2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 708,290 100.0 33,402 100.0 4.7

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは株式会社ヤオコー(当社)、子会社6社及び関連会社1社で構成されており、食品を中心とした小売業を主要業務としております。

事業内容と当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

 

事業内容

会社名

主要業務

スーパー
マーケット
事業

当社

食品を中心としたスーパーマーケット

株式会社エイヴイ

食品を中心としたスーパーマーケット

株式会社フーコット

食品を中心としたスーパーマーケット

株式会社せんどう (注)1

食品を中心としたスーパーマーケット

株式会社ヤオコービジネスサービス

各種店舗関連業務

株式会社小川貿易

飲食料品等の卸売及び輸入業

株式会社ヤオコーハーモニー (注)2

食品製造・加工・包装等の補助、その他付帯業務

SOPHIE INVESTMENT JOINT STOCK COMPANY

Green Sky Investment and Development Company Limited(食品を中心としたスーパーマーケット)への出資

 

(注) 1 当連結会計年度において、持分法適用関連会社であった株式会社せんどうの株式の一部を譲り受け、連結子会社としております。

2 当連結会計年度において、株式会社ヤオコーハーモニーを新規設立し、非連結子会社としております。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ33,796百万円増加し、376,206百万円となりました。これは主に、現金及び預金、売掛金、商品及び製品、新規出店・既存店の改装等に係る投資により有形固定資産が増加したためであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ15,767百万円増加し、190,274百万円となりました。これは主に、社債が減少したものの、買掛金、借入金、流動負債その他に含まれている契約負債が増加したためであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ18,029百万円増加し、185,931百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したほか、株式会社せんどうが連結子会社化したことにより非支配株主持分が増加したためであります。

 
ロ 経営成績

既存店売上高が大きく増加したことや株式会社せんどうが連結子会社化したことに伴い、当社グループの売上高は前期比で大きく上昇しました。特に当社においては、原料価格などの上昇が続く中で、価格対応を強化するなどにより、トップラインの確保(お客さまの満足度向上)に注力しました。

結果として、利益面では、売上増加を主要因とする営業総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を上回り、当連結会計年度における売上高は708,290百万円(前期比19.0%増)、営業利益は33,402百万円(同13.9%増)、経常利益は32,583百万円(同12.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,176百万円(同10.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ418百万円増加し、48,498百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は43,183百万円(前期比6,020百万円増)となりました。これは主に、法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益及び減価償却費を計上したことによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は37,009百万円(前期比10,223百万円増)となりました。これは主に、新規出店・既存店改装に係る投資による支出があったことによるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は5,755百万円(前期比2,320百万円減)となりました。これは主に、長期借入金の増加があったものの、配当金の支払及び転換社債の償還によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、部門別に販売及び仕入の状況を記載しております。

(販売実績)

部門別

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

売上高(百万円)

構成比(%)

売上高(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

生鮮食品

193,830

32.6

235,753

33.3

121.6

デリカ食品

78,244

13.1

92,317

13.0

118.0

加工食品

162,925

27.4

195,708

27.6

120.1

日配食品

138,293

23.2

160,690

22.7

116.2

住居関連

22,054

3.7

23,819

3.4

108.0

合計

595,348

100.0

708,290

100.0

119.0

 

(注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

2 当連結会計年度において、販売実績が著しく増加しております。これは主に、株式会社せんどうを連結の範囲に含めたことによるものであります。

 

(仕入実績)

部門別

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

仕入高(百万円)

構成比(%)

仕入高(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

生鮮食品

147,346

33.5

181,117

34.4

122.9

デリカ食品

37,982

8.6

45,373

8.6

119.5

加工食品

132,244

30.1

157,823

30.0

119.3

日配食品

105,112

23.9

123,943

23.5

117.9

住居関連

17,249

3.9

18,535

3.5

107.5

合計

439,934

100.0

526,792

100.0

119.7

 

(注)1 上記の金額は、実際仕入額によっております。

2 当連結会計年度において、仕入実績が著しく増加しております。これは主に、株式会社せんどうを連結の範囲に含めたことによるものであります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ  経営成績の分析

当社グループは、「地域のすべての方々の食生活をより豊かに、より楽しく」を長期ビジョンとして掲げ、企業価値の創造と持続的な成長に向け取り組んでおります。消費者の価格ニーズが一層高まるなか、「消費の二極化」が加速することを想定して、グループ全体で価格対応を進めてまいります。

