2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    271名(単体) 799名(連結)
  • 平均年齢
    39.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.3年(単体)
  • 平均年収
    9,002,299円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    6.1%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人材戦略に関する基本方針等

当社グループは、新たな経営理念「Business to Belief(商いの先の、信じることへ。)」に基づき、単なる商取引の枠を超え、その先にある思想や信念を軸とした新たな価値を創るビジネスのあり方を追求しています。この理念を実現するためには、事業の原動力である「人」への投資が必要不可欠です。

そのため当社グループは、社員一人ひとりが自らの仕事を「意味ある仕事」として再定義し、新しい価値づくりの起点として社会に貢献できる「自律型人材」の育成を、人材戦略の中核に位置づけています。目指すべき姿である「モノを売る」だけでなく「コトを変える」、「取引ではなく、共創へ」といったビジョンを体現する自律型人材を継続的に創出することで、個の能力を高め、グループ組織の最大化を図り、中長期的な成長ストーリーの実現を目指します。

また、社員に自発的な行動と挑戦を求めるだけでなく、多様な価値観や経験を持つ人材がその能力を最大限に発揮し、仲間同士がたたえ合いながら健康でイキイキと働くことができる組織基盤と環境の整備に継続して取り組んでまいります。これらの実現に向け、現在以下の施策を推進しております。

 

a.自律型人材の定義と活躍を後押しする仕組み化

社員一人ひとりが仕事の意味を見出し行動できる「目的意識」、応援される人柄を持った「人間力」、自責で捉えることのできる「未来志向」を持つことを自律型人材として定義しています。 これらの活躍人材を継続的に創出し、組織のパフォーマンスを最大化するため、社内で自律型人材を体現しているハイパフォーマーの行動特性や思考プロセスを客観的なデータに基づき分析・モデル化していきます。この分析結果を起点として、以下の通り一気通貫したタレントマネジメントを展開していきます。

・採用:分析から導き出された要件を新たな採用基準に組み込み、将来の活躍が期待できるポテンシャル人材を確保。

・人材育成:ハイパフォーマーの特性を汎用化し、研修プログラムの最適化や、社員が自発的に学べる仕組みへ反映。

・配置:個人の能力や適性データを可視化し、それぞれの強みが最大限発揮される戦略的な人員配置の実施。

・評価:活躍人材の要件を評価基準に組み込み、成果と成長プロセスを適正に評価。

 

b.定量把握と改善サイクルの確立を通じた組織マネジメントの強化

持続的な「生産性向上・組織の健全化」を実現するため、従業員の労働環境、パフォーマンス、エンゲージメントの状態を客観的かつ定量的に把握・分析する体制を構築しています。 過去の経験や感覚のみに頼るのではなく、データに基づく精緻な分析を行うことで、若手・中堅社員のエンゲージメント低下や恒常的な長時間労働といった組織課題の兆候を早期に検知し、迅速かつ的確な改善サイクル(各種施策の立案・実行・効果検証)を継続的に回しています。これにより、管理職の組織マネジメント力を底上げし、社員がより働きやすくなるように環境を整えていきます。

 

c.多様な人材の活躍と次世代リーダーの育成

持続的な価値創造とイノベーションを支える強固な組織基盤を構築するため、次世代人材の他流試合型研修への派遣、女性管理職候補者のリーダー研修への派遣、階層別研修のグループ横断化など戦略的に投資を行っています。さらに、DXの推進やAIの活用等による社会や事業環境の急激な変化に対応し、新たな価値を創出し続けるため、社員の自律的な学び直し(リスキリング)を積極的に支援しています。専門性の高度化や新たなスキル習得に向けた教育の機会を提供し、社内のロールモデルを構築することで、多様な人材が能力を最大限発揮し、継続的にイノベーションを生み出せる環境を整備しております。

 

②従業員給与等の決定方針

当社グループの給与等の決定方針は、2024年度の人事制度刷新を通じて、従業員一人ひとりが成長実感とチャレンジ意欲を育むことができる仕組みとして、以下の要素に基づいて設計・運用しております。

