2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,779名(単体) 14,649名(連結)
  • 平均年齢
    43.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.5年(単体)
  • 平均年収
    9,240,736円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

 人は当社グループにとって最大の財産であり、持続的成長を支える基盤です。創業以来の社是「科学技術で社会に貢献する」のもと、人を大切にする企業文化を育んできました。この社是は当社のDNAとして、全社員の行動指針となっています。当社グループが目指す「人と地球の健康」の実現に向け、人的資本を経営の中心に据えた人財戦略を推進します。社員一人ひとりの挑戦と成長で培われた力を組織の実行力・変革力へと高め、獲得・育成・活躍を一体で捉えた施策により、環境変化の激しい中でも戦略をやり切る組織づくりを進めます。社員が安心して挑戦し、多様な専門性と価値観が活かされる環境を整えることで、島津グループの持続的な価値創出につなげます。

 当社グループの求める人財を「高潔な倫理観を持ち、多様な視点や専門性を活かし、果敢に挑戦し、最後までやり遂げるとともに、自ら成長し続ける存在」と定義し、挑戦と成長を通じてイノベーションを創出し、社会に貢献できる人財を育成します。また、『島津アカデミー』を通じて、グローバルで事業を牽引する経営幹部候補および次世代リーダーの育成に取り組むとともに、一人ひとりが主体的にキャリアを描き、専門性を高めて活躍できる環境を整備します。多様な個の成長を組織の成長につなげ、企業価値の向上を通じて、より良い社会の創造に貢献します。

 

 当社は、従業員を重要な財産と位置づけ、従業員が個々の能力を最大限に発揮して、組織全体の力を最大化することを目指し、求める人財の獲得・育成および公平・公正な処遇を実現する人事・給与制度を整備しています。給与については、従業員就業規則等にて、給与体系、算定方法などを定めています。

①給与水準の考え方

 当社の給与水準は、同業他社の動向、労働市場の動向、物価動向等を参考に総合的に勘案して設定します。毎年の賃金改定にあたっては、経営環境等を総合的に勘案し、労働組合との協議を踏まえて決定します。

②給与の構成

 従業員の給与は、主として月次賃金としての本給、各種手当と、業績に応じて変動する賞与により構成します。

③本給の決定方法

 当社は従業員の職責・役割に基づく等級制度を採用しており、各等級における職責・役割等に応じて本給の水準を設定しています。本給は当該等級に応じた範囲内において、個人の評価結果等を踏まえて決定します。

④賞与の決定方法

 賞与は、半期の業績に応じて支給水準を決定する業績連動型賞与制度を採用しており、連結営業利益率や連結売上高の対前年伸び率等の会社業績および個人の評価結果等を勘案して決定します。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

(2026年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

計測機器

8,995

[660]

医用機器

1,982

[170]

産業機器

1,282

[274]

航空機器

356

[26]

その他

932

[203]

全社(共通)

1,102

[252]

合計

14,649

[1,585]

  (注) 1 従業員数は、当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む就業可能人員数です。

2 臨時従業員数は[  ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

(2026年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

3,779

[485]

43.9

18.5

9,240,736

2.5

 

セグメントの名称

従業員数(人)

計測機器

1,838

[154]

医用機器

446

[42]

産業機器

162

[17]

航空機器

231

[20]

全社(共通)

1,102

[252]

合計

3,779

[485]

  (注) 1 従業員数は、当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む就業可能人員数です。

2 平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与には、当社から当社外への出向者および当社外から当社への出向者を含んでいません。

3 臨時従業員数は[  ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。

4 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。

 

③ 労働組合の状況

  当社の労働組合は日本労働組合総連合会(連合)に加盟し、2026年3月31日現在の組合員数は2,962人であり、当社とは正常な労使関係を維持しています。

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

イ.提出会社

当事業年度

管理的地位にある

労働者に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1,3,5

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注)2,6

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1,4,6

全従業員

正規従業員

非正規従業員

5.7

75.0

68.0

74.5

50.4

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3 当社は性別、国籍、年齢に関わらず実力によって管理職に任用しています。

4 当社の賃金は性別に関係なく、職責・能力等により同一基準を適用しています。

5 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の集計対象は、提出会社からの出向者を除き、社外からの出向者を含みます。

6 男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の額の差異の集計対象は、原籍が提出会社の従業員です。

 

ロ.連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位

にある労働者

に占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1,3,5

男性労働者の

育児休業取得

率(%)

(注)2,6

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1,4,6

全従業員

正規

従業員

非正規

従業員

(株)島津アクセス

1.4

72.0

65.9

71.0

61.1

島津メディカルシステムズ(株)

