リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 製品輸入価格及び為替について
当社グループで扱うLPガス及び石油類については、その供給において海外依存度が非常に高く、その価格の動向及び地政学的要因により、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、仕入先等から必要な情報を的確に収集するとともに、仕入価格に応じ販売価格を見直し適正利益が確保できるよう努めております。
(2) 自然災害等について
地震等の自然災害によって、当社グループのガス貯蔵設備、ガス充填・供給設備、石油類貯蔵設備等について、大きな損害を受ける可能性があります。これらの設備が相当な損害を被った場合、燃料類の供給の中断等の発生により、売上高が低下するとともに、拠点等の修復または代替のために巨額な費用を要することとなる可能性があります。また、山間地という営業エリア特有の地形から、特に冬季における豪雪等の気象状況による輸送経路の障害が発生した場合、商品の到着遅延やエリア内でのデリバリーの遅延に起因する供給不足の発生も考えられ、これによる売上高低下の可能性もあります。
当社グループでは、有事に備え定期的に研修・講習会を実施しているほか、非常事態対応マニュアルにより有事の際のリスクの最小化に努めております。
(3) 環境汚染等の発生について
当社グループは、可燃性ガス、石油・油脂類、有機溶剤等を扱っており、善良なる管理のもとに操業しておりますが、不測の事態により漏洩等の事態が生ずる可能性があります。この場合、汚染防止、汚染除去等の環境汚染防止のための改修費及び損害賠償や設備の修復等に多額の支出が発生する可能性があります。
当社グループでは、法令に基づいた点検や研修等を毎年実施しリスクの最小化に努めております。
(4) 法的規制等の変更について
当社グループは、石油類においては消防法及び各市町村条例、ガス類においては、高圧ガス保安法、液化石油ガス法を始めとする諸規則、リフォーム事業においては、建築基準法を始めとする建設関係法令、また医療事業においては薬事法等の数々の法律に規制されております。これは、消費者や利用者の安全確保を主眼としたものであり、消費者保護の観点から度々改正が行われてきております。LPガス関連法の歴史からみますと、供給設備の一斉改善、マイコン型ガスメーターの設置、電話回線による安全システムの設置等が行われてまいりました。このため、これらの改正の都度、多額の設備投資が必要となりました。
また、大規模地震に関連し、より一層の安全対策が求められることとなった場合、今後の法律改正によっても設備投資が必要になる可能性があります。
当社グループでは、各種業界団体への加盟等により、必要な情報を的確に収集するとともに、関連部署との情報の共有化を図っております。また、必要に応じ各種法令の順守に向けた社員教育及び体制整備に努めております。
(5) 各エネルギー間の競合について
エネルギー業界は、エネルギー間の垣根を超えた事業者の新規参入や業界再編を経て、価格競争が更に加速し、消費者側もエネルギー消費を抑えるライフスタイル改革が進み、業界を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。
当社グループにおきましても日々の顧客サービスを徹底し、常に顧客満足度の向上に努めておりますが、それだけでは事態を回避できないケースもあり、競争力強化のための資金需要が発生する可能性があります。
当社グループでは、金融機関に十分な借入枠を確保しております。また、業界や同業他社の情報を日々収集するとともに、お客様への訪問面談を通じて顧客ニーズを把握・蓄積することにより、マーケット環境や顧客ニーズの変化への対応力を高めております。
(6) 労働力等の調達について
人口減少や高齢化等による人手不足経済の到来から、新規採用等が計画的に進まない可能性があります。また、それに伴う、人件費への影響から収益確保の阻害要因となる可能性があります。
当社グループでは、企業の継続的な発展を支えるのは人材であると認識しており、新卒採用活動の強化のほか中途採用も積極的に実施し、安定的な人材確保にグループ全体で努めております。
(7) サイバー攻撃等による情報漏洩について
当社グループは、業務運営や情報資産の保護のために、インターネットや各種ネットワークを利用しておりますが、サイバー攻撃等による情報漏洩のリスクが存在します。これらのリスクには、マルウェア感染、ランサムウェア攻撃、フィッシング詐欺、不正アクセス、データの改ざんおよび盗難、内部者による不正行為などが含まれます。サイバー攻撃の高度化および巧妙化に伴い、これらのリスクは増大しています。
当社グループは、これらのリスクに対処するために、情報セキュリティポリシーの策定、セキュリティソフトウェアの導入、定期的なセキュリティ監査および教育・訓練の実施など、多様な対策を講じています。しかし、完全な防御策を構築することは困難であり、万一重大なセキュリティ侵害が発生した場合、事業運営の中断や遅延による収益の減少、お取引先等からの信用失墜、機密情報の漏洩による法的責任や罰金の発生、ブランドイメージの毀損等の影響が考えられ、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこうしたリスクの低減に向けてサイバーセキュリティ対策を講じ、適切な情報管理に努めております。
配当政策
3【配当政策】
当社の配当政策の基本的な考え方は、従来から株主に対する利益還元を経営の重要施策とし、期末配当として年1回実施し、配当性向30%以上を目標としております。剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨、定款に規定しております。
今後も中長期的な視点に立って、成長が見込まれる事業分野に経営資源を投入することにより、持続的な成長と企業価値の向上、ならびに株主価値増大に努めてまいります。
当事業年度の期末配当につきましては、利益配分の基本方針と業績の推移を総合的に判断し、当初発表のとおり、普通配当1株当たり22円(年間)の配当を実施することといたしました。この結果、当事業年度の連結配当性向は、38.5%となりました。
内部留保資金につきましては、今後の経営環境等の変化にも十分対応できるよう事業発展に要する運転資金及び設備投資に充当させていただき、長期的に安定した配当原資を確保すべく経営努力してまいります。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
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2024年5月10日 |
取締役会決議 |
270 |
22.0 |