 

a.職務の内容や役割に応じた公正な処遇

社員が目指す達成目標の大きさや、制度上の等級役割定義、及び昇格要件によって支給額を決定する仕組みを導入しております。また、事業を取り巻く社会環境の変化に機敏に対応すべく、管理職層(Generalist)だけでなく、専門職層(Specialist)のキャリアパスを設けることで、高度専門人材の拡充と組織の多様化を推進し、各々の専門性や役割に応じた適正な処遇を実現しています。

 

b.「挑戦」と「成長」を評価する仕組みと還元

自律型人材に求める自発的な行動や成長プロセスを評価の仕組みに反映させるとともに、直接的な業績貢献に対する表彰に加え、組織間の連携を促進する「チームスピリット賞」や、新たな価値創造を称える「イノベーション賞」を設けています。単なる成果のみならず、組織力向上に資する行動や未知への挑戦プロセスを多角的に評価し、社員のチャレンジ意欲を一層高めています。

 

c.優秀な人材確保に向けた賃金改定

さらなる国内労働人口の減少を見越して、キャリア採用の比重を高めるなど、優秀な人材の継続的な確保と採用競争力の強化に努めています。当事業年度においては、ベースアップの実施に加えて、業績結果に基づく賞与支給月数のアップを実行し、平均年間給与の対前事業年度増減率が+6.1%となりました。今後も企業の持続的な成長に向け、社員の貢献から成果にしっかりと報いる利益還元を実行してまいります。

 

d.中長期的な企業価値向上と株主視点の醸成

経営参画意識の向上を図り、株主の皆様と中長期的な価値共有を促進するため、従業員向けのインセンティブとして「RS(譲渡制限付株式)信託」を導入・運用しています。会社の業績や企業価値の向上が、従業員自身の資産形成やリターンに直結する仕組みを整えることで、社員一人ひとりが「自律型人材」としての当事者意識をより一層高め、組織全体で持続的な成長へと向かうコミットメントを強固なものにしています。

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

マテリアル事業

125

[63]

ライフスタイル事業

252

[56]

アパレル事業

125

[55]

ブランド・リテール事業

180

[23]

不動産事業

[5]

全社(共通)

117

[56]

合計

799

[258]

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

3.組織変更に伴い当連結会計期間より「ライフスタイル事業」に含めていた一部の事業組織を「マテリアル事業」に、「マテリアル事業」に含めていた一部の事業組織を「アパレル事業」にそれぞれ変更しております。また、当連結会計期間より「アパレル事業」に含めていた一部の事業組織を「マテリアル事業」に変更しております。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

271

[124]

39.7

14.3

9,002,299

6.1

 

セグメントの名称

従業員数(人)

マテリアル事業

47

[12]

ライフスタイル事業

[-]

アパレル事業

107

[55]

ブランド・リテール事業

[1]

不動産事業

[-]

全社(共通)

117

[56]

合計

271

[124]

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は税込支払給与額であり、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

4.組織変更に伴い当連結会計期間より「ライフスタイル事業」に含めていた一部の事業組織を「マテリアル事業」に変更しております。

 

③ 労働組合の状況

1.名称       ヤギ従業員組合

2.結成年月日    1963年2月14日

3.組合員数     225名(2026年3月31日現在)

4.労使関係は結成以来円満に推移しており特記すべき事項はありません。

 

④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

 当社は、当社及び子会社の従業員を対象とした従業員向けインセンティブ・プラン(RS信託)を導入しております。当該制度の内容については、「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

a. 提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

8.1

100.0

57.6

65.8

54.1

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.賃金は、基本給、超過勤務手当、各種手当、賞与等を含み、退職金、通勤手当等を除きます。

4.非正規雇用労働者は、パートタイマーを含み、派遣社員を除きます。

 

b. 連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率

  (%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の

差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

㈱WEAVA

4.3

200.0

75.2

74.7

186.7

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.賃金は、基本給、超過勤務手当、各種手当、賞与等を含み、退職金、通勤手当等を除きます。

