2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,873名(単体) 4,377名(連結)
  • 平均年齢
    38.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.4年(単体)
  • 平均年収
    8,370,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    5.3%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

当行グループは、中期経営計画において、「エンゲージメントの深化を通じてファンを増やす」という方針のもと、人とAIによる生産性の向上を通じて、地域のトランスフォーメーションの実現・地域社会と当行グループの持続的な成長を目指しております。

これらの経営戦略の実現にあたっては、それを支える人材の確保・育成及び最適な配置が不可欠であることから、人的資本を最も重要な経営資本の一つと位置付け、経営戦略と連動した人材戦略を推進しております。

人材戦略では「人材ポートフォリオの構築」「データドリブン人材マネジメント」「従業員エンゲージメントの向上」の3点を柱として掲げています。「人材ポートフォリオの構築」では、グループ全体で300人以上の人員増強・リバランスを実施していきます。「データドリブン人材マネジメント」では、データ分析の深化やAIの活用により、新入社員から経営層まで一貫したレベル基準による採用・育成・配置を実現していきます。「従業員エンゲージメントの向上」では、評価・報酬制度の見直しや賃上げ・福利厚生の強化、公募及び選抜型の研修・トレーニー等を実施していきます。

人材戦略の実現に向け人的資本投資を一層強化し、従業員一人ひとりの専門性の高度化に向け、2026年度からの3年間累計で35億円の人的資本投資を計画しています。研修体系の見直し・高度化を進めるとともに、当行グループ独自の「プロフェッショナル認定制度」により専門人材の育成を加速し、その結果を戦略的な人材配置に活用しています。また、2026年度に創設する育成プログラム「ちばぎんMBA」の導入などを通じ、次世代の経営人材の育成にも積極的に取り組んでいきます。そのほか、必要に応じてパーソナライズされた研修を受講することにより、自律的に専門性を高めることができるよう、オンデマンド学習コンテンツの充実にも積極的に取り組んでいます。

いずれの分野においても、データ及びAIの活用を通じて人材に関する情報の可視化・分析を高度化し、適材適所の配置や育成施策の精度向上を図るとともに、評価の客観性及び納得性の向上に取り組んでおります。各プロセスを経営戦略と連動させることにより、従業員一人ひとりの生産性の最大化を図っていきます。

これらの取組みを通じて、人材の成長が付加価値の高いサービスの創出及び生産性向上につながり、当行グループの企業価値の向上に資するものと認識しております。

 

当行グループの従業員給与等の決定にあたっては、経営戦略の実現に必要となる人材の確保・育成・定着、労働市場における競争力の維持・向上 、従業員のエンゲージメント向上の観点等を重視し、人材戦略と整合的な処遇体系の構築を基本方針としております。

給与は、定例給与・定例外給与(諸手当)・賞与により構成しております。銀行職員の定例給与は職責や役割・職務内容に応じて決定しており、定例外給与(諸手当)は職務特性・勤務地等に応じた支給を行い、賞与は役割に応じた固定報酬をベースに所属業績や個人評価を反映した変動報酬も加えた構成としております。ジョブ型のコースの職員については役割・成果をより重視した報酬体系としております。

給与水準は、同業他社や主要産業の賃金水準、労働市場における人材獲得競争の状況、経済動向等の外部環境、当行グループの業績や財務状況等を総合的に判断して決定しております。

給与及び賞与の決定は、一定期間ごとに個人評価を行い、その結果を報酬へ反映するプロセスとしています。評価は行動評価(顕在化した行動)・実績評価(業務上の成果)・総合評価(実績評価+行動評価)を実施しております。評価結果に応じた昇給や賞与配分については、所管する部署が会社全体の結果を見るなか経営陣や所属長との議論を重ねて決定し、その内容について本人へフィードバックすることにより公正性・透明性・納得性の確保に努めております。

当行グループは、人的資本への投資を中長期的な企業価値創造に向けた戦略的投資と捉えており、給与決定方針は人材戦略と密接に連動しております。必要人材に対して適切な報酬水準を設定することにより、採用力・定着率・生産性の向上を図っております。

