リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.リスクマネジメントに関する考え方及びリスク管理体制
当社グループは、多様なリスクに対し、適切かつスピード感のある対応を行うことで、企業価値の最大化と経営や業務への影響の最小化を図っています。
当社のリスク管理体制は、社長を最高責任者とする全社リスク管理委員会を設置して管理を行っています。当社グループ全体の企業価値の維持・向上に努め、リスク発生時の影響を最小化するとともに、当社の活動や社員に対して影響をおよぼす可能性があるさまざまなリスクに対し、マネジメントを行っています。全社リスク管理委員会は四半期に1回開催しており、リスク管理全体の基本方針および体制等を定めるとともに、必要に応じてタスクフォースを編成する等の機能を有します。活動状況は半年に一度取締役会で報告され、経営層は存在するリスクを的確に把握したうえで、経営判断ができる体制となっています。既に一部顕在化しているリスクから、今は顕在化していないものまでさまざまな観点から、継続的に注視・対応すべきリスクを洗い出し、明確に定義しています。各リスク管理部会では、予測されるリスクを抽出し、マッピングによる評価を行ったうえで、重点的に対策を推進していくリスクを明確にしています。
<体制図>
<リスク管理のPDCA>
2.当社グループの主要なリスク
(1) 事業環境について
(リスクの内容)
当社グループは、壁装材、床材、ファブリック(カーテン・椅子生地)等のインテリア商材の企画・販売及び壁紙の製造等に加え、設計・デザイン提案から内装・建築施工を行う国内インテリアセグメント、門扉・フェンス・カーポート等のエクステリア商品の販売及び外構の空間提案・施工等を行う国内エクステリアセグメント、米国での壁紙製造及び北米、中国・香港、東南アジアの環太平洋地域においてインテリア商材の販売ならびに東南アジアにおける空間デザイン・総合施工等を行う海外セグメントにて事業を展開しております。これらの事業は建設需要に左右されるため、国の経済全体の景気動向や政府の住宅に関する政策、税制の変更及び人口減少などに伴う住宅・非住宅の新設着工戸数の減少、景気の後退によるコントラクト市場の減少等により、ビジネス機会を損失するリスクが存在します。
(リスク対策)
事業基盤である国内市場において、住宅・非住宅分野における新築や改築は、少子高齢化が進むなか、将来的に大きく成長していくことは期待しにくいと予想しており、国内における様々な事業基盤の整備拡充を背景に、シェアの拡大と価格修正による収益改善を中期的戦略とし、長期的戦略としては国内エクステリア事業の拡大と海外事業の収益化・拡大に注力しています。調達面ではメーカーからの安定的な供給と中長期目線での商品開発を行えるよう製造部門へ経営資源を投入することにより、リスクの回避に努めております。また、現在の事業の長期的な展開の可能性を踏まえた上で、さらなる成長の為の事業展開の可能性を検討・実行すべく、2024年4月に事業創造推進室を立ち上げ、新規事業の創出に注力しております。
(2) 品質管理について
(リスクの内容)
当社グループは、「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する」ために、顧客ニーズを的確に把握し、生活空間を構成する重要な要素であるインテリア商材として、壁装材、床材、ファブリック等の魅力ある商品企画、開発、販売を行っています。一部の商品を除き、製造は外部仕入先のメーカーが行い、商品の供給を受けておりますが、その品質の担保は、顧客が製品に求める「価値」そのものであり、ブランドメーカーとしての信頼性の向上や顧客満足度の向上、競争力強化、企業価値向上の基盤となります。また中期的な期間に渡って使用されるインテリア商材は、経時変化を含めた長いスパンでの品質を如何に担保するかも重要な事項です。
(リスク対策)
商品設計審査のプロセスをデザインレビュー(Design Review:DR-A/B/C)として定め、開発段階ごとに複数の担当者が検証とチェックを行う体制を構築、運用しています。新商品の開発時には、品質検証の段階で確認すべき項目を網羅した「要求品質確認シート」を活用し、DR-A時点で検証項目の洗い出し、DR-B時点で品質や機能性の裏付け、法的要求事項の確認、DR-C時点で検証結果の報告を実施することとし、商品の市場への上市後は、商品群毎にクレーム対策会議を実施し、不備事例を分析、共有することで、類似のリスクを事前に把握し対策を講じています。
