2025年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 9,402 100.0 556 100.0 5.9

3【事業の内容】

 当社は、「個性と創造性溢れる豊かな社会作りに貢献します。」を経営理念として、システムを活用したモノづくりのDX会社として事業を展開しております。

 当社はインターネットを利用して行うアパレルや雑貨を主とした商品へのオンデマンドプリントサービス、及びオンデマンドプリントの仕組み(ソフトウエアやハードウエア)をアパレルメーカー、印刷会社などの事業者へ提供するソリューション(オンデマンドプリントソリューションズ、以下「ODPS」という。)サービスを行っております。これらの実現のために、小ロット受注に対応したソフトウエアと、システムで制御できるハードウエアの開発を進め、ワークフローのDX化を推進しております。

 なお、当社は「オンデマンドプリントソリューション事業」の単一セグメントであります。

 

1.オンデマンドプリントサービス

 オンデマンドプリントサービスは、顧客がインターネットサイトを通じて入稿したデータを、受注から短納期で印刷加工し納品するサービスです。チームのグッズや個人のギフト、法人のノベルティオーダーなど、オリジナル製品をプリント作成するニーズに加え、インターネットでグッズ販売のビジネスを始めるクリエイターなどのニーズや、無駄な在庫を作らず受注が入ってから生産し即出荷したいとするアパレルメーカーなどのニーズに対応しています。

 

 当社はオンデマンドプリントサービスを、自社販売とパートナー企業からの受注の2つのチャネルで推進しております。

① 自社販売(自社フラッグシップサイト「オリジナルプリント.jp」等の運営)

 「オリジナルプリント.jp」(https://originalprint.jp/)は、当社の自社サービスとして運営しております。Tシャツなどの衣料品やマグカップなどの雑貨を中心としたアイテムを仕入れ、エンドユーザーからの注文を直接受注し、印刷加工して納品しております。受注処理を自動化するために見積もりや納期計算の自動化と、リアルな仕上がりイメージを確認できるデザインシミュレーターを搭載し、約1,900種類のアイテムに対応できる国内最大級のサービスサイトです。

 

② パートナー企業からの受注

 パートナー企業から受注した製品に対し、プリント加工を行った上でパートナー企業に納品しております。また、パートナー企業のサイトを利用するユーザーからの発注は、パートナー企業から当社へ転送され、当社にてプリント加工を行った製品を直接ユーザーへ納品する形で、パートナー企業のバックヤードを支えております。ワークフローに人手を介することがないため、短納期とコストダウンを実現しています。

 

 自社販売、パートナー企業からの受注のいずれも、受注データからクラウド生産管理システムのサーバーにより印刷に必要なデータを自動生成し、当社の工場又はシステム連携された当社のパートナー工場へ自動で生産指示が振り分けられ、受注から最短5分で梱包出荷処理まで進めることが可能です。

 当社の重要マーケットのアパレル業界では余剰生産、廃棄ロスを解決することが注力課題になっています。従来までの量産型では、結果的に供給過多となり、売れ残った衣料品は大量廃棄されております。当社のサービスを活用することで、完成在庫が極小化され、余剰生産、廃棄ロスがなくなります。当社のサービスは、無駄な在庫をなくしたい企業へのソリューションとして、アパレルメーカーや大手コンテンツホルダーなど様々な企業との連携が広がっております。

 

2.ソリューション(ODPS)

 ODPSは、当社のDX化のノウハウで改良を重ねた生産管理システムをクラウドサービスとして提供することを柱としております。また、当社がオンデマンドプリントサービスで培った生産・出荷プロセスにかかるハードウエア(プリンター、たたみ機、梱包出荷機等)の販売も行っております。

 ODPSを導入した顧客は、オンデマンドプリントの生産ラインを短期間で構築することができ、工数削減による効率的なオペレーションが可能となります。受注システムでは、デザインシミュレーター付クラウド型オンデマンドEC「maker town」を提供しており、ECサイトを立ち上げたいという需要に応えております。ソリューションにおいては、SaaS型のソフトウエア及びハードウエアの売上に加えて、システム開発受託及び保守による売上が計上されます。また、当社がソリューションベンダーとなり、ODPSの販売先を含めた協力ネットワークを構築することで、拡大するオンデマンドプリント需要を幅広く取り込み共創を実現しております。

 

 

[事業系統図]

