2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 23,032 100.0 2,103 100.0 9.1

事業内容

3【事業の内容】

 当連結会計年度末現在において、当社グループは純粋持株会社である当社(株式会社ネットプロテクションズホールディングス)、連結子会社4社(株式会社ネットプロテクションズ、株式会社NPファイナンス、恩沛科技股份有限公司(NP Taiwan, Inc.)、Công ty TNHH Net Protections Vietnam(Net Protections Vietnam Co., Ltd.))の計5社で構成されています。

 

 「第1 企業の概況(はじめに)」に記載の通り、当社グループは2000年1月に設立した旧ネットプロテクションズ(旧商号:株式会社ネットプロテクションズ)が2002年より開始したBNPL(Buy Now Pay Later:後払い)決済サービスを提供する決済ソリューション事業を単一の報告セグメントとしています。

 

 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

セグメントの名称

主要な事業内容

地域

会社名

決済ソリューション事業

BtoC取引向けサービス

「NP後払い」「atone」「NP後払いair」

日本

株式会社ネットプロテクションズ

BtoC取引向けサービス

「AFTEE」

台湾

NP Taiwan, Inc.

ベトナム

Net Protections Vietnam Co., Ltd.

BtoB取引向けサービス

「NP掛け払い」

日本

株式会社ネットプロテクションズ

株式会社NPファイナンス

 

<決済ソリューション事業>

 2002年より日本で初めての信用リスク保証型のBNPL決済サービスを提供しています。その特徴は、顧客が一連の決済関連業務をワンストップでアウトソースできることにあります。決済関連業務には与信審査、請求書発行、入金確認/消込、督促/回収、貸倒対応があり、それぞれの業務に専門事業者が存在しますが、当社グループが提供するサービスはこれら全ての機能を包含しています。また、BNPL決済サービスの総合プロバイダーとして、個人、法人、EC、対面販売など取引形態を問わずBNPL決済サービスをご利用いただけるよう、当社グループでは複数サービスを提供しています。これらのサービスの概要は以下の通りです。

 

[各サービスに共通するスキーム]

 

 ※当社所定の審査を通過した取引が対象です。審査通過後においても、当該取引に関して加盟店と購入者または購入企業の間に紛争が生じ、速やかに解決ができず、又はその恐れがあると当社が判断したときその他当社が提供するサービスの加盟店規約所定の事由がある取引は、対象外となります。

 

主体

当社グループの提供するサービスの仕組み及び各取引主体の享受するメリット

購入者/購入企業

 購入商品の到着・サービスの提供を受けた後、当社グループから発送される請求書を用い、コンビニエンスストア・銀行・郵便局・口座振替等様々な手段で支払えます。商品着荷・受取及びサービス享受後に支払いを行うため、商品が届かない、破損している等の商品トラブルを避けることができます。

販売元

 出荷・役務などの提供後、当社グループより売買代金から手数料を控除した額を受け取ります。これにより、購入者/購入企業に対する信用リスクを負うことなく確実に代金を回収できます。当社グループの提供するサービスの導入に伴い、決済手段としてBNPL決済サービスを希望する購入者/購入企業からの新規注文及び新規顧客の増加が期待できます。なお、一部の取引については、購入者/購入企業が当社グループに支払いを行う前に、当社グループより販売元に立替払いを行うことで、販売元における販売代金の早期回収にも寄与しています。

当社グループ

 出荷・役務提供等の取引成立を条件に購入者の信用を確認の上で、売買代金を販売元に支払うことで債権を買い取り、その後購入者/購入企業より代金を回収します。債権の額面に対し所定の手数料率を掛けて算出される取引手数料及び請求書発行手数料等を販売元から受領し、営業収益として計上します。

 

 

[サービスごとの概要]

 

サービス名称

サービス概要

BtoC取引向けサービス

[エヌピー後払い]

 BtoC取引のECを対象にしたBNPL決済サービスです。

 クレジットカード情報のような固有の番号や、事前の会員登録が不要で、氏名・住所・電話番号等といった商品配送に必要な基本的な情報のみでBNPL決済サービスを利用できます。請求は取引の都度行われます。

 ①クレジットカード情報の漏洩、不正利用の防止、②請求書に伴う都度支払いによる使い過ぎの防止、③クレジットカード情報の入力を不要とすることによる決済手続きの手間の解消などを理由に「NP後払い」が支持され、決済手段として選択されています。

[アトネ]

