グループでは、経営に重大な影響をもたらす可能性があるリスクをトップリスクと位置付けています。トップリスクについては、蓋然性及び影響度の観点から、今後約1年以内に事業戦略に支障をきたし収益力を低下させるなど、財政状態、経営成績に重大な影響をもたらす可能性があるリスクを、取締役会にて選定します。2026年3月の取締役会においては、「気候変動リスク」「自然災害の激甚化」を含む10のトップリスクを選定し、あらかじめ必要な対策を講じてリスクを制御するとともに、リスクが顕在化した場合にも機動的に対応可能とする管理に努めています。

気候変動に関するリスク管理については「(2)気候変動 ③リスク管理」、人的資本に関するリスクについては「(3)人的資本 ③リスク管理」において後述します。

 

④ 指標と目標

当社グループは、サステナビリティへの取組みを一層強化していくために、5つの重点課題(マテリアリティ)に対して、10項目の「サステナビリティKPI」を設定しています。なお、気候変動に関する指標と目標については「(2)気候変動 ④指標と目標」、人的資本に関する指標と目標については「(3)人的資本 ④指標と目標」において後述します。

 


 

(2) 気候変動

気候変動に伴う自然災害や異常気象は経済活動に様々な影響を及ぼし、取引先が実施する気候変動対策は取引先の企業価値を左右する重要な要素となるとともに、その対応次第では当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

こうしたなか、当社グループはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、同提言が開示を推奨する枠組みに基づく情報開示に取り組んでいます。

① ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ ①ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

(気候変動に伴う機会とリスク)

当社グループでは「短期」「中期」「長期」の時間軸を設定し、気候変動に伴うリスクと機会を分析しています。シナリオ分析結果等を活用し、脱炭素社会に向かうお客さまをサポートする能動的な対話(エンゲージメント)の実施や、グリーンファイナンス、サステナブルファイナンス、トランジションファイナンス等の金融支援により、事業機会の創出やリスク低減につなげていきます。

 

評価項目

主な機会やリスク

時間軸

 

製品・サービス

お客さまの脱炭素社会への移行を支援する投融資やコンサルティング提供等、ビジネス機会の増加

短期~長期

市場

災害対策のための公共事業やお客さまの設備投資に伴う資金需要の増加

中期~長期

資源効率

・省資源、省エネルギー化、新技術の活用による事業コストの低下

・リサイクル等を通じた資源効率の向上による調達コストの低下

短期~長期

短期~長期

評判

・地域のレジリエンス強化に向けた、防災・減災に関する地方公共団体等との協力体制構築の増加

・気候変動に関する適切な取組みと開示による企業価値の向上

短期~長期

 

短期~長期

 

 

物理的

リスク

急性

・異常気象の増加・深刻化に伴うお客さまの業績悪化、担保価値の毀損による貸出資産価値の低下

・当社グループ拠点や役職員の被災に伴う業務の中断

短期~長期

 

短期~長期

慢性

・降水や気象パターンの変化、平均気温の上昇、海面上昇等に伴うお客さまの業績悪化、担保価値の毀損による貸出資産価値の低下

中期~長期

移行

リスク

政策・法律

・気候変動に関する政策、規制強化などに伴うお客さまの業績悪化による貸出資産価値の低下

中期~長期

市場

・消費者行動の変化、原材料コストの上昇などに伴うお客さまの業績悪化による貸出資産価値の低下

・脱炭素社会への移行に伴う既存事業モデルの陳腐化による企業価値の低下

中期~長期

 

中期~長期

 

技術

・低炭素技術への投資の失敗、移行コストなどに伴うお客さまの業績悪化による貸出資産価値の低下

中期~長期

評判

・気候変動への適切な取組みや開示が他社比劣後することによる企業価値の低下

短期~長期

 

※ 「短期」:5年程度、「中期」:10年程度、「長期」:30年程度

 

(気候変動に伴うビジネス機会への対応)

脱炭素社会への移行に伴い、お客さまの資金需要の拡大や事業再編、新たな金融商品・サービスの需要増加が見込まれ、当社グループにとってはビジネス機会が増えています。当社グループは、金融・非金融機能を活用した様々なファイナンスやソリューションの提供に積極的に取り組み、お客さまの課題解決に努めます。

 

◇環境課題解決へのファイナンス

お客さまの脱炭素経営や環境配慮への取組みに向けた資金調達に対応するため、ファイナンス商品のラインナップを充実させて、提供しています。

 

 <グリーンローン・グリーン私募債>

再生可能エネルギー発電設備の導入や省エネ性能の高い機器への切替えなど、資金使途を環境課題の解決に資する資金に限定した融資商品です。外部機関からセカンドオピニオンを取得するスキームにより、社会や利害関係者に向けて、自社の環境への取組姿勢を発信することができます。

 <サステナビリティ・リンク・ローン>

SDGs・ESGに関する事業挑戦目標であるサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)を設定し、その達成度合いに応じて金利などの貸出条件を優遇する融資商品です。パリ協定が求める水準と整合する温室効果ガス排出量削減目標の設定などにより、お客さまの脱炭素経営への取組みを支援します。

 <ポジティブインパクトファイナンス>

企業活動が、環境・社会・経済のいずれかの側面に与える影響を包括的に分析・評価し、ポジティブなインパクトの創出とネガティブなインパクトの低減に資するKPIを設定する融資商品です。KPI達成状況のモニタリングを通じて、お客さまの取組みを継続的に支援します。

 

 

 

◇地域企業の脱炭素化支援

お客さまの脱炭素経営を支援するため、各種コンサルティングサービスを順次開発し、ラインナップを充実させています。

GHG排出量の可視化、削減目標の設定を実施する脱炭素コンサルティングは、2021年8月の取扱開始以降、431社に提供しています。また、そのうち7割以上の企業が当社グループのサポートにより、中小企業版SBTの認定を取得しています。

 

