2025年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社グループにおける事業等のリスクについて記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本書提出日現在(2025年6月23日)において判断したものであります。

 

(1)主要なリスク

 ① リスクの分類

 当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下の通りです。災害、政治・経済、社会・技術、オペレーション、製品・製造、財務の計6分類に分け、リスクを洗い出しています。

 

分類

記号

リスク項目

詳細

災害

A

自然災害リスク

地震、津波、風水害、気候変動

B

感染症リスク

感染症の長期蔓延

政治・経済

C

政治リスク

法規制等の政策転換、政治・経済の混乱、テロ・戦争

D

金融リスク

為替変動、金利変動

E

市場リスク

景気変動、消費者ニーズ・トレンド・志向・購買行動の変化、競合激化

社会・技術

F

レピュテーションリスク

風説・風評

G

技術革新リスク

技術革新

H

IT・システムリスク

サイバー攻撃、システム障害

オペレーション

I

情報漏洩リスク

個人情報の漏洩

J

人的資本リスク

採用難、人財確保、少子高齢化

K

コンプライアンスリスク

法令違反、ハラスメント、人権尊重

L

知的財産リスク

知的財産権の侵害・被侵害

製品・製造

M

製造物責任リスク

製品の欠陥、設計不良、品質不良

N

サプライチェーンリスク

仕入、調達、在庫、生産、販売

O

生産リスク

製造、生産コスト、設備・機械

財務

P

投資リスク

事業投資の失敗(新規事業、設備投資、研究開発、システム投資、他社との連携、M&A)

 

 

 

 

 

 

 ② リスク・マトリックス及び分類基準

 リスク・マトリックスは影響度(縦軸)と発生可能性(横軸)を掛け合わせて、リスクを計量します。マトリックス上のリスクについては、「影響度」により重みをつけた優先順位で対応し、ピンク>イエロー>グリーンのエリア順に重要性を評価します。各エリア内での優先順位は枠内の番号で示しています。各リスク項目の配置については、「③ 各リスクのリスクシナリオと対策の状況」をご参照ください。

 


 

※1 影響度(縦軸)

 影響度については、当社の見解に基づき、①から③の順に重要度を考え測定します。複数の項目に亘る場合には、該当する項目の中で一番高い重要度を採用します。

 

影響度

 

①事業継続性

②経済的損失

③信用毀損

大規模な業務の停止

年間10億円以上

組織に係る不正・法令違反

中規模な業務の停止

年間3億円以上10億円未満

従業員に係る不祥事

小規模な業務の停止

年間3億円未満

外部からの誹謗中傷

 

 

※2 発生可能性(横軸)

 発生可能性については、当社の見解に基づき、予想され得る発生頻度を考え測定します。

発生可能性

10年に1回未満

10年に1回以上

3年に1回以上

 

 

 

 

 ③ 各リスクのリスクシナリオと対策の状況

 各リスクのリスクシナリオ及び対策は以下の通りです。なお、将来事項に関する記述につきましては当連結会計年度において当社グループが判断したものです。

 

<分類:災害>

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

A

自然災害リスク

リスクシナリオ

・大規模な地震や津波の発生、気候変動に伴う大型台風、洪水等の水害など様々な自然災害の発生のリスクが年々高まっており、製造拠点や販売拠点等が直接的な損害を受けたり、またはIT・システムの継続に支障が生じたり、販売・生産・物流インフラの機能が停止する等により、事業活動が中断し、業績に影響を及ぼす可能性があります。


・当社グループでは、先ず、本社及び販売拠点が集中している首都圏エリアにおいて、地震をはじめとした大規模災害等が発生した場合には、事業活動が中断することにより、業績に影響を及ぼす可能性、または資産が毀損する可能性があります。
 

・第二に、物流拠点が、大規模災害等により、建物が全壊または交通手段が遮断された場合には、当社グループ内外との間の受発注や物流に支障を来す可能性があります。

 

・第三に、海外製造拠点のあるフィリピン、海外製造委託先のある中国等アジア地域において、予期せぬ自然災害が発生した場合には、当社グループの設備面での直接的な損害のほか、原材料調達や工場操業の中断や遅延等により、多額の復旧費用が発生する可能性があります。また、自然災害の影響により製品の生産や物流に遅延や停止が発生した場合、業績への影響を及ぼす可能性があります。

対策

・大規模災害等発生時の対応をマニュアルとして整備した上で、BCP(事業継続計画)を策定しています。具体的には、危機管理対策本部の設置や、本社被災時の本社機能の移転、IT・システムの切替稼働等、様々な想定に基づいた事業継続の為のマネジメントに取り組んでおり、定期的な検証・改善を実施する事でBCPの実効性を高めています。全国各拠点の役職員が適切な行動を取れるよう定期的な訓練や教育を実施しています。
 

