2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

高機能材料事業 環境材料事業 食品材料事業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
高機能材料事業 21,049 69.3 2,464 87.6 11.7
環境材料事業 6,716 22.1 227 8.1 3.4
食品材料事業 2,512 8.3 140 5.0 5.6
その他 86 0.3 -20 -0.7 -22.8

事業内容

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社9社及びその他の関係会社によって構成されております。

 

当社グループの事業内容は以下のとおりであります。

なお、次の4事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。また、各事業における主要な会社の名称は、次の「事業系統図」及び「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。

 

(1) 当社及び子会社

①  高機能材料事業

(コーティング製品)

電子部品用フィルム、粘接着フィルム、精密部品用フィルム

産業資材用フィルム、設計・複写用フィルム、サイン用フィルム、受託生産

(高機能樹脂製品)

電気絶縁用樹脂、電子部品用接着・封止樹脂、レジスト材料、洗浄剤

(電子材料)

回路基板材料、回路形成材料、アラミッド材料、機能性フィルム

(機能性樹脂)

熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、樹脂用添加剤

 

②  環境材料事業

(ファインケミカルズ)

工業用殺菌剤、製紙用ケミカルズ

(製紙用化学品)

紙塗工用バインダー、製紙関連ケミカルズ

 

③  食品材料事業

(食品素材等)

増粘安定剤、乾燥野菜、食品添加物

 

④  その他の事業      新規開発事業関連製商品

(2) その他の関係会社

㈱ナガツタコーポレーションはゴルフ練習場経営を行っており、㈱シンクは総合リース業、ゴルフ用品の販売及び保険代理業、㈲対和は投資顧問業、㈱宗屋は主にゴルフ場経営及び不動産賃貸管理業、多摩興産㈱はゴルフ場経営、㈲龍和は有価証券の売買等を行っております。その他の関係会社各社の事業活動と、当社及び子会社の事業活動の間に関連性はありません。

(事業系統図)

事業の系統図は次のとおりであります。

 

(注)図中の → は主要な商品、製品の流れを示しております。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、各種政策の効果により、国内景気は緩やかな回復の動きがみられるものの、円安の進行による物価上昇や、金利の上昇などによる企業の経済活動や個人消費への影響が懸念され、海外では、欧米主要国の政策金利が高水準で推移したこと等により一時的な変動がありながらも円安基調となったことや、ウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、物価や金利の上昇、中東問題、中国の不動産不況、米国の関税政策による下振れリスクなどの影響から、当社グループの経営環境は、依然として先行き不透明な状況が続くものと想定しております。

こうした状況下で当社グループは、引き続きグループの特長を生かした事業運営とスピーディーな経営判断を心がけ、関係するグローバルな成長市場とともに、今後市場拡大が見込まれる高速5G通信・半導体・次世代自動車・自然エネルギー分野・建材、化粧品、介護食、特殊素材を用いたアパレル等への差別化した製商品の拡販、新規顧客の開拓、バイオマテリアルを含めた国内外の産学連携の加速に注力しつつ、顧客に密着した生産・物流体制の更なる改善にも取り組んでまいりました。又、昨年立ち上げました、自動車向け高機能樹脂製品を製造する、米国ウエストバージニア州の新工場の顧客への早期販売開始に向けて、鋭意活動しております。更に、当社の水分を保つ働きをする保湿成分を配合した化粧品、及び機能性材料を使ったスイーツビジネスも開始いたしました。

その結果、自動車部品業界向け高機能樹脂製品の販売が新規顧客の獲得等により海外において大きく伸長したことや、スマートフォン向けコーティング製品の受注動向が順調に推移したことで、営業利益が前年同期を大幅に上回りました。

当連結会計年度の経営成績は、売上高が303億6千3百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益が25億7千万円(前年同期比43.0%増)、経常利益が27億1千万円(前年同期比42.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億8千6百万円(前年同期比88.7%増)となりました。

 

セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。

 

