2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,264名(単体) 1,365名(連結)
  • 平均年齢
    40.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.1年(単体)
  • 平均年収
    7,108,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 連結会社の経営方針・経営戦略等に関連付けた人材戦略
a.人事ポリシー

 地域社会や当行を取り巻く環境が急速に変化するなか、当行が地域社会の発展を支えつつ企業価値の向上を図っていくため、当行では、当行における人と組織に対する基本的な考え方として、「人事ポリシー」を制定しており、「目指す組織像」や「求める人材像」を実現するための人事制度や各種人事施策の根幹と位置づけております。

<人事ポリシー>

・当行にとって「人」こそが最も重要な財産であり、あらゆる価値の源泉です

・お客さまの信頼と期待に応え、地域の未来を切り拓くために、職員一人ひとりと銀行がともに成長し続けます

 

 このポリシーに基づき、当行では次の観点から個人としての成長や組織としての成長を促進するとともに、個人と組織の成長を支える環境・風土の醸成に取り組んでおります。

●  自律と挑戦(個人としての成長)

 ・自ら考え、自ら行動することを求め、挑戦の機会を提供します

 ・能力や専門性の向上と発揮を求め、その環境を提供します

●  人材総活躍(組織としての成長)

 ・対話の重視によりエンゲージメントを高め、一人ひとりの実力を最大限引き出します

 ・仕事の成果と行動、挑戦と創意の発揮に対し適正に報います

●  多様な個性・価値観の尊重(成長を支える環境・風土)

 ・多様な個性や価値観を尊重しあい、新たな発想を生み出します

 ・個人の希望や事情に合わせた、柔軟な働き方を可能とします

 

 当行が目指す組織像と求める人材像は以下のとおりです。

目指す組織像

求める人材像

・地域・お客さまのために考え、行動する

・自ら考え、実践し、成長する

・一人ひとりの力を掛け合わせる

・失敗を恐れずに挑み、やり遂げる

・職員の頑張りを後押しする

・プロフェッショナルとして成長する

・働きがいがあり、信頼で結びつく

・認め合い、協働する

 

b.人材ポートフォリオの構築

 当行では、長期ビジョンである「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」を実現するために、マテリアリティへの取組を通じて地域に様々な価値を提供することができる人材の育成を行っています。

 経営戦略を達成するための人材構成については、質(スキル等のタイプ)、量(人員数)の両面から一定の目標をもって育成・配置していくこととし、当行が地域社会に価値を提供し持続的な成長を果たすうえで中核的な役割を担う業務区分として、「法人ビジネス」、「資産コンサルティング」、「DX」の3領域を「重点領域」として設定しました。また、「スキルマップ」を導入し現有人材を可視化するとともに、重点領域の人員数については、2028年6月時点の「目指す姿」を下表のとおり設定し、現状の目指す姿のギャップ解消に向けたアクションプランを展開しております。

 

重点領域

現状

(2025.6)

アクションプラン

目指す姿

(2028.6)

法人ビジネス

専門

14名

専門性の高い資格の取得支援

40名

行外派遣

コア

91名

法人営業力強化プログラムの拡大

115名

営業店・グループ会社間の人的交流

応用スキルの習得を目的とした研修

資産コンサルティング

専門

7名

行外派遣

20名

公的資格取得支援

コア

38名

大和証券のノウハウ活用

35名

大和証券との協業による育成施策実施

行内トレーニー、階層別研修の実施

DX

専門

2名

行外派遣

20名

公的資格取得支援

コア

10名

業務自動化/データ利活用案件の推進

100名

公的資格取得支援

本部内の横断的な人材配置

キャリア採用強化

ベース

108名

公的資格取得支援

全行員

 

② 連結会社の従業員等の給与(賞与も含む。)等の額及び内容の決定に関する方針

 当行では、職員が担う役割の大きさに応じて等級を決定する「役割等級制度」を導入しております。年功的な運用ではなく、「仕事」を基準とする仕組みとすることで、職員の主体的な行動や成果に報いることを基本方針としております。

 評価は、各等級に求められる行動の発揮度を評価する「役割行動評価」と、設定した目標の達成度を評価する「業務目標評価」により行っております。評価にあたっては、本人と上司との対話を通じて納得性を高めるとともに、挑戦意欲の醸成を図っております。なお、業務目標評価については、「Will Can Must」のフレームワークを活用し、職員の主体的なキャリア形成につなげることを目指しております。

 報酬については、前年度の役割行動評価の結果を踏まえて昇給・降給を決定しております。また、賞与については、前年度の当行業績を反映して当年度の支給水準を決定する業績連動型の体系を採用しており、個人別の支給額は、担当業務における前年度の実績も反映して決定しております。このように、当行業績及び個人の実績を一定程度報酬に反映させることで、業績向上及び成果創出に向けた意欲喚起につなげております。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社における従業員数