・物流拠点を横浜、大阪、新潟の三箇所に設置し、商材(備品)の分散保管を実施する等、大規模災害発生時における事業継続の体制を整えております。
 

・海外製造拠点では、一定の原材料在庫をストックすることで、予期せぬ自然災害による原材料供給の一時的な寸断に備えております。また、災害時のバックアップとなるよう、世界各国に分散している製造拠点と製造委託先において生産アイテムの共通化に取り組んでおります。

 

 

 

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

B

感染症リスク

リスクシナリオ

・感染力及び罹患した場合の重篤性からみた危険性が高い感染症の蔓延や、感染症に対する厳格な防疫措置政策の実践により、原材料の供給停止や工場の生産停止等、事業活動が中断し、業績への影響を及ぼす可能性があります。
 
・当社グループでは、先ず国内では、感染症の長期蔓延により、集団感染や行動制限等が発生した場合、事業活動全体が中断、または遅延する可能性があります。


・また海外では、生産拠点の所在地で大規模な感染症が流行した場合、自社工場や委託先工場の生産停止や遅滞等により、顧客への製品供給の停滞や遅滞等で業績への影響を及ぼす可能性があります。

対策

・当社グループでは、危機管理対策本部において国内における感染症の蔓延防止対策や発生時の対応について定期的に方針を決定の上、全役職員へ周知しています。また、全国各拠点での感染状況を本社にて一元管理し、人員調整や物資の支援等、必要な対策を講じています。
 
・また、海外では、各国政府の法令・指導に基づきながら、感染防止措置を講じておりますが、万一、生産停止や遅延等が発生した場合も複数の他拠点でカバーできる体制を整備しております。 

 

 

<分類:政治・経済>

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

C

政治リスク

リスクシナリオ

・グローバルで事業活動をおこなう企業にとって、拠点のある国や地域において、法規制等の政策の転換、政治・経済の混乱、テロ、戦争等が発生した場合、企業活動に予期しない影響を及ぼす可能性があります。
 

・当社グループでは、フィリピンの製造拠点やアジア地域の製造委託先等の拠点のある国や地域で、政治・経済の混乱、テロ、戦争、内乱、クーデター、日系企業への暴動等が発生した場合、製造拠点からの輸出入に影響が生じる等、事業活動が中断、停滞、または遅延する可能性があります。

対策

・グローバルで政治・経済情勢や法規制の動向を定期的にモニタリングし、エリア毎の事業環境の変化や業績影響を把握するよう努めております。
 
・また、カントリーリスクを分散させる為、製造拠点や製造委託先の複数国への設置や、一部国内移管にも取り組んでおり、今般、バングラデシュへの新工場設立に着手しました。

 

 

 

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

D

金融リスク

リスクシナリオ

・グローバルで事業活動をおこなう企業にとって、金利や外国為替相場の変動は業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 
・当社グループでは、生産活動の大半を日本以外のフィリピンの製造拠点及び中国等アジア地域の製造委託先で行っており、事業活動において製造原価及び製品の調達価格が為替レートの変動による影響を受けます。
 
・海外製造拠点の現地通貨建ての業績及び財産の状況が各会計年度の為替レートの変動による影響を受けます。中国等アジア地域の製造委託先からの製品調達は外貨建てで行っており、製品の仕入価格が為替レートの変動による影響を受けます。 

対策

・海外の製造拠点との輸出入における為替レート変動に伴う製造原価への換算影響を本社で把握し管理しております。
 
・また、製造委託先からの仕入れにおいては、スポットでの支払いではなく、予め決済に必要な数か月分程度の外貨を継続的に購入し、急激な為替変動リスクによる影響を軽減しています。 

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

E

市場リスク

    中

リスクシナリオ

・消費者ニーズ、トレンド、志向、購買行動の変化に伴い、市場全体の低迷、隣接市場の成長等の市場リスクは時々刻々と変化しており、その変化に合わせるように自らを変化させ適応できなければ業績に影響を及ぼす可能性があります。
 
・日本国内におけるヘアケア市場(毛髪業市場、植毛市場、発毛・育毛剤市場、ヘアケア剤市場)は育毛や発毛へのニーズの高まりやEC購買の増加等によって、医薬品販売やAGAクリニック等の異業種の参入が進んでいます。当社グループが属する毛髪業の市場規模は漸減しており、これに伴い、今後は同業他社のみならず異業種とも競合が激化する可能性があります。
 
・また、毛髪業以外の競合会社が既存の毛髪商品に限らず競争力のある新製品を発売した場合、また価格競争が更に激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・製販一体のビジネスモデルの強みを活かして、顧客のニーズをきめ細やかに汲み取り、競合に対していち早く競争力のある新製品・新サービスを市場投入する事で、継続的に顧客満足度を高めています。
 
・また、景気変動、社会情勢、マーケット動向、消費者ニーズ、他社動向等を適時適切にフォローし、組織・制度の見直し、商品開発・販売戦略・販促施策等に反映しています。特に中期経営計画、年度事業計画策定といった定期的な事業計画見直しの際に、外部環境の影響を精緻に捉えた戦略策定を実現するよう努めております。 

