2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,412名(単体) 8,886名(連結)
  • 平均年齢
    42.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.5年(単体)
  • 平均年収
    7,463,337円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    5.2%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

人的資本につきまして、当社は、ニフコグループのパーパス及び中長期計画を実現するための重要な経営資源と考えており、当社中期経営計画 "NIFCO GLOCAL STRATEGY"の長期ビジョンに基づき、「"アイデア"を"カタチ"にする」人材の創出を当社及びグループ会社の人材戦略の目標としております。

「"アイデア"を"カタチ"にする」人材を創出するためには、「多様な人材が持つ能力を最大限に開発し発揮させる、エンゲージメントの高い職場」が必要となりますので、当社グループの企業理念を浸透させた組織・人材の土台の上に、「人材育成」「DE&I」「従業員エンゲージメント」の3つを重要な柱とし、それぞれにおいて活動計画を策定し実行しております。企業理念を浸透させるための取組及び「人材育成」「DE&I」「従業員エンゲージメント」の3つの柱それぞれの取組の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する取組」を参照ください。

なお従業員報酬の決定方針は、日本及び各国における市場の報酬水準を定期的に精査し、個々の役割の大きさに応じて市場競争力のある水準となるよう定めています。

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

合成樹脂成形品事業

7,754

(2,938)

ベッド及び家具事業

961

(280)

全社(共通)

171

(-)

合計

8,886

(3,218)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含むほか、常用パートを含んでおります。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員、アルバイトを含み、常用パートは除いております。)は( )内に年間の平均人数を外数で記載しております。

なお、上記のほか関連会社等へ出向している従業員が14名おります。

2.全社(共通)として、記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

  平均年令(才)

 平均勤続年数(年)

 平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,412

(365)

42.5

16.5

7,463,337

5.2

 

セグメントの名称

従業員数(人)

合成樹脂成形品事業

1,241

(365)

ベッド及び家具事業

(-)

全社(共通)

171

(-)

合計

1,412

(365)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含むほか、常用パートを含んでおります。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員、アルバイトを含み、常用パートは除いております。)は( )内に年間の平均人数を外数で記載しております。

なお、上記のほか関連会社等へ出向している従業員が14名おります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として、記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

③ 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりません。

 ④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額  の差異

(a)提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)3.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

5.7

70.6

58.9

65.7

45.4

(注)4.

 

(注)1.管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

     但し、管理的地位にある労働者の定義は、弊社基準の算出として管理職級の専門職を含んでおります。また、2024年4月に導入した新人事制度により、管理職への登用準備が完了している準管理職層を除く実績値へ変更しております。

2.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.労働者の男女の賃金の額の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。(厚労省基準)

  管理職比率などに差異があることで1名当たり賃金に男女差がありますが、制度(人事体系、報酬、評価、人材育成)において性別による処遇差はありません。

4.年収格差の基準は厚労省基準とし、支援社員無期フルタイムは正規雇用に含んでおります。

 

<労働者の男女の賃金の額の差異についての補足説明>

  株式会社ニフコにおける労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者の58.9%、正規雇用労働者の65.7%)については、正規雇用労働者には支援社員無期フルタイムが、有期・パートには嘱託定年再雇用者(割合として男性が多い)が含まれており、これが影響しているため、以下に支援社員無期フルタイムを除いた正規社員の一般職(非管理職)の男女基本給月額の差異について記載します。当社は等級Gradeごとに賃金水準を設定しており、同一等級の基本給は下表のとおり男女ほぼ同等であります。

 

一般職

女性平均基本給/
男性平均基本給

G05

99.5%

G04

96.8%

G03

100.7%

G02

101.0%

G01

97.3%

※一般社員には5つの等級(G01~G05)があります。

 

(b)国内グループ会社

当事業年度

補足説明

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)3.

全労働者

うち正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

㈱ニフコ山形

0.0

100.0

46.4

79.4

62.8

(注)4.

㈱ニフコ熊本

0.0

90.0

44.1

74.1

59.9

(注)4.

シモンズ㈱

7.8

33.3

79.9

79.8

38.5

(注)4.

(注)1.管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.労働者の男女の賃金の額の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。(厚労省基準)

4.年収格差の基準は厚労省基準とし、支援社員無期フルタイムは正規雇用に含んでおります。

 

⑤ 従業員及び役員持株会制度

 当社は、従業員の経営参画意識醸成や資産形成意欲を高めることを目的に、1979年より従業員持株会制度を導入しております。2011年からは対象を国内グループ会社の従業員まで拡大して運用しております。

 各社の奨励金率と加入資格者に対する加入者率は下表のとおりです。

                                    2026年3月31日現在

 

奨励金率

加入資格者に対する

加入者率

㈱ニフコ

15%

88.4%

㈱ニフコ山形

10%

85.2%

㈱ニフコ熊本

10%

89.5%

㈱ニフコ北関東

10%

71.4%

シモンズ㈱

15%

96.5%

 

 また、当社は、中長期的な業績向上と企業価値向上に対する役員の貢献意欲を高め、株主との一層の価値共有を進めることを目的として、1991年より役員持株会制度を導入しております。2011年からは、対象を国内グループ会社の役員まで拡大して運用しております。

 2025年度(2025年4月~2026年3月)の従業員及び役員持株会での取得株式は、243,160株です。

 なお、当社は2022年から2025年まで従業員持株会員に対し、特別奨励金スキームによる株式付与を4回実施いたしました。上記の取得株式数は本スキームによる2025年の付与株式数 98,250 株を含みます。

 

