2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    753名(単体) 4,705名(連結)
  • 平均年齢
    44.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.5年(単体)
  • 平均年収
    8,899,403円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    -0.1%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 経営方針・経営戦略に関連付けた人材戦略

当社グループにとって最大の経営資本は人材です。人材こそが競争力の源泉であり、当社グループが将来にわたって持続的な成長を遂げていくための原動力と考えております。

また、当社グループは目指すあるべき姿としてOVOL長期ビジョン2030を掲げ、その実現のためにOVOL中期経営計画2026の期間中においては、以下の3つの基本方針に基づく施策を策定・実行し、長期ビジョンの実現を目指しております。

・グループ内外のコミュニケーションを拡充し機能やサービスなどの提供価値を圧倒的に高める(競争力向上)

・人材力を引き上げるとともにワークエンゲージメントを飛躍的に高める(収益性向上)

・M&Aを駆使して既存領域および新規領域での事業を躍進的に拡大する(収益規模拡大)

これらの施策を実行していくために人材を強化し、多様な人材が個性を活かして挑戦し続けられる企業風土の醸成に取組んでいます。

 ※「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4) 戦略 ② 人的資本・多様性に対する取り組み」 参照。

 

② 従業員の賞与を含む給与等の額・内容の決定に関する方針

当社は、「役割責任制度」を人事制度の基本理念とし、経営の基本機能である「ビジョン・戦略策定機能」「業績達成マネジメント機能」「業務遂行機能」を、従業員個々人が分担し受け持つ「役割」と「業績責任」の大きさ・レベルにあてはめ人事処遇することを制度の基本フレームとしております。賞与については半期ごとの会社業績を反映して賞与水準を決定する業績連動型方式を採用しており、賞与額に対する会社業績の反映度合いは上位職位になるほど高くなるよう設計しております。また個人ごとの賞与額は所属する組織の「業績評価」や個人の「プロセス評価」を反映し決定しております。この他、2025年度より業績条件型譲渡制限付株式インセンティブ制度を導入しており、従業員の財産形成の一助とすることに加えて、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを従業員に与えることで、業績に対するコミットメントを持たせることを目的としております。

 

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

国内卸売

828

〔 146〕

海外卸売

2,282

〔  25〕

製紙加工

1,028

〔 261〕

環境原材料

365

〔  33〕

不動産賃貸

6

〔  ―〕

全社部門

196

〔   1〕

合計

4,705

〔 466〕

 

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 臨時従業員数は〔 〕内に、年間の平均人員を外数で記載しております。

 

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

753

44.7

20.5

8,899,403

△0.1

 

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

国内卸売

481

海外卸売

62

環境原材料

20

不動産賃貸

6

全社部門

184

合計

753

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

 

③ 労働組合の状況

提出会社においては、従業員を代表する機関としての従業員会はありますが、労働組合は結成されておりません。
 また、連結子会社の一部に労働組合が組織されておりますが、特記事項はありません。

 

 

 

④ 役員・従業員株式所有制度の内容

役員・従業員株式所有制度の内容は「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

イ 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注1)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1、注2、注3)

事業推進職

(総合職)

業務推進職

(一般職)

全労働者

正規雇用

労働者

非正規雇用

労働者

2.0

42.9

55.0

54.9

105.0

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき算出したもの

     であります。

   2 労働者の男女の賃金の差異については、正規雇用社員・非正規雇用社員ともに年額賃金を基に算出して

     おります。

     なお、フルタイムでない労働者の人数は、労働時間をベースにフルタイム人数に換算して算出しており

     ます。

   3 当社の正規雇用労働者における男女の賃金の差異については、総合職のうち女性の平均勤続年数が短い

          こと、一般職の女性比率が高いことが反映されております。

      4 「-」は対象となる労働者が無いことを示しております。

 

 

 

ロ 連結子会社

当事業年度

 

名称

管理職に占める女性労働者の

割合(%)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注2)