 

 

 

<分類:社会・技術>

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

F

レピュテーションリスク

リスクシナリオ

・マスコミ報道やインターネット上の書き込み及びデマ拡散等によって企業に関する否定的な風説や風評が広まり、企業の信用やブランドの価値が低下する可能性があります。特に近年ではSNSの普及により、個人による情報発信も容易になっているため、ネガティブな情報は瞬時に拡大し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 
・ 当社グループの主力製品であるオーダーメイドウィッグは顧客同士で情報交換がされにくいという特徴を有するため、当社に対する否定的な風説や風評が、マスコミ報道、インターネット上の書き込み等により流布した場合、顧客や社会はそれが正確な事実に基づいたものであるか否かの確認が難しい事から、ネガティブイメージの拡散によりブランド価値が毀損し当社グループの社会的信用を低減させる可能性があります。 

対策

 ・ブランド価値の維持向上のために事実関係を示すポジションペーパー、ステイトメント(声明文)を作成し、適切かつ積極的な外部への情報開示を行いネガティブイメージの拡散リスクを低減させるよう努めています。
また、外部に対しては、取引先企業及び人物の調査や、インターネットでの企業の悪評や誹謗中傷のチェック等、様々な経営リスクを回避すべくモニタリングを実施しています。
 
・更に従業員に対しては、ITリテラシーを高める教育コンテンツを定期的に発信するなど、内部からの情報漏洩リスクを低減させています。
 
・仮に風評被害が発生した場合には、レピュテーションリスクに係る法人向け保険への加入等により、業績影響を最小限に抑えるべく対策を講じています。

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

G

技術革新リスク

リスクシナリオ

・新技術による競争優位性の低下や既存技術の陳腐化等により、市場での競争力やブランド価値が低下し業績に影響を及ぼす可能性があります。
 
・当社グループの製品は、現時点で同業他社の技術と比べ優位性があると自負しておりますが、技術は日々進歩するものであり、同業他社にて当社を上回る技術が開発された場合、または異業種の技術革新により当社グループの顧客の購買動機を解消するような新商品が市場に投入された場合には、当社グループの競争優位性が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 

対策

・常に同業のみならず周辺領域の情報、マーケット動向、消費者ニーズを調査すると共に、対象顧客区分ごとに定期的な新商品投入を行うことで、技術の陳腐化、競争力の低下、ブランド価値の低下が発生しないように取り組んでおります。

 

 

 

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

H

IT・システムリスク

リスクシナリオ

 ・社会のデジタル化が進む中、第三者による不正アクセスやコンピュータウイルス等によるサイバー攻撃は世界的に増加傾向にあり、その攻撃手口も巧妙化してきています。また、企業におけるあらゆる事業活動がIT・システムに依存しているため、管理体制の不備等によってIT・システムが正常に稼働しなかった場合、事業の継続に大きな影響を及ぼします。
 
・当社グループにおいても、サイバー攻撃やIT・システムの管理体制の不備等によって、大規模なサーバーダウンやシステム障害が発生したり、重要データの改ざん、漏洩、消失等が発生した場合、事業活動が中断し、業績に影響を及ぼすだけでなく資産が毀損する可能性もあります。

対策

 ・IT・システムの管理体制としてはクラウドサービスを除く主要なサーバーはデータセンターに構築し、安定的に稼働できる体制を整えています。また、サイバーセキュリティ対策の維持、向上のため、脆弱性診断や脅威情報の収集・分析、定期的な訓練の実施等、コンピュータウイルス等の侵入の未然防止のみならず、外部からのサイバー攻撃に対する多層的な防御措置を講じています。また、IT・システムに不具合が発生した場合速やかなシステム復旧をおこなう等、運用・保守に係る社内の手続きを整備しています。

 

 

<分類:オペレーション>

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

I

情報漏洩リスク

リスクシナリオ

 ・企業の事業活動においては、経営上の機密情報、取引先の情報、顧客や従業員の個人情報等の様々な情報を取り扱っているため、厳格な情報の保護・管理が求められております。
 
・当社グループでは、様々な情報を保有しているため当社もしくは業務委託先より外部に情報が漏洩した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループが個人の身体的特徴等の機微情報を取り扱っている事から、顧客の個人情報の漏洩が発生した場合には、その補償等による直接的な損害のみならず、社会的信用が大きく失墜する可能性があります。

対策

・情報管理については、社内管理体制の整備や従業員への教育等の対策を講じております。社内管理体制の整備については、ネットワーク及び取り扱う情報資産を適切に保護するための基本事項を定めており、重要データへのアクセス権限の設定、業務用端末における外部記憶媒体の利用制御、会社指定デバイス以外からの社内環境への接続制限等、利用者以外がアクセスできないような措置を講じています。また、業務委託先での個人情報管理については、当社の定める個人情報保護基準の充足確認や、定期的な委託先の見直し等をおこない、厳しく選定・管理をおこなっています。当社は取得した個人情報の保護に最大限の注意を払い、2006年にプライバシーマークを取得し、以後定期的に更新取得しております。
 
