2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

内装建材事業 木構造事業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
内装建材事業 8,289 53.2 -22 - -0.3
木構造事業 7,291 46.8 -37 - -0.5
その他 12 0.1 4 - 33.3

3【事業の内容】

 当社の企業集団等は、当社及び関連会社1社の計2社により構成されており、集成材等を使用した住宅部材を品目別に生産販売しているほか、不動産の賃貸管理を行っております。

 当社の事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

 また、次の各事業は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 内装建材事業・・・・内装部材(階段・手摺・カウンター・和風造作材・框・洋風造作材)

 木構造事業・・・・・構造部材(プレカット加工材・住宅パネル)・施設建築

 その他・・・・・・・賃貸事業(不動産の賃貸管理)

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、雇用環境の改善及び賃上げの進展を背景に緩やかな回復基調を示したものの、物価上昇に伴う家計負担の増加により個人消費の回復は依然として力強さを欠く状況で推移いたしました。加えて、米国の通商政策の動向や長期化するウクライナ情勢に加え、本年2月に発生した米国・イスラエルによるイラン攻撃に端を発する中東情勢の混乱など、地政学的リスクの一段の高まりに伴う資源価格の高騰もあり、先行き不透明感は従来以上に増大いたしました。

 当社が属する住宅業界におきましては、年度前半の建築基準法改正に伴う住宅の構造審査義務化に起因する工期遅延等の影響は沈静化したものの、通年では金利上昇局面及び資材価格高騰を背景とした住宅価格の上昇による消費マインドの減退が重なり、新設住宅着工戸数は低水準で推移いたしました。また、このような状況を背景に価格競争の激化も進展するなど、極めて厳しい事業環境となりました。

 このような環境下、当社は成長戦略として掲げる「非住宅分野への事業領域の拡大」及び「省施工商品の充実化」に注力し、新たな需要創出と既存事業の付加価値向上に取り組んでまいりました。また、当事業年度のスローガン「Create New7〈2.0〉」のもと、提案力の強化や事業基盤の整備を進めるなど、中長期的な成長に向けた各種施策を推進してまいりました。

 内装建材事業におきましては、厳しい事業環境のもと、販売価格の適正化、原価低減及び生産性向上に取り組みに加え、既存事業の拡充及び基盤強化として、カウンターの生産性向上を目的としたオートランニングソーの新規設置を実施するとともに、階段事業における大手建材メーカーとの協業に向けた生産体制の整備を進めてまいりました。また、営業面においては非住宅分野への展開拡大に向け、店舗向け什器関連など新たな需要開拓を進め順調に推移しております。一方、主軸である戸建住宅市場における需要低迷が継続したことに加え、円安の進行など為替動向をはじめとする外部環境の影響もあり、収支改善は一進一退の状況で推移いたしました。特に第4四半期においては、想定を上回る需要減速により収益が圧迫されたことに加え、設備及び人員への先行投資も重なり、厳しい結果となりました。

 木構造事業におきましては、かねてより進めてきた一連の大型設備投資が完工し、10月より新プレカットラインの稼働を開始するなど、生産性向上及び増産に向けた体制整備を進めてまいりましたが、安定稼働に向けた設備調整等に想定以上の時間を要したことに加え、住宅市場低迷に伴う価格競争の激化によりコストアップの価格転嫁が難航し、プレカット事業は極めて厳しい結果となりました。一方、非住宅分野を担う建装事業においては、公共施設及び民間施設案件を中心に大型物件を含む複数案件を手掛け、住宅関連需要の停滞を補完する形で事業全体を下支えする結果となりました。また、パネル事業においては、省施工ニーズの高まりを背景にその特性を活かした事業運営が奏功し、パネル及び建装の両分野において、成長戦略である「省施工商品の拡充」と「非住宅分野への拡大」に貢献することができました。しかしながら、事業全体では主力であるプレカット事業の低迷の影響が大きく、収益面では課題を残す結果となりました。

 これらの結果、当事業年度の売上高は、155億89百万円と前事業年度と比較し1億70百万円(1.1%)の増収となりました。利益面では先に述べたとおり両事業部門ともに厳しい事業環境にあったことに加え、プレカットをはじめとする主力事業における収益改善が進捗しなかったことから、営業損失は56百万円(前事業年度は営業利益1億83百万円)、経常損失は60百万円(前事業年度は経常利益1億89百万円)、当期純損失は1億27百万円(前事業年度は当期純利益1億84百万円)となりました。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。また、セグメント間取引については、相殺消去しております。

(内装建材事業)