 BtoC取引を対象にスマートフォンを活用した会員制のBNPL決済サービスです。

 購入者が自身の保有するスマートフォン等で無料の会員登録をすることで、EC及び実店舗にてキャッシュレスでの売買(BNPL決済)が可能になります。請求は月締めで、翌月にまとめて支払うことが可能です。また、利用額に応じたポイントを付与しており、atoneでの次回の買い物の値引きに利用できます。

 会員登録により購入者への信用判断が精緻化されるため、サービス・デジタルコンテンツといったこれまで「NP後払い」では取り扱ってこなかった非物販商材へのサービス提供が可能となっています。

[エヌピー後払いエアー]

 水道・ガスの修理、ハウスクリーニングなど、訪問型のBtoC役務サービスを対象としたBNPL決済サービスです。

 購入者は、サービスを受けた後日に代金を支払うことができるため、当日の現金準備が不要となります。

 また、現金のやりとりや管理が一切不要で、請求・督促業務も代行するため、販売元企業の負担が減り、現場スタッフや経理が本業に集中できる環境を整えられるなど、全国の企業における請求業務のDX化推進に寄与します。

[アフティー]

 BtoC取引を対象にスマートフォンを活用したBNPL決済サービスで、2018年8月より台湾で、2023年6月よりベトナムで展開しています。「NP後払い」と「atone」から得られたノウハウをもとにローカライズしたBNPL決済サービスです。

 

 

 

BtoB取引向けサービス

[エヌピー掛け払い]

 企業間取引における少額債権を主対象とした掛け払い決済です。

 事前手続き不要で末締め翌月末払いといった企業間の商習慣に合わせた決済が可能になります。

 本サービスの導入により、販売元企業は与信、請求書発行、入金確認、督促といった請求関連業務をアウトソースすることができ、更に未回収リスクを低減できます。

 購入企業にとっては、事前手続き不要で締め支払が可能になる上、ペーパーレスにも対応していることによりDX化推進に寄与します。

 近年の少子化の進展による労働力人口の減少、働き方改革・テレワーク普及等によるDX化・業務効率化の必要性が増していることに加え、事業拡大に伴い決済業務の効率化が重視される傾向が高まり、決済サービス等のアウトソース活用ニーズは益々拡大するものと考えています。

 また、連結子会社であるNPファイナンスでは、「NP掛け払い」の購入企業を対象に、オンライン・レンディングサービス「NPハンディレンディング」を提供しています。

 

<事業系統図>

 当社グループの事業の系統図は、以下の通りです。

 ※連結子会社である株式会社NPファイナンスは、株式会社ネットプロテクションズが提供する「NP掛け払い」サービスの購入企業を対象にサービスを提供しています。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の業績は以下の通りです。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

増減率

 

百万円

百万円

営業収益

20,844

23,032

10.5

営業利益又は損失(△)

△627

2,103

 

税引前利益又は損失(△)

△820

2,139

 

親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(△)

△828

1,350

 

 

当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしていませんが、可能な範囲で以下の区分で経営指標を開示しています。

 

区分名称

対象サービス名称

BtoC取引向けサービス

BtoCサービス_NP後払い他

NP後払い、NP後払いair、AFTEE等

BtoCサービス_atone

atone

BtoB取引向けサービス

BtoBサービス

NP掛け払い

 

経営指標は以下の通りです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

 

百万円

百万円

GMV(non-GAAP)

565,987

641,950

13.4

  BtoCサービス_NP後払い他

351,547

353,716

0.6

  BtoCサービス_atone

27,040

39,966

47.8

  BtoBサービス

187,399

248,267

32.5

営業収益

20,844

23,032

10.5

  BtoCサービス_NP後払い他

15,763

16,576

5.2

  BtoCサービス_atone

1,416

1,864

31.6

  BtoBサービス

3,664

4,591

25.3

 -その他営業収益

531

593

11.8

売上収益

20,313

22,438

10.5

 -請求関連費用

  (non-GAAP)

8,326

8,036

△3.5

 -貸倒関連費用

  (non-GAAP)

3,781

3,478

△8.0

 -その他決済に係る

  費用(non-GAAP)

410

440

7.3

売上総利益(non-GAAP)

7,795

10,483

34.5

  BtoCサービス_NP後払い他

5,620

7,624

35.7

  BtoCサービス_atone

368

485

31.6

  BtoBサービス

1,805

2,373

31.4

 -販売管理費及びその他営業費用

 (non-GAAP)

8,954

8,973

0.2

営業利益又は損失(△)