4.非正規雇用労働者は、パートタイマーを含み、派遣社員を除きます。

5.対象期間は2026年2月期(2025年3月~2026年2月)であります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1.サステナビリティ全般に関する考え方

(1)ガバナンス

 当社グループは、社是である「終始一誠意」を規範とし、新しい価値の創造とグローバルな挑戦を行い、人々の生活に喜びを与え、豊かな社会の実現に貢献していくことを定めた「経営理念」に基づいてサステナビリティを意識した経営を行っています。法令や社会規範を守り、業務を有効かつ効率的に行い、財務報告の信頼性を確保しながら、取締役会を戦略決定機関及び業務監督機関と位置づけ、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。

 

サステナビリティ推進体制

 代表取締役を委員長とした「サステナビリティ委員会」を当社のサステナビリティ方針に基づき設置しております。また、ステークホルダーの期待や要請に対応するために特定した重点課題(マテリアリティ)の解決及びコンプライアンスのさらなる徹底に資する事業活動を推進するために、同委員会傘下に具体的な施策の検討・推進を担う下部組織として4つのワーキンググループ(環境、社会、ガバナンス、SDGs推進)を設け、課題の解決並びに未然防止に取り組んでおります。傘下のワーキンググループの活動状況は、サステナビリティ委員会において報告を受けて指導・改善を図るとともに、各グループ会社との連携の強化を図っており、必要に応じて経営会議、取締役会等の会議体において決裁する体制をとっております。

 

 

  サステナビリティ推進体制図

 

 

(2)リスク管理

リスク管理規程の制定

 当社グループは、当社グループの経営活動に潜在するリスクを特定し、平常時よりリスクの低減と危機管理に努めるとともに、当社グループの経営活動に重大な影響を及ぼす恐れのある危機発生時の体制を定め、迅速かつ的確な対応をとり、事態の拡大防止及び速やかな収拾・正常化を図ることを目的として、リスク管理委員会とリスク管理規程を定め、運用しております。

 

 サステナビリティ委員会では、当社グループを取り巻く環境を踏まえたサステナビリティに関する課題が報告され、サステナビリティ関連のリスクを幅広く特定しています。そこで特定したリスクについては、発生可能性と、実際に発生した際に当社グループにもたらす損害のインパクトの二軸で評価し、各リスクの重要度を決定します。重要と判断したリスクに関しては経営会議及び取締役会へ報告する体制をとっています。また、重要と判断されたサステナビリティ関連のリスクについては、サステナビリティ委員会において目標の設定や進捗管理を行い、定期的に取締役会へ報告することで定期的なリスクのモニタリングを実施し、対応状況の評価や重要リスクの見直しにつなげています。さらに、サイバーセキュリティ及びデータセキュリティに係るリスクについては、リスク管理委員会において報告されたリスク及び機会を識別し、その管理方法を定め、各部門に適切な助言を行っております。重要なものについては経営会議に報告するとともに、定期的に取締役会に活動状況を報告し、全社的なリスクマネジメントの一環として検討しております。従業員の安全衛生等に関するリスクについては、定期実施しているストレスチェックや健康診断の結果、エンゲージメント・サーベイの結果などからリスクを特定し、安全衛生委員会で対応目標を定め、対応状況の進捗管理を行っております。従業員の腐敗防止・贈収賄防止策に関しては、各種コンプライアンス研修の実施、外部の第三者である弁護士を窓口とする内部通報窓口の設置などのリスク低減策を実施しております。

 

(3)戦略

 当社グループは、中期経営計画2026において中核事業である繊維事業の競争力強化に加え、社会課題解決への貢献を重視しています。当社グループのサステナビリティを実現していくためのテーマとして、グループ全体で優先的に取り組む社会課題として17の重要課題を特定しました。これらの特定は、サステナビリティ委員会の前身となるSDGs推進事務局が中心となり、当社事業や活動をSDGsの17目標169ターゲットと紐づけ棚卸しを行いました。また、主要ステークホルダーへのアンケート調査や内部ヒアリングを通じて優先度の高いリスクと機会を特定しました。最終的に、役員の承認を経てこれらの重要課題が決定され、それぞれの重要課題に対応する成果指標・数値目標を定め、その一部を外部公開しています。

