人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,298名(単体) 3,001名(連結)
-
平均年齢37.9歳(単体)
-
平均勤続年数15.4年(単体)
-
平均年収7,895,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
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2025年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
国内インテリア |
1,809 |
(314) |
国内エクステリア |
216 |
(8) |
海外 |
976 |
(18) |
合計 |
3,001 |
(340) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.従業員数が前連結会計年度末に比べ356人増加しております。これは主に、海外セグメントにおいて、2024年7月1日付でD'Perception Pte Ltdの株式の70%を取得し、連結子会社化したことによるものであります。
(2) 提出会社の状況
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2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
|
1,298 |
(297) |
37.9 |
15.4 |
7,895 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
国内インテリア |
1,289 |
(296) |
海外 |
9 |
(1) |
合計 |
1,298 |
(297) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
クレアネイト株式会社については、日本化学エネルギー産業労働組合連合会化学一般クレアネイト労働組合があり、組合員数は10人であります。クレアネイト株式会社において、経営者と従業員は良好な関係を維持しており、特記すべき事項はありません。当社および上記以外の当社の関係会社には労働組合はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める 女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
22.8 |
116.7 |
71.3 |
74.6 |
77.2 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、2025年4月1日時点の割合であります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであり、対象期間は2025年3月期(2024年4月1日から2025年3月31日)であります。なお、過年度に配偶者が出産した男性労働者が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、対象期間は2025年3月期(2024年4月1日から2025年3月31日)であります。なお、短時間勤務の取扱いについては、通常勤務に人工換算して算出しております。
<提出会社の各数値に関する補足説明>
・上記指標を含む人材に関する指標は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 3.人的資本に関する考え方及び取組」に記載しております。
・「労働者の男女の賃金の差異」について、属性(勤続年数、役職等)が同じ男女労働者間での賃金差異はありません。正規雇用労働者における差異の主な要因は、①相対的に高い役職に就いている年代において男性比率が高いこと、②賞与には勤務日数を反映しており、育児休職等の女性の取得期間が男性よりも長期にわたることが影響しております。①について、正規雇用労働者における賃金差異を年代別で見ると、男女比率が拮抗している10代・20代の賃金差異はほとんどありません(表1参照)。②については、産前産後休暇・育児休業等の休職者を算出対象から除いて賃金差異を算出すると、全労働者の賃金差異は、71.3%から76.3%となります(表2参照)。これらの状況を踏まえ、①の解消に対しては「女性管理職比率25%以上」、②の解消に対しては「男性育児休業2週間以上取得率100%」といった中期経営計画の定量目標達成が賃金差異の解消に資するものと考えております。中期経営計画の最終年度における目標達成に加え、継続的な男女間賃金差異の縮小、女性活躍および共働き・共育てしやすい環境作りを推進してまいります。
表1 正規雇用労働者における年代別の賃金差異
区分 |
労働者の男女の賃金の差異(%) |
10代・20代 |
99.7 |
30代 |
74.7 |
40代 |
83.8 |
50代 |
82.0 |
合計 |
74.6 |
表2 産前産後休暇・育児休業等の休職者を算出対象から除いた男女の賃金の差異
労働者の男女の賃金の差異(%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
76.3 |
82.5 |
74.7 |
②連結子会社
当事業年度 |
|||||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の 割合(%) (注)1、3 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
||||
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
||
株式会社 サングリーン |
- |
40.0 |
40.0 |
0.0 |
- |
- |
- |
クレアネイト 株式会社 |
13.0 |
25.0 |
25.0 |
0.0 |
- |
- |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、2025年4月1日時点の割合であります。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。対象期間は2024年4月1日~2025年3月31日であります。なお、株式会社サングリーン、クレアネイト株式会社におけるパート・有期労働者の取得率0.0%は、どちらも育児休業の対象となる子の出生がなかったことによるものです。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づく公表義務の対象ではない連結子会社は、記載を省略あるいは「-」と記載しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組
当社グループは、創業より内装材を中心に事業を展開し、壁紙、床材、ファブリックへと取り扱い商品を拡大させながらトータルインテリア企業としての挑戦を続けてきました。これらの企業活動の根底には、「事業を通じて日本のインテリアを良くし、人々の暮らしを豊かにすることで社会の発展に貢献したい」という思いがあり、これが当社グループの原点となっています。現在においては、この思いを当社グループ全体を見据えて再整理し、創出した経済価値を次なる社会価値の創出のため積極的に活用し、そのサイクルの中で社会と企業の持続的な成長を追求するという考え方を、企業理念や長期ビジョン、さらにマテリアリティに落とし込んでいます。今後も、社会課題を解決する企業活動を体系的にかつ高度に推進し、持続的な成長を目指しています。
(1)ガバナンス
当社グループは、持続的な成長の実現に向けて、サステナビリティの課題に対しても監督と執行が効果的に役割を果たせるよう、これらを管理・推進するマネジメント体系を構築しています。この体系は、企業理念の実現に向けて策定された各戦略に基づき、中長期的な視点でサステナビリティ施策について規律を持って運用していくことを目的としています。
当社のサステナビリティに関する戦略の要素には、主に長期ビジョン、中期経営計画、マテリアリティ、リスクマネジメントなどがあり、それぞれの運用においては、関連する主管部署がPDCAサイクルを回しています。また、取り組みの進捗や課題については、執行役員が参加する経営会議を中心に審議・報告され、全社活動のフォローアップを行っています。さらに、サステナビリティ施策の中で特に重要なマテリアリティに関しては、ESG委員会へ定期的に報告するとともに、リスクマネジメントについては、全社リスク管理委員会に報告し、それぞれの委員会を通じて議論を深め、フィードバックを受ける仕組みを整備しています。これにより、取り組み内容やプロセスの改善を図り、より高い基準での課題解決に取り組んでいます。
