2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,946名(単体) 4,493名(連結)
  • 平均年齢
    38.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.0年(単体)
  • 平均年収
    6,314,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

  ①人材戦略に関する基本方針

当社グループは、人材を企業価値創出の源泉と位置づけ、経営戦略と連動した人材マネジメントを推進しております。

当社はコンタクトレンズ事業を中心とし、医療機器としての品質・安全性および規制対応が求められる事業特性に加え、顧客接点における継続的なサービス提供が競争力の重要な要素となっております。このため、当社の競争力は、製品開発に関する技術力、医療機器としての品質・安全性および規制対応力、ならびに顧客接点における提案・サービス提供力をはじめとする複合的な専門性により支えられております。

また、事業環境の不確実性が高まる中においては、失敗からも学びを得ながら、環境変化に柔軟に適応し続けることができる組織の構築が重要であると認識しております。

こうした認識のもと、当社は「自律性」「専門性」「変革力」を備えた人材の育成と、多様な人材が能力を最大限発揮できる組織の実現を基本方針としております。また、「創造・独創・挑戦」の考え方のもと、従業員一人ひとりの挑戦を促進する組織風土の醸成に取り組んでおります。

さらに、従来の制度では挑戦や新たな価値創出への評価が必ずしも十分でないという課題認識のもと、評価制度および報酬体系の見直しを行い、行動変容の促進を図っております。

これらの取り組みにより、顧客接点の高度化および継続的な価値提供力の向上を通じた事業成長の実現を目指しております。

 

  ②人材育成に関する方針

当社は、持続的な成長を支える人材基盤の強化に向け、人材育成を重要な経営課題と位置づけております。

具体的には、階層別研修・専門教育および実務における経験機会の提供を通じて、従業員の能力開発を推進するとともに、顧客接点における提案力の強化に向けた人材育成にも注力しております。

また、新たな価値創出を推進するため、従業員の発想力および思考力の向上を目的とした研修の実施に加え、社内の提案制度等を通じてアイデア創出を促進する取り組みを行っております。これらの取り組みは、挑戦につながる行動や成果創出に至るプロセスを評価する人事制度と連動させることで、従業員の行動変容を促進し、継続的な価値創出に資する人材基盤の強化につなげております。

さらに、経営人材の育成については選抜型研修等を通じて次世代リーダーの育成を行い、事業環境の変化に対応できる人材の継続的な輩出を図っております。

 

 


 

  ③社内環境整備に関する方針

当社は、多様な人材が能力を最大限発揮できる環境整備を重要施策としております。柔軟な働き方の推進や健康・安全への配慮、多様性の尊重およびエンゲージメント向上等に取り組み、制度面および企業風土の双方から、働きやすい職場環境の整備を進めております。

また、エンゲージメント調査等を通じて従業員の状態把握を行い、継続的な改善に取り組んでおります。

加えて、社員の感性や創造性の醸成を目的とした文化的な取り組みも行い、組織風土の醸成を推進しております。

 

 

 

  ④指標および目標

当社グループは、人材戦略の進捗および実効性を把握するため、以下の指標を設定しております。関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みを進めておりますが、当社グループに属する全ての会社で実施されているものではないため、グループ全体での記載が困難であります。このため、一部の目標及び実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

これらの指標は、多様な人材の活躍促進、定着および生産性向上の観点から設定しております。

 

指標

スコープ

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

目標

女性管理職比率(%)

当社

グループ

28.9

29.3

30.9

-

女性役職者比率(%)

当社

12.6

12.8

16.6

20.0

(2028年3月期)

離職率(自己都合)(%)

当社

6.5

6.7

5.4

-

年次有給休暇取得率(%)

当社

81.8

85.0

86.7

90.0
 (2028年3月期)

男性育児休業取得率(%)

当社

53.7

91.9

65.9

-

平均年間給与(千円)

当社

5,558

6,097

6,314

-

 

 

なお、当社では人的資本に関するデータの整備を進めており、今後は当社グループ全体での指標および目標の充実について検討してまいります。

 