 

当連結会計年度のわが国経済は、緩やかな回復基調が続き、金融政策も正常化に進む一方で、物価上昇や世界経済の不確実性などにより、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

食品スーパーマーケット業界においても、消費者の節約志向が強まるなか、人件費や建築資材などの高騰が続き、業界再編も含め、業態を越えた企業間競争が加速するなど大変厳しい経営環境となっております。

 

当社は、「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を基本方針とし、第11次中期経営計画のメインテーマとして「シン・ヤオコー:昭和モデルから令和モデルへの構造転換」を掲げております。当期におきましては、「おいしさ」「品揃え」「提案」「安さ」の4つの価値を同時実現するべく、以下の重点施策に取り組んでまいりました。

 

[商品・販売戦略]

商品面につきましては、当社の独自化・差別化につながる品揃えを実現するべく、ミールソリューションの充実に注力しております。また、バリューチェーン全体で競争優位を実現するため、製造小売業へ踏み込み、SPA型の商品開発の拡大を図っております。さらに、プライベートブランド商品の品質・価格面での更なる磨き込みを行っております。

販売面につきましては、二極化対応を継続し、価格コンシャスを強化してまいりました。EDLP(常時低価格施策)や「厳選100品」に加え、生鮮の頻度品などの価格政策に取り組むとともに、集客強化を図るべく、単品量販を推進する「日本一企画」、地方の特産品を品揃えする「産地フェア」や「豊洲祭り」などを実施いたしました。また、顧客別対応の更なる進化のため、販促・品揃えを中心に「南北政策」を推進しております。

キャッシュレス決済サービス「ヤオコーPay」については、「ヤオコーアプリ」に加え「ヤオコーカード」でも利用が可能となったことで、利用率は徐々に上昇しております。

 

[運営戦略]

生産性向上のために、自動化による業務改善やデジタルを活用したカイゼンに取り組んでおります。グロッサリー商品を対象としたAIによる需要予測に基づく自動発注システムの活用は順調に推移し、生産性向上に寄与しています。また、レジ部門においてはフルセルフレジの導入を進めております。さらに、電子棚札や業務支援アプリを順次導入するなどペーパーレス化を推進し、社員の働きやすい環境を整備しております。

倉庫管理システムや自動倉庫型仕分けシャトルを導入した草加物流センターでは、順次管轄店舗を拡大、安定稼働を図ってまいりました。6月には、神奈川エリアの物流能力向上のため、横浜センターを移転しました。

また、循環型社会に向けて廃棄削減、節電、リサイクル推進の取組みを進めております。

 

 

[育成戦略]

チームで成果を出せる自立した人材育成を目的に、目標課題設定の在り方ほか人事考課制度を変更し、全社で定着化に向けた取組みを進めております。

カイゼンと並行して、業務区分を見直すなど労働環境整備を推進しております。

また、女性やシニア活躍のための働きやすさ改善を図っていくと同時に健康経営にも取り組んでまいります。

 

[出店・成長戦略]

当連結会計年度は、5月に武蔵浦和店(埼玉県さいたま市)、6月に浦和三室店(埼玉県さいたま市)、9月に久喜吉羽店(埼玉県久喜市)と東鷲宮店(埼玉県久喜市)、10月に川口SKIPシティ店(埼玉県川口市)と渋川店(群馬県渋川市)、11月に新百合ヶ丘店(神奈川県川崎市)、3月に綾瀬店(神奈川県綾瀬市)を開設いたしました。また、12月には学園前店(千葉県千葉市)においてスクラップ&ビルドによるリニューアルを実施いたしました。

なお、久喜吉羽店については、ミドル・シニア層をメインターゲットにする北エリアの旗艦店と位置づけており、同店におけるチャレンジや施策などについては社内で共有してまいります。

また、店舗を拠点とするヤオコーネットスーパーは25店舗で展開しており、今後も拡大の予定です。

 

グループ各社の概況は以下の通りです。

株式会社エイヴイは、神奈川県を中心にドミナントエリアを形成し、「圧倒的な低価格」と「徹底したローコスト運営」を基本方針とし、その具現化を図る施策や取組みを鋭意進めており、10月には平塚店(神奈川県平塚市)を開設いたしました。

