2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,446名(単体)
  • 平均年齢
    38.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.1年(単体)
  • 平均年収
    6,662,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    4.8%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

当社は、1968年の創業以来、「常に一流を指向し、積極果敢に行動する」という基本理念のもと、受注から施工までの自社一貫体制を有する間仕切の総合メーカーとして成長してまいりました。建設業界の構造変化と労働環境の変化に対応し、持続的な企業価値向上を実現するため、2025年4月より、新人事制度を施行しております。

 

① 自律とチームワークを支える人材育成

変化の激しい市場環境において、業界の一歩先を行く付加価値を提供し続けるため、自律的に学び、チームで相乗効果を発揮できる人材の育成に注力しています。

この考えのもと、一人ひとりがプロフェッショナルとして自らのキャリアを切り拓くキャリア自律を支援しています。その取り組みの一環として、新入社員へのパーソナルコーチ制度や階層別教育を充実させ、心理的安全性を確保し成長できる環境を整えています。

また、営業・設計・製造・施工の各部門が連携し、部門の枠を超えてお客様への最適解を追求する全社最適の行動を促進するため、評価制度を通じた適切な動機づけを行っています。

 

② 専門性と多様性を尊重する複線型キャリアパス

多様な価値観を持つ人材が、個々の強みを最大限に活かして活躍できるよう、等級制度を刷新しました。

複線型等級制度を導入し、管理職層を「マネジメントコース」と、高度な専門性を発揮する「専門職コース」に分離しました。これにより、専門性を極めるキャリアパスを明示し、多様なキャリア志向に応えるとともに、組織全体の技術・提案力の高度化を図っています。

また、マネジメントの質の高度化を図るため、マネージャーの責任範囲を適正化し、1on1を通じたメンバーとの深い対話に専念できる体制を構築しました。経営方針を組織の末端まで浸透させ、メンバーと共によりよい組織を創り上げるマネジメントを推進しています。

 

③ 顧客満足(CS)と従業員満足(ES)の同時実現

「顧客に奉仕し、従業員の生活向上を図る」という基本理念に基づき、高い顧客満足度を支える従業員一人ひとりの働きがいを重視しています。新たな価値創造への挑戦を組織としてバックアップし、その成果とプロセスを公正に評価・処遇する仕組みを運用しています。

また、自社一貫体制を支える部門間連携の質を高めるため、対話を通じた相互理解を重視しています。現場の実態を尊重し、建設的な議論を推奨する風土を醸成することで、一人ひとりの積極果敢で主体的な行動を引き出し、組織全体の適応力向上につなげるとともに、明るい職場環境の実現を図っています。

 

④ 人材戦略を踏まえた従業員給与等の決定方針

当社は、人的資本を持続的な企業価値向上の源泉のひとつとして捉えており、人的資本への投資を促進するため、2025年4月より基本理念と連動した透明性の高い報酬体系を運用しています。

昇給および賞与の決定においては、経営方針を各組織の目標に落とし込み、その達成に向けた自律的な挑戦と成果を重視しています。部門を超えた全社最適の視点での行動および高い付加価値の創出に対し、その貢献度を公正に処遇へ反映させることで、組織全体のパフォーマンス向上を図っています。

また、マネジメントコースと専門職コースについては、各コースの役割に応じた賃金体系を確立しました。職責に応じた処遇差を明確化するとともに、従業員が主体的にキャリアアップを目指せる、納得感と透明性の高い報酬運用を徹底しています。

 

(2) 【従業員の状況】

 ① 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率(%)

1,446

(41)

38.1

14.1

6,662

4.8

 

 

事業の部門等の名称

従業員数(名)

販売・管理部門

798

(14)

技術・製造・工務部門

648

(27)

合計

1,446

(41)

 

(注) 1.従業員数は、就業人員であります。

2.当社は、単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

 ② 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は極めて安定しており、特記すべき事項はありません。

 

 ③ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1、3)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

1.9

48

80.4

80.9

57.2

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.管理職に占める女性労働者の割合についての補足説明

 当事業年度における女性管理職比率は1.9%となり、前事業年度の8.4%に対して大きく減少しました。これは、多様なキャリアパスの確立を目的とした2025年4月の新人事制度の施行によるものです。従来の制度では、単線型の等級構造に基づき、職務の習熟度が一定基準に達した社員を包括的に管理職層として定義しておりました。しかし、新人事制度では、個々の専門性をより高く評価・処遇するため、従来の管理職層の役割を複線化し、高度な専門技能を発揮する「専門職コース(非管理監督者)」と組織運営を担う「マネジメントコース(管理職)」に再定義しました。
 これにより、従来管理職層に含まれていた高度専門人材がその役割に即して「専門職コース」へ移行し、とりわけ女性社員の多くが専門職コースに配置されたため、女性管理職比率が前事業年度と比較し、大きく減少しました。

