2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 13,941 100.0 74 100.0 0.5

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社7社、非連結子会社2社で構成されております。「日本の未来をECでつくる」をミッションとして掲げ、ブランド・メーカーのEC事業を総合的に支援するとともに、自社でD2CブランドやECプラットフォームを運営し、法人向け・消費者向け双方にビジネスを展開しています。

当社グループは、ECワンプラットフォーム単一事業であり、セグメント情報を記載しておりません。サービス区分及びサービス内容と、当社グループ各社の事業に係る位置づけは以下のとおりであります。

サービス区分

サービス内容

主要な会社

Oneコマース

ブランド・メーカーに対して、Amazonや楽天市場、自社ECサイト、ソーシャルコマースまで多岐にわたる各ECチャネルにおいて、一貫して包括的なEC事業支援。戦略立案からサイト運営、マーケティング、物流、そして顧客対応に至るまで、ECバリューチェーンの全て、あるいは個別の機能に特化した支援

株式会社いつも

BAAAN合同会社

協業ブランドパートナー

ブランド・メーカーのECビジネスパートナーとして公式EC事業展開を代行し、ブランドのD2C戦略を総合的に支援。商品を仕入れ、自社で在庫リスクを負い、国内の最適なECチャネルにて単独、または横断して販売から顧客対応及び配送まで一貫して支援

株式会社いつも

共創・自創バリューアップ

自社ブランド・他社ブランドを各ECチャネルを通じて直接消費者に販売。取扱いブランドは、自社ブランドの開発やM&A・出資によるブランド取得、他社ブランドの販売代理権の取得等で拡大し、多様なブランドと商品をECで展開

株式会社いつも

株式会社ビーラン

株式会社COMY

株式会社サンダークリエイト

株式会社ThinkForm

ECプラットフォーム

ライブコマースプラットフォーム「ピースユーライブ」及び中国市場向け会員招待制コミュニティ「ICE CREAM」の開発・企画・運営

株式会社いつも

株式会社ピースユー

 

(注) 各サービスの詳細につきましては、「(2)Oneコマース、(3)協業ブランドパートナー、(4)共創・自創バリューアップ、(5)ECプラットフォーム」をご参照ください。

 

(1)事業の特徴

当社グループの事業の特徴は、主に以下の4つの特徴を有しております。これらの特徴を最大限に活かし、法人のお客様に対してはEC事業参入における障壁の低減と各種課題の解決を支援し、主要ECプラットフォームから自社ECサイトまでを包括したEC事業の総合的なサポートの提供を行っております。また、消費者向けにはプライベートブランドの企画・販売(D2C)も展開しております。 

 

① 多岐にわたる各ECチャネルにて、ECバリューチェーンを包括するワンストップのビジネスモデル

当社グループの最大の強みは、EC戦略の立案支援から具体的な業務代行まで、包括的かつ迅速なサービス提供ができる点です。これによりブランド・メーカーのEC事業をワンストップで支援し、成長を後押します。EC事業のさらなる成長を目指す企業様に対して、課題解決に直結する多様なサービスを、ECバリューチェーンのあらゆる段階でご提供しております。具体的には、Amazonや楽天市場といった主要ECプラットフォームから、自社ECサイト、さらにはTikTokShopなどのソーシャルコマースまで、多岐にわたるチャネルの特性に合わせた専門的なコンサルティング、ECサイトの運営、効果的なマーケティング支援、魅力的なクリエイティブ制作、日々の業務代行、そして商品の保管・発送といった物流まで、幅広い実務をカバーしております。そして、EC事業全体を一気通貫して事業代行やプロデュースなど包括的なEC事業支援サービスを提供しています。また、このビジネスモデルを自社でも展開し、自社ブランド・他社ブランドを各ECチャネルを通じて直接消費者に商品を販売しております。

 


 