これらの活動状況や成果は取締役会にも報告され、取締役会がその進捗状況を監督しています。また、当社は株主や投資家をはじめとするステークホルダーに対して積極的に情報開示を行い、その評価を収集分析し社内に還元することで、経営における多様な視点の取り入れおよび情報開示の改善・拡充に向けた社内認識の醸成に努めています。
以上のマネジメント体系を通じて、当社グループはサステナビリティ課題に対処し、持続的な成長の実現を図っています。
サステナビリティ関連のマネジメント体系
■サステナビリティ関連の事項を取り扱う全社会議体
<経営会議>
当社は、業務の執行に関し必要な審議を行うとともに、意思決定に対する補助機関として経営会議を設置しており、執行役員、各部門長および常勤監査等委員をもって構成しております。原則毎月1回開催しており、長期ビジョンや中期経営計画といった中長期戦略に関する審議および進捗の確認についても主要なアジェンダとして取り扱っています。
<ESG委員会>
当社は、マテリアリティに関連する取り組みの決定やその進捗管理を行う会議体としてESG委員会を設立し、ISO26000で示された中心課題を活動テーマとして、5つの分科会(ガバナンス、人的資本、社会資本、社会参画、環境)にて活動を推進しています。各分科会は、テーマにおける主管部署だけでなく、コーポレート部門やロジスティクス部門、事業部門、スペースプランニング部門、海外事業部門および社長直轄組織も含めた幅広いメンバーで構成し、議論の多様性を高めています。ESG委員会は、各マテリアリティに対して取り組み目標を設定し、実際に業務を行う社内各部門の業務計画に落とし込みます。また、取り組み状況については、四半期ごとに、分科会からの報告による進捗管理を行うとともに、課題解決のための議論を行っています。組織体制においては、委員長を社長が、統括責任者を担当執行役員が務め、さらに監査等委員である社内取締役の出席のもと運営しています。
ESG委員会の活動内容に関する取締役会への報告は、年2回の定期報告を行う仕組みとしており、また、ESG委員会の議事録を社外取締役にも展開することで、取締役会のより強い監督のもとESG活動を展開しています。
<全社リスク管理委員会>
当社は、コーポレートガバナンスに係る各種委員会の一つとして、全社リスク管理委員会を設置し、事業活動におけるリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っています。本委員会における管理項目においても、マテリアリティを含むその他サステナビリティに関するリスクが含まれており、それぞれの観点から、より多角的な管理を行っています。本委員会における管理内容の詳細については、「3 事業等のリスク」をご覧下さい。
<投融資委員会>
当社は、2025年4月に当社グループの成長戦略にとって重要な投資案件、融資案件の審議、フォローアップを多様な視点から討議する投融資委員会を設置しました。経営会議、取締役会に先立ち、各投融資案件の戦略的意義、経済性、リスクの所在と対応等を十分検証し、案件の実現可能性を審議する機関としての活動を開始しています。
(2)戦略
当社グループは、社会的要請や当該業界の重要テーマを踏まえ、社会および長期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成長への影響からマテリアリティを特定しました。これらのテーマは、長期ビジョンの実現に向けた重要項目でもあり、事業計画と連動しながらPDCAサイクルを回しています。
抽出したマテリアリティは、社会および長期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成長への影響からマッピングを行うとともに(表①マテリアリティマップ)、長期ビジョンで実現を目指す社会価値や、関連するSDGsと紐づけています(表②マテリアリティ・社会的価値・SDGsとの関連性)。また、特筆すべきマテリアリティに関しては、リスクと機会から分析し、リスクの管理と機会の創出・獲得に向けた対応を行っています(表③マテリアリティにおけるリスクと機会)。
なお、企業理念の策定に伴い、全社を横断的に統括するESG委員会を中心にマテリアリティの見直し・特定についての議論を進めており、改めて公表いたします。
マテリアリティの特定のプロセスは、以下のとおりです。
表①マテリアリティマップ
表②マテリアリティ・社会的価値・SDGsとの関連性
表③マテリアリティにおけるリスクと機会(抜粋)
マテリアリティ |
リスク |
機会 |
調達面での供給安定性 |
・製造設備の不具合や、災害等の影響により計画通りの生産および商品提供が困難になった際の売上減少・顧客の離反 |
・生産能力増強や、BCP体制の強化による、確実な商品提供および信頼性向上 |
品質安定性 |
・品質の低下による信頼性低下・顧客の離反および貼替対応による収益の圧迫 |
・品質の向上による信頼性向上・受注増加 |
事業活動における環境負荷 (GHG、エネルギー、廃棄物) |
・気候変動抑制のための政策が導入された際の、仕入価格の高騰 ・環境に配慮したエシカル消費の拡大による、環境負荷の高い製品のニーズ縮小および売上減少 |
・環境に配慮したエシカル消費の拡大による、環境負荷の低い製品のニーズ拡大および売上増加 ・省エネや廃棄物削減、リサイクルによるコストの削減 |
デザインするよろこびの提供 |
・顧客や社会のニーズに応じたデザインや商品開発ができないことによる競争力の低下、販売機会の減少 |
・顧客や社会のニーズに応じたデザインや商品開発による競合他社との差別化、販売機会の拡大 |
社員エンゲージメントの向上 社員の健康と能力開発 従業員のダイバーシティ・ インクルージョン |
・労働環境や組織風土が改善しないことによる社員エンゲージメントの低下および人材の社外流出・人材の確保困難 |
・労働環境や組織風土の改善による社員エンゲージメントの向上および人材の確保 ・ダイバーシティ・インクルージョンの推進による創造性の向上・競争力の強化 ・社員の能力開発による生産性の向上 |
■マテリアリティに対する目指す姿と取り組み状況(抜粋)
分科会 |
マテリアリティ |
目指す姿 |
取り組み・トピックス |
環境 |
事業活動における 環境負荷 |
・GHG排出量 連結:Scope1&2 2025年度28%減(2021年度比) 2029年度55%減(2021年度比) 単体:Scope1&2 2025年度60%減(2018年度比) 2029年度カーボンニュートラル |
・太陽光発電設備で発電した電力の、自家消費および自己託送の実施 ・製造拠点・ロジスティクス拠点における省エネ活動推進 ・再生可能エネルギー電力メニューの切替拡大 ・電力証書の購入 |
見本帳リサイクル |
・2025年度目標 営業回収分全量リサイクル:30万冊 |
・分解作業の効率化 |
|
人的資本 |
社員の健康と能力開発 |
・多様な従業員に対して、それぞれの雇用形態に関わらず、機会均等を尊重し、良好な職場環境の維持や健康維持増進支援を構築する |
・健康診断の内容拡充 ・女性の健康セミナー、がんに関する研修の実施 ・デジタル人材の育成 ・BX推進に向けた管理職研修 ・社内インターンシップの拡大 |
従業員のダイバーシティ・ インクルージョン |
・グループのグローバル化とともに世界人権宣言に基づく人権尊重、ダイバーシティを推進・維持する ・障がい者雇用の職域拡大を推進し、雇用率目標4%超の維持向上と処遇・働き方の改善を促進する |
・障がい者雇用の職域拡大 ・男性育休取得拡大に向けた共育て風土の醸成 ・「GCNJコレクティブ・アクション2030宣言書」に署名、アクションプランを宣言 |
|
分科会 |
マテリアリティ |
目指す姿 |
取り組み・トピックス |
社会資本 |
品質安定性 |
・商品クレームの削減 ・品質向上に向けた意識改革 |
・仕入先との品質会議の実施 ・クレーム事例の社内共有、販売代理店へのクレーム研修実施 ・テストマーケティングによる実現場での検証 |
調達面での供給安定性 |
・サプライチェーンの改善把握 ・CSR調達方針に基づく調達基準の策定 |
・訪問実査、WEB会議での、自己評価アンケート(SAQ)のフィードバックや設問ごとに回答状況を確認しながら改善提案を実施 |