また、商品の製造委託に関しては、品質基準を明確化し、品質管理基準書に準じた商品の製造を委託し、その品質の維持・向上のため、製造現場で発生する「Man(人)」「Machine(機械)」「Material(材料)」「Method(方法)」の4つの要素の変更を管理しており、これらの変更が製品品質に及ぼす影響を事前報告により評価し、適切な対策を講じ品質トラブルを未然に防ぐ体制を構築しております。
(3) 安定調達・安定供給・仕入先のBCPについて
(リスクの内容)
当社グループでは、取扱商品のうち主力商品である壁装材や床材について、商品サンプルを掲載した見本帳を配付することで、営業及び販売活動を行っております。見本帳有効期間内は安定供給を維持することが強く求められる業界であるため、生産トラブル、原材料調達等の予期せぬ要因によって商品の供給が中断した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
メーカーから商品を安定的に調達できるよう、仕入の前段階としてメーカーの工場内の実査や適正な製造工程の確認を行い、万が一調達が困難な状況に陥った際のバックアップ体制として、主要商品については十分な在庫の確保、代替となる商品の準備等の環境整備を行っております。しかしながら、2024年12月に発生した当社仕入先工場の火災においては、その影響から一部床材の供給が滞る事態となったことを鑑み、中期的な調達戦略の是正の検討と有事に備えた安定供給の強化を図ってまいります。
なお、当社子会社であるクレアネイト株式会社は、国内最大手の壁紙メーカーであります。当社が壁装事業を拡大する上で、競争力強化、量的確保のみならず、製販一貫体制の確立による事業の効率化を通じ、さらなる発展が可能になるものと位置付けており、工場の安定稼働と商品の安定供給を維持することはグループ全体で取り組むべき課題と認識しております。2025年秋に稼働予定のクレアネイト社東広島新工場により、安定供給力をさらに計画的に高めてまいります。
また、当社から顧客への持続的な商品供給ついては、入荷から受注・出荷に至るまで、あらゆる場面で関連するシステム連携の強化に加え、各地区の在庫拠点であるロジスティクスセンターの安定稼働の阻害が想定されるリスクに対して、対処すべき行動計画の検証を定期的に行い、対応策の有効性の確認と改善を図っております。
(4) 設計・施工事業について
(リスクの内容)
当社グループは、インテリア商材やエクステリア商材の販売のみならず、それら商材をいかした設計・空間デザイン提案を行い、その施工までを事業としております。設計・施工事業においては建設業法を始めとした各法規に則った事業活動が必要であり、違反と判断された際の事業継続とレピュテーションに対するリスクや、専門人材の確保等の課題があります。
(リスク対策)
収益性の高い事業の構築・拡大のため、2025年4月には空間創造における事業企画、空間デザイン・設計、施工、営業・プロジェクトマネジメント・マーケティングを一気通貫で担う「空間総合事業部」を創設し、グループ全体の施工機能に関するリスク管理を徹底する体制を整えております。また、空間総合事業における専門知見を持つキャリア人材の採用と育成、表装技能士の確保を進め、業務フローの見直しやシステム化の検討及び社内の法務面での監督を徹底すべく、随時改善に取り組んでおります。
(5) 物流機能について
(リスクの内容)
当社グループは、商材を在庫し、出荷及び配送する事業を展開しております。日本全国への配送網の維持は事業の継続はもちろん、当社の強みと言える機能ですが、物流2024年問題や高齢化に起因するドライバーの確保、物流2026年問題に向けた効率化への取り組み、ひいては配送力の安定確保は重要な課題と認識しております。
(リスク対策)
幅広いエリアの物流機能を当社グループ内に内製化することで、環境負荷の低減を含めた持続可能な物流機能を強化するとともに、地域に応じたよりきめ細やかな配送体制や、調達物流も含めたより効果的・効率的な物流体制を構築・高度化するため、2022年9月の有限会社クロス企画(2023年4月に株式会社化)に続き、2025年4月に物流会社である株式会社SDSを子会社化しました。また、荷役機器の導入による積込み・荷下ろし等の荷役作業の省人化を進め、システム化による効率的なオペレーションを順次実行してまいります。
(6) 知的財産について
(リスクの内容)
当社グループでは、“Joy of Design”をブランドステートメントとして、さまざまな空間創造を通じた“デザインするよろこび”を提供し得る、デザイン性と機能性に優れた商品開発に努めておりますが、類似した商品が他社に製造されるおそれがあります。