取扱開始

サービス内容

取扱件数(件)

2021

年度

2022

年度

2023

年度

2024

年度

2025

年度

合計

2021年8月

脱炭素コンサルティング

47

91

79

135

79

431

2021年8月

中小企業版SBT認定取得支援

43

109

76

84

314

2023年2月

脱炭素経営移行計画レビュー

11

2023年8月

温室効果ガス排出量マネジメントシステム

161

125

64

350

2024年3月

カーボン・オフセット認証取得支援

10

 

 

(気候変動に伴うリスクの事例)

当社グループは、気候変動リスクを4つのカテゴリーに整理しています。気候変動から生じる物理的リスク及び移行リスクについては、以下のような事例が想定されます。

リスクカテゴリー

定義

物理的リスクの

事例

 

移行リスクの

事例

 

時間軸

時間軸

信用リスク

お客さまの財務状況の悪化等により、オフ・バランス資産を含めた資産の価値が減少ないし消失し損失を被るリスク

大規模な自然災害(洪水、干ばつ、森林火災など)の発生に伴うお客さまの業績悪化、担保価値の毀損による貸出資産価値の低下

短期~長期

気候変動に関する規制強化、低炭素技術への投資失敗、消費者行動の変化などに伴うお客さまの業績悪化による貸出資産価値の低下

中期~長期

市場リスク

金利、為替及び株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産及び負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し損失を被るリスク並びに資産及び負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク

大規模な自然災害(洪水、干ばつ、森林火災など)の発生に伴う投資先の業績悪化による保有有価証券価格の下落

短期~長期

気候変動に関する規制強化、低炭素技術への投資失敗、消費者行動の変化などに伴う投資先の業績悪化による保有有価証券価格の下落

短期~長期

流動性リスク

運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク、市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク

大規模な自然災害(洪水、干ばつ、森林火災など)の発生で被災したお客さまの資金需要発生による預金流出

短期~長期

気候変動リスクへの対応の遅れに伴う当社グループの信用悪化による資金調達環境悪化及び預金流出

短期~長期

オペレーショナル
・リスク

業務の過程、役職員等の活動もしくはシステムが不適切であること、または外生的な事象により損失を被るリスク

当社グループ拠点や役職員の被災に伴う業務の中断

短期~長期

気候変動への不適切な対応等に伴う罰金、訴訟による損失

短期~長期

 

 

 

(シナリオ分析)

気候変動に関するリスクが当社グループに及ぼす影響を把握するため、「物理的リスク」「移行リスク」についてシナリオ分析を実施しています。

◇物理的リスク

近年、気温上昇に起因する大雨や台風などの気象災害の激甚化や頻発化が観測されています。

このため2025年度は、物理的リスクを急性リスクと慢性リスクに分け、それぞれリスク事象を追加し、急性リスクについては、水害と暴風、慢性リスクについては気温上昇について分析しました。

物理的リスクでは、リスク事象発生時の業績悪化及び不動産担保の毀損に伴う与信関係費用を分析し、累計約129億円の増加が見込まれるという結果となりました。

(物理的リスク)

 

急性リスク

慢性リスク

リスク事象

水害

暴風

気温上昇

シナリオ

IPCC/SSP5-8.5(4℃シナリオ)

IPCC/SSP1-1.9(1.5℃シナリオ)

分析対象

岐阜県・愛知県内の事業性貸出先

岐阜県・愛知県内の不動産(建物)担保

(保証付き住宅ローンは除く)

岐阜県・愛知県内の事業性貸出先

 

分析内容

100年に1度の水害時のお客さまの事業停止・停滞に伴う業績悪化及び不動産(建物)担保の毀損に伴う与信関係費用の増加額

100年に1度の暴風発生時のお客さまの事業停止・停滞に伴う業績悪化及び不動産(建物)担保の毀損に伴う与信関係費用の増加額

平均気温上昇による労働生産性の低下に起因した、お客さまの業績悪化に伴う与信関係費用の増加額

分析期間

2050年まで

2050年まで

2050年まで

分析結果

与信関係費用増加額

最大約54億円

与信関係費用増加額

最大約31億円

与信関係費用増加額

累計約44億円

 

IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change) : 気候変動に関する政府間パネル

SSP  (Shared Socioeconomic Pathways)       : 共有社会経済経路シナリオ

 

◇移行リスク

与信エクスポージャーが大きいセクターを対象に定性的な分析を行った結果、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいセクターとして、これまでの「電力セクター」「自動車セクター」に加えて、「石油・ガスセクター」「運輸セクター」を分析対象に選定しました。また、移行リスクでは、炭素税の導入など脱炭素社会への移行に伴う費用増加や売上高減少、市場の将来動向などを勘案のうえ、分析結果から与信関係費用への影響額を算出し、累計約47億円の増加が見込まれるという結果となりました。

(移行リスク)

リスク事象

脱炭素社会への移行

シナリオ

NGFS/NetZero2050(1.5℃シナリオ)、Current Policies(3℃シナリオ)

分析対象

電力セクター、自動車セクター、石油・ガスセクター、運輸セクター

分析内容

脱炭素社会への移行に伴う炭素税導入やエネルギーコスト増加に伴う費用増加、市場需要の変動や追加の設備投資の発生に伴うお客さまの業績悪化に伴う与信関係費用の増加額

分析期間

2050年まで

分析結果

与信関係費用増加額 累計約47億円

 

NGFS (Network for Greening the Financial System): 気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク

 

物理的リスク及び移行リスクの分析結果は、一定の前提条件のもとに試算しています。今回の分析範囲においては、リスク事象の発生可能性を加味すると当社グループの財務への影響は限定的なものとなり、当社事業の持続可能性に重大な懸念を与えるものではないと判断しています。引き続き、シナリオ分析の高度化に努めていきます。

 

 

(炭素関連資産)

2026年3月末の株式会社十六銀行の貸出残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。

セクター

貸出残高 (百万円)