② クロスチャネル戦略でブランド全体のパフォーマンスを最大化

当社グループの多くの取引先には、Amazonや楽天市場、自社ECサイト、さらにはソーシャルコマースまで、複数なチャネルに出店され、ECチャネルごとに異なる戦略、マーケティング、運営、デザイン、物流など、幅広い専門知識と実行力を必要とされています。クロスチャネル戦略とは、複数のECチャネルを単独で捉えるのではなく、事業全体として統合的に捉え、最適化していくEC戦略です。具体的には、商品MD(マーチャンダイジング)の適正化、顧客・販売データの一元化、広告費のアロケーション最適化、競合対策などの取組を通じて、ブランド全体のパフォーマンスを最大化します。この戦略により、消費者はどのチャネルからでも一貫したブランド体験を得られ、企業はファンをつくり、効率的に売上を伸ばすことが可能になります。

 

③ 多様な商材に特化した専門性と豊富な実績で、最適なEC戦略を構築

ECにおける販売戦略やマーケティング手法は、商品カテゴリーごとに大きく異なります。このため、多くのブランド・メーカーが、各商材の特性を深く理解し、専門的な知見とノウハウに基づいた支援を求めており、当社グループはこのニーズに対応し、私たちは広範な業種の支援実績を豊富に有しています。化粧品、日用品、食品、家電、ベビー用品、インテリア、ペット用品、アパレルなど、これらの実績を通じて蓄積されたノウハウと事例が、最適なソリューションを提供できる基盤となっています。商材特性に合わせたマーケティング戦略、リピーターへの効果的なアプローチ、物流管理体制の構築など多角的なサポートを提供し、売上の最大化とブランド成長を支援いたします。

 

④ 独自なECプラットフォームを開発・企画・運営しグループの事業全体の相乗効果(シナジー)を最大化

当社グループは、ブランド・メーカーへのEC事業総合支援と、自社・他社ブランドを各ECチャネルを通じて直接消費者に商品を販売する2つの事業を通じて得られた豊富なノウハウ、実証データ、そして深い知見を最大限に活用し、当社独自のECプラットフォームを開発することで、新たなビジネス機会を創出し、当社グループの事業全体の相乗効果(シナジー)を最大限に引き出します。具体的には、ライブコマースとグローバルECのプラットフォームの企画運営を強化してまいります。

 

(2)Oneコマース

Oneコマースは、ブランド・メーカーに対して、Amazonや楽天市場、自社ECサイト、ソーシャルコマースまで多岐にわたる各ECチャネルにて、一貫して包括的なEC事業を支援するサービスです。対象は大手企業から中小企業とし、商品カテゴリーを問わず幅広く対応しています。取引先の戦略立案からサイト運営、マーケティング、物流、そして顧客対応に至るまで、ECバリューチェーンの全て、あるいは個別の機能に特化した支援を実施します。また、クロスチャネルに出店している取引先には、事業を単独ではなく全体として統合的に捉え、最適化していくEC戦略を実施し、ブランド全体のパフォーマンスを最大化します。これらのEC支援は、データとテクノロジー、そして再現性のあるメソッドを掛け合わせた「いつも.データマーケティング(iDM)」をベースとしたデータドリブンな意思決定とPDCAの高速化を実施し、ECで成果を出すための“仕組み”そのものを提供できるよう順次投資を進めております。収益は、原則12ヶ月間の契約期間に基づくストック売上(※)が主体です。2025年3月期には売上高の91.6%を占め、安定的な収益を見込める積み上げ型のビジネスモデルとなっています。さらに、オンラインでのサービス提供が可能なため、全国のお客様に対応しています。本サービス区分における主な特徴は、以下のとおりです。

※ストック売上高:Oneコマースにおける売上高のうち、継続契約に係る売上高を指しております。

当該ストック売上高には、従量課金による売上高も含まれております。

 

a.いつも.データマーケティング(iDM)

