2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 35,585 100.0 1,579 100.0 4.4

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社と子会社2社で構成されております。

事業の内容は、鋼矢板(シートパイル)、H形鋼、鋼製山留材、覆工板などの建設基礎工事用鋼製重仮設資材、仮設システム橋梁(ランドクロス)、各種補強土壁製品、建築用鉄骨加工品などの販売、賃貸及び資材提供に附帯する工事、加工、運送等であります。

 

取扱資材は、日本製鉄㈱の製品が主で、エムエム建材㈱を主力とする商社経由で購入し、販売及び賃貸先は鹿島建設㈱、㈱竹中工務店、㈱大林組、熊谷組㈱、安藤ハザマ興業㈱その他大手中堅建設会社が主体となっております。

なお、営業圏は北海道から関西までであります。

 

当社グループ内の事業に係わる位置付け及び関係は次のとおりであります。

<主な関係会社>

子会社:フジ運輸株式会社、ディ・ケイ・コム株式会社

 

営業部門:

当社の営業は取引先別であり取扱商品別ではありません。

 

建設会社、商社等取引先に対する資材の売上・仕入業務とこれに附帯する工事請負業務を担当しております。

当社の工事施工はその一部を子会社が担当しております。

工場部門:

賃貸用資材の保管、使用後返却された資材の原状回復のための修理や整備、及び製作加工業務を担当しております。

運送部門:

資材提供の附帯業務である運送業務はその一部を子会社が担当しております。

 

 事業の系統図は、次のとおりであります。

(注)フジ運輸株式会社、ディ・ケイ・コム株式会社は連結子会社であります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 

a.財政状態

・当連結会計年度末の資産合計は439億69百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億23百万円の増加となりました。その主な内訳は、機械装置及び運搬具やその他の有形固定資産が増加したことによるものであります。

・当連結会計年度末の負債合計は130億43百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億89百万円の減少となりました。その主な内訳は、納税による未払法人税等の減少と、支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務が減少したことによります。

・当連結会計年度末の純資産合計は309億26百万円となり、前連結会計年度末と比較して11億12百万円の増加となりました。その主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加によるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高355億85百万円(前年同期比3.0%増)となりました。利益につきましては、営業利益15億79百万円(前年同期比11.9%増)、経常利益20億77百万円(前年同期比7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億34百万円(前年同期比11.8%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ、2億37百万円増加の50億92百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は14億47百万円の増加(前年同期は32億円の増加)となりました。主な増加項目は税金等調整前当期純利益21億73百万円、売上債権及び契約資産の減少による資金の増加額5億51百万円であり、主な減少項目は棚卸資産の増加による資金の減少額2億31百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は8億5百万円の減少(前年同期は2億97百万円の減少)となりました。主な減少項目は有形及び無形固定資産の取得による支出額10億50百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は4億4百万円の減少(前年同期は13億77百万円の減少)となりました。主な減少項目は配当の支払額3億93百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業の部門で示すと、次のとおりであります。

部門の名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

工場部門

1,480

0.1

(注)金額は受注加工製作額であり、販売価格によっております。

 

b.受注実績

工事及び製作加工は、取引先との契約締結後、ごく短い期間で工事施工開始又は製作加工品を納入するという業界の慣習・取引形態の特殊性により、受注高の集計は行っておりません。

 

c.販売実績

営業部門は取扱商品別に分かれておりません。当連結会計年度における売上形態区分別内訳は次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

販売

12,353

△6.4

賃貸

4,656

5.8

工事

12,590

11.1

加工料

2,768

1.5

運送

3,216

11.4

合計

35,585

3.0

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

鹿島建設株式会社

3,890

11.3

5,334

15.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は439億69百万円となり、前連結会計年度末と比べ6億23百万円の増加となりました。

流動資産につきましては、当連結会計年度末の合計は328億54百万円となり、前連結会計年度末と比べ54百万円の減少となりました。その主な内訳は、翌事業年度に予定している出庫用の在庫調達により建設資材が前連結会計年度末と比べ1億67百万円増加した一方で、回収サイト短縮により受取手形、売掛金及び契約資産と電子記録債権をあわせた売上債権が前連結会計年度末と比べ5億51百万円減少したことによります。

有形固定資産につきましては、当連結会計年度末の合計は67億37百万円となり、前連結会計年度末と比べ7億3百万円の増加となりました。その主な内訳は、機械装置及び運搬具が前連結会計年度と比べ4億22百万円、建設仮勘定が前連結会計年度と比べ2億24百万円、それぞれ増加したことによります。当社グループは、中期経営計画で掲げた経営基盤の強化の一環として、工場の整備能力・生産性向上のための整備ラインのオートメーション化および工場内の環境改善に取り組んでおり、建物付属設備や機械装置の取得等を実施しております。また、工事収益強化のために、工事用機械の購入も実施しております。

投資有価証券につきましては政策保有株式の保有のスクリーニングの結果、当連結会計年度におきまして一部銘柄の売却を実施しました。この結果、時価評価も含んだ投資有価証券の残高は前連結会計年度末と比べ39百万円の減少となりました。売却による収入は、工場等の設備投資に運用してまいります。

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は130億43百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億89百万円の減少となりました。その主な内訳は、納税による未払法人税等の減少と、支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務が減少したことによります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は309億26百万円となり、前連結会計年度末と比べ11億12百万円の増加となりました。株主配当金3億93百万の支払による減少と親会社株主に帰属する当期純利益15億34百万円の剰余金への組み入れによります。この結果、自己資本比率は70.3%となり、前連結会計年度末と比べ1.6ポイント上昇しました。