株式会社フーコットは、「美味しいもの、圧倒的な品揃え、低価格とそれらを支えるローコストオペレーションの徹底追求」を経営方針とし、埼玉県を中心に5店舗を運営しております。

株式会社せんどうは、2024年4月1日付にて連結子会社となっており、千葉県市原市を中心にドミナントエリアを形成し、生鮮食品に圧倒的な強みを持つ食品スーパーマーケットを運営しております。

 

2025年3月31日現在の店舗数は、グループ全体で239店舗(ヤオコー195店舗、エイヴイ14店舗、フーコット5店舗、せんどう25店舗)となっております。

また、2025年1月14日付で適時開示しております通り、「グループ売上高1兆円体制」に向けた基盤づくりを進めるべく、2025年10月1日(予定)付で「株式会社ブルーゾーンホールディングス」を設立するための準備を進めています。

 

これらの結果、当連結会計年度における売上高は708,290百万円(前期比19.0%増)、営業利益は33,402百万円(同13.9%増)、経常利益は32,583百万円(同12.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,176百万円(同10.6%増)となりました。

 

ロ 目標とする経営指標に基づく経営成績等に関する分析

当社グループの目標とする経営指標につきましては、「売上高経常利益率4%以上」の継続的な確保を目指しております。

上記「イ 経営成績の分析」に記載しております戦略課題に取り組んだ結果、新規出店及び既存店売上高の増加や株式会社せんどうが連結子会社化したことにより、当連結会計年度における売上高は708,290百万円(前期比19.0%増)となりました。利益面につきましては、売上高の増加を主因とした売上総利益及び営業収入の増加が、人件費や地代家賃などの増加による経費増を上回った結果、営業利益は33,402百万円(前期比13.9%増)となりました。

結果として、当連結会計年度における売上高経常利益率は4.6%となり、当社グループが目標とする経営指標を達成することができました。

 

 

ハ 経営成績に重要な影響を与える要因

当連結会計年度においては、物価上昇が続き、消費の二極化が進む中で、当社グループ全体で価格対応を進めました。当社においては、節約志向に対応した価格強化や企画を通じた販売力の強化などにより、一品単価の上昇に加え、客数の増加により、既存店売上高の昨年比は106.0%と好調に推移しました。

なお、物価上昇や所得格差拡大の影響により、中長期的には更なる消費の二極化が想定されます。また、人手不足の深刻化、建築費や金利の上昇に伴う新店や改装投資の負担増加、業態の垣根を越えた競争の激化など、引き続き当社を取り巻く経営環境は不透明な状況が見込まれます

 

ニ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入により必要資金を調達しており、新規出店、既存店の改装等の設備資金及び店舗運営費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要に対応しております。

当連結会計年度においては、業績の堅調な推移により安定的にキャッシュ・フローを創出できた結果、十分な流動性を確保しているものと考えております。当社グループでは、財務健全性を図りながら、適正な株主還元と厳しい競争環境を勝ち抜くための成長投資を継続していく計画であります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループの経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績、現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、以下の会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

イ 固定資産の減損

当社グループは、店舗に係る有形固定資産をはじめとする多額の固定資産を保有しており、店舗の収益性が低下するなど、固定資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損処理を行っております。回収可能価額の評価にあたっては、資産グループの時価や割引後将来キャッシュ・フロー等様々な仮定を用いて合理的に見積りを行っておりますが、今後、地価等の大幅な下落や店舗を取り巻く競争環境の激化等、想定を上回る変化が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。

 

ロ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の計上にあたっては、回収可能性を考慮して、繰延税金資産総額から評価性引当額を減額しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの業績の推移などから将来の課税所得を合理的に見積り判断しておりますが、今後、課税所得の予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。

 

ハ 退職給付費用及び退職給付債務

退職給付費用及び債務は、割引率、死亡率、退職率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。今後、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。

 

 

ニ 資産除去債務の計上

当社グループは、主に店舗用に賃借した土地建物において、不動産賃借契約に基づき返還時に必要とされる原状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しているため、今後、過去の実績と実際の原状回復費用が異なる場合や見積りに影響する新たな事実等が発生した場合には、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、食品を中心としたスーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

1  製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3  主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

当社グループは、食品を中心としたスーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

当社グループは、食品を中心としたスーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。