当社グループで展開する「いつも.データマーケティング(iDM)」は、経験や勘だけに頼るのではなく、データで正しい課題を見つけ、生成AIを活用した「いつも.エージェントAI」等のテクノロジーを活用し高速に課題解決し、再現性あるメソッドを掛け合わせ、ECで成果を出すための“仕組み”そのものを提供しております。近年のマーケティングの高度化・複雑化により、多くのブランドは、EC事業拡大において課題に直面しています。例えば、データドリブンな投資判断優先度決定、施策の精度と実行スピードを同時に実現させていくことなどが上げられますが十分な実行ができていないケースが多く見受けられます。これらの課題を解消するためiDMを活用したECコンサルティングやマーケティング・運営支援などの各種業績向上するサービスを展開しております。
 

b.継続的なコミュニケーションを重視した顧客対応

当社グループでは、サービスの契約締結時に、取引先とともに目標売上高、市場シェア、広告効果といった具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定しております。取引先の事業特性、事業戦略、取扱い商材等に応じて最適なKPIを設定するための豊富なノウハウを保有しており、取引先との継続的なコミュニケーションを重視した提案型の顧客対応を実践しております。

 

Oneコマースの事業系統図

 


 

 

(3)協業ブランドパートナー

協業ブランドパートナーサービスは、当社グループがAmazon、楽天市場、自社ECサイト、ソーシャルコマースまで多岐にわたる各ECチャネル上で、ブランド・メーカー企業の公式ECサイトの運営を全面的に代行するものです。これは、ブランド・メーカー企業のD2C(Direct to Consumer)戦略を総合的に支援するサービスであり、ナショナルブランドをはじめとするブランド・メーカー企業を主な対象としております。ブランド・メーカー企業の公式ECビジネスパートナーとして、EC戦略及び販売計画の策定、デジタルマーケティング、サイト構築・運営、在庫管理の最適化、カスタマーサービス、倉庫保管・物流に至るまで、EC運営に必要な全ての業務を当社グループが一気通貫で支援いたします。当社グループがブランド公式ECサイトの運営主体となり、ブランド・メーカー企業から商品を仕入れ、各ECプラットフォームの公式ECサイトを通じて消費者に直接商品を販売するビジネスモデルです。
 本サービスの主な収益は、ブランド・メーカーの公式ECサイトでの販売における消費者に対する売上であり、その原価には、販促費や商品原価、物流費、ECプラットフォームへの手数料支払などの運営コスト等が含まれております。

本サービス区分における主な特徴は、以下のとおりです。

a.ブランド・メーカーがD2C事業の再構築を早期に実現できるビジネスモデル

EC市場の拡大を背景に、ブランド・メーカー企業によるD2C事業の再構築への意欲は一層高まると予想されます。しかしながら、特に大手ブランド・メーカー企業にとっては、既存の基幹システムとの連携、複雑な在庫処理ルールの設定、新たな物流出荷フローの構築、情報システムの大幅な変更、個人情報取扱いの厳格化、従来組織にない専門部門の設置や多数の社内ルール変更など、D2C参入には多大な時間と投資を要する高い障壁が存在します。

当社グループは、これらの障壁をブランド・メーカー企業が迅速に克服できるよう、ECビジネスパートナーとして、EC販売事業の構築から実際の運営、物流に至るまでを一括で担い、消費者へ直接販売する体制を構築します。これにより、ブランド・メーカー企業は、期間を大幅に短縮、かつ初期投資を抑えてECビジネスへの参入が可能となります。

 

b.ブランドの世界観と価値を重視し、長期的にファンを育成するECマーケティング展開

当社グループでは、ブランドの世界観を表現するECサイトのデザイン制作、信頼性の高い商品レビューの蓄積による安心して買い物ができるECサイト運営、公式ECサイト専売商品の企画・開発、消費者がリピート購入する仕組みや360日物流対応の構築など、独自のECマーケティングを展開しております。これによりブランドの世界観と価値の維持・向上を最重要としたEC事業運営を実現します。また、単なる運営代行ではなく、共にブランドを育成していくパートナーであるとの認識のもと、取引先ブランドの成長が当社グループの成長にも繋がるという好循環の関係構築を目指しております。