[高機能材料事業]

電子機器業界向け関連製商品の販売では、受注環境が緩やかに回復傾向であり、スマートフォン市場向けの取引が引き続き好調だったこと、モビリティ市場及びAI関連市場向けの需要も旺盛になっており遮光部材等の販売が増加し売上高は前年同期を上回りました。自動車部品業界向け製商品の販売では、EV関連向け部品の需要が用途により大きく変化しており、特定部品の需要が低迷いたしましたが新規顧客の獲得等により北米や欧州の受注が増加いたしました。その結果、当事業全体の売上高は210億4千9百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は24億6千4百万円(前年同期比46.0%増)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

コーティング製品

電子機器業界向けの販売が順調に推移し、車載・家電関係にも販売が伸びたこと、工程用粘着フィルムにおいても半導体業界が回復傾向にあることから、14.5%の増収となりました。

高機能樹脂製品

自動車関連において輸出案件が減少となったことと、建材関連での工期遅れの影響から粉体の樹脂製品の販売量は減少しましたが、液状の樹脂製品において、HEV駆動モーター用樹脂が堅調であり、北米・欧州向けなど増産傾向となりました。 国内向けについては、年度初頭の減産から徐々に回復し、当初の計画を上回ることとなり、全体として18.8%の増収となりました。

電子材料

基板業界向け材料が減少しており前年を下回ったこと、産業用モーター及び大型トランス向けも縮小傾向にあり、結果として3.9%の減収となりました。

機能性樹脂

仕入れ先の価格改定や販売中止などで市場が縮小したこと、また半導体製造装置、5G関連電子部品等の減産が影響し、8.4%の減収となりました。

 

[環境材料事業]

主要な販売先である製紙業界では、印刷情報用紙・新聞用紙の市場は継続して縮小しています。一方、板紙は落ち込みが少なく比較的堅調であるとは言え、事業を取り巻く環境は厳しいものとなっています。このような環境下、当社グループにおいては、市場ニーズに応じて、特長を生かした差別化製商品の拡販と新たな用途や周辺市場の開拓等に取り組んでまいりました。製品販売では工業用殺菌剤が製紙会社での安価品への切替え等で減少したものの、製紙用ケミカルズが板紙分野を中心に顧客ニーズに対応した差別化製品の国内外への市場開拓や販売促進等により売上が順調に推移したことで前年同期を上回りました。商品販売では、塗工用バインダーが一部顧客での商流変更に伴う取引の増加により、前年同期を大幅に上回りました。その結果、当事業全体の売上高は67億1千6百万円(前年同期比44.0%増)、営業利益は2億2千7百万円(前年同期比11.0%増)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

ファインケミカルズ

製紙用ケミカルズでは、他社と差別化できる新規ポリマーを導入した多機能凝集剤・歩留剤の市場開発に注力した結果、7.1%の増加となりましたが、工業用殺菌剤の販売が製紙会社の稼働日減少により販売数量減少となり、結果として2.9%の増収にとどまりました。

製紙用化学品

主要取扱商品の塗工用バインダーが一部顧客での商流変更により、取引が大幅に増加したことで、58.5%の増収となりました。

 

[食品材料事業]

食品材料事業では、健康に優しく特長ある天然の食品素材を主要な取扱商品としており、的を絞った施策を推進し、食品業界などへの拡販に鋭意注力してまいりました。これに加えて、これまでの営業活動で蓄積した食品に係る様々な情報や技術を活用して、新規商材の発掘や市場の開拓、更には、独自性の発揮できる新規複合食品素材の開発といった新たなテーマにも積極的に取り組んでおります。このような状況下で増粘安定剤はアラビアガムの安定供給を継続して確保できたことで大幅にシェアを拡大したものの、ローカストビーンガムの市場価格が乱高下したことにより使用量の削減や代替品への切替え等、需要が急減し市場が大幅に縮小する環境下、販売先からの受注が減少したことで販売数量・価格は前年を大きく下回りました。乾燥野菜は、安定した需要に下支えられたことや新規商材の販売も順調に推移しました。またコスト上昇等による輸入原材料価格の高騰に伴う販売価格の値上げ効果もあり前年同期を上回りました。その結果、当事業全体の売上高は25億1千1百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益は1億4千万円(前年同期比16.4%減)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