(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2)従業員の状況」に記載しております。

 

  ⑤従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

当社グループにおける従業員の給与その他の給付は、職務内容、成果および能力等を総合的に勘案して決定しております。また、挑戦や成果創出を適切に評価する観点から、評価制度と連動した報酬体系の見直しを行うとともに、外部労働市場の動向および事業戦略を踏まえた処遇制度の適正化を図り、人材の確保および定着の強化に取り組んでおります。

 

 

(2) 【従業員の状況】

(1)  連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

ビジョンケア事業

 

3,883

(580)

その他

 

433

(48)

全社(共通)

 

177

(0)

合計

 

4,493

(628)

 

(注) 1. 従業員数は当社グループにおける就業人員数であります。また、当社グループから当社グループ外への

   出向者及び当社グループ外から当社グループへの出向者に該当する者はおりません。

2. 従業員数欄に臨時従業員の年間平均雇用人員を( )外数で記載しております。また、臨時従業員数には

   パートタイマーの従業員を含み、派遣社員は除いております。

3. 全社(共通)は、主に総合統括本部の従業員であります。

 

(2)  提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

1,946

38.37

12.0

6,314

3.55

(24)

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

ビジョンケア事業

 

1,606

(22)

その他

 

163

(2)

全社(共通)

 

177

(0)

合計

 

1,946

(24)

 

(注) 1. 従業員数は、当社における就業人員数であります

2. 従業員数欄に臨時従業員の年間平均雇用人員を( )外数で記載しております。また、臨時従業員数にはパートタイマーの従業員を含み、派遣社員は除いております。

3. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4. 全社(共通)は、主に総合統括本部の従業員であります。

 

(3)  労働組合の状況

当社には、従業員の労働条件の向上と健全な労使関係の維持発展を目的として、1966年9月に結成された労働組合(メニコン労働組合)があり、2026年3月31日現在の組合員数は1,482名であります。労使関係については円満に推移しております。

 

(4)  使用人等のみに対して付与する新株予約権の内容

使用人等のみに対して付与する新株予約権の内容について「1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況 ① ストックオプション制度の内容」に記載しております。

 

 

(5) 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容について「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

 

(6) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

11.6

65.9

66.8

68.2

83.8

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 当社における男女間の賃金差異につきましては、同一職務・同一評価における格差はないものの、主に人員の年齢構成および管理職比率の2点に起因しております。男性社員に比べ女性社員は若手層の割合が高く、平均賃金が低く算出されやすい構造にあります。また現時点において管理職に占める男性の割合が高いことも、全体の平均賃金の差異に影響を与えています。当社では、年齢を問わず誰もがキャリアアップを目指せるよう人事制度の改定を進めているほか、本人のキャリアアップへの意欲に応える育成支援の拡充を図って参ります。上記施策により中長期的には賃金差異の縮小が想定されます。

  2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

株式会社
ダブリュ・
アイ・システム

15.4

25.0

60.9

70.2

97.6

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ活動方針

  目指す姿 

   健康で心豊かな社会の実現

  サステナビリティ方針

当社グループは、社会に役立つ商品やサービスを世界に提供し続けることをMissionとして掲げています。

このMissionを長期的に実現するためにも、地球環境や社会との調和が欠かせません。当社グループは事業を通じて、地球環境や社会の課題に対する新しい価値を創造し、社会の発展に貢献します。

① 人・社会・地球環境の調和を図り、社会に役立つ商品とサービスの提供を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。

  ② すべての生命と地球環境に配慮し、これらの保護・保全に向けて積極的に行動します。

    ③ 各国や地域の文化と歴史に敬意を払い、豊かな生活と社会の発展に貢献します。

  ④ 社員の個性を尊重し、自己実現できる就労環境の整備により、人財の育成に取り組みます。

⑤ 国内外の法令をはじめとする社会ルールを遵守し、企業倫理を常に向上させ、持続可能な事業活動を行います。

  ⑥ ステークホルダーと広く深くコミュニケーションを行うことにより、社会から愛される企業を目指します。

 