 売上高は、事業部全体が減少し、82億89百万円と前事業年度と比較し90百万円(△1.1%)の減収となりました。営業損失は、資材価格の高騰等の影響により、22百万円(前事業年度は営業利益13百万円)となりました。

(木構造事業)

 売上高は、プレカットが減少したものの、パネル及び非住宅物件等が増加し72億87百万円と前事業年度と比較し2億62百万円(3.7%)の増収となりました。営業損失は、資材価格の高騰及び価格競争の激化等の影響により37百万円(前事業年度は営業利益1億64百万円)となりました。

(その他)

 売上高は、12百万円と前事業年度と比較し2百万円(△14.8%)の減収となりました。営業利益は、4百万円と前事業年度と比較し2百万円(△33.7%)の減益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、4億54百万円減少し、7億43百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は2億64百万円(前事業年度は3億28百万円の収入)となりました。これは主に売上債権の減少3億36百万円及び減価償却費2億36百万円があったものの、仕入債務の減少4億65百万円、棚卸資産の増加1億52百万円及び税引前当期純損失89百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は6億74百万円(前事業年度比1億69百万円の支出増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6億22百万円及び無形固定資産の取得による支出34百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果得られた資金は4億84百万円(前事業年度比2億40百万円の収入増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出3億85百万円及び配当金の支払額89百万円等があったものの、短期借入金の純増額4億円及び長期借入れによる収入6億円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

内装建材事業(百万円)

8,047

100.5

木構造事業(百万円)

7,320

104.6

合計(百万円)

15,367

102.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。

2.金額は販売価格によっております。

 

b.商品仕入実績

当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

内装建材事業(百万円)

320

137.3

木構造事業(百万円)

合計(百万円)

320

137.3

(注) 金額は仕入価格によっております。

 

c.受注状況

当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

木構造事業

6,668

91.6

24

3.9

合計

6,668

91.6

24

3.9

(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.当社の受注生産品は、主に木構造事業であり、他は概ね見込生産品であります。

 

d.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

内装建材事業(百万円)

8,289

98.9

木構造事業(百万円)

7,287

103.7

  報告セグメント計(百万円)

15,577

101.1

その他(百万円)

12

85.2

合計(百万円)

15,589

101.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。

2.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の状況

当事業年度末における総資産は109億49百万円、純資産は60億97百万円、自己資本比率は55.7%となりました。

流動資産については、主に棚卸資産等が増加したものの、現金及び預金及び売上債権等が減少したことにより、61億68百万円と前事業年度末と比べ6億14百万円(△9.1%)の減少となりました。

固定資産については、主に両事業部門における設備投資により、47億81百万円と前事業年度末と比べ6億21百万円(14.9%)の増加となりました。

流動負債については、主に取適法の改正による支払条件変更に伴い仕入債務等が減少したものの、1年内返済予定の長期借入金及び設備関係未払金等が増加したことにより、30億25百万円と前事業年度末と比べ9百万円(0.3%)の増加となりました。

固定負債については、主に長期借入金及びリース債務等が増加したことにより、18億25百万円と前事業年度末と比べ2億13百万円(13.2%)の増加となりました。

このような財務基盤のもと、当社の事業方針及び施策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等 及び (3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上並びに財務上の課題」に記載のとおりですが、財務レバレッジとのバランスを鑑みながら、設備投資を中心に成長戦略への必要な投資を行ってまいります。

b.経営成績の状況

売上高については、物価上昇、米通商政策やウクライナ・中東情勢の混乱といった地政学的リスクの高まり、及び資源価格の高騰などにより、新設住宅着工戸数は依然として減少する状況が続いております。

このような環境下、内装建材事業では、販売価格の適正化、原価低減、生産性向上への取り組みに加え、大手建材メーカーとの協業を見据えた生産体制の整備、非住宅分野への需要開拓を進めてまいりました。

しかしながら、戸建住宅市場の需要低迷、特に第4四半期における想定を上回る需要減速が響き、82億89百万円と前事業年度と比較し90百万円(△1.1%)の減収となりました。木構造事業においては、住宅市場低迷に伴う販売価格競争の激化により価格転嫁は難航し、また、10月より新プレカットラインの稼働を開始し生産性向上及び増産に向けた体制整備を進めてまいりましたが、安定稼働に向けた設備調整等に想定以上に時間を要したことから厳しい結果となりました。一方、非住宅分野を担う建装事業において公共施設及び民間施設案件を中心に大型物件を含む複数案件を手掛け、住宅関連需要の停滞を補完する形で事業全体を下支えし、パネル事業も省施工ニーズの高まりを背景にその特性を活かした事業運営が奏功し、72億87百万円と前事業年度と比較し2億62百万円(3.7%)の増収となりました。その結果、全社では155億89百万円と前事業年度と比較し1億70百万円(1.1%)の増収となりました。