2026年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

クレジットカード業・信用保証業

その他

合計

 従業員数(人)

1,264

〔433〕

19

〔2〕

33

〔3〕

49

〔1〕

1,365

〔439〕

 

(注) 1 従業員数は、嘱託及び臨時従業員605人を含んでおりません。

2 従業員数は、執行役員8人を含んでおりません。

3 臨時従業員数は、〔 〕内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

② 当行の従業員数

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

1,264

40.5

18.1

7,108

2.5

〔433〕

 

(注) 1 従業員数は、嘱託及び臨時従業員584人を含んでおりません。

2 従業員数は、執行役員8人を含んでおりません。

3 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

4 臨時従業員数は、〔 〕内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

5 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

6 当行の従業員組合は、岩手銀行労働組合と称し、組合員数は842人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

③ 当行の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1、注3)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2、注4)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1、注5)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

12.4

100.0

46.5

62.2

61.5

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号、以下「女性活躍推進法」という)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号、以下「育児・介護休業法」という)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号、以下「育児・介護休業法施行規則」という)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 連結子会社の当事業年度における管理職に占める女性労働者の割合について、連結子会社が「女性活躍推進法」の規定による公表を行わないことから記載を省略しております。

4 連結子会社の当事業年度における男性労働者の育児休業取得率について、連結子会社が「女性活躍推進法」の規定による労働者の男女別の育児休業取得率の公表を行わないこと、「育児・介護休業法」の規定による労働者の育児休業の取得の状況の公表を行わないことから記載を省略しております。

5 連結子会社の当事業年度における労働者の男女の賃金の差異について、連結子会社が「女性活躍推進法」の規定による公表を行わないことから記載を省略しております。

 

a 管理職に占める女性労働者の割合

管理職数(人)

うち女性(人)

女性割合(%)

298

37

12.4

 

(注) 1 管理職数は、女性活躍推進法における「管理職」の定義に従い、次長級以上のうち、マネジメント職群にあたる行員を記載しております。

2 管理職数は、2026年3月31日現在の在籍者とし休職者は含めておりません。

 

 

b 役席者に占める女性労働者の割合

役席者数(人)

うち女性(人)

女性割合(%)

658

122

18.5

 

(注) 1 役席者数は、役職を有する行員を記載しております。

2 役席者数は、2026年3月31日現在の在籍者とし休職者は含めておりません。

 

c 男性労働者の育児休業取得率

配偶者が出産した男性労働者数(人)

育児休業等を取得した男性労働者数(人)

育児休業取得率(%)

24

24

100.0

 

(注) 1 育児休業等を取得した男性労働者数には、産後パートナー休暇(子の出生後8週間以内における28日間を限度とした有給の休暇制度)取得者を含めております。

 

d 労働者の男女の賃金の差異

 

男性平均賃金(円)

女性平均賃金(円)

差異(%)

正規雇用労働者

8,376,038

5,212,681

62.2

パート・有期労働者

2,394,677

1,473,131

61.5

全労働者

7,725,041

3,588,827

46.5

 

(注) 1 正規雇用労働者は、行員、無期の嘱託(フルタイム労働者)としております。

2 パート・有期労働者は、有期の嘱託(フルタイム労働者)、パートタイマー(無期・有期)としております。

3 平均賃金は、退職金及び通勤手当を含めておりません。

4 正規雇用労働者の男女別賃金差異が生じている要因

平均賃金の高い役職者割合の差異が要因となっており、具体的には当年度の支給対象延べ人数における支店長及び役職者クラスの割合は、男性69.5%((3,078人+3,938人)/10,095人)に対して女性23.9%((174人+1,289人)/6,112人)となっております。

一般クラス(世帯形成層)の差異が8割程度となっておりますが、その要因は当該クラスにおける「エリア選択制度」の利用率が男性16%に対して女性68%である点にあります。なお、エリア選択制度を利用する場合、利用しない者との賃金格差を15%程度設けております。

 

※<参考>正規雇用労働者におけるクラス別の月額平均賃金

 

男性

女性

差異(%)

(②/①)

備考

 

延べ人数(人)

①平均賃金(円)

延べ人数(人)

②平均賃金(円)

支店長クラス

3,078

647,359

174

609,902

94.2

 

役職者クラス

(支店長クラス除き)

3,938

502,647

1,289

437,956

87.1

 

一般クラス

(世帯形成層)

1,932

356,043

3,119

293,378

82.4

エリア選択制度の女性利用率が高い

一般クラス

(独身層)

1,147

273,654

1,530

252,724

92.4

 

合計

10,095

492,694

6,112

322,703

65.5

 

 

