2025年8月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

以下に記載する事項は、当社の事業その他のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当事業年度末(2025年8月31日)現在において当社が判断したものであります。

 

1.継続企業の前提に関する重要事象等

当社は、当事業年度まで3期連続で営業損失、経常損失及び7期連続で当期純損失を計上し、当事業年度においても継続して営業損失454百万円、経常損失752百万円、当期純損失449百万円、重要なマイナスの営業キャッシュ・フロー4,225百万円を計上し、当事業年度末の貸借対照表の純資産額は496百万円となりました。

また、返済期日が1年内の借入金3,641百万円は手元資金578百万円に比して多額となっております。

これらの事象又は状況は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に該当しております。

当社は、当該事象又は状況を解消すべく、当事業年度を初年度とする中期経営計画において、持続的成長に向けた事業基盤の確立を目的とした聖域なきコスト構造改革に引き続き取り組んでまいります。

コスト構造改革の主な内容は以下のとおりです。

①不採算店舗の大規模な退店による収益性の向上。

②本部組織のスリム化と店舗人員最適化による人件費の削減。

③本部拠点の集約による賃借料及びその他の販売費及び一般管理費の削減。

④PB企画力の向上と生産背景見直しによる仕入原価率の低減。

⑤滞留在庫及び回転率の低い継続在庫の大幅圧縮による在庫水準の適正化。

当事業年度におきましては、中期経営計画のフェーズ1として、コスト構造改革の貫徹、組織安定化を掲げ、収益性の向上に向けた不採算店舗110店舗の退店の実施、人員の最適化にむけた本部組織および店舗のブロック再編の実施、つくばと原宿の2拠点あった本部機能および、東西に2拠点あった物流機能の1拠点への集約による賃借料の削減の実施、仕入原価率低減に向けた既存サプライヤーとの方針共有や新規サプライヤーの開拓による原産国の見直しの実施、在庫水準の適正化に向けた前事業年度末に商品評価損を計上した滞留在庫及び回転率の低い継続在庫の販売消化促進などに取り組んでまいりました。

翌事業年度におきましては、中期経営計画のフェーズ2として、再成長への挑戦、事業安定化を掲げ、事業面におきましてはMD構成の抜本的見直しや仕入先の再構築、モノづくり体制の改革による既存事業の再成長、また、粗利率の継続的な向上や再現性ある仕組みづくり、持続可能な業務体制の構築や育成・教育プログラムの展開による持続的成長に向けた仕組みの整備、その他、信頼感の醸成やチャレンジ精神の奨励など、成長に向けた強い意志をもった人材の育成に努めてまいります。

資金面では、既存の取引金融機関と資金計画等の協議を行い、2022年3月24日付で締結した株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとするタームローン契約について2025年3月26日付で変更契約書を締結いたしました。また、2022年3月31日付で締結した株式会社千葉銀行との証書貸付契約について2025年3月31日付で変更契約書を締結し、それぞれの財務制限条項の見直しが行われた結果、当事業年度の中間会計期間末における財務制限条項への抵触は解消しております。また、2025年2月27日には、親会社である株式会社W&Dインベストメントデザインから1,000百万円の資金調達を実行し、2025年3月31日には、株式会社W&Dインベストメントデザインの株主である株式会社日本政策投資銀行が出資するDAYSパートナー株式会社を無限責任組合員とする事業再生ファンドから1,000百万円の資金調達を実行するなど、手元流動性を高めております。さらに、メインバンクである株式会社三菱UFJ銀行との当座貸越契約枠として2,500百万円を設定するなど、構造改革による事業収支改善の遂行に必要な当面の運転資金を確保しております。なお、今後、契約期限の更新や更なる支援が必要となった場合に支援が得られるよう、引き続き取引金融機関等と緊密な連携を続けてまいります。

しかしながら、アパレル小売業の競争環境が厳しくなっている中で既存店売上高の収益性の向上が想定通りに進まない場合、債務超過に陥るリスクや借入金にかかる財務制限条項に抵触するリスクがあります。

これらのリスクにより、事業運営のための十分な資金が確保できない可能性があるため、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。

 

2.消費者の嗜好の変化などに伴うリスク

当社が取扱う商品は、ファッショントレンドの変化や消費者の嗜好の変化による影響を受けやすいため、消費者の需要動向にあった商品の仕入れが行われなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、お客様の多様なニーズの変化にいち早く対応し、従来の商品計画・発注業務のプロセスを改善、短サイクル型の発注割合をコントロールしながら、当社ならではのブランドミックスの品揃えの最適化を進め、リスクの低減を図ってまいります。

