事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| ネット印刷通信販売事業 | 9,119 | 99.0 | 746 | 99.9 | 8.2 |
| その他 | 95 | 1.0 | 1 | 0.1 | 0.6 |
3 【事業の内容】
当社は、ネット印刷通信販売のWebサイト「プリントネット」(https://odahara.jp/)、「プリントプロ」(https://printpro.jp/)及び「プリントネットウェア」(https://wear.printnet.jp/)を運営しております。
当社の主力事業は、インターネット印刷通信販売事業です。印刷物の仕様や価格が掲載されたWebサイト上で、顧客からの注文を受け、また同時に印刷用データを受取り、工場にて印刷・加工を行い、工場より顧客に向けて製品を発送しております。当社の特徴は以下のとおりであります。
■受注の大部分は当社Webサイト(システム連携による受注を含む)を通して行われ、当社Webサイト上において、パンフレット、フリーペーパー、チラシ、新聞折込チラシ、社名入り封筒、うちわ、選挙ポスター、カレンダー、Tシャツ等の、幅広い商品ラインナップを提供し、顧客の囲い込みを図っております。
■実際の印刷工程につきまして、従来の印刷業者は、顧客から注文依頼があり、依頼内容に基づき企画提案を行い、顧客と打ち合わせを行い、内容を固めていきます(下図①・②)。印刷業者は打ち合わせの内容を踏まえ制作を行い(下図③)、校正・修正を数回に渡り行い(下図④)、データを完成(校了)させます(下図⑤)。その後、実質的に印刷工程に入っていきます。それに対し、当社の場合、顧客から完全データをいただいてから業務がスタートする形となります(下図⑥以降)。
顧客・大口得意先からネット上で注文を受け(下図⑥)、当社にて注文内容を確認し、発注処理を行います(下図⑦)。それと並行して入稿データが印刷に適しているかチェックを行います(下図⑧)。チェックが終了したデータは、他の案件のデータと付け合わせて版のデータを作成します(下図⑨:後述)。作成された版のデータは各拠点に送られ、印刷用のアルミ版に転写されます(下図⑩)。絵柄を転写された版はオフセット印刷機にセットされ、印刷が行われます(下図⑪)。商品は最終的なサイズに断裁され、必要があれば折り・綴じ等の後加工を施します(下図⑫)。完成した商品は梱包され、配送業者により集荷、発送されます(下図⑬)。
注文受付から梱包・発送までの工程につきましては、従来の印刷業者と大きな差はございませんが、当社の特長として「ギャンギング」処理がございます。これは、1つの印刷用版に複数の異なるデータを効率よく配置する処理を指し、これにより使用版数を減らし、コスト削減につなげております。
■顧客のニーズに応えるため、業界でいち早く「Japan color標準印刷認証」を取得(2012年7月)し、安定した品質で印刷物を提供しております。
■顧客の中では、BtoB(印刷業者、デザイン業者からの業務受託)が多く、発送代行サービス※の売上高に占める割合は高く推移しております。
※発送代行サービスとは、商品出荷を宅配便事業者に委託する場合において、宅配便事業者の送状の送り主の欄
の記載を当社ではなく、発注者様とするサービス。主に最終顧客から印刷を受託している印刷業者、デザイン
業者が取引上、当社が印刷していることを最終顧客に知らせないために利用するサービスです。
■当社は広範な顧客ニーズに対応する目的で、以下のとおり複数のWebサイトで顧客の注文を受けております。
「プリントネット」は自社コールセンターでの電話サポート等の充実したサービスを特長としております。ビジネスユースでのご利用を多くいただいております。「プリントプロ」は、2018年4月にサービスを開始し、印刷品質を維持したままサービスを簡素化することで低価格を実現し、より低価格志向のお客様をカバーしております。「プリントネットウェア」は、2024年7月にサービスを開始し、ネットを通じて簡単にオリジナルウェアやグッズ等を作成できるサービスです。
[事業系統図]
当社サービスにかかる事業系統図は以下のとおりであります。
(ネット印刷通信販売事業)
※ 大口得意先・業務受託先…印刷業者、デザイン業者等がお客様(最終顧客)から受注した印刷物について、当社に製造を再委託します。
(その他事業)
当社はインターネット印刷通信販売事業の他に、調剤薬局を経営しております。
業績状況
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善により、緩やかな回復基調となっているものの、アメリカの政策動向の影響及びウクライナや中東などの地政学リスクの高まりにより、景気の先行きが不透明な状況にあります。
当社の当事業年度における売上高は9,213,751千円となり前年同期比92,849千円の減収、営業利益は563,276千円で前年同期比114,432千円の増益、経常利益は565,470千円で前年同期比109,302千円の増益、当期純利益は433,039千円で前年同期比222,521千円の増益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(ネット印刷通信販売事業)
ネット印刷通信販売事業の業績は以下のとおりであります。
ネット印刷通信販売事業におきましては、前事業年度に比べ大口以外の得意先の印刷売上高は増加しているものの、売上高より利益率を重視する方針に転換したため、大口得意先の印刷売上高が減少しており、結果として印刷売上高は減少となっております。利益率については前年に比べ大きく改善しました。
このような状況のもと、当社は強みをさらに伸ばすため、下記3項目に関して全社的な取り組みを進めております。
・生産性向上:プロセスの効率化、自働化の推進、従業員のスキル向上を通じて、コスト削減に取り組む。
・環境への配慮:環境にやさしい印刷材料とテクノロジーの採用を検討し、環境に配慮した選択肢を提供す
る。
・価格と品質の維持:顧客ニーズに合わせた柔軟な価格戦略を構築し、品質管理プロセスの強化に努める。
また、事業戦略本部を中心に、マーケティング及びWebサイト周辺の機能強化を図るとともに、IR活動も強化し、地元プロスポーツチームとスポンサー契約を締結する等、地域貢献にも注力し、企業イメージの向上や株価の安定化を目指しております。
なお、当事業年度末時点で稼働している大型オフセット印刷機は、前事業年度末と変わらず合計9台となっております。