割合

エネルギー

83,560

1.6%

運輸

172,536

3.3%

素材・建築物

1,005,124

19.4%

農業・食料・林産物

94,953

1.8%

合計

1,356,173

26.2%

 

※ 貸出残高=貸出金、外国為替、支払承諾等の合計

※ エネルギーセクターは、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く

 

(自然資本・生物多様性への取組み)

当社グループは、豊かな自然に恵まれた岐阜県、愛知県を主要な営業基盤としています。「十六フィナンシャルグループSDGs宣言」では重点課題の1つに「環境保全と気候変動対策」を掲げており、2024年4月にはTNFDフォーラムに参画しました。

今後も自然関連情報の分析を進め、TNFD提言に沿った情報開示のさらなる充実をはかるとともに、地域における自然資本や生物多様性の保全に積極的に取り組むことで、持続可能な社会の実現を目指します。

なお、分析結果等については、当社統合報告書へ掲載しています。

 

③ リスク管理

当社グループでは、経営に重大な影響をもたらす可能性があるリスクをトップリスクと位置付けています。トップリスクについては「気候変動リスク」「自然災害の激甚化」を含む10のトップリスクを選定しています。異常気象・自然災害の増加や、気候変動対策における国際的機運の高まりを踏まえて選定したものであり、これらのリスクへの対応の遅れ等による貸出先の業績悪化やビジネスモデルの陳腐化をリスクシナリオとした予兆管理やリスクコントロール策を講じています。

また、収益、リスク、資本を有機的に結合し、一体管理を通じて企業価値の向上を目指す観点から、リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)を導入しています。気候変動リスク、自然災害リスクについては、モニタリング指標を「サステナブルファイナンス年間実行額」と定め、持続可能な社会の実現に向けた取組みについて、適切な管理に努めています。

(投融資方針の策定)

当社グループでは、「持続可能な社会の形成に向けた投融資方針」を定めています。気候変動リスクの低減や生物多様性の保全など環境・社会的課題に向けポジティブな影響を及ぼす取組みへの投融資に積極的に取り組む一方で、重大なリスクまたはネガティブな影響を与える可能性のある投融資は禁止または慎重に対応することを定めています。また、気候変動、生物多様性・自然資本の損失、人権課題には相互関係があり、これらの課題に対して統合的に取組みを進めるべきであると認識しています。

◇基本方針

十六フィナンシャルグループ(当社及び連結子会社により構成される企業グループをいう。)は、環境・社会的課題解決に向けた取組みを、投融資業務を通じて積極的に支援することにより、お客さまの中長期的な企業価値向上や持続的成長に寄与するよう努めます。

一方、環境・社会に対する重大なリスクまたは負の影響を与える可能性のある投融資については、慎重に判断することで、その影響を低減・回避するよう努めます。

 

 

1 環境・社会的課題解決に向けポジティブな影響を及ぼす投融資

環境・社会的課題解決に向けポジティブな影響を及ぼす、以下の投融資については積極的に取り組みます。

(1) 再生可能エネルギーや省エネルギーなど気候変動リスクの低減に資する取組み

(2) 水資源や森林資源の保護など生物多様性の保全に資する取組み

(3) 創業、イノベーション創出、事業承継など地域経済の持続的発展に資する取組み

(4) 高齢化、少子化等の課題に対応する医療、福祉、教育の充実に資する取組み

 

 

2 環境・社会に対する重大なリスクまたはネガティブな影響を与える可能性のある投融資

環境・社会に対する重大なリスクまたはネガティブな影響を与える可能性がある投融資については以下の方針とします。

 

(1) セクター横断的に禁止する投融資

児童労働や強制労働、人身売買等の人権侵害への直接的または間接的な関与が認められる企業に対する投融資等は行いません。

「ワシントン条約」に違反する事業、「ラムサール条約指定湿地」や「ユネスコ指定世界遺産」へ負の影響を与える事業に対する投融資等は行いません。

 

 

(2) 特定セクターに対する取組方針

石炭火力発電

石炭火力発電は、他の発電方式と比べ温室効果ガスの排出量や有害物質の排出量が多いといわれており、気候変動や大気汚染等、環境に重大な負の影響を及ぼす可能性があります。

石炭火力発電所の新設及び既存発電設備の拡張を資金使途とする投融資等は行いません。ただし、災害時対応や日本政府のエネルギー政策に沿った案件等を例外的に検討する場合は、慎重に対応します。

石炭採掘

石炭採掘事業に対する投融資等については、採掘現場の運営等が適切に管理されない場合、炭鉱事故による労働災害の発生や有害廃棄物による地域住民・社会、生態系へ負の影響を及ぼす可能性があることから、お客さまが行う環境・社会配慮に向けた対応状況等を確認し、地域経済や環境への影響を考慮したうえで慎重に対応します。

石油・ガス採掘、

石油・ガスパイプライン敷設

石油・ガス採掘事業、石油・ガスパイプライン敷設に対する投融資等については、石油・ガス採掘、石油・ガスパイプライン敷設が、流出事故による海洋・河川の汚染、地域住民・社会、生態系へ負の影響を及ぼす可能性があることから、お客さまが行う環境・社会配慮に向けた対応状況等を確認し、地域経済や環境への影響を考慮したうえで慎重に対応します。

大規模水力発電

新規の大規模水力発電事業(出力30MW以上かつダム壁の高さが15メートル以上)に対する投融資については、水力発電がダム建設に伴い生態系に負の影響を与える可能性があることや、住民移転が地域社会に負の影響を与える可能性があることから、お客さまが行う環境や社会配慮に向けた対応状況等を確認し、地域経済や環境への影響を考慮したうえで慎重に対応します。

