事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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エモーショナルバリューソリューション事業 | 188,351 | 65.3 | 17,262 | 71.0 | 9.2 |
デバイスソリューション事業 | 58,396 | 20.2 | 2,117 | 8.7 | 3.6 |
システムソリューション事業 | 40,454 | 14.0 | 4,715 | 19.4 | 11.7 |
その他 | 1,206 | 0.4 | 219 | 0.9 | 18.2 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、エモーショナルバリューソリューション事業、デバイスソリューション事業、システムソリューション事業を主な事業としております。また、当社は持株会社として、それぞれの事業会社を連結運営する経営体制をとっております。
各事業の内容と各関係会社の当該事業に係わる位置づけは次のとおりであります。なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
[エモーショナルバリューソリューション事業]
国内では主にセイコーウオッチ㈱がウオッチの卸売等を、㈱クロノスが時計小売を、盛岡セイコー工業㈱がウオッチ製造を、セイコータイムラボ㈱がウオッチの修理・アフターサービスを、セイコータイムクリエーション㈱がクロックの商品開発、製造・販売及び修理・アフターサービス、並びに設備時計、スポーツ計時機器等の販売を、㈱和光が高級宝飾・服飾・雑貨品等の小売を行っております。
海外ではGrand Seiko Corporation of America、Seiko Watch of America LLC、SEIKO Watch Europe S.A.S.等がウオッチの卸売を、SEIKO Manufacturing (H.K.) Ltd.、SEIKO Manufacturing (Singapore) Pte. Ltd.等がウオッチ製造を、SEIKO CLOCK (Hong Kong) Ltd.等がクロックなどの製造・販売を行っております。
[デバイスソリューション事業]
国内では主にセイコーインスツル㈱が電子デバイス等の製造・販売を行っております。海外ではSeiko Instruments Trading (H.K.) Ltd.等が電子デバイス等の販売を、Seiko Instruments (Thailand) Ltd.等が電子デバイス等の製造・販売を行っております。
[システムソリューション事業]
セイコーソリューションズ㈱等がシステム関連(IT性能管理含む)、IoT関連、決済関連ビジネスに係る製品の開発及び販売、並びに販売した製品の保守サービス及びソフトウエアの受注制作サービスの提供をしております。
[その他]
主に京橋起業㈱が不動産賃貸を行っております。
以上の企業集団の状況を事業系統図に示すと以下のとおりであります。
※ 持分法適用会社であります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、高インフレが継続する中で金融引き締めの状況が継続しており、米国は減速懸念がある中で消費を中心に堅調に推移しているものの、欧州は物価高騰が続く中で消費などが弱く回復は足踏み状態です。また、中国は小売や生産が緩やかに回復しているものの、不動産市場の調整などでゼロコロナ政策撤廃後の持ち直しが鈍化しています。
わが国の経済は、インフレ下で個人消費が懸念されるものの全般的には回復基調にあり、またインバウンド需要はコロナ禍前の水準まで回復してきております。
このような中、エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業がインバウンド需要を背景に大きく売上を伸ばし、海外市場向けのウオッチ事業も欧州、アジア地域で伸長して、売上高は前年度を上回りました。デバイスソリューション事業は、中国経済停滞の長期化やデバイス領域全般における在庫調整など事業環境が低迷する中で、売上高は前年度を大きく下回ったものの、一部製品で需要回復の兆しが見えます。システムソリューション事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き続き奏功して、前年度を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、2,768億円(前年度比6.3%増)となりました。
連結全体の国内売上高は1,474億円(同11.2%増)、海外売上高は1,293億円(同1.1%増)となり、海外売上高割合は46.7%でした。
当連結会計年度の広告宣伝販促費は前年度に対して約10%増加し、販売費及び一般管理費は前年度から73億円の増加となりました。営業利益は、エモーショナルバリューソリューション事業が牽引し、前年度から35億円改善の147億円(同31.2%増)となりました。営業外収支は、受取利息や受取配当金の増加等により前年度から12億円改善し、経常利益は前年度を47億円上回る158億円(同42.3%増)となりました。特別損益は、特別利益として固定資産売却益など15億円、特別損失として事業構造改善費用、減損損失、情報セキュリティ対策費など合わせて23億円を計上しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、国内事業会社の収益改善に伴い法人税等調整額が減少したことなどにより、100億円(同99.9%増)となりました。
なお、当連結会計年度の平均為替レートは1米ドル144.7円、1ユーロ156.8円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)
EVS事業の売上高は前年度比175億円増加の1,883億円(前年度比10.3%増)となりました。
国内のウオッチは、コロナ禍からの回復が進んだことで回復基調となり、さらにインバウンドの好影響も受け「グランドセイコー」、「セイコープロスペックス」を中心に前年度から大きく売上高を伸ばしました。また海外でも、「セイコープレザージュ」、「セイコー5スポーツ」などが伸長し、売上高は前年度から増加しました。ウオッチムーブメントの外販ビジネスは、中国経済低迷の影響を受けたものの、為替の影響もあり、売上高は前年並みとなりました。
和光事業は、好調なインバウンド需要を背景に前年度と比べ大きく伸長しました。また、クロック事業は、海外向けで中国経済の低迷を受けるなどの影響で減少しましたが、タイムシステム事業は伸長しました。
売上高の増加、売上総利益率の改善等により、営業利益は前年度から56億円増加し172億円(同49.1%増)となりました。
デバイスソリューション事業(DS事業)
DS事業は売上高583億円(前年度比9.5%減)、営業利益21億円(同58.1%減)となりました。
中国経済停滞長期化や電子デバイス市場での在庫調整が継続している影響により、サーマルプリンタを始め、半導体製造装置向けの高機能金属、精密部品等が低迷し、前年度から大幅な減収減益となりましたが、酸化銀電池や水晶など一部の事業で調整局面から回復傾向にあります。
システムソリューション事業(SS事業)
SS事業の売上高は前年度比38億円増加の404億円(前年度比10.5%増)、営業利益は前年度比3億円増加の47億円(同8.0%増)となりました。
継続したデジタル需要拡大の追い風もあり、性能管理・セキュリティ関連ビジネスなどデジタルインフラを支える事業や、電子契約等の業務プロセスDX化ソリューションが業務拡大を牽引し、32四半期連続で対前年同四半期比増収増益となりました。