また、第三者より知的財産権を侵害しているという主張を受け、訴訟が提起された場合には、係争費用や損害賠償等の損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
リスクの低減を図るため、下記のような様々な取り組みを行っております。
・当社事業に関連する特許、意匠及び商標の出願・権利取得を行う等、知的財産の創造・保護・活用に努めております。
・競合他社の知財情報を常にモニタリングし、社内に最新の情報(特許、意匠、商標等)を共有するとともに、商品発売などに際して事前の調査確認を行っております。
・外部の専門家である弁理士・弁護士等と緊密に連携し、直ちにリスク対策を講じる体制を構築しております。
(7) 法的規制について
(リスクの内容)
予期せぬ法令等の改正があった場合、事業を展開していく上で、製造物責任、知的財産、環境、労務など様々な法的規制の適用を受けている当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(リスク対策)
内外の法規制を常時観察して法対応が行えるようにしております。また、コンプライアンスの遵守を企業にとっての最低必要条件と位置付け、管理体制を構築し、社員教育の強化に努めるなどの体制をとっております。
(8) 自然災害等のBCPについて
(リスクの内容)
商品開発、製造、調達、ロジスティクス、販売、サービスに係る当社グループの施設は、国内全域、海外(北米、中国・香港、東南アジア各国)に点在しており、地震・洪水・暴風雨・大雪等の自然災害に伴うインフラの停止、建物・設備の損壊、故障による混乱状態に陥り、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
当社グループでは、自然災害による事業活動への影響を最小限にとどめるため、災害発生時の事業継続計画書(BCP)を策定しております。非常時の初期対応、報告方法、対策本部の設置と役割について明記し、災害発生の際に適切な対応が取れる仕組みを構築し、定期的な訓練や設備の点検を行っております。また毎年、災害の状況に合わせて事業継続計画を見直しております。これらの他、商品の安定的な調達と供給を実行するため、仕入先などのサプライチェーンや当社グループの各地の事業拠点の被災時に、代替拠点での商品調達・配送が可能な体制を構築しております。2024年度に発生したシステム障害の経験から、今まで以上に対策が強化されており、実効性の高いBCPスキームの構築のため、2025年度には大規模システム障害を想定した訓練が計画されております。
(9) 気候変動について
(リスクの内容)
気候変動リスクへの関心が高まる中、2015年に国連で「パリ協定」が採択され、同年に開催された国連サミットではSDGs(持続可能な開発目標)が採択されるなど、2030年をターゲットにした目標の設定が進展しました。一方、金融機関に関連した動きとして、国連環境計画と国連グローバル・コンパクトのパートナーシップが打ち出した「責任投資原則(PRI)」では投資家に対してサステナビリティ投資が要請され、それに呼応して日本では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がPRIに署名するなど、日本の金融においてもESG投資がメガトレンドとなっています。また、気候変動関連の情報開示については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言において、企業に対して「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目についての財務的な影響を開示するよう求められています。
このように気候変動に関連する環境変化が大きく進展する中、当社では、事業活動におけるGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量を低減できないリスク、商品・見本帳を低炭素化できないリスクや回収・リサイクルできないリスク、及び急性・慢性的に起こりうる物理的なリスクが想定され、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、サプライチェーン全体でのGHG排出量を低減できないことでの炭素税の負担増加による仕入コストの増加や、商品・見本帳を低炭素化できないことで市場からのニーズに対応できず、信用の低下及びビジネス機会の損失などに繋がることが考えられます。
(リスク対策)