 

 これらのマテリアリティは、「持続可能な企業であるための環境改善」、「持続可能な未来のために環境問題を解決」、「未来のライフスタイルへの提案」、「企業の社会的責任」という4つの要素により構成されています。当社はマテリアリティの特定と対応を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。

 

マテリアリティ一覧

 

ヤギグループサステナビリティ方針

(基本理念)

第1条 ヤギグループは、社是「終始一誠意」に基づく経営理念および「VISION」を指針とし、あらゆるステークホルダーとの公正な関係構築を通じて、持続可能な社会の発展に貢献することをサステナビリティ活動の基本理念とする。

 

(基本方針)

第2条 前条の理念に基づき、以下の通り方針を定める。

特定した重要課題(マテリアリティ)に対し、これまでに培ってきたノウハウやネットワークを結集させ、ステークホルダーの皆様と協働を通じて、その解決を図る。

事業活動を通じて、より良い未来に向けた持続可能な社会づくりに貢献するとともに、ヤギグループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指す。

 

(行動規範)

第3条 ヤギグループの行動指針を以下のとおり定める。

本行動規範は、「世界人権宣言」、「国際労働機関 (ILO) の中核的労働基準」、「国際ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際的な原則や宣言を基盤としている。

 

人権・労働

ヤギグループは、すべての従業員の基本的人権を尊重し、健全な労働環境を確保する。ヤギグループは、事業活動において人権への負の影響を特定し、防止・軽減し、対処する責任を果たすため、人権デュー・ディリジェンスを継続的に実施する。

(1)結社の自由と団体交渉権の尊重

従業員の結社の自由と団体交渉権を尊重する。

(2)差別・ハラスメントの禁止

職場でのあらゆるハラスメントや差別を禁止し、仲間同士がたたえ合い、健康でイキイキと働く環境構築に取り組む。

(3)強制労働・児童労働の禁止

強制労働の禁止、児童労働の禁止及び若年者労働に関する関係法令を遵守する。

(4)意見及び表現の自由の尊重

従業員が、報復を恐れることなく、ハラスメントや差別の問題、その他の懸念を表明できる環境を整備し、意見及び表現の自由を尊重する。

(5)安全・衛生と健康の配慮

職場の安全と衛生を確保し、健康に配慮した職場環境を追求する。

 

公正かつ倫理的な事業活動

ヤギグループは、各国・地域の法令や条例、規則、自発的な業界基準を遵守し、高い倫理観をもって事業活動を行う。

(1)公正な取引

「独占禁止法」や「取適法」などの関連法令を遵守し、優越的地位の濫用を禁止し、公正かつ透明性ある取引を確保する。

(2)贈収賄・汚職の禁止

汚職・腐敗行為、不当な利益供与や受領を禁止する。

(3)知的財産権の尊重

他者が保有する特許権、商標権、著作権、営業機密などの知的財産権を尊重し、侵害しない。

(4)反社会的勢力の排除

市民社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力および団体とは、一切関係を持たない。

 

環境保全への貢献

地球環境の保全が人類共通の重要課題であることを認識し、資源循環、温室効果ガスの排出削減など、持続可能な社会の実現に貢献する。

 

情報管理と開示

当社グループは、情報の適切な管理と透明性の高い情報開示を行う。

(1)情報セキュリティ

機密情報及び個人情報は正当な方法で入手するとともに、厳重に管理・保管し、適切な範囲で利用する。

(2)株主・投資家への責任

法令に基づき、会社情報を適時かつ公正に開示し、経営の透明性を高め、株主・投資家との建設的な対話に努める。

 

サプライチェーンにおける責任

ヤギグループの行動規範をサプライチェーン全体に広げ、人権・労働、環境、倫理に関する責任ある調達・取引を推進する。

 

