2024年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 333,160 100.0 10,366 100.0 3.1

事業内容

3【事業の内容】

当社は純粋持株会社イオン株式会社を中心とする企業集団に属しております。同企業集団はゼネラル・マーチャンダイズ・ストア(GMS)を核とした小売事業を主力事業としております。なお、当社は小売事業及びその付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。当社は、衣料品・住居余暇・食品などの小売を主な事業として活動しており、北海道内にGMS39店舗、SM(食品スーパーマーケット)68店舗、DS(ディスカウントストア)20店舗、小型スーパー42店舗、自転車専門店1店舗の計170店舗を展開しております。

以上の関連を図示すると次のとおりであります。

 

 

お客さま

 

 

 

 

 

 

 

 

商品の供給

 

         商品の販売

 

 

 

 

建物賃貸等

 

 

         商品の販売

 

 

 

《商品機能等》

イオン商品調達(株)

イオントップバリュ(株)

《小売事業》

当 社

 

 

《総合小売事業》

イオンリテール(株)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(親会社)《純粋持株会社》

  イオン(株)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績等

当事業年度における国内及び北海道の経済活動は、新型コロナウイルス感染症の分類引き下げにより社会経済活動が正常化し、景気は回復基調が続いております。一方、エネルギーや原材料価格の高騰などによる物価上昇などの影響で、生活防衛意識は依然として高いまま推移しております。

このような環境下、当社は経営ビジョンである「北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業」の実現に向け、中期5カ年経営計画の3年目となる2023年度を事業モデル確立の年度と位置づけ、「商品と店舗の付加価値向上」「顧客化の推進」「収益構造の改革」「地域との連携」に取り組んでまいりました。

当事業年度における経営成績は、売上高3,331億60百万円(前期比105.0%)となり、過去最高を更新しました。営業総利益は、売上高の伸長やテナント収入増加の影響で、1,072億86百万円(前期比104.9%)となりました。

販売費及び一般管理費は、969億19百万円(前期比103.2%)となりました。営業利益は103億66百万円(前期比124.2%)、経常利益は103億96百万円(前期比122.3%)と、いずれも過去最高となりました。当期純利益は61億93百万円(前期比131.6%)と増益となりました。

業態別の売上高は、GMS(総合スーパー)は1,865億14百万円(前期比103.8%、既存店前期比103.8%)、SM(スーパーマーケット)は1,018億43百万円(前期比104.7%、既存店前期比103.5%)、DS(ディスカウントストア)は498億8百万円(前期比112.6%、既存店前期比109.2%)となりました。なお、業態別の売上高、前期比、既存店前期比においては、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)を適用していない数値となります。ライン別の売上高は、衣料部門は前期比101.5%(既存店前期比101.6%)、食品部門は前期比105.9%(既存店前期比104.8%)、住居余暇部門は前期比101.8%(既存店前期比101.6%)となりました。

当事業年度において、当社が実施した取り組みは、次のとおりであります。

「商品と店舗の付加価値向上」では、札幌市にSM業態として「マックスバリュエクスプレス新川3条店」「マックスバリュ山鼻店」「イオン南平岸店」を新規出店し、重点エリアのシェア拡大を図りました。大型活性化は8店舗実施し、品揃えの見直し、設備の一新などを行い、店舗の魅力向上を図りました。

GMS店舗において地域交流拠点としての役割を果たすべく、文化芸術の披露や地域の方々のためのイベントを実施したほか、大きな集客が見込めるブラックフライデーや初売りのセールスを強化したことで来店動機につながり、館全体の客数増に寄与しました。

商品においては、当社ならではの差別化商品の開発、販売に注力し、食品では「イオン北海道 本気!のザンギ」を6月に販売開始して以来、3億円を超える売上となる大ヒットとなりました。1月からは「イオン北海道 本気!の肉じゃが」を販売開始するなど、オリジナル商品約760品目を開発、リニューアルしました。衣料、住居余暇においては、外出意欲の高まりや社会、学校行事再開による需要を取り込むため、浴衣やセレブレイトスーツ、化粧品などの品揃えを拡充し、好調に推移しました。また、キャリーケースやアウター、防滑靴などにおいて、当社オリジナルの商品をメーカーと共同開発しました。

イオンのプライベートブランド「トップバリュ」は、新しいブランド体系のもと、新商品、リニューアル商品を販売強化したほか、一部商品において原材料価格が安定し始めたことに加え、イオングループ一丸となった対象商品の販売数量拡大、スケールメリットを活用したことによる値下げや増量で、対象商品が好調に推移し、トップバリュの売上高前期比は110.5%となりました。

インターネット販売事業においては、ネットスーパー事業において拠点を増やし、受注件数増加や配送時間の短縮を図り、売上高前期比102.7%、前期のコロナ支援物資売上影響を除くと108.7%となりました。

