2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

合成樹脂成形品事業 ベッド及び家具事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
合成樹脂成形品事業 315,942 89.5 49,016 89.1 15.5
ベッド及び家具事業 37,096 10.5 5,967 10.9 16.1

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社46社により構成されており、営んでいる主な事業内容と、当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

 なお、次の2部門は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(合成樹脂成形品事業)

 

 

工業用プラスチック・

ファスナー及びプラス

チック精密成形部品

 当社が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っているほか、株式会社ニフコ山形、株式会社ニフコ熊本、株式会社ニフコ北関東等が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っております。

金型

 

 そのほか海外でNifco America Corporation、Nifco U.K. Ltd.、Nifco Korea Inc.、東莞利富高塑料制品有限公司、台湾扣具工業股有限公司、Nifco (Thailand) Co.,Ltd.等が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っております。

 これらのうち一部について、当社と子会社間で相互に仕入れ、販売しております。

(ベッド及び家具事業)

 シモンズ株式会社がベッドの製造・販売及び家具の輸入・販売を行っております。

 そのほか海外でSimmons Bedding & Furniture (HK) Limited等がベッド及び家具事業を行っております。

 

 

 

 

 

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 連結子会社は次のとおりであります。

 

 

連結子会社

 

(1)  Nifco America Corporation

合成樹脂成形品の製造・販売

(2)  Nifco Korea USA Inc.

合成樹脂成形品の製造・販売

(3)  Nifco Central Mexico S.de R.L.de C.V.

合成樹脂成形品の製造・販売

(4)  Guadalupe Property & Assets, S.de R.L.de C.V.

合成樹脂成形品事業

(5)  Nifco Europe GmbH

合成樹脂成形品事業

(6)  Nifco U.K. Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(7)  Nifco Poland Sp.z o.o.

合成樹脂成形品の製造・販売

(8)  Nifco Korea Poland Sp.z o.o.

合成樹脂成形品の製造・販売

(9)  上海利富高塑料制品有限公司

合成樹脂成形品の販売

(10) 東莞利富高塑料制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(11) 台扣利富高塑胶制品(東莞)有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(12) 北京利富高塑料制品有限公司

合成樹脂成形品の販売

(13) 利富高(天津)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(14) 利富高(湖北)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(15) 利富高(江蘇)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(16) 利富高(塩城)精密樹脂制品有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(17) Nifco (HK) Ltd.

合成樹脂成形品事業

(18) 台湾扣具工業股份有限公司

合成樹脂成形品の製造・販売

(19) Nifco Korea Inc.

合成樹脂成形品の製造・販売

(20) Nifco (Thailand) Co.,Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(21) Union Nifco Co., Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(22) Nifco Manufacturing (Malaysia) Sdn. Bhd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(23) Nifco Vietnam Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(24) Nifco India Private Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(25) Nifco South India Manufacturing Private Ltd.