3.気象状況などによるリスク

当社が取扱う商品は、天候の状況により売上が影響を受けやすいため、冷夏暖冬などの天候不順や台風といった予測不能な気象状況が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、近年の地球温暖化により、大型の台風や局地的豪雨等の異常気象の発生頻度が高くなる傾向にありますが、「お客様起点の発想に立った事業活動」を第一に考え、CS活動によるサービス品質の向上と新商品開発に注力し、気象状況の影響を受けにくい強固な経営基盤の構築を目指してまいります。

 

4.仕入先に関するリスク

当社の仕入先の信用不安や経営環境の悪化、経営破綻などにより、商品の供給が減少した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ブランドミックスの品揃えの最適化に向け、複数の仕入先との取り組みを強化することでリスクの低減を図ってまいります。

 

5.店舗賃借に伴うリスク

当社の店舗の大部分は、ディベロッパーや地主から賃借しており、出店にあたり保証金を差し入れております。契約に際しては、相手先の信用状態を判断した上で出店の意思決定をしておりますが、倒産その他賃貸人の信用状態の悪化等の事由により、差し入れた保証金の全部又は一部が回収できなくなる場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ロードサイド型店舗については、賃貸借期間が10~15年と長期にわたるものが多く、基本的に保証金は契約期間が満了しなければ返金されません。当事業年度末時点における店舗賃貸の敷金及び保証金残高は4,498百万円であり、総資産の37.5%を占めております。

この他、当社のショッピングセンター内の賃借店舗では、毎日の売上金は当該ショッピングセンターのディベロッパー等に預託され、一定期間の後、当社に返還されるまでは、未収入金となります。これについては、預託相手先であるディベロッパー等の倒産等の事由により、全額又は一部が回収できなくなる場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当事業年度末時点におけるディベロッパー等への預託に係る未収入金残高は92百万円であり、総資産の0.8%を占めております。

また賃借店舗については定期建物賃貸借契約を締結している場合がありますが、借地借家法第38条により契約期間満了後、当社に再契約の意思があったとしても、相手方の意思により再契約ができない可能性があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

6.出退店及び固定資産に関するリスク

出店については、集客の見込めるショッピングセンターへの出店が大部分を占めております。当該ショッピングセンターの出店計画が変更になった場合、当社の出店計画に影響を及ぼすことがあります。ショッピングセンターへのテナント出店は、契約期間が短く、退店が容易である反面、テナント間の出店競争により、賃料が上がる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

退店については、スクラップ&ビルド等によって業績への影響を小さくするようにしておりますが、退店時には店舗閉鎖損失が発生する場合があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

7.顧客情報の流出に関するリスク

当社は、お客様から得た個人情報に関しては漏洩が生じないように万全の対策を講じており、従業員への徹底も研修等にて行っておりますが、何らかの事情により、お客様の個人情報が漏洩した場合は、信頼の毀損により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

万一それら情報が外部に漏洩した場合は、対策委員会を立ち上げ、原因追及と再発防止策の構築に取り組みます。また第三者機関と連携し、弊社セキュリティ体制の評価を行うなど、より実効的な再発防止策を講じます。

 

8.業態開発に伴うリスク

当社は、業容拡大のため積極的に業態開発を進めておりますが、市場環境の変化や、顧客への浸透が想定通りに進捗せず、計画していた売上を見込めない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

9.パートタイム従業員に係る費用の増加リスク

当社は、多数のパートタイム従業員を雇用しております。パートタイム従業員は当社の従業員に占める比率が高いため、種々の要因によりパートタイム従業員に係る費用が増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

10.災害等に伴うリスク

当社は、日本国内に店舗を有しており、大規模な地震、台風、洪水などの自然災害、事故、火災、テロ、感染症などの災害等が発生した場合、店舗運営や商品供給等に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

11.財務制限条項

当社の一部の借入金には財務制限条項が付されております。

・2025年2月以降(同月を含む)の各四半期の末日における当社の単体の損益計算書上の経常損益及び税引後当期損益の金額を、それぞれ3期連続して当該四半期会計期間に係る事業計画書上の経常損益及び税引後当期損益の金額の80%未満としないこと。(損失の場合は120%超としないこと。)

当該条項に抵触した場合には、当該借入金の期限の利益を喪失し、当社財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する安定的な配当の継続を重視しつつ、業績に裏付けられた利益還元を指向してまいる方針であります。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。また、当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨を定款に定めております。

内部留保資金につきましては、今後の事業展開に対応した財務体質の強化を図り事業拡大に努めるよう有効に活用してまいります。

しかしながら、当事業年度におきましては損失を計上したこともあり、誠に遺憾ではありますが、無配(中間配当0円、期末配当0円)とさせていただきました。