この結果、ネット印刷通信販売事業の売上高は9,118,547千円で前年同期比56,899千円の減収、セグメント利益は746,472千円で前年同期比152,029千円の増益となっております。
(その他の事業)
その他の事業の売上高は95,203千円で前年同期比35,949千円の減収、セグメント利益は589千円(前事業年度は11,617千円の損失)となっております。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は3,325,265千円となり、前事業年度末に比べ567,795千円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金が525,893千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は4,162,815千円となり、前事業年度末に比べ246,645千円減少いたしました。その主な要因は、有形固定資産が132,975千円減少したこと、投資その他の資産が118,951千円減少したこと等によるものであります。
この結果、当事業年度末における資産合計は7,488,080千円となり、前事業年度末に比べ321,149千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は2,495,046千円となり、前事業年度末に比べ248,757千円増加いたしました。その主な要因は、買掛金が323,102千円増加したこと等によるものであります。
固定負債は822,812千円となり、前事業年度末に比べ313,377千円減少いたしました。その主な要因は、長期借入金が333,688千円減少したこと等によるものであります。
この結果、当事業年度末における負債合計は3,317,858千円となり、前事業年度末に比べ64,620千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は4,170,221千円となり、前事業年度末に比べ385,769千円増加いたしました。その主な要因は、利益剰余金が剰余金の配当により66,108千円減少したものの、当期純利益を433,039千円計上したことによる増加等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ527,394千円増加し、1,528,457千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,348,048千円の収入(前事業年度は639,136千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益678,212千円、減価償却費489,822千円の計上といった増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、74,195千円の支出(前事業年度は359,213千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出312,296千円等の減少要因があったものの、保険積立金の解約による収入235,730千円等の増加要因があった事等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、746,458千円の支出(前事業年度は318,067千円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入2,300,000千円及び短期借入金の返済による支出2,465,000千円、長期借入金の返済による支出618,634千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社は主としてWebサイトを通じた短納期での印刷物の受注生産を行っております。そのため、生産実績及び受注実績は販売実績と重要な相違がないため記載を省略しております。
(販売実績)
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績の分析
当社の経営成績は、原材料や光熱費の高騰が続く中で、商品の価格転嫁が進まなかったものの、大口得意先との取引内容の見直しを行ったことにより、減収増益となりました。
経営成績の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要の主なものは、材料の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、生産設備等によるものであります。
運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。
また、重要な設備の新設等に要する資金については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載しております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、目標とする経営指標として前期対比売上高成長率及び売上高営業利益率を掲げております。当事業年度の前期対比売上高成長率及び売上高営業利益率は、原材料や光熱費の高騰が続く中で、商品の価格転嫁が進まなかったものの、大口得意先との取引内容の見直しを行ったことにより、売上高成長率が△1.0%、売上高営業利益率は+1.3%となりました。今後もこの2つの指標、特に売上高営業利益率の向上を目標として経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確保を図る所存であります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績は、同業他社との競合、用紙の価格変動等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、新規顧客の獲得、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応して参ります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営者は、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、予測できない様々な変化に対して、柔軟性のある対応基盤の構築が必要であると認識しております。
そのために、独自のマーケティングの確立、次世代基幹システムの構築、強固な財務基盤構築、成長し続けるための人材基盤構築、独自の生産自働化構想を展開していく方針であります。