食品素材等

乾燥野菜は安定した需要や新規商材の投入・開発により、15.2%の増収となりました。増粘安定剤は、アラビアガムの安定供給を継続できたことで、大幅にシェアを拡大しましたが、ローカストビーンガムの市場価格乱高下による顧客での代替品への切替えや需要減により、9.4%の減収となりました。結果、食品素材等全体では、1.1%の減収となりました。

 

[その他の事業]

当社グループの成長を支える新たな事業領域を開発・育成すべく取り組んでいる「その他の事業」では、アフリカから輸入した切り花の国内販売や、新市場開発用途の商材を発掘しつつ、新規ビジネスの可能性を追求する活動に積極的に取り組んでおり、試販等による事業化への検討を進めております。輸入生花の販売は、期初の繁忙期に輸送トラブル等で販売数を伸ばすことができず、前年度を下回る結果となりました。新たに化粧品ビジネスを第4四半期から立ち上げましたが、結果として「その他の事業」の売上高は8千6百万円(前年同期比14.8%減)、営業損失は1千9百万円(前年同期は営業損失4百万円)となりました。

 

 

(2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローの創出を図るとともに、事業運営において必要な長期運転資金として金融機関からの借入れを行い、資金を調達しております。また、営業活動、設備投資、借入金の返済等の資金需要に備えて、十分な資金を確保するために、資金の流動性及び資金調達の多様化に努めております。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して26億3千4百万円増加して、89億7千8百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、15億3千9百万円の資金増加(前連結会計年度は23億3百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益33億3千9百万円、減価償却費4億5千2百万円等の資金増加要因が、投資有価証券売却益6億5千7百万円、売上債権の増加額2億5千8百万円、仕入債務の減少額7億4千2百万円、法人税等の支払額5億4千2百万円等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、2億8千8百万円の資金減少(前連結会計年度は9億9千5百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10億4千万円等の資金減少要因が、投資有価証券の売却による収入7億8千3百万円等の資金増加要因を上回ったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、8億5千9百万円の資金増加(前連結会計年度は9千9百万円の資金減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入10億円等の資金増加要因が、配当金の支払額1億3千5百万円等の資金減少要因を上回ったことによるものです。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当該事項につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)重要な会計方針及び見積り」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

7,846,403

108.8

環境材料事業(千円)

896,416

114.5

食品材料事業(千円)

982

57.5

報告セグメント計(千円)

8,743,802

109.4

その他の事業(千円)

合計(千円)

8,743,802

109.4

(注)金額は製造原価によって表示しております。

 

(2)受注実績

当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

21,049,415

108.8

環境材料事業(千円)

6,716,193

144.0

食品材料事業(千円)

2,511,768

98.9

報告セグメント計(千円)

30,277,377

114.0

その他の事業(千円)

86,134

85.2

合計(千円)

30,363,512

113.9

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

① 有価証券の減損処理

当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。

 

② 貸倒引当金の計上基準

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。

 

③ 有形固定資産の減損損失について

当社グループは、事業の種類を基礎とした管理会計上の区分に従ってグルーピングを行っております。当該資産グループについて収益性が著しく低下した場合には、回収可能価額まで減損損失を計上しております。

 

④ 繰延税金資産の回収可能性の評価

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存し、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が追加計上される可能性があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が303億6千3百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益が25億7千万円(前年同期比43.0%増)、経常利益が27億1千万円(前年同期比42.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億8千6百万円(前年同期比88.7%増)となりました。

 