⑥ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

 当社は、使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティに関する考え方

 当社グループは、「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」というパーパスのもと社会課題や顧客の困りごとをチャンスと捉え、「提案力」「グローバル展開力」「品質対応力」を強みとして、独創的かつ付加価値の高い製品を創り出します。また、環境・社会の変化を踏まえた価値提供の拡充により、社会課題の解決と事業成長の好循環を創出し、長期ビジョンである「"アイデア"を"カタチ"にする会社」の実現を目指します。更に、社会課題をチャンスと捉え、当社グループは、既存事業の進化に加え、未来を創る既存事業の発展(新規事業の創出)を通じて持続可能な社会への貢献を図ります。当社のサステナビリティ経営は、事業戦略を起点として財務戦略及びESG戦略を一体的に推進する枠組みのもとで推進されています。これら三位一体の戦略は、リスクと機会を適切に管理する各種委員会を通じて統合的に運営されており、経営計画との整合を図りながら継続的に高度化を進めています。

 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①サステナビリティに関するガバナンス

  当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制において、リスクの管理はリスクマネジメント委員会が、機会の管理はサステナビリティ委員会が担っています。サステナビリティ委員会はサステナビリティ全般に関する機会について議論を行い、重要課題の統制及び取組状況の管理を行ったうえで、その結果を経営会議に報告・提言します。リスクについては、リスクマネジメント委員会が総合的なリスク評価を行い、各主管組織の取組状況等を経営会議に報告・提言します。経営会議で議論されたサステナビリティ全般の機会とリスクは、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。2025年度のサステナビリティ委員会の開催状況については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要当該体制を採用する理由 イ.会社の機関の基本説明」をご参照ください。

 

  2025年度のサステナビリティ委員会の構成員は、社内取締役、常勤監査等委員、本部長、事業部長、カンパニー長、人事部長、法務室長、情報システム部長で構成されています。サステナビリティ委員会の委員長は、ESG推進室長が務めます。

 

 

 コーポレート・ガバナンスの体制図

 

②リスク及び機会の管理

  当社グループのサステナビリティ関連のリスクについては、リスクマネジメント基本規程に定めるリスク類型の枠組みの中に組み込まれており、全社リスクと一体的に管理しています。具体的には、対応を主管する各組織がリスクを識別・分析し、発生頻度と影響額の観点から評価を行った上で対応策を立案します。それらをもとにリスクマネジメント委員会が総合的なリスク評価と対応策の決定を行い、進捗を経営会議に報告・提言します。リスク対策の実行・運営は、リスクマネジメント委員会の指示のもと、主管する各組織にて行われます。

  サステナビリティに関する機会については、サステナビリティ委員会が統制を行います。2025年度にマテリアリティの改訂を行い、GRIやSASBなどの国際的なフレームワークを参照しつつ、社内の各本部長層の意見も踏まえ、定性的な観点から、気候変動・人的資本を含むサステナビリティ全般の重要な機会の識別・評価・見直しを実施しました。今後もサステナビリティ委員会を通じてこれらの機会の管理を継続し、進捗を経営会議に報告・提言します。機会に関する対策の実行及び運営は、サステナビリティ委員会の指示のもと、主管する各組織にて行われます。

 

③各重要課題の戦略及び目標と取組状況

[マテリアリティの特定]

  当社グループは、サステナビリティ経営の基盤強化を目的として、2020年にマテリアリティ(重要課題)を特定し、2025年度にその内容を改訂しました。

  マテリアリティの特定にあたっては、GRI・SASBなどの国際的なサステナビリティ開示フレームワークを参照したロングリストを起点に、社会・環境への影響の観点(インパクトマテリアリティ)と財務への影響の観点(財務マテリアリティ)の双方を踏まえて重要課題の絞り込みを行いました。その後、対応を主管する組織での検討を重ね、取締役会の承認を経て2020年のマテリアリティが決定しました。

  2025年度の改訂では、特定済みのマテリアリティ項目をベースとしつつ、事業環境の変化や社内各組織の取組状況を踏まえ、サステナビリティ委員会メンバー(社内取締役、常勤監査等委員、各本部長・事業部長等)が参画し、サブ課題の見直し、リスクと機会の再評価、中長期目標・数値目標(KPI)・主な取組みの追記・更新を行いました。

 本マテリアリティは、中期経営計画の実行とNIFCO GROUP VISION 2035及びパーパスの実現、ならびに持続可能な成長と社会的価値の創造を両立させていくことを目的としています。

 各マテリアリティ項目にはリスク・機会のオーナー部署を社内設定しており、リスクについてはリスクマネジメント委員会が、機会についてはサステナビリティ委員会が、目標達成に向けた計画及び進捗を定期的に委員会にてモニタリングします。

 当社グループのマテリアリティは以下のとおりです。なお、このうち財務的影響が特に大きいと判断した「気候変動に関する取組」「人的資本に関する取組」及び「その他の重要課題」について、以降に戦略・目標・取組状況を記載します。

 

2025年度 ニフコマテリアリティ

 

 

(2)気候変動に関する取組

  当社グループは、マテリアリティの一つに「気候変動への対応」を掲げており、その副次的な課題として「化石由来のCO2排出量削減」と「環境性能を向上させる製品の開発」を推進しております。そのため、国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析を実施しています。その結果、当社グループの気候変動に関するリスクと機会への中長期戦略として、カーボンニュートラルの実現に向けた取組の推進が重要であると認識しています。Scope1(自社における直接排出)及びScope2(自社が購入・使用した電力、熱、蒸気などのエネルギー起源の間接排出)のCO2排出量を指標とし、2050年にカーボンニュートラル実現を目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。

 

①気候変動に関するガバナンス

 気候変動に関するガバナンスは、ESG推進室が事務局を務めるサステナビリティ委員会において、主管する組織と連携し、シナリオ分析、リスクと機会の抽出、カーボンニュートラルの実現に向けた取組についての協議を行っています。そしてESG推進室が事務局となり、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律・地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、半期に1回、法令に対応する組織として環境推進委員会を開催し、計画に基づく進捗を管理しています。

 気候変動に関するリスクと機会は、サステナビリティ委員会にて議論され、取組状況を管理して、その結果を経営会議に報告・提言します。経営会議で議論された気候変動に関する議案は、サステナビリティ委員会を通して、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。