合成樹脂成形品の製造・販売

(26) PT.Nifco Indonesia

合成樹脂成形品の製造・販売

(27) 株式会社ニフコ山形

合成樹脂成形品の製造・販売

(28) 株式会社ニフコ熊本

合成樹脂成形品の製造・販売

(29) 株式会社ニフコ北関東

合成樹脂成形品の製造・販売

(30) シモンズ株式会社

ベッドの製造・販売、家具の輸入・販売

(31) Simmons Bedding & Furniture (HK) Limited

ベッド及び家具事業

(32) 上海席梦思床褥家具銷售有限公司

ベッド及び家具の販売

(33) 北京席梦思床褥家具有限公司

ベッド及び家具の販売

(34) 深圳席梦思床褥家具有限公司

ベッド及び家具の販売

(35) 席梦思床褥家具(蘇州)有限公司

ベッドの製造・販売

(36) Simmons (Southeast Asia)Private Limited

ベッド及び家具の販売

(37) 台湾席夢思股份有限公司

ベッド及び家具の販売

他9社

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(以下、当期という)におけるわが国経済は、デフレ脱却に向けて、企業の堅調さや家計における実質所得の改善など緩やかな回復を続けております。製造業においては、一部自動車メーカーの認証試験不正問題による生産と出荷の停止の影響を受けて景気が落ち込みましたが、それらが解除されていく中で底堅く回復しております。海外に目を転じますと、中国経済においては、景気の低迷を受けて、政府は景気刺激策を打ち出しておりますが、効果が十分に見られておりません。また、米国との対立による経済への影響は懸念すべき状況が続いております。今後、全人代にて掲げられる政策が中国経済へもたらすインパクトについても注目する必要があります。欧州経済については、ユーロ・英国圏においては、インフレ圧力の緩和を受けて個人消費が増加しており、景気は緩やかな回復基調にあります。それに伴う形でサービス業の業況も回復し、景気を牽引しております。一方で、製造業においては、資源高や主要輸出先である中国の景気減速の影響によってドイツ製造業生産の低迷が深刻化するなど、欧州製造業は足踏みする状況が長期化しております。米国経済においては、良好な雇用や所得環境による個人消費の伸びやAIなどのハイテク関連製造業における投資増加を背景に、強固な内需を中心に堅調に推移しております。しかしながら、自動車産業などの分野における製造業では、高金利などを受けて低迷が続いております。このように世界経済は、足元では持ち直しており、インフレ圧力の緩和による個人消費の良化やデジタル化の進展により、世界的にサービス業が好調を維持しております。一方で、製造業は、減産で停滞する不調な先進国と増産で成長を続ける好調な新興国とで二極化しつつあります。加えて、今後米国新政権による政策が世界的にもたらす影響への懸念が生じており、依然として先行き不透明な状況にあります。

 このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比5.0%減の3,530億3千8百万円となりました。営業利益は前期比12.0%増の492億円となりました。経常利益は前期比5.0%増の521億4千7百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比145.3%増の447億6千7百万円となりました。

 資産合計は、前期比5億8千9百万円減少し、3,798億1千6百万円となりました。負債合計は、前期比322億6千3百万円減少し、1,010億9千万円となりました。純資産合計については、前期比316億7千3百万円増加して、2,787億2千5百万円となりました。その結果、自己資本比率は72.4%、1株当たり純資産は2,888円37銭となりました。

 

  セグメントの経営成績を示すと次のとおりです。

 各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。

合成樹脂成形品事業

 合成樹脂成形品事業の売上高は前期比5.6%減の3,159億4千2百万円となりました。セグメント利益は、前期比14.4%増の490億1千6百万円となりました。

ベッド及び家具事業

 ベッド及び家具事業は、売上高は前期比0.5%増の370億9千6百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比8.8%減の59億6千7百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、542億1千7百万円の資金の増加となり、前期が472億5千7百万円の資金の増加であったことと比べて、69億6千万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加した ことや、売上債権の増減額が減少から増加に転じたこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、238億9千1百万円の資金の減少となり、前期が81億3千5百万円の資金の減少であったことと比べて、157億5千6百万円の減少となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、351億5千4百万円の資金の減少となり、前期が260億2千4百万円の資金の減少であったことと比べて、91億3千万円の減少となりました。これは主に、自己株式の取得による支出等によるものであります。

  以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末と比較して9億2千6百万円減少し、1,410億9千7百万円となりました。

③生産、受注及び販売の実績

  a 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

212,119

92.5

ベッド及び家具事業(百万円)

13,645

103.4

合計(百万円)

225,764

93.1

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  b 商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

16,748

78.5

ベッド及び家具事業(百万円)

3,194

96.3

合計(百万円)

19,943

80.9

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  c 受注実績

 当社及び連結子会社は受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の生産実績等を参考とした見込生産によっております。

 

  d 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

315,942

94.4

ベッド及び家具事業(百万円)

37,096

100.5

合計(百万円)

353,038

95.0

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債、偶発資産及び偶発債務並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。当社は、重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。

  a 棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の推定される将来需要及び市場状況等に基づく収益性の悪化について、評価減を計上しております。実際の将来需要又は市場状況等が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

  b 投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係の開拓・維持等のため特定の顧客の株式及び余資の運用としての株式等を所有しております。これら株式等には価格変動性が高い市場価格のあるものと、市場価格等の算定が困難である非公開会社が含まれております。当社グループは、原則として市場価格のあるものについては投資原価の下落率が50%以上のもの、また市場価格のないものについては、それら会社の財政状態が悪化し純資産の下落率が50%以上のものについて、それぞれ減損処理を行っております。また30%~50%程度下落したものについては、金額の重要性、回復可能性等を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

  c 退職給付費用

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。親会社及び一部の国内子会社の年金制度において、割引率は日本の国債の市場利回りをもとに退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は変更された場合、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産の運用率の低下は、当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。未認識の数理計算上の差異及び制度変更等による過去勤務費用にかかる償却は、年金費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や実際の結果との違いの影響を規則的に費用認識したものであります。

  d 有形固定資産の減損

当社グループは、自社利用の事業用資産については、事業所単位もしくは連結子会社単位で、賃貸用不動産、
遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っております。その上で、グルーピングごとに減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候が識別された場合には、将来キャッシュ・フローを利用して減損損失の計上の要否を検討しております。対象資産又は資産グループの業績が当初計画を下回り、回収可能価額が減少し帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(1)当連結会計年度の経営成績等