売上原価においては、内装建材事業は先に述べたとおり設備投資及び人員増による労務費等の増加、木構造事業においては大型設備投資導入における安定稼働に向けた設備調整等に時間を要したこと等により134億94百万円と前事業年度と比較し3億72百万円(2.8%)増加し、売上原価率は1.5ポイント増加し86.6%となりました。

販売費及び一般管理費については、輸送コスト等の増加により、21億51百万円と前事業年度と比較し37百万円(1.8%)増加となりました。

営業損失については、先に述べた売上原価の要因により、56百万円(前事業年度は営業利益1億83百万円)となりました。

経常損失については、営業損失に加え、長期借入金による金利上昇に伴い支払利息が増加し、60百万円(前事業年度は経常利益1億89百万円)となりました。

税引前当期純損失については、内装建材事業における先行の設備投資及び木構造事業における大型設備投資による既存設備等の廃棄費用が増加したことにより、89百万円(前事業年度は税引前当期純利益1億87百万円)となりました。

法人税、住民税及び事業税については、減益により課税所得が減少し15百万円と前事業年度と比較し1百万円(△10.5%)減少いたしました。また、法人税等調整額については、繰延税金負債が増加し22百万円(前事業年度は△14百万円)となりました。

この結果、当期純損失は1億27百万円(前事業年度は当期純利益1億84百万円)となりました。

なお、セグメント等の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、生産性向上や合理化を目的とした設備や施設への投資のほか、既存の設備及び施設の更新であります。

 今後の経営環境につきましては不透明感が強まっているため、資金調達の重要性を認識するとともに、自己資本の水準を維持しながら、投資及び配当政策等を行ってまいります。経営資源の配分につきましては、取締役会及び執行役員会で十分な検討を行った上で決定しております。

 なお、当事業年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社は事業活動の維持成長に必要な資金を確保するため、自己資金及び金融機関からの借入を有効活用しております。手元資金に関しては常に注視をしており、資金の流動性を確保しつつ資金の使途、調達を決定しております。

 なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は7億43百万円となっております。

 資金調達は、金融情勢の変化に対する対応と資金コスト削減及び調達構成のバランスを考慮し調達先の分散、調達方法及び手段等の多様化を図っており、原則として、運転資金については、短期借入金で調達し、生産設備などの長期資金は、社債や長期借入金で調達することとしております。2026年3月31日現在の短期借入金残高8億円(1年内返済予定の長期借入金含む)及び長期借入金残高15億25百万円の借入金総額23億26百万円を主力銀行をはじめとする金融機関から調達しております。なお、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引銀行と当座借越契約を締結しております。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。

当社は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与える見積りを行っております。また、貸倒引当金、固定資産、株式等、繰延税金資産、退職給付、偶発事象及び訴訟等に関して見積り及び判断を実績や状況に応じ合理的な判断により継続的に検証し評価を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

我が国経済は、米通商政策やウクライナ、中東情勢の混乱といった地政学リスクの高まり及び資材価格の高騰など、極めて不透明な経済環境が続くものと想定しております。

当社が属する住宅業界におきましても、住宅価格の高騰など引き続き新設住宅着工戸数は低水準で推移するとみられ、市況の悪化とともに関税の影響による木材資源の流通変化に伴う、更なるコスト増や調達難が懸念されるなど、これまで以上に厳しい事業環境が予想されます。

当社が、見積り及び判断により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は以下のとおりであります。

a.貸倒引当金

 当社は、債権の回収不能見込額について、一般債権は貸倒実績率、貸倒懸念債権等特定の債権は個別に回収可能性を検討し、不足分については追加計上しております。

b.固定資産の減損損失

 当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、グルーピングごとに営業活動から生じる損益が継続してマイナスである場合、市場価格が著しく下落した場合及び将来の使用が見込まれていない遊休資産等減損の兆候がある場合に減損損失の認識の判定を行い、投資額の回収が困難になった場合は、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額分を減損損失として特別損失に計上しております。

 また、回収可能価額については、正味売却価額又は使用価値により測定しており、合理的に算定された価額に基づき評価しております。

 なお、当事業年度末の固定資産の減損の認識の判定にあたっては、以下の仮定を用いております。

 長期化するウクライナや中東情勢の複雑化を含む地政学リスクの高まり、中国経済の回復の遅れに加え、米国の保護貿易主義への懸念や金融政策の不確実性など、世界経済全体の先行き不透明感が増しております。