(2) サステナビリティ重要課題

当社グループでは、重要課題をプロセスに則り、特定し、「五感を刺激する生活の提供」、「地球環境への負荷低減」、「笑顔あふれる社会への貢献」、「100年続く企業基盤づくり」としています。課題ごとに取り組むべきテーマを設定し、長期的な企業価値向上のために取り組んでいます。

2025年度においては、以下のプロセスに沿って重要課題の見直しを実施し、バリューチェーン全体におけるリスクと機会の洗い出しを行いました。

 

特定のプロセス

 

Step1

ビジネスとバリューチェーンのレビュー

 ・当社のコア事業、収益源、地理的な展開、主要市場などの分析を行い事業への理解を深める

・バリューチェーン(上流、中流、下流)における主要なステージの特定

Step2

初期のマテリアリティのスクリーニング

・ESRSやEUタクソノミーのような規制の枠組みや、業界ベンチマーク

(セクター固有のリスクと機会)に基づき潜在的なESGトピックについてのロングリストを作成

・環境・社会への影響を評価

Step3

ステークホルダーとの協議

・バリューチェーンにおける社内外の主要なステークホルダーへのインタビューを実施することで、

当社にとっての重要なESGトピックスの洗い出し

<インタビュー実施ステークホルダー>

上流:主要原材料サプライヤー、眼科従事者

自社運営:メニコンシンガポール工場、本社物流関連部門、輸送パートナー

下流:小売店、眼科従事者(処方医)

Step4

マテリアリティのスコアリングと分析

・ワークショップにてESGトピックスの検証を行い、スコアリングを実施

 

 

 

 


 

(3) ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティ全般に関する課題について、サステナビリティ委員会で審議し、基本的な活動 方針を決定しております。サステナビリティ委員会は、代表執行役社長を委員長とし、全執行役と社内取締役、関連部門長などで構成され、年4回以上開催しています。また、より重点的に協議を行うため、重要課題に関する分科会を設置しました。

 分科会は、各部門から情報収集を行い、サステナビリティ全般に関するリスクや機会の評価、課題に対する取り組 みなど、サステナビリティ委員会で審議する内容について必要に応じて検討・協議を行っております。サステナビリティ委員会で審議した内容のうち、経営に与える影響の大きい対策や方針などは執行役会や取締役会にて承認を得ております。その他の審議内容も定期的に取締役会へ報告し、取締役会の監督のもと、サステナビリティ経営を推進します。

 

 当連結会計年度末現在におけるサステナビリティ推進体制は以下のとおりです。


 

(4) 戦略

 当社グループでは、サステナビリティ委員会にて重要課題を設定し、各々の重要課題に対して戦略の立案等を進めております。環境については気候変動に対する取り組みと自然課題に対する取り組みについての開示を行いました。

  他の重要課題については開示準備が整い次第、随時公表していく予定です。

   なお、人材につきましては、5 従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等に記載しています。

 

  ■気候変動に対する取り組み

分析のプロセス

TCFD提言で示された各リスクと機会の項目を参考に、気候変動問題が事業に及ぼす影響について検討しました。1.5℃シナリオと4℃シナリオの二つを用い、政策や市場動向の変化(移行リスクと機会)および災害等による物理的変化(物理的リスクと機会)に関する分析を実施しています。これらの分析を通じて、リスクと機会を洗い出し、事業への影響度と対応策を分析・策定しました。

 

気候変動シナリオ

      ◆1.5℃シナリオ(脱炭素移行シナリオ)

気候変動対策として、世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5℃未満に抑えることを目標としたシナリオです。世界各国でより厳格な規制や炭素税の導入、排出量取引制度の強化等が求められ、企業には脱炭素技術や再生可能エネルギーへの迅速な移行が強く求められ、企業競争力や市場評価に大きな影響を与えることが想定されています。

 