|
社会参画 |
コミュニティへの参画 |
・子ども支援 児童養護施設のリフォーム支援 50件 子ども食堂、教育支援についての支援方法の構築と実施 ・マッチングギフト 18,000S-mile |
・海外を含むグループ会社の参加 ・社会課題解決に取り組む団体への継続支援 ・主要営業ツールである見本帳を活用した、資源循環に関する体験学習の開始 |
ガバナンス |
独立性・客観性・ 透明性のあるコーポレート ガバナンス |
・高水準のガバナンス体制整備 ・ステークホルダーとの建設的な対話 |
・有価証券報告書の一部英文開示開始 |
コンプライアンスの 徹底による実力強化 |
・グループ全体で法令遵守体制を構築し、コンプライアンスを徹底 |
・グループ会社へのコンプライアンス支援体制の強化 ・コンプライアンスサーベイの実施 |
(3)リスク管理
当社では、「(2)戦略」に掲げるマテリアリティに対し、ESG委員会での活動を通じ、これらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
また、当社は、コーポレートガバナンスに係る各種委員会の一つとして、全社リスク管理委員会を設置し、事業活動におけるリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っています。本委員会における管理項目においても、マテリアリティを含むその他サステナビリティに関するリスクが含まれており、それぞれの観点から、より多角的な管理を行っています。詳細については、「3 事業等のリスク」をご覧下さい。
(4)指標及び目標
サステナビリティに関する指標及び目標については、現中期経営計画において定量目標を設定しています。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 5)中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]」をご参照ください。
また、当社では中期経営計画に掲げる指標以外にも、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)の各項目で詳細なKPIを設け、進捗状況を管理しています。詳しい内容は当社Webサイトをご覧ください。
「ESGマネジメント」KPIと実績
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/management.html
(5)その他、2024年度における具体的な取組
当社グループは、企業活動を通じて社会的責任を果たすべく、サステナビリティへの取り組みを最重要課題の一つと位置付け、持続可能な社会・企業を実現することを目指しています。2024年度における主な取り組みは以下のとおりです。
■環境における取組
当社グループは低環境負荷商品の開発を重要課題の一つと位置付けております。2024年度においては、従来の塩ビ壁紙同等の施工性を維持しつつ、植物由来の可塑剤や非フッ素撥水剤を使用し環境負荷の低減を実現した壁紙「バイオクロス」の販売を開始し、グッドデザイン賞を受賞しました。この他にも脱炭素社会や水資源保全などに貢献する低環境負荷商品を各見本帳において多数ラインアップするなど、社会課題解決に向けた取り組みを加速させています。さらに、これらの取り組みはインテリアの領域だけでなく、エクステリアの領域にも拡大しており、2025年3月にはミサワホームグループとのパートナーシップによる、サプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献する100%リサイクル原料の人工木ウッドデッキ「フォレストウッド™」の共同開発を公表しました。また、中期経営計画[BX 2025]に掲げるGHG排出量の削減目標に関しては、自社で発電した再生可能エネルギーの自己託送やビニル壁紙メーカーであるグループ会社クレアネイト㈱と協働し、設備使用時のエネルギーロスを削減する活動を開始するなど、サプライチェーン全体での取り組みも着実に進めています。
■人的資本経営の取組
中期経営計画の社会価値における定量目標に基づき、健康経営の推進や女性管理職の積極登用等の施策を実行し、性別や年齢に関係なく安心して快適に働くことのできる職場環境の整備を全社的に進めています。具体的には新たな価値創造拠点である「PARCs Sangetsu Group Creative Hub」が、人々の健康とウェルビーイングに焦点を当てた建築物のグローバルな評価指標「WELL Building Standard™ v2」においてゴールドランクを取得しました。さらに、当社の健康経営方針“健康に働き、人生を送る「従業員が生き生きと働くために」”に基づく長期的な取り組みが評価され、6年連続、通算で7度目となる「健康経営優良法人2025」に認定されました。また、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の取り組みでは、サンゲツグループダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン基本方針に基づく各種取り組みが評価され、LGBTQ+への取り組みを評価する「PRIDE指標2024」において、2年連続で最高評価の「ゴールド」認定を受けました。当社グループはこれらの人的資本の強化を通した「社員の幸せ」と「会社の成長」の相互作用によって、企業としての持続的成長を目指します。
■社会貢献の取組
社会貢献の取り組みでは、2014年より実施している児童養護施設のリフォーム支援をはじめ、開発途上国の子ども達を支援するNPOへの協力、産学連携のプロジェクトへの参画など、グループ会社を含む社員それぞれが主体的に参加する活動を継続的に実施しています。具体的には、継続支援団体のうちの一つである認定NPO法人ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパンと協働した児童養護施設のリフォームや、株式会社乃村工藝社との協働による「空間」を通じた社会課題の解決を目指す共創プロジェクトなど、当社事業を起点に、さまざまなステークホルダーとの連携による積極的な社会参画活動を行っています。
当社グループは引き続き、事業の根幹である「空間創造」を通じて社会課題の解決に取り組み、経済価値ならびに社会価値を創出し続けることで「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」ことを目指してまいります。
2.自然資本に関する考え方及び取組
当社の事業活動は、主力製品の壁紙の木材資源使用や、製造・配送・施工の過程での化石エネルギー使用など自然資本と密接に関わっており、自然資本の保全および回復は、非常に重要な課題と認識しています。また、当社の事業と関連の深い建設業界においても、設計段階での調達物品の選定にあたり、CO2の排出削減や資源循環に貢献する商品を選ぶニーズは日増しに高まっており、長期的な企業価値の向上に向けて、この課題への対応は必須であると認識しています。
当社は、自然資本に関する課題において、気候変動、資源循環、自然共生を軸に、さまざまな施策を行っています。この3つは、それぞれがお互いに影響し合っているため、それぞれの取り組み間でのトレードオフを回避しつつ、相乗効果が出るよう統合的に推進することが重要です。例えば、太陽光発電を設置するために、当社にとって重要な自然資本である木材を伐採しては意味がありません。
環境問題は、社会にとって喫緊の課題であり、今後も商品企画・開発から製造・調達・提案・配送・施工・廃棄に至るまで事業活動のさまざまな点から課題解決に取り組んでまいります。
■環境負荷の状況
当社は、「空間」を通じた価値創造を行う企業として、環境保全への取り組みを社会に対する当然の責務と考えており、自らの事業活動における環境負荷の低減はもとより、より広いスコープでの地球環境の保全に配慮しています。当社の事業活動においては、当社グループによるGHG排出や商品・見本帳の廃棄に加え、取引先でのGHG排出や建築現場での使用済み廃材などさまざまな状況・場所において環境負荷が発生しています。当社ではこのそれぞれの領域において環境負荷の状況を把握し、自社だけではなくグループ・取引先とともに低減する取り組みを行っています。
環境影響図
■自然資本におけるガバナンス