地域社会との調和

良き企業市民として、社会との調和を図り、地域社会の発展に貢献する。

(1)地域社会との連携

事業を通じて地域発展のために貢献できるよう努力する。また、顧客、取引先、従業員といった多様なステークホルダーの皆様との建設的な対話(エンゲージメント)を通じて、企業の社会的責任を果たす。

(2)安心・安全な製品の提供

安心・安全な製品の生産を目指し、品質と安全性の確保に努める。

 

コンプライアンス体制

本行動規範の実効性を確保するため、以下の体制を整備する。

(1)違反行為への対応

本行動規範に反する事態が発生した場合は、速やかに是正措置を講じるとともに、原因を究明し再発防止に努める。

(2)相談・通報窓口の整備

本行動規範に関する疑問や違反行為について相談・通報できる社内および社外の窓口を設置し、公正かつ適切に対応する。 通報者に対しては、不利益な取り扱いを行わない。

 

(4)指標及び目標

当社グループは、サステナビリティへの対応を継続課題として認識し、中期経営計画2026「Heritage to the future」の重点戦略の一つに掲げる「ESG戦略」の実現に向けて、成果指標・数値目標を設定し取り組みを進めています。目標の進捗は以下の通りです。

[成果指標一覧表]

ESG

マテリアリティ

アクションプラン

2024年度実績

2025年度実績

中長期目標

SDGsゴール

目標値

目標年

E

⑨産地の活性化

⑩持続可能な資源の有効活用

糸・生地での環境配慮型素材の販売量増加

9.4%

13%

15%

2026

11.住み続けられる街づくりを

12.作る責任 使う責任

17.パートナーシップで目標を達成しよう

糸・生地の環境配慮型素材の使用率を50%まで引き上げ

9.4%

13%

15%

12.作る責任 使う責任

⑪サーキュラーエコノミーの実現

サーキュラーエコノミーに関する取り組み件数の増加、ファッションロス削減

3件/年

1件/年

2件

2026

12.作る責任 使う責任

13.気候変動に具体的な対策を

⑫サプライチェーン全体での温室効果ガスの排出削減

当社グループ全体で使用する電力の再エネ利用率

9%

11%

40%

13.気候変動に具体的な対策を

⑬パートナーシップで業界特有の課題解決

⑭DXの推進

⑮新技術の開発/研究への検討

パートナーシップの取り組み件数増加

3件

1件

3件(社)

2026

17.パートナーシップで目標を達成しよう

企業・大学等との環境対応型商品・サービスの研究・開発案件数の増加

2件/年

1件/年

2件

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

17.パートナーシップで目標を達成しよう

S

③若手社員の働きがいの向上

ストレスチェックにおけるワークエンゲージメント指標の改善

49.6pt

50.9pt

50pt

(業界平均)

2030

4.質の高い教育をみんなに

5.ジェンダー平等を実現しよう

8.働きがいも経済成

④多様な働き方の推進

⑥女性のリーダーシップ機会の確保

⑦女性が働き続けられる労働環境の整備

管理職層の女性比率

7.7%

8.1%

10%

2026

3.すべての人に健康と福祉を

5.ジェンダー平等を実現しよう

8.働きがいも経済成長も

男性の育休取得率の向上

63%

100%

50%

4.質の高い教育をみんなに

5.ジェンダー平等を実現しよう

8.働きがいも経済成長も

 

 

G

⑧取引先の人権侵害の防止

⑰サプライチェーンマネジメントの推進

「持続可能な調達アンケート」の実施

316社

368社

サインバック率:100%

2026

16.平和と公正をすべての人に

17.パートナーシップで目標を達成しよう

アンケート結果に基づいた工場監査の実施

 

50件

50件

30件

⑯コーポレート・ガバナンスの強化

ESGレポートの作成と開示

サステナビリティ委員会の設置

サステナビリティ委員会の設置と年度中に8回の委員会を開催

開示初年度は2026年3月期目標

2026

16.平和と公正をすべての人に

脱炭素関連開示業務とそのマネジメント

CDP質問書へ回答

・TCFD提言に基づく開示

・CDP回答のスコア向上(C+)