 

②カーボンニュートラルの実現に向けた戦略

 国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析の手法で導かれる2021年から2040年までの環境の変化予測に対して、当社は、気候変動に起因する事業リスク及び機会の分析・評価を行いました。その結果、当社グループの気候変動に関するリスクへの中長期戦略として、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進していくことが重要課題であると認識しており、Scope1及びScope2のCO2排出量を指標とし、2050年にカーボンニュートラル実現を目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。シナリオ分析の概要は次のとおりです。

 

 シナリオ分析の概要

対象範囲

グループ連結対象企業(ベッド及び家具事業を除く)

時間軸

現在~2040年

シナリオ構築

1.地球の平均気温の上昇を産業革命以前の水準から1.5℃以内に抑えるシナリオ(1.5 ℃シナリオ)

参照情報

・IEA※1 WEO2021 NZE、SDSシナリオ

・IPCC※2 第6次評価報告書 第1作業部会報告書より

SSP1-1.9、SSP1-2.6

2.地球の平均気温が産業革命以前の水準から4℃程度上昇するシナリオ(4℃シナリオ)

参照情報

・IEA WEO2021 STEPSシナリオ

・IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会報告書より

SSP2-4.5、SSP3-7.9、SSP5-8.5

・A-PLAT 推進費S-8気候予測データ RCP8.5

 

※1 IEA

International Energy Agency(国際エネルギー機関)。第1次石油危機後の1974年11月に、石油を中心としたエネルギーの安全保障を目的としOECD(経済協力開発機構)の枠内に設立された機関。現在は持続可能なエネルギー供給を目指し、気候変動の分析や省エネルギー政策、クリーンエネルギーの推進政策等に貢献。

※2 IPCC

Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)。各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることを目的として、1988年8月にWMO(世界気象機関)とUNEP(国連環境計画)により設立された政府間組織。気候変動に関する最新の科学的知見をまとめた報告書を作成。

 

 

<気候変動に関連して想定される事業環境の変化>

a 1.5℃シナリオ(気候変動への緩和)において想定される事業環境の変化

 1.5℃シナリオでは、自然環境は2040年ごろに平均気温が現在より1℃程度上昇し、台風や低気圧の風雨は強まり、洪水の発生頻度は現在の2倍程度になると想定されています。その激甚化する風水害に対して政府の投資が増え、CO2排出量削減に向けたより厳しい基準が企業に迫られるようになる可能性があると想定されています。世界的に気候変動への対応が進むことにより、自動車は化石燃料を用いる内燃機関が減少し、電気エネルギーを使う自動車へのシフトが進むとともに、これまでの自動車メーカー以外の新規参入企業の存在感が増していく可能性があります。顧客からは、化石資源を用いる内燃機関用の商品の発注が減り、電気エネルギーを使う自動車に必要な部品の発注が増えるとともに、環境負荷低減を前提に設計、製造された製品を求められることが多くなると考えられます。また、自動車のエンドユーザーの環境意識の高まりから、車の自己所有からシェアリングへのシフトが起こり、世界の自動車生産台数が減少する可能性があります。

 調達、製造においては、炭素税の導入により原材料の調達価格が上がり、また顧客からの要請により再生プラスチック、バイオマスプラスチックなどの原材料への転換が増えていく可能性があります。風水害の激甚化によるサプライチェーン、製造施設などの被災の可能性が高くなり、その場合は、イレギュラーな対応や操業停止を余儀なくされる事態が起こる可能性があります。

 

b 4℃シナリオ(気候変動への適応)において想定される事業環境の変化

 4℃シナリオでは、自然環境は2040年ごろに平均気温が現在より2℃程度上昇し、台風や低気圧の風雨は強まり、洪水の発生頻度は現在の4倍程度になると言われています。激甚化する風水害に対して政府の対策は強化される可能性があると言われています。気温上昇により、熱中症搬送者数は現在の2倍程度に増加するとともに、これまで少なかった蚊媒介の感染症なども増えていく可能性があります。

 化石資源の価格及びエネルギー料金は上昇していく可能性があります。また、風水害の激甚化によるサプライチェーン、製造施設などの被災頻度が高くなり、その場合は、イレギュラーな対応や操業停止を余儀なくされる事態が増加する可能性があります。

 

 以上のシナリオ分析より当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があると想定される市場リスク、市場/技術リスク、急性リスク、市場/製品/サービスの機会を抽出しました。カーボンニュートラルの実現の戦略として、これらのリスク及び機会に対応する取組が、主管する各組織において、通常業務の中で様々な形で実施されています。それらのうち、重要なものを以下の「④リスク及び機会に対する取組及び指標と目標」に記載しています。

 

③気候変動に関するリスク及び機会の管理

 ESG推進室が事務局となって主管する組織と連携し、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ下における環境の変化から、発生する可能性のある事業リスクと機会を抽出し、推測される財務への影響度について検討を行いました。その結果、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があると想定される市場リスク、市場/技術リスク、急性リスクを抽出しました。一方、その他の組織においても、当社グループの損失危機を管理するリスクマネジメント委員会の指示のもと、気候変動に関するリスクの発生頻度と影響額の評価や対応策立案等について分析・検討を行っています。リスクマネジメント委員会では、主管組織より報告された気候変動に関するリスクについて、総合的に評価し、管理しています。

 また、気候変動の機会についても同時に、シナリオ分析を経て、ESG推進室が事務局を務めるサステナビリティ委員会において、主管する組織と連携し市場/製品/サービスの機会を抽出し、対応を主管する組織において取組を行っています。サステナビリティに関する機会は、サステナビリティ委員会にて特定され、取組状況を管理して、その結果を経営会議に提言します。経営会議で議論されたサステナビリティに関する機会は、サステナビリティ委員会を通して、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。

 