当社は、気候変動リスクへの対応として、社長を委員長とする全社リスク管理委員会のもとに環境・気候変動リスク部会を設置し、組織的な管理体制を構築しております。この環境・気候変動リスク部会のもと、気候変動に関する各リスクを、法規制・評判などの移行リスクと、急性・慢性的などの物理リスクといった区分に沿って分析し、スペースプランニング部門、ロジスティクス部門、事業部門及びコーポレート部門が緊密に連携し、具体的な管理指標を設定した上で、リスクの監視と対応を行っております。
また、当社はSangetsu Group長期ビジョン[DESIGN 2030]において、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現を掲げており、2029年度の事業活動(Scope1&2)におけるGHG排出目標を、当社単体ではカーボンニュートラル(排出実質ゼロ)、グループ全体では55%削減(2021年度比)と設定し、GHG排出量の多い生産拠点での省エネ活動や、再生可能エネルギーの導入などにより、GHG排出量の削減に努めています。今後は、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減に向けた仕入先とのエンゲージメント強化や、顧客のニーズに応える低環境負荷商品の販売拡大を推進し、気候変動リスクに対応していきます。
(10) 情報セキュリティについて
(リスクの内容)
当社グループは、事業活動を通じ、個人情報を含む様々な機密情報を適切に管理するため、多くの投資を行っております。また、こうしたシステムの運用並びに導入・更新に際しては、システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう最大限の対策を講じております。しかしながら、外部からのコンピュータウイルスやハッキングの被害、コンピュータ・ネットワーク機器の障害、ソフトウェアの不備等によるシステム障害、災害によるシステムの一部損壊による業務停止、情報の外部漏洩等の事態が発生するおそれがあり、これらの予期せぬトラブルの発生に伴い、社会的信頼を損なうとともに多額の費用負担が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(リスク対策)
・サーバー、ネットワーク機器は、適性に応じクラウド及びデータセンターへの移行・利用を推進しております。
・外部からの不正アクセスやマルウェア等の対策として、不正侵入検知・監視サービスやセキュリティ対策ソフトを導入しております。
・ITシステムに影響を及ぼす不正なマルウェア等は導入しているEDR(Endpoint Detection and Response)にて即時検知、隔離するとともに、SOC(Security Operation Center)と連携して迅速に対処しております。
・情報セキュリティに関する社員の教育(個人情報を含む機密情報保護と情報管理の重要性)や訓練を定期的に実施しております。
・重要なシステム機器については二重化しております。
・サイバーセキュリティ損害保険に加入しております。
・改正個人情報保護法に沿った個人情報保護規定を制定しております。
・上記の対応は、サイバーセキュリティ統括室が推進するとともに、同室では当社グループ全体(国内外)のサイバーセキュリティ体制の構築・整備を進めております。
(11) 与信管理について
(リスクの内容)
当社グループは、取引先に対して与信供与を行っており、経済情勢悪化の影響や不測の事態を含めた取引先の財政状態悪化により債権の回収が困難となった場合、貸倒れによる損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して下記の取り組みを実施し、債権の回収不能による損失発生の予防として与信管理体制強化を図り、貸倒れによる損失回避に努めております。
(リスク対策)
・与信管理規定の適切な運用
・取引先の信用状況を勘案した与信限度額の年次更新
・重要な取引先の業況ヒアリング、財務諸表の定期的な把握
・取引先との今後の展開を見据えた取引条件の見直し
・債権回収状況のタイムリーなモニタリング
・売上債権回転期間の見直し
・与信不安先に対する会計上の貸倒引当金の設定
・与信不安先に対する管理強化や営業施策支援の実施
・取引先の信用状況に応じた担保、保証、取引信用保険付保等の債権保全策の実施
(12) 海外事業活動について
(リスクの内容)
当社グループは、北米、中国・香港、東南アジア各国を中心に事業を展開しており、以下の場合、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。