5 パート・有期労働者の男女別賃金差異が生じている要因

パート・有期労働者の約54%が女性のパートタイマー(60歳以上のシニアパート除き)となっており、配偶者の扶養の範囲内(月平均9万円程度)で就労していることが要因となっております。

 

④ 使用人その他従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

当行は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容について「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般

 ① ガバナンス

a.サステナビリティ方針

当行グループでは、「地域社会の発展に貢献する」の経営理念のもと、社会や環境に配慮した企業活動の展開により、持続可能な地域社会の実現に取り組んでおります。

2023年4月に掲げた向こう10年の長期ビジョン「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」においては、サステナビリティ方針に則り、地域資源の強みとさらなる可能性を引き出し、新たな価値を生み出していくことで、サステナブルな地域社会の実現を目指しております。

当行グループは、長期ビジョンの達成に向け、引き続き地域のリーディングカンパニーとして内外のサステナビリティを巡る諸課題に積極的かつ組織的に取り組むとともに、「ESG(環境・社会・企業統治)経営」と「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)経営」の実践を通じた企業価値の向上に取り組んでまいります。

サステナビリティ方針

岩手銀行グループ(以下、当行グループという)は、持続的な地域社会の実現に向けて、地域、お客さま、株主・投資家のみなさま、当行グループ職員をはじめとするすべてのステークホルダーの権利や立場を尊重しながら、事業活動を通じてみなさまとともに環境、社会、経済のそれぞれの共通価値を創造してまいります。

1.地域やお取引先における多様な課題の解決に資する事業活動を通じて、「地域経済の発展」と「当行グループの企業価値の向上」の好循環を創出します。

2.お客さまや地域のニーズに合った良質な金融機能の開発、提供に努め、当行グループの使命である地域経済の活性化や豊かな暮らしの実現を目指します。

3.豊かな自然環境を有する岩手県を主たる営業地盤とする企業グループとして環境に配慮した経営を実践し、経済成長と環境保全の両立を目指します。

4.経営の透明性の向上や監督機能の強化など、より高い水準のコーポレート・ガバナンス体制の確立を目指し、すべての職員が高い倫理観をもって職務を遂行します。

5.人材はあらゆる価値の源泉であるとの認識のもと、職員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる環境を整え、多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現します。

6.経営情報の積極的かつ公正な開示に努め、あらゆるステークホルダーとの継続的かつ建設的な対話を通じて、当行グループに対する期待と信頼に応えていきます。

 

<サステナビリティに関連する当行のこれまでの主な指針・表明事項>

制定・表明時期

内  容

2013年7月

CSRの基本方針

(コンセプトワード「みどりの銀行のイーハトーヴ宣言」を制定)

2017年1月

岩手銀行イクボス宣言

2019年9月

いわぎんグループSDGs宣言

2021年8月

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同

2021年8月

いわぎん健康経営宣言

2022年4月

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進

2023年3月

サステナビリティ方針

2023年4月

人事ポリシー

2023年6月

パートナーシップ構築宣言

2024年3月

マルチステークホルダー方針

 

 

b.サステナビリティ推進委員会の設置

当行は、気候変動がお客さまや当行に及ぼすリスク及び機会を分析・評価し、地域社会のカーボンニュートラルを実現するため、2021年8月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同しました。2022年8月には、TCFD提言への対応を促進するとともに、ESG経営に関する基本方針や施策を協議・進捗管理することにより持続的な地域社会の実現に資することを目的に、「サステナビリティ推進委員会」(以下、委員会)を設置しております。

委員会は頭取を委員長、取締役専務執行役員を副委員長、その他の常勤取締役や本部各部室長、グループ会社代表者を委員として構成しております。また、施策の企画・立案・研究を行う機関として、本部職員、営業店職員、グループ会社職員で構成する分科会を設置しており、随時開催する分科会において策定した具体的な推進施策等を委員会に対して提言しております。

委員会は原則として年2回開催しており、委員会での協議の内容、進捗状況及びその他必要な事項については取締役会に対し適時・適切に報告し、取締役会では執行状況を監督のうえ、適宜委員会に対して指示・提言・助言などを行っております。取締役会からの指示等を委員会や分科会の活動はもとより経営全般に反映させていくことで、サステナビリティ全般への取組の質の向上に努めております。

 


<サステナビリティに係る委員会・取締役会等開催状況(2025年4月~2026年3月)>

日 付

会 議

主な協議事項・報告事項等

2025年7月30日

第8回委員会

当行グループの温室効果ガス削減への取組、FE算定結果、FE対応分科会の活動報告、移行リスクと物理的リスクのシナリオ分析結果、サステナブルファイナンスの実績、再生可能エネルギー関連事業の進捗状況、人的資本の開示内容、GX人材育成への取組