「顧客化の推進」では、最重要の顧客接点であるイオンのトータルアプリ「iAEON」について、利便性拡大と会員数拡大に取り組みました。AEON Pay機能の充実や懸賞企画、一部売場におけるスタンプカード機能の実装のほか、前事業年度の約1.6倍となる約800種類のクーポン企画を実施し、会員数は前事業年度末と比較し約1.7倍となりました。

「収益構造の改革」では、生産性の向上を図るべく、電子棚札においては29店舗、セルフレジは追加導入含め38店舗に導入し、導入店舗数はそれぞれ35店舗、117店舗となりました。業務効率化により、当事業年度の総労働時間について前期比2%改善を目指しておりましたが、想定以上に売上高が伸長したことで、前事業年度並みの水準となりました。また、省エネを推進するため高効率の機器への入替などを積極的に行い、電気使用量の削減に努めましたが、夏の猛暑の影響で使用量が増加し、前期比4%削減の目標に対し、前期比97.7%となりました。

「地域との連携」については、「フードドライブ」の取り組みを進め、実施店舗数は当事業年度末で35店舗となりました。また、地域の経済循環を推進するため、学校法人酪農学園と包括連携協定を締結しました。12月には酪農学園大学の近隣に所在するイオン江別店で「酪農学園フェア」を実施し、イオン江別店で排出された食品廃棄物を家畜用飼料に活用し、それを給与した肉牛を販売するとともに、店舗でインターンシップを受け入れ、学生との交流を行いました。また、脱炭素の推進の取り組みにおいては、8月、太陽光発電によるオフサイトPPAに関する契約を締結し、1月より供給を開始しました。この取り組みは2025年まで段階的に発電所を増やして行く計画で、現段階で道内最大規模のオフサイトPPAとなります。

当社は、お客さまに「イオンのあるまちに住みたい」と思っていただけるよう事業改革を進めてまいります。

 

また、当社は小売事業及びその付随業務の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首に比べ65百万円減少し38億38百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は122億26百万円(前期は148億84百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額26億54百万円等により資金が減少したのに対し、税引前当期純利益86億35百万円、減価償却費63億40百万円等により資金が増加したためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は78億60百万円(前期は88億11百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出80億46百万円により資金が減少したためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は44億32百万円(前期は59億40百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額16億円により資金が増加したのに対し、長期借入金の返済による支出43億54百万円、配当金の支払額16億68百万円等により資金が減少したためであります。

 

(2)仕入及び販売の実績

 当社は、小売事業及びその付随業務の単一セグメントであるため、「仕入及び販売の実績」については、商品グループ別に記載しております。

① 仕入実績

 当事業年度の仕入実績を商品グループ別に示すと、次のとおりであります。

商品グループの名称

 当事業年度

(自 2023年3月1日

  至 2024年2月29日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

レディス

1,921

93.0

服飾

3,118

100.8

キッズ

1,767

99.9

インナー

3,293

100.8

メンズ

1,795

109.0

衣料品その他

169

71.1

衣料品計

11,897

100.5

グロサリー

72,425

104.9

デイリー

48,789

108.3

生鮮

66,268

103.4

デリカ

17,546

108.7

インストアベーカリー

859

97.0

食品催事

70

116.2

食品計

205,959

105.5

カルチャー

8,030

94.4

サイクル

751

103.7

ホームファッション

3,359

91.2

ガーデニング

964

104.3

パンドラ

230

87.5

H&BC

17,338

105.5

住居・余暇計

30,675

100.5

その他

97

79.1

合計

248,629

104.6

 (注)商品グループの体系は内部管理に基づく区分であり、前年同期比については、前年同期実績値を当事業年度の区分に組み替えて表示しております。

 