      ◆4℃シナリオ(高排出シナリオ)

気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオです。異常気象の激甚化や海面上昇に伴う沿岸部での浸水リスクが高まることにより、生活基盤やインフラを含む社会・経済・自然環境に深刻な影響をもたらすと想定されています。

 

主なリスクと機会は以下の通りです。

 

リスク

リスク種類

リスク要因項目

事業に及ぼす影響

指標

時間軸

想定される対応策

移行リスク

政策・
法規制

GHG排出削減規制強化

GHG排出量の規制強化に伴い、再エネ発電設備の購入や高効率な生産設備の導入などの対応が必要となり、投資コストが増加する

費用

中期

~長期

・高効率熱源機器や生産設備への更新投資 

・PPAモデルを活用した再エネ電源調達の推進

・炭素価格を考慮した投資評価制度の導入

物理リスク

急性

サイクロンや洪水などの極端な天候事象の過酷さの増加

自社工場が被災し、生産活動が停滞または停止することで、売上高が減少する

収益

 

短期

~長期

 

・高リスク地域のハザードマップを活用した工場立地の再評価
・工場建屋・設備の浸水・耐風対策(防水壁、屋上貯水など)の強化
・被災時の操業移管を想定した国内外の代替拠点整備とBCP訓練

サプライヤーの工場が被災し、部品や原材料の供給が停滞または停止することで、自社の生産が影響を受け、売上高が減少する

収益

短期

~長期

・包括型の損害保険契約による財務影響の最小化
・複数のサプライヤーとの取引

慢性

降水パターンの変化と天候パターンの極端な変動

水資源の枯渇リスクの高まりや水道料金改定により、水使用コストが増加する

費用

中期

~長期

・再生水や雨水の利用による外部水道依存の低減
・製造工程における水使用量のモニタリングとKPI設定
・工場立地選定における水ストレス評価の導入

 

 

 

 

 

 

機会

機会種類

機会要因項目

事業に及ぼす影響

指標

時間軸

想定される対応策

機会

製品およびサービス

水ストレス地域の拡大

水ストレス地域の拡大により、生産や使用の場面で水の使用量を削減できる1DAYレンズの売上高が増加する

 

収益

中期

~長期

・1DAYレンズの水使用削減効果に関する情報発信の強化
・水削減意識の高い高ストレス地域への販路拡大
・製造段階の使用水量を削減した1DAY製品の新規開発

消費者の嗜好の変化

異常気象の頻発によりリモートワークへの移行や屋外活動の減少が進み、目を酷使する機会が増加することで、近視人口の拡大と近視進行抑制ニーズが高まり、売上が増加する

中期

~長期

 

・近視進行抑制レンズラインアップの拡充
・学齢期の保護者向け啓発活動の展開

・処方家の育成による処方の拡大

環境負荷を低減する製品・ビジネスの普及

資源循環(サーキュラーエコノミー)を考慮した製品設計(パッケージの水平リサイクル化およびアップサイクル)を推進することで、再生可能なシステムの構築を通じて資源を販売製品として活用できるようになり、売上が増加する

中期

~長期

・回収スキームを含めた製品等の水平リサイクル設計

市場

低排出商品およびサービスの開発および/または拡張

 

環境配慮型の商品やサービスの提供により、環境意識の高い顧客への販売量が拡大し、売上が増加する

 

中期

~長期

・環境配慮型製品(再生材使用、省資源設計)の展開

 

 

■自然関連課題に対する取り組み

当社は、2009年に「メニコン環境宣言」を制定し、「人にも動物にも環境にも優しい地球企業でありたい」と考えており、私たちが開発した技術や英知が地球のすべてに恩返しできるようグループ全社で取り組んでいます。また、2022年には「サステナビリティ方針」と重要課題の見直しを行い、目指す姿である「健康で心豊かな社会の実現」に向け自然環境の負荷低減を進めています。