当行グループは、持続的な企業価値向上と人的資本への再投資の観点から、ベースアップや定期給与改定、個人の成果を反映する賞与等を組み合わせ、給与水準の向上にも取り組んでおります。給与制度は、取締役会・各種委員会での審議や外部データの活用等により、継続的な見直しを実施しております

 

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

 

合計

従業員数(人)

4,377

[2,712]

(注)1.当行グループは銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

2.従業員数は、執行役員18人、及び海外の現地採用者、嘱託並びに臨時従業員2,677人を含んでおりません。

3.海外の現地採用者、嘱託及び臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

②当行の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数

(人)

平均年齢

(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与

(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

3,873

38.3

14.4

8,370

5.3

[2,501]

(注)1.従業員数は、執行役員18人、及び海外の現地採用者、嘱託並びに臨時従業員2,471人を含んでおりません。

2.当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3.海外の現地採用者、嘱託及び臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5.当行の従業員組合は、千葉銀行従業員組合と称し、組合員数は2,945人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

③管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

a.当行

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

(注)3.

正規雇用労働者

パート・有期労働者

19.0

(2026年3月時点)

97.6

53.6

71.6

74.8

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。また、他社への出向者は計算対象外としています。「管理職」の定義について、前事業年度までは「リーダー職以上」の従業員としていましたが、今事業年度より「労働基準法における管理監督者」に変更しております。なお、リーダー職以上に占める女性労働者の割合は30.5%となっています。

2.「育児休業、介護準備休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、2023年度及び2024年度に配偶者が出産し、2025年度に育児休業を取得開始した男性労働者が10人含まれる一方、2025年度に配偶者が出産し、育児休業の取得開始が2026年度以降となる予定の男性労働者が12人おります。この繰越人数の差により、2025年度の取得率は100%を下回る結果となっています。

3.短時間勤務者等の正規労働者と比して所定労働時間が少ない従業員については、該当者の労働時間に対して、当行の標準的な所定労働時間を除した人員数に換算して、計算しています。また、他社への出向者及び海外赴任者は対象外としています。

 

上表のうち、男女の賃金の差異の算出にかかる雇用区分別の従業員数については下記の通りです。

 

男性人数

女性人数

正規雇用従業員

2,229

1,615

パート・有期雇用従業員

145

1,399

全従業員

2,374

3,014

 

当行グループでは、同一の役割であれば男女で賃金やその他処遇の差は設けておりませんが、千葉銀行においては正規雇用労働者より賃金水準の低い有期雇用労働者の約90%が女性であることから、全労働者の賃金格差が正規労働者のみの賃金格差より拡大しています。また、リーダー職以上の階層の従業員について男性比率が高いことから生じる男女間の賃金格差が存在しています。

 

当行グループでは、多様な人材がいきいきと働き、最大限能力を発揮することが出来るように、経営トップによる強力なリーダーシップのもと、ダイバーシティ&インクルージョンの活動を進めており、特に女性活躍推進については重要な課題として認識しています。主たる事業会社である千葉銀行において、女性リーダー職以上の比率を2026年7月までに30%以上とすることを目標としておりましたが、登用が前倒しで進み、2026年3月末時点で達成しました。今後も男女間賃金格差の是正に向け、女性の活躍推進・登用拡大に向けた取組みを行ってまいります。

 

千葉銀行における男女の賃金の格差(正規雇用労働者)及び女性リーダー職以上比率の推移

 

2010年

2013年

2016年

2019年

2022年

2023年

2024年

2025年

男女の賃金の格差
(正規雇用労働者、%)

56.6

60.4

60.5

61.7

67.0

68.3

69.5

71.6

女性リーダー職以上比率(%)

9.3

12.5

17.5

22.5

27.2

28.4

29.4

30.5

 

b.連結子会社及び持分法適用子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

(注)3.