 当社のオンデマンドプリントソリューション事業の事業系統図は、次のとおりであります。

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、継続的な賃上げの実施や雇用環境の改善を背景に、所得水準の向上が進むなど個人消費に底堅さが示されました。また、旺盛なインバウンド需要も景気を下支えし、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、原材料価格の高止まりや物流コストの上昇に加え、物価上昇に伴う消費者の節約志向が定着しており、企業を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況にあります。さらに、米国の通商政策の動向や不安定な為替相場の変動など、国内外ともに先行き不透明な状況が続いております。

当社が属するオンデマンドプリント業界では、EC市場の定着とD2C(Direct to Consumer)ビジネスの高度化を背景に、顧客の個別ニーズに即応する「超多品種・小ロット」生産へのシフトが一段と加速しております。特に、個人の嗜好を反映した「推し活」や「自分専用(パーソナライズ)」の商品需要は、従来のグッズ制作の域を超え、日常生活のあらゆるアイテムへと広がりを見せており、市場の裾野は着実に拡大しております。

このような環境の中、当社が運営する「オリジナルプリント.jp」をはじめとするオンデマンドプリントサービスでは、取り扱いアイテムの拡充やマーケティング施策の強化により、既存顧客の購入頻度向上と新規顧客の獲得を推進いたしました。さらに、有力パートナー企業との連携により、短納期かつ高品質な生産を安定的に提供できる体制を整備し、多様化する顧客ニーズに対応しております。また、当事業年度よりサービスを開始した「3DME」では、3Dスキャンスタジオで撮影する方法と、最新のAI技術を活用し写真から作る方法により人物やペットのフィギュアを制作でき、顧客の思い出を立体で残すニーズに応えるサービスを展開しています。

これらの結果、当事業年度におけるオンデマンドプリントサービスの売上高は8,539,661千円(前年同期比20.2%増)となり、当社全体の成長を牽引いたしました。

また、ソリューションサービスでは、オンデマンドプリントの新しい加工技術として定着したDTF(Direct to Film)方式のプリンター開発・販売に国内でいち早く注力してまいりました。当社は自社でも国内最大級のファクトリーを有しており、運用ノウハウの蓄積を進めることに成功しています。これらのアドバンテージによりハードウエアやソフトウエアを一体的に供給するビジネスモデルを確立し、導入先の拡大とともに消耗品販売による安定的な収益を獲得しております。当事業年度においては、7月より組織改編を行い販売体制を強化するとともに、専門知識や複雑な工程なしの革新的なDTFプリンターである「xTool Apparel Printer」の正規販売代理店となり、商品ラインナップのさらなる拡充を行いました。

この結果、当事業年度のソリューションサービスの売上高は862,382千円(前年同期比30.0%増)となり、当社の将来の収益基盤を支える重要なサービスへと成長しております。

コスト面では業績拡大のための人材確保に伴う人件費・採用費増、認知度向上のための広告宣伝費及び取引増による運送費が増加しましたが、売上が大幅に成長し安定した収益を確保しました。

以上の結果、当事業年度の売上高は9,402,044千円(前年同期比21.0%増)、営業利益は556,040千円(同26.4%増)、経常利益は558,368千円(同24.2%増)、当期純利益は329,881千円(同27.5%増)となりました。

なお、当社はオンデマンドプリントソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

② 財政状態の状況

当事業年度末における総資産は3,508,220千円となり、前事業年度末と比較して485,254千円の増加となりました。

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は2,255,990千円となり、前事業年度末と比較して384,048千円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加226,817千円、商品及び製品の増加100,792千円、売掛金の増加43,700千円によるものであります。

 