全労働者

正規雇用

労働者

非正規雇用

労働者

㈱エコペーパーJP

0.0

62.6

62.7

68.1

㈱エコポート九州

0.0

80.0

65.4

75.6

98.7

コアレックス三栄㈱

8.3

0.0

78.8

76.0

コアレックス信栄㈱

0.0

0.0

77.9

77.1

100.7

コアレックス道栄㈱

0.0

100.0

75.4

75.9

70.5

㈱ゴークラ

7.7

100.0

66.0

81.0

53.7

昭和包装工業㈱

0.0

64.8

70.5

55.0

福田三商㈱

0.0

0.0

66.4

65.9

103.8

 

(注)1 本指標は、常時雇用労働者数が101人以上300人以下の国内連結子会社を対象とし、任意開示するもの

     であります。

   2 労働者の男女の賃金の差異については、2025年1月~12月を対象期間としております。

   3 「-」は対象となる男女どちらか、または両方の労働者が無いことを示しております。

 

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する基本的な考え方

当社グループは、サステナビリティをめぐる社会的要請への対応については、リスクの低減にとどまらず、新たな収益機会の創出にもつながる重要な経営課題であると認識しております。当社グループはサステナビリティを「経済価値と社会価値をともに実現する持続可能な事業活動」と定義し、「環境」「社会」「人材」「ガバナンス」の4つのテーマのもと、12項目のマテリアリティ(※)を特定し、社会課題に対する当社グループの考え方を明確化するとともに、各マテリアリティにおいて設定した「目指す姿」の実現に向け、アクションプランに基づく取り組みを推進しております。具体的には、温室効果ガス排出量削減目標の策定や再生可能エネルギー活用の拡大、人権デュー・デリジェンスを通じたグループ人権課題の特定、CSR調達に向けたセルフ・アセスメントによる主要サプライヤーのモニタリングなどを実施しております。

これらの取り組みを通じて、社会課題の解決を図るとともに、当社グループの持続的成長及び中長期的な企業価値の向上を目指しており、あわせて、グループ企業理念に掲げる当社グループの使命である「社会と地球環境のよりよい未来を拓きます」の実現に努めてまいります。

なお、本有価証券報告書においては、当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みについて、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標及び目標」の枠組みに基づき記載しております。また、「戦略」及び「指標及び目標」においては、サステナビリティに関する重要な開示情報として、「気候変動」「人的資本・多様性」及び「人権」に関する情報を記載しております。

※12項目のマテリアリティの詳細については「日本紙パルプ商事グループ 統合報告書 2025」をご参照ください。

 

(2) ガバナンス

 サステナビリティ推進体制

当社では、常勤取締役、全統括・在京の副統括、並びにオブザーバーとして常勤監査役にて構成される「サステナビリティ戦略会議」を設置しております。同会議は、グループ全体のサステナビリティへの取り組みの司令塔として、持続可能性に関する方針の策定及び戦略立案、ESG課題(※)への対応並びに目標達成に向けた全体マネジメントを担っております。

実務の遂行にあたっては、「サステナビリティ推進本部」が、グループ全体における環境・労働安全の強化、脱炭素の推進、取引先などからのESG・CSR調査の対応窓口、社会貢献活動への対応など、サステナビリティ推進に関する業務全般に加え、IR・広報業務を所管しております。

さらにグループ横断組織として「OVOLサステナビリティ推進委員会」及び「OVOL環境・安全委員会」を設置し、グループ全体で環境・安全に関するコンプライアンスの向上及びサステナビリティ推進に取り組んでおります。

※ESG課題とは、環境・社会・ガバナンスに関する幅広い課題を意味し、以下のような課題が含まれております。

 環境(E) :   気候変動、資源枯渇、廃棄、汚染、森林破壊、等

 社会(S) :   人権、強制労働・児童労働、労働条件、雇用関係、等

 ガバナンス(G) :贈収賄・汚職、役員報酬、役員構成・多様性、ロビー活動・政治献金、税務戦略、等

 

 

<サステナビリティ・ガバナンス体制>

 


 

<サステナビリティ戦略会議及び各委員会の詳細>

会議体名

委員長/議長

構成メンバー

目的/役割

サステナビリティ戦略会議

代表取締役社長

常勤取締役と全統括及び在京の副統括

(オブザーバー:常勤監査役)

グループ全体のCSR、及びサステナビリティへの取り組みの司令塔として、持続可能性に関する方針策定や戦略立案、ESG課題の解決、目標達成に向けた全体マネジメントを所管。