3.9

78.9

68.1

69.2

67.0

島津プレシジョンテクノロジー(株)

9.1

75.0

84.1

90.2

87.3

島津エイテック(株)

5.3

100.0

80.8

84.4

95.2

島津トラステック(株)

11.8

100.0

90.2

87.1

65.2

島根島津(株)

0.0

44.4

64.0

73.6

79.4

(株)島津テクノリサーチ

19.1

100.0

77.5

79.9

74.6

島津産機システムズ(株)

0.0

50.0

64.2

71.5

63.2

島津サイエンス(株)

2.2

37.5

69.9

71.6

68.6

島津ダイアグノスティクス(株)

8.5

100.0

62.5

79.6

48.4

(株)島津ビジネスシステムズ

3.1

83.3

72.1

73.5

53.7

(株)島津総合サービス

26.7

100.0

86.8

90.6

56.3

島津システムソリューションズ(株)

0.0

50.0

70.5

71.3

61.5

島津ロジスティクスサービス(株)

4.2

150.0

62.0

69.4

72.4

(株)島津理化

0.0

-

67.7

69.0

58.8

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3 当社グループは性別、国籍、年齢に関わらず実力によって管理職に任用しています。

4 当社グループの賃金は性別に関係なく、グループ各社において職責・能力等により同一基準を適用しています。

5 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の集計対象は、自社からの出向者を除き、社外からの出向者を含みます。

6 男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の額の差異の集計対象は、原籍がグループ会社の従業員です。

 

ハ.連結会社

当連結会計年度

管理的地位にある

労働者に占める

女性労働者の割合(%)

(注)2,4,6

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注)3,7

労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)2,5,6

全従業員

正規従業員

非正規従業員

13.3

74.1

70.8

73.8

57.6

(注) 1 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としています。

2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

4 当社グループは性別、国籍、年齢に関わらず実力によって管理職に任用しています。

5 当社グループの賃金は性別に関係なく、グループ各社において職責・能力等により同一基準を適用しています。

6 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、労働者の男女の賃金の額の差異の指標については、海外子会社を含めて集計をしており、定義や計算方法は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に準拠しています。

7 男性労働者の育児休業取得率の指標は、海外連結子会社の集計は含めていません。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(サステナビリティ全般)

 当社は、社是「科学技術で社会に貢献する」および経営理念「『人と地球の健康』への願いを実現する」のもと、「島津グループサステナビリティ憲章」を制定し、サステナビリティ経営を推進しています。

 当社グループは、「事業を通じた社会課題の解決」と「社会の一員としての責任ある活動」を両輪として企業活動を推進し、「1)地球環境とグローバル社会の持続可能性」、「2)島津グループの事業活動の持続と成長」ならびに「3)従業員の健康とエンゲージメントの向上」の実現を目指して、サステナビリティ経営を実践していきます。

 

<ガバナンス>

 

組織体

役割

開催

頻度

責任者

取締役会

取締役会は、サステナビリティ経営に関する重要方針および計画の決定を行うとともに、業務執行を監督しています。

1回/月

会長

執行役員会

執行役員会は、取締役会の監督のもと、サステナビリティ経営に関する審議を踏まえ、迅速かつ的確な業務執行を担っています。

3回/月

社長

島津グループ

サステナビリティ会議

 [専門部会]

 ・リスク・倫理会議

 ・環境会議

 ・人権会議

・島津グループサステナビリティ会議は、サステナビリティ経営に関する最高審議機関として、マテリアリティ、実施方針、計画およびKPIを審議し、その進捗をモニタリングしています。

・マテリアリティおよびKPIは、中期経営計画、事業方針、社会動向等を踏まえ、島津グループサステナビリティ会議での審議を経て決定しています。

・特に重要なコンプライアンス・リスクマネジメント、環境経営および人権尊重については、専門部会を設置し、専門的な観点から審議を行っています。

2回/年

社長

 

 当社グループでは、サステナビリティ経営を推進する最高審議機関として、島津グループサステナビリティ会議を設置しています。同会議は、会長、社長、役付執行役員、常勤監査役、事業部長、全社部門長、国内外の関係会社代表者などで構成され、事務局は経営戦略室が担っています。

 また、リスクマネジメント活動、環境経営、人権尊重に関しては、サステナビリティ会議の下部に専門部会を設置し、テーマごとに専門的かつ集中的な議論を行っています。

 サステナビリティ会議および専門部会における討議内容は取締役会へ報告され、取締役・監査役から、当社グループのサステナビリティ経営において注力すべき戦略やリスク管理の方向性について提言を受けています。

 

 