・大阪本社の使用電力を再エネに切り替え

脱炭素関連イニシアティブへの賛同(TCFD/CDP)

2026

※上記成果指標は、当社単体での活用内容です。

※これらのマテリアリティと成果指標は、事業環境や社会情勢の変化に応じて定期的に見直しを行います。

 

2.気候変動への対応

気候変動は持続可能な社会の実現に向け対応不可欠な重要テーマであり、当社にとっても経営上の重要課題の一つです。その影響は原材料の供給や物流など多岐にわたり、持続可能な事業運営と競争力の維持のため積極的な環境対応が求められると想定されます。この認識に基づき、当社ではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った情報開示をいたします。透明性の高い開示を通じて、ステークホルダーとの信頼構築と企業価値の向上を目指します。

 

<ガバナンス>

当社及び当社グループでは、気候変動を含む環境課題に関するリスク・機会、目標や具体的な取り組み施策に対しては、社長執行役員がその責任を担い体制の管理と統括を行っています。

環境関連の社内体制としましては、気候変動対応を含む重要課題(マテリアリティ)の解決及びコンプライアンスのさらなる徹底に資する事業活動の推進を目的として「サステナビリティ委員会」を設置しています。委員長を社長執行役員とし、コーポレート本部長、各本部長及び、各本部長から選任された事業部長並びにグループ会社の代表取締役社長を構成員として運営しています。原則として1年に1回開催し、必要と認めるときに随時開催されます。

サステナビリティ委員会には具体的な施策の検討・推進を担う下部組織として4つのワーキンググループ(環境、社会、ガバナンス、SDGs推進)があります。

これらのワーキンググループは、相互に連携を図りながら、サステナビリティ委員会に対して定期的に活動報告を行い、全社的な環境課題を含めたサステナビリティ戦略の実現に寄与しています。

サステナビリティ委員会で検討された気候変動関連の取り組み状況は取締役会へ報告されます。取締役会は気候変動対応の監督機関として、気候変動課題を含めた重要課題に関し目標や指標のモニタリング、戦略への反映、審議内容についての承認を行っています。報告は定期的に行うこととしており、重要な業務執行については、適時経営会議等で方向性や諸施策を審議し、取締役会で審議・決定しています。

 

<リスク管理>

当社グループでは、 サステナビリティ委員会が気候変動を含むリスクの識別、評価、管理の一連のプロセスを主導しています。リスクの識別及び評価に際しては、各部門からの報告を集約するほか、シナリオ分析の手法を活用し、その報告及び分析結果から重点課題を特定しています。

具体的なプロセスに関しては、報告や分析から洗い出された課題事項を定量分析結果や関連する経済活動の大きさ(仕入額や売上高)、リスクの発生想定時期、事業ごとの影響度評価を踏まえて重みづけを行っております。特定されたリスクは必要に応じ対応策の検討や目標設定を実施し、また、定期的にその見直しを行うことでリスクの防止、回避、もしくは影響の緩和を図っています。

 

また、当社では全社的なリスクマネジメント体制との統合を図ることを目的として、現在、サステナビリティ委員会とリスク管理委員会の連携体制を整えております。

リスク管理委員会は、各部門及びグループ会社におけるリスク情報を集約し、全社的視点での評価・分析を行う組織として設置しており、気候変動を含めた広範なリスクを審議対象としています。サステナビリティ委員会では、気候変動を含むESG課題などの広範な各種リスクの重要度や影響度を踏まえて優先課題を特定し、必要に応じて経営資源の配分や方針の見直しといった具体的な対応策を講じることで、リスクを適切に管理しています。

これらの気候変動課題を含む決定事項についてはサステナビリティ委員会とリスク管理委員会より協議された後に取締役会をはじめとする上位会議体に報告され、各課題に関してのモニタリングや戦略への反映、審議内容についての承認が行われています。

 