当社グループは、コンタクトレンズおよびケア用品の製造において、自然資本からの恩恵を受けて事業を行っています。特に清らかな水資源は不可欠で、自然資本からの恩恵に感謝するとともに、自然資本に与えている影響についても把握する必要があると考えます。今回、コア事業であるビジョンケア事業を対象に、LEAPアプローチに沿って、自然関連のリスク・機会の分析を行いました。

 

  ・自然状態の分析(Locate)

工場や販売店など当社グループの拠点についての自然状態を分析しました。自然への配慮が求められる地域は235拠点中49拠点(日本41、中国1、ヨーロッパ7)でしたが、そのうちの44拠点は本社や販売店など、自然へのインパクトは大きくないと考えられる地域でした。残る5拠点は国内外の工場地域であり、自然に対して負のインパクトを与えやすいと判明しました。5拠点とは、国内はメニコンネクト郡上工場、海外は中国、フランス、オランダ、イギリスの4工場です。

 

  ・自然への依存とインパクトの特定(Evaluate)

 バリューチェーン全体における生態系サービスへの依存と自然資本への影響を特定・評価し、ヒートマップにまとめました。その結果、生態系サービスへの依存として、直接操業においては「水の浄化」、バリューチェーン上流においては「紙の調達におけるバイオマス資源」や「気候調整や水の浄化」、バリューチェーン下流においては「廃棄物の浄化」などの可能性が判明しました。また、自然資本への影響については、「生態系の利用」、「水質・土壌汚染物質の排出」、「騒音や光などによる妨害」の可能性があることが判明しました。

 

  ・自然関連リスクおよび機会の特定・評価(Assess)

 TNFDが推奨するシナリオに沿って、生態系サービスの劣化(物理リスク)と市場と市場以外の力の整合(移行リスク)の2軸で描かれた4つのシナリオを想定し、それぞれのリスクおよび機会の強度(財務影響度)と発生可能性の観点から評価しました。

 

 


 

その結果、当社グループにとって重要と考えられるリスクおよび機会は以下の通りです。

 

リスク

リスク

種類

リスク要因項目

顕在化/潜在的

時間軸

財務への影響

想定される対応策

物理リスク

急性/

慢性

自然の変化に起因する水資源の劣化
 
気候変動などにより、水源やその集水域の状況が変化する場合、水量、水質の変化が起き、工場の操業に悪影響を及ぼす可能性がある

潜在的

長期

・取水や処理コストの増加
・断水、渇水に起因する操業停止による売上損失
・新たな取水先の探索、切替に関するコストの発生

・水量の継続的なモニタリングを行い、水源の変化にいち早く気付ける体制構築

・代わりとなる取水方法の検討

・排水の再利用や循環システムの導入

・水の使用量削減、節水設備の導入

移行リスク

政策

使い捨てプラスチック製品に関する規制の強化
 
プラスチック廃棄に関する課題が深刻化し、自社製品を含むプラスチック製品に関する規制が厳しくなることにより、対策コストが増加する可能性がある

潜在的

 

中期

 

・管理コストの増加
・対策コスト、施設投資の増加
・売上の減少(対応が不十分な場合)

・将来のプラスチックに対する規制を見据えた予算計画
 ・代替素材への転換(サステナブルな素材へ移行)

・リサイクル性の向上(製品や包装材の素材の単一化へ設計変更)

 

 

 

 

 

機会

機会

種類

機会要因項目

顕在化/潜在的

時間軸

財務への影響

想定される対応策

機会

資源効率

節水施設の導入
 
製造プロセスにおける水資源の利用効率を高めることで、水使用のコストを削減し水セキュリティを向上させる
 

潜在的

中期

・運用コストの削減
・水セキュリティの向上

・節水設備の導入
・生産工程の見直し
・リサイクル技術の高度化により天然資源の使用量を削減

製品のリサイクルの推進
 
プラスチックのリサイクル推進により、プラスチック汚染の軽減や環境負荷の回避などにつながる
リサイクルプラスチック需要が高まり、有価物として収益に寄与する可能性がある

潜在的

 