<戦略>

 当社グループは、サステナビリティ経営を通じて社是および経営理念を具現化するため、「島津グループサステナビリティ憲章」を制定し、お客様、株主、取引先、従業員、地域社会などのステークホルダーからの信頼の獲得と維持に努めています。あわせて、持続可能な社会の実現と事業活動の発展の両立に取り組んでいます。

 また、当社の事業活動が環境・社会に与える影響と当社への財務的影響について、リスク・機会の両面から重要課題を整理し、これをサステナビリティ経営におけるマテリアリティとして「島津グループサステナビリティ経営実施方針」に定めています。

 

 この度、中期経営計画(2026~2028年度)の策定に合わせたマテリアリティの見直しを行いました。見直し後のマテリアリティは、以下の6項目です。

①人の命と健康への貢献

②地球の健康への貢献

③産業の発展、安心・安全な社会の実現への貢献

④お客様のワークフローへの提供価値最大化

⑤人的資本とAIを活用した強固な経営基盤の構築

⑥ガバナンスの実効性の向上

 

 これら6つのマテリアリティは、当社が掲げる「プラネタリーヘルス(人と地球の健康)」の実現に向け、ヘルスケア、グリーン、マテリアル、インダストリーの4つの社会価値創生領域における社会課題の解決と社会の一員としての責任ある活動を通じて、中期経営計画の戦略および目標と連動しています。

 また、マテリアリティに関する目標の多くは中期経営計画の戦略目標と整合しており、サステナビリティKPIとして継続的にモニタリングを行います。

 

 マテリアリティの見直しにあたっては、執行役員会およびサステナビリティ会議で議論を行い、その内容を取締役会で確認しました。検討に際しては、国際規範や業界からの期待・要請に加え、投資家や社外専門家などのステークホルダーとの対話を踏まえ、当社グループおよび事業活動を取り巻くリスクと機会を特定しました。そのうえで、ダブルマテリアリティの考え方に基づき、「環境・社会への影響」と「当社への財務的影響」の両面から評価を行っています。

 なお、当社に対する期待や要請を把握するにあたっては、電機電子機器、医療機器・医療用品、産業機械・生産財、航空宇宙・防衛に関するSASBスタンダード(2023年12月最終改訂版)やGRIなどを参照しています。

 

<リスク管理>

 当社グループは、リスクマネジメント(事業に関わるリスク対策)とコンプライアンス・内部統制(職務執行上のリスク対応)を有機的かつ一体的に機能させることで、経営戦略の着実な遂行と事業目的の達成を図り、企業価値の最大化を目指しています。

 この統合的なリスク管理の枠組みは、以下の4つの取り組みによって構成されています。

(1) リスクマネジメント
(事業に関わるリスク対策)

事業に関わるリスクを適切に管理するため、リスクの未然防止に努めるとともに、危機事象が発生した際には、その損失影響を最小限に抑えつつ、早期解決、真因究明、再発防止の水平展開を行うことを「島津グループリスクマネジメント基本規程」に定め、運用しています。

(2) コンプライアンス

当社グループはグローバルに事業を展開しており、安全保障貿易管理、贈収賄防止、競争法など、各国・地域の法令、許認可、規制の適用を受けています。その遵守を徹底するとともに、国際規範に則って行動し、社是・経営理念・島津グループサステナビリティ憲章のもと、役員および従業員が共有・遵守すべき倫理規範を「島津グループ企業倫理規程」として定め、「コンプライアンスはすべてに優先する」を実践しています。

(3) 内部統制
(職務執行上のリスク対応)

当社グループは、役員および従業員の職務執行が法令および定款に適合し、業務が適正かつ効率的に遂行されることを確保するため、内部統制体制を整備しています。違反行為等が発生した場合には、その内容と処分を速やかに共有し、類似事案の再発防止を図っています。あわせて、個人情報や秘密情報を厳格に管理し、広報・IR活動やWebサイトを通じて、適時適切な情報発信・開示を行っています。

(4) モニタリング

リスクマネジメント、内部統制、コンプライアンスが有効に機能していることを、事業部門・管理部門・監査部門の3ラインの各段階において、組織的かつ継続的に検証・評価しています。2023年度からは業務監査方針を策定し、欧州、米州、中国、アジアの各地域で監査を実施しています。監査頻度の向上を通じて、当社グループ各社の事業部門(第1ライン)および管理部門(第2ライン)に対し、日常的かつ適切なモニタリングを促進しています。

 

 

 

<指標及び目標>

 当社グループは、「島津グループサステナビリティ憲章」および関連規程に基づき、中期経営計画と連動するマテリアリティを特定するとともに、サステナビリティ会議において、各マテリアリティに対応する具体的なKPIを毎年設定しています。2025年度の主なKPIの目標および実績は、以下のとおりです。