① 売上高の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、各種政策の効果により、国内景気は緩やかな回復の動きがみられるものの、円安の進行による物価上昇や、金利の上昇などによる企業の経済活動や個人消費への影響が懸念され、海外では、欧米主要国の政策金利が高水準で推移したこと等により一時的な変動がありながらも円安基調となったことや、ウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、物価や金利の上昇、中東問題、中国の不動産不況、米国の関税政策による下振れリスクなどの影響から、当社グループの経営環境は、依然として先行き不透明な状況が続くものと想定しております。

こうした状況下で当社グループは、引き続きグループの特長を生かした事業運営とスピーディーな経営判断を心がけ、関係するグローバルな成長市場とともに、今後市場拡大が見込まれる高速5G通信・半導体・次世代自動車・自然エネルギー分野・建材、化粧品、介護食、特殊素材を用いたアパレル等への差別化した製商品の拡販、新規顧客の開拓、バイオマテリアルを含めた国内外の産学連携の加速に注力しつつ、顧客に密着した生産・物流体制の更なる改善にも取り組んでまいりました。又、昨年立ち上げました、自動車向け高機能樹脂製品を製造する、米国ウエストバージニア州の新工場の顧客への早期販売開始に向けて、鋭意活動しております。更に、当社の水分を保つ働きをする保湿成分を配合した化粧品、及び機能性材料を使ったスイーツビジネスも開始いたしました。

その結果、当連結会計年度の売上高は303億6千3百万円(前年同期比13.9%増)となりました。

 

② 販売費及び一般管理費の分析

当社グループにおいて、販売が好調に推移したことに伴う発送配達費及び販売手数料等の増加により、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は39億9千7百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 

③ 営業外損益及び特別損益の分析

営業外収益は、前連結会計年度から4千4百万円増加して2億1千3百万円(前年同期比26.3%増)となりました。これは主に、受取利息や受取配当金が増加したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度から1千5百万円増加して7千3百万円(前年同期比26.5%増)となりました。これは主に、為替差損が増加したことによるものであります。

特別利益は、前連結会計年度から6億5千4百万円増加して6億5千7百万円(前年同期は3百万円)となりました。これは主に、投資有価証券売却益が増加したことによるものであります。また、特別損失は、前連結会計年度から3億5千1百万円減少して2千9百万円(前年同期比92.4%減)となりました。これは主に、前連結会計年度において退職給付制度改定損を計上したことによるものであります。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

コロナ禍からの経済活動の正常化が進展し、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあり、国内景気は回復の兆しを見せ始めている一方、海外では各国での金融引き締めや、ウクライナ侵攻問題の長期化によるエネルギー・資源価格の大幅な上昇、長期的な円安傾向、物価や金利の上昇、中東問題、中国の不動産不況などの影響から、当社グループの経営環境は、先行き不透明な状況が続くものと想定しております。

製造販売では、高機能材料事業及び環境材料事業において、販売先の個別動向や販売先が属する電子部品・自動車・製紙といった業界動向、更には、各業界に占める販売先の位置づけなどが、当社グループの販売数量や販売価格に大きな影響を与える可能性があります。また、市場における競合各社間の競争激化を反映して、特にコーティング製品や高機能樹脂製品を中心に海外の廉価品の台頭などによって販売価格が下落したり、あるいは、原油価格の高騰などで原材料価格が上昇し製造コストが増加するといった要因により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

仕入販売では、商社活動全般において、エレクトロニクス関連業界や製紙業界、更には食品業界といった当社グループの販売先が関係する業界全体の動向に加え、当社グループの仕入先メーカーの生産供給体制と販売先の需要とのバランスが、販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。また、競合他社による廉価販売や新商品の市場投入で既存の商流・商権が変化することなどにより、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。

 

(4)戦略的現状と見通し

当社グループは、事業の重点化と他社との差別化を重要な戦略と位置づけて、引き続きグローバルな視野に立って将来的に成長が期待できる事業分野と市場へ、経営資源を重点的に集中させ、研究開発資源の有効かつ効率的な活用と「経営環境の変化に対するスピーディーな対応」で、ビジネスの強化と事業領域の拡大に努めてまいります。