8月22日

取締役会

2024年度中の「気候変動対応」、「人的資本・多様性」、「環境保全活動」等に関する実績及び取組を中心に報告

2026年1月27日

第9回委員会

「地域の脱炭素支援・当行グループの脱炭素」に関する次期中計施策、当行グループの温室効果ガス削減への取組、再生可能エネルギー関連事業の取組、移行リスクと物理的リスクのシナリオ分析結果、サステナブルファイナンスの実績、当行のESGスコア、人的資本の開示内容、GX人材育成への取組

2月26日

取締役会

2025年度中の「気候変動対応」、「人的資本・多様性」、「環境保全活動」等に関する取組を中心に報告

分科会

投融資先の排出量可視化・脱炭素化へ向けた取組支援(ビジネスマッチング、コンサルティング)等

 

 

 ② 戦略

長期ビジョンを実現していくにあたり、当行グループのサステナビリティ方針を踏まえ、成長分野と経営基盤という観点から5つのマテリアリティ(重点分野)を特定しております。特定したマテリアリティは、中期経営計画に落し込み、基本方針及び重点戦略として設定しております。

今後は重点戦略の進捗状況を管理し、PDCAサイクルを実践のうえ、ESG&SX経営を推進してまいります。

<当行グループのマテリアリティ>


<マテリアリティ特定プロセス>

・GRIスタンダード等の各種ガイドライン、SDGs・ESGに関する外部要請事項等を考慮し、当行グループに関連・影響する課題や要因を抽出

・抽出した課題について、類似項目など課題を整理し、「当行グループにとっての優先度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の2軸で分析し、優先度の高い順に絞り込み

 ※ 当行グループにとっての優先度:地域企業の課題解決と地方創生への貢献度、企業価値向上への寄与度

 ※ ステークホルダーにとっての重要度:地域社会や経済へのインパクト、持続可能性への貢献度

・主要とする営業エリア(岩手県)のポテンシャルや特徴などを洗い出し

・洗い出した課題と地域のポテンシャルを考慮し、今後、当行グループに求められる事項を洗い出し

・プロセスを踏まえ、マテリアリティを整理するとともに特定

<マテリアリティに関連する機会、リスク及び主な取組>

マテリアリティ

主な機会

主なリスク

取組の方向性

地域創生と地域産業の成長支援

・企業の経営課題の複雑化・高度化に伴うソリューションニーズの増加

・「人生100年時代」を見据えた資産形成ニーズの拡大

・社会構造変化やお客さまニーズへの対応不足による業績悪化

・地域の人口減少、企業の後継者不在等による持続可能性の低下

・企業活動を通じた地域社会の共通価値(CSV)の創出を通じて、新たな課題解決策を提供し、地域の持続可能な成長につなげる

 

 

 

マテリアリティ

主な機会

主なリスク

取組の方向性

データ利活用によるサービスと価値の提供

・デジタル化進展に伴う非対面ニーズ、デジタルソリューションニーズの増加

・データを活用した革新的な金融商品や付加価値サービスの創出

・デジタル化への対応遅れや異業種参入などによるグループ競争力の低下

・サイバー攻撃によるシステム障害や情報改ざんリスクの増大

 

・DX事業者等との協業により、地域のお客さまに対して、デジタル技術と地域金融機関の強みである対面サービスとの融合による新たな価値を提供する

脱炭素社会実現に向けた先導的・革新的対応

・地盤とする岩手の強みを活かしたビジネスの創出

・脱炭素社会への移行に伴う新たなファイナンス・サービスの拡大

 

 

・気候変動に関する対応遅延や不足によるステークホルダーからの信認低下

・異常気象に伴う災害発生等による地域企業の財務悪化

 

・グループのCO削減、取引先及び地域に対する脱炭素支援への取組を通じて、脱炭素社会の実現に向けた先導的役割を果たす

 

人材の価値を最大限に引き出す組織づくり

・働きがい向上による多様な人材の確保

・組織風土の変革による新たな発想と価値の創出

 

 

・社会環境の変化へ対応できないことによるエンゲージメントの低下や人材の流出

・優秀な人材の他社流出に伴う、組織の競争力低下

 

・人材は最重要な経営資本との認識のもと、多様な人材がその能力を発揮できる環境を整え、個の力を結集して新たな価値を創造する組織をつくる

コーポレート・ガバナンス態勢の高度化

・持続可能な経営体質へ変革

・内部統制や監査機能の充実によるリスクの早期発見や迅速な対応が可能

 

 

・ガバナンス態勢の整備不足による収益機会の喪失

・サイバーリスクやマネロン等金融犯罪防止への対応コストの増加

・ステークホルダーとのエンゲージメントを重視し、経営の透明性向上や監督機能の強化など、より高い水準のコーポレート・ガバナンスを確立する

 