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

ちばぎん証券

16.8

100.0

86.2

81.2

75.7

 

ちばぎんコンピューターサービス

8.9

100.0

従業員300名以下につき、男女の賃金の差異については記載を省略

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。また、他社への出向者は計算対象外としています。なお、管理職の定義は当行同様「労働基準法における管理監督者」として計算しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.短時間勤務者等の正規労働者と比して所定労働時間が少ない従業員については、該当者の労働時間に対して、各社の標準的な所定労働時間を除した人員数に換算して、計算しています。また、他社への出向者及び海外赴任者は対象外としています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当行グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とはさまざまな要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1)サステナビリティ経営への取組み

 ①ガバナンス

 当行グループは、長期志向で経済価値と社会価値の両立を目指す「持続的経営」に向けて、機動的かつ強固なガバナンス体制を構築しています。

 サステナビリティに関する各種施策の策定、遂行については、サステナビリティ推進委員会が主に担い、サステナビリティ経営に関する方向性、具体的な活動・取組み、リスクと機会の特定と評価について議論・審議しています。同委員会において議論・審議された内容は、取締役会に報告・付議されます。

 同委員会は、取締役頭取を委員長とし、サステナビリティ推進部が事務局となり、四半期に一度の頻度で開催しており、経営会議に参加する役員、関連各部の部長が出席しているほか、社外取締役や監査役がオブザーバーとして参加し、必要に応じて助言や提言を行い、それらは経営の意思決定に反映されています。

 サステナビリティ推進部は、本部・営業店・グループ会社と連携し、サステナビリティに関する各種施策の遂行や具体的な取組みに関する指示・管理を行っています。

 なお、取締役会や監査役会の体制・役割については、「4[コーポレート・ガバナンスの状況等] (1)[コーポレート・ガバナンスの概要]」をご参照ください。

 

<ガバナンス体制図>

 

 ②戦略

 当行グループは、「パーパス」「ビジョン」及び「ちばぎんグループサステナビリティ方針」に則り、経済価値と社会価値の両立を目指すサステナビリティ経営を進めています。社会・経済環境や地域を取り巻く課題が変化するなか、金融機関に求められる役割も高度化・多様化していることを踏まえ、当行グループが優先して取り組むべき「マテリアリティ(重要課題)」の見直しを行いました。マテリアリティは、第16次中期経営計画「エンゲージメントバンクグループ ~フェーズ2~」の価値創出の基盤に組み込まれており、中期経営計画の着実な実行により、地域社会を取り巻くさまざまな課題を解決し、持続可能な地域社会の実現を目指しています。

 

<マテリアリティ関係図>

  

 ③リスク管理

 当行グループは、サステナビリティに関するガバナンス体制のもと、グループ経営に関するさまざまなリスクと機会を特定し、リスクと機会の管理を強化しています。なお、事業全体を取り巻くリスク事象については、「3[事業等のリスク]」をご参照ください。気候変動への対応、人的資本に関するリスク管理については、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)自然資本保全への対応(TNFD提言への取組み)」、「(4)人的資本」をご参照ください。

 

 ④指標と目標

 当行グループは、第16次中期経営計画「エンゲージメントバンクグループ ~フェーズ2~」において、地域のトランスフォーメーションに向けた、地域まるごとKPIを設定しているほか、サステナビリティに関連するリスクと機会についても、それらを評価・管理するためのさまざまな指標と目標を設定しています。気候変動への対応、自然資本保全への対応、人的資本に関する指標と目標については、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)自然資本保全への対応(TNFD提言への取組み)」、「(4)人的資本」をご参照ください。

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)

 ①ガバナンス

 当行グループの気候変動への対応に関するガバナンスは、サステナビリティ経営に関するガバナンスに組み込まれており、サステナビリティ経営に関するガバナンス体制のもとで、気候変動への対応に関する各種施策の遂行、リスクと機会の認識・管理を実施しています。詳細については、「(1)サステナビリティ経営への取組み ①ガバナンス」をご参照ください。

 

 ②戦略

<気候変動に伴うリスク及び機会>

当行グループは、気候変動に伴うリスク(物理的リスク・移行リスク)及び機会について、短期(5年未満)、中期(5~10年)、長期(10年超~30年)の時間軸で定性的に分析しています。気候変動に伴うリスク及び機会の具体的な内容、気候変動に伴うリスク及び機会が、当行の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響は、以下のとおりです。

リスクと機会

具体的なリスク及び機会と当行の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響

時間軸

リスク

物理的リスク

信用リスク

・大規模風水災等の発生による当行不動産担保の毀損

・大規模風水災等の発生による営業拠点の被災を理由とした融資先の

 事業停滞に伴う業績悪化

・海面上昇による融資先の営業拠点の被災に伴う事業撤退

短期~長期

短期~長期

 