非人道的兵器製造

クラスター弾、対人地雷、生物・化学兵器の非人道性を踏まえ、資金使途にかかわらず、こうした兵器を製造する企業に対する投融資等は行いません。

パーム油農園開発

パーム油が、日常生活に欠かせない製品に使用されている原料である一方で、パーム油農園の開発において、気候変動や地域住民・社会、生態系へ負の影響や、違法伐採や児童労働などの人権侵害が行われている可能性があります。

パーム油農園開発に対する投融資等については、お客さまが行う環境・社会配慮に向けた対応状況等を確認し、地域経済や環境への影響を考慮したうえで慎重に対応します。

森林伐採

大規模な森林破壊は気候変動や地域住民・社会、生態系へ重大な負の影響を及ぼす可能性があります。

大規模な森林伐採や違法な森林伐採、焼却が行われている事業に対して投融資等を行いません。また、森林伐採を伴う資金使途に対する投融資等については、地域経済や環境への影響を考慮したうえで慎重に対応します。

 

 

 

④ 指標と目標

(GHG排出量実績)

当社グループでは、自社のGHG排出量(Scope1,2)に加え、サプライチェーンにおける排出量(Scope3)についても算定しています。

 

2025年度 GHG排出量実績(速報値)

算定項目

GHG排出量(t-CO2)

Scope1

直接排出

1,246

Scope2

間接排出

898

Scope1,2の合計

 

2,144

Scope3

カテゴリ1

購入した製品・サービス

16,304

カテゴリ2

資本財

9,921

カテゴリ3

Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

1,287

カテゴリ4

輸送、配送(上流)

1,998

カテゴリ5

事業活動から出る廃棄物

80

カテゴリ6

出張

242

カテゴリ7

雇用者の通勤

2,317

カテゴリ13

リース資産(下流)

472

カテゴリ15

投融資 ※

10,373,822

Scope3の合計

 

10,406,443

 

※算定対象範囲は、当社およびすべての連結子会社です。

※Scope2は、マーケット基準で記載しています。ロケーション基準では、6,547t-CO2となります。

※Scope3カテゴリ8~12および14については、事業の性質上該当ありません。

※Scope3カテゴリ15投融資の内訳は、後述の「(投融資先のGHG排出量(Scope3カテゴリ15)の削減目標と実績)」に記載しています。

 

(当社グループのGHG排出量(Scope1,2)の削減目標と実績)

当社グループのエネルギー使用に伴って発生するGHG排出量(Scope1,2)について、2030年度までにカーボンニュートラルを達成することを目標とし、脱炭素社会の実現に向けて取り組みます。

Scope1,2の目標

2030年度までにカーボンニュートラルを達成する。

 

 

当社グループのGHG排出量(Scope1,2)

 


 

2025年度のGHG排出量は、2013年度比83.6%の削減となりました。株式会社十六銀行のすべての営業店舗で照明をLED化したほか、各店舗にて高性能な空調設備へ順次更新した結果、電気使用量を前期比3.8%削減しました。また、CO2フリー電気は、愛知県店舗にも導入を拡大し、自社契約電力すべての再生可能エネルギー化が実現しています。引き続き、環境配慮型店舗の導入、営業車両のHV・EV化等を検討のうえ、GHG排出量削減に向けて取り組みます。

なお、2021年度から2024年度までの実績については、数値の信頼性を確保するため、独立した第三者の保証を取得しています。

 

 

(投融資先のGHG排出量(Scope3カテゴリ15)の削減目標と実績)

金融機関のGHG排出量においては、投融資を通じた間接的な排出(Scope3カテゴリ15)が大きな割合を占めるため、これらの算定、モニタリング、削減への取組みを進めることが重要となります。当社グループでは、PCAFスタンダードの算定手法を活用し、株式会社十六銀行の保有有価証券(国内上場株式・社債)及び事業性融資(国内法人向け融資)を対象として投融資先のGHG排出量を算定しています。引き続き算定対象範囲の拡大や算定精度の向上に努めるとともに、算定結果を活用して投融資先の脱炭素に向けた取組みを支援し、投融資先のGHG排出量について2050年度までにカーボンニュートラルを達成することを目指します。

なお、PCAF算定基準の変更や投融資先のGHG排出量の開示拡大等により、今後の算定結果が大きく変化する可能性があります。

Scope3カテゴリ15の目標

2050年度までにカーボンニュートラルを達成する。

 

 

投融資先のGHG排出量(Scope3カテゴリ15)(速報値)

(t-CO2)

セクタ―

上場株式・社債

事業性融資

合計

Scope1+2

Scope3

Scope1+2

Scope3

Scope1+2

Scope3

石油・ガス

1,145

111,063

349,777

199,636

350,922

310,699

電力・ユーティリティ

227,203

178,888

221,808

403,456

449,011

582,344

空運

0

0

6,334

1,701

6,334

1,701

海運

3,256

5,903

470

563

3,726

6,466

陸運

13,837

62,750

306,962

211,297

320,799

274,047

自動車

2,712

287,890

27,349

253,458

30,061

541,348

金属・鉱業

13,976

25,947

253,357

200,999

267,333

226,946

化学

9,667

22,317

448,527

465,336

458,194

487,653

建築資材・資本財

20,312

241,059

230,457

1,628,970

250,769

1,870,029

不動産管理・開発

109

1,462

4,665

45,184

4,774

46,646

飲料・食品

6,926

21,236

787,089

412,475

794,015

433,711

農業

89

1,284

33,317

20,032

33,406

21,316

製紙・林業

186

884

63,653

106,731

63,839

107,615

その他

18,326

178,234

450,336

1,783,222

468,662

1,961,456

合計

317,744

1,138,917

3,184,101

5,733,060

3,501,845

6,871,977

データクオリティスコア

1.6

2.0

3.3

3.4

カバー率

91.6%

98.3%

 

 

対象アセット

株式会社十六銀行の上場株式・社債、事業性融資(国内法人向け融資)

 

*財務データ不足先は除く

算定方法

GHG排出量=Σ(各投融資先の排出量×株式会社十六銀行の投融資の寄与度)