マテリアリティ

(~2025年度)

指標

目標

2025年度実績

地球の健康への貢献

<気候変動への対応>

・事業活動および製品使用に伴うCO2排出量の削減

自社排出量:

1.0万t-CO2以下

※2050年 実質ゼロ

0.88万t-CO2

削減貢献量(*1):

1.2万t-CO2

(自社排出量を上回る量)

1.2万t-CO2

<持続可能な資源の活用>

・製品へのサステナブル素材(*2)の採用

・国内の製造・開発拠点における資源循環の推進

累計10件以上

(2023~2025年度)

累計11件

2025年度:5件

リサイクル率99.6%以上維持

(2023~2025年度)

維持達成

99.8%(2025年度)

ガバナンスの強化

<CSR調達の推進>

・CSRセルフアセスメント実施サプライヤーの拡大

100%

100%

<グループガバナンスの強化>

・グローバルで網羅的な内部監査(業務監査)の実施

100%(グループ会社内部監査のカバー率)

100%

人財の育成

<女性活躍のさらなる推進>

・管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(連結)

2025年度 12%(連結)

※2030年度 15%(連結)

13.3%(連結)

*1 当社のエコプロダクツPlus制度認定製品の使用による、お客様のCO2排出削減量を指します。

*2 バイオ由来またはリサイクル由来の樹脂素材を指します。

 

 また、2026年度は以下の項目を指標としてサステナビリティ経営を推進します。

マテリアリティ

(2026年度~)

指標

地球の健康への貢献

<気候変動>

・当社事業CO2排出量(Scope1/2) ※2050年 実質ゼロ

<サーキュラーエコノミー>

・製品再生事業売上高の拡大(リファービッシュ・リフレッシュ・中古販売)

人的資本とAIを活用した強固な経営基盤の構築

<人的資本(DEIB、健康経営)>

・リーダー人財育成/AI人財育成

・従業員エンゲージメント肯定的回答率

・管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 ※2030年度 15%

・従業員健康指標とパフォーマンスの可視化

ガバナンスの実効性向上

<リスクマネジメント・内部統制>

・AIガバナンスの構築

・事業活動リスクマネジメント

<モニタリング>

・地域コーポレート本部による内部監査

<人権尊重>

・サプライチェーンへの人権デュー・ディリジェンス

 

 なお、気候変動対応への取り組み、人的資本および人権については、以下に詳細を記載しています。

 

(気候変動対応への取り組み)

 当社グループは、「島津グループサステナビリティ憲章」のもと、「地球の健康への貢献」に向けて、事業活動を通じた気候変動対応に取り組んでいます。

 当社グループは、環境問題を最重要経営課題の一つとして位置付けており、中でも、気候変動問題に対して、サプライチェーンを含めた事業活動におけるCO2排出量の抑制や、環境いわゆるグリーン領域におけるイノベーション創出に貢献する製品およびソリューションの提供に取り組んでいます。また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言に賛同し、関連情報の開示に努めています。

 

<ガバナンス>

 当社グループは、気候関連のリスク・機会および経営課題解決に向けた施策について、環境問題に関する専門部会である「環境会議」(議長:代表取締役社長、年2回開催)で討議しています。

 討議内容は執行役員会に報告されるとともに取締役会に報告・付議がなされており、取締役会による監視・監督体制が適切に確保されています。さらに、取締役会では当社グループの環境経営に関わる重要な事項について審議決定が行われます。

 

<戦略>

1. 気候変動リスク・機会の特定

 当社グループの事業・戦略・財務に影響を及ぼす気候関連リスク・機会の特定にあたり、①脱炭素化が進展する1.5℃の世界観、②成り行きで温暖化が進行する4℃の世界観を整理し、それぞれの世界において、当社事業への影響度が大きいと想定される気候変動起因のドライバーを抽出・整理しました。

 

当社の「社会価値創生領域」に関する気候変動起因のドライバー

その他の気候変動

起因のドライバー

ヘルスケア

グリーン(GX)

マテリアル

インダストリー

1.5℃の世界

 

・脱化石燃料化、CO2フリー燃料の普及

・再生可能エネルギー比率の上昇

・EVシフト

・CO2回収・利用の実用化

・バイオマス資源活用の拡大

・素材の軽量化・高強度化

・蓄電池・蓄電システム需要の拡大

・モーダルシフト、物流の脱炭素化

・カーボンニュートラルに向けた社会の電化とデジタルインフラの強靭化

・脱炭素関連規制の導入・強化

・環境配慮製品の浸透・需要増大

・技術開発競争の激化

4℃の世界

・気温上昇に伴う感染症の増加

 

