2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 95,536 100.0 10,436 100.0 10.9

事業内容

 

3 【事業の内容】

(当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。)

当社グループは、当社及び連結子会社6社(亜速旺(上海)商貿有限公司、ニッコー・ハンセン株式会社、井内物流株式会社、AS ONE INTERNATIONAL, INC.、株式会社トライアンフ・ニジュウイチ及び株式会社カスタム)等により構成されており、主に各種研究所、研究機関、生産施設、医療施設等において使用される科学機器、備品等を取扱う専門商社であります。

当社グループの事業内容及びグループ各社の位置づけを部門別に示しますと次のとおりであります。

 

(1) ラボ・インダストリー部門

科学機器販売店に対し、研究者や技術者の皆様が使用する機器・備品などの商品を卸売しております。当社は商品情報を紙カタログやWEBサイト等で提供し、販売店を経由してユーザーに販売するカタログ販売形態を主にとっております。連結子会社亜速旺(上海)商貿有限公司は、中国において研究用科学機器等の販売を行っております。連結子会社ニッコー・ハンセン株式会社は、プラスチック製容器及び理化学実験器具・機器の製造・販売を行っております。連結子会社AS ONE INTERNATIONAL, INC.は、主に北米製品についての日本等への輸出を行っております。連結子会社株式会社カスタムは、主に電子計測器及び関連商品の製造・販売を行っております。

 

(2) メディカル部門

医療及び介護関係販売店に対し、看護・介護関係者の皆様が使用する機器・備品などの商品を卸売しております。販売形態としては、ラボ・インダストリー部門と同様のカタログ販売形態をとっております。

 

(3) その他

連結子会社株式会社トライアンフ・ニジュウイチは、WEBシステムによる購買業務代行サービス等を提供し、そのシステムに参加する最終ユーザー等より、システム利用料をいただく事業を行っております。

 

なお、当社はラボ・インダストリー部門及びメディカル部門での物流倉庫の運営を連結子会社である井内物流株式会社に委託しております。


業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は次のとおりであります。

なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。

 

①財政状態及び経営成績の状況

イ.財政状態の状況

(資産の部)

当連結会計年度末の流動資産は、612億29百万円(前連結会計年度末比14億30百万円減)となりました。これは主として売上債権が33億26百万円増加した一方、自己株式の取得等により現金及び預金が44億27百万円減少し、有価証券が2億99百万円減少したこと等によるものです。固定資産は、346億2百万円(同2億16百万円減)となりました。これは主として連結対象会社の増加により土地が2億14百万円増加し、阪神DCの土地建物の賃借に伴う差入保証金の増加等によりその他投資が1億37百万円増加した一方、投資有価証券が7億90百万円減少したこと等によるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の流動負債は、261億1百万円(同12億3百万円減)となりました。これは主として支払手形及び買掛金が2億49百万円増加した一方、短期借入金が14億61百万円減少し、未払法人税等が6億5百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、50億68百万円(同11億37百万円減)となりました。これは主として阪神DCの開設により資産除去債務が3億37百万円増加した一方、長期借入金が11億23百万円減少し、繰延税金負債が3億72百万円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産は646億62百万円(同6億94百万円増)となりました。これは、主として純資産の減少要因となる自己株式の取得等により自己株式が9億40百万円増加し、保有株式の時価評価の変動に伴いその他有価証券評価差額金が8億10百万円減少した一方、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により23億54百万円増加したこと等によるものであります。

 

ロ.経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、大企業を中心に賃上げが進みつつあることや、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けの変更による人流回復やインバウンド需要の高まり等から緩やかな景気回復がみられた一方で、円安の進行や人手不足に伴う消費者物価の上昇、中国経済の変調及び地政学リスクなどから予断を許さない状況が続きました。

 

このような事業環境のもと、当社は下記施策等を遂行し、当社が卸としてハブ機能を発揮できるビジネスを深掘りし、利便性を高め、更なる領域の拡大を推進してまいりました。

主な施策

・WEB上の取扱商品を1,060万点超に拡大(前期比約160万点増)

・サプライヤーとの在庫連携を推進しWEB上にお見せする在庫を約1,250億円分まで拡大(前期比約450億円増)

・EC施策として集中購買システムocean接続先を339社に拡大(ocean接続先:前期比54社増)

・同じくEC施策として販売店支援型ECシステムWaveへのエンドユーザー登録者数を17,693社に拡大(Waveエンドユーザー数:前期比3,815社増)