   当社グループの主要顧客であります自動車メーカーにつきましては、日本市場では、当連結会計年度において、対前年同期比で、生産台数は下回ったものの、販売台数は上回る結果となりました。海外におきましては、当連結会計年度の対前年同期比で、中国市場やインド市場では生産台数、販売台数共にやや上回る結果となった一方で、欧州市場では販売台数は上回ったものの、生産台数は下回る結果となっております。米国市場をはじめその他世界各国の市場においては生産台数、販売台数共に下回る結果となっております。

 

   このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比5.0%減の3,530億3千8百万円となりました。利益面では、ドイツ系OEM事業で苦戦を強いられておりましたNifco Germany GmbH、及びNifco KTW America Corporationの事業譲渡に加え、原材料費を含めた変動費の改善や、管理可能経費削減の取り組みなどにより、営業利益は前期比12.0%増の492億円となりました。経常利益は前期比5.0%増の521億4千7百万円となりました。また、訴訟に係る和解金などを特別損失として9億5千5百万円計上いたしましたが、政策保有株式の売却に伴い投資有価証券売却益などを特別利益として31億3千3百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比145.3%増の447億6千7百万円となりました。

  資産合計は、前期比5億8千9百万円減少し、3,798億1千6百万円となりました。主な減少要因としては、有形固定資産が107億3千1百万円増加したものの、投資有価証券が40億7千9百万円、売掛金が51億9千5百万円、現金及び預金が35億5千2百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

  負債合計は、前期比322億6千3百万円減少し、1,010億9千万円となりました。主な減少要因としては、借入金が154億5百万円、事業譲渡損失引当金が100億6千8百万円、繰延税金負債が26億7千5百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

  純資産合計は、前期比316億7千3百万円増加して、2,787億2千5百万円となりました。主として利益剰余金が381億6千4百万円増加したこと、及び円安により為替換算調整勘定が98億6千6百万円増加したことなどによるものであります。

  以上の結果、自己資本比率は前期比8.3ポイント増加し、72.4%、1株当たり純資産は2,888円37銭となりました。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因

a 経済状況

当社グループでは、自動車メーカー、特に主要日系自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にありますが、これら日系自動車メーカー向けの製品の需要は、世界経済の動向、特に主要市場である日本をはじめ米国、中国などの経済状況に影響を受け、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす場合があります。また、米国の関税政策の影響については現時点で適切に見積もることができず、今後も経営状況を注視してまいります。

当連結会計年度において、日本は一部自動車メーカーによる認証試験不正の発覚、天災・事故によるサプライチェーンの停滞等による減産が相次ぎ、生産台数は前年比減となりました。

b 原油及びナフサ価格の高騰

当社グループは、原油価格及びナフサ等の石油製品の価格が高騰し、その期間が長期に及ぶ場合には原材料価格の上昇により、経営成績に影響が生じる可能性があります。

当連結会計年度においては、原材料価格の市況変動適用拡大の交渉を推進し、高騰分の価格転嫁を実現しました。

c 取引先からの値引き要請

当社グループは、取引先からの価格値引き要請に対して生産コストの削減等の努力をしておりますが、予想以上に値引き要請が強い場合、経営成績に重要な影響を受ける場合があります。

当連結会計年度においては、値引き要請に応じると同時に、顧客の減産に伴う費用請求、エネルギー費や労務費高騰分の費用請求を実施し、様々な方法で価格転嫁への取り組みを推進しました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

  当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。これらの必要資金は、利益の計上から生み出した内部資金により賄っております。

  設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、国内、海外での積極的な設備投資については、状況に応じて社債発行及び外部借入で調達することとしております。

  当社グループは、健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び通常の設備投資資金を調達し、将来の成長のための投資及びM&A資金などについては、長期で低利な条件での調達を実施しております。

  これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び、設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。

 

(4)セグメントごとの経営成績等

a 合成樹脂成形品事業

〔国内自動車業界向け〕

 国内の自動車生産につきましては、一部自動車メーカーによる認証試験不正の新たな発覚とその対策としての品質を優先した生産体制、天災・事故によるサプライチェーンの停滞等による減産が相次ぎ、当社売上もその影響を受け減収となりました。しかし、新車立上げに伴う金型売上や電力料補填、材料費・労務費の価格転嫁等の貢献により、売上の通期合計は当初計画を上回る結果となりました。

 

〔海外自動車業界向け〕

 海外においては、韓国OEM向け事業は顧客の増産等により引き続き好調を維持し、北米において対計画比・前年比ともに増収増益を達成しました。また、日系OEM向けも、米国での顧客の好調な売上に支えられ増収増益を達成したほか、インド、インドネシアを中心に堅調さを維持し、全体として増収増益を果たしました。一方で、中国においては、日系OEMの販売不振により苦戦を強いられ、全体として前年比で減収減益の結果となりましたが、最適化を実行し対計画比では増収増益を確保しました。更に欧州においては、ドイツOEM事業の売却を完了し赤字事業を一掃しました。その結果、全体として減収増益となりました。今後は好調な韓国OEM事業や、北米、インドでの日系OEM事業への設備投資を増強するなどして、事業ポートフォリオの改善による更なる収益力の向上を目指してまいります。

 

〔その他業界向け〕

 住生活分野においては、国内新築着工戸数の減少が続く中で住宅設備部品の新規受注により対前年比で増収となりました。またスポーツ・アウトドア分野においては、欧米に加え中国などの外資ブランドへの積極的な営業活動によって対計画比・前年比共に大幅な増収増益を達成しました。

 

  以上の結果、合成樹脂成形品事業は、売上高は前期比5.6%減の3,159億4千2百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比14.4%増の490億1千6百万円となりました。

 

b ベッド及び家具事業

  ベッド及び家具事業は、国内においては原材料などの円安による原価アップや60周年記念商品の販売に伴い販売促進費用が増加するも、販売店向け及びホテル向けが好調に推移したことにより、増収増益となりました。一方、海外においては香港及び台湾にて小売り・ホテル向けが伸びたものの、中国が不動産不況による景気減速の影響があり、2024年8月に中央政府が打ち出した消費促進策も効果は限定的であり卸・小売りが落込みました。また、2024年1月にタイ工場を設立したことによる立上げ費用の影響もあり、減収減益となりました。この結果、ベッド及び家具事業売上高は前期比0.5%増の370億9千6百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比8.8%減の59億6千7百万円となりました。

 

(5)経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社は、2021年度より、3ヶ年計画はローリング型中期経営計画を採用しています。これは、各年度の実績及び取り巻く環境の変化を適宜織り込み、最も適した目標数値を示して目標の達成に臨むものです。

  当社は、顧客に対し、よりよい社会を創造し、顧客ニーズを解決する提案を行うことにより、社会的価値と企業価値の最大化を目指します。

 

 

2024年度実績

2027年度

目標

2024年度比

売上高

3,530億円

3,690億円

+4.5%

営業利益

492億円

534億円

+8.5%

営業利益率

13.9%

14.0%以上

+0.1%pts以上

当期純利益

447億円

350億円

-21.7%

ROE

17.3%

12~14%

-5.3 ~ -3.3%pts

ROIC

18.8%

18~20%

-0.8 ~+1.2%pts

営業キャッシュ・フロー

(3年間合計)

1,387億円

1,440億円

+3.8%

為替前提

1ドル=151.7円

1ドル=145円

 

(注)当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を指します。

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち、分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は、製品の種類・性質により、「合成樹脂成形品事業」、「ベッド及び家具事業」の2つの報告セグメントとしております。

 各報告セグメントに属する主要製品・サービスは以下のとおりであります。

(1) 合成樹脂成形品事業…工業用プラスチック・ファスナー、プラスチック精密成形部品等

(2) ベッド及び家具事業…各種ベッド、リクライニングチェアー等

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

 報告セグメントの利益又は損失は、営業利益又は営業損失であります。

 セグメント間の内部収益は市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

  前連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

(注3)

(注4)

連結財務諸表

計上額

(注2)