 

*各投融資先の排出量は企業開示データ等を使用。データが取得できない場合は、PCAFデータベースから引用した売上高あたりの先進国・セクター別の排出係数を用いて推計

 

*寄与度=株式会社十六銀行の投融資残高/投融資先の資金調達総額

基準年度

2025年度

 

*投融資残高 : 2026年3月末時点の残高
*投融資先の財務データ : 2026年3月末時点で株式会社十六銀行が保有する最新の決算期データ

 

 

(サステナブルファイナンス実行額目標)

当社グループでは、お客さまの環境課題の解決に向けた取組みを本業を通じて支援し、脱炭素社会の実現に貢献するため、サステナブルファイナンスの実行額について以下の目標を設定しています。

 

 2030年度目標額(9年間累積)

2025年度までの実行額

進捗率

サステナブルファイナンス実行額

2兆円

9,144億円

45.7%

 

うち環境分野

8,000億円

3,472億円

43.4%

 

※サステナブルファイナンス:持続可能な社会の実現に資するSDGs・ESGへの取組みに向けた投融資等

※環境分野:環境への負荷を軽減する取組みに向けた投融資等

 

 

(3) 人的資本

① ガバナンス

人材の採用、育成、人員配置、及び給与の改定や賞与の支給など、人的資本経営にかかる各種施策については、取締役社長を議長とし、取締役副社長、取締役専務執行役員及び社長が指名する執行役員を構成員とするグループ経営会議での審議を経て決定しております。

 

② 戦略

当社グループは、グループ経営理念において、私たちの価値観(value)のひとつとして「多様性と受容(Diversity & Inclusion)」を掲げております。これを受け、2023年度から2027年度を計画期間とする第2次中期経営計画では「ヒューマンイノベーション戦略」を掲げ、長期ビジョンである「一歩先を行き、いつも地域の力になる」の実現を目指し、以下の方針のもと、人材の価値を最大限に引き出すとともに、役職員一人ひとりが自立的に活躍できる組織環境を整備しております。

 

●人材育成方針

当社グループでは、お客さまや地域の成長と豊かさ、サステナビリティ、長期ビジョン「一歩先を行き、いつも地域の力になる」の実現のため、能力を最大限に発揮し、お客さまとの信頼関係を構築でき、グループの各種戦略を積極的にチャレンジできる人材の育成に努めてまいります。

 


 

 

●社内環境整備方針

当社グループでは、グループ経営で最も重要な人材の育成を中心に、役職員のモチベーションアップやスキル向上に資する取組みを実行し、役職員一人ひとりが自立的に活躍できる組織環境を整備してまいります。

 


 

●経営戦略と人事戦略の融合

<長期ビジョンの実現に向けた人材戦略>

グループ経営理念の追求及び長期ビジョンへの到達には、職員一人ひとりがサステナビリティ方針や第2次中期経営計画において展開される戦略及び施策を実行するためのスキルの定着を目指せるよう、その職員一人ひとりの成長に向けて適切に環境を整備し提供していくことで、人材の価値の最大化をはかっていく必要があります。

IT・DXについては、情報処理安全確保支援士や応用情報技術者試験、基本情報技術者試験などの上位デジタル資格・試験の合格者及びITデジタル関連業務の6か月以上経験者を「IT・DX人材」と定義し、戦略を支える人材ポートフォリオとして、2030年度末に300名の目標を掲げて育成しております。(2025年度末現在274名)

また、地域企業の脱炭素経営を支援するため、炭素会計アドバイザー資格3級の取得を推奨するなか、2025年度末において585名が合格し、カーボンニュートラルナビゲーター(脱炭素経営コンサルティング)の契約件数431件(2025年度末までの累計)の獲得に繋げております。

このほか、地域企業の経営承継の課題解決に貢献するための知識習得として、2025年度末において金融業務2級 事業承継・M&Aコースに1,124名が合格しております。経営承継・M&A分野にて、より高度な専門性を有する職員の育成に取り組むことで、2023年7月に株式会社日本M&Aセンターホールディングスとの合弁会社として設立したNOBUNAGAサクセション株式会社とともに、経営承継コンサルティング件数の増加に繋げております。

<重要ポジション人材の育成と登用>

2023年度より導入した「エキスパート制度」には、2025年度中に17名の応募があり、新たに4名をエキスパートに任命しております。エキスパートに任命している職員は22名となり、本人の同意なく他部署への異動を行わず、専門性を重視した評価を行うことで、経営戦略の実現を担う重要ポジション人材の育成をはかっております。

 

 

DX

システム

市場運用

リスク管理

債権管理

グループ会社
専門業務

合計

任命者数

4名

8名

1名

1名

1名

7名

22名

 

 

また、2026年4月より、滋賀大学大学院経済学研究科 経営分析学専攻(MBANコース)へ職員1名を派遣しております。本専攻の文理融合カリキュラムを通じて、経営学の知見と高度なデータサイエンススキルを兼ね備えた「ビジネスサイエンティスト」の育成を目指しております。

 

●チャレンジングな組織風土の醸成

<グループ全体における人的リソースの最適化>

2023年4月に株式会社十六銀行に籍を置く全職員が、持株会社である当社に転籍し、当社を起点として連結子会社への人的リソースの最適配分や、職員の個性を活かした配置を進めております。また、グループ会社間での昇進・昇格を伴うクロス人事も実施しており、人材交流を通じた新たな経験による成長とグループ連携の一層の強化を進めております。

<人事制度の浸透による行動改革>

2023年4月に刷新した人事制度は、グループ経営理念のもと、すべての職員が「信頼と倫理観」「創造と革新」「多様性と受容」の価値観を共有し体現できることを目的としております。グループ経営理念の具現化に向けて、職員一人ひとりが自身の「マイビジョン(私のめざす姿)」を表明し、グループ経営理念と重ね合わせるなかで、実現したいこと、チャレンジしたいことをコミットする「マイビジョン・コミット」を基点とした「評価フレームワーク」を導入しております。このフレームワークに基づく、上司と部下の「振り返り」「対話」「共感」「成長」「新たな挑戦」のサイクルを回すことにより、職員一人ひとりの才能を見出し、意欲的でチャレンジングな職員の成長を後押ししております。