長期

オペレーショナル・リスク

・大規模風水災等の発生に伴う当行営業拠点の運営中断・不能

短期~長期

移行リスク

信用リスク

・気候変動に関する法規制や税制等の変更による融資先の業績悪化

・脱炭素技術への投資の失敗や新技術への過大な投資負担による

 融資先の業績悪化

・従来の商品やサービスに対する需要の減退に伴う融資先の業績悪化

・脱炭素社会への進展による資源価格の急激な変動に伴う融資先の

 業績悪化

中期~長期

中期~長期

 

短期~長期

中期~長期

風評リスク

・当行の化石燃料セクターへの過大な投融資の継続を理由とした評判

 悪化に伴う株価下落や資金調達難

短期~長期

機会

商品とサービス

・再生可能エネルギー関連融資を含むサステナブル・ファイナンスの

 取組増加

・脱炭素支援に関するコンサルティングの増加

・災害対策や事業継続目的のためのインフラ投資に基づく資金需要

 拡大

短期~長期

 

短期~長期

短期~長期

コストの低減

・省エネ等の高効率運営による運営コストの低減

短期~長期

 

<気候変動に伴うリスク及び機会に対する取組み>

当行グループは、気候変動に伴うリスク及び機会を特定・認識したうえで、主な戦略として以下のような取組みを実施しています。

GHG(CO2)

排出量削減

脱炭素社会の実現を目指し、当行グループの自社排出によるGHG(CO2)排出量削減を図っています。

・建物の省エネルギー化及び環境対応車の導入促進

・再生可能エネルギー由来の電力導入

・電力事業子会社「ひまわりグリーンエナジー㈱」による太陽光発電所の設置

脱炭素経営の支援

お客さまの脱炭素経営を支援するためのさまざまな活動を実施しています。

・CO2排出量測定ツール「C-checker」の提供

・脱炭素コンサルティングの実施

・「ESG評価シート」を活用した温室効果ガス排出量把握及び対話促進

・Financed Emissionsの計測によるお客さまに対するエンゲージメントの推進

サステナブル・

ファイナンスの推進

気候変動リスクの緩和・適応に資するサステナブル・ファイナンスの取組みを強化

しています。

・太陽光発電設備導入資金等の再生可能エネルギー関連融資の推進

・グリーンローンやサステナビリティ・リンク・ローン、

 「ちばぎんリーダーズローンNEXT」等各種ローン商品の提供

・グリーンボンドやサステナビリティ・リンク・ボンドへの積極的な投資

・サステナブル・ファイナンスに関する実行額目標の設定

気候変動リスク管理の強化

「気候変動対応の後れ」をトップリスクとして選定し、リスク管理を強化

しています。

・「気候変動対応の後れ」を、影響度や蓋然性の観点から重要度の高い

 「トップリスク」の一つとして選定・管理

・融資ポリシーの策定及び化石燃料関連セクターに対する与信の厳格化

・気候変動に伴う信用リスクやオペレーショナル・リスクについて、統合的なリスク

 管理体制による管理を実施

<シナリオ分析>

当行グループは、2℃以下のシナリオを含むさまざまな気候変動シナリオを考慮して、当行の戦略におけるレジリエンスについて分析しています。

各シナリオに基づき分析した結果、分析期間(2050年まで)における物理的リスクは70~80億円、移行リスクは最大で310億円であり、当行の業績(親会社株主に帰属する当期純利益(連結)940億円)等を勘案し、これらのリスクは、現時点においては、当行の事業の持続可能性に重大な懸念を与えるものではないと認識しています。

気候変動に伴う物理的リスク・移行リスクについては、今後も継続的に分析手法の高度化を図り、リスクの管理と適切な対応策の実施、並びに情報開示に努めていきます。

 

物理的リスク

移行リスク

シナリオ

IPCCのRCP4.5及びRCP8.5(4℃シナリオ)

IEAのNZEシナリオ

NGFSのNet Zero 2050及びBelow 2℃シナリオ

分析対象

当行不動産担保(一般貸出のみ)

当行融資先(一般事業法人)