 このような状況下で、市況の悪化と、関税やグローバルサプライチェーンの再編に伴う木材資源の流通変化による、更なるコスト増や調達難が懸念され、これらの影響は翌事業年度も続くものと想定しております。

 上記のとおり、非常に不透明な経済環境を背景とし、新設住宅着工戸数は減少傾向が予測されますが、経営目標及び重点課題を着実に実行していくことで、翌事業年度の売上高は増収を見込んでおります。

 減損の兆候の把握にあたり、これらも含めグルーピングごとの事業実態を慎重に検討し減損の兆候を判断しており、減損の兆候がある場合は、事業別の事業計画に基づき割引前キャッシュ・フローを見積り、減損の認識の要否を判断しておりますが、結果減損損失の認識はないものと判断しております。

 割引前将来キャッシュ・フローをはじめとする見積りや当該見積りに使用された仮定は、今後の市場動向、為替相場の変動や資材価格高騰等の影響を受ける可能性があり、主要な仮定に見直しが必要となった場合、翌事業年度の財務諸表において、新たに減損損失が発生する可能性があります。

c.株式の減損処理

 当社の財務諸表において、長期保有を目的とする特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式には、価格変動性が高い公開会社の株式と、非公開会社の株式が含まれます。当社は投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、株式の減損処理をしております。公開会社の株式の場合、通常、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合、2年間にわたり時価が取得原価に比べて30%以上50%未満継続して下落した場合、発行会社が債務超過の状態にある場合又は2期連続で損失を計上し翌期も損失が予想される場合において減損処理をしております。

 非公開会社の株式の場合、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合において減損処理をしております。

d.繰延税金資産

 当社の繰延税金資産については、将来減算一時差異の解消による課税所得との相殺により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲内で認識しております。繰延税金資産の回収可能性は、収益力に基づく将来の課税所得の見積額、タックス・プランニング及び将来加算一時差異の解消スケジュール等に基づいて判断しております。

 当事業年度の繰延税金資産は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に基づき、翌事業年度の課税所得の見積額に基づいて、翌事業年度の一時差異等のスケジューリングの結果、回収可能と認められる範囲内で繰延税金資産を計上しております。

 当事業年度末の繰延税金資産の回収可能性についての判断にあたって、当社の将来の収益に与える影響を客観的に予測することが困難であることから、以下の仮定を用いて作成した翌事業年度の事業計画を基礎とした課税所得の見積額に基づき、繰延税金資産の回収可能性について判断しております。

 長期化するウクライナや中東情勢の複雑化を含む地政学リスクの高まり、中国経済の回復の遅れに加え、米国の保護貿易主義への懸念や金融政策の不確実性など、世界経済全体の先行き不透明感が増しております。

 このような状況下で、市況の悪化と、関税やグローバルサプライチェーンの再編に伴う木材資源の流通変化による、更なるコスト増や調達難が懸念され、これらの影響は翌事業年度も続くものと想定しております。

 上記のとおり、非常に不透明な経済環境を背景とし、新設住宅着工戸数は減少傾向が予測されますが、経営目標及び重点課題を着実に実行していくことで、翌事業年度の売上高は増収を見込んでおります。

 翌事業年度の課税所得の見積額が減少し回収可能性がないと判断された場合は、繰延税金資産の取り崩しが発生し翌事業年度の利益金額に影響を及ぼす可能性があります。

 「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に詳細を記載しております。

e.退職給付

 当社は、従業員の退職給付費用及び退職給付債務について、年金数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。これらの前提条件の決定にあたっては、金利変動などの市場動向を含め、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断し決定しております。

 当社は、これらの前提条件の決定は合理的に行われたと判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 当社が目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、売上高営業利益率及びROE(株主資本利益率)としております。
 この数年、特に収益性改善に資する取り組みを進めておりますが、当社を取り巻く事業環境や事業領域を勘案し、まずは売上高営業利益率3%を目標とし、付加価値の高い製品の開発、新たな事業領域(非住宅分野)の拡充、二つの事業の融合によるシナジーの追求を図ってまいります。ROEに関しては、当社の規模感や今後の事業環境を鑑みて、自己資本は現状の水準を維持していく必要性を認識しており、効率的な資本政策と財務レバレッジとのバランスを鑑みながら、ROE5%以上を持続できる体制にすべきと考えております。当事業年度の経営成績につきましては、上記、「① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の状況」に記載のとおりであります。

指標

前事業年度

当事業年度

目標値

目標対比

売上高営業利益率

1.2%

△0.4%

3.0%

△3.4ポイント

ROE(株主資本利益率)

3.0%

△2.1%

5.0%

△7.1ポイント