・また、従業員に対しては、ITリテラシーや個人情報への理解を深める教育コンテンツを定期的に発信すると共に、定期的な自己点検や内部監査等も実施し、情報セキュリティ意識を向上させ、内部からの情報漏洩リスクを低減させています。 

 

 

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

J

人的資本リスク

リスクシナリオ

・少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリアや働き方に対する価値観の多様化等により、人財の「質」と「量」の獲得競争が激化しています。
 
・当社グループでは、顧客の対応に当たるスタイリストは理美容師免許を有していることが必要であり、また今後の事業拡大のためには、海外事業や新規事業に対応する人財、DXスキルを保有する人財の確保に加え、将来の経営の意思決定を担う重要ポジションの充足が必要です。しかしながら、当社グループがこれらの必要な人財を一定数確保できない場合、事業戦略の遂行等が計画通りに進まず業績に影響を及ぼす可能性があります。
 
・また、人事制度の設計・運用や人財施策が不十分である場合、またはその人財が十分に力を発揮できる組織や環境を構築できない場合には、従業員のエンゲージメントが低下し離職が増加する等、業績に影響を及ぼす可能性があります。 

対策

・経営上の重点施策として人的資本への投資に努めており、安定的な採用体制の構築を進め、新卒採用、経験者の中途採用を計画的に行っております。人材育成方針に基づき、人財への積極的な教育投資にも努めており、社内での教育研修制度を確立し、現場及び本社の次世代リーダー人財の育成を進めています。また、経営上の根幹に係る重要職務分掌を特定の人物に依存しない組織体制の構築や、各世代のキャリア意識醸成に継続的に取り組んでいます。
 
・また、社員の定着化に向けて、人事制度や人財施策の見直しを積極的に進めています。具体的には、労働市場の動向等を鑑み、人事制度の改定や拡充、処遇の改善等人事制度の構築にも取り組んでおります。
更には、多様な人材がワークライフ・バランスを整えながら活き活きと働けるよう、様々な取組を行っております。具体的には、健康経営の推進や、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」の認定の取得、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん」の認定の取得等、ダイバーシティ・マネジメントを推進しております。 

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

K

コンプライアンスリスク

リスクシナリオ

 ・企業のコンプライアンスに係る社会的な要請は年々高まっており、当社グループとしても、法令遵守や人権尊重を実践しながら、健全な事業活動を行う必要があります。
 
・当社グループ、もしくはその役職員が、法令違反、ハラスメントの発生等のコンプライアンス上の重大な問題を引き起こした場合には、社会的信用の失墜のみならず、業績に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・アートネイチャーグループのモットーである「ふやしたいのは、笑顔です」の下、広く社会から信頼される経営や企業活動、また働き甲斐のある職場づくりのために「アートネイチャーグループの行動規範」を制定し、法令等のルールや企業倫理を十分に認識し業務の遂行に努めています。また、年2回のコンプライアンス委員会の開催、コンプライアンス・リーダーの任命、役職員に対しての情報周知や講習等を通して、コンプライアンス意識の維持向上をしております。
 
・仮に、役職員によるコンプライアンス違反の疑い等の発生、もしくは発生の可能性がある場合には、社内外の相談窓口の設置等により、通報・相談しやすい体制を整備しています。 

 

 

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

L

知的財産リスク

リスクシナリオ

・顧客価値の源泉となる独自の知的財産については、その特性に応じた適切な保護・管理が企業にとって必要となっています。
 
・当社グループの製品ブランド及び関連する商標権や製品技術の特許権等の知的財産権に関して第三者による侵害が生じた場合、当社グループは適切な対抗措置をもって対応しますが、これが認められなかった場合、損害を被る可能性があります。
 
・一方で、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、その補償が必要となり、社会的信用の失墜のみならず、業績に影響をもたらす可能性があります。 

対策

・保有する知的財産権については、その特性に応じて適切な保護・活用を行っております。一方で、他社が保有する知的財産権については 、 製品開発の各フェーズで入念な調査・確認を実施し、その権利を侵害していないかを確認の上で商品化しております 。
 
 ・万一、他社から知的財産権の侵害を指摘された場合には、非侵害の主張等の交渉・訴訟対応を行うための専門人財を配置するとともに、その事案に応じて、弁護士、特許事務所と連携し適切に対応する体制を整えております。

 

 

<分類:製品・製造>

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

M

製造物責任リスク

リスクシナリオ

・製品およびサービスに欠陥が発生した場合、企業はその欠陥に起因した損害に対して賠償責任を負い、対応費用の発生やブランド価値の毀損等が発生する可能性があります。
 
・当社グループが開発、製造する全ての製品や備品について、製造物責任賠償のリスクを内包しております。特に当社グループの主力製品であるオーダーメイドウィッグは頭部に直接装着するため、万一、製品の欠陥、設計不良、品質不良等により、顧客の健康に多大な影響等を及ぼした場合、その補償や社会的信用の失墜のみならず、業績に影響を及ぼす可能性があります。