リスク管理委員会

管理本部本部長

副委員長:企画本部本部長

委員:内部監査室、サステナビリティ推進本部、管理本部、企画本部、DX本部及び国際事業本部から選任

(オブザーバー:管理全般管掌、常勤監査役、管理企画・サステナビリティ統括及び情報技術統括)

「リスク管理基本規程」に基づき、リスクの洗い出し、分析、評価、対応の優先順位付け、個別リスクの取り組み施策の策定を行い、当社グループにおけるリスクを低減する。

OVOL

サステナビリティ

推進委員会

サステナビリティ

推進本部本部長

副委員長:管理本部本部長及び企画本部本部長

委員:各本部、支社、国内外グループ会社から選任

(オブザーバー:管理企画・サステナビリティ統括)

グループ全体でのサステナビリティへの取り組み強化と推進。

委員は当社各部門・グループ会社における人権対応や法令遵守、社会貢献活動並びに事業活動を通じた社会価値の実現施策等のサステナビリティ推進、及び災害等緊急事態発生時には本社との連絡の役割を担う。

OVOL

環境・安全委員会

サステナビリティ

推進本部本部長

副委員長:管理本部本部長及び企画本部本部長

委員:各本部、支社、国内外グループ会社から選任

(オブザーバー:管理企画・サステナビリティ統括)

グループ全体における環境・労働安全への取り組み強化と推進。

委員は各組織において環境・労働安全コンプライアンス及び温室効果ガス(GHG)排出量削減を中心とした環境対策の推進役を担う。

 

 

 

 

(3) リスク管理

当社グループにおけるサステナビリティに関するリスクと機会については、「サステナビリティ戦略会議」が中心となり、グループ全体を対象に特定・評価を行っております。同会議では、サステナビリティに関するリスク・機会の特定、対応を所管する組織への指示、対応計画の策定並びに進捗管理を行い、その内容を取締役会に報告しております。

取締役会は報告された内容について承認または必要に応じた改善指示を行うことで、当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク管理の適切性を監督しております。

また、「サステナビリティ戦略会議」において審議されたサステナビリティ関連のリスク事項については、同会議の下部組織である「リスク管理委員会」「OVOLサステナビリティ推進委員会」及び「OVOL環境・安全委員会」に対して指示がなされ、これらの委員会を通じてグループ全体のリスク管理プロセスに反映されております。

 

(4) 戦略

① 気候変動への取り組み

 当社グループは、気候変動が紙の主要原料である森林資源の減少を招く可能性や、地球温暖化の進行に伴う自然災害の激甚化など、事業活動に対して多面的なリスクをもたらすものと認識しております。こうした認識のもと、当社グループは、事業活動のみならずサプライチェーン全体で排出される温室効果ガス(GHG)排出量の削減を通じて、気候変動による影響を最小化することを企業の重要な責務であると捉えております。この考えに基づき、当社グループでは、グループ全体のGHG排出量削減に関する中長期目標を策定するとともに、目標達成に向けた各種施策を継続的に推進しております。

 

<TCFD提言に基づく情報開示>
 当社グループは、「OVOL長期ビジョン2030」で掲げる目指すべき企業像の実現に向けた取り組みの一環として、2021年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しております。なお、TCFDは2023年にその役割を終え、気候関連開示の国際的な枠組みはISSB(国際サステナビリティ基準審議会)が公表したIFRS S2「気候関連開示」等に引き継がれておりますが、当社グループは引き続き同提言が示す枠組みに基づき情報開示を行っております。TCFD提言に基づく情報開示にあたっては、気候変動が当社グループの事業に及ぼす影響をより明確にすることを目的として、紙・板紙卸売、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸の4つの事業分野(※1)を対象に分析を実施しております。各事業分野において、気候変動に伴うリスク及び機会についてシナリオ分析を行い、TCFDが推奨する「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に沿って情報開示を行っております。(※2)

 今後も当社グループは、気候変動への対応及びGHG排出量削減に向けた取り組みをより一層強化するとともに、TCFD提言の枠組みに基づく情報開示の充実を図ってまいります。