 


 

<キャリア選択機会の提供>

各種業務への社内公募を行うキャリアチャレンジ制度には、2025年度は延べ35名から応募が寄せられました。これまでの登用者数は延べ57名にのぼり、職員が自身の「マイビジョン(私のめざす姿)」をイメージし、自分らしく成長できる機会を提供することで、今後も意欲的でチャレンジングな職員の成長を後押ししてまいります。

 

●適切な人的資本投資

当社グループは「ず~っと元気で、もっと豊かに、ここで働く」をコンセプトに、人的資本投資を加速させております。入社から定年後までを「グロース期」「シニア期」「マスター期」の3段階に分け、地域の生活者として、生涯に亘り、豊かな人生を送るための基盤を構築しております。

 


 

<65歳選択定年制と貢献・役割に応じた処遇体系>

お客さまや地域への提供価値の最大化を目指し、これまで60歳としていた定年を2026年度より1歳ずつ段階的に引き上げ、65歳まで延長しております。また、柔軟な働き方とキャリア形成をサポートするため、地方銀行では初となる、職員自らが1歳刻みで定年時期を選択できる「65歳選択定年制」を導入しております。さらに、55歳以降(シニア世代)の給与水準を大幅に引き上げ、年齢によらず貢献や役割に応じた処遇体系を構築することで、職員が豊かな人生を実感できる経済的基盤を強化しております。

 


 


 

自律的に学ぶ風土の定着

お客さまや地域の多岐にわたる課題に対し、確かな知識を持って伴走できる人材を育成するため、地域総合金融サービスグループの一員として取得すべき資格・試験を可視化したうえで、その資格や試験の取得状況を体系的にポイント化し、その累計に応じてステージを認定する「ナレッジポイントステージ認定制度」を導入しております。最高位の「ブラックステージ」認定を目指した自律的な学びを促すとともに、職員自らが高い目標を掲げてチャレンジし、専門性を武器に新たな価値を創造し続けるための意識・行動改革を後押ししております。

さらに、職員の積極的な自己啓発を支援するために「自己啓発資格取得奨励金制度」を設け、指定する資格・検定試験に合格した場合に奨励金を支給しており、2025年度の「自己啓発資格取得奨励金制度」の利用件数は605件、合計奨励金額は11,412千円となりました。

 


<多様な研修カリキュラムの提供>

金利のある世界の到来や生成AIの急速な普及など、大きくかつ劇的に変化する環境に柔軟に対応し、持続的な成長を目指していくためには、過去に得た知見や経験だけでは物事に対処することは困難であり、知識のアップデートや学び直し(リスキリング)が重要となります。

こうしたなか、当社グループでは職員に対し、階層別・業務別に多様な研修カリキュラムを提供しております。階層別研修では、新入社員に対する入社後3か月間の研修のほか、入社後2年間を育成期間と位置づけた「新入社員基礎力養成研修」、「新任役席者研修」や「新任管理職研修」、新任支店長や新任マネージャーを対象とした「マネジメント研修」を実施しております。また、業務別研修では、「融資業務研修」や「預り資産営業研修」に加え、「対話力やソリューション営業力の強化に向けた研修」を実施しております。さらに、「金利のある世界」において当社グループがさらなる成長を遂げるためには、女性職員の一層の活躍が必要不可欠であるとの認識のもと、FA担当者を中心にリスキリングプログラム「法人営業スキルセットプログラム」を実施し、法人営業スキルの体系的な習得をはかっております。これらの研修を実施した結果、2025年度の研修費用は88,699千円、研修時間(延べ)は98,595時間となりました。

また、次世代の経営人材の育成に向けて、当社のエグゼクティブ・アドバイザーである一條和生IMD教授を講師に招き、サクセッションプランに基づいた後継者育成プログラムを展開しております。

 

健康経営

当社グループは、グループ経営理念「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」に向けて、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、成長を実感し活き活きと働くことが大切であると考えております。従業員の健康づくりを積極的に支援するとともに、働きやすく活力あふれる環境づくりを目指し、2026年4月に「健康経営宣言」を新たに制定しております。

代表取締役社長を最高責任者とする推進体制を構築し、施策の実施状況や課題については、定期的にグループ経営会議及び取締役会へ報告を行う体制を整備しております。また、社員組合、健康保険組合、産業医及びグループ各社が密に連携し、グループ一体となって健康経営を推進しております。

具体的な取組として、2026年4月より、人間ドックの受診料を被扶養者分も含めて会社が負担し、職員とその家族に健康の保持・増進を促しております。

対外的な評価として、経済産業省及び日本健康会議が実施する「健康経営優良法人認定制度」において、7年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されております。(持株会社体制移行前の十六銀行の認定を含む。)

 


<役割や職責を重視した給与体系と賃上げ>

2023年4月に刷新した人事制度では、年齢ではなく、能力と職務に応じた処遇を実現する給与体系を構築しております。

給与は、主に「基本能力給」と「職務給」で構成するシンプルな体系として、特に役割や職責に対して支給する「職務給」を重視しております。基本能力給は、グループ経営理念に基づく「ミッションの遂行能力」と「経験値」に対する対価として支給し、成長支援の基点となる「マイビジョン・コミット」などのレビュー結果を「基本能力等級(グレード)」に反映させ、昇級等を決定しております。また、職務給は、担当する「職務内容」「責任」及び「成果」に対する対価として支給し、目標達成に向けた行動結果のレビュー評価等に基づき「職務等級(グレード)」を決定しております。このように、定年までのすべての年代を通じて同一の職務給テーブルを適用することで、年齢によらない柔軟な職務任命を実現しております。 