具体的には、製造販売においては、とりわけ電子部品や自動車部品、更にはデジタル光学機器といった業界を中心に、コーティング製品や高機能樹脂製品の差別化戦略、付加価値の高い新規開発製品の市場投入などで拡販と事業領域の拡大を図り、また、仕入販売においては、特長ある既存商品群の物流・販売網強化と顧客ニーズに的確に応えるための仕入先との共同開発その他の協働、更には、新規商権の獲得などにも注力してまいります。

また、当社グループのグローバル展開では、アジア各地の当社子会社を拠点として、中国やタイ・ベトナム・インドを中心としたアジアの新興市場を事業活動のメインに据え、これに加えて、堅調な景気が続く米国や欧州その周辺市場においても、生産・物流・販売の機能強化と更なる情報収集に努めてまいります。

 

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力しておりますが、米中の貿易摩擦や、中東情勢、為替レート、資源価格、金利の大幅な変動等により、当社グループの経営環境は一段と厳しい状況が予想されます。

当社グループとしましては、今後もこうした状況を正確かつ的確に把握してグループの総合力を効果的に発揮できるよう、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化とスピーディーな経営判断を心がけ、業績の向上に努めていく方針であります。

 

(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、達成目標は、売上高営業利益率4.0%、総資産経常利益率(ROA)5.0%、自己資本比率60.0%、海外地域売上比率20.0%であります。

当連結会計年度において、上記全ての指標が達成目標及び前連結会計年度を上回りました。

売上高営業利益率は、ハイブリッド車・EV関連部品向け樹脂製商品の販売が国内外で大きく伸長した結果、営業利益が増加し、総資産経常利益率は、利益水準が上昇したことで達成目標及び前連結会計年度を上回りました。また、海外地域売上比率は、海外子会社の事業活動においてハイブリッド車・EV関連部品向けの受注動向が好調に推移し、中国や欧米市場への販売が伸長したことで海外向けの売上割合が増加しております。

次年度以降は、引き続き、高機能材料事業における製品の販売を伸長させるとともに、新たな用途展開による製品販売の拡充を推進することで、事業所の稼働率を高め、更なるコスト低減に取り組むことにより、当社グループ全体の収益基盤を確立させ、恒常的な目標達成に向け努めてまいります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は「メーカー機能」と「商社機能」を併せ持つ企業として、両機能の一体化によるシナジー効果を追求し、顧客ニーズを迅速に把握しつつ、自社製品開発に活かしていく事業活動を展開しております。

従って、当社は会社組織の事業部門を経営管理上の区分と位置づけており、「高機能材料事業」「環境材料事業」「食品材料事業」を報告セグメントとしております。

「高機能材料事業」はコーティング製品、高機能樹脂製品、電子材料、機能性樹脂、「環境材料事業」はファインケミカルズ、製紙用化学品、「食品材料事業」は食品素材等の製造販売及び仕入販売を行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

  前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

 

高機能材料

事業

環境材料

事業

食品材料

事業

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

19,346,184

4,663,589

2,539,060

26,548,834

101,065

26,649,900

セグメント間の内部

売上高又は振替高

19,346,184

4,663,589

2,539,060

26,548,834

101,065

26,649,900

セグメント利益又は損失(△)

1,687,404

204,548

167,591

2,059,545

△4,236

2,055,308

セグメント資産

16,783,632

3,902,425

1,816,494

22,502,551

29,055

22,531,607

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

394,771

16,995

5,082

416,850

74

416,924

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

508,637

17,768

526,406

526,406

(注)1. 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、新規開発事業等を含んでおります。

2. セグメント負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはなっていないため記載しておりません。

 

 

  当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

 