・出資や提携により、細胞や微生物の研究に有用なマイクロ流路チップ方式セルソーターの取り扱い開始、小中高の理科教材事業へ進出

当社の主たるマーケットである研究や生産の現場においては堅調な需要が続いており、上記施策の相乗効果により、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けの変更に伴う感染対策用品の需要減少を補い連結売上高は、955億36百万円(前期比4.5%増)と14年連続の増収を達成することができました。

 

中計売上施策-PROJECT ONE ver.2.0-における主要売上施策の進捗状況

中期経営計画で掲げる主要売上施策は以下のとおり推移しました。

 

2023年度の

期初目標

(百万円)

前連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

期初目標比

(%)

eコマース

28,200

24,075

27,827

115.6

98.7

海外事業 ※

5,341

4,887

5,169

105.8

96.8

合計

33,541

28,963

32,996

113.9

98.4

 

※海外事業の6割前後は中国現地法人の売上ですが、現地法人事業年度が1~12月のため、連結会計年度には現地における1~12月の売上高を連結しております。

 

eコマースについては、ネット通販事業者向けや「AXEL Shop」等のオープンサイト系ECチャネルで、特にネット通販事業者向けにおいて掲載商品の拡大や各種連携により、売上高は前期比13.8%の増収となりました。また、大手ユーザー向け集中購買システム「ocean」や販売店支援型ECシステム「Wave」といったクローズドサイト系ECチャネルにおいては、新規アカウントの増加、掲載商品の拡大、顧客側での研究施設拡充等により既存接続先の利用拡大が進んでおり、売上高は同17.2%の増収となりました。

海外事業のうち中国については、ラインナップの充実や日本製バイオ関連装置の販促活動を行うも、経済停滞の影響により同1.9%の減収となりました(現地通貨ベースでは同4.2%減)。一方、日本からの海外への輸出(中国を除く)においては、「AXEL_GLOBAL」の掲載情報の充実や多言語化が奏功し流入顧客数が増加、また、営業活動により各国で当社製品の在庫保有販売をする代理店も増加し、売上が伸長しました。これらにより海外への輸出は、同17.5%の増収となりました。

 

収益性については、調達コストの上昇と並行して機動的なプライシングを実施しておりますが、メディカル部門においてコロナ禍の反動に伴い市況が低迷していたことなどから、売上総利益率は前期比で0.5ポイント低下しました。

 

販売費及び一般管理費については、売上高1,000億円の先を見据えた新物流拠点である阪神DCの開設による不動産賃借料等の増加、人財投資の一環として実施している賃上げによる人件費の増加等により、188億13百万円(同10.3%増)となりました。

 

この結果、営業利益は104億35百万円(同8.4%減)、経常利益は108億25百万円(同7.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は75億円(同7.5%減)となりました。前期比で減益となりましたが、コロナ禍の沈静化等によるメディカル部門の反動減と阪神DC開設の固定費増が一時的に重なったことによるものです。

減益となりましたが、年間配当金につきましては50%配当の基本方針としているところ、一時的な減益であることを踏まえ13期連続の増配となる112円(中間50円、期末62円、配当性向54.0%)とさせていただきます。また、株主還元としては、当連結会計年度は、自己株式の取得を400,164株実施し、400,000株(消却前の発行済株式総数に対する割合 0.99%)の自己株式の消却を実施しました。なお、上記株式数及び配当金は2024年4月1日付の1:2の株式分割前の株式数であり、株式分割前の1株当たりの配当金であります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、投資活動による資金支出及び財務活動による資金支出が営業活動による資金収入を上回り、前連結会計年度末に比べ44億13百万円減少し、94億9百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、64億96百万円の資金収入で、前連結会計年度に比べ収入が4億73百万円減少しました。この収入の減少は、主として棚卸資産の増減額による資金収入が32億85百万円増加した一方、売上債権の増減額による資金支出が26億8百万円増加し、税金等調整前当期純利益が8億42百万円減少したことに伴い資金収入が減少したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、19億28百万円の資金支出で、前連結会計年度に比べ支出が15億60百万円増加しました。この支出の増加は、主として投資有価証券の償還・売却・取得の収支による資金支出が7億3百万円増加したこと、有形・無形の固定資産の取得による支出が4億23百万円増加したこと、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が4億18百万円発生したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、90億38百万円の資金支出で、前連結会計年度に比べ支出が17億55百万円増加しました。この支出の増加は、主として自己株式の取得による支出が44億94百万円減少した一方、長期借入れによる収入が50億円減少し、長期借入の返済による支出が8億66百万円増加し、配当金の支払額による支出が3億18百万円増加したこと等によるものであります。

