リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与えると認識している重要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経済状況・競合に関するリスク
当社の主要顧客である個人経営の居酒屋などを含む外食業界は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年度以降厳しい環境が続いておりました。2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に見直された後も、外食業界全体としては回復基調にあるものの、二次会需要や大規模宴会需要はなかなか戻らないこと、人手不足に起因する売上機会のロスなどが回復途上の飲食店の経営を圧迫している状況です。
このような環境のもと、当社は年中無休の365日受注・出荷や深夜2時まで電話にてご注文いただける体制の用意、24時間いつでも簡単に注文できるWEBシステムや簡単調理の食材の提供など、飲食店の利便性向上に資する商品・サービスを提供することで順調に顧客数及び売上高を伸ばしてまいりました。ただし、新型コロナウイルス感染拡大に伴う飲食店の休業・稼働急減を受け、2020年度・2021年度の当社業績は大きく落ち込みました。
当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に見直され、経済活動及び社会活動の正常化が徐々に進みました。今後の見通しにつきましては、海外経済の下振れリスク、エネルギーや原材料価格の高騰等による先行きの不透明感はございますが、インバウンド需要や宴会需要の回復により、外食業界全体の回復基調が継続することが期待されます。今後、人手不足などに起因する飲食店の手間削減ニーズは高まり続けると予想しており、それに対応する当社ビジネスモデルの強みは効果的に発揮され続けると考えておりますが、当社がメインターゲットとする小規模飲食店・個人経営の飲食店向けの市場にBtoC向けECを運営する大手競合の参入があった場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
※1.4月から3月までの各月の顧客店舗数を平均した数値を記載しております。
※2.上記顧客店舗数には代理店経由で販売している飲食店数は含まれておりません。
(2) システムに関するリスク
① セキュリティに関するリスク
当社のサービスはITシステムを結ぶ通信ネットワークを利用して提供されており、商品の調達や販売等、多岐にわたるオペレーションをITシステム上で実施しております。そして、それらのシステム全体にセキュリティ対策が施されており、ハード・ソフトの両方を全面的に冗長化しております。しかし、IT関連の技術革新により、不正アクセスやハッキング等の行為を完全に排除することはできません。第三者からのサイバー攻撃による情報漏洩・大規模なシステム障害が発生した場合、業務停止等の事態が生じる可能性があり、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② システム障害に関するリスク
当社のシステムは、定期的なデータバックアップ等の対策を講じており、システム障害が発生した場合でも、業務停止時間を最小限に出来るよう、非常時切替フローに関して年次で予行練習等を実施し、リスク軽減を図っておりますが、故意・過失に関わらず、大規模なシステム障害等が発生した場合、業務を停止せざるを得ず、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定人物への依存に関するリスク
当社の運営は、代表取締役社長である片山礼子をはじめとする主要な経営陣に大きく依存しております。当社は事業の拡大に伴い、過度に経営陣に依存しない体制の構築を進めておりますが、現時点において何らかの理由により、主要な経営陣の業務遂行が困難となった場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) レピュテーションリスク
当社に関して様々な情報が流れることがあります。この情報については必ずしも事実に基づいているとは限りませんが、真偽に関わりなくステークホルダーを含む第三者の行動に影響を与える可能性があります。この場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 自然災害等に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社は出荷拠点が一拠点のみであるため、大規模な自然災害等により出荷拠点に大きな被害が発生した場合、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 食材仕入れに関するリスク
当社が取り扱う食材の価格は国内外の商品市況に影響されて上下することがあります。また、食材は海外から輸入されるものもあるため、仕入価格は為替変動の影響を受けることがあります。さらに最近では水産物を始めとする資源の枯渇問題も発生しており、商品市況に影響を与えております。
当社は、こうした仕入価格の上昇を極力抑えるため、商品の複数購買や相見積もりによる定期的な仕入先の変更を実施するとともに、カタログ有効期間中は仕入価格を据え置く契約とし、一定期間の固定価格を実現しております。また、今後は率先してSDGsを意識した商品を開発・販売し、リスク低減を図ります。
しかし、想定を超える大幅な市況の変化や為替変動が生じた場合には、仕入価格の高騰等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 特定の仕入先への依存に関するリスク