高機能材料

事業

環境材料

事業

食品材料

事業

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

21,049,415

6,716,193

2,511,768

30,277,377

86,134

30,363,512

セグメント間の内部

売上高又は振替高

21,049,415

6,716,193

2,511,768

30,277,377

86,134

30,363,512

セグメント利益又は損失(△)

2,464,271

227,090

140,091

2,831,454

△19,637

2,811,816

セグメント資産

20,259,710

4,165,104

1,817,907

26,242,721

38,910

26,281,632

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

402,907

18,082

662

421,653

115

421,768

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

992,413

13,424

1,005,838

17,128

1,022,966

(注)1. 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、新規開発事業等を含んでおります。

2. セグメント負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはなっていないため記載しておりません。

 

4.報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

 

(単位:千円)

売上高

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

26,548,834

30,277,377

「その他」の区分の売上高

101,065

86,134

連結財務諸表の売上高

26,649,900

30,363,512

 

(単位:千円)

利益

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

2,059,545

2,831,454

「その他」の区分の損失(△)

△4,236

△19,637

全社費用(注)

△258,045

△241,519

連結財務諸表の営業利益

1,797,263

2,570,297

(注)全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(単位:千円)

資産

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

22,502,551

26,242,721

「その他」の区分の資産

29,055

38,910

全社資産(注)

4,328,263

4,690,658

連結財務諸表の資産合計

26,859,871

30,972,290

(注)全社資産は、各報告セグメントに配分していない資産であります。

 

(単位:千円)

その他の項目

報告セグメント計

その他

調整額(注)

連結財務諸表計上額

前連結会計年度

当連結会計年度

前連結会計年度

当連結会計年度

前連結会計年度

当連結会計年度

前連結会計年度

当連結会計年度

減価償却費

416,850

421,653

74

115

23,227

30,588

440,152

452,357

有形固定資産

及び無形固定

資産の増加額

526,406

1,005,838

17,128

54,741

124,810

581,147

1,147,776

(注)減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社

の減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額であります。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

報告セグメントと同一区分のため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:千円)

 

日本

中国

その他の地域

合計

19,866,105

3,730,159

3,053,634

26,649,900

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:千円)

 

日本

中国

タイ

米国

その他の地域

合計

1,562,354

929,763

724,639

2,460

23,454

3,242,672

 

3.主要な顧客ごとの情報

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

報告セグメントと同一区分のため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:千円)

 

日本

中国

その他の地域

合計

21,313,825

4,676,670

4,373,016

30,363,512

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(表示方法の変更)

 前連結会計年度において、「アジア」に含まれていた「中国」の売上高は明瞭性を高めるため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の「2.地域ごとの情報(1)売上高」の組み替えを行っております。

 この結果、前連結会計年度において、「アジア」に表示していた5,986,629千円及び「その他の地域」に表示していた797,164千円は、「中国」3,730,159千円、「その他の地域」3,053,634千円として組み替えております。

 

(2)有形固定資産

(単位:千円)

 

日本

中国

タイ

米国

その他の地域

合計

1,653,159

956,898

772,319

1,223,783

22,119

4,628,280

 

(表示方法の変更)

 前連結会計年度において、「その他の地域」に含まれていた「米国」の有形固定資産は重要性が増したため、また、「アジア」に含まれていた「中国」及び「タイ」の有形固定資産は明瞭性を高めるため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の「2.地域ごとの情報(2)有形固定資産」の組み替えを行っております。

 この結果、前連結会計年度において、「アジア」に表示していた1,671,903千円及び「その他の地域」に表示していた8,414千円は、「中国」929,763千円、「タイ」724,639千円、「米国」2,460千円、「その他の地域」23,454千円として組み替えております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

(単位:千円)

 

高機能材料

事業

環境材料

事業

食品材料

事業

その他

全社・消去

合計

減損損失

60,088

60,088

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

(単位:千円)

 

高機能材料

事業

環境材料

事業

食品材料

事業

その他

全社・消去

合計

減損損失

29,089

29,089

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

該当事項はありません。