・感染症の蔓延、政情不安、経済動向の不確実性、宗教・文化・商習慣の相違、戦争・内戦、テロ、投資・海外送金・輸出入規制等が発生した場合。
・固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行った結果、固定資産の減損損失を計上する場合。
・製造部門を持つグループ会社の事業において、原油や鉱産物価格の高騰などにより原材料や商品仕入価格に極端な変動がある場合。
・日本からの輸送並びに海外グループ各社が海外から商品を調達する場合の輸送に関わるコストが高騰する場合。
・製品クレームや品質問題の長期化などによるレピュテーションリスクが生じる場合。
・海外グループ会社を経営していく当社の経営人材、現地の経営人材が確保できない場合。
(リスク対策)
・当社グループでは、平時より政治的又は経済的な障害となりうる問題に関する情報の収集や、不測の事態に対するBCPの策定など、グループ内で有事に備えた環境整備を行っております。
・当社グループでは投資後の事業を管理する体制を整備しております。
・原材料等が高騰した場合には、市場や競合の状況を判断しながら適切な価格改定を実施します。仕入先だけではなく、原油価格や原材料メーカーの価格変動動向にも注視し、仕入価格の交渉や販売価格の改定に関する適切な判断を行うための情報収集等の準備を常時実施しております。
・より効率の良い輸送方法の選択と、販売先への輸送運賃の適切な請求を行っております。
・各国での品質管理を徹底し、クレームを未然に防止する体制の構築を進めております。
・中長期的に海外事業を担う若手人材を育成するとともに、事業を成長させ、変革するための組織体制の整備と維持や収益性の拡大を担う現地の経営人材の育成を行っております。
(13) 人材の確保について
(リスクの内容)
当社グループが持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上させていくためには、経営戦略を実行し得る、多様で優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。しかしながら、国内における労働力人口の減少や労働市場の流動化を背景に、業界や業種を超えた人材獲得競争は激化しており、当社グループが必要とする人材を計画通りに採用・育成できない場合、あるいは既存の優秀な人材が社外へ流出した場合には、事業計画の遂行に遅延が生じる等、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。
(リスク対策)
当社グループでは、「人的資本の強化」を中期経営計画[BX 2025]の重要施策に掲げ、人的資本への積極的かつ計画的な投資を進めております。新卒採用の強化および高い専門能力を持つキャリア採用の拡大による人的資本の強化を進めるとともに、事業環境に連動した人事諸制度の構築、従業員の能力開発やキャリア形成・キャリア自律を支援する研修制度の充実、DE&Iの推進、多様な人材が安心して能力を発揮できる職場環境の整備に取り組んでおります。
2023年度からは、きめ細かな人材マネジメントを行う人事担当を各組織に配置し、社員一人ひとりを理解した上でのキャリアデザインサポートや適正な人材配置を実施しています。また、エンゲージメントサーベイを活用した組織課題の把握および改善に向けた施策の実行により、社員のエンゲージメント向上によるパフォーマンスの向上を図っております。
採用計画の進捗状況、エンゲージメントサーベイの結果、離職率の推移等を確認しリスク管理に努めています。
配当政策
3【配当政策】
当社は、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]の資本政策に基づき、株主還元は配当を主体とし、1株当たり年間配当金は130円を下限に、安定的な増配を目指すことを基本方針としております。
また、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき期末配当金は1株当たり75円とし、中間配当金75円と合わせ、年間配当金150円とする予定です。
当社は「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年11月8日 |
4,407 |
75.00 |
取締役会決議 |
||
2025年6月18日 |
4,407 |
75.00 |
定時株主総会決議(予定)(注) |
(注)2025年3月31日を基準日とする期末配当であり、2025年6月18日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として付議する予定です。