 

c.商材特性に合わせた最適な物流と顧客体験価値の向上

当社グループは、化粧品、アパレル、食品など、特性が異なる多様な商材それぞれに最適化された物流倉庫ネットワークを構築しています。物流委託先企業に対しては、最新の設備や人員配置の分析に基づき、当社グループが培ってきたオペレーションノウハウの提供や、EC物流専用の倉庫管理システム・受注管理システムの導入支援を行い、効率的な物流オペレーションを実現しています。さらに、配送コストを低減する通販サイズ専用梱包資材の企画・製造、顧客満足度向上のため注文ごとに同梱物を変更するCRM物流の実施、関西・関東の2拠点での商品保管・出荷体制による早期配送の実現など、大手物流企業では対応が難しい独自の物流サービスを提供し、消費者満足度の向上に貢献しております。ブランド・メーカー企業が今後さらに消費者体験価値を高めていく上で、消費者中心の物流体制構築は極めて重要な要素であると考えております。

 

 

協業ブランドパートナーの事業系統図

 


 

 

(4)共創・自創バリューアップ

自社ブランド・他社ブランドを各ECチャネルを通じて直接消費者に商品を販売するサービスです。取扱いブランドは、自社ブランドの開発やM&A・出資によるブランド取得、他社ブランドの販売代理権の取得等で拡大、多様なブランドと商品をECで展開しています。主に子会社のビーランにおいて、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングをはじめとしたECプラットフォームや自社ECサイト上で自社ブランドの商品を販売しております。成長余地のあるD2C、ECブランド企業を自社ブランドとして引き継ぎ、当社グループが保有する事業成長の資金、EC専門人材、EC販売ノウハウ、商品企画・開発機能、物流機能を投下し、公式ECサイトでの販売を行っております。このほか、他社ブランドの独占販売権を取得し、海外代理店へ販売しております。代理店を経由し主に中国越境ECプラットフォームで海外顧客へ販売しており、ASEAN地域にも販路を拡大しております。

ビーラン等の主な収益は、公式ECサイトでの消費者に対する売上であり、原価には、販促費や商品原価、物流費、ECプラットフォームへの手数料等の運営コストが含まれております。また独占販売権を取得したブランドでは、海外代理店からの収入が売上となり、原価には商品仕入高や独占販売権の使用料が含まれております。

 

本サービス区分における主な特徴は、以下のとおりです。

 

a.クロスチャネルで展開し、販売機会を増加

Amazonや楽天市場、自社ECサイト、さらにはソーシャルコマースまで、複数のチャネルに出店することで販売機会を増やし、事業全体として統合的に捉え、最適化していくクロスチャネル戦略を展開し、ブランドの成長と将来的な企業価値の増大につながると考えております。

 

b.EC戦略立案からECサイトの構築・運営、物流までワンストップで対応

当社グループは、EC戦略の立案からサイト構築・運営、デジタルマーケティング、カスタマーサービス、倉庫保管、フルフィルメントに至るまで、EC事業運営の全機能をワンストップで提供できる体制を有しております。この広範な対応力と豊富な実績、そしてECに特化した社内専門チームによる迅速な運営体制の最適化や物流機能の効率化を通じて、取得したブランドの運営コスト改善と収益性向上を実現しております。

 

共創・自創バリューアップの事業系統図

 


 

 

(5)ECプラットフォーム

ECプラットフォームサービスでは、主にライブコマースプラットフォーム「Peace you LIVE」の企画・運営・開発を行っております。「Peace you LIVE」は、高い販売スキルを持つ配信者(ライバー)が、ライブ動画配信を通じて商品の魅力紹介と販売を同時に行うことができるサービスです。本プラットフォームには多数のライブ配信者が登録しており、購買意欲の高い多くの利用者を抱えております。メーカーやブランド企業は、個人の配信者に商品の代理販売を依頼することも、自らライブ配信を行って商品を直接販売することも可能です。

本サービスの主な収益は、「Peace you LIVE」内での消費者による購入額に対しての手数料収入及び配信時間に応じた配信手数料であり、原価にはシステム開発・運営費用等が含まれます。