△627

2,103

 +減価償却費・償却費

1,577

1,629

3.3

 +株式報酬費用

9

5

△44.0

 +固定資産除却損

28

8

△70.8

 +減損損失

48

△100.0

EBITDA(non-GAAP)

1,037

3,747

261.3

(注)当社は投資家にとって当社グループの業績を評価するために有効であると考える指標として、当社が適用する会計基準であるIFRS会計基準において規定されていないnon-GAAP指標を追加的に開示しています。

 

non-GAAP指標

指標の内容

GMV

当社グループ決済サービスの流通取引総額

請求関連費用

回収手数料+請求書発行手数料。主に請求1件当たりに発生する費用

貸倒関連費用

貸倒引当金繰入+貸倒損失+債権売却損。主に請求金額に対して割合で発生する費用

その他決済に係る費用

与信費用、NPポイント費用等、その他決済の提供に必要な費用

売上総利益

売上収益-(請求関連費用+貸倒関連費用+その他の決済に係る費用)

販売管理費

及びその他営業費用

営業費用-(請求関連費用+貸倒関連費用+その他の決済に係る費用)

EBITDA

営業利益+(減価償却費・償却費+株式報酬費用+固定資産除却損+減損損失-減損損失戻入益)

 

当社グループの加盟店数は数万社にわたるため、特定加盟店への依存度が低い一方で、マクロ環境の変化を通じたEC・決済市場への影響を受けやすい事業構造となっています。

 

(GMVについて)

当連結会計年度において、GMVは前期比13.4%増の641,950百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同0.6%増の353,716百万円、BtoCサービス_atoneは同47.8%増の39,966百万円、BtoBサービスは同32.5%増の248,267百万円)となりました。

BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。

・NP後払いにおいては、サービスに占める割合が大きい、美容・健康・ファッション業界において、GMVの積み上げは限定的でした。第1四半期については健康食品に関する報道による既存加盟店のGMVの減少の影響を受けましたが、第2四半期以降は解消しています。なお、一部の販売方法に問題がある特定加盟店においては、それを是正した結果、GMVが減少しました。

・役務・サービス分野向けBNPL決済であるNP後払いairサービスは、全国の請求業務のDXニーズにより、GMVが大きく伸長しました。

・海外で提供しているBNPL決済であるAFTEEサービスにおいても、GMVが大きく伸長しました。

BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。

・前期までに営業体制の強化を完了し、加盟店獲得に注力した結果、当期に新規稼働した加盟店によって、GMVが伸長しました。

・アパレル・エンタメなどの既存加盟店において、購入者による利用が拡大したことでGMVが増加しました。

・また、総合ECモールを中心とした既存加盟店において、つど後払いの追加提供やキャンペーンなどの施策が貢献し、GMVが伸長しました。

・EC市場だけでなく、アプリ専用カード(アプリ専用カードは、atoneのアプリ内で使えるJCBと連携したバーチャルカードです。)の利用や実店舗での利用も徐々に拡大しており、市場の開拓が進んでいる状況です。

BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。

・前期から引き続き、広告・広告制作などの大手加盟店を中心とした既存加盟店でサービスの利用が拡大したこと等によって、GMVが伸長しました。

・また、大型の新規店が第3四半期から稼働し、GMVが伸長しました。

・加えて、これまでのマーケティングへの先行投資から得たノウハウを活用した、サービス認知拡大施策による新規加盟店獲得が順調であり、今後のGMVの伸長に継続的に寄与する見込みです。

 

(営業収益について)

当連結会計年度において、営業収益は前期比10.5%増の23,032百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同5.2%増の16,576百万円、BtoCサービス_atoneは同31.6%増の1,864百万円、BtoBサービスは25.3%増の4,591百万円)となりました。

BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。

・「NP後払い」において、24年7月に延滞事務手数料の加算を開始したことにより、GMVに対する営業収益率が上昇しました。

・手数料率が低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。

・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件当たりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。

 

・郵便料金の値上げに伴い、24年10月1日より紙請求書発行手数料を値上げしましたが、より手数料が低い電子請求書の利用比率が増加していることにより、GMVに対する営業収益率は低下しました。

・なお、紙請求書発行手数料の改定は郵便料金の値上げによる原価上昇と相殺されるため、売上総利益率への貢献は限定的です。電子請求書の利用増加については郵送費用の削減効果の方が大きいため、売上総利益率に貢献します。

BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。

・手数料率が低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。

・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件当たりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。