 ③ リスク管理

当行は、「リスク管理基本規程」を制定し、統合的リスク管理の基本方針を定めるとともに、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクの4つの管理すべきリスクについて、定義、基本方針、責任体制等を明確に定めております。また、各種リスクの統合的管理部署としてリスク統括部を設置し、リスク管理状況のモニタリング等により、リスクの一元的な管理を実施しております。

 

 ④ 指標及び目標

当行では、長期ビジョンの実現に向けた当行グループの地域への貢献度を測る指標として、「地域価値共創目標」を設定しております。

なお、気候変動及び人的資本に関する指標及び目標は、(2)気候変動、(3)人的資本に記載しております。

<地域価値共創目標>

指標

長期的目標

当行の取組、関与

岩手県の経済成長率

岩手県の県内総生産(実質)の対前年度増加率が、継続的に国の経済成長率と同等以上を目指す

販路拡大や生産性向上などお客さまの企業価値向上に資する取組や起業創業支援、自治体との連携による企業誘致や地域の開発などの活動を通じて、岩手県の経済成長に貢献する

岩手県の温室効果ガス排出量の削減

「いわてゼロカーボン戦略」に掲げる岩手県の2030年度温室効果ガス排出量2013年度比57%削減

環境対応に資するファイナンス支援や取引先の環境課題解決、再エネ事業への参画などの活動により、地域の脱炭素化を先導する

 

(2)気候変動

 ① ガバナンス

当行の気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。

 ② 戦略

a.気候変動に伴うリスク(移行リスク・物理的リスク)と機会

当行における気候変動に伴うリスクと機会は以下のとおりです。

リスクの種類

事業へのインパクト

機会

移行リスク

・炭素税などの対価の発生・増加

・設備投資や新しい技術への対応

・消費行動の変化

・政策や規制、技術、市場、評判の観点から、当行及び企業の財務面に影響を及ぼす短期的、中長期的なリスク

・環境課題や社会課題の解決ならびに持続可能な社会の実現に資する融資等のファイナンス

・気候変動に関する課題の解決に向けたコンサルティングやソリューションの提供

・当行グループのGHG排出量削減を含む脱炭素社会実現に向けた先導的・革新的対応

物理的リスク

・洪水、強風、熱波、雪害など極端な事象の発生頻度の高まり

・平均気温の上昇や海水面の上昇

・不動産担保物件の毀損や事業の停止に伴い当行及び企業の財務面への影響を及ぼす急性・慢性の物理的なリスク

 

ア.移行リスク

当行は、与信の状況を踏まえ、脱炭素化の影響が最も大きいと考えられるエネルギーセクター及び岩手県の主要な産業である自動車関連セクターを対象としてリスク量を算定しております。

なお、算定にあたっては、「2050年IEA(国際エネルギー機関)ネットゼロシナリオ(NZE)1.5℃」を使用しております。

今回の分析の結果、移行リスクによる与信コストの増加は累計30億円を見込んでおります。

イ.物理的リスク

当行は、岩手県内所在の担保取得建物が毀損するケース及び岩手県内の法人が事業の停止を余儀なくされるケース、当行が保有する店舗への被害を想定し、百年に一度の洪水が今後25年以内に発生するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)4℃シナリオにより、リスク量を算定しております。

今回の分析の結果、物理的リスクによる与信コスト等の増加は最大23億円を見込んでおります。

b.炭素関連資産

炭素関連資産は、一般的に直接的または間接的なGHG排出量が比較的高い資産または組織とされており、当行では次のセクターに関連する資産を炭素関連資産としております。

〈金額単位:百万円)

セクター

項  目

2024年度

2025年度

 エネルギー

金  額

61,329

60,985

貸出金に占める割合

2.77%

2.62%

 運輸

金  額

61,821

66,108

貸出金に占める割合

2.80%

2.84%

素材・建築物

金  額

319,648

360,589

貸出金に占める割合

14.48%

15.52%

農業・食料・林産物

金  額

71,760

74,960

貸出金に占める割合

3.25%

3.23%

炭素関連資産合計

514,559

562,644

貸出金に占める割合

23.31%

24.21%

 

炭素関連資産の算定プロセス

●  セクターと主な業種

取引先ごとに主たる業種に基づき設定している業種コード及び業種の名称について、GICS(世界産業分類基準)も参考にして「エネルギー」、「運輸」、「素材・建築物」、「農業・食料・林産物」、「その他」の5つのセクターに当てはめてから、「その他」を除くセクターごとに複数の主な業種に分類しております。

主な業種について、エネルギーセクターは「石油、ガス」「石炭」「電力事業」、運輸セクターは「航空貨物輸送」「航空旅客輸送」「海運」「鉄道輸送」「トラックサービス」「自動車、部品」、素材・建築物セクターは「金属、鉱業」「化学品」「建材」「資本財(建物等)」「不動産管理、開発」、農業・食料・林産物セクターは「飲料」「農業」「包装食品、肉」「紙、林産物」としております。