 

・社会インフラの強靭化

・風水災の頻発化・激甚化

 

 これを起点とし、IEA(国際エネルギー機関)の気候変動シナリオ等を参考に、様々な産業分野でカーボンニュートラルに関する研究や技術開発等の進展が予想される中、当社事業に関連する主なリスクや機会を整理し、シナリオ分析を行いました。

 

2. 気候変動シナリオに基づく事業・戦略・財務への影響について

 脱炭素シナリオ(1.5℃)、現行シナリオ(4℃)に照らした分析の結果、当社の事業・戦略・財務への影響について、以下のように評価・整理しました。

1.5℃の世界

化石燃料を使用するエネルギー、発電、輸送機などの産業においては、脱炭素社会への移行に伴い当社製品の需要減少が懸念されます。一方で、様々な産業において、クリーンエネルギー、バッテリー、新素材等に関する研究開発や生産設備・インフラへの投資が進み、研究開発関連の分析計測機器など、当社製品の需要拡大が期待されます。

4℃の世界

物理的リスクの影響が大きくなるため、社会インフラの強靭化が喫緊の課題となり、その補強・更新に向けた各種試験機器の開発・供給ニーズの高まりが予想されます。また、気温上昇に伴う媒介性感染症の発症地域の拡大など、医用分野の市場環境にも変化が予想されます。他方、物理的リスクに起因するサプライチェーンの途絶により、当社の事業活動が停止に追い込まれるなどの悪影響を受ける事態も想定されます。

 

・気候変動シナリオに基づく当社の事業・戦略・財務への影響について

 当社は、積極的な省エネ推進や再エネ活用により、事業活動におけるCO2排出量の削減に努めるとともに、使用電力の再生可能エネルギー100%を目指す国際的な環境イニシアティブ「RE100」にも加盟しています。また、医薬・医療・環境・エネルギー・半導体・素材など様々な産業に製品・サービスを提供しており、お客様の産業の裾野が幅広いという特徴を有しています。このため、特定の産業の規模縮小といったリスクの発現が当社の財務に甚大な影響を及ぼす可能性は小さいと考えます。

 また、気候変動による機会については、「1.5℃の世界」「4℃の世界」のいずれにおいても様々な産業・分野で想定されますが、「1.5℃の世界」の実現に向けた取り組みが社会全体のリスク低減につながると認識しており、当社も1.5℃目標を実現させるべく事業活動を通じて取り組んでいます。具体的には、当社はすべての製品を省エネなど環境に配慮した設計にするとともに、特に環境性能に優れた製品である「エコプロダクツPlus」の売上比率を引き上げ、かつ気候変動への緩和・適応に貢献する製品の開発投資・供給を継続します。

 総じて、当社の事業・戦略・財務は、次項の移行計画に沿った対応や取り組みの推進を通じて、気候変動の機会を適切に捉え持続的成長を実現していくことにより、気候変動に対しレジリエント(強靭)な状態を維持することが可能であると考えます。

 

3. 脱炭素社会に向けた移行計画

・気候変動の緩和(1.5℃目標の達成)

 当社グループは、パリ協定に整合した1.5℃目標の達成に向けて、事業活動からのCO2排出量を2050年に実質ゼロとする目標を設定し、CO2排出量の削減に積極的に取り組んでいます。また、サプライチェーンでのCO2排出量の削減に向けて、「お客様先での当社製品使用時のCO2排出量」に関する削減目標を設定しています。

 

・機会の獲得と最大化

 気候変動の緩和・適応に資する製品を戦略的に開発・供給し、お客様の事業における脱炭素の取り組みに貢献していくことで、持続的な成長につなげていきます。また、当社製品需要の変化に応えるべく、開発基盤や供給体制の強化を進めていきます。

 

<リスク管理>

 当社グループの事業・戦略・財務に影響を与えうる気候変動リスクは、環境経営統括室が主体となって各事業のリスクの洗い出しを行い、気候変動シナリオを参考に、重要度が高いリスクを特定しています。特定・評価した結果は、「環境会議」において討議・確認しています。

 

<指標及び目標>

 当社グループは、2050年までに事業活動で排出するCO2を実質ゼロ(カーボンニュートラル)とすることを目指します。

・2050年目標

 事業活動で排出するCO2を実質ゼロとする。

 使用電力の再生可能エネルギー比率を100%とする。

・2040年目標

 事業活動で排出するCO2を2017年度比で90%以上削減する。

・2030年目標

 事業活動で排出するCO2を2017年度比で85%以上削減する。(*)

 当社グループが販売した製品使用時のCO2排出量を2020年度比で30%以上削減する。

 