当社は、食材をはじめとする商品を食品卸やメーカーから仕入れておりますが、総仕入金額の43.4%(2024年3月期)は主要株主でもある国分グループ本社株式会社からの仕入れとなっております。各食材の流通価格調査、他の仕入先からの相見積りを入手するなどの対策により、価格交渉を行っている他、各商品の大半は代替品があるため、仕入先の切り替えを含めて最も有利な条件となるよう対策を講じておりますが、国分グループ本社株式会社との取引に何らかの支障が生じた場合、業務オペレーションに支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 食の安全性に関するリスク
近年、食品への異物混入による健康被害や食品の偽装表示、あるいはウイルス感染に起因する集団食中毒の発生等、「食の安全性」に対する信頼を損なう問題が発生しております。当社は、安心・安全な食材を安定的に仕入・販売するため、食材の仕入先との信頼関係を構築するとともに、商品管理・衛生検査の徹底等に努めております。
しかしながら、当社の内外において、製造過程や流通過程における異物混入や虚偽表示等の事故・事件が発生した場合、顧客の食品全般に対する不信感や当社商品に対する信頼・信用の毀損等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 配送に関するリスク
当社は、商品の配送を全面的に外部の運送業者へ委託しております。当社の商品配送は、顧客が配送便を選択し、かつ配送日・配送時間を選択して受注しており、大部分が飲食店の仕込み時間帯にお届けするようにしていることから、受取人不在による再配達のような運送業者へ負担を強いる状態は発生しにくいようになっております。また、配送業者に対しての配慮を継続するとともに、長期的なパートナー関係を構築し、協業できるよう努めておりますが、運送業者における人手不足や燃料の高騰などが大きく深刻化した場合等には、当社が負担する配送費の大幅増や、当社商品を配送する運送業者を確保できなくなることによる配送不能等、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法的規制等に関するリスク
当社は、食品の販売にあたり食品衛生法、食品安全基本法、食品表示法、JAS法等の法的規制を受けております。当社においては、コンプライアンスの重要性についての教育を行い、日常行動の基本的な考え方や判断基準を定めたコンプライアンス規程に基づき行動しております。しかし、今後これら法的規制の強化や新たな規制により事業活動が制限された場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 小規模組織に関するリスク
当社は小規模な組織であり、内部管理体制についても組織の規模に応じたものとなっております。当社は今後、業容の拡大に応じて人材の採用を行うとともに社内管理体制の強化・充実に努める予定であります。しかしながら、当社が事業の拡大に応じて適切かつ十分な対応ができなかった場合には、当社の事業遂行及び拡大に制約が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人材確保・育成に関するリスク
当社が長期的に成長を続けるためには、人材の確保と育成が不可欠であると考えております。このため、当社の将来を担う人材を積極的に採用するとともに、社内外での教育・研修を実施し、社員の育成を図ってまいります。しかしながら、当社の求める人材が十分に確保できなかった場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 新株予約権に関するリスク
当社は、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、当社の業績向上に対する役職員の意欲を高めることを目的として、新株予約権を発行しております。本書提出日現在、発行済株式総数6,594,000株に対する割合は0.5%となっております。これらの新株予約権の行使がなされた場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(14) 感染症に関するリスク
2020年度以降、新型コロナウイルスの感染拡大及びそれに伴う緊急事態宣言、飲食店への休業・時短営業要請、及び一般市民への外出自粛要請等により国内経済は大きな影響を受けました。新型コロナウイルス感染症については収束いたしましたが、今後、新たな感染症等がまん延し飲食店の営業に制限がかかる場合、もしくは一般市民の行動に制限がかかる場合には、当社の業績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続していくことを基本方針としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当につきましては株主総会、中間配当につきましては取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき中間配当22百万円、期末配当22百万円、年間合計で44百万円の配当を実施することを決定いたしました。この結果当事業年度の配当性向は20.0%となりました。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える商品・サービスを強化し、さらなる事業発展を実現するため、有効投資してまいりたいと考えております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。