対策

 ・製品、備品の開発にあたってはパッチテストを行う等、品質、安全性を検証しております。主力製品であるオーダーメイドウイッグにおいては社員モニターによる実使用検証を行い、装着感のみならず使用時に起こりうる不具合の検証等も行っております。
 
・また、顧客との契約締結時には丁寧な製品説明と共に、一部製品については事前にパッチテスト等を実施しております。更には、発売後も製品、備品等アイテム区分ごとに、全国の店舗で発生したユーザーからの声を共有する体制を構築しており、その声に応えるべく改善に取り組んでおります。なお、万一、問題が発生した場合には、製造物責任による損害賠償請求に備え、保険への加入により、業績影響を最小限に抑えるべく対策を講じています。

 

 

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

N

サプライチェーンリスク

リスクシナリオ

・グローバルで事業活動を行う企業にとって、自然災害や感染症等の環境要因、テロ、戦争や政治的な不安等の地政学的要因、サイバー攻撃やシステム障害等の技術的要因等によって、各国、各地域における仕入、調達、在庫、生産、販売に係る物流上の問題が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 
・当社グループにおける主力製品のサプライチェーンはグローバルに展開しておりますが、何らかの要因により物流上の問題が発生した場合、製品出荷の遅延や停滞等が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 

対策

・仕入、調達、在庫、生産の状況を常にモニタリングしており、サプライヤーと共有しております。また、主力製品であるオーダーメイドウイッグの原材料は、原則として国内複数業者から仕入れる方針としており、品質の維持のみならず、安定的な仕入を実現しております。また、各拠点で発生する局所的な災害等へ対応できる体制を整備しています。

 

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

O

生産リスク

リスクシナリオ

・グローバルで事業活動を行う企業にとって、原材料の調達不能や価格高騰、設備の老朽化、生産効率や操業度の低下等、生産に伴うさまざまなリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 
・当社グループにおいては、為替の影響により原材料調達コストが変動する場合、または製造拠点の人件費や物価の高騰等により製造コストが変動する場合、製造原価が引きあがり、利益を圧迫する等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 

対策

 ・原材料の仕入・調達や製造に係るコストの増大に備える為、製造拠点や製造委託先を複数国に設置し、各国の情勢をモニタリングすることで、リスク低減に努めております。
 
・また、更なる供給体制の安定化に向けて、より安価、安定的に仕入・調達が可能な代替原材料の探索や、生産工程の一部機械化の本格導入へ向けた取り組みなど、生産性と品質の向上を両立する生産体制を目指しています。
 
・なお、製造原価が利益を大きく圧迫する状況となった場合、適正利益を確保できるよう製品等の価格改定を検討してまいります。

 

 

 

 

 

<分類:財務>

 

記号

リスク項目

影響度

発生可能性

P

投資リスク

リスクシナリオ

・新規事業や設備、新商品の研究開発や、新規システム導入等への投資のほか、他社との連携や企業買収等、事業投資の失敗に伴い、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 
・当社グループでは、事業の拡大のため、店舗の新規出店、移転・リニューアルに係る投資を積極的に行っていますが、事業環境の変化等から、一部投資額を回収できなかったり、店舗減損等の損失が発生する可能性があります。
 
・また、積極的なM&Aや事業提携などの戦略投資を図っておりますが、M&Aや事業提携において予想出来ない不確実な要素が顕在化した場合、あるいは想定外の事象や環境変化が発生した場合、当初意図した成果が得られなかったり、潜在リスクが顕在化する等により、のれんの減損、追加費用の発生等が発生する可能性があります。 

対策

 ・新規出店、移転・リニューアル等に際して、投資額に応じた会議体において、出店物件の概要、店舗の事業計画、本社の支援策等を踏まえ、損益計画の妥当性及び投資回収の実現性等を審議した上で、投資判断を行っております。
 
・また、他社との資本提携や企業買収等に際して、対象会社の財務内容や契約内容の確認、経営者との面談等の事前審査を基に、当社との戦略の適合性、事業計画の蓋然性、投資額の妥当性、シナジー効果やリスク度合いを考慮した上で、投資判断を行い、リスク対策を講じております。投資後も他のグループ会社と同様に、経営成績やガバナンス状況等を確認し、必要に応じて適切な対応を実践しております。

 

 

 

 (2)TCFDの提言に基づく「気候変動リスク」

 当社は、この度、自然災害リスクに内包されている気候変動リスクについて、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)*1の提言への賛同を表明しています。気候変動に真摯に向き合い、事業に影響する機会・リスクへの理解を深化させ、TCFD提言に基づく気候変動関連の積極的な情報開示に努めてまいります