なお、石油卸売業、運輸に附帯するサービス業、産業用機械器具関連事業は炭素関連資産に含めており、再生可能エネルギー関連、上下・工業用水道事業、内陸水運業は炭素関連資産に含めておりません。

●  金額

各年度末時点で主たる業種が上記のセクター・主な業種に該当する法人及び個人事業主向けの事業性貸出金(割引手形、手形貸付、証書貸付、当座貸越)の残高としております。

 

当行は、再生可能エネルギー(太陽光・風力・バイオマス・水力が対象、地熱は除く)及び火力発電向けのプロジェクトファイナンスについて総与信額や個別案件の取組基準を設定しております。また、取組基準や方針の運用状況等については、資金の運用、調達両面にわたる基本方針等を協議することにより収益の向上とリスク管理に資すること等を目的に設置しているALM委員会で協議しております。

 

c.環境保全への取組

ア.「いわぎん30by30プロジェクト」

当行は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させるというゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全することを目標として、環境省が主導する「生物多様性のための30by30アライアンス」に参加しており、生物多様性への理解を深めるイベントを開催しております。

開催日

内 容

2025年6月29日

開催場所:盛岡市動物公園ZOOMO

岩手県立大学名誉教授の渋谷晃太郎氏を講師として、身近な草花について実物を見て学びながら、特定外来生物の駆除作業に取り組む

7月19日

開催場所:盛岡市中津川

川の中に住んでいる水生生物の種類や数を調べることで、川の水質を判定する

7月21日

開催場所:盛岡セイコー工業(株)敷地内

盛岡セイコー工業の敷地内に設置されたビオトープに生息する昆虫の調査を行う

7月26日

開催場所:奥州市人首川

川の中に住んでいる水生生物の種類や数を調べることで、川の水質を判定する

2026年3月1日

開催場所:盛岡市動物公園ZOOMO

ツキノワグマの冬眠を観察するなど生態を学び、森の生き物たちとのつながりを理解する

 

イ.「漆の植樹活動」

二戸市との「漆の林づくりパートナー協定」に基づき、同市が主催した「漆うるわしの森植樹祭」へ参加しました。二戸市内の小学生やパートナー協定締結企業等が参加し漆を植栽しております。

「漆の林づくりパートナー事業」は、二戸市が企業や団体が自ら漆の植栽・管理を行う漆林づくりを支援することによって、特産である漆のPRや文化財の修理等に必要な漆の確保を目的としてスタートさせた取組であり、当行はパートナー企業の第1号として2017年9月に協定を締結しております。

 ③ リスク管理

サステナビリティ方針やGHGに関連する指標等の算定を踏まえ、環境・社会に対して負の影響を助長する可能性の高い特定セクターへの融資を制限することについて、次のとおり明確化しております。

特定セクターに対する融資方針

1.石炭火力発電事業

石炭火力発電所の新設案件への融資は、原則としていたしません。

ただし、エネルギー安定供給に必要不可欠で温室効果ガスの削減を実現する案件(※)については、慎重に対応を検討します。

※超々臨界圧などの環境へ配慮した技術を有する案件

2.パーム油農園等開発事業

パーム油農園等の開発事業において、違法な森林伐採や生物多様性を毀損する案件への融資はいたしません。

3.非人道兵器製造関連事業

クラスター弾等の非人道兵器の開発・製造に関与する事業者に対しては、資金使途を問わず融資いたしません。

4.人権侵害に関与する事業

人身売買、児童労働または強制労働に関与する事業者に対しては、資金使途を問わず融資いたしません。

 

 

 ④ 指標及び目標

a.GHG排出量

今回算定・推定したGHG排出量は次のとおりです。

ア.スコープ1、2(連結子会社を含む、単位:t-CO

区  分

2024年度

2025年度

スコープ1

1,034

1,024

スコープ2

1,054

852

合 計

2,088

1,876

 

<スコープ1、2の算定プロセス>

スコープ1は直接排出(ガソリン、灯油、重油、ガス)、スコープ2は間接排出(電気)であり、それぞれの使用量に対して最も適切と考えられる排出原単位を乗じて算定しております。

排出原単位は、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)における排出係数、経済産業省「都市ガス供給事業者(旧一般ガス事業者)の供給熱量一覧」ならびに環境省「電気事業者別排出係数」を利用しております。

 

イ.スコープ3(カテゴリー2、3は連結子会社を含む、それ以外は当行単体、単位:t-CO

カテゴリー

2024年度

2025年度

1.購入した製品・サービス

8,966

5,385

2.資本財

2,188

2,639

3.スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動

668

631

4.輸送、配送(上流)

237

236

5.事業から出る廃棄物

18

15

6.出張

190

258

7.雇用者の通勤

530

751

15.投融資

3,483,580

3,375,740

合 計

3,496,377

3,385,655

 