(※1) 当社グループの事業セグメントは、国内卸売、海外卸売、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸の5つで構成されておりますが、本分析においては業態の類似性を踏まえ、国内卸売及び海外卸売を統合し、「紙・板紙卸売」として表示しております。

(※2) 気候変動に関する「ガバナンス」及び「リスク管理」は、当社グループのサステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、(2)ガバナンス及び(3)リスク管理をご参照ください。

 

 

 当社グループは、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などの専門機関が公表する知見を踏まえ、以下の2つのシナリオを用いて分析を実施しました。

・世界の平均気温上昇が1.5℃(または2.0℃)未満に抑制されるシナリオ

・世界の平均気温上昇が4℃以上となるシナリオ

これらのシナリオに基づき、紙・板紙卸売、製紙加工、環境原材料、不動産賃貸の各事業分野について、気候変動に伴うリスク及び機会の抽出を行いました。抽出した事象は、低炭素社会への移行に伴う「移行リスク」及び気候変動による物理的影響を受ける「物理的リスク」に分類し、事業戦略への反映を目的として、短期・中期・長期の時間軸において財務情報を定性的に評価しております。各事業分野に共通または重要性が高い事象を整理したうえで、短期・中期・長期にわたり中程度以上の影響が見込まれる項目について一覧化し、さらに当社グループが直面し得るリスクについては、財務インパクトの定量的な分析を行っております。

 

 

 

分類

当社グループへの影響

対応策

影響度

リスク

移行

政策

法規制

製紙事業における、炭素税の導入・引き上げに伴う操業コストの著しい増加

• 「日本紙パルプ商事グループ温室効果ガス排出量に関する中長期削減目標」に基づき排出量の削減を推進

• 省エネルギーのさらなる推進

• 再生可能エネルギーへの切り替え及びグリーン証書(※1)購入、コーポレートPPA(※2)、インターナルカーボンプライシング(※3)の導入などの検討

• 荷役車両などの電化の推進

評判

気候変動対策の遅れに伴う企業価値の下落やステークホルダーからの信頼失墜などによる、売上収益の減少、資金調達への影響、ブランド力の低下

• 「日本紙パルプ商事グループ温室効果ガス排出量に関する中長期削減目標」に基づき排出量の削減を推進

• 省エネルギーのさらなる推進

• 適切な情報開示の推進

物理的

急性

(※4)

風水害による拠点・設備・在庫・不動産物件等の甚大な被害

• ハザード調査の実施、浸水防止対策への取り組み

• 災害発生に備えた防災訓練の実施、BCM(事業継続マネジメント)の構築

風水害によるサプライチェーンの断絶に伴う事業停止、及び売上収益の減少

• サプライヤーに対する風水害発生時のBCMの構築とBCP(事業継続計画)整備の依頼

• 原料や製品のサプライヤー及び輸送手段の多様化による調達の安定化

慢性

(※5)

海面上昇による臨海拠点の高潮等浸水被害の影響

• ハザード調査の実施、浸水防止対策への取り組み

• 災害発生に備えた防災訓練の実施、BCMの構築

 

機会

電化の進展に伴う電子部品関連機能材の需要増による業績への寄与

• 電子部品関連機能材の需要動向のモニタリング、及び商品の開発、状況に応じた供給量の確保

森林認証紙・再生紙など環境配慮型商品の需要増による業績への寄与

• 環境配慮型商品の需要動向のモニタリング、及び商品の開発、状況に応じた供給量の確保

脱プラスチック化の進展に伴う紙製品の需要増による業績への寄与

• 法規制及び需要動向のモニタリング、及び商品の開発、状況に応じた供給量の確保

 

 

 

・移行リスクと機会は、IEA(国際エネルギー機関)が発行するWorld Energy Outlookに記載のSTEPS,APS,SDS,NZE等、物理的リスクはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)にて採用されているRCP2.6,RCP8.5等をベースに分析しております。