* 島津グループの2030年度CO2排出量の削減目標は、科学的根拠に基づいた削減を促す国際イニシアティブ「SBT(Science Based Targets)」から、パリ協定における「産業革命前と比較して気温上昇を1.5℃未満に抑える水準と整合した目標」として認定されています。

 

(人的資本)

<戦略>

1. 島津人財戦略

 人は当社グループにとって最大の財産であり、持続的成長を支える基盤です。創業以来の社是「科学技術で社会に貢献する」のもと、人を大切にする企業文化を育んできました。この社是は当社のDNAとして、全社員の行動指針となっています。当社グループが目指す「人と地球の健康」の実現に向け、人的資本を経営の中心に据えた人財戦略を推進します。社員一人ひとりの挑戦と成長で培われた力を組織の実行力・変革力へと高め、獲得・育成・活躍を一体で捉えた施策により、環境変化の激しい中でも戦略をやり切る組織づくりを進めます。社員が安心して挑戦し、多様な専門性と価値観が活かされる環境を整えることで、島津グループの持続的な価値創出につなげます。

 

2. 人財育成方針

 当社グループの求める人財を「高潔な倫理観を持ち、多様な視点や専門性を活かし、果敢に挑戦し、最後までやり遂げるとともに、自ら成長し続ける存在」と定義し、挑戦と成長を通じてイノベーションを創出し、社会に貢献できる人財を育成します。また、『島津アカデミー』を通じて、グローバルで事業を牽引する経営幹部候補および次世代リーダーの育成に取り組むとともに、一人ひとりが主体的にキャリアを描き、専門性を高めて活躍できる環境を整備します。多様な個の成長を組織の成長につなげ、企業価値の向上を通じて、より良い社会の創造に貢献します。

企業文化の醸成

当社では、社員が事業や文化・歴史を深く学び、企業文化を醸成する取り組みを推進しています。「Leadership & Diversity」のスローガンのもと、多様性への理解を深めるとともに、リーダーシップを発揮できる環境づくりを推進しています。全ての社員が自律的に挑戦し、学び続けることで、学びと成長を基盤にした企業文化を醸成すると同時に、社会価値の創出へとつながる取り組みを展開しています。

事業戦略・経営基盤強化のための人財育成

・経営幹部候補育成

事業戦略、経営基盤の強化を推進する上で、経営幹部候補の育成は当社の重要テーマです。当社では1997年より、島津グループの成長を牽引する経営幹部候補の育成に取り組んできました。2023年度より新たに経営幹部候補育成プログラム「経営塾アドバンス」「経営塾」を開始しました。外部研修への派遣による知識の習得に加え、異動を通じた実践的タフアサインメントの付与との両輪により、経営幹部候補の育成を推進し、経営人財プールの拡充を図っています。

・次世代リーダー育成

様々な社会課題の解決に向け、メンバーを統率して組織の力を最大化し、事業を牽引していく次世代リーダーの育成は、当社グループの重要なテーマの一つです。経営幹部候補の育成に加え、島津グループの持続的な成長を支えるためには、事業を牽引する次世代リーダー層の計画的な育成が重要です。当社では、部長候補者向けの「ネクストリーダー研修Ⅱ」、課長候補者向けの「ネクストリーダー研修Ⅰ」を実施し、次のポストで求められる視野・視座、経営知識、リーダーシップを早期に習得します。これにより、経営幹部候補人財とあわせて、事業や組織の中核を担う人財のパイプラインを強化しています。

また、グローバルで事業を牽引する人財の育成にも注力しています。海外グループ会社では、マネージャー層を対象としたグローバルマネージャートレーニングを展開しており、今後も各国の人事部門と連携しながら育成プログラムの充実を図っていきます。さらに、海外現場研修や省庁・大学への派遣などを通じて、若手社員を含む幅広い層に対し、将来のリーダー育成に取り組んでいます。

・専門人財育成

グループの成長には、次の4つの専門人財が不可欠です。

①世界の優れた専門家と協業し、新たな技術や事業機会を生み出す人財

②高度な技術力を活かし、社会課題解決に貢献する人財

③専門知識を活かし、組織力の最大化や事業の発展を推進する人財

④データやデジタル技術を活かし、ビジネスモデルや業務プロセスを変革する人財

これらの専門人財を育成するために、当社では資格取得奨励制度や教育研修による支援を行ってきました。2021年度からは、大阪大学と共同で博士課程での若手技術者・研究者の育成を行い、社内公募した社員を複数の研究科に派遣しています。さらに、2024年度より社会人博士育成支援制度(SPARK)を開始し、社員の博士号取得を支援しています。また、国家資格や社内資格をオープンバッジで認定することで、社員の専門性獲得を促進しています。2025年度からは、国内グループ会社の社員にもオープンバッジの発行を拡大しました。今後は活動を海外グループ会社にも拡げ、グローバルで専門人財の育成に取り組んでいきます。