④気候変動のリスク及び機会に対する取組及び指標と目標

a 気候変動に関するリスク及び機会の重要な取組と指標及び目標

 国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析の手法で導かれる2021年から2040年までの環境の変化予測に対して、財務面及び非財務面の両面から影響度の大きい気候変動のリスク項目を絞りこみ、検討を行いました。市場リスクでは、電気自動車の普及が進み、従来のエンジン周りの部品や給油口周りの部品など、ガソリン車特有の構造に関する機能部品が徐々に少なくなる可能性や、異業種からの自動車業界への参入が増え、異業種に納入していたメガサプライヤーなどが新たに競争相手となることが、中長期的に予想されます。市場/技術リスクでは、CO2排出量を抑えた代替製品の出現により既存及び新興の自動車メーカーでの当社グループの商圏が減少する可能性があります。急性リスクでは、暴風雨、雪、凍結等の気候の激甚化によりサプライチェーンの断絶が起こる可能性が高まり、それによって引き起こされる材料調達不足による顧客への供給リスク回避のために、高価な材料購入及び輸送費負担が増加する可能性があります。一方、市場/製品/サービスの機会として、CO2排出量削減を目的とした、より軽量な車や、電動車、再生可能エネルギー使用の機会などが急拡大することにより、モーター、バッテリー、電池(全固体電池含む)、ブレーキ周りなど、特有の機能部品の需要が拡大する可能性があると考えます。これらのリスク及び機会の主な取組は、対応を主管する各組織において、通常業務の中に様々な形で対応が取られています。これらの移行リスク及び物理的リスク、そして気候変動に伴う機会に関する全ての指標は、社内において定め、既に実行中ですが、事業戦略における重要性を鑑み、現在は非公開としています。今後、公開も視野に入れ慎重に検討していきます。

 

b 「2050年カーボンニュートラル宣言」を実現するための指標及び目標

 当社は、気候変動に対する中長期戦略として「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。CO2排出量削減に関する主たる指標としまして、Scope1とScope2を対象に、2030年に当社及び国内グループ会社において2020年比で33%削減、2050年にカーボンニュートラルを目指して取組を進めています。

 

2024年度のScope1及びScope2の排出量は、それぞれ576t-CO2、17,854t-CO2(合計18,430t-CO2)となりました。なお、本数値は当社及び国内グループ会社を対象としたものです。また、有報発行時点では2025年度の集計が完了していないため、本有報においては2024年度実績を使用しています。前年度(2023年度:合計19,874t-CO2)と比較して削減となっており、省エネ活動の成果が反映されています。

名古屋工場においては、2025年10月に、当社サプライチェーンにおける連携のもと、取引先の物流センター屋上を活用した再生可能エネルギーの供給を開始し、60Hz帯地域最大規模となる1.8MWの太陽光発電の自己託送及び余剰売電を開始しています。これにより、既設設備と合わせてScope2を6.2%削減(1,049t-CO2相当)する効果を見込んでいます。今後も継続的に再生可能エネルギーの導入を進め、早期にカーボンニュートラル達成モデル工場となることを目指しています。

また、ニフコ北関東においても、2025年10月よりオンサイト太陽光発電設備による自家消費を開始しました。引き続きニフコグループ全体で再生可能エネルギー比率の向上に取り組んでいきます。

 Scope3については、GHGプロトコルに基づき、主に発注金額を算出根拠として算定しています。2024年度の排出量は289,255t-CO2となりました。なお、本数値は国内単体を対象としたものです。また、発注金額を基礎とした算定方法の性質上、為替変動・資材価格・輸送費の変動により数値が影響を受けるため、実態のCO2排出量と乖離が生じる可能性があります。算定精度については、重要関係会社との連携強化を通じて段階的に向上させていく予定です。

  なお、2025年度のScope1・Scope2・Scope3の実績数値については、2026年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定です。

https://www.nifco.com/csr/environment/index.html

 

Scope1、Scope2推移グラフ(当社及び国内グループ会社)

 

 

 

 

Scope3推移グラフ(提出会社)

 

 

現在、当社及び国内グループ会社のScope1及びScope2については、排出量を開示しています。これらの情報把握及び開示は、CO2排出に関する規制強化や炭素税の導入により事業コストの上昇や、脱炭素化に向けた顧客及び取引先からの期待の高まりに対し、当社及び国内グループ会社内で影響の大きい分野や工程を特定して事前に対策を講じることや、再生可能エネルギーの導入や効率的な設備投資、新技術開発の必要性を具体化することで、競争優位性を維持するための行動指針の策定につながります。これにより、持続可能な成長の基盤を強化するとともに、そして国内という限定的な範囲であっても、積極的なデータ開示は環境配慮を重視する顧客や投資家の信頼を得る手段となり、ビジネス機会の拡大につながるとともに将来的には連結会社全体への展開に資するものと認識しています。

  なお、現時点で海外拠点からのデータについては、データ精度の観点から現状では正式開示に至っておりませんが、グローバルでのデータ精度向上と第三者保証に耐えうる水準の管理体制の整備を視野に入れ、2025年度より環境データ管理システムの導入を開始しました。今後は段階的に導入拠点数を拡大し、将来的なグローバル全拠点でのデータ一元管理を目指してまいります。

  また、Scope3(サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量)の算定については、サプライチェーン全体におけるデータの保有状況や管理方法にばらつきがあるため、現時点では統一的に把握・算定することが困難となっています。そのため、当社のみのCO2排出量開示としています。今後は、重要関係会社との連携強化を行い、Scope3に関するデータの整備及び開示を段階的に検討していきます。

  気候変動のリスク及び機会の影響の可能性は様々ですが、当社は企業価値を最大化すべく、これらのガバナンス及びリスク・機会管理によって、今後も取組を適切に実施してまいります。

 