・また、今期実施された一部のキャンペーン施策のうち、売上値引に相当するキャンペーンが実施されたことにより、GMVに対する営業収益率が低下しました。

BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。

・手数料率が相対的に低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。

・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件当たりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。

・請求書発行手数料が低い電子請求書の利用件数が増加し、GMVに対する営業収益率が低下しました。

・なお、電子請求書の利用増加については郵送費用の削減効果の方が大きいため、売上総利益率の上昇に貢献します。

・2023年7月に開始した「NP掛け払い 請求書カード払い」サービス、2024年10月に開始した「NPハンディレンディング」サービス等、決済から派生したファイナンスサービスを充実させることで、決済手数料以外の収益を獲得していく方針です。

 

(売上総利益について)

当連結会計年度において、売上総利益は前期比34.5%増の10,483百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同35.7%増の7,624百万円、BtoCサービス_atoneは同31.6%増の485百万円、BtoBサービスは31.4%増の2,373百万円)となりました。

GMV、営業収益に関する分析は前述の通りであるため、以下は主に原価による影響の記載となります。

BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。

・前期より取り組んでいる与信改善施策により、債権の回収状況の良化及び回収時期が早期化した結果、GMVに対する貸倒関連費用及び請求関連費用の割合が低下し、売上総利益率が上昇しました。

・また、24年7月より延滞事務手数料の加算を開始し、ユーザーからの回収が早期化した結果、貸倒引当金の見積額が低下し、GMVに対する貸倒関連費用の割合が低下し、売上総利益率が上昇しました。

BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。

・債権の回収状況の良化及び回収時期の早期化により、GMVに対する貸倒関連費用及び請求関連費用の割合が低下し、売上総利益率が上昇しました。

・GMVに対して収納費用等の原価を圧縮した結果、売上総利益率が上昇しました。

・また、今期実施された一部のキャンペーン施策のうち、売上値引に相当するキャンペーンが実施されたことにより、GMVに対する売上総利益率が低下しました。

BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。

・前期において、NP掛け払いの主要ユーザーである中小零細事業者を取り巻く環境が悪化し、支払遅延の発生率が上昇しました。この状況を考慮し、当期は貸倒引当金を積み増しているため、当連結会計年度におけるGMVに対する貸倒関連費用の割合が増加しました。

・なお、前期は市況悪化を受けて与信のチューニングや督促の組み替え等の与信改善施策を推進しました。この施策の効果により、債権の回収状況が徐々に良化し、第3四半期以降は、GMVに対する貸倒関連費用の割合が前期比で改善しています。

・また、債権の回収状況の良化により、GMVに対する請求関連費用の割合が低下し、売上総利益率が上昇しました。

 

(営業利益、EBITDAについて)

当連結会計年度において、営業利益は2,103百万円(前期は△627百万円)、EBITDAは3,747百万円(前期比261.3%増)となりました。要因は以下の通りです。

・与信改善施策を推進した結果、前期に比較して、GMVに対する貸倒関連費用及び請求関連費用等の原価の割合が減少しました。

・また、業務効率化を推進した結果、前期に比較して、GMVに対する販売管理費の割合が減少しました。

 

② 財政状態の状況

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

増減

増減率

 

百万円

百万円

百万円

資産合計

60,279

70,848

10,568

17.5

  流動資産合計

40,698

50,540

9,841

24.2

  非流動資産合計

19,580

20,307

726

3.7

負債合計

42,498

51,618

9,119

21.5

  流動負債合計

37,374

46,249

8,874

23.7

  非流動負債合計

5,123

5,368

244

4.8

資本合計

17,780

19,229

1,449

8.2

 

当連結会計年度末時点における流動資産は前期末比9,841百万円増加しました。これは主に取扱高の増加等に伴い営業債権及びその他の債権が3,572百万円増加したことによるものです。

非流動資産は前期末比726百万円増加しました。これは主にオフィスビルの契約更新をした結果、契約期間の賃料相当分が使用権資産として計上されたことにより有形固定資産が332百万円増加したこと、システム開発を強化した結果、ソフトウェア資産が増加したことにより、その他の無形資産が214百万円増加したことによるものです。