 

3. 社内環境整備方針

 当社は、多様な人財が、健康で働きがいを感じ、夢と成長の実現に向けた新たな挑戦ができる職場を「Well-Beingな職場」と定義し、目標とする職場づくりのため、多様性を活かす組織風土、挑戦マインドを育む人事制度、健康で安全な職場、コンプライアンス徹底の実現に向けた施策を推進します。

多様性を活かす組織風土づくり(DE&Iの推進)

・多様な人財の獲得と活躍

当社は、国籍・性別・経験に関わらず多様で優秀な人財の獲得と活躍の実現を目指しています。特に、高度な技術的専門性や経営管理スキルを持つ専門人財の確保のため、技術系・事務系インターンシップや、外国大学の学生が日本で就業するためのプログラムへの参加など、様々な採用活動を進めています。また、女性社員の積極採用やキャリアデザイン研修を通じて、女性管理職比率の向上に取り組んでいます。当社が事業を行う多くの国・地域から本社への受入制度を整備し、海外人財の受け入れを拡大しています。

項目

目標

2025年度実績

従業員に占める女性の割合

-

21.6%

(30歳未満での女性の割合)

-

(26.5%)

新卒採用数に占める女性の割合

毎年 30%以上

34.6%(*2)

女性の育児休業取得率

毎年 100%

100%

女性の育児休業からの復帰率

毎年 100%

100%

管理的地位にある労働者に占める女性の割合

12%(2030年)

5.7%

*1 いずれも当社の状況です。

*2 2025年度の採用活動実績です。

・柔軟な勤務制度

当社は、生産性の向上や育児・介護など社員一人ひとりの事情に応じた働き方を実現するため、フレックスタイムやテレワークといった柔軟な勤務制度を導入しています。グループにおける多様な人財獲得・定着の観点から、グループ会社にも柔軟な勤務制度を適宜展開しています。

挑戦マインドを育む人事制度づくり

・人事制度改革/評価制度改革

当社は、社内公募制や全社業績表彰などの各種表彰制度を通じて、社員が自律的に挑戦していくことを奨励しています。また、マネジメント系列とプロフェッショナル系列からなる複線型人事制度を導入し、社員一人ひとりが自律的に専門性を高め、それぞれの強みを活かし、様々な挑戦を通してキャリアアップしていくことで、社員の挑戦マインドとエンゲージメントの向上を目指します。

健康で安全、コンプライアンスを徹底する職場づくり

・健康経営

当社は、健康増進イベントや、自社技術に基づく乳房専用PET検査・軽度認知障害(MCI)スクリーニング検査の社員や社員の家族への還元をはじめとした健康経営施策に取り組んでおり、「健康経営銘柄2026」に選定(4回目)、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に10年連続で認定されています。今後は健康増進アプリの展開など、国内外のグループ全体を含めたグローバルな健康増進活動を推進し、社員のさらなるWell-Being向上を図ります。

・安全衛生

当社は、法定の安全教育だけにとどまらず、各職場でのチーム学習における動画教材による安全教育や危険体感研修などを通じた安全意識の涵養と、職場巡視活動の徹底による労働安全リスクの低減に取り組んでいます。今後はこの活動をグループ全体に広く展開するとともにリスクアセスメントの強化を図り、休業災害ゼロの実現を目指します。

・コンプライアンス

当社では、社員の行動指針である「島津グループ企業倫理規程」の内容を詳解する「島津グループ企業倫理行動ガイドライン」を作成し、企業倫理意識の浸透を図っています。また、本社・グループ会社において、毎年e-learningまたは学習冊子による企業倫理教育やハラスメント防止研修を実施しているほか、集合研修等によるコンプライアンス研修を実施しています。

 

 

 

<指標及び目標>

(1) 人財育成方針に関する指標及び目標

 

指標

目標(2025年度)

実績(2025年度)

①島津Leadership & Diversity研修

全グループ会社に

展開

計画見直し

②経営幹部候補育成プログラム参加者数

130人

148人(*1)

(旧プログラム含む)

③高度専門人財数

(博士号・高度資格保有者(*3))

500人

594人(*2)

④ビジネスリーダー育成研修修了者数

1,000人

1,000人(*1)

⑤DX研修修了者数

7,000人

6,720人(*2)