本サービス区分における主な特徴は、以下のとおりです。

 

a.国内有数のライブコマースサービスでの販売支援

近年、国内外で大きな注目を集めるライブコマースの領域において、国内で最大規模の流通額を誇る「Peace you LIVE」で、ライブコマースの実施をサポートします。企業のライブコマース実施の支援やライブコマースプラットフォームの運営により蓄積してきたノウハウを企業に提供し、ライブコマースの成功をサポートいたします。

 

b.販売力のあるライバーと企業をマッチングすることで早期に売上創出を支援

「Peace you LIVE」では販売力のあるライバーを多数抱えており、配信者が企業の商品を紹介することで即座に売上を上げることができます。企業の商品と相性の合うライバーとのマッチングをサポートし、企業のライブコマースの実施をサポートいたします。

 

ECプラットフォーム(ライブコマースの事業系統図

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日におけるわが国経済は、個人消費の改善及びインバウンド需要の増加等、緩やかな回復基調となりました。一方で、地政学リスクの高まりに加え、米国新政権発足に伴う大規模な関税の引き上げ方針をめぐり世界経済の悪化が懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

当社グループの事業を取り巻く環境は、株式会社富士経済が公表した「通販・e-コマースビジネスの実態と今後2025」によれば、2024年のEC(物販)市場規模が14.6兆円であったことに対し、2025年の見込みは15.1兆円、2026年は15.4兆円と、着実に成長を続けていくことが予想されております。このため、今後も各ブランド・メーカーが継続的にECビジネス展開に注力していくことが予測され、当社グループにとって事業拡大を見込める良好な環境であると捉えております。一方、多くのブランド・メーカーは、近年のマーケティングの高度化・複雑化や他社との競争激化により「データドリブンな投資判断」、「施策の精度と実行スピード」など一層高いレベルでの戦略戦術が必要とされるほか、生成AI導入などによる事業成果と業務効率化を同時に実現するビジネスモデルの変革にどのように取り組んでいくか等、EC事業拡大においての課題に直面しております。

このような経営環境の中、当社グループは「日本の未来をECでつくる」をミッションとして掲げ、ブランド・メーカーへのEC事業総合支援・D2C及びECプラットフォーム運営を展開してまいりました。

Oneコマースサービスにおいては、平均単価は約10%アップしたものの、市場の変化やサービス機能の見直しにより新サービスのリリースが遅延したため前年同期比で減収し、売上高は2,771,022千円となりました。

協業ブランドパートナーサービスにおいては、前期下期から開始した複数のブランドによる収益貢献と既存ブランドの堅実な成長により前年同期比で増収し、売上高は9,280,552千円となりました。

共創・自創バリューアップサービスにおいては、スノーアパレルを主力で販売する「ビーラン」でビジネスモデルの構造変革に対する取組ができたものの、滞留していた在庫処分が影響し減収、売上高は1,729,939千円となりました。

ECプラットフォームサービスにおいては、ライブコマースのプラットフォームである「Peace you LIVE」における手数料収入が前期比で増加し、売上高は159,344千円となりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は13,940,858千円(前年同期比0.6%増)、営業利益は74,434千円(前年同期比76.8%減)、経常利益は43,447千円(前年同期比85.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は98,093千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益258,961千円)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、8,609,538千円(前連結会計年度末比1,187,839千円増加)となりました。その主な内訳は、現金及び預金が2,932,258千円、売掛金が1,598,749千円、商品が1,976,647千円、固定資産が1,878,328千円であります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、6,246,465千円(前連結会計年度末比1,271,809千円増加)となりました。その主な内訳は、買掛金が1,369,091千円、短期借入金が700,000千円、1年内返済予定の長期借入金が1,159,356千円、長期借入金が2,261,010千円であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、2,363,072千円(前連結会計年度末比83,970千円減少)となりました。その主な内訳は、資本金が754,096千円、資本剰余金が742,596千円、利益剰余金が863,872千円であります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して799,345千円増加し、2,932,258千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、65,312千円(前連結会計年度比674,487千円増加)となりました。その主な内訳は、減価償却費の計上108,773千円、仕入債務の増加168,419千円、売上債権の増加225,931千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、486,289千円(前連結会計年度比129,983千円増加)となりました。その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出4,012千円、無形固定資産の取得による支出197,384千円、貸付けによる支出72,700千円、差入保証金の差入による支出212,551千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、1,220,322千円(前連結会計年度比844,146千円増加)となりました。その主な内訳は、短期借入金の純増額100,000千円、長期借入れによる収入2,025,000千円、長期借入金の返済による支出906,814千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当社グループはECワンプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、サービス別に記載しております。