自然資本への対応は、社長を委員長とするESG委員会のもとに設置した環境分科会が行っており、気候変動や資源循環についての取り組みを推進しています。環境分科会の構成は、環境施策の企画・立案を担うESG推進課、エネルギー使用を伴うファシリティや車両管理を担う総務課、商品開発を担う各プロダクトユニット、ロジスティクスセンターを運営するロジスティクス部門、営業を担う事業部門などさまざまな部署が参加しています。分科会では、事業活動によるGHG排出の環境負荷といったマテリアリティに対し、2030年3月期の当社単体でのカーボンニュートラル、グループ連結では2030年3月期55%削減(2021年度比)の達成に向けた目標を設定し、削減計画の策定、施策の検討や実行といった対応を進めています。これらの取り組みは四半期ごとに進捗状況をレビューし、取締役会にて年2回の進捗状況に関する管理・監督を行う仕組みとしています。取締役会においては、取締役に求められるスキルとして“サステナビリティ・ESG”を掲げ、気候変動をはじめとする環境分野に対する監督機能が発揮される体制を構築しています。
また当社は、ISO14001の認証を取得しています。環境マネジメントシステムを統括するISO管理責任者のもと、これを補佐するISO事務局を設置し、各事業所において環境活動を実施しています。
ESG委員会 体制図
Ⅰ.気候変動に関する考え方及び取組
地球温暖化による気候変動は、人間の生活や自然の生態系にさまざまな影響を与えています。その地球温暖化の主たる原因は温室効果ガス(以下、GHG)であり、GHG排出量を削減させることは企業における社会的責任であると考えています。
当社グループから排出されるGHGは、主に工場、事務所、倉庫にて使用する天然ガス・都市ガス・灯油、営業車両等で使用するガソリン・軽油等(Scope1)、また電気を起源とした温室効果ガス(Scope2)で構成されております。GHGを削減させるためには、エネルギーを最小限に無駄なく有効活用することが必要であり、エネルギー削減を推進することが地球温暖化防止や地球資源の有効活用に繋がると考えております。また、当社の事業活動に伴って排出されるGHGはScope3が9割以上を占めており、サプライチェーンを含めたGHG排出量削減の取り組みがより重要と認識しています。特に、全体の8割以上を占めるカテゴリ1(購入した製品、サービス)での排出状況を可視化すべく、仕入先へのエネルギー調査およびエンゲージメントを通じ、排出量削減に取り組んでいます。
(1)ガバナンス
気候変動におけるガバナンスについては、「2.自然資本に関する考え方及び取組 自然資本におけるガバナンス」をご参照ください。
(2)戦略
■採用シナリオ
当社では、気候変動による将来への不確実な影響に対応するため、TCFDが提言するシナリオ分析を実施しました。シナリオの選定においては、気候変動による影響を幅広く考慮するため、気候政策の導入による移行リスクがもっとも高まる「1.5℃シナリオ」と、化石燃料依存型の発展のもと気候政策を導入せず物理リスクが高まる「4℃シナリオ」を選定しました。また、対象事業については当社グループの売上構成比の8割を占める、サンゲツ単体の国内インテリアセグメントとし、分析時間軸は長期ビジョン[DESIGN 2030]の対象期間にあたる2030年までとしました。
今後は、対象事業のさらなる拡大や、リスク・機会の網羅性の向上、シナリオ分析の精緻化などにも取り組んでいきます。
気温上昇 推定値 |
採用シナリオ |
採用理由 |
対象事業 |
分析時間軸 |
1.5℃ |
SSP1-1.9 |
当社グループ事業の大半を占める日本が掲げる2050年ネット・ゼロ(1.5℃目標)に整合したシナリオであり、移行リスクが高い |
サンゲツ単体の国内 インテリアセグメント ・壁装材 ・床材 ・ファブリック |
~2030年 |
4℃ |
SSP5-8.5 |
最も極端な状況を想定するため、物理的な影響が最も大きいシナリオを採用 |
SSP:(Shared Socioeconomic Pathways)共通社会経済経路
■リスクと機会
項目 |
内容 |
財務への影響※ |
||
1.5℃ |
4℃ |
|||
移行リスク |
法規制 |
◆GHG排出規制 ・炭素税の拡大によりGHG排出量に応じコストが増加する |
小 |
|
市場 |
◆消費者行動の変化 ・環境に配慮したエシカル消費の拡大により、生産時のCO2排出量が高い製品や、使用時の省エネ効果の低い製品のニーズが減少し、売上が減少する |
中 |
|
|
◆仕入コストの増加 ・仕入先への炭素税導入の影響や、脱炭素商品の開発コスト増加により、仕入コストが増加する |
大 |
|
||
◆オフセットのコスト増加 ・各企業のカーボンニュートラル達成に向け、カーボンクレジットや電力証書の需要が高まり、オフセットのコストが増加する |
小 |
|
||
物理リスク |
急性 |
◆供給機能の停止 ・台風やゲリラ豪雨など自然災害(洪水や浸水、強風)の激甚化により、納期通りに商品供給ができなくなる |
|
小 |
◆保有施設の改修・BCP対応コスト増加 ・台風やゲリラ豪雨など自然災害(洪水や浸水、強風)の激甚化により、保有施設が棄損し、改修するためのコストが増加する ・自然災害の激甚化に備えた保有施設の改修や、ある拠点の供給機能が停止した時に他の拠点でカバーするといったBCP対応コストが増加する |
|
小 |
||
機会 |
製品 |
◆低環境負荷商品の売上増加 ・生産時のCO2フリー商品のラインアップを拡充することで、Scope3の削減を目指す顧客や環境意識の高い顧客からの受注が増加する |
大 |
|
※財務影響の程度:小(10億円未満)、中(10億円以上50億円未満)、大(50億円以上)
■シナリオ分析の結果
将来的に、今回分析したどちらのシナリオが訪れても、対応し、持続的な成長を実現できるよう、分析結果をもとに導き出した対策を実施していきます。
シナリオ |
分析結果 |
対策 |
1.5℃ |
・炭素税の導入による仕入コストの増加リスクが大きく、次いで消費者行動の変化により、生産時・使用時の環境負荷の高い製品の売上損失の影響が大きいことが分かった ・一方、機会は低環境負荷商品のラインアップ拡充による売上増加の影響が大きくなると試算された |
・省エネ、創エネの取り組み促進 ・サプライヤーと協働したGHG排出量の削減 ・低環境負荷商品の販売拡大 |
4℃ |
・気温上昇に伴う台風やゲリラ豪雨により、供給機能の停止や保有施設の改修・BCP対応コスト増加のリスクが小さいながらもあると試算された |
・BCP体制の構築 (建物の災害対策実施、原材料購入先の複数社化等のサプライチェーンのリスクマネジメント強化) |
(3)リスク管理
当社では、気候変動への対応をマテリアリティとして選定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
また当社は、コーポレートガバナンスに係る各種委員会の一つとして、全社リスク管理委員会を設置し、事業活動におけるリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っています。本リスク管理体制の中に、気候変動リスクを主要リスクとして取り扱っており、詳細については、「3 事業等のリスク」をご覧下さい。
(4)指標及び目標
当社では、事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減に向けた定量目標を設け、取り組みを進めました。目標と2024年度までの実績推移は、以下のとおりです。
目標
指標 |
対象 |
2025年度目標 |
2029年度目標 |
GHG排出量 (Scope1&2) |
連結 |
28%削減(2021年度比) |
55%削減(2021年度比) |
単体 |
60%削減(2018年度比) |
カーボンニュートラル |
|
使用エネルギー量 |
連結 |
4%削減(2021年度比) |
- |
単体 |
6%削減(2018年度比) |
- |
実績推移
指標 |
単位 |
対象 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度※ |
GHG排出量 (Scope1&2) |
t-CO2e |
連結 |
28,071 |
30,477 |
29,679 |
26,836 |
23,592 |
単体 |
6,233 |
5,992 |
5,668 |
4,871 |
4,057 |
||
使用エネルギー量 |
GJ |
連結 |
495,641 |
532,410 |
588,235 |
580,869 |
535,701 |
単体 |
141,259 |
133,264 |
129,067 |
121,626 |