賞与については、組織の成功と個人の業績貢献に報いるため、職員が目標に向かって行動した成果を処遇に反映する「活動評価レビュー」の結果等を連動させて決定しております。

あわせて2026年7月には、4年連続となるベースアップを実施し、定期昇給等と合わせ5.1%の賃上げを実施いたします。重視する「職務給」を引き上げることで、職員のキャリアアップ意識とモチベーションの向上をはかるとともに、2026年4月には初任給を月額28万円に引き上げ、優秀かつ多様な人材の確保に努めております。

なお、ベースアップの内容や賞与の資金量など、職員の処遇に関わる重要事項については、グループ経営会議での審議を経て決定しております。

 

<ファイナンシャル・ウェルネスの向上>

当社グループでは、職員が地域の生活者として豊かな人生を送るための基盤を構築し、不安なく最大限に能力を発揮できる環境を整えることが、持続的な企業価値向上に不可欠であると考えております。職員の自律的な資産形成と生活の安定を支援するため、以下の多層的なサポート体制を構築しております。なお、2026年4月より、大学進学等の教育資金負担をサポートするため、「社員向け進学サポートローン」を整備しております。

 

資産形成・退職給付の充実

従業員持株会(2025年度末 加入率:86.9%)

企業年金制度:確定給付企業年金及び確定拠出年金

財形貯蓄制度:一般財形・財形年金・財形住宅

多様なライフイベントへの資金融資・支援

貸付制度:奨学金返還支援制度・社員向け進学サポートローン・従業員住宅融資・従業員特別融資・社内共済融資

各種団体保険制度、社内共済保険

 

 

●人材・働き方の多様性確保

<新卒採用の強化>

優秀かつ多様な人材の確保を目的に、新卒採用活動を強化しております。活動においては、地元大学のみならず関東・関西圏を始めとした地元以外の大学に対しても積極的な情報発信を行い、多様なバックグラウンドを持つ学生との接点拡大をはかっております。

また、入社後のミスマッチを抑制するため、採用担当者や先輩社員が一人ひとりの学生に寄り添い、当社の業務内容や企業文化への理解を深めるきめ細やかなコミュニケーションを継続しております。

この結果、2026年度新卒採用は計画通りの157名を採用いたしました。採用者の属性は、Uターン層比率が40%(前年度比+5ポイント)、理系人材が14名、女性比率が約44%となるなど多様化が進んでおります。地域への深い愛着と多様な専門性を併せ持つ人材ポートフォリオを構築することで、グループの持続的な成長を推進してまいります。

<女性の活躍支援>

当社グループでは、多様な人材の活躍推進を重点課題に設定し、意思決定層・管理職層の多様化を推進しております。

2026年6月開催予定の当社及び株式会社十六銀行の定時株主総会並びに取締役会における正式決定を前提として、主要子会社である株式会社十六銀行の取締役専務執行役員(代表取締役)に女性が就任することを内定いたしました。あわせて、当社及び株式会社十六銀行の執行役員(兼任)に女性1名が新たに就任する予定です。

当社グループでは、女性の自立的なキャリア意識を醸成し管理職へのキャリアアップを目指す「次世代リーダー研修」や「女性管理職リスキリングプログラム」など、各階層に応じた女性向けの研修を実施しております。また、2025年度からは、法人営業のスキル定着をはかるリスキリングのプログラムも展開しております。こうした取組の結果、2025年度末時点の女性管理職比率は12.3%となりました。

<仕事と生活の両立支援>

当社グループでは、職員が仕事と生活の調和をはかりながら能力を十分に発揮できるよう、両立支援制度の拡充に取り組んでおります。

2023年4月より、育児短時間勤務と育児時間外勤務免除の期間を子が小学校3年生を修了するまでに拡充いたしました。加えて、育児短時間勤務の勤務時間を6時間または7時間とし、始業時刻から終業時刻の範囲内で柔軟な勤務を可能とした結果、2025年度の利用者数は102名となりました。このほか、職員の0歳から小学校就学前までの子供を保育する企業内保育施設「じゅうろくスマイルルーム」を2016年より運営しており、2025年度は8名の職員が利用しております。また、2017年4月に導入した配偶者出産休暇(3日間の特別休暇)は、取得が社内で定着しており、2025年度の取得率は86.1%となりました。現在は、男性職員による長期の育児関連休暇・休業の取得促進にも注力しております。

男女ともに仕事と子育て・介護を両立できるよう、国の制度や当社の休業・支援制度をまとめた「子育て支援ガイド」と「介護支援ガイド」を制定いたしました。また、生成AIを活用したチャットボット「育児・介護両立支援ナビ」を開設し、職員が知りたい情報へスピーディーにアクセスできる環境を整備しました。

さらに、仕事と生活の両立に向けて、半日年次有給休暇の活用や休暇を取得しやすい職場づくりを通じた有給休暇の取得促進に努めており、2025年度の取得率は63.3%となりました。

なお、2026年4月より時間単位年次有給休暇制度を導入し、ワークライフバランスに配慮した柔軟な働き方を実現します。

 

<外部連携・人材交流による多様性の確保>

当社グループは、人的資本経営における多様性の確保が持続的な成長に不可欠であるとの認識のもと、多様なバックグラウンドや知見を持つ人材の活躍を推進するため、外部との連携を通じた積極的な人材交流を行っております。