 TCFD提言は、気候変動に伴うリスクと機会が財務を含む会社経営にどのような影響を及ぼすかを的確に把握すべく、4つの開示要素である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に沿って情報開示することを推奨しています。当社は、TCFD提言が求める4つの情報開示項目に基づいた情報開示の更なる拡充に取り組んでまいります。

[注]*1Task Force on Climate-related Financial Disclosures:2015年に金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動が事業に与えるリスクと機会の財務的影響に関する情報開示を企業に推奨する国際的イニシアチブ。

 

  ① ガバナンス

当社では気候変動・環境への対応を経営上の重要課題と認識しています。その諸課題については、代表取締役会長兼社長を最高責任者とするリスクマネジメント委員会が、社内各部署と連携し、具体的な対応方針を協議・決議します。リスクマネジメント委員会での協議・決議事項については少なくとも半年に1回、取締役会に上程または報告されます。取締役会は業務執行において協議・承認されたサステナビリティ推進に関する取り組み施策の進捗を監督し、少なくとも年に1回気候変動に関する議題を取り扱います。

また、代表取締役会長兼社長は、リスクマネジメント委員会の最高責任者として、気候変動課題を含む、外部環境や経営環境の変化に伴い発生が予想される様々な全社的リスクマネジメントの最終的な責任を負っています。

 

 

サステナビリティ推進体制

 


 

 

 

サステナビリティ推進体制における会議体とその最高責任者、開催頻度及び役割

 

会議体および体制

最高責任者

開催頻度

役割

取締役会

代表取締役会長兼社長

毎月1回

経営方針や重要な経営事項を審議・決定する。また、業務執行において協議・承認されたサステナビリティ推進に関する取り組み施策の進捗を監督する。少なくとも年に1回気候変動に関する議題を取り扱う。

リスクマネジメント委員会

代表取締役会長兼社長

半年に
1回

気候変動課題を含む、外部環境や経営環境の変化に伴い発生が予想される様々な全社的リスクを特定・評価し、特に重要なリスクについては具体的な対応策を協議する。決議事項や報告事項については少なくとも半年に1回、取締役会に上程または報告する。

リスクマネジメント委員会事務局

(経営企画部)

 

リスクマネジメント委員会運営に際しての事務局機能を担う。リスクマネジメントへの取り組みの全体計画などの枠組み立案、推進組織の運営、助言を行う。

 

 

  ② リスク管理

当社では、代表取締役会長兼社長を最高責任者とする「リスクマネジメント委員会」にてリスク管理を行っています。リスクマネジメント委員は、まず各部と協議の上で事業運営に影響を及ぼしうるリスクを抽出・特定し、続いてそのリスクの優先順付けをしたのち、特に重要なリスクに関しては具体的な対応方針を協議します。

リスクマネジメント委員会は協議・決議事項を、少なくとも半年に1回取締役会へ上程・報告します。気候変動関連リスクについても、リスクマネジメント委員会が全社的なリスク管理プロセスに統合して管理を行っています。

 

 


 

  ③ 戦略

当社では、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク・機会の把握を目的にシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関 (IEA) 等の科学的根拠等に基づき1.5°Cシナリオと4°Cシナリオを定義し、2030年(移行リスク)と2050年(物理リスク)時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。

 

 

シナリオ群の定義

 

項目

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

対象範囲

海外連結子会社まで

対象年

移行リスク:2030年,物理リスク:2050年

主な参照先

移行面

IEA NZE*1

IEA STEPS*2

物理面

IPCC SSP1-1.9*3

IPCC RCP8.5*4

 

 

*1 IEA NZE(Net Zero Emissions by 2050 Scenario):IEAが示した世界のエネルギー部門が2050年までにCO2排出量をネットゼロにする道筋を示す規範的なシナリオ

*2 IEA STEPS(Stated Policies Scenario):IEAが示した各国政府が公表している政策を反映した保守的なシナリオ

*3 IPCC SSP1-1.9:IPCCの第6次評価報告書にて示した気温上昇 を約 1.5℃以下に抑える気候政策を導入することで、21 世紀半ばに CO2 排出が正味ゼロとなり、世界の平均気温が産業革命前に比べて 1.0~1.8℃(平均 1.4℃)に抑えるシナリオ

*4 IPCC RCP8.5:IPCCが第5次評価報告書にて示した21世紀末(2081~2100年)に世界の平均気温が産業革命前に比べて3.2~5.4°C(平均4.3°C)上昇するシナリオ

 

 

リスク機会の特定及び評価

 当社は、2022年度より当社の海外連結子会社までを対象に気候変動に関連する移行・物理リスクを精査し、事業への影響度を評価しています。その結果、自社に関連のあるリスクとして「炭素価格」「プラスチック規制」「エネルギーミックス」「異常気象の激甚化」を特定しています。2023年度には、2022年度において影響度が大きいと評価したリスクを対象に定量的な分析に基づく再評価を行いました。その結果、各移行・物理リスクによる財務的な影響度は「小」であると評価しました。今後も自社に関連性のあるリスクの低減および気候変動によって生まれる事業機会の獲得については継続的に行っていきます。