・影響度は、事業の存続に大きな影響があるレベルを“大”、事業の戦略を大きく変更する必要があるレベルを“中”と表示しております。

・影響度(大・中)の定義は、Applying Enterprise Risk Management to Environmental, Social and 

  Governance-related Risks,COSO & WBCSD をもとに作成しております。

(※1)グリーン証書:再生可能エネルギーにより発電された電気の環境価値を取引可能な証書にしたもの

(※2)コーポレートPPA:企業が発電事業者や、電力小売業者と直接契約し、再生可能エネルギーの電力を調達する仕組み

(※3)インターナルカーボンプライシング:低炭素への取り組みを進めるために企業内部で設定する炭素価格

(※4)急性:異常気象による気象災害などの事象(突発的な急性リスク)

(※5)慢性:長期的な気候パターンや降雨パターンの変化による事象(緩行的な慢性リスク)

 

財務インパクトの分析結果

 財務インパクトに関するシナリオ分析の結果、移行リスクにおける炭素税の導入が当社グループの製紙事業を中心に大きな影響を与えると想定しております。一方、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を推進することにより、その影響を軽減できると考えております。物理的リスクでは、洪水・台風といった異常気象による国内グループ主要拠点の被害想定額は、1.5℃(2.0℃)及び4℃シナリオで1.7~5.1億円程度と試算しております。また、当社グループの取引先が甚大な被害を受けた場合、サプライチェーンにおける工場の操業停止や製品及び原燃料などの輸送が寸断される可能性があり、試算額以上の被害が想定されます。

項目

リスク

分析内容

財務インパクト(2050年)

4℃シナリオ

1.5℃(2.0℃)シナリオ

炭素税

移行リスク

炭素税導入による影響

△54.1億円

電力価格

移行リスク

電力価格変化による影響(※)

+2.3億円

△2.9億円

洪水被害

物理的リスク

年平均の洪水被害額(※)

△5.1億円

△1.7億円

高潮被害

物理的リスク

年平均の高潮被害額

△0.3億円

△0.1億円

営業停止損害(洪水)

物理的リスク

年平均の営業停止損害額(洪水)

△0.8億円

△0.3億円

 

・対象範囲は、当社及び国内連結子会社です。

・財務インパクトの試算額については、炭素税は「IEA WEO2022」、電力価格は「IEA WEO2019」、洪水被害は国土交通省「気候変動を踏まえた治水計画のあり方提言」、高潮被害は環境省「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ」及び「気候変動影響評価報告書」等で公表されているパラメーターを使用し算出しております。

(※)2050年のパラメーターが無いため、2040年の数値で分析しております。

 

 

 

② 人的資本・多様性に対する取り組み

イ 当社グループにおける人材戦略

当社グループは、人材こそがグループの経済価値の創造を左右すると認識しております。今後さらなる持続的成長を遂げるため、「労働環境」と「ダイバーシティ&インクルージョン」を人材面のマテリアリティとして特定し、取り組みを進めております。

ロ 当社における人材育成方針

当社は人材育成を「持続的な成長のための投資」と考え、積極的に投資するとともに、人事データを元に戦略的な採用、教育などを実行する透明度の高いプロセスの確立を重要視して取り組みを進めております。

人材の採用については、質的にも量的にも高水準の人材を確保することを目指し、新卒採用に加え、キャリア採用にも力を入れております。人材育成については、「役割と責任を果たす人材の育成」「変革期に対応する自立型人材の育成」をコンセプトにプログラムを推進しており、各世代に応じた様々な研修を実施するとともに、社員の成長を促し、能力開発を目的とした育成型異動や、経営人材育成に向けたグループ会社への出向などを推進しております。これらの取組みを反映した人事データを、タレントマネジメントシステムを通じて人材ポートフォリオとして活用し、人材の戦略的配置を実施しております。

ハ 当社における社内環境整備方針

当社は魅力ある人材の採用・維持に注力するとともに、能力開発機会の提供、公正な評価・処遇や働きやすい労働環境の整備など、すべての従業員の活躍を促す仕組みを拡充していくことで、個々の従業員の能力向上と組織力の強化に取り組んでおります。その中で、役職員一人ひとりが自らの健康に責任を持ち、心身の健康維持・増進に主体的に取り組み、意欲をもって働くことが、個々の生活の質や仕事の質を高め、当社の生産性や企業価値向上につながると考え、健康経営への取り組みを強化しております。また今後、人的資本を強化していくために従業員エンゲージメントの向上が必要不可欠と考えており、2023年度からエンゲージメントサーベイを実施し、エンゲージメント向上に向けた取り組みを進めております。この他、多様な人材が活躍する基盤を整備するため、子育てサポートの環境整備や定年延長の実施など性別・年齢などに関係なく多様性が受け入れられる職場風土の醸成と制度の構築にも注力しております。