具体的には、協業先であるソフトバンク株式会社からの人材受入れ(2025年度末5名)及び当社からの人材派遣(2025年度末2名)をはじめ、業務提携先である株式会社りそなホールディングス(2025年度末1名)、STATION Ai株式会社(2025年度末1名)への人材派遣を実施しております。特に、りそなホールディングスとの協業により2025年4月よりサービス提供を開始した「じゅうろくアプリ」は、2026年3月に50万ユーザーを突破いたしました。同社への派遣から帰任した職員は、現在、当社内にて同アプリのマーケティング業務に従事しており、外部への派遣を通じて得た知見・ノウハウを活用することで、地域のお客さまの利便性向上に繋げております。加えて、東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社、株式会社電算システムホールディングス、株式会社日本M&Aセンターホールディングスとの合弁によるグループ会社運営を通じた連携など、多様な形態での人材交流により、組織内に幅広い視点や専門性を取り込み、当社グループ全体の多様性の確保に繋げております。

<設備環境>

設備面では、全職員への業務用スマートフォンの貸与により、場所を問わず円滑なコミュニケーションが可能となる環境を整備しております。また、2023年9月から「Google Workspace」を導入し、ファイルの共同編集、グループチャット、オンライン会議、カレンダー共有などによる効率的なデジタルコミュニケーションを実現してまいりました。

これらに加え、2025年3月からは、Google版生成AIモデルである「Gemini」の利用を開始し、業務用スマートフォンからも常時アクセス可能な体制を整えております。活用マニュアルや解説動画の継続的な周知を通じてグループ全体のAIリテラシーと生産性の底上げをはかるほか、全職員を対象とした「生成AI活用コンテスト」の実施により、自律的な業務改善文化の醸成を推進しております。さらに、Geminiの高度な分析機能を備えた「対話ツール」を導入し、お客さまとの対話力向上や信頼関係の強化、付加価値の高いコンサルティング機能の提供に努めております。

また、当社グループは、新たな本社拠点として、2027年度の開業を目指し「16FGオフィス&パーク(仮称)」の建設を進めております。

本施設は、「美しく居心地の良い共有空間」及び「時代を先取りしたワークプレイス」の2つをテーマとして掲げております。1階には地域に開かれた公開空地を備え、「美しく居心地の良い共有空間」としてにぎわいを創出し、中心市街地の回遊性向上をはかるとともに、役職員が憩い、リフレッシュできる環境を整備いたします。

また、先進的な設計思想に基づいた空調・照明を備えた執務空間に加え、外部の高度な知見を取り入れた最新のDX技術の導入や、免震構造等による防災機能の強化により、「時代を先取りしたワークプレイス」を実現いたします。これらにより、多様な働き方に対応し、役職員が最大限にパフォーマンスを発揮できる環境を構築してまいります。

<エンゲージメントサーベイの実施>

当社グループは、人的資本を経営の重要な基盤と位置づけ、職員のエンゲージメント向上を推進しております。その施策の一つとして、エンゲージメントサーベイを2024年7月より実施しております。サーベイ結果に基づき、引き続き当社グループ全体の持続的な成長を支える職場環境の構築に注力していくことで、職員がより高い働きがいを実感できるよう努めてまいります。

実施時期

2024年7月

2025年2月

2026年2月

エンゲージメント総合スコア

65.8

66.4

66.4

 

(注) 株式会社リクルートのサーベイ「Geppo」を利用し、職員エンゲージメントを調査しております。調査結果から、組織や環境、エンゲージメントに関する現状分析を行い、組織改善のための施策に繋げております。

③ リスク管理

当社グループでは、業務運営に関するリスクとして、オペレーショナル・リスクの一つに「人的リスク」を挙げております。具体的には、当社グループにおける人事運営上の不公平及び不公正(報酬、手当または解雇等の問題)または差別的行為(セクシャルハラスメント等)から生じる損失及び損害が発生した場合には、業務の遂行や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があると認識しております。

こうしたなか、当社グループでは、人材育成や処遇の向上、多様で柔軟な働き方を推進しているほか、健全な企業文化を醸成するため、コンプライアンス研修の継続・徹底、倫理方針の遵守徹底、内部通報制度の周知などに努めております。

さらに当社グループでは、グループ経営理念に掲げる「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」に向けて人権の尊重が重要な経営課題であると認識し、「人権方針」を制定しております。ハラスメント行為の禁止や時間外労働の低減、役職員一人ひとりに対する人権啓発研修等の実施などを行動指針として、事業活動における人権尊重の取組を推進しております。

 

 

〔健全な企業文化の醸成に向けた研修体系〕

 


④ 指標と目標

<指標の内容並びに指標を用いた目標及び実績>

 

 

指標の内容

目標

2025年度実績

内容

時期

経営戦略と人事戦略の融合

IT・DX人材の育成(注)1

300名

2030年度末

274名

人材・働き方の多様性確保

男性の育児休業取得率(7日以上)(注)2

100%

2030年度末

100.0%

有給休暇取得率(注)3

80%

2030年度末

63.3%

女性管理職比率(注)4

20%

2030年度末

12.3%

健康経営KGI

エンゲージメントスコア

69.0

2030年度末

66.4

アブセンティーズム(病気による欠勤日数の全従業員平均)(注)5

1.2日以下

2030年度末

1.5日

プレゼンティーズム(Wfun判定)(注)6

A

2030年度末

A

 

(注) 1 IT・DX人材とは、情報処理安全確保支援士や応用情報技術者試験、基本情報技術者試験などの上位デジタル資格・試験の合格者及びITデジタル関連業務の6か月以上経験者としております。

2 社内の育児目的休暇を含む育児休業等を7日以上取得した者の人数により算出しております。「第4 提出会社の状況」中、「5 従業員の状況等」に記載の育児・介護休業法の規定に基づく「男性労働者の育児休業取得率」とは算出方法が異なるものであります。

3 有給休暇取得率の算出にあたっては、特別休暇として付与する「看護等休暇」は除外しております。

4 管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号。以下「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものであります。

5 病気による欠勤日数は、長期欠勤者(1か月超)の欠勤期間(有給休暇消化・土日祝日除く)を指します。

6 Wfun(Work Functioning Impairment Scale)とは、産業医科大学で開発された、健康問題における労働機能障害の程度を測定するための調査票です。