 

合成樹脂

成形品事業

ベッド及び

家具事業

合計

売上高

 

 

 

 

 

顧客との契約から生じる収益

334,729

36,910

371,639

371,639

その他の収益

外部顧客への売上高

334,729

36,910

371,639

371,639

セグメント間の内部売上高

又は振替高

0

0

0

334,729

36,910

371,639

0

371,639

セグメント利益又は損失(△)

42,840

6,544

49,385

5,459

43,925

セグメント資産

263,565

44,525

308,091

72,314

380,405

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

12,264

1,877

14,142

113

14,256

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

9,706

251

9,957

60

10,018

(注)1.セグメント利益又は損失の調整額△5,459百万円は、全社費用であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

  2.セグメント利益又は損失は、連結損益及び包括利益計算書の営業利益と調整を行っております。

  3.セグメント資産の調整額72,314百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産72,427百万円及びセグメント間取引消去△112百万円が含まれております。

  4.有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額60百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産の設備投資額であります。

 

  当連結会計年度(自2024年4月1日  至2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

(注3)

(注4)

連結財務諸表

計上額

(注2)

 

合成樹脂

成形品事業

ベッド及び

家具事業

合計

売上高

 

 

 

 

 

顧客との契約から生じる収益

315,942

37,096

353,038

353,038

その他の収益

外部顧客への売上高

315,942

37,096

353,038

353,038

セグメント間の内部売上高

又は振替高

315,942

37,096

353,038

353,038

セグメント利益又は損失(△)

49,016

5,967

54,984

5,783

49,200

セグメント資産

260,920

46,705

307,626

72,189

379,816

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

11,068

1,872

12,940

66

13,007

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

18,811

706

19,517

216

19,734

(注)1.セグメント利益又は損失の調整額△5,783百万円は、全社費用であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

  2.セグメント利益又は損失は、連結損益及び包括利益計算書の営業利益と調整を行っております。

  3.セグメント資産の調整額72,189百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産72,271百万円及びセグメント間取引消去△81百万円が含まれております。

  4.有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額216百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産の設備投資額であります。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

                                      (単位:百万円)

日本

 

中国

 

韓国

 

アジア

(注2)

アメリカ

 

北米

(注3)

欧州

 

その他

 

合計

 

104,672

42,550

46,777

38,169

72,957

16,669

46,562

3,280

371,639

(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

   2.アジアの数値は中国及び韓国の売上高を含んでおりません。

   3.北米の数値はアメリカの売上高を含んでおりません。

 

(2) 有形固定資産

                                     (単位:百万円)

日本

 

中国

 

韓国

 

アジア

(注1)

アメリカ

 

北米

(注2)

欧州

 

合計

 

39,698

10,471

9,628

12,552

9,612

3,799

11,190

96,953

(注)1.アジアの数値は中国及び韓国の有形固定資産を含んでおりません。

   2.北米の数値はアメリカの有形固定資産を含んでおりません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 売上高の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載していません。

 

当連結会計年度(自2024年4月1日  至2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

                                      (単位:百万円)

日本

 

中国

 

韓国

 

アジア

(注2)

アメリカ

 

北米

(注3)

欧州

 

その他

 

合計

 

104,747

41,308

44,827

39,833

71,719

19,956

28,908

1,737

353,038

(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

   2.アジアの数値は中国及び韓国の売上高を含んでおりません。

   3.北米の数値はアメリカの売上高を含んでおりません。

 

(2) 有形固定資産

                                     (単位:百万円)

日本

 

中国

 

韓国

 

アジア

(注1)

アメリカ

 

北米

(注2)

欧州

 

合計

 

39,611

11,226

9,448

14,512

11,579

9,819

11,487

107,685

(注)1.アジアの数値は中国及び韓国の有形固定資産を含んでおりません。

   2.北米の数値はアメリカの有形固定資産を含んでおりません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 売上高の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載していません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

合成樹脂

成形品事業

ベッド及び

家具事業

消去又は

全社

合計

減損損失

8,531

8,531

 

当連結会計年度(自2024年4月1日  至2025年3月31日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

 のれん

 

 

 

(単位:百万円)

 

合成樹脂

成形品事業

ベッド及び

家具事業

消去又は

全社

合計

当期償却額

354

354

当期末残高

 

当連結会計年度(自2024年4月1日  至2025年3月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。