117,339 |
※2024年度実績につきましては速報値であり、正式な数値については第三者認証の取得が完了したのち、当社Webサイトにて開示させていただきます。
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当社の気候変動に関する取り組みや実績の詳細は当社Webサイトをご覧ください。
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html
Ⅱ.資源循環に関する考え方及び取組
世界的な人口増加に加え、経済発展や利便性の追求により、資源消費のスピードが加速する中、資源枯渇リスクを軽減するためには、資源循環の取り組みが重要です。当社は、これまで取り組んできた廃棄物・排出物最小化を継続しつつ、再生材の利用促進や、リサイクルしやすい低環境負荷商品の拡大といった資源循環の取り組みを強化しています。
当社商品の主素材の一つであるポリ塩化ビニル(塩ビ)は、優れた加工性・耐久性・経済性を併せ持つ素材として、建築業界において広く使用されていますが、複合的な素材として活用されていることによって、リサイクルが困難な状況となっています。塩ビのリサイクル化は当社だけでなく業界全体の課題であり、素材メーカーやリサイクル事業者と連携した取り組みを推進していきます。
(1)ガバナンス
資源循環におけるガバナンスについては、「2.自然資本に関する考え方及び取組 自然資本におけるガバナンス」をご参照ください。
(2)戦略
■資源循環に関するリスクと機会
区分 |
リスク |
機会 |
素材 |
・壁紙・床材の主要な原材料であるプラスチックの使用制限による収益圧迫 |
・再生材の利用促進や、リサイクルしやすい低環境負荷商品の拡大による売上増加とブランドイメージの向上 |
廃棄物 |
・廃棄物の削減が進まないことによる処理費用の増加とブランドイメージの低下 ・廃棄物処理先不足に起因する処理費用の増加 |
・廃棄物の削減が進むことによる処理費用の減少とブランドイメージの向上 |
■見本帳リサイクル
当社見本帳は、約12,000点にもおよぶ多彩な商品をお客さまに効率的に選定いただくための重要なビジネスツールである一方、年間で約150万冊発刊されており、使用後の見本帳はさまざまな場所で、リサイクルされずに廃棄されています。この環境負荷に対する課題解決として、見本帳のリサイクルを行っています。2021年3月に設置した「見本帳リサイクルセンター」では、さまざまな素材が混在している当社見本帳を分別しマテリアルリサイクル(※)として資源循環を行っており、2024年度のリサイクル冊数は約5.5万冊になります。また、同センターにおける見本帳リサイクルの作業スタッフには、障がい者を雇用することで、障がい者の活躍を支援しています。今後、さらなる作業の効率化や紙・塩ビのマテリアルリサイクルに向けた関連事業者との連携を進めていきます。
※マテリアルリサイクル:廃棄物を再び同じ製品、または別の製品の材料として再利用するリサイクル手法
■カーテンリサイクル
当社では、環境保全への取り組みの一環として2000年10月より「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」を進めています。専用タグラベルが付いているカーテンについては、当社が責任を持って回収し、資源循環の観点から、再び原料として商品に生まれ変わらせます。
(3)リスク管理
当社では、資源循環をマテリアリティとして選定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
資源循環を含む環境に関するテーマに取り組む「環境分科会」では、①事業活動における環境負荷、②サプライチェーンの環境負荷、③見本帳リサイクル をマテリアリティとして掲げ、当社グループの事業全体の環境負荷を把握し、地球温暖化防止や持続可能な資源循環に向けた体制の構築を目指しています。
(4)指標及び目標
当社では、資源循環に関連した定量目標を設けて取り組みを進めました。目標と2024年度までの実績推移は、以下のとおりです。
・2025年度目標(単体)
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目標 |
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廃棄物総廃棄量(単純焼却・埋立処理) |
4%削減(2021年度比) |
|
リサイクル率 (有効利用率) |
90%以上 |
|
・実績推移(単体)
|
単位 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
廃棄物総廃棄量(単純焼却・埋立処理) |
t |
793 |
685 |
605 |
973 |
727 |
リサイクル率 |
% |
77.6 |
81.7 |
83.7 |
74.5 |
84.1 |
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3.人的資本に関する考え方及び取組
当社グループは、持続的な企業価値向上のための重要施策として「人的資本の強化」を掲げており、積極的かつ 計画的な投資と強化策を実行しています。当社が推進する「人的資本の強化」は、「社員の幸せ」と「会社の成長」の相互作用によって企業としての持続的成長を実現することを目的としています。この相互作用を実現するための土台となるのは、「社員一人ひとりの成長意欲」です。人的資本強化においては、キャリア採用の拡大とともに、社員自らが成長しようとする意欲を「成長・活躍支援プログラム」や「能力を発揮できる環境整備」により支え、個と組織の力の最大化を図ります。
(1)ガバナンス
人的資本への取り組みについては、人事部および組織別人事担当が中心となり実行しています。その状況は、取締役会および社長を中心とするESG委員会の人的資本分科会にて継続的にモニタリングおよび評価しております。ESG委員会の体制については、「2.自然資本に関する考え方及び取組 自然資本におけるガバナンス」に掲載の体制図をご覧ください。
(2)リスク管理
当社では、マテリアリティを特定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
特に、人的資本に関するテーマに取り組む「人的資本分科会」においては、①社員の健康と能力開発、②社員エンゲージメントの向上、③従業員のDE&Iを掲げています。この特定においては、GRIとSASBの定めるガイドライン等を参考に当社に特に関係するESG課題を特定し、社会及び長期投資家にとっての重要度や当社事業の持続的成長への影響を踏まえて評価しています。人的資本を含むマテリアリティの進捗状況については、ESG委員会にて四半期ごとにレビューを行っています。
(3)戦略
「3.人的資本に関する考え方及び取組」の冒頭に記載している基本的な考え方に基づき、長期ビジョン達成に向けた基本戦略においては、経営・事業の基盤として「多様性のある人的資本」を位置付けるとともに、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]では、スペースクリエーション企業への転換に向けた5つの施策の中で、最も重要な施策として、「人的資本の拡大・高度化・活躍支援」を掲げています。
長期ビジョン達成に向けた基本戦略
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における施策
各施策に関する2025年3月期の進捗状況は、当社Webサイトにて説明動画および資料を公開しております。
https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/briefing_report.html
1)人材育成
人材育成方針
自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する
・社員の人生設計・成長を促進する教育機会を提供する
・昇格昇進の拡大と早期化により現場での経験を積ませ、将来の管理職、経営層の育成を行う
・計画的に多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う
①キャリア採用