*1 当社の状況です。

*2 当社および国内グループ会社の状況です。

*3 博士号のほか難易度の高い国家資格等保有者(技術士、弁理士、機械設計技術者1級、第1種・第2種電気主任技術者、IT系資格レベル4相当、弁護士、公認会計士、税理士、MBA等)、社内資格保有者

(2) 社内環境整備方針に関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

(2025年度)

①管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

当社およびグループ会社

2030年度

15%以上

13.3%

当社

2030年度

12%以上

5.7%

②新卒総合職採用に占める採用目的でのインターンシップ実施件数の割合(*1)

2025年度

20%

(30件)

33%

(32件)

③柔軟な勤務制度導入グループ会社数

2025年度

国内23社

(100%)

国内16社

(76%)

④従業員エンゲージメント肯定的回答率

2025年度

65%以上

当社 66%

当社およびグループ会社 60%

⑤健康増進イベント年間参加者数

2025年度

7,000人以上

7,237人

⑥休業災害件数(*2)

2025年度

0件

7件

⑦企業倫理コンプライアンス研修受講率

2025年度

100%

100%

⑧ハラスメント防止研修受講率(*2)

2025年度

100%

99.3%

*1 当社の状況です。

*2 当社および国内グループ会社の状況です。

*3 その他は当社およびグループ会社の状況です。

 

 

(人権)

 当社グループは、自らの事業に関わるすべてのステークホルダーの人権尊重を企業活動の根幹と位置づけ、事業を通じた社会課題の解決と持続可能な社会の実現を目指しています。

 

<ガバナンス>

 当社グループは、人権尊重の取り組みを全社的に推進するため、サステナビリティ経営の最高審議機関である「サステナビリティ会議」の専門部会として「人権会議」を設置するとともに、その下部組織として「島津グループ人権委員会」を設置しています。

 人権会議は社長を議長とし、2025年10月に初回会合を開催しました。また、人権委員会はリスクマネジメント(RM)担当役員を委員長、法務担当役員を副委員長として年2回開催しており、社内外における人権尊重の取り組みを推進しています。その内容は、人権会議およびサステナビリティ会議を通じて取締役会へ定期的に報告され、取締役会による適切な監督体制を確保しています。

 

<戦略>

 当社グループは、人権尊重に関する最上位の行動規範として「島津グループ人権方針」を取締役会決議により定めています。本方針のもと、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」や「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の宣言、「OECD多国籍企業行動指針」などの国際規範を支持・尊重しています。

 事業活動における人権リスクについては、外部有識者の意見も踏まえ、当社事業に関連する117項目の人権リスクを洗い出したうえで、重大性と発生可能性の観点から評価を実施し、重点課題として「①職場における労働安全」「②職場におけるハラスメント防止」「③サプライチェーンの適切な管理」「④お客様の安心・安全」の4項目を特定しています。特に「③サプライチェーンの適切な管理」については、労働環境、児童労働、強制労働、紛争鉱物等を重要リスクと捉え、「島津グループCSR調達ガイドライン」を通じて、ビジネスパートナーにも人権尊重の取り組みを求めています。

 

<リスク管理>

 人権への負の影響を未然に防止し、軽減するため、以下のプロセスに基づき人権デュー・ディリジェンスを構築・運用しています。

1. リスクの防止・低減

 従業員に対しては、「島津グループ企業倫理行動ガイドライン」に基づく教育や各種ハラスメント防止研修を継続的に実施するとともに、労働災害を疑似体験できるVRを活用した安全体感教育などを通じて、安全で健康的な労働環境の整備に努めています。また、サプライチェーンに対しては、CSRセルフアセスメントや面談による状況確認を実施し、強制労働や児童労働の排除に向けた改善支援を行っています。

2. 救済メカニズムの構築

 人権侵害を含む問題の予防および早期発見のため、グループ全従業員やビジネスパートナー等が利用可能な通報窓口(外部弁護士等を通じた社外窓口を含む)を設置しています。通報は匿名でも受け付けており、情報提供者の保護を徹底したうえで、必要な調査、是正措置および再発防止策を適切に講じています。

 

<指標及び目標>

 人権尊重を企業文化として定着させ、取り組みの実効性を高めるため、以下の指標に基づき進捗を管理し、継続的な改善を図っています。

・コンプライアンス教育(人権と多様性尊重等を含む)の受講率

 毎年度100%を目標としており、2025年度の実績は100%でした。

・CSRセルフアセスメントアンケート調査実施率

 サプライチェーンにおける人権・労働環境等の把握を目的に、毎年度100%を目標としており、2025年度の実績は100%でした。

・相談・通報窓口の運用状況

 2025年度はグループ全体で196件の相談・通報を受け付け、適切に調査・対応を実施することで、リスクの極小化に努めました。