石油・ガス、石炭セクター

電力ユーティリティセクター

鉄鋼セクター

化学セクター

空運セクター

分析手法

台風・豪雨等の風水災による当行不動産担保の毀損と、建物用地の浸水割合により算定した融資先の事業停滞に基づく与信関係費用の増加額を分析

IEAのNZEシナリオ等をもとに、2050年までの融資先の業績・財務状況の試算を行い、債務者区分の変化による与信関係費用の増加額を分析

分析期間

2050年まで

2050年まで

分析結果

与信関係費用の増加額:70~80億円

与信関係費用の増加額:最大で310億円

 

 

 

 ③リスク管理

<リスクの特定・評価>

 当行グループは、気候変動に伴うリスク(物理的リスク・移行リスク)が、当行グループの経営に重要な影響を与えるリスクと認識し、具体的な内容を時間軸(短期・中期・長期)ごとに特定・評価したうえで、管理を強化しています。これらのリスクの特定・評価は、サステナビリティ推進部とコンプライアンス・リスク統括部が連携して実施し、その分析結果はサステナビリティ推進委員会等にて報告しています。

 

<トップリスク管理>

 当行グループは、事業を取り巻くリスク事象のうち、影響度や蓋然性の観点から重要度の高いリスクを「トップリスク」として、取締役会にて選定しています。「トップリスク」の選定や管理にあたっては、リスク事象を幅広く網羅したリスクマップを作成し、社外取締役やグループ会社も含め議論を実施し、ALM委員会や取締役会にて報告を行っています。

 気候変動に伴うリスクの管理を強化するため、「気候変動対応の後れ」を「トップリスク」の一つとして管理しています。

 

<統合的なリスク管理>

 当行グループは、リスクごとに管理する部署を定め、コンプライアンス・リスク統括部がこれらのリスクを一元的に把握し、対応策等を協議しています。また、グループCRO(最高リスク管理責任者)が、リスクの状況を取締役会に報告しているほか、実効性のあるリスク管理体制を実現するため、リスク管理が適切に行われているかを監査部が監査し、取締役会に報告しています。

 気候変動に伴うリスクは、定性的及び定量的な分析結果を踏まえ、融資先の事業活動にかかる信用リスクや、当行拠点の営業継続にかかるオペレーショナル・リスク等に分類され、上記のリスク管理体制に統合されています。

 

<融資ポリシーと与信の厳格化>

 当行グループは、環境・社会に対する重大なリスクまたは負の影響を内包すると考えられる事業、及び融資に取り組むことが環境・社会に対して大きな影響を与えると考えられる特定のセクターに関して、融資ポリシーを策定・公表しています。

 また、地球温暖化に対して大きな影響を与えると考えられる化石燃料関連セクターに対する与信を検討する際には、サステナビリティ担当部門の見解を付したうえで取組可否を判断するなど、より厳格な審査体制としています。

 融資ポリシーの全文は当行のホームページに掲載しており、そのアドレスは次のとおりです。

 https://www.chibabank.co.jp/

 

 ④指標と目標

 当行グループは、2022年3月に「2030年度までにCO2排出量(SCOPE1+2)ネットゼロ」とする目標を公表し、GHG(CO2)排出量の削減に取り組んでいます。また、環境課題や社会課題の解決を資金使途とする投融資等を「サステナブル・ファイナンス」として位置づけ、取組みを強化しています。当行グループのGHG排出量の推移、サステナブル・ファイナンスの実行額目標と実行額実績は、以下の通りです。なお、SCOPE3排出量の2025年度実績については、2026年7月以降に発刊予定の「統合報告書 ディスクロージャー誌ハイライト 2026」及び「サステナビリティレポート 2026」をご参照ください。

 

<GHG排出量>

 [SCOPE1,2排出量]                           (単位:t-CO2)

 

2023年度

2024年度

2025年度

SCOPE1

2,614

2,444

2,439

SCOPE2

2,736

2,685

2,129

SCOPE1+2

5,350

5,129

4,568

オフセット量(J-クレジット)

100

ネット排出量

5,350

5,029

4,568

  (注)算定範囲は当行及び当行グループ会社

 

 

[SCOPE3排出量(2024年度)]                             (単位:t-CO2e)

SCOPE3

カテゴリー1

購入した製品・サービス

10,517

カテゴリー2

資本財

40,601

カテゴリー3

SCOPE1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動

2,691

カテゴリー4

輸送、配送(上流)