当社グループでは、中期経営計画(2023-2025)に掲げる「BX:Business Transformation」を実現するために、高い専門能力を持つ人材が不可欠と考えています。専門能力には、積極的に取り入れるべき社外の知見と、当社グループでの長い経験によって培われる業界や商流、商品知識といった能力の2種類があると認識しています。スペースクリエーション企業への転換を実現するためには、どちらも必要不可欠な能力であり、外部人材と既存人材の両面を高度化し、活躍の支援を行うことで、新たな能力や企業風土を社内に育んでいきたいと考えています。多様な社外の視点を各現場に取り入れることにより、ビジネスモデルの革新・変革にむけた企業風土を育み、与えられた仕事に取り組むのではなく、自分自身が仕事を変える、新しいチャレンジを行う文化・風土の強化を進めています。また、2022年度に行った人事制度改定では、組織運営能力や経営力を保有する「マネジメント系」だけでなく、高度専門的な能力を発揮する「プロ系」においても職務に応じた処遇ができる制度としており、社内の専門人材育成やキャリア採用市場における高度専門人材の獲得につなげています。
現在、当社単体の正社員は1,298名(2025年3月末時点)であり、2025年4月1日には総合職・ロジスティクス職掌で58名を新卒採用しました。キャリア採用においては、中期経営計画で設定した3年間合計(2023~2025年度)採用者数目標60~80名に対して、2023年度に49名、2024年度で39名を採用しています。対象職種としては空間デザイナー、設計・施工管理等を含めた空間総合事業専門職を中心に、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等でもキャリア採用を拡大しています。
・キャリア採用の進捗状況(単体)
※退職者数は、キャリア採用者における退職者を指します。
・部門別キャリア採用割合(単体)
②組織別人事担当者の配置
「人材価値の向上」を推し進める上で、価値観の共有や人事制度の刷新、キャリア採用等の施策を実施するだけにとどまらず、これらの施策が機能し、社員一人ひとりが高い意欲を持って、能力を最大限発揮できる環境を整備することが重要となります。2023年度より教育・研修、配置、異動等のキャリアデザイン全般について、きめ細かな人材マネジメントを行う人事担当者を各組織に配置し、社員一人ひとりを理解した上で、キャリアデザインサポートや適正な人材配置等を進めることで、組織全体の風土改革、意識改革のみならず、新たな事業機会の創出を目指しています。
③教育・研修の拡充
教育・研修の拡充については、ビジネススキルや事業構築力・組織マネジメント力の強化を目的とした階層別研修のほか、デジタル人材育成、キャリアデザイン、職種別専門性強化などテーマに応じた研修を用意し、社員の成長意欲を高めるサポートをしています。2023年度からは、経営人材・次世代リーダー育成に向けた選抜研修、異業種交流の機会を大幅に増加させました。また、正社員と特別嘱託社員などを対象に、社員の主体的な学習を支援することを目的としたオンライン学習ツール「Udemy Business」を導入し、中期経営計画に掲げる人材活躍支援と専門性・事業構築力強化のための社員のリスキリングを促進させています。
教育研修による個々人の能力向上に加え、社員の意欲を高め、キャリアオーナーシップを醸成するための支援も進めています。2024年度は所属以外の部署を経験する「社内インターン」を実施し、約130名が参加しました。また、オンラインを活用した部署紹介イベントや社内公募制度を活用したプロジェクトを実施する等、キャリア目標やその実現に向けて必要な能力、課題について考える機会を積極的に設け、キャリア自律を支援しています。
教育体系図
2)社内環境整備(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)
サンゲツグループダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン基本方針
サンゲツグループを取り巻く国内外の外部環境の変化がますます激しくなる中で、強固な事業基盤を築き持続的な発展に繋げていくためには、多様化する需要分野・地域・お客さまに対する多様な機能や商品、深い専門性をもったサービスの提供が不可欠です。
サンゲツグループは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性自認及び性的指向等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進します。
背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげる「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」を経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、成長実現に向けた重要施策として取り組んでいます。
①多様な人材の活躍支援
当社では、従業員の多様性をいかすことで、一人ひとりの意欲や能力を最大限発揮することを目指し、新たな価値創造を組織にもたらすべく、経営戦略の一環としてさまざまな取り組みを行っています。多様な人材の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する各種制度をはじめ、障がい者雇用については、処遇改善や各組織でのトライアル雇用などに取り組んでいます。また、新卒採用だけでなく、事業領域の拡大を目指して取り組む空間デザイナーや施工エンジニアのキャリア採用のほか、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート等においても人的資本の強化に取り組んでいる状況です。
・障がい者雇用率(単体)
障がいを持つ方の雇用率は3.2%(2025年3月末時点)と、法定雇用率2.5%を超える結果となっています。2025年度目標4.0%以上に向け、引き続き取り組みを進めてまいります。
②女性活躍支援
戦略的な人事制度改革の実践にあたり、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しています。女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援する制度づくりを目的とし、人事部内にDE&I推進担当を配置し、目標達成に向け各種施策を展開しています。性別にかかわらず、社員の知見・経験や専門性を組織に活かすことを目指し、2024年度から2年間の行動計画に沿ってDE&Iを推進しています。
女性活躍推進法に基づく行動計画(2024~2025年度)
目的 |
女性社員が長く働き続け、自身の強みを活かし、活躍できる組織及びそれを応援する風土の実現 |
計画期間 |
2024年4月1日~2026年3月31日までの2年間 |
目標①(定量) |
管理職層に占める女性割合を2025年度までに25%とする |
目標②(定量) |
男性社員における2週間以上の育休取得率を100%とする |
目標③(定性) |
女性特有の健康課題に対し、環境整備を行い働きやすく生産性の高い職場を目指す |
実施策
キャリア形成支援 |
・女性社員に対する早期からのキャリア形成支援研修の導入 ・上司に対するキャリア形成支援スキル向上研修の導入 |
男女格差の解消 |
・管理職社員に対し育児休職取得促進に向けた研修を実施し、受講率を100%にする。 ・男性育休取得者へのアンケート実施と結果開示、面談等の実施 |
働く環境の整備 |
・社内トイレに生理用品の設置、生理休暇の見直しを検討し取得しやすい環境をつくる ・不妊治療に対応する制度の導入検討 |
・女性管理職比率(単体)
当社では2025年度末までの女性管理職比率を25.0%以上とすることを目標として掲げています。2025年4月1日時点における女性管理職比率は22.8%となっています。
※人事異動の時期を鑑み、各年とも4月1日の数値で算定しております。
・男性育児休業取得率(単体)
性別問わず、誰もが仕事と育児を両立できる環境づくりと、会社・部署ぐるみで子育てをサポートする共育ての体制整備として、男性育児休業取得を促進しています。現在、女性社員の育児休業取得率は100%となっており、男性社員においても、2025年度の目標取得率100%(2週間以上)を目指してまいります。
厚生労働省の定める定義に基づいた2024年度の男性育児休業取得率は116.7%となります。なお、当社が中期経営計画において定量目標としている男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定を含めて100%となります。