 

  

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

自己資本比率(%)

69.2

66.5

68.7

65.5

67.3

時価ベースの自己資本比率(%)

218.0

275.9

281.7

208.3

198.5

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

0.4

0.9

0.4

0.9

0.6

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

339.7

529.3

3,033.1

2,532.6

1,379.7

 

a.各指標の算出方法は以下のとおりであります。

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

b.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

c.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(期末自己株式数控除後)により算出しております。

d.営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

e.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

f.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

③生産、受注及び販売の状況

当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。売上高における生産実績、部門別販売実績、品目別販売実績は以下のとおりです。

 

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績は、無塵化洗浄加工商品及びプラスチック容器の生産実績であり、7億39百万円(前期比9.0%減)となりました。

 

ロ.受注実績

当社グループの事業内容は、当日出荷を基本とする事業の性格上、受注実績と販売実績に特筆すべき差が生じないため、当該記載を省略しております。

 

ハ.部門別販売実績

当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

 

 

部門

前連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

ラボ・インダストリー部門

72,259

78,299

108.4

 

ラボラトリー分野

54,094

59,013

109.1

 

インダストリー分野

18,165

19,286

106.2

メディカル部門

18,586

16,683

89.8

その他

575

553

96.1

合計

91,421

95,536

104.5

 

(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上であります。

 

a.ラボ・インダストリー部門

大学、研究機関及び企業の研究部門等を対象とするラボラトリー分野では、官民ともに活発な研究活動が行われ、ラボ用消耗品、分析器具、高額分析装置等の売上が伸長しました。

また、チャネルとしては集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が前期比14.8%増と当分野の成長を牽引しました。これらにより当分野の売上高は590億13百万円(同9.1%増)と堅調に推移しました。なお、6月30日より新たな連結対象会社が加わり7月以降の当分野の売上に1.5%程度プラスに寄与しております。

また、製造現場等を対象とするインダストリー分野では、個人消費の持ち直しや供給制約の緩和などから工場稼働率の改善が見られ、クリーンルーム消耗品、計測機器等の売上が伸びました。チャネルとしては、ラボラトリー分野と同様、集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が同11.2%増と当分野の成長を牽引しました。これらにより当分野の売上高は192億86百万円(同6.2%増)となりました。

この結果、当部門の売上高合計は782億99百万円(同8.4%増)となりました。

 

b.メディカル部門

医療機関や介護施設等を対象とするメディカル部門では、前期において新型コロナ感染症が感染症法上2類相当として感染対策関連用品の大きな需要があったのに対し、当連結会計年度では5類扱いの下で需要が沈静化したことや、政府における備蓄医療用物資の放出があり、反動減を余儀なくされました。集中購買システム及びネット通販事業者向けが同31.3%増加し、新規開業や設備更新に伴う収納什器やベッド類も増加したものの、当部門の売上高は166億83百万円(同10.2%減)となりました。

 

c.その他

連結対象会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチは「OffSide」システム等により理化学機器・消耗品等のWEB購買業務代行サービスやシステム提供を行っております。主たる売上である購買システム利用による手数料収入は増加したものの、前期計上した個社向け専用システム開発の売上分を補うまでに至らず、当部門の売上高は5億53百万円(同3.9%減)となりました。

 

 

ニ.品目別販売実績

当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

2023年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

(百万円)

前年同期比

(%)

科学機器・装置

 

 

 

 

汎用科学機器・装置

9,894

10,429

105.4

 

分析、特殊機器・装置

18,119

19,046

105.1

 

物理、物性測定機器・装置

4,848

5,759

118.8

 

実験用設備機器

9,771

11,833

121.1

 

小計

42,634

47,070

110.4

科学器具・消耗品

 

 

 

 

汎用器具・消耗品

22,075

22,442

101.7

 

半導体関係特殊器具

8,926

9,388

105.2

 

小計

31,001

31,831

102.7

看護・介護用品

17,209

16,081

93.4

その他

575

553

96.1

合計

91,421

95,536

104.5

 

(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上であります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて判断したものであります。

 