1,348

カテゴリー5

事業から出る廃棄物

517

カテゴリー6

出張

1,002

カテゴリー7

雇用者の通勤

2,356

カテゴリー15

投融資

15,742,179

合計

 

15,801,210

 

 [SCOPE3カテゴリー15の内訳(2024年度)]

業種

排出量

(単位:t-CO2e)

炭素強度

(単位:t-CO2e/百万円)

データクオリティ

スコア

石油・ガス、石炭

364,787

2.3

2.2

電力ユーティリティ

1,279,233

26.5

3.9

航空輸送

72,372

2.9

2.5

海運

258,646

13.8

2.4

鉄道輸送

21,548

1.6

1.6

トラックサービス

639,669

3.4

3.8

自動車、部品

38,677

3.7

1.8

金属、鉱業

1,235,212

11.5

1.9

化学品

491,022

6.2

2.1

建材

818,358

17.0

3.0

資本財

233,511

3.9

2.6

資本財(建物等)

1,425,032

4.2

3.5

不動産管理、開発

638,312

0.7

3.7

飲料

36,154

2.7

3.3

農業

119,063

6.2

3.8

包装食品、肉

665,692

4.6

3.3

紙、林産物

177,517

3.8

2.9

その他

7,227,373

2.5

3.5

合計

15,742,179

2.3

3.5

(注)上記GHG排出量は、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による独立した第三者保証を取得しています。

 

  <サステナブル・ファイナンス>

 

実行額目標

(2019年度-2030年度)

実行額実績

(2019年度―2025年度)

サステナブル・ファイナンス

4兆円

2兆3,954億円

 

うち環境系ファイナンス

2兆円

1兆2,976億円

 

(3)自然資本保全への対応(TCFD提言への取組み)

 ①ガバナンス

 当行グループの自然資本保全への対応に関するガバナンスは、サステナビリティ経営に関するガバナンスに組み込まれており、サステナビリティ経営に関するガバナンス体制のもとで、自然資本保全への対応に関する各種施策の遂行、リスクと機会の認識・管理を実施しています。詳細については、「(1)サステナビリティ経営への取組み ①ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

<自然資本への依存とインパクト>

 融資先の自然資本への依存とインパクトについて把握するため、自然関連リスク分析ツール「ENCORE」を用いてヒートマップ及びバブル図を作成し、各セクターの依存とインパクトの度合いを分析しました。

 

 融資残高割合や地域内及び行政計画上の重要性、依存とインパクトの評価結果等を踏まえ、「不動産管理・開発等」を優先セクターとして選定し、バリューチェーンの整理を実施しました。

 

<自然関連のリスク及び機会>

 優先セクターの依存・インパクトの評価及び融資先拠点における自然との関わりの分析を経て、優先セクターにおける自然関連のリスクと機会を整理しました。その結果に基づく、当行グループにおける具体的なリスク及び機会と当行の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響は以下の通りです。

 

リスクと機会

具体的なリスク及び機会と当行の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響

リスク

依存

政策リスク

急性・慢性リスク

規制強化や自然災害による融資先の返済能力悪化、銀行保有資産価値下落、及び法規制対応や被災によるコスト増加・業務中断リスク。

急性・慢性リスク

水不足や災害による融資先の返済能力悪化、銀行保有資産価値・流動性

下落、資金調達困難化、及び被災による業務中断・復旧コスト発生リスク。

インパクト

政策・評判リスク

規制強化等による融資先の返済能力悪化、及び自然に配慮しない融資による

銀行自身の評判悪化リスク。

GHG規制対応不足による融資先の返済能力悪化、銀行保有資産価値下落、

及び法規制対応や評判悪化に伴うコスト増加リスク。

技術・政策リスク

汚染物質規制強化や汚染管理不備による融資先の返済能力悪化、銀行自身の

評判悪化・コスト増加、及び汚染問題訴訟に伴う費用負担リスク。

機会

評判資本、

資本フローと資金調達、市場

サステナブル・ファイナンスやコンサルティングによる収益増加。

製品とサービス、評判資本、

生態系の保護・復元・再生、

市場

環境に資する取組みの実施による、企業価値向上。

 