※男性育児休業取得率(育児休業には出生時育休を含む):
年度内に育児休業を取得した男性社員数÷年度内に配偶者が出産した男性社員数
なお、過年度に配偶者が出産した男性社員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
・平均勤続年数(各年度とも3月末時点)(単体)
社員一人ひとりが意欲を持って仕事にチャレンジできる、働きがいのある会社を目指しています。その結果を示す指標の一つとして、平均勤続年数は男女ともに安定した推移を示しています。
③LGBTQ+に関する取組
「サンゲツグループ人権方針」、「サンゲツグループダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン基本方針」を掲げ、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無、性自認及び性的指向などにかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性としていかし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進することを社内外へ周知しています。こうした考えからALLY(※)イベントへの継続的な参加や、全社員を対象とした定期的なLGBTQ+研修の実施をはじめ、「同性パートナーシップ制度」導入などの制度面の拡充に取り組んできました。これらの取り組みが評価され、LGBTQ+に関する評価指標「PRIDE指標 2024」においては、2年連続で最高評価の「ゴールド」認定を受けています。
※ALLY(アライ):LGBTQ+を積極的に支援し、行動する人のこと。
3)社内環境整備(働き方の見直し)
働き方に関する方針
サンゲツでは、社員の多様性、人格、個性を尊重し、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運用と、安全で働きやすい職場環境を確保する。
①仕事と家庭の両立支援
社員が能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を行うとともに、次世代の育成に貢献するため、社員の育児・介護を支援しています。介護に関するセミナーの実施、ベビーシッター・病児保育費用の助成、民間保育所との法人提携、また、子を持つ社員への理解促進や家庭内コミュニケーション促進のためのこども参観日の開催等、さまざまな施策による共育ての風土醸成、仕事と家庭の両立を支援しています。
育児・介護支援制度
妊娠・出産 |
育休中 |
育児 |
介護 |
産前・産後休業 |
・育児休業者支援プログラム (上司面接・ 育児サポートセミナー) ・育児休職の一部有給化 |
・育児短時間勤務制度 (小学2年生始期まで) ・民間保育所の法人提携 ・病児保育サービス費用助成 ・ベビーシッター費用補助制度 ・フレックスタイム制度 ・時間有給休暇制度 ・在宅勤務制度 |
・介護休業 (法定+最長1年まで延長可) ・フレックスタイム制度 ・時間有給休暇制度 ・在宅勤務制度 |
②働き方の多様性
当社では、社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、さまざまな労務管理の改善強化策を実施しています。フレックスタイムやテレワークなどの柔軟な勤務制度をはじめ、「Google Workspace(※)」などICT技術の活用、ベビーシッター費用の助成、民間保育所との業務提携など、社員のワークライフバランスを推進するための取り組みを多面的に行っています。2025年1月には、一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(以下、GCNJ)が主催する、GCNJコレクティブ・アクション2030「GCNJサミット2025 ~Social Change by Equity~」に賛同企業として参加し、2030年目標として「ライフデザインに応じた多様な働き方を選択し、安心して能力を発揮できる環境を整える」、「全該当社員の育休1カ月取得を実現し共育てを支援する」という具体的なアクションを宣言し、社員が安心して生き生きと働ける「働きがい」のある職場づくりに取り組んでおります。
また、当社グループの新たな価値創造の拠点として開設した東京日比谷の「PARCs Sangetsu Group Creative Hub」では、グループ機能の集約による事業の拡大だけでなく、働く社員と来訪者の“ウェルビーイング”につながる取り組みを推進し、「WELL Building Standard™ v2(WELL認証)」のゴールドランクを取得しました。
※Googleが提供するクラウドコンピューティングで、生産性向上のためのグループウェアツール。
働きやすい環境づくりに向けた施策
働き方の柔軟性 |
コアタイム無しのフレックスタイム勤務や在宅勤務、時差勤務や時間単位の有給休暇制度等、職種や職場環境に応じて活用しやすい制度を整備。サテライトオフィスやグループ会社のオフィス利用を可能とし、働く場所の選択肢を拡充。 |
過重労働の防止 |
PCログによる労働時間の可視化やPC自動シャットダウン時間の設定、Google Workspaceを活用し、リモート会議やチャット機能による円滑なコミュニケーション、お互いの業務状況を共有することで、業務をシェアし過重労働を防止。保健師や産業医への相談窓口の設置。 |
オフィス環境 |
敷地内の全面禁煙の実施、グループアドレスの推進やコミュニケーションエリアの設置等、働きやすいオフィス環境の整備。 |
・ワーキングマザー比率(各年とも4月1日時点)(単体)
子育て期間中の社員が継続して就業できる制度や環境づくりを推進しています。なお、2022年より、ワーキングマザーの定義を「子のいる女性社員全員」から、「18歳未満の子のいる女性社員」へと変更しています。
※ワーキングマザー比率:ワーキングマザー人数÷女性正社員人数
・有給休暇取得率(単体)
計画的な取得の推進により、有給休暇取得日数ならびに取得率は上昇傾向にあります。
4)社内環境整備(健康経営)
健康経営方針
健康に働き、人生を送る 「従業員が生き生きと働くために」
・心身の健康づくり(本人やその家族)
心身の健康づくりに向けた体制の充実、健康の保持・増進活動に取り組みます
・人生をより豊かに
健康経営により、本人やその家族、地域社会全体への幸せづくりに貢献します
・働きやすい環境づくり
安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保します
当社では、サンゲツグループ企業倫理憲章5原則のひとつに「従業員が生き生きと働くために」を掲げ、従業員の多様性、人格、個性を尊重し、従業員一人ひとりが会社経営の主人公として能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運営と、安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保することに取り組んでいます。引き続き、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、健康の保持・増進活動に努めてまいります。
健康経営推進体制
代表取締役 社長執行役員を健康管理最高責任者とし、人事部健康経営推進室の健康経営推進担当・保健師が中心となり、快適な職場環境と心身の健康づくりを実践するため、各事業所の健康経営推進担当、産業医と連携して従業員の健康保持・増進活動を展開しています。
具体的な取組
当社では、従業員が生き生きと働くために安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、「計画年休の取得促進」「所定労働時間内全面禁煙実施」「全社員対象にしたストレスチェックの実施」など、健康の保持・増進活動に継続的に取り組んでいます。2019年には「サンゲツ健康保険組合」を設立し、健康経営に向けた組織体制を整備し、乳がん・子宮頸がん、前立腺がん(50歳以上男性)を含む人間ドックの全額補助開始および健康に関する情報発信や各種健康イベントの開催など、心身の健康づくりに向けた取り組みを強化しました。また、保険診療対象外である「先進医療制度」の治療を受ける社員の経済負担を軽減させる「がん先進医療補償制度」を導入し、従来進めている疾病予防・早期発見に向けた啓蒙活動と併せ、経済面からの「治療と仕事の両立」の支援制度を整えています。2023年度においては新たに胃カメラ受診の全額補助の開始や健康課題を健康保険組合と共有した上での、糖尿病予防プログラムの提供や歯科検診補助事業の開始、特定保健指導の積極的な推進といった「コラボヘルス事業」を進めています。また、2024年度からは脳健診や胸部CT、若年層向けの子宮頸がん検診への補助も開始しました。