(3)人的資本に関する取組

①人的資本に関する戦略

 人的資本につきましては、ニフコグループのパーパス及び中長期計画を実現するための重要な経営資源と考えており、当社中期経営計画 "NIFCO GLOCAL STRATEGY"の長期ビジョンに基づき、「"アイデア"を"カタチ"にする」人材の創出を当社及びグループ会社の人材戦略の目標としております。

 「"アイデア"を"カタチ"にする」人材を創出するためには、「多様な人材が持つ能力を最大限に開発し発揮させる、エンゲージメントの高い職場」が必要となりますので、当社グループの企業理念を浸透させた組織・人材の土台の上に、「人材育成」「DE&I」「従業員エンゲージメント」の3つを重要な柱とし、それぞれにおいて活動計画を策定し実行しております。

 

  まず、当社人材の土台となるのは、当社の企業理念 Purpose / Mission / Values となります。当社の企業理念体系の起点は、各従業員が個々に持つ「My Purpose(マイパーパス)」すなわち、個々人の価値観、人生観と会社の「Purpose(存在意義)」の重なりです。これを定めることにより、従業員個人と会社のつながり(パーパス・ファスニング)を意識し、自身の人生観や価値観を活かすキャリアを自律的に見つけ、エンゲージメントを高めながら主体的・自律的に学び成長することができると考え、各従業員がマイパーパスを策定するワークショップを2024年度より全社で展開しております。

 

ニフコグループ 企業理念体系

 

 

 

 

 「人材育成」は、当社グループの持続的成長を支える最も重要な課題(マテリアリティ)の一つであり、競争力の源泉と捉えています。当社において、グローバルスケールで活躍できる人材の要件/行動指針は、当社のValuesに基づき、「チャレンジ、イノベーション、コミュニケーション、コラボレーション」のキーワードとともに、各GradeのGrade定義や行動指針として明文化されています。こうした人材の育成を目的に、階層別、キャリア、自己啓発、語学、選抜、eラーニングの6つのカテゴリーで構成された研修体系図を制定・運用しております。また、従業員の自律的なキャリア形成を促すため、資格取得奨励制度や外部のeラーニング受講費用の補助金制度などにより、自己啓発にも取組みやすい制度を整えています。社内での研修だけでなく、海外トレーニー制度や他社留学など越境体験の機会も提供しています。更に、Global次世代経営者育成においては、定期的に策定する管理職部課長層サクセッションプランとの整合を踏まえ対象者を選抜し、育成を進めております。

 「多様性」は、ニフコのグローバル競争力を一層高めるための重要な経営戦略のひとつと考えています。多様な人材の適所配置により、属性や価値観が異なる個々人から生まれる小さな気づきを生かし、ニフコの強みであるイノベーションや新製品・新技術の開発につなげ創造的なコラボレーションを実現することで人材の多様性の確保・推進に取り組んでいます。具体的には、「心理的安全性の高い職場作り」を目的とした各種研修の実施、DE&I推進の専門部隊によるあらゆる属性の社員が働きやすい職場環境を構築するための様々な施策の企画・実行、更に、自己申告や社内公募を通した社内異動により、各組織に多様な経験・スキルを持つ人材の適所配置に取り組んでいます。一方で、ニフコグループ企業行動憲章並びにニフコグループ人権方針に基づいた全社人権研修を行い、多様な人材の活躍を阻害する人権リスクの低減にも努めています。

 

 「従業員エンゲージメント」は、人材の定着率を高め、生産性・付加価値を最大化する中で重要な要素と考えます。まず、上述のパーパス・ファスニングにより、従業員個人と会社のつながりを固めた上で、各人が活き活きと働くことができる職場環境を構築するため、人事制度や働き方の見直しを随時行っております。人事制度は、2024年度に「ニフコ流JOB型人事制度」を導入(当社)、市場競争力を強化するためのGrade・評価・報酬制度の見直しを行いました。また、働き方については、自由度を高めたフレックスタイム制度・休暇制度の拡充や、会社か自宅のいずれかで働く場所を選べるようにテレワーク制度の導入など、働き方と休暇制度の充実を図ることで、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展に貢献できる職場作りを推進しております。また、この従業員エンゲージメント向上のための各種施策は、隔年で実施するグローバル従業員エンゲージメントサーベイにおいて、その効果を定期的に確認しております。

 

②人的資本に関するガバナンス

 多様性に関する取組は管理本部DE&I推進プロジェクト室が、人材育成・エンゲージメントなどその他の人的資本に関する取組は管理本部人事部が、それぞれ主管組織として行動計画の策定・実行しており、各領域の機会認識から行動計画を定め運営しております。人的資本に関する重要事項は、社長以下執行役員と事業部長が出席し定期的に開催される「人材委員会」に報告され、討議されております。また、人的資本におけるリスクについては、取締役監査等委員及び全本部長から構成されるリスクマネジメント委員会にて、全社リスク管理の一環として管理され、それを補完する仕組みとして、内部通報制度を設け、従業員及び社外関係者から社内(取締役監査等委員)及び社外(顧問弁護士)の窓口で直接通報を受けております。これらの人的資本に関する執行側の取組は、定期的に取締役会に報告され討議されております。

 なお、取締役層のサクセッションプランと次世代育成については、取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が管掌しており、委員会として次世代経営者の選抜・育成に積極的に関与する体制となっております。

 

③人的資本に関するリスク及び機会の管理

 人的資本に関するリスクを含む全ての事業リスクは、リスクマネジメント委員会が一元的に管理・統制しております。各リスク項目は、対応を主管する組織により、定期的に発生頻度と影響額の点数付けがなされ、それらの分析をもとに、リスクマネジメント委員会が総合的なリスク評価を実施、その後、リスク主管組織による対応策の立案と実行をリスクマネジメント委員会が管理する体制としております。

一方、人的資本に関する機会を含むマテリアリティの機会については、サステナビリティ委員会が一元的に管理・統制しており、主管組織による各機会に対する行動計画の立案と実行をサステナビリティ委員会が管理する体制としています。

 