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当社グループの当連結会計年度の経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度においては、ラボ・インダストリー部門が前期比8.4%増、メディカル部門が同10.2%減で推移し、連結売上高は同4.5%増の955億36百万円と14期連続の増収を達成いたしました。一方、阪神DCの開設初年度ということもありコスト負担が増え、営業利益104億35百万円(同8.4%減)、経常利益108億25百万円(同7.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益75億円(同7.5%減)と、過去2番目の高水準ながら減益となりました。

 

b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢は、直接的な影響はないものの、政情不安や資源高などによるコストプッシュ型の物価上昇などで景気の下押しに作用すると間接的に当社業績に影響が生じることは考えられます。

ラボ・インダストリー部門においては、大学や公的研究機関の予算執行状況、民間企業の研究開発動向・設備投資・生産動向等の影響を受けます。当連結会計年度においては、期末において年度予算に厳密な上限のある大学等において、光熱費等の上昇のしわ寄せで物品購入を控える動きがみられたものの、全体としては研究開発活動や生産活動は比較的堅調に行われ売上の増加につながりました。当社グループ全体の仕組み(膨大な品揃え、バラ売り、当日発送、システム連携、EC連携等)は、リモート化やDX推進を求める時代の趨勢の中で、求められる一つのソリューションとして利用価値が増してきております。特に、他に類を見ない研究機器の品揃えと物流機能とIT力を持ち合わせる当社は、研究機器の集中購買システムでの提供について大きな強みを有しており、eコマース型の集中購買システム「ocean」や販売店向けEC支援システム「Wave」の新規連携ユーザーは順調に増加いたしました。DX化の潮流は今後も続くものと思われ、これらの仕組みは当社の業容拡大に今後も寄与していくものと考えております。

メディカル部門においては、コロナ禍収束に伴う反動減が一巡したことで増収基調に転換する見込みです。但し、医療業界では医師の残業上限規制の適用や人手不足・偏在、国民医療費の伸びの抑制のための公定の薬価や診療報酬の伸びの抑制などの課題が存在し、経営環境はますます厳しくなりつつあります。そうした環境下で経営状態の改善に向け、物品の調達が極度に抑制されるような事態になると、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、当社の集中購買システムなどの効率的な購買の仕組みをご利用いただくことで、医療機関の課題の解決に寄与していきたいと考えております。

なお、上記の他、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2  事業の状況  3  事業等のリスク」に記載しております。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等

当社グループは中期経営計画のバージョンアップ版PROJECT ONE-ver.2.0-を公表しており、売上高、営業利益率、ROEの3項目を指標目標としております。同計画(2020年4月~2025年3月)の3年目である当連結会計年度の達成状況は以下のとおりです。

期間(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

指標

当初

中期経営計画

修正後

中期経営計画

期初年度計画

当連結会計年度

(実績)

自己評価

売上高

906億円

987億円

966億円

955億円

営業利益

102億円

107億円

103億円

104億円

営業利益率

11.2%

10.8%

10.7%

10.9%

ROE(自己資本利益率)

10.6%

10.5%

11.2%

11.7%

ROIC

10.0%

10.4%

10.0%

10.5%

 

売上高は計画に届きませんでしたが、資産効率を上げたことで、ROE、ROICとも各計画を上回りました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度においては、物流設備、情報機器、レンタル品及びソフトウエア等の設備投資に16億円支出し、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の配当方針の下、前連結会計年度の期末配当金及び当連結会計年度の中間配当金の支払として40億円及び自己株式の取得に20億円支出し長期借入金27億円を返済しました。

これらの資金は、営業キャッシュ・フロー64億円より賄い、現金及び現金同等物の期末残高は94億円で、前連結会計年度末比44億円減少しました。

 

b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、情報機器や物流機器等の設備投資、システム投資、M&A等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要と考えております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は36億円、現金及び預金の残高は131億円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、以下の事象については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。

 

・繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積もっております。将来において、課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1  報告セグメントの概要
  当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、取締役会が定期的に検討を行う対象としているものであります。
  当社グループは、ラボラトリー分野、インダストリー分野及びメディカル・介護分野における販売店様に、主として機器・備品・消耗品等を卸売の形態で販売しております。取扱商品は多種多様でありますが、対象市場・顧客、調達方法及び販売方法等について類似する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つであります。
 
2  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
    報告セグメントが一つのため、記載を省略しております。
 
3  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
    報告セグメントが一つのため、記載を省略しております。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日

1  製品及びサービスごとの情報

単一製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3  主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

1  製品及びサービスごとの情報

単一製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3  主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。