 

 

<スコープ3の算定方法>

●  カテゴリー1「購入した製品・サービス」

当行の経費管理システムにおいて管理している支出項目のうち、GHG排出を伴う活動について、他カテゴリーに該当するものを除外したうえで算定しております。算定にあたっては、「総排出量配分方式」を採用しております。これは、サプライヤー全体のGHG排出量を、当行の購入金額の割合に応じて配分する算定方法です。

●  カテゴリー2「資本財」

各年度において取得した有形固定資産・無形固定資産の金額に排出原単位を乗じております。

●  カテゴリー3「スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動」

電気の使用量に排出原単位を乗じております。ガソリン、ガス、灯油、重油の使用量に対して、カーボンフットプリント制度試行事業CO換算量共通原単位データベースの排出原単位を乗じております。

●  カテゴリー4「輸送、配送(上流)」

当行の経費管理システムにおいて管理されている支出項目のうち、通信費(郵便料)、運送費(メール負担金)に排出原単位を乗じております。

●  カテゴリー5「事業から出る廃棄物」

当行の経費管理システムにおいて管理されている支出項目のうち、廃棄物の収集料・処理料に排出原単位を乗じております。

● カテゴリー6「出張」

従業員数に排出原単位を乗じております。

●  カテゴリー7「雇用者の通勤」

従業員営業日数に排出原単位を乗じております。

●  カテゴリー15「投融資」

PCAFスタンダード(※)の方法論に準拠し、事業法人向け融資及び住宅ローンを対象に算定しております。

※PCAFスタンダード…金融機関が投融資先のGHG排出量を計測・報告する際に活用する国際的な基準。具体的には以下のとおりです。

<事業法人向け融資>

● 算定式

排出量=Σ[投融資先のGHG排出量×アトリビューション・ファクター(当行の投融資残高/投融資先の資金の調達額)]

● 算定方法

「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」及び投融資先の開示しているGHG排出量等にもとづき算定

<住宅ローン>

住宅ローン1件ごとに、各年度末時点の残高を分子、当行の住宅ローン関連システムから得られる購入時評価額を分母として当行寄与分を算出し、その結果に対して世帯当たりの年間CO排出量を乗じて算定しております。

なお、購入時評価額を管理の対象としていない住宅ローンなど、住宅ローン関連システムから購入時評価額が抽出されないものについては、それを当初貸出額で代替しております。

また、世帯当たりの年間CO排出量は、環境省が公表している「家庭部門のCO排出実態統計調査結果について」(東北地方、算定対象年度末において把握できる直近の排出量)を引用しております。

 

 

また、カテゴリー15「投融資」の詳細は次のとおりです。

(単位:t-CO

セクター

主な業種

2024年度

2025年度

DS※

(前年)

エネルギー

石油及びガス

石炭

電力ユーティリティ

55,202

1,186

840,549

52,938

883

830,005

3.4(3.4)

4.0(4.0)

2.5(2.5)

運輸

海上輸送

鉄道輸送

トラックサービス

自動車及び部品

6,067

110,123

55,815

3,109

5,455

85,437

55,520

1.0( - )

1.7(1.8)

3.9(3.8)

2.7(2.6)

素材・建築物

金属・鉱業

化学

建設資材

資本財

不動産管理・開発

144,397

82,416

326,842

483,798

16,529

136,688

80,341

365,286

444,752

18,518

1.6(1.8)

2.1(2.0)

2.5(2.4)

3.1(3.3)

3.0(2.9)

農業・食料・林産物

飲料

農業

加工食品・加工肉

製紙・林業製品

5,524

53,353

178,361

73,458

5,506

55,585

150,991

71,282

4.0(4.0)

3.8(3.9)

3.3(3.4)

2.9(2.8)

その他

977,521

941,049

2.7(2.7)

住宅ローン

72,439

72,395

合計

3,483,580

3,375,740

2.8(2.8)

 

※DS(データクオリティスコア)…利用可能なデータの内容を基に、5段階のスコアを付与しています。スコア1が最もデータの質が高く、スコア5が最も低い質となります。

ご留意いただきたい事項

上述の指標やリスク量の算定結果は、一定の仮定や前提を置いて導き出したものです。また、独立した第三者による保証・検証を取得しているものではありません。

今後、算定や分析対象セクターの範囲の拡大、精度や粒度の向上、リスクシナリオ分析の高度化、適用する排出係数・排出原単位の変更、算定方法に係る国際的な基準の明確化に対する議論の動向等により、当行で把握・公表する数値についても将来的に変更となる可能性があります。

 

 

b.サステナビリティ目標

ア.当行グループのGHG排出量の削減

当行グループが地域の脱炭素社会の実現に向けて先導的役割を果たすため、GHG排出量の削減について次のとおり目標を定めております。

時 期

内   容

2030年度

スコープ1、2 ネットゼロ

2050年度

スコープ1~3 ネットゼロ

 