中期

 

・調達レジリエンスの向上
・資産価値、評判の向上による売上の増加
・環境志向の市場へのアクセスによる売上の増加
 

・製品の設計段階からリサイクルしやすい単一素材への変更、再利用可能な容器、包装の採用
・廃棄物削減目標の設定と実行
・リサイクルプラスチック(PCR)の使用率増加を目標に設定し使用の推進
・1Caseプロジェクトの強化、拡大

 

 

 

■資源循環の取り組み

当社グループでは、持続可能な社会の実現と環境への負荷低減に向け、資源循環の取り組みについても重要であると認識しています。

2050年には世界人口の約半数である約50億人が強度近視を含む近視になると予想されており、近年、使い捨てコンタクトレンズの需要が高まっています。その結果、使用済みコンタクトレンズケースの廃棄増加や、製造、流通過程でのプラスチックの増加が予想されており、廃プラスチックの適切な処理が重要であると考えています。

当社では使用済みプラスチックの社会課題解決に取り組むため、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に参画し、科学的な根拠に基づく資源化に関する研究を推進しています。これに伴い、東北大学との共同研究施設として2024年4月に「メニコン×東北大学みる未来のための共創研究所」を開設しました。また、2024年10月には「1Caseプロジェクト」を立ち上げ、使用済みコンタクトレンズケースを価値ある再生材として生まれ変わらせるという資源循環の取り組みも開始しました。メニコングループ販売店「Miru」全店をはじめメルス加盟施設などへ回収ボックスを順次設置するだけではなく、共創研究所が位置する仙台市内の区役所などへも回収ボックスを設置することで、自治体とも一体となり活動を推進しております。2026年3月現在の回収ボックス設置数は991となりました。今後も公共施設や各種学校などに新たな回収拠点を設置し、使用済みプラスチックの資源循環構築に取り組んでまいります。

また、廃プラスチックだけではなく、スマートクリーン消毒用ケースなどに使用されている白金の回収も開始しており、今後も環境に配慮した取り組みを増やしていく予定です。

 


 

 

 

(5) リスク管理

 当社グループは、リスク管理に関して、損失などを回避または低減して会社資産を保全するとともに、ステークホルダーの安全を確保し、事業の継続を図ることを目的に、リスク管理体制と手順を定めています。

  気候関連リスク、自然リスクに関しても全体のリスク管理プロセスの中で管理・モニタリングを行っていきます。

 

①リスクの特定

 サステナビリティ部門は、会社の内部環境及び外部環境変化への対応状況を年1回以上各部門から情報収集を行い、特定されたリスクを整理し、サステナビリティ委員会の審議を経て委員長が重要リスクを決定します。

②リスク対応計画

  リスク対応部門は、対応計画を立案します。

③進捗報告

  リスク対応部門は、サステナビリティ委員会などで定期的に計画の進捗を報告します。

④見直し

  サステナビリティ委員会は、対応計画の進捗度により必要に応じ計画見直しを指示します。

⑤リスクのモニタリング

  各部門は、特定されたリスクについて監視し、変化が生じた場合にはサステナビリティ部門に報告します。

 


 

(6) 指標及び目標

 ① 環境(気候変動)

当社グループは、指標として、2020年度から当社グループの温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1+2)の算出を実施しています。2022年度からはサプライチェーンの上流・下流における排出量(Scope3)の算出も実施しており、現在はScope3の実数把握、開示グループ会社の拡大に向けて準備、調整を進めております。GHG排出量(Scope1+2)については、各務原工場と関工場にオフサイトPPAを導入、また、グループ会社である株式会社アルファコーポレーション伊那事業所に「信州Greenでんき」を導入することで、2023年度より10.7%削減いたしました。今後もScope1+2の2030年削減目標達成に向けて取り組んでまいります。

 

 

  GHG排出量

 

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

Scope1+2

22.27千t-CO2

25.24千t-CO2

22.54千t-CO2

Scope1

3.92千t-CO2

3.93千t-CO2

4.81千t-CO2

Scope2

18.35千t-CO2

21.31千t-CO2

17.73千t-CO2

 