④人的資本に関する各取組と指標及び目標

a 人権侵害リスク低減に向けた取組

 多様な人材を活かすためには、まず人権侵害リスクのない職場作りが重要です。ニフコグループは、関係法令及び国際ルールを遵守するとともにその精神を尊重し、社会的良識を持って行動するため、2021年に「ニフコグループ人権方針」を策定しております。この人権尊重の取組を更に進め、当社内にある人権侵害リスクの排除を目指し、2024年度は国内全社で人権研修及びアンケート調査を実施、社内に存在する人権リスクを可視化、その結果に基づき、2025年度はe-ラーニングによる人権研修を実施しました。今後、可視化されたリスクの低減に向けた対策の策定・実行を進めるとともに、同様の活動をグローバルに展開し、全ての従業員が活き活きと働ける職場の実現を進めます。

 

b 人材育成に向けた取組

 多様な人材が持つ能力を最大限に開発し、「"アイデア"を"カタチ"にする」人材を創出することが最重要課題であることを踏まえ、「チャレンジ、イノベーション、コミュニケーション、コラボレーション」のキーワードにより明示された人材要件・行動指針を満たすグローバル人材を育成するため、当社においては、階層別、キャリア、自己啓発、語学、選抜、eラーニングの6つのカテゴリーで構成された研修体系図を毎年期初に制定し、年間を通して研修体系図に則り各研修を実行・運営しております。海外・社外での就業体験が視野を広げ視座を引き上げる、という考えのもと、海外トレーニー制度や、他社留学などの越境体験の機会も提供しています。海外トレーニー制度では、毎年日本から海外へ、海外から日本へトレーニーの送り出し・受け入れを実施しています。また、Global次世代経営者育成研修においては、管理職のサクセッションプランを踏まえて選抜された部長層から一般職層のメンバーに対し、視野を広め視座を高めることを目的として、社外のリソースを使って育成を進めております。同様の人材育成プログラムは、各子会社・拠点においても、個社のニーズに基づき策定・運営されており、その状況については、グローバルHR会議等の場で共有されております。また、当社グループでは、2020年より隔年でグローバルの従業員エンゲージメントサーベイを実施しており、人材育成の指標の一つとしてタレントマネジメント指数を管理していきます。

 

2025年度研修体系図

 

指標

「タレントマネジメント」※ 指数(好意的な回答率)

2024年度実績

取組・目標

提出会社

52%

2028年度目標58%に向けて活動をしております

グローバル※※

73%

今後グローバルでの指標管理に取組んでまいります

※「タレントマネジメント」は、WTWタワーズワトソン社のフレームワークで、当社の研修機会、優秀な人材の登用や能力開発、成長の機会に関する複数の質問に対する回答で測られます。

※※「グローバル」とは「当社グループ」を指しております。

 

c 人材の多様性の確保に向けた取組

 マテリアリティの副次課題として、多様な属性や価値観を持つ人材を確保し、あらゆる属性の社員が働きやすい職場環境を構築するため、当社では、DE&Iの専門部隊が、「誰もが働きやすい心理的安全性の高い職場作り」を目的とした、各種研修を実施しているほか、毎年様々な施策を企画・実行しています。2025年度には嘱託社員、契約社員を含む全ての従業員を対象にアンコンシャス・バイアス研修(e-learning)を実施したほか、自動車業界で管理職として活躍している女性技術者を招いての講演会や長期休職をテーマに座談会を開催しました。また、LGBTQ+への理解促進として、2026年3月に東京支社でALLY交流会を初開催し、当事者を支援するALLY同士の意見交換や学び合いの場を提供しました。多様な人材を適所配置し活躍の機会を推進することで多様な視点や経験を持つ人材による新しいアイデアの創出や創造的なコラボレーションにつながります。

 当社人材の多様性を示す指標としては、女性・外国籍・中途入社の在籍比率を管理しております。2026年3月末時点では、下表のとおりです。

 

 

多様性の状況

2026/3/31時点

提出会社

グローバル

人数

割合

人数

割合

女性

取締役

2

25.0%

管理職

14

5.7%

247

22.0%

正社員

223

16.5%

3,806

42.6%

外国籍

取締役

0

0.0%

管理職

12

4.9%

正社員

61

4.5%

中途入社

取締役(社内)

管理職

89

36.2%

正社員

536

39.7%

 

 上表の状況を踏まえ、当社における多様性の確保・推進が、当社の持続的成長においては最重要と認識しており、「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」の3点を、当社の継続的に監視すべき指標と定めております。これらの指標における2025年度実績と将来目標、今後の取組は、下表のとおりとなっております。なお、「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異 (b)国内グループ会社」において国内連結子会社における多様性に関する指標及び定義を記載しています。

 

多様性の指標

提出会社

2025年度 実績

取組・目標

管理的地位にある労働者に占める

女性労働者の割合

5.7%(14名)

※専門職も含む

各組織における高ポテンシャル人材を特定し、育成計画の策定とフォローアップを定期的に実施しております。2025年度は全従業員を対象とした「アンコンシャス・バイアス研修」を実施し誰もが活躍できる環境の醸成に努めました。2030年度10%達成を目標とし、これらの取組を今後も継続して行います。

男性労働者の

育児休業取得率

70.6%

定期的に全社員を対象とした座談会を実施し2030年度90%達成を目標とし、引き続き職場の労働環境を整備してまいります。

労働者の男女の

賃金の額の差異

58.9%

各Gradeの報酬テーブルに、男女による差はありません。詳細は、「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 (b)国内グループ会社」をご参照ください。引き続き、女性管理職比率の改善、全社残業削減など、差異縮小につながる活動に注力いたします。