 なお、女性管理職比率の向上に向け、各種取り組みを行ってまいります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 3.人的資本に関する考え方及び取り組み」に記載のとおりであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

1.サステナビリティ全般

当社は「我が社の基本理念」に基づき、間仕切の専門メーカーとしてお客様の声やニーズを製品・サービスに反映し、より安心で快適な空間を提供することで社会に貢献するという基本姿勢を創業当初より受け継いできました。一方で、気候変動や人権といった社会課題の深刻化により、当社の事業領域における経営環境は創業当初と比べ大きく変わりつつあります。これを受け当社では、持続的な成長のロードマップとして2024年3月期から2028年3月期までの5ヶ年を対象とする中期経営計画「NEXT VISION 2028」を策定しました。計画達成に向け重要課題への取り組みと、中期経営計画において掲げる各施策の実行を通じて、更なる企業価値の向上と社会課題の解決に努めてまいります。

 

(1) ガバナンス

当社では、代表取締役社長をサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任者とするサステナビリティ推進体制を構築しております。

サステナビリティに係る当社の在り方を協議し、サステナビリティ経営を促進するため、サステナビリティ委員会(年4回開催)を設置しております。委員長は代表取締役社長、委員は取締役及び各業務部門の責任者で構成されています。

サステナビリティ委員会は以下の内容の協議等を行い、取締役会へ報告します。

① サステナビリティに関する重要課題の特定

② ①で特定した重要課題のリスク及び機会の識別

③ ②で識別されたリスク及び機会に対応するための戦略・方針・目標の策定、成果の確認及び見直し

取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。サステナビリティ委員会で協議・決定された内容の報告を受け、当社のサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての審議・監督を行っております。

 


 

(2) 戦略

当社は、企業価値向上と社会課題の解決のため、重点的に取り組む事項を重要課題として掲げています。重要課題の選定にあたっては、抽出した社会課題を「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社にとっての重要度」の2軸で評価し、サステナビリティ委員会での議論を経て、取締役会にて決議を行っております。

 

 


 

(3) リスク管理

当社において、全社的なリスク管理は、コンプライアンス・リスク管理委員会で行っておりますが、サステナビリティに係るリスク及び機会の識別、優先的に対応すべきリスク及び機会の絞り込みについては、サステナビリティ委員会の中でより詳細な検討を行っております。重要と識別されたリスク及び機会は、取締役会へ報告され、協議を経て戦略、計画に反映されます。対応状況はサステナビリティ委員会においてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されます。

 

2.気候変動への対応(TCFDに基づく情報開示)

(1) ガバナンス

気候変動に関するリスク及び機会については、「1.サステナビリティ全般」に記載の体制のもと、取締役会の監督の下で管理しております。具体的には、サステナビリティ委員会において当該リスク及び機会の特定・評価・対応方針の検討を行い、その結果を適宜取締役会へ報告することで、経営レベルでの監督及び意思決定に反映する体制を構築しております。

 

(2) 戦略

当社は、気候変動に関する重要な物理的リスク及び移行リスク並びに機会を特定し、それらが当社の事業活動及び財務に与える影響を踏まえ、対応方針を策定しております。シナリオ分析においては、主に移行リスクを対象として、当社製品全般に係る影響を定量的に評価しております。また、物理的リスクについては、気候変動に起因する大規模水害の発生を想定し、当該事象が当社の事業継続及び売上高に与える影響について分析を実施しております。

リスク項目

主なリスク・機会

リスク

機会

影響度

移行

リスク

政策・

法規制

リスク

炭素税・炭素価格

・GHG排出に炭素税がかかる。

 

環境配慮製品

・環境配慮製品の需要動向が売上高や営業利益に影響を与える。

技術

リスク

低炭素技術への

移行コスト(設備)

・設備投資の遅れにより生産コストが増加する。

・低炭素技術への移行の先行コストは多額を要する。

 

市場

リスク

生産原価増大

・調達コストが増加する。

 

物理的

リスク

急性

リスク

異常気象の激甚化

・豪雨や台風により生産拠点や営業拠点が被災することにより、建物・機械・什器備品・製品材料に被害が発生するとともに、売上の低下が起きる。

 

 

 

 

シナリオ分析

移行リスク算定フロー図


 

〈移行リスク〉

当社は、脱炭素社会への移行に伴う影響を把握するため、当社製品全般を対象として、以下の主要な要因に基づき分析を実施しております。

① 炭素価格(炭素税等の導入)

② 環境配慮製品への需要シフト

③ エネルギーコストの変動

④ 原材料等の調達コストの変動

これらの要因を踏まえた分析の結果、特に政策・法規制の変化に伴うリスク及び市場環境の変化に起因するリスクの影響が大きくなる可能性があると認識しております。

 