 


 

 

 

③ 人権への取り組み

当社グループは、国内外に多数の事業拠点、パートナー、仕入先、協力会社、販売先及びエンドユーザーを有しており、サプライチェーン全体において、人種・国籍・文化的背景等が多様なステークホルダーとの関係のもとで事業活動を行っております。

また、当社グループは木材を原材料とする紙を中心に取り扱っておりますが、木材はその生産及び加工の各過程において、人権及び環境への影響に特段の配慮が求められる原材料であると認識しております。このような事業特性を踏まえ、当社グループでは、サプライチェーンを含めた人権尊重への取り組みが重要であるとの認識のもと、「日本紙パルプ商事グループ人権方針」及び「日本紙パルプ商事グループ 持続可能な調達に対する考え方」を策定し、当社グループとしての人権に対する基本的な考え方を明確化しております。

当社グループは、人権尊重への取り組みを経営上の重要課題の一つとして位置づけ、「OVOL中期経営計画2026」において、「ビジネスと人権への対応」として、以下の3つの取り組みテーマを掲げております。

①人権尊重の風土醸成・浸透

②人権デュー・デリジェンスの実装とリスクの把握・改善

③苦情処理メカニズムの実装

「OVOL中期経営計画2026」の初年度である2024年度より、人権デュー・デリジェンスに着手し、当社グループにおいて重要と考えられる人権課題の特定を行いました(下表参照)。人権課題の特定にあたっては、世界人権宣言をはじめとする国際的な規範やガイドラインを参照するとともに、社内調査及び外部専門家の意見を踏まえ、「深刻度」及び「発生可能性」等の観点から評価を実施しております。

 

当社グループの重要な人権課題

労働安全衛生

調達を通じた環境への影響

危機管理

事業活動による地域住民への影響

差別

肖像権・著作権等の侵害

ハラスメント

情報漏洩

強制労働・児童労働

苦情処理メカニズムの実装

 

 

これらの人権課題への対応として、役職員向けの「ビジネスと人権」に関する研修の実施や、当社単体の主要仕入先を対象とした人権侵害リスクのアセスメントを行っております。また、企業活動において人権侵害が発生した場合に、適切な救済へのアクセスを確保することを目的として、苦情処理メカニズムの実装に向けた検討を行っております。

今後は特定した重要な人権課題に対する具体的な施策の検討及び推進を行い、その進捗状況についてサステナビリティ戦略会議において継続的にモニタリングするとともに、各施策の実施プロセス及び成果について、適切な情報開示を行ってまいります。これらの取り組みを通じて、当社グループの事業活動における人権尊重の責任を果たしてまいります。

 

(5) 指標及び目標

① 気候変動への取り組み

当社グループでは、これまで主に製紙事業子会社を中心として温室効果ガス(GHG)排出量削減に取り組んでおりますが、パリ協定で掲げられた「気温上昇を1.5℃未満に抑える」という国際的な目標の達成に貢献すべく、グループとしてのGHG排出量削減に関する方針及び目標を明確にするために、「日本紙パルプ商事グループ 温室効果ガス排出量削減に関する中長期目標」を策定しており、目標の達成に向けて取り組みを推進しております。具体的には、製紙事業子会社を中心に、生産プロセスの効率化などによる省エネルギー化の推進や、購入電力の再生可能エネルギーへの切り替えなど、グループ一体となった施策を通じてGHG排出量の削減に取り組んでおります。これらの取り組みの結果、2024年度におけるScope1及びScope2のGHG排出量は、2019年度比で約41%の削減を達成いたしました。今後は、Scope3においても算定の精緻化を進めるとともに、サプライチェーン全体を視野に入れた削減の施策の検討・実行を通じて、GHG排出量削減への取り組みを一層強化してまいります。