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は1,252,230千円となり、前事業年度末と比較して101,205千円の増加となりました。これは主に建設仮勘定の増加110,381千円によるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は1,291,560千円となり、前事業年度末と比較して320,525千円の増加となりました。これは主に買掛金の増加107,114千円、未払金の増加87,233千円、未払費用の増加90,091千円、未払法人税等の増加44,644千円によるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は160,785千円となり、前事業年度末と比較して82,579千円の減少となりました。これは主に長期借入金の減少70,840千円によるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は2,055,875千円となり、前事業年度末と比較して247,308千円の増加となりました。これは主に自己株式の増加87,272千円があったものの、当期純利益の計上329,881千円による利益剰余金の増加によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は1,167,674千円となり、前事業年度末と比較して226,817千円の増加となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、820,380千円(前年同期は591,889千円の獲得)となりました。これは主に資金減少要因である棚卸資産の増加146,766千円があった一方で、資金増加要因である税引前当期純利益の計上435,366千円、減価償却費269,207千円、その他の流動負債の増加122,608千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、389,033千円(前年同期は404,180千円の使用)となりました。これは、主に機械装置に係る有形固定資産の取得による支出369,875千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、204,529千円(前年同期は109,337千円の使用)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入76,242千円があった一方で、約定による長期借入金の返済による支出94,274千円、配当金の支払額71,508千円、自己株式の取得による支出87,272千円、リース債務の返済27,716千円があったことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。なお、当社は、オンデマンドプリントソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績の記載は省略しております。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

オンデマンドプリントソリューション事業(千円)

5,128,330

115.6

合計

5,128,330

115.6

(注)金額は、製造原価によっております。

 

b.受注実績

 当社で行う事業は、受注から販売・役務提供までの期間が短いものが大半を占めており、常に受注残高は少額であります。そのため、受注実績に重要性がないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は、オンデマンドプリントソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

オンデマンドプリントソリューション事業(千円)

9,402,044

121.0

合計

9,402,044

121.0

(注)1.サービス別の販売実績は次のとおりです。

サービスの名称

当事業年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

オンデマンドプリントサービス

8,539,661

120.2

ソリューションサービス

862,382

130.0

合計

9,402,044

121.0

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

当事業年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

GMOペパボ株式会社

829,840

10.7

746,010

7.9

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 なお、財務諸表の作成にあたって、用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 当事業年度の売上高は9,402,044千円となりました。当事業年度におきまして、当社の売上の大きな割合を占めるオンデマンドプリントサービスにおいて、自社サービス「オリジナルプリント.jp」の受注が堅実に推移しております。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は5,607,702千円となり、売上総利益は3,794,341千円となりました。当事業年度におきまして、オンデマンドプリントサービスにおいて材料費を抑えることができたこと、また、ソリューションサービスにおいて利益率の高いハードウエアに係る取引があったことなどにより、売上総利益率は40.4%となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は3,238,300千円となり、営業利益は556,040千円となりました。人件費、広告宣伝費及び荷造運送費が増加しているものの、売上高の伸長にともなう売上総利益増加により、営業利益率は5.9%となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

 営業外収益は7,155千円、営業外費用は4,827千円となりました。この結果、経常利益は558,368千円となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

 特別損失は123,002千円で、固定資産除却損45,450千円、減損損失52,325千円、貸倒引当金繰入額25,225千円の計上によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税を147,358千円、法人税等の更正、決定等による納付税額又は還付税額を△24,431千円、法人税等調整額を△17,441千円計上しております。

 この結果、当期純利益は、329,881千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社の事業活動における資金需要のうち主なものは、当社のオンデマンドプリントソリューション事業を推進するための運転資金(人件費、労務費、製造経費等)であります。これらの事業活動に必要な資金については、営業活動によるキャッシュ・フローでまかなうことを基本としております。

 また、当社の事業活動においては、生産機能の維持及び向上のため設備投資が不可欠であり、必要に応じて金融機関からの調達を実施する予定であります。

 

 なお、当社は取引銀行2行の金融機関との間で合計530,000千円の当座貸越契約を締結(当事業年度末現在で借入実行残高はありません)しており、手元資金が必要額に満たなくなると想定される場合には、当座貸越契約を活用し金融機関からの短期借入金を通じて、必要な資金残高を確保することを考えております。当社の事業は主に個別受注生産であり、棚卸資産回転期間や売上債権回転期間が短期間であるため、資金の流動性に問題はないものと考えておりますが、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を注視しつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保に努めてまいります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長を遂げるためには、さまざまな課題に対処することが必要であると認識しております。

 それらの課題に対応するために、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、継続的なサービスの向上による競合との差別化を推進し、さらなる事業拡大を図ってまいります。

 

⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高成長率と売上高経常利益率を重視することで、企業の成長性及び企業価値を高め、持続的な経営を目指しております。各指標の推移は以下のとおりであります。

 

 

前事業年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

当事業年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

売上高成長率

21.0%

売上高経常利益率

5.8%

5.9%

(注)前々事業年度は8か月のため前事業年度の売上高成長率は記載しておりません。