〈物理的リスク〉

当社は、気候変動に伴う物理的リスクを評価するため、IPCCが公表するシナリオ(4℃シナリオ及び2℃シナリオ)を参照し、分析を実施しております。具体的には、気候変動の進行により発生頻度及び規模の増大が想定される大規模水害(100年に一度規模)を想定し、当該事象が当社の事業拠点に与える被害及び売上高への影響について評価しております。また、分析期間を2050年までとし、想定水深等に基づく被害推計を行った結果、当社の事業活動及び財務への影響は中長期的に拡大する可能性があると認識しております。

 

(3) リスク管理

当社は、気候変動に関するリスク及び機会の識別・評価・管理について、「1.サステナビリティ全般」に記載の体制のもと、サステナビリティ委員会を中心に実施しております。必要に応じて適宜取締役会へ報告し、審議・監督を受ける体制としております。また、リスク及び機会の評価にあたっては、事業環境の変化や外部動向を踏まえ、継続的に評価手法の高度化を図ってまいります。

 

(4) 指標と目標

当社は、気候変動への対応として、温室効果ガス排出量の削減に関する中長期目標を設定しております。具体的には、2030年度におけるCO₂排出量を2019年度比で50%削減するとともに、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標としております。

 

これらの目標達成に向け、Scope1、Scope2及びScope3の排出量を指標として管理しており、当該実績については当社ウェブサイトにて開示しております。

https://www.komatsuwall.co.jp/sustainability/environment/climate/

 

なお、気候変動に関連するその他の指標及び目標についても、今後の事業環境や規制動向等を踏まえ、検討を進めてまいります。

 

3.人的資本に関する考え方及び取り組み

当社は、性別・国籍・雇用形態に関わらず多様な価値観をもった人材を登用し、従業員一人ひとりが個々人の能力を最大限に発揮し活躍することが、持続的な成長と中長期的な企業価値向上において極めて重要であると考えています。特に、製造業・建設業の業界特性上、職場のマイノリティになりやすい女性従業員に対しては、生き生きと働ける環境整備の他、トレーニング機会の提供など、従来以上の活躍支援が必要です。また、多様な背景を持つ中途採用者がもたらす新しい視点や発想は、当社の発展に必要な要素です。既に高水準で進んでいる中途採用者の活躍については、今後も適切な採用と育成を通じて、その水準の維持に取り組んでまいります。

 

(1) 戦略

当社は、多様性の確保に向け、以下の方針に基づき取り組みを進めております。

(人材育成方針及び環境整備方針)

1.積極的な女性採用を推進します。

2.女性従業員の育成を進め、管理職登用を推進します。

3.仕事と家庭の両立を支援し、働きやすい職場環境を構築します。

 

(具体的な取り組み)

① 新卒の女性採用を推進

新卒女性採用比率の目標を30%以上とし、女性の採用を推進しております。特に男性比率の高い営業部門において、新卒女性営業職の採用を強化しており、2025年度の営業部門における新卒女性採用比率は40.0%と、全体の目標値を上回る水準となっております。

 

② 仕事と家庭の両立を支援する社内制度の整備

従業員が安心して働き続けられるよう、仕事と家庭の両立を支援する各種社内制度を整備しております。

1)有給休暇制度の拡充

有給休暇の取得を促進するため、連続休暇制度、時間単位有給休暇制度、半日有給休暇制度を導入し、従業員が柔軟に休暇を取得しやすい職場環境の整備を進めております。

 

2)積立休暇制度の用途拡大

時効により失効する有給休暇を積み立てて、ケガや病気による長期療養時に活用できる積立休暇制度を導入しており、その用途の拡大を随時進めております。具体的には家族の看病・介護及び不妊治療、家族の施設・学校行事への参加等へと使用対象を広げております。

 

3)短時間勤務制度及び時差勤務制度の拡充

仕事と育児の両立支援の制度については、短時間勤務制度と時差勤務制度を導入しております。当社では対象となる子の年齢を順次拡大し、小学校6年生以下の子を養育する従業員まで利用可能としております。また、これらの制度は週単位で曜日毎に設定でき、併用も可能なため、従業員のライフスタイルに応じた柔軟な働き方を実現しています。

 

③ 次期女性管理職層の育成

女性管理職登用を推進する上で、次期管理職となる人材の育成を進め、公正な評価を徹底しております。その結果、次期管理職層と位置付ける等級の女性比率は、2020年度の12.3%から、2025年度には20.2%へと向上し、2025年度の全従業員に占める女性比率(21.2%)とほぼ同水準となりました。

 

 

(2) 指標と目標

当社では、人的資本に関する以下の指標及び目標を設定しております。

 

指標

目標

期限

2025年度実績

新卒女性採用比率

30%以上

38.3%

女性管理職比率

3%以上

2030年度

1.9%

中途採用管理職比率

40%以上

57.6%