③リスク管理

 当行グループは、融資先を対象とした自然関連の依存とインパクトに関する分析結果を基に、当行グループにとってのリスクを特定し、その結果をサステナビリティ推進委員会等にて報告しています。また、「自然資本・生物多様性への対応の後れ」を「サブリスク(トップリスクに準ずるリスク)」の一つとして管理しています。

 

<融資ポリシー>

 当行グループは、環境・社会に対する重大なリスクまたは負の影響を内包すると考えられる事業、及び融資に取り組むことが環境・社会に対して大きな影響を与えると考えられる特定のセクターに関して、融資ポリシーを策定・公表しています。

 融資ポリシーの全文は当行のホームページに掲載しており、そのアドレスは次のとおりです。

 https://www.chibabank.co.jp/

 

④指標と目標

 当行グループは、環境課題や社会課題の解決を資金使途とする投融資等を「サステナブル・ファイナンス」として位置づけ、取組みを強化しています。サステナブル・ファイナンスの実行額目標と実行額実績は、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)④指標と目標」をご参照ください。

 

(4)人的資本

 当行グループは、中期経営計画に掲げる戦略の実現に向け、人的資本を最も重要な経営資本の一つと位置付けております。当行グループの最も重要な経営資本は「人材」であり、グループの持続的成長には「人材」の成長が不可欠であると考えています。人材が成長することにより、お客さまに社会的価値を提供することが可能になり、それが、地域社会や当行グループの持続的成長につながり、そこから生み出される利益が再び人材育成への投資となる、という好循環を目指していきます。

①ガバナンス

 経営戦略に沿った人材戦略を遂行していくために、人的資本に関する取組みについては、取締役会の議案として、定期的にその進捗及び実効性について検証しています。また、頭取を委員長とする「人材活性化委員会」にて、人材戦略の高度化に向けた全体方針の策定や人材育成・採用・その他人的資本投資等に関する重要な施策を検討し、「エンゲージメント向上委員会」にて、人材戦略に関する各種取組みの効果や課題の検証を行うことによりPDCAサイクルを回す体制としております。

 また、グループ一体となって人材戦略を遂行していくために、銀行の人材育成部を人事関連の管理・統括部署として位置づけ、グループ会社の総合的管理を担うグループ戦略部とともに、グループ各社の人事部門と連携を取りながら、施策を進めています。

②戦略

(ⅰ)人材育成方針

 当行グループのパーパス「一人ひとりの思いを、もっと実現できる地域社会にする」の実現に向け、多様な専門家が集まり新しい価値を創出する組織になることが必要であると考え、そこで働く従業員一人ひとりに「お客さまや地域、仲間と一緒に走り続けるパートナーになってほしい」という思いを込め、グループ人材育成方針「共に走り続ける人に。」を制定しています。

 人材育成方針における3つのコア要素を「考え抜け」「自分の強みを持て」「仲間を増やせ」としています。従業員が自らのスキルを磨き、その能力を最大限発揮できるように、さまざまな「学習・挑戦・実践」の場を提供し、人材の育成・確保に努めています。

 

 当行グループが社会的価値を提供し、地域とともに持続的な発展を実現していくためには、お客さまや地域のパートナーとしてサービスを提供していく担い手である従業員の人材育成が急務であると考えており、中期経営計画3年間では人的資本投資を大幅に拡充していきます。

 当行グループの人材戦略では「人材ポートフォリオの構築」「データドリブン人材マネジメント」「従業員エンゲージメントの向上」の3点を柱として掲げ、「一人ひとりの生産性の最大化」に向け取り組んでいます。人材戦略は経営戦略と連動しており、人的資本への投資を通じて「地域の持続的成長・活性化」や「企業価値向上」につなげてまいります。

 

 

(ⅱ)社内環境整備方針

 従業員一人ひとりが、心身ともに健康で働きがいのある会社づくりを進めることが、お客さまへの良質なサービス提供につながるという考えのもと、従業員が健康でエンゲージメント高く働くことができる職場環境づくりに取り組んでいます。

 「健康経営宣言」を制定のうえ、頭取を最高責任者とし、人事部門や健康保険組合などが主体となり、従業員の健康保持・増進施策を推進しています。さまざまな健康施策を通じ、従業員の意識変容・行動変容を促していくことにより、各種健康関連の指標の改善、従業員エンゲージメントの向上を目指しています。

