人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数132名(単体)
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平均年齢36.8歳(単体)
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平均勤続年数3.9年(単体)
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平均年収5,997,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(パートタイマー及び期間契約の従業員)は( )内に年間平均人数を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社は、加工事業の単一セグメントであるため、セグメント別従業員数の記載を省略しております。
4.従業員数が前事業年度に比べ30名増加しておりますが、新規量産案件の立上げ等、事業拡大に伴う採用数の増加によるものであります。
(2) 労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「―」は、育児休業等取得の対象となる男性従業員がないことを示しております。
4.雇用形態、給与体系においては男女の差を設けておりませんが、男女の賃金格差の主な要因としては、女性管理職比率が低いことがあげられます。これは、当社は設立間もないこともあり、即戦力としての経験やスキルを持つ中途採用者を管理職として迎え入れておりますが、勤務地である本社工場が、栃木県足利市にあることもあり、多くの場合は、入社に転居または単身赴任を伴う傾向にあります。こうした採用事情から、転居または単身赴任を許容できる女性からの求職者が少ないために、結果として女性管理職比率が低くなっているものと考えられます。また、航空機等のエンジニア分野においては女性技術者の絶対数が他の産業と比較すると低いために、求職志望者も女性が少なくなってしまうことも要因として考えられます。当社では女性管理職比率や女性技術者比率の向上は、経営上の重要な課題と認識しており、新卒採用等において、地元の女性を積極的に採用し、社内の育成を通じて管理職やエンジニアを増やしていくことを目指してまいります。
5.製造現場においては、夜勤勤務体制を敷いておりますが、割増賃金の支給対象となる夜勤等の女性従事者が少ないことによるものです。
6.労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する基本方針
当社は、「イノベーションで人と地球を美しく」というミッションステートメントの下、より美しい社会の実現のために、常にイノベーションを追求し、新たな技術、製品、並びにサービスを創造・提供し続けることを目指しており、これらを実践することがサステナビリティ経営そのものであると考えております。これらの実現に必要な企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためには、ステークホルダーとの協働が必要不可欠であると認識しており、ステークホルダーとの建設的な対話、公平・公正かつ透明性の高いガバナンスの実現、人権・環境・多様性への配慮により、人と地球の環境を大切にする社会の実現に貢献してまいります。
(2) ガバナンス
当社は、サステナビリティに関する事項について、迅速な対応を行うために社内マネジメントメンバーで構成される経営会議において、審議・検討しております。これらの審議結果は、経営戦略やリスク管理・評価に反映するとともに、経営計画や目標に落とし込み、それに基づき各部門で必要な施策を実行しております。これらの進捗状況は、部門目標管理により把握するとともに、代表取締役社長は定期的に実施されるマネジメントレビューにより、その有効性を評価し、改善指示を行っております。このような活動の中で、経営に影響を与える重要事項については取締役会に報告し、必要な審議を実施しております。
(3) リスク管理
当社はリスク管理の統括機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、代表取締役社長を議長として、リスクの対応方針や課題について、優先度を選別・評価し迅速な意思決定を図っています。特定した気候変動に関するリスク及び機会は経営方針のなかで課題化し、全社で取組んでいます。また、JISQ14001に準拠した環境マネジメントシステム活動の一環で行うリスクアセスメントにより抽出した著しい環境側面を特定し、想定される緊急事態に対応する手順書の整備や訓練の実施、さらに必要な対策を施すことでリスクそのものの低減を計画的に進めております。
(4) 戦略並びに指標及び目標
① 気候変動への対応
2019年の国際航空分野におけるCO2排出量は、世界全体の約1.8%(6.2 億トン)(出典:国土交通省航空局「航空脱炭素化の取組の進捗について)を占めており、国際民間航空機関は2022年10月の総会において、2050年までのカーボンニュートラルを目指す脱炭素化長期目標を採択する等、航空機産業においても脱炭素化の取組みが加速しています。航空機の運航分野におけるCO2排出量削減には、機体や装備品の軽量化による燃費性能の向上が求められる中、当社が製造するチタンアルミブレードは、従来のエンジンに使用されていたニッケル基合金に比べ重量は約半分であるため、エンジンの軽量化につながっています。このチタンアルミブレードが搭載されたLEAPエンジンは、他の新技術も組み合わせることで、従来のエンジンに比べて消費燃料とCO2排出量の15%、窒素酸化物排出量の最大50%削減を実現しています。当社は、今後もLEAPエンジン向けにチタンアルミブレードを供給することで、航空機産業の気候変動対策に貢献してまいります。
また、このような中で当社の主要顧客である仏SAFRAN社が、自社のScope1、並びにScope2を2025年までに30%、2030年までに50%削減を目指す(2018年比)ことを宣言しました。当社としてはその取り組みに賛同し、社会から信頼される企業を目指していくため、社内で環境監視プロジェクトに加え、Carbon Neutral Projectを立ち上げ、部門横断で環境保護に取り組んでいます。
(環境監視プロジェクト)