<戦略>

当社では、気候変動が事業において将来及ぼす可能性のある影響を把握し、事業戦略に織り込むことを目的としてシナリオ分析を実施しています。

2025年実施のシナリオ分析実施における前提条件として、気候変動のリスクと機会を網羅的に把握するため、外部機関が公表する複数のシナリオを用いて「地球の平均気温が産業革命前の水準より4℃以上高くなる世界観」と、「パリ協定のもと、地球温暖化を1.5℃以内に抑える世界観」の2つを想定しました。また時間軸については、短期を財務諸表報告期間である「1年」、中期を中期経営計画の期間とする「3年」、それ以降の「4年以上」を長期として整理いたしました。また、考察にあたり使用したシナリオの詳細は以下となります。

 

リスクの重要度を評価するにあたって実施したシナリオ分析の概要は以下となります。

〇4℃の世界観

現状の規制が続き、温暖化の影響がより顕著になる世界を想定しています。当社グループは商社機能が主であり、サプライチェーンにおいて横断的な影響が想定されます。取引先様の製品生産の遅延や停止、物流拠点の被災や店舗の営業が困難になるなどの間接的な被害も含め、異常気象による洪水等の災害による影響が最も大きくなることが懸念されます。また、上流工程においては天然繊維の素材ごとに干ばつをはじめとした農作物の品質・収量低下や染色工程における取水制限など、資源に対する影響も想定されます。こうした影響がより頻繁かつ深刻化した場合、損害対応や取引先の業績悪化による財務リスクが高まる可能性があります。これらの想定リスクに対しましては、現在自社のBCP対策やサプライチェーンへの情報収集等を実施しており、今後さらにそれらの活動を強化していく方針です。

 

〇1.5℃の世界観

パリ協定に基づく1.5℃目標の達成に向けて、政府による新たな政策や規制の強化、市場の脱炭素化の促進などが想定される世界観です。

当社グループでは主にカーボンプライシング制度の導入やサプライチェーン排出量による追加的な支出が予想されます。また、素材のバイオマス化やリサイクル対応、廃棄物低減に関しても規制が進むことで、対応費用の増加も想定されます。一方でサステナブル志向の高まりによる新規顧客獲得の機会や、新素材の積極的な導入などの企業イメージ向上など、ビジネスチャンスとなりうる事項も想定されます。

これらのリスク・機会に関しましては、資源循環対応促進のための修理事業や、環境配慮製品の積極的な開発、パリ協定に賛同しファッション産業における企業連携を目指すジャパンサステナブルファッションアライアンスへの参画など、自社にとどまらずサプライチェーン全体を意識した対応を進めております。既存取り組みの強化だけでなく、シナリオ分析結果をもとにした新しい施策の検討も行っております。

 

各想定における当社グループのリスクと機会に対しては、「適応」と「緩和」の両面から対応の必要性を認識しており、当社ホームページに掲載している「リスク機会一覧表」に示す通り、個別の対策についても検討・実施を進めています。各項目についての詳細は当社ホームページをご覧ください。

 

GHG排出量測定

当社は、GHG排出量算定・可視化クラウドサービスを提供する株式会社ゼロボードとの協働により、GHG排出量の算定対象範囲、算定方法等についてGHGプロトコルに則り検討を重ねてきましたが、今回算定・推定したGHG排出量は次のとおりです。なお、温室効果ガスはすべてCO2(二酸化炭素)に換算しています。

(単位:t-CO2)

区分

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

スコープ1

55

53

65

386

スコープ2

306

281

208

1,900

スコープ3

443,412

407,093

397,433

383,872

合  計

443,773

407,427

397,706

386,159

スコープ1、2 株式会社ヤギ 国内グループ会社

※2025年度より国内グループ会社を含めています。

スコープ3 株式会社ヤギ単体のサプライチェーン排出量(カテゴリ1~8に伴う排出)

※数値は小数点以下を四捨五入しているため、合計が合わない場合がございます。

3.人的資本・多様性に関する考え方及び取組

(1)人的資本・多様性に関する「ガバナンス」と「リスク管理」

 当社グループの人材戦略に関しては、経営戦略の実現に必要なサステナビリティ全般の重要課題と連携しながら、取組方針及び成果指標・数値目標を策定するためのプロジェクトを進行させています。代表取締役社長執行役員が本プロジェクトオーナーを務め、各重要課題に大きく関わる部門の管掌本部長がチームリーダーとなって部門横断で社員が参画し、多角的な視点で検討を進めています。