中期経営計画[BX 2025]においては、健康経営における定量目標として社員の健康と能力開発、風土改革の目標として「非喫煙率」を定めており、今後も安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。なお、これらの活動が評価され、当社は2020年以降6年連続で健康経営優良法人(大規模法人)に認定されました。
・非喫煙率(単体)
継続的な取り組みにより喫煙率は減少傾向にありましたが、新規採用者の喫煙率の影響等もあり、2025年3月末時点では78.6%(目標85%以上)となっております。改めて禁煙への取り組みを強化していきます。
当社では、この他にも定期健康診断における有所見率やがん検診受診率といった数値に定量目標を設け、健康経営を推進しております。詳しい情報は当社Webサイトをご覧ください。
健康経営
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/health_management.html
・その他の参考指標(単体)
・退職者数(年間・定年除く)/離職率
社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、不当な差別やハラスメントを禁止し、公正で明るい職場づくりに努めています。心身の健康が保てる職場環境の整備を推進しており、直近5年の離職率は低い水準を保っています。
・1人あたりの年間時間外労働時間の推移
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた2020年度をきっかけに、多用な働き方を可能にするシステム・制度の積極的な導入、業務の見直しやアウトソーシングの推進に注力しており、時間外労働の低減を進めています。
・ストレスチェックの受検率と結果(高ストレス者比率)
直近年度においては、高ストレス者は10%程度となっています。定期的なストレスチェックにより、メンタルヘルス不調の未然防止・職場環境の改善に努めています。
5)エンゲージメント(企業風土の醸成に関する取組)
企業の成長においては、社員が会社の方向性を理解・共感し、エンゲージメント高く働くことが必要不可欠であると考えています。当社では、全社員を対象とした「エンゲージメントサーベイ」を実施し、この結果を分析し組織・制度・風土等の改革に反映しており、中でも社員エンゲージメントに関する指標は、経営における重点項目として、特に注視しております。中期経営計画[BX 2025]においては、「社内意識調査」を指標の一つとして掲げていましたが、データの見える化によるエンゲージメント構成要因の明確化や、サーベイ結果に基づく具体的な改善策の実行等を目的として、2023年度に新たに「エンゲージメントサーベイ」を導入し、これに伴い中期経営計画[BX 2025]における指標を「エンゲージメントスコア」に変更いたしました。2025年度の目標においては、2023年度実績であるエンゲージメントスコア「BB(スコア52.0以上)」を2段階上の「A(スコア58.0以上)」にすることを目指しています。
また、エンゲージメントの醸成においては、経営層と社員、部署や役職、年代、地域を越えたコミュニケーションが欠かせません。当社では「組織の根幹である人材が、個人の能力とポテンシャルを最大限発揮し、部門やグループ会社などの枠組みを超えて共創する企業風土を醸成すること」を経営の重要な課題として捉えており、さまざまな機会を通じたメッセージの発信を行っています。この一環として、社会の動きやグループ内のトピック等に関する社長の考えを伝えるコミュニケーションコンテンツ「KONDO’s talk」を開始したほか、社員との対話集会や新入社員・キャリア採用者との懇親会を開催するなど、多くの対話を通じて社員との意識・ビジョンの共有を図っています。
(4)指標及び目標
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績は以下の通りです。
社員の健康と能力開発、風土改革
|
単位 |
範囲 |
目標 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
非喫煙率 |
% |
単体 |
85%以上 |
79.1 |
78.6 |
人的資本投資額 |
億円 |
単体 |
3年間合計 7億円 |
2.3 |
2.7 |
キャリア採用者数 |
名 |
単体 |
3年間合計 60~80名 |
49 |
39 |
エンゲージメントスコア※ |
‐ |
単体 |
58.0(A) |
53.7(BB) |
57.7(BBB) |
※2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進
|
単位 |
範囲 |
目標 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
女性管理職比率※1 |
% |
単体 |
25%以上 (2026年4月時点) |
21.2 |
22.8 |
障がい者雇用率 |
% |
単体 |
4%以上 (2026年3月末時点) |
3.5 |
3.2 |
男性育休取得率※2 |
% |
単体 |
2週間以上 100% |
2週間以上 100% |
2週間以上 100% |
※1 人事異動の時期を鑑み、各年とも4月1日の数値で算定しております。
※2 男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。
4.情報セキュリティに関する考え方及び取組
当社は情報セキュリティの強化に努め、情報資産を各種サイバー攻撃の脅威から適切に保護し、正常かつ円滑な事業活動を維持・継続することを経営上の重要事項と捉えています。
事業活動における情報の機密性、完全性および可用性を維持し、コンピュータ、サーバ、モバイルデバイス、電子システム、ネットワークおよびデータなどの情報資産、ならびに提供するサービスを悪意ある攻撃(意図的行為)から守るため、情報・サイバーセキュリティリスクの低減に取り組んでいます。
情報・サイバーセキュリティポリシー
https://www.sangetsu.co.jp/security_policy/
(1)ガバナンス
当社ではサイバーセキュリティ担当役員を選任し、サイバーセキュリティ統括室を設けております。サイバーセキュリティ担当執行役員は、サイバーセキュリティ委員会を主導し、委員会には社長執行役員をはじめ、各部門の責任者が参加し、半年ごとに情報セキュリティに関する課題を抽出し、対策を議論しています。
また、CSIRT(セキュリティ事故対応チーム)を構築し、グループ全体のインシデント管理に取り組むとともに、セキュリティ資格所持者の拡充に努めております。
(2)リスク管理
情報セキュリティにおけるリスク管理につきましては、「3 事業等のリスク (10)情報セキュリティについて」に記載のとおりです。
(3)戦略
①情報システムセキュリティ対策
当社は、情報セキュリティの三要素である「機密性」「完全性」「可用性」を維持するため、包括的な施策に取り組んでいます。内部脅威に対しては、特権ID管理システム導入によるアクセス制御強化や、メール誤送信対策システム導入による情報漏洩リスク低減を図っています。また、マルウェアを始めとする外部からの脅威に対しては、多方面において対策を実装・整備・運用し、事業への悪影響を軽減できる環境構築を進めています。さらに、インターネット公開資産についてはグループ全体で監視し、セキュリティレベル向上に努めています。社外との連携においては、セキュリティベンダーとの月次情報共有に加えて、2024年からは日本シーサート協議会にも参加し、最新のサイバーセキュリティリスクの動向調査や対策の整備・運用に注力しています。
②情報セキュリティ教育の徹底
2024年より情報セキュリティ教育訓練システムを導入し、定期的なeラーニングによるセキュリティ教育と、電子メールを悪用したサイバー攻撃を想定した標的型メール訓練を実施しています。これらにより、社員一人ひとりの情報セキュリティに関する知識と意識の向上に取り組んでいます。また、当社事業において情報・データを効果的・効率的に活用していくことは、事業運営において極めて重要であり、これを支えるセキュリティレベルの継続的な向上に努めています。