 

d 社内環境整備に向けた取組

 多様な人材が持てる能力を最大限に発揮できる職場環境作りを目指し、当社では、人事制度や働き方の見直しを随時行っております。人事制度については、2024年度に「ニフコ流JOB型人事制度」を導入(当社)、各管理職ポジションの役割を明確にし、年齢・経験に拘わらず、役割をこなせる人材を登用し役割に応じて処遇する制度に改訂すると同時に、市場競争力を強化し優秀な人材の流出を抑制し外部からの登用を推進するため、報酬制度・水準の見直しを行いました。グローバルにおいても、各国・地域において、十分な市場競争力を維持するための報酬改訂を定期的に実施しております。働き方については、継続して総労働時間の削減に向けた取組を行い、自由度を高めたフレックスタイム制度や会社か自宅のいずれかで働く場所を自分で選べるテレワーク制度をライン作業者等を除く社員に導入するなど、柔軟な働き方と休暇制度の拡充をグローバルに進め、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展に貢献できる職場作りを推進しております。これらの社内環境整備については、各子会社・拠点も個社のニーズに基づき取組んでおり、グローバルHR会議等で相互把握・共有しております。

 

社内環境整備の指標

提出会社

2025年度 実績

総労働時間の削減に向けた取組

年間所定労働時間:1,898.75時間 (目標1,900時間以内)

残業時間:平均 25.78時間/月 (目標30時間以内 支援社員除く)

※グローバル共通の指標は、有効性のあるものが特定できていないため、設定しておりません。

 

e 従業員エンゲージメント向上への取組

 従業員のエンゲージメントは、人材の定着率を高め、当社の生産性・付加価値を最大化する中で重要な要素と考えます。当社グループでは、2020年より隔年でグローバルの従業員エンゲージメントサーベイを実施し、各組織における強み・弱みを定量的・客観的に把握した上で、従業員のエンゲージメントを高めるための施策を各組織で策定・実行し、管理しています。

 

指標

「持続可能なエンゲージメント」指数(好意的な回答率)

2022年度 実績

2024年度 実績

取組・目標

提出会社

65%

68%

各組織で、エンゲージメント向上に向けた施策を策定・実行しています。2028年度目標72%に向けて、引き続き活動を継続します。

グローバル

81%

84%

国内外の各子会社で、エンゲージメント向上に向けた施策を策定・実行しています。2028年度目標87%に向けて、引き続き活動を継続します。

※「持続可能なエンゲージメント」は、WTWタワーズワトソン社のフレームワークで、当社の経営目標に対する支持、従業員としての誇り、仕事に対する意欲・やりがい・活力に関する複数の質問に対する回答で測られます。

 

(4)その他の重要課題に関する取組

マテリアリティにおける「その他の重要課題」について、以降に戦略・目標・取組状況を記載します。

[ガバナンスの強化]

・取締役会実効性の向上

  当社は、取締役会実効性の向上のため、年に1回、取締役会の実効性に関する評価を実施しております。2025年度は、2026年2月までの取締役会実効性に関するアンケートを実施し、分析・評価を行いました。その結果、前年に続き、取締役会の構成・スキルセット、取締役会への情報共有や研修の機会提供については、高い評価を得ました。また、内部統制・リスク管理体制の整備・監督や、社外取締役と監査機関との連携、株主・投資家との関係構築については、まだ十分とは言えないものの、前年より改善していると評価されました。取締役会の議題については、経営戦略及び経営計画に関する議論の機会が増加し、その質も向上しているとの評価がある一方で、環境・人的資本などのサステナビリティ課題については、さらに議論を深化させることが必要と指摘されました。また、取締役会資料の内容と提供のタイミングについては、引き続き改善を求める指摘がありました。これらの評価結果を踏まえ、今後は取締役会の議題の見直し及び事務局機能の強化を通じて、取締役会の実効性向上に取り組んでいきます。

 

[リスクマネジメントの強化]

・情報セキュリティ対策の維持・向上
 「リスクマネジメント強化」を実現するための戦略のひとつは「情報セキュリティ対策の維持・向上」への取組です。サイバー攻撃やマルウェアの感染による情報セキュリティシステムの機能不全等が発生した場合、業務停止等、顧客への供給停止、取引先からの信頼喪失、損害賠償の発生につながります。当社及び国内子会社では、情報セキュリティリスクの低減を中長期目標として掲げ、情報セキュリティ訓練(インシデント訓練・標的型メール攻撃訓練)年1回以上、情報セキュリティ教育年1回以上の実施を指標・目標として設定しております。発生時の行動計画の実行性確認を目的として、共通セキュリティシステムの再構築や、標的型メール攻撃訓練、セキュリティインシデント訓練を実施しました。また、従業員に対して情報セキュリティ教育を実施し、社員へのセキュリティ意識の向上に取り組んでいます。海外子会社についても、各社セキュリティシステムの構築と、従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。情報セキュリティシステムの整備と訓練及び従業員に対する啓蒙活動を継続することで、行動計画に即した迅速な対応と円滑な顧客応対を可能とします。今後もこれらの取組を通して、外部からの攻撃や内部の脆弱性に対する強い防衛性と高い対応力を保持し、堅牢な情報セキュリティを確保してまいります。

 

・コンプライアンスリスクの低減

 コンプライアンス違反による不祥事を起因とした企業価値の損失、売上げの低下と対応コストの発生、社会的評価の毀損といったリスクを防ぐため、当社グループはコンプライアンスリスク管理の強化を推進しており、重大コンプライアンス違反発生ゼロを数値目標としております。

 この目標の達成のため、2009年に制定したコンプライアンスマニュアルを、2025年度にも改訂を行い、コンプライアンスに対する社員の意識の向上と、当社及び国内子会社のコンプライアンス研修に活用しています。また、コンプライアンスマニュアルは複数の言語に翻訳された後に、海外子会社向けに展開されています。あわせて、内部通報システムの実効性向上にも取組み、グループ全体でのコンプライアンス遵守体制の強化を図ってまいります。

 

[製品の安全性と品質の確保]