(2)人的資本・多様性に関する「戦略」と「指標及び目標」

 当社グループの人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は下記のとおりであり、中期経営計画2029において、人材の育成を中心とした人材戦略を基本戦略の一つとして以下の事に取り組んでまいります。

 なお、「指標及び目標」については、「1.サステナビリティ全般に関する考え方(4)指標及び目標」をご参照ください。また、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」に記載しております。

① 人材の質と量を中長期的に維持・向上できる仕組みづくり

 企業の持続的な成長を支えるのは人材であるという考えのもと、活躍人材を継続的に創出するため、社内のハイパフォーマーの行動特性や思考プロセスをデータに基づき分析・モデル化していきます。この分析結果を起点として、ポテンシャル人材の採用、研修プログラムの最適化、それぞれの強みが発揮される戦略的配置へと一気通貫したタレントマネジメントを展開していきます。また、DXの推進やAIの活用等の急激な環境変化に対応するため、社員の自律的な学び直し(リスキリング)を支援し、多様なバックグラウンドを持つ人材の専門性の高度化を図っています。

② 長期的な競争優位性を実現させる組織力のステップアップ

 当社グループは、競争激化する市場環境において、長期的な競争優位性を確保するために、組織力のステップアップに力を入れています。グループ横断での情報共有やコミュニケーションの促進、人材交流、意思決定の迅速化などを通じて、迅速な変化に対応し、イノベーションを推進する組織文化を構築してまいります。

 

③ チャレンジできる環境整備

 当社グループでは、従業員が自らチャレンジできる環境整備を重視しています。積極的なアイデア出しや新しい取り組みへの参加を奨励し、フラットな組織風土を醸成しています。当社では意見交換や情報共有を促進するコミュニケーションプラットフォームの導入など、社内コミュニケーションの円滑化にも力を入れており、今後グループ各社の実情に合わせた展開を検討してまいります。

④ 働きやすい環境整備

 当社グループでは、性別や年齢、国籍、障害の有無、ライフイベント等に関わらず、多様な人材が安心して働き続けられる環境づくりを重視しています。当社では場所や時間にとらわれない柔軟な労働制度の導入やワークライフバランスの推進、職場環境の改善などを通じて、従業員の働きやすさと生産性の向上を追求しています。

⑤ 人事制度の刷新

 当社では、2024年度より人事制度を刷新しました。役割の明確化や評価の納得性向上、報酬体系の見直しなどを通じて、従業員一人ひとりが成長実感とチャレンジ意欲を育むことができる仕組みを目指しています。制度刷新により、従業員のエンゲージメントを高め、組織マネジメント力の強化を図っていくとともに、グループ横断での人材活用やグループ横断型研修の実施検討等、グループ内のノウハウや経験・情報共有化の動きを進めてまいります。

⑥ 健康経営の実践

 当社は、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定を受けました。昨年に引き続き4年連続の認定となります。今後も従業員及びその家族の健康管理・維持増進に注力してまいります。定期的な健康診断の実施やストレスチェックの導入、健康教育プログラムの提供、イベントの企画などを通じて、従業員の健康状態の管理と改善を支援しています。健康な従業員の確保は、生産性の向上及び労働力の安定確保に繋がるとの考えのもと、今後グループ各社の実情に合わせた展開を検討してまいります。

⑦ ダイバーシティ環境整備

 当社グループでは多様性こそが商社の競争力の源泉と捉え、ダイバーシティ&インクルージョンの実現とその環境整備に力を入れています。多様な人材の活用や、2022年度から2025年度の4年連続でのハラスメント防止のための教育・啓蒙活動などを通じて、互いを讃え合う文化風土の醸成を継続することで、全ての従業員が公平かつ平等な待遇を受けられる環境づくりに取り組んでまいります。

(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (3)従業員の状況 ⑤ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。