省エネ法及びJISQ14001環境マネジメントシステムに準じた活動を推進する組織です。事業活動に伴うエネルギー使用の合理化による省エネルギー対策、廃棄物排出量の削減対策を推進し、従業員への周知及び教育を実施しています。
(Carbon Neutral Project)
カーボンニュートラルの実現に向けた中長期的な目標や方針の決定及び課題の特定、並びにこれらに関する施策を打つとともに、活動のモニタリングを行っています。2050年に向けたカーボンニュートラルをはじめとした環境問題への対応はもとより、グローバル動向や法規制を踏まえた中長期的な視点で取り組みを推進しています。
これらの活動に基づき、GHGプロトコルに基づくCO2排出量の算出を行い、CO2削減のための具体的な方法を検討し、当該内容を事業計画策定に反映させることとしております。具体的には、CO2削減のために、グリーンエネルギーの活用、最適な加工方法による電力利用量の削減、加工過程で排出される産業廃棄物のリサイクル、新材料開発によるサプライチェーン全体でのCO2の削減といった取り組みを実施しております。
これらの活動により、2050年に事業活動に伴うCO2排出量(Scope1、Scope2)の実質ゼロ(カーボンニュートラル)に向けて、2018年度のCO2排出量に対し、2025年度の主要製品の原単位排出量30%、2030年の主要製品の原単位排出量、及び総排出量の50%削減を目指します。
<CO2排出削減目標>
・2025年度末までに2018年度比でCO2排出量30%削減(原単位)
・2030年度末までに2018年度比でCO2排出量50%削減(原単位&総量)
<CO2排出実績>
※1 原単位の分母は売上高(百万円)です。
※2 Scope1及びScope2排出量(総量)は、一般社団法人日本能率協会より第三者保証を受けています。
※3 2025年6月期実績につきましては速報値であり、正式な数値については第三者認証の取得が完了したのち、当社Webサイトにて開示させていただきます。
② 人的資本経営の推進
当社が属する航空機エンジン業界は、グローバル企業が主要プレイヤーであり、そのような企業と取引を継続・拡大していくためには、技術革新により唯一無二を実現し続け、グローバルニッチ企業としての地位を確立する必要があります。そのために欠かせないのが各分野で世界をリードするグローバル人財となります。当社は、各分野での高い専門性や潜在能力を秘めた優秀な人財の獲得と育成を推進すると共に、これらの人財が働きがいを感じ、存分に能力を発揮できる環境を整えることで、人的資本の最大化を図ってまいります。当社は上記の方針に基づき、人財育成及び社内環境の整備を以下のとおり実施しております。
・人財育成
当社は、2025年4月に「AeroEdge Human Capital Management Policy」を掲げ、従業員一人ひとりに求めるマインドや取組み姿勢と組織としてのあるべき像を明確に示しました。当ポリシーの基本的な考え方は、社員一人ひとりの能力を高めつつ、人と人との良好な関係性を築くことで、強くしなやかな組織を構築し、個人と組織の潜在能力を存分に発揮させ、高い付加価値を創出することです。
この実現に向け、教育体系や関連諸制度との連動を図り、全社的な浸透と意識強化に注力しております。その一環として従来の表彰制度を「AeroEdge AWARD」に改名し、「AeroEdge Human Capital Management Policy」に沿った優れた取り組みを表彰することといたしました。また従業員間で感謝の気持ちを贈り合う「サンクスポイント」の取組みを活性化することで、人と人との良好な関係性の構築を促進しております。
教育体系に関しましては、人づくりとしての「Human教育」と専門性を高めるための「Professional教育」の2軸を基本として、各層で求められるテーマを体系化し、教育を実施しております。専門性の向上に際しては、業務に関連する資格取得も重要であることから、資格取得支援制度を充実させ、約100種類の資格を対象に報奨金等でバックアップを行っております。そのほか、日々の改善活動が企業価値や現場力の向上に重要であるとの考えから、職種に関わらず全従業員が参加する改善提案活動を展開しております。改善活動を推進するため、活動に取り組んだ従業員に対して、その効果に応じた報酬を社内仮想通貨である「EdgeCoin」として付与しています。また、改善事例や成果は、報告会を通じて社内全体に共有するとともに、積極的な取り組み姿勢や優れた提案等に対して表彰することで従業員の活動意欲向上を図っております。
さらに当社では、新卒入社者の採用を強化しており、3か月間の新入社員研修と配属後のOJTリーダー・メンター制度の充実により、定着促進と計画的な育成を図っております。
・社内環境整備
当社は、「ゼロからイチを創る」という経営理念に基づき、従業員一人ひとりが挑戦をすることが会社の持続的な成長に不可欠であると考えております。そのためには、多様な人財がそれぞれの能力を存分に発揮できる職場環境が必要であり、社歴、年齢、国籍、性別等に関係なく、本人の努力によって、平等に活躍の機会が得られるような人事制度となっております。また、リモートワーク導入等による柔軟な就労環境の整備や、上長との定期的な1on1面談の実施、キャリアデザインセミナーの開催等により、キャリアプランや働き方に関して、サポートを受けやすい環境を整えています。
女性活躍推進の観点からは、製造工程の自動化等を積極的に開発・導入することで、性別を問わず製造に携わることができる仕組みを推進しております。また、産休・育休を取得しやすい職場環境を整備することで、妊娠や出産といったライフイベントによる社員の離職を無くすことを目指しております。
目標としては、女性従業員比率を2026年までに35%(2025年6月末実績23.7%)、育児・介護による離職率を2027年までに0%(2025年6月期実績0%)、育児休業取得率を2027年までに女性100%(2025年6月期は対象者なし)、男性50%(2025年6月期は対象者なし)と設定しております。なお、前事業年度に掲げておりました年休取得率に関しましては、2025年6月期末までに全従業員平均70%以上の目標に対しまして、2025年6月期末で78.4%と目標を達成することが出来ました。
当社は、今後も女性、外国籍の方、高齢者、障害をお持ちの方など、多様な人財の採用を継続し、多様な方々が働きやすく、存分に能力を発揮し、活躍できる環境整備を進めてまいります。