 

a.生産実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.仕入実績

第18期連結会計年度における仕入実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。

 

サービス区分の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

Oneコマース

協業ブランドパートナー

5,814,410

109.7

共創・自創バリューアップ

851,014

59.6

ECプラットフォーム

14,928

96.5

合計

6,680,353

99.1

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

 

c.受注実績

当社グループでは一部個別の受託案件がありますが、受注実績に重要性がないため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

第18期連結会計年度における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。

 

サービス区分の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

Oneコマース

2,771,022

84.0

協業ブランドパートナー

9,280,552

116.4

共創・自創バリューアップ

1,729,939

70.5

ECプラットフォーム

159,344

113.4

合計

13,940,858

100.6

 

(注) 1.主な相手先別販売実績及び当該販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当連結会計年度における当社の連結財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、当社グループの連結財務諸表作成に当たり、特に重要と判断している会計上の見積りは以下のとおりです。

(繰延税金資産の回収可能性)

繰延税金資産の計上に当たっては、回収可能性を考慮して、繰延税金資産総額から評価性引当額を減額して算定しております。繰延税金資産の回収可能性については、近年の業績推移や当社を取り巻く状況を勘案し、将来の課税所得を合理的に見積り、判断しておりますが、課税所得の将来予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。

(投資有価証券の評価)

投資有価証券の計上に当たっては、市場価格のない株式等について、投資先の財政状態の悪化等により実質価額が著しく低下した場合は、減損処理の対象としております。市場環境や投資先の業績が悪化した場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。

(のれんの評価)

のれんの計上に当たっては、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。

のれんの減損の兆候の有無については、営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなっている場合や実績が当初の事業計画を下回っている場合等において、減損の兆候を識別しております。また、のれんの減損損失の認識に用いる指標は、各事業または連結子会社の事業計画を基礎としており、不確実性を有しております。

 

② 財政状態の分析

財政状態の分析に関する情報については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、13,940,858千円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。その主な要因は、協業ブランドパートナーサービスの前期下期から開始の複数ブランドによる収益貢献と、ECプラットフォームサービスでの増収によるものであります。

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は、10,962,459千円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。その主な要因は、協業ブランドパートナーサービス及びECプラットフォームサービスにおける仕入れの増加によるものであります。これらの結果、売上総利益は2,978,399千円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,903,964千円となりました。その結果、営業利益は74,434千円(前連結会計年度比76.8%減)となりました。

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、雑収入7,447千円等の計上により11,233千円となり、営業外費用においては、支払利息23,586千円、支払手数料13,778千円等の計上により42,220千円となりました。これらの結果、経常利益は43,447千円(前連結会計年度比85.6%減)となりました。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失)

当連結会計年度における特別損失においては、貸倒引当金繰入額22,998千円等の計上により42,082千円となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は98,093千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益258,961千円)となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの事業活動における主な運転資金需要は、ブランド・メーカーからの仕入資金、人材獲得のための採用費及び人件費等に伴う運転資金等であります。

当社グループは、これらの資金需要に機動的に対応するため、内部留保の蓄積、金融機関からの借入及び増資により十分な流動性を確保しております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、ECワンプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

Oneコマース

協業ブランド

パートナー

共創・自創

バリューアップ

ECプラット

フォーム

合計

外部顧客への売上高

3,297,856

7,970,440

2,453,081

140,503

13,861,882

 

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

Oneコマース

協業ブランド

パートナー

共創・自創

バリューアップ

ECプラット

フォーム

合計

外部顧客への売上高

2,771,022

9,280,552

1,729,939

159,344

13,940,858

 

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

単一セグメントであるため、記載を省略しております。