流動負債は前期末比8,874百万円増加しました。これは主に取扱高の増加等に伴い営業債務及びその他の債務が6,714百万円増加したことによるものです。

なお、当社グループの流動資産のうち営業債権及びその他の債権(貸倒引当金を控除前)39,424百万円は主に決済を利用したエンドユーザー向けの債権、流動負債のうち営業債務及びその他の債務38,940百万円は主に加盟店向けの債務です。当社グループの決済サービスはエンドユーザーからの回収サイクルと加盟店への支払サイクルが短期間でバランスしており、事業拡大に伴うワーキングキャピタルの増加は限定的です。そのため、金利上昇の影響を受けづらい構造になっています。なお、当社グループが提供する決済サービスの加盟店向け債務の支払は主に金曜日に行われるため、期末日の曜日によって期末残高が変動します。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

増減

 

百万円

百万円

百万円

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,931

6,567

4,635

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,760

△1,506

254

財務活動によるキャッシュ・フロー

75

1,209

1,133

現金及び現金同等物に係る換算差額

△0

△40

△40

現金及び現金同等物の増減額

(△は減少)

246

6,229

5,982

現金及び現金同等物の期首残高

10,564

10,810

246

現金及び現金同等物の当期末残高

10,810

17,039

6,229

 

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は17,039百万円(前期は10,810百万円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は6,567百万円(前期は1,931百万円の獲得)となりました。これは主に以下の要因によるものです。

・税引前当期利益の計上 (2,139百万円)

・減価償却費、償却費等の計上 (1,629百万円)

・営業債権及びその他の債権の増減 (△3,572百万円)

・営業債務及びその他の債務の増減 (6,714百万円)

・その他資産・負債の増減等 (356百万円)

・法人所得税の支払 (△406百万円)

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は1,506百万円(前期は1,760百万円の使用)となりました。

これは主に以下の要因によるものです。

・システム開発投資による、無形資産の取得 (△1,484百万円)

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は1,209百万円(前期は75百万円の獲得)となりました。

これは主に以下の要因によるものです。

・短期借入金の純増減額 (1,351百万円)

・リース負債の返済による支出 (△294百万円)

 

(2)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績及び受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しています。

 

② 販売実績

本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループは第1期連結会計年度(2018年7月2日から2019年3月31日)より従来の日本基準に替えてIFRS会計基準を適用しており、この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表 注記3.重要性がある会計方針5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載していますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の会計方針は連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えます。

 

(貸倒引当金)

当社グループは、主に将来の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等を勘案して必要額を、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上していますが、ユーザーの支払が遅延、その支払能力が低下した等の場合には追加の引当金が必要となる可能性があります。

 

(のれんの減損)

当社グループは、のれんの減損の判断をする際に、のれんが配分された資金生成単位について、回収可能価額の見積りが必要となります。使用価値の見積りにあたり、資金生成単位により生じることが予想される将来キャッシュ・フロー及びその現在価値を算定するための割引率を見積っています。仮に、資金生成単位により生じると予想したキャッシュ・フローが減少した場合又は現在価値を算定するための割引率が上昇した場合には減損損失が発生又は増加する可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー)

本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

a.資金需要

当社グループにおける主な資金需要は、決済関連事業の拡大に伴い増加する運転資金やシステム開発費等によるものです。

 

b.財務政策

主に、手元資金に加えて、運転資金については金融機関からの借入により必要な資金を調達しています。資金調達については事業計画に基づく資金需要・金利動向等の調達環境を考慮の上、調達の規模・手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断し実施しています。

 

(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、年間取扱高及び購入者による未払い率を掲げています。それぞれについて以下の通り記載します。

a.年間取扱高

本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。

 

b.未払い率

未払い率(未払いとなった取引額の割合(貸倒処理前のものを含む))はNP後払い(NP後払いair含む)サービスが0.46%(前期は0.59%)、NP掛け払いサービスが0.50%(前期は0.49%)となりました。今後は一層の与信・督促業務の改善を講じることにより、更なる低減を図ってまいります。

 

セグメント情報

7.セグメント情報

(1)報告セグメントの概要

 当社グループの事業セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 なお、当社グループの事業内容は、決済ソリューション事業であり、区分すべきセグメントが存在しないため、報告セグメントは決済ソリューション事業の単一セグメントとなっています。

 

(2)セグメント収益及び業績

 報告セグメントが1つであるため、報告セグメントの売上収益及び利益の記載を省略しています。

 

(3)製品及びサービスに関する情報

 当社の製品及びサービスに関する情報は、注記「24.売上収益」に記載しています。

 

(4)地域別に関する情報

 外部顧客への売上収益

 本邦の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の大部分を占めるため、記載を省略しています。

 非流動資産

 本邦に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の金額の大部分を占めるため、記載を省略しています。

 

(5)主要な顧客に関する情報

 外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。