 

[影響度]

大: 大規模な業務の停止

中: 中規模な業務の停止

小: 小規模な業務の停止

 

[世界観]

1.5℃の世界観 (移行リスクは2030年、物理リスクは2050年):

・炭素税の導入等、厳しい気候変動対策を実施し、抜本的な社会変革を達成

・CO2排出規制/プラスチック規制/気候関連開示義務の強化、EV補助金促進

 

4℃の世界観 (移行リスクは2030年、物理リスクは2050年):

・厳しい気候変動対策実施せず

・CO2排出規制/プラスチック規制/気候関連開示義務の強化なし

 

 

 

リスク機会一覧

影響度および発生可能性をもとに重要度の高い気候変動関連リスク・機会を特定しました。

 

リスク/機会

項目

事業インパクト

1.5℃

4℃

移行リスク

炭素価格

炭素税導入に伴い、自社におけるエネルギー消費に課税され、操業コストが増加する

小*1

小*1

移行リスク

プラスチック規制

プラスチック規制によって石油由来プラスチックではなくバイオ・再生可能プラスチックを利用する必要が発生し、調達コストが増加する

小*2

小*2

移行リスク

エネルギーミックス

エネルギーミックス(電源構成)の変化によって、電力価格が上昇し、操業コストが増加する(炭素税+再エネの比率が高まる)

小*3

小*3

物理リスク

異常気象の激甚化

異常気象の激甚化による、人工毛髪等の取引先の製造拠点被災の影響で、商品供給に支障が出る

小*4

小*4

物理リスク

異常気象の激甚化

異常気象の激甚化による、ウィッグの製造拠点被災の影響で、商品製造・供給に支障が出る

小*4

小*4

物理リスク

異常気象の激甚化

異常気象の激甚化による、配送拠点被災の影響で、在庫被害や商品供給への支障が出る

小*4

小*4

 

(財務影響評価の根拠)

*1 炭素価格による影響については2030年時点のScope1,2排出量に対して、1t-CO2あたりの炭素価格を乗じて試算。

*2 プラスチック規制による影響については2030年時点の人工毛髪購入量に対して、バイオ・再生プラスチック利用率および単価の上昇率を乗じて試算。

*3 エネルギーミックスによる影響については2030年時点の電力使用量に対して、エネルギーミックスの変化に伴う電力料金の変化率を乗じて試算。

*4 異常気象の激甚化による影響については調達先・製造拠点・配送拠点の浸水リスクを把握し、各拠点の営業停止に伴う想定被害額と洪水発生頻度を乗じて試算。各拠点の浸水リスクの評価については、国土交通省の浸水ナビ、世界資源研究所のAqueduct 3.0を使用。

 

 

 

対応策

気候変動によるリスクを低減しつつ、気候変動によって生まれる事業機会を獲得していきます。

 

項目

事業インパクト

対応策

炭素価格

炭素税導入に伴い、自社におけるエネルギー消費に課税され、操業コストが増加する

・店舗・事務所での省エネ設備の導入
・再生可能エネルギーへの切り替え
・EV車両の導入
・各国の炭素税等の環境規制に関する情報収集・対策

プラスチック規制

プラスチック規制によって石油由来プラスチックではなくバイオ・再生可能プラスチックを利用する必要が発生し、調達コストが増加する

・プラスチック利用の削減
・新素材の開発 

エネルギーミックス

エネルギーミックス(電源構成)の変化によって、電力価格が上昇し、操業コストが増加する(炭素税+再エネの比率が高まる)

・再エネ資源の推進による電力価格削減
・店舗・事務所での省エネ設備の導入 

異常気象の激甚化

・異常気象の激甚化による、人工毛髪等の取引先の製造拠点被災の影響で、商品供給に支障が出る

・異常気象の激甚化による、ウィッグの製造拠点被災の影響で、商品製造・供給に支障が出る

・異常気象の激甚化による、配送拠点被災の影響で、在庫被害や商品供給への支障が出る

・生産拠点の複数化
・原材料の調達先の多様化
・製品在庫の確保
・損害保険への加入
・BCP(事業継続計画)整備による
 レジリエンス強化 

 

 

  ④ 指標と目標

当社は、2021年度より気候変動関連リスク機会の評価指標として温室効果ガス排出量の算定を行っております。2022年度からはScope1,2排出量に加え、Scope3排出量の算定を実施いたしました。また組織範囲を国内のみからグループ全体へと拡大しています。

 

 

算定の前提と算定方法

[組織範囲] グループ全体

[時間的範囲] 各社の会計期間に従う

[温室効果ガス] 7ガス

 

 

Scope1,2排出量(tCO2eq)