(2) 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は3,762億円となり、前連結会計年度末に比べて、為替による影響も含め203億円の増加となりました。流動資産では、売掛金が59億円増加しましたが、現金及び預金が36億円、未収入金が21億円減少したことなどにより、流動資産合計は前連結会計年度末より12億円増加の1,746億円となりました。固定資産では、有形固定資産が48億円、無形固定資産が26億円、投資その他の資産が115億円増加したことから、固定資産合計は前連結会計年度末と比べ190億円増加の2,015億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が82億円、長期借入金が58億円減少したことで借入金合計は1,177億円となりました。その他、支払手形及び買掛金が27億円、未払金が39億円、未払法人税等が28億円、繰延税金負債が26億円増加したことなどにより、負債合計は前連結会計年度末と比べ、為替による影響も含め7億円増加の2,249億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が56億円、その他有価証券評価差額金が63億円、為替換算調整勘定が76億円増加したことなどから、合計でも前連結会計年度末と比べ195億円増加の1,513億円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は326億円となり、前連結会計年度末と比べて35億円の減少となりました。また、営業活動および投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは176億円となりました。
これは主に以下の要因によるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が151億円となり、減価償却費133億円を加え、棚卸資産の増減額37億円、仕入債務の増減額38億円等の調整を行った結果、327億円のプラス(前年度は92億円のプラス)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△110億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△24億円等を計上した結果、150億円のマイナス(前年度は155億円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および借入がネットで△156億円、リース債務の返済による支出△23億円、配当金の支払額△31億円等があり230億円のマイナス(前年度は105億円のプラス)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要、設備投資や研究開発費、ブランディング費用などの成長及び企業価値向上を目的とした投資需要であり、資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、有利子負債による資金調達であります。
資金の流動性につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は326億円であり、将来の資金需要に対し適正な水準を確保していると認識しております。また、当社および国内の事業会社においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ全体の資金効率化を図っております。さらに、様々な不測の事態においても機動的かつ安定的に経常運転資金を確保するため、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(6) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、製造原価によって算出しております。
2.連結消去後の金額で記載しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.連結消去後の金額で記載しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.連結消去後の金額で記載しております。
2.総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はないため、「主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合」の記載は行っておりません。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、提供するソリューションを基準とした3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューションドメイン、デバイスソリューションドメイン、システムソリューションドメイン)を設定し、ドメインごとの戦略を策定し、推進しております。
したがって、当社は、戦略ドメインが提供するソリューションを基準とした「エモーショナルバリューソリューション事業」、「デバイスソリューション事業」及び「システムソリューション事業」の3つを報告セグメントとしております。
各報告セグメントに属する主要な製品及び商品は以下のとおりであります。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。セグメント間の取引価格は主として外部取引価格に準じております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、シェアードサービス事業等を含んでおります。
2.調整額は以下のとおりであります。
(1) 外部顧客への売上高の調整額411百万円は、事業セグメントに帰属しない本社部門におけるロイヤリティー収入であります。
(2) セグメント利益の調整額△9,940百万円には、のれんの償却額△566百万円、セグメント間取引消去等△522百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△8,851百万円が含まれております。全社費用の主なものは、事業セグメントに帰属しない本社部門に係る費用であります。
(3) セグメント資産の調整額76,667百万円には、報告セグメント間の債権の相殺消去△81,055百万円、各セグメントに配分していない全社資産212,305百万円及び投資と資本の相殺消去等△54,582百万円が含まれております。全社資産は、本社部門での余資運用資金、長期投資資金(投資有価証券)等であります。
(4) 持分法適用会社への投資額の調整額14,348百万円は、各報告セグメントに属していない持分法適用会社への投資額であります。
3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、シェアードサービス事業等を含んでおります。
2.調整額は以下のとおりであります。
(1) 外部顧客への売上高の調整額464百万円は、事業セグメントに帰属しない本社部門におけるロイヤリティー収入であります。
(2) セグメント利益の調整額△9,577百万円には、のれんの償却額△566百万円、セグメント間取引消去等△482百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△8,528百万円が含まれております。全社費用の主なものは、事業セグメントに帰属しない本社部門に係る費用であります。
(3) セグメント資産の調整額77,266百万円には、報告セグメント間の債権の相殺消去△81,458百万円、各セグメントに配分していない全社資産213,233百万円及び投資と資本の相殺消去等△54,508百万円が含まれております。全社資産は、本社部門での余資運用資金、長期投資資金(投資有価証券)等であります。
(4) 持分法適用会社への投資額の調整額15,133百万円は、各報告セグメントに属していない持分法適用会社への投資額であります。
3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(のれん)
(注) 報告セグメントに配分されていないのれんの当期償却額及び当期末残高は、主として親会社(持株会社)によるエモーショナルバリューソリューション事業の一部に対する投資に係るものであります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(のれん)
(注) 報告セグメントに配分されていないのれんの当期償却額及び当期末残高は、主として親会社(持株会社)によるエモーショナルバリューソリューション事業の一部に対する投資に係るものであります。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。