 

 

「日本紙パルプ商事グループ 温室効果ガス排出量削減に関する中長期目標」

 中期目標:2030年度までに2019年度比で50%削減

 長期目標:2050年カーボンニュートラルの実現を目指す

※対象範囲:日本紙パルプ商事及び連結子会社におけるScope1・2

 

■温室効果ガス(GHG)排出量推移

      単位:万t-CO2

 

 

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

当社及び

国内外連結子会社

Scope1

9.8

9.5

9.1

9.2

8.3

8.7

Scope2

16.1

14.3

13.5

13.1

8.6

6.7

Scope1・2 合計

26.0

23.8

22.6

22.3

16.8

15.3

 

 

Scope3全カテゴリ 合計

366.2

715.6

933.1

1,119.8

 

※2019年度から2021年度の海外連結子会社における排出量については、2022年度の算定値を基準に推計しております。

※新たに連結対象となった子会社をGHG排出量の算定範囲に含めたことに伴い、2019年度以降のScope1及びScope2の排出量を遡及して再算定しております。

※Scope2は、マーケット基準で算定しております。

※Scope3の算定値については、2021年度は当社単体、2022年度以降は当社及び国内外連結子会社を対象範囲としております。

※2024年度における当社及び国内外の連結子会社Scope1・Scope2排出量、並びに当社単体のScope3排出量については、一般社団法人日本能率協会地球温暖化対策センターによる第三者検証を受審しております。

※数値は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が一致しない場合があります。

 


 

 

② 人的資本・多様性に対する取り組み

イ 人材育成・社内環境整備に関する指標

当社では、上記「(4)戦略」において記載した人材の多様性の確保を含む人材育成方針及び社内環境整備方針について次の指標を用いており、当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。これらの指標項目については、今後も人的資本・多様性に対する取り組みを深化させる中で必要に応じて見直しを行ってまいります。

なお、連結グループにおいて主要な事業を営む当社においては指標のデータ管理とともに具体的な取組みを進めている一方、現在のところ全ての連結子会社で同様に行われていないため、連結グループとしての記載が困難であることから、提出会社である当社単体の目標及び実績を記載しております。

 

人材育成 テーマ①人材の採用

指標

2025年度

目標(年度)

新卒採用者数

男性:21名、女性:4名

25以上

2026年度

 

人材育成 テーマ②人材の戦略的配置

指標

2025年度

目標(年度)

海外派遣研修への派遣人数

3

2名以上

2026年度

内部監査室キャリアパス人数

4

4名以上

2026年度

 

人材育成 テーマ③多様な人材を活かす企業風土の醸成

指標

2025年度

目標(年度)

女性管理職比率(3月末)

2.0

10%以上

2030年度

総合職採用における女性比率

19.4

30%以上

2026年度

 

社内環境整備 テーマ①健康経営

指標

2025年度

目標(年度)

有給休暇取得率

82.8

80%以上

2026年度

 

社内環境整備 テーマ②エンゲージメント

指標

2025年度

目標(年度)

離職率(自己退職)

1.97

1.0%以下

2026年度

 

社内環境整備 テーマ③多様な人材の活躍基盤構築

指標

2025年度

目標(年度)

男性育休取得率

42.9

50%以上

2026年度

 

 

 

 

 

 

 

③ 人権への取り組み

OVOL中期経営計画2026に掲げた3つの取り組みテーマに対する、2025年度における取り組み実績は以下のとおりです。

テーマ

2025年度取り組み実績

①人権尊重の風土醸成・浸透

・当社グループの人権課題についての研修及び理解度確認テストを実施(単体及び国内グループ会社の役職員1,881名が受講)

※海外グループ会社の役職員向け研修は2026年度に実施予定

②人権デュー・デリジェンスの実装とリスクの把握・改善

・当社グループの人権デュー・デリジェンスに関する2030年までの全体計画を策定

・サプライヤーへのアンケートによる人権リスクアセスメントの実施

調査対象:単体仕入額上位85%の主要取引先

有効回答率 100%

③苦情処理メカニズムの実装

・グループ各社における苦情処理メカニズムの実装状況確認を踏まえた人権救済窓口の設置検討を継続中