 当社グループにおいて「製品の安全性と品質の確保」は重要な経営課題の一つであり、事業の持続的成長を支える基盤と位置づけています。不良品の発生は顧客の信用失墜・失注はもとより、ブランドイメージを低下させます。製品の禁止物質含有を見落とした場合は、製品の回収交換に留まらず、損害賠償などのリスクにつながります。当社グループは品質リスクの低減を掲げ、2030年度における重要品質問題ゼロを数値目標としております。これらのリスクに万全を期して対応する策として、専門性を有した人材の育成に加え、SOC管理システムを導入し、開発プロセス及び変更管理での検証を徹底し製品の安全性を確保しております。これらに加え、主管組織においてより詳細な品質管理施策を実施しています。2024年度中国の拠点で導入を開始し、2025年度は、2026年稼働開始に向け北米拠点でこのSOC管理システム導入を準備中です。今後順次、他の地域も展開を行います。近い将来に拡大するリサイクル材の活用に対しては、これらの体制を活用し、開発プロセスから適切な検証を実施していきます。また、有事に備え製品ごとのリコール保険の見直しを実施し、リスク対応体制の強化を図っています。

  信頼性が高く、優れた製品を提供することは、「環境」「安全」「快適」の普遍的な商品戦略を目指す当社にとって、顧客との長期的な関係構築及び競争優位性の確保に不可欠な要素です。今後も企業価値向上のために徹底して製品の安全性と高い品質を確保してまいります。

 

[廃プラスチック量ゼロに向けた資源循環への取組推進]

  ①ガバナンス

廃プラスチック量ゼロに向けた資源循環への取組に関するガバナンスは、前記「①サステナビリティに関するガバナンス」に記載のとおりです。廃プラスチック削減・再生材活用に関するリスクはリスクマネジメント委員会が、再生材を活用した製品開発等の機会はサステナビリティ委員会がそれぞれ管理し、取組状況を経営会議に報告・提言しています。

 

②戦略

当社は、限りある資源を有効に活用し、廃棄物の発生を最小限に抑えることが、持続可能な社会の実現に不可欠であると認識しています。この認識に基づき、当社はマテリアリティの一つとして「廃プラスチック量ゼロに向けた資源循環への取組推進」を掲げ、欧州ELV指令(2035年)をはじめとする再生材使用義務に関する規制の強化、原材料価格の変動リスクや廃棄物処理コストの上昇などのリスクに対応するとともに、再生材を活用した製品の市場投入という事業機会を捉えるため、以下の取組を推進しています。

 

・製造・開発・設計段階での廃棄物最小化

製造及び品質工程の改善によって廃棄物の低減、廃棄物分別強化による有価物への転用を行っています。また、成形機の洗浄工程で発生するパージダンゴの削減、成形工程における廃棄スプルーの削減など、製造段階での廃棄物発生を抑制しています。開発・設計段階から製品ライフサイクル全体を通じた環境負荷低減に配慮した設計を推進するとともに、顧客に対して環境配慮型製品の導入提案を積極的に行っています。
 

・サプライチェーン全体での資源循環強化

社内にとどまらず、取引先との連携を通じて廃棄物排出量の抑制、再資源化の推進、リサイクルの促進をサプライチェーン全体で取り組んでいます。
 

・外部連携によるルール形成への参画

産官学連携(環境省・経済産業省)や自動車部品工業会との連携に加え、Sustainable Plastics Initiativeに賛同し、業界全体でのサーキュラーエコノミー移行を主導しています。再生材使用に関する規則強化や顧客要請に対し、適時適切な対応ができないことによる売上減少・調達コスト上昇リスクに対応するため非化石資源材料、リサイクルプラスチック材、天然資源(バイオマス)を利用した材料の活用推進と、再生材(含むバイオマスプラスチック)を採用した製品の仕様を満たす製品形状と工法の開発に取り組んでいます。また、2024年度に公益財団法人自動車リサイクル高度化財団(J-FAR)の公募事業として採択された「XtoCarプロジェクト」において、製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムの構築を目指して活動しています。将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を1種類の選定を完了しています。2026年度は、中型製品への適用及び、対応可能なプラスチック種類のさらなる拡大を目標にしています。

 

③リスク及び機会の管理

廃プラスチック量削減・資源循環に関するリスク及び機会の管理は、前記「②リスク及び機会の管理」に記載のとおりです。

 

④指標及び目標

廃プラスチック量ゼロに向けた資源循環への取組について、以下の指標及び目標を設定しています。
廃棄プラスチック量の削減については、事業特性に応じて以下のとおり目標を設定しています。合成樹脂事業の国内単体及び国内グループ会社においては、製造及び品質ロスの低減、廃棄物分別強化による有価物への転用を通じて、2028年度までに2020年度比55%の削減を目標としています。また、連結子会社であるシモンズ株式会社(国内・小山工場)においては、廃棄ウレタンの断熱材等の他社製品への転用を推進し、2030年度までに廃棄ウレタン量を2025年度比50%削減することを目標としています。
 再生材の品質・安全基準の確立については、2028年度中には再生材を使用した製品の市場投入を目指し、合成樹脂事業の国内単体及び国内グループ会社を対象に、社内規程の策定及び再生材保証活動を推進していきます。2030年度までに製品含有化学物質に関する法規違反ゼロを目標としています。

  主材領域における再生材確保については、合成樹脂事業の国内単体及び国内グループ会社を対象に、必要樹脂量の120%以上を常時確保することをリスク対応の観点から目標とするとともに、2030年のELV指令及び2035年のJAMA CN/CE指針への対応を見据えた調達体制の整備を進めています。また、確保した再生材の利活用拡大を機会として捉え、2028年度中の再生材を使用した製品の市場投入を目指しています。

 

廃棄プラスチック量の実績は以下のとおりです。有報発行時点では2025年度の集計が完了していないため、本有報においては2024年度実績を使用しています。2025年度の実績数値については、2026年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定です。

https://www.nifco.com/csr/environment/index.html