② 販売実績

 当事業年度の販売実績を商品グループ別に示すと、次のとおりであります。

商品グループの名称

 当事業年度

(自 2023年3月1日

  至 2024年2月29日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

レディス

3,471

97.0

服飾

5,358

103.6

キッズ

2,768

98.5

インナー

5,570

100.3

メンズ

2,930

108.6

衣料品その他

0

88.6

衣料品計

20,100

101.5

グロサリー

91,009

105.5

デイリー

67,444

108.9

生鮮

84,212

103.5

デリカ

26,105

107.2

インストアベーカリー

1,811

107.3

食品催事

71

112.5

食品計

270,654

105.9

カルチャー

10,131

96.6

サイクル

1,123

100.8

ホームファッション

5,133

95.4

ガーデニング

1,446

102.9

パンドラ

452

92.7

H&BC

23,979

106.0

住居・余暇計

42,267

101.8

その他

138

46.1

合計

333,160

105.0

 (注)1.当社は一般顧客を対象に、主に現金による店頭販売を行っているため、相手先別の販売実績は省略しております。

2.商品グループの体系は内部管理に基づく区分であり、前年同期比については、前年同期実績値を当事業年度の区分に組み替えて表示しております。

3.商品グループの主な内容は、次のとおりであります。

商品グループの名称

主な内容

商品グループの名称

主な内容

レディス

婦人用の衣料

インストアベーカリー

店内でのパン製造販売

服飾

靴、鞄、服飾雑貨

食品催事

季節催事

キッズ

子供用の衣料

カルチャー

文具、家電、時計、玩具、携帯電話等

インナー

肌着

サイクル

自転車

メンズ

紳士用の衣料

ホームファッション

寝具、バス・トイレ用品、食器等

衣料品その他

上記以外の衣料品

ガーデニング

ガーデニング用品

グロサリー

米、酒、調味料、嗜好食品等

パンドラ

手芸用品

デイリー

卵、乳製品、麺類、パン等

H&BC

化粧品、医薬品、調剤、ペット用品、台所用品、日用雑貨、健康食品等

生鮮

野菜、鮮魚、精肉等の生鮮食品

デリカ

弁当、寿司、惣菜、サラダ等

その他

委託販売、学生服等

 

(3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、開示に影響を与える見積りに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、第5「経理の状況」1「財務諸表等」(1)「財務諸表」「注記事項」「重要な会計方針」に記載しております。

② 財政状態の分析

当事業年度末の資産は1,562億68百万円となり、前事業年度末に比べ33億2百万円増加いたしました。

内訳としましては、流動資産が6億55百万円、固定資産が26億46百万円それぞれ増加したためであります。

流動資産の増加は、商品が1億67百万円減少したのに対し、未収入金が9億7百万円増加したことが主な要因であります。

固定資産の増加は、投資有価証券が3億44百万円、借家権等の無形固定資産が2億65百万円それぞれ減少したのに対し、工具、器具及び備品等の有形固定資産が27億50百万円、長期前払費用が2億70百万円それぞれ増加したこと等が主な要因であります。

なお、投資有価証券の減少3億44百万円は、当事業年度に当社が保有していた政策保有株式を売却したためであります。

 

当事業年度末の負債は846億2百万円となり、前事業年度末に比べ12億1百万円減少いたしました。

内訳としましては、流動負債が29億17百万円増加したのに対し、固定負債が41億19百万円減少したためであります。

流動負債の増加は、未払消費税等が9億41百万円、店舗閉鎖損失引当金が4億95百万円それぞれ減少したのに対し、設備関係支払手形が22億23百万円、短期借入金が16億円、買掛金が9億79百万円それぞれ増加したこと等が主な要因であります。

固定負債の減少は、長期借入金が41億95百万円減少したことが主な要因であります。

 

当事業年度末の純資産は716億65百万円となり、前事業年度末に比べ45億3百万円増加いたしました。

これは主に、配当の実施により16億69百万円減少したのに対し、当期純利益の計上により61億93百万円増加したこと等が主な要因であります。

この結果、自己資本比率は45.8%(前事業年度末は43.8%)となりました。

 

③ 経営成績の分析

当事業年度の売上高は3,331億60百万円(前期比105.0%)となり、前事業年度と比べ158億86百万円の増収、過去最高を更新しました。これは、札幌市にSM業態の店舗を3店舗新規出店しシェアの拡大を図ったこと、店舗の大型活性化を8店舗で実施したことで品揃えの見直し、設備の一新などを行い、店舗の魅力度向上を図ったことなどによります。

経常利益は103億96百万円(前期比122.3%)となり、18億94百万円の増益で過去最高益となりました。この増益の要因といたしましては、衣食住すべてのラインでの売上高伸長による売上総利益の増加に加え、テナント収入も前事業年度から回復したことにより営業総利益段階で50億28百万円の増益となりました。販売費及び一般管理費については、未来への人材の先行投資として賃上げを実施したことにより人件費は17億95百万円増加したこと、節電につながる投資や取り組みを行い、電気使用量を削減し設備費の圧縮に努めたこと等により、販売費及び一般管理費合計で30億9百万円の増加となり、計画内で管理できたことによります。

特別利益として投資有価証券売却益37百万円、減損損失、店舗閉鎖損失引当金繰入額等の特別損失17億98百万円、税金費用24億42百万円を計上した結果、当期純利益は61億93百万円(前期比131.6%)となり、前事業年度と比べ14億87百万円の増益となりました。

 

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2〔事業の状況〕4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載しております。

当社の運転資金需要のうち主なものは、店舗で販売する商品の仕入れのほか、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。営業費用の主なものは給与手当及び賞与、営業店舗の賃借料等であります。投資を目的とした資金需要は、新規店舗出店に伴う店舗、器具備品のほか、既存店舗の活性化投資、生産性向上を目的としたデジタル投資、省エネ投資等であります。当社は運転資金及び設備投資の調達については、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としておりますが、多額な設備投資につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は225億46百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は38億38百万円となっております。