今後も経営基盤の強化と成長に向けた投資を計画、実施していきながら業績面での利益水準の向上を図り、財務の健全性を維持しつつ資本コストや資本収益性を意識した最適資本構成の実現に向けた取り組みを継続してまいります。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度の項目別売上は、販売収入が前年同期比6.4%減の123億53百万円、賃貸収入が前年同期比5.8%増の46億56百万円、工事収入が前年同期比11.1%増の125億90百万円、加工収入が前年同期比1.5%増の27億68百万円、運送収入が前年同期比11.4%増の32億16百万円となり、総売上高は前年同期比3.0%増収の355億85百万円となりました。売上原価は前年同期比2.5%増の291億24百万円となりました。売上高総粗利益の段階では前年同期比5.4%増の64億60百万円となりました。建設コストを反映した価格改善の取り組みは概ね順調に浸透しておりますが、採算性を重視した受注活動を展開した結果、販売収入以外の項目で増収となりました。売上高の各項目の構成比では、受注工事拡大に注力した結果、工事収入が全体の35.4%を占めるまでに進捗いたしました。販売費及び一般管理費は前年同期比3.4%増の48億81百万円を計上した結果、営業利益は前年同期比11.9%増の15億79百万円となりました。将来の成長・変革を担う人材の確保・育成に注力し人的資本への投資を実施しており、今後も継続してまいります。この結果、総売上高、営業利益ともに増収・増益の結果となりました。

営業外収益5億92百万円(前年同期比0.1%減)、工場設備の入れ替えに伴う処分損を含む営業外費用93百万円(前年同期比20.5%増)を加減した結果、経常利益は20億77百万円(前年同期比7.9%増)となりました。政策保有株式の売却益を含めた特別利益1億3百万円(前年同期比2.5%増)を計上し、法人税等合計6億39百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は15億34百万円(前年同期比11.8%増)となりました。

 

c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの業績は建設業界を取り巻く環境に左右されます。従来からの技能労働者不足、建設従事者の高齢化、鋼材価格の高止まり、労務費の高騰、時間外労働の上限規制の適用による建設コストの上昇の影響で工事の着工遅延、進捗遅れが当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼします。このような背景から、更なる受注競争の激化による採算面での厳しさが増すものと予想されます。

今後につきましても、建設コストの高止まりが続くと予想されます。一方で、国内の公共投資や設備投資には底堅さが見られ、都市部の再開発事業や民間設備投資プロジェクトと国土強靭化、インフラ対策等の公共投資の下支えが期待されております。当社グループは引き続き採算面での徹底した管理を行いながら受注活動に取り組んでまいります。

 

d.経営者の問題認識と今後の方針について

当連結会計年度末では最終年度末の目標に掲げた定量的目標数値である連結売上高400億円の目標に対しては89%の進捗となりましたが、経常利益20億円の目標に対しては104%の進捗となりました。定性的に掲げた「事業構造改革」「成長」「経営力」の三本柱を戦略的に展開し、経営基盤を強化し計画を進めております。

事業構造改革では、稼ぐ力の強化のひとつに工事収益力の強化を掲げており、当連結会計年度においては増収増益を達成し、継続的に工事部門の人材確保と新たな工法の進化等に注力していく方針であります。加工収益力強化に向けては、現場の建築分野・土木分野のなかの特殊な受注加工物件の受注拡大に取り組んでまいります。また、橋梁分野では、建設後50年以上経過するインフラ構造物の橋梁の架け替え・災害復旧工事などのあらゆる需要に対応可能な仮桟橋商品のラインアップの充実化を図り、機動的な人的リソース体制の強化に取り組み、受注拡大を図ってまいります。

工場部門では工場の協力会社の高齢化、人員の確保に対応していくことが喫緊の課題と認識しております。将来の収益力を成長させるためにも、工場設備の更新を積極的に進めていき、整備能力・生産性向上に資する機械の導入を進めてまいります。また、工場内の環境改善を進めていく一環として、作業建屋の改築等にも取り組んでまいります。具体的には鋼矢板やH形鋼の自動洗浄ラインの稼働、新たな建屋を設置し覆工板の自動整備機械の導入を進めていきます。これら当社の基幹を担う工場部門への設備投資を促進させ、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)作業を低減し、多様な人材が活躍できる環境を整備することで、顧客ニーズに沿った迅速な資材提供と適正な在庫量の維持・管理を徹底してまいります。

工事部門、工場部門以外でも、人材の確保に注力していきます。新卒の採用以外にも中途採用も積極的に行い人材の確保に努めていきます。また、当社では社員のモチベーション向上に繋げる人事制度改革に取り組んでおります。人材育成面では、社員が活躍できるスキルの向上を目的に業務全般に必要な知識を習得していくことが重要と捉え、研修カリキュラムを策定し、継続的に実施してまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 

a.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの資金需要は、営業活動に必要な運転資金として材料費、外注費、修理費、製作加工費、労務費等が主要な内容であります。経常的な運転資金については、一定水準の資金を確保しておく必要があります。設備投資などの資金の財源については、営業活動による収入で得た資金を投入し、不足する場合は有利子負債による資金調達を実施しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)及び当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)

当社及び連結子会社の事業は、建設基礎工事用鋼製重仮設資材等の販売、賃貸及び資材提供に附随する工事、加工、運送等であり、建設現場において使用する資材に関連して一体となって提供するものであります。その性質、市場の類似性を考慮すると単一セグメントであるため、記載は省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、記載しておりません。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載しておりません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

鹿島建設株式会社

3,890

 -

(注)当社グループは単一セグメントであります。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、記載しておりません。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載しておりません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

鹿島建設株式会社

5,334

 -

(注)当社グループは単一セグメントであります。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

特記事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。