 (注)バウンダリーは当社及びグループ会社。

 

 

 

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

Scope3(Scope1、2以外の間接排出)

178.75千t-CO2

192.22千t-CO2

204.90千t-CO2

カテゴリ1

購入した製品・サービス

116.70千t-CO2

130.15千t-CO2

137.74千t-CO2

カテゴリ2

資本財

35.34千t-CO2

28.74千t-CO2

30.46千t-CO2

カテゴリ3

Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動

4.02千t-CO2

4.30千t-CO2

4.15千t-CO2

カテゴリ4

輸送・配送(上流)

7.52千t-CO2

10.49千t-CO2

12.41千t-CO2

カテゴリ5

事業から出る廃棄物

0.41千t-CO2

0.48千t-CO2

0.51千t-CO2

カテゴリ6

出張

1.86千t-CO2

4.12千t-CO2

3.84千t-CO2

カテゴリ7

通勤

1.10千t-CO2

1.14千t-CO2

1.27千t-CO2

カテゴリ8

リース資産(上流)

対象外

カテゴリ9

輸送、配送(下流)

対象外

カテゴリ10

販売した製品の加工

対象外

カテゴリ11

販売した製品の使用

1.46千t-CO2

1.37千t-CO2

2.50千t-CO2

カテゴリ12

販売した製品の廃棄

10.34千t-CO2

11.44千t-CO2

12.01千t-CO2

カテゴリ13

リース資産(下流)

対象外

カテゴリ14

フランチャイズ

対象外

カテゴリ15

投資

対象外

 

(注)1. バウンダリーは当社、株式会社メニコンネクト、株式会社ダブリュ・アイ・システム、Menicon

     Singapore Pte. Ltd.、板橋貿易株式会社及び目立康(大連)医療科技有限公司

   2. カテゴリ1 購入金額に排出原単位を乗じて計算。

   3.カテゴリ2 有形固定資産及び無形固定資産の当期増加金額に排出原単位を乗じて計算。

   4.カテゴリ3 Scope1,2算出時に集計する燃料・電気の使用量に排出原単位を乗じて計算。

   5.カテゴリ4 下記①+②の合計値にて算出。

     ①サプライヤーからの物流は、調達物量×輸送距離でトンキロを算出し排出原単位を乗じて計算。

     ②出荷物流に関しては、輸送距離を平均1,000kmと想定し、出荷量×1,000でトンキロを算出し排出  

     原単位を乗じて計算。

6.カテゴリ5 全拠点の「産業廃棄物処理費用」及び「一般廃棄物処理費用」を集計し、排出原単位を乗じて計算。

   7.カテゴリ6 移動手段毎の出張旅費金額を集計し、排出原単位を乗じて計算。

   8.カテゴリ7 勤務形態ごとの従業員数と出勤日数を集計し、

     従業員数(勤務形態、都市区分別)×通勤日数(平均値)×排出量原単位により算定。

   9.カテゴリ11 有機肥料の窒素含有量を測定し、出荷数×窒素含有率×排出量原単位により算定。

   10.カテゴリ12 製品の包装資材の重量を測定し、出荷数×廃棄重量(種類別)×排出量原単位により算

     定。

 

  GHG排出量削減目標

 

2030年

Scope 1+2

43%以上削減(基準年:2023年)

 

 

 その他の指標・目標

当社では、5年度間平均エネルギー消費原単位を年1%以上削減することを目標にしています。(原単位:生産数量または延床面積)

 

 

 

 

  ②環境(自然資本)

自然関連の依存とインパクト、リスクおよび機会に関する指標として、当社グループでは、廃棄物、水の取水量、排水量についてESGデータにて開示しています。 今後TNFDの提言における開示指標を参照しながら、当社グループの自然関連の依存とインパクト、リスクおよび機会を管理するための指標や目標について、引き続き調査を進めていきます。