 また、従業員意識と組織課題を測定する仕組みとして、1991年より従業員意識調査(モラール・サーベイ)を実施してきましたが、従業員一人ひとりのエンゲージメントの状況をより正確に把握し、人材戦略や施策の改善につなげるため、2023年度から外部コンサルタントのアドバイスのもと独自に設問等を設計した「エンゲージメントサーベイ」を年2回実施しています。これらの指標を活用し、従業員エンゲージメントや組織課題の可視化・改善も継続的に行っております。

 

 心身の健康や働きがいに加えて、従業員の幸福度を目指すうえでは、経済的な安定を支援する「ファイナンシャルウェルネス」も重要であると考えております。このため、企業型確定拠出年金制度や持株会の設置・加入促進等を通じ、従業員の中長期的な資産形成の支援に取り組んでおります。また、2025年10月には福利厚生サービスをグループ各社に導入しました。福利厚生の充実を図ることにより、従業員の生活の質の向上及び長期的な生活基盤の安定に資する取組みを進めております。

 

③リスク管理

 当行の事業活動における人的リスク(長時間労働、メンタル不調、差別行為の発生等)について、リスク度合い

に応じてレベル別に整理し、重要度の高いリスクを中心に改善策を講じています。「リスク管理委員会」及び全グループ会社が参加する「リスク・コンプライアンス会議」にて定期的に状況を検証し、発生防止策等を検討することにより、リスクの低減を図っています。

 

④指標と目標

 上記「②戦略」において記載した、人材育成方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。これらの指標は、専門性の高い人材の育成及び組織の生産性向上を通じて、当行グループの競争力強化及び収益力向上につながるものとして設定しております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

[2025年度]

目的

指標

目標(2025年度)

実績(2025年度)

人材育成の強化

人的資本投資額※1

4億円超

3.9億円

一人当たり学習時間

40時間

60時間

人材の専門性向上

育成人材枠による

専門人材育成人数

280名

(2023~2025年度の延べ人数)

291名

(2023~2025年度の延べ人数)

DX人材人数

DX専門人材      30名
DXコア人材    150名
DXベース人材    2,000名

DX専門人材      45名
DXコア人材    186名
DXベース人材    2,118名

エンゲージメント向上

エンゲージメント

総合スコア※2

80%(肯定的回答割合)

83%

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

女性リーダー職

(課長相当職)以上比率

30%以上(2026年7月まで)

30.5%

男性育児休業取得率

100%以上を維持

97.6%

働きやすい職場
環境整備

有給休暇取得率

80%

82%

 

[2026年度]

目的

指標

目標

(2026年度~2028年度)

経営戦略実現のための

人材ポートフォリオ構築

人的資本投資額※1

35億円

経営候補人材プール

60人以上

育成人材枠による専門人材育成人数(うちAI人材)

360人(30人)

法人プロ認定人材数(★2以上)

150人

キャリア採用人数

240人

データドリブンの

人材マネジメントの実現

従業員の成長実感向上※2

80%以上

従業員の働きがいの向上※2

80%以上

従業員の評価の納得性向上※2

75%以上

従業員がエンゲージメント

高く活躍できる組織の実現

エンゲージメント総合スコア※2

80%以上

パーパスへの共感向上※2

92%以上

会社の魅力※2

82%以上

離職率の低下

2.5%以下

※ 指標及び目標・実績は、千葉銀行及びその連結子会社から成る連結会社ベースの数値を基本としていますが、「エンゲージメント総合スコア」を除く上記各指標及び目標・実績は、連結グループの主要な事業を営む会社において、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、プロパー社員がいない等の理由で、必ずしも連結グループに属する全ての会社で管理・取組みがなされているわけでないことから、グループの主たる事業会社である千葉銀行単体の数値としています。

   ※1 2025年度は人材育成に要する研修費・システム関連費用・研修設備の減価償却費の合計額としておりましたが、2026年度より人材育成に要する研修費・システム関連費用・研修関連人件費の合計額としております。

   ※2 当行独自の従業員調査(エンゲージメントサーベイ)における肯定的な回答割合