 

2022年度

2023年度

組織範囲

国内

グループ全体

国内

グループ全体

Scope1

256

442

209

434

Scope2

5,729

6,881

5,576

6,734

合計*1

5,984

7,324

5,785

7,167

(参考)ロケーション基準*2

5,706

6,859

5,587

6,745

 

*1:マーケット基準で算定。マーケット基準とは、電力会社やメニューごとの排出係数を用いる算定方法。また購入した証書による削減も算定に含む。

*2:ロケーション基準:国や地域の平均的な排出係数を用いる算定方法。

 

 

Scope3排出量(tCO2eq)

 

2022年度

2023年度

Scope3合計

42,092

41,729

Cat1 購入した製品・サービス

33,683

31,757

Cat2 資本財

4,705

6,349

Cat3 Scope1,2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動

1,102

1,068

Cat4 輸送・配送(上流)

1,298

1,213

Cat5 事業から出る廃棄物

156

178

Cat6 出張

503

508

Cat7 雇用者の通勤

629

638

Cat12 販売した製品の廃棄

17

17

 

※1:Cat8,9,10,11,13,14,15については、事業との関連が薄い、もしくは関連がないため算定対象外としている

※2:2022年度においてCat12の活動量の集計に誤りがあったため、データを修正している。

 

 

削減目標

 当社では気候変動リスクを緩和するため、2021年度に当社単体を対象とする温室効果ガス削減目標を設定しました。2022年度より温室効果ガス排出量の算定対象範囲をグループ全体まで拡大したことを踏まえ、削減目標についてもグループ全体を対象とするよう見直し、2030年に2022年比で売上高あたりのScope1,2排出量を20%以上削減、2050年にカーボンニュートラルを達成するという目標を設定しました。目標達成に向け、省エネ活動や省エネ設備の導入・更新を推進し、再生可能エネルギーの導入も検討しています。

 

実績

目標

 

2022年度

(基準年)

2023年度

2030年度

2050年度

Scope1,2排出量(tCO2eq)

7,324

7,167

-

0

売上高(百万円)

43,209

42,850

-

-

売上高あたり(tCO2eq/百万円)

0.169

0.167

0.136

0

削減率(%)

-

1.3%

20%

100%

 

 

 

 

(3)人権の尊重

 ① 人権方針

 世界的に「ビジネスと人権」への関心が高まっており、当社グループは「人権の尊重」への取り組みを深化させるため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の指針に沿って、2023年4月に「アートネイチャーグループの人権基本方針」を制定しました。本基本方針は、当社グループのすべての役職員に適用します。また、当社グループの事業活動に関係するすべての取引関係者に対しても、本基本方針への支持を期待します。

※「アートネイチャーグループの人権基本方針」(当社ウェブサイト) 

  https://corp.artnature.co.jp/ja/sustainability/social/rights/policy.html

 

 ② 人権デュー・ディリジェンス

 当社グループの事業活動における人権リスクについては、人権に対する負の影響を特定・分析・評価し、その予防措置及び是正措置を講じています。その内容については、コンプライアンス統括室が取りまとめ、代表取締役社長を委員長とし、コンプライアンス担当役員、常勤監査役、管理本部長、経営企画部長および、社外ほっとライン窓口対応弁護士、その他委員長が任命する役職員を委員とするコンプライアンス委員会に少なくとも1年に1回報告し、さらに取締役会に報告する体制となっています。

 

<人権デュー・ディリジェンスの体制図>

 


 

 ③ 救済措置

 救済措置については、サプライヤーをはじめ、すべてのステークホルダーから当社グループの事業活動における人権侵害への苦情・通報を受け付け・対応する人権相談窓口を設置し、サプライチェーン全体での取り組みを強化しています。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと認識しており、経営基盤の強化、財務体質の強化及び将来の事業拡大のための内部留保の拡充を勘案しつつ、株主への安定配当の維持に努め、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

また、連結配当性向40%以上を基本に年間配当28円を下限として、連結業績に応じた配当水準の向上(1円単位で増配)を図ります。但し、ROE10%超を達成する迄は、連結配当性向50%以上を基本とすること等を配当方針として定めております。

当社は、「取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当をすることができる。」旨を定款に定めており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、当期の経営成績等を総合的に勘案した上で、中間配当14円、期末配当14円、1株当たり合計28円の配当を実施することを決定しました。

内部留保資金につきましては厳しい競合他社との競争に打ち勝っていくため、他社との差別化、営業力強化を図るべく店舗の移転・リニューアル、システム等に有効投資してまいりたいと考えております。

 

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2024年10月30日

455(注)

14

取締役会決議

2025年6月20日

455(注)

14

定時株主総会決議

 

(注) 配当金の総額には、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式638,400株に対する配当金8百万円(2024年10月30日決議)及び636,500株に対する配当金8百万円(2024年6月20日決議)を含んでおりません。これは、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する株式を自己株式と認識しているためです。