2025年度は、重油使用量の減少に加え、2024年10月に低圧電力の契約店舗(賃借店舗を除く)を再生可能エネルギープランへ切り替えた効果が通期で反映されたことから、スコープ1、スコープ2の排出量は、基準年(2013年度)比75%減となりました。

当行は、スコープ3を含むGHG排出量ネットゼロやカーボンネガティブを目指すにあたり、自治体との連携強化を図るとともに、面的企業支援に向けて事業性理解や本業支援を通じて、いわぎんSDGs評価・宣言サポートサービス、GHG排出量算定・可視化サービス、J-クレジットなど、取引先の気候変動に関する課題の解決に向けたコンサルティングメニューを幅広く提供しております。

<GHG排出量の推移>


イ.サステナブルファイナンス

脱炭素社会への移行にあたって必要となり得る設備投資、技術革新、消費行動の変化については、事業活動における機会にもつながるものであると考えます。

当行は、融資等のファイナンスを通じて環境・社会課題の解決に貢献していくため、ファイナンスの実行目標を設定し積極的に推進しております。

項 目

内   容

サステナブル

ファイナンス

環境課題や社会課題の解決ならびに持続可能な社会の実現に資する投融資・リース取引

目標額

実行等累計額 5,000億円

期間

2021年度~2030年度

 

2025年度のサステナブルファイナンスの実績は380億円(うち再生可能エネルギー関連の融資・リース取引55億円)となり、2021年度からの累計実績は2,921億円となりました。

<サステナブルファイナンスの補足>

● サステナブルファイナンスは、農林漁業、社会保険・社会福祉、医療・保健衛生、教育・学習支援業ならびに再生可能エネルギー関連に対する融資とリース取引、事業承継・M&A資金、政府・自治体・民間企業などが発行するSDGs債(グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド)への投資、いわぎん脱炭素応援ローン等としております。

● 期間は、当行がTCFD提言に賛同した2021年度からSDGs達成期限の2030年度までの10年間としております。

 

 

 

(3)人的資本

 ① ガバナンス

当行では、「マテリアリティ」において「人材の価値を最大限に引き出す組織づくり」を重点分野として明記しており取組を強化しております。

 ② 戦略

a.人事ポリシー

当行では、経営理念や内外の環境変化を踏まえ、「人と組織のあるべき姿」を「人事ポリシー」として定めております。

詳細については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。

b.人材ポートフォリオの構築

当行では、長期ビジョンである「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」を実現するために、マテリアリティへの取組を通じて地域に様々な価値を提供することができる人材の育成を行っています。

詳細については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。

c.2026年度を始期とする中期経営計画における人的資本に係る基本戦略と概要

<基本戦略>

 ウェルビーイングの追求-職員の働きがい向上

<概要>

・安心して働くことのできる基盤の整備

 働きやすい職場環境の整備、公平性・納得性向上に向けた各種制度の見直し

・やりがいの向上と組織の活性化

 理念の浸透と部門間連携の推進、価値提供の実感と成長の両立

・D&IからEquity(公平性)の概念を加えたDE&Iの推進、「働きや成果」に報酬面でも報いる職場づくり

<2028年度までに向けた指標と目標>

・エンゲージメントスコア 3.8以上

・離職率(直近3年平均) 3.5%未満

 

 

d.新人事制度の導入(2024年4月)

ア.導入の目的

・全職員がプロフェッショナルとして成長し活躍するための土台となる「仕事基準」の仕組みを導入するとともに、より公平で納得性の高い評価や処遇を実現します。

・それにより、職員一人ひとりの意欲と実力を最大限引き出し、当行グループの長期ビジョンである「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」を目指すものです。

 

イ.新制度の特徴点

・旧人事制度では、全員がマネジメント職を目指す単線型となっていましたが、新人事制度では上位等級について「プロフェッショナル職群」と「マネジメント職群」に複線化し、さらに若年層向けの「アソシエイト職群」を設けております。

・プロフェッショナル職群は、担当業務領域の専門家を目指すものと位置づけ、異動によってマネジメント職群との転換を行っております。

・職群と等級ごとに「目指す組織像」と「求める人材像」から定義した「等級定義書」を設けるとともに、等級別に「伸ばす意識や行動」「抑える意識や行動」を例示しました。

 ●マネジメント職(管理監督者)の行動例

伸ばす意識・行動

• メンバーの動きやお客さまの状況に目を配り、物事のプロセスをつかむ

• メンバーが自分で考えて動けるように、気付きを与えていく

• 嫌われることを厭わずメンバーに向き合い、要望する

• 組織の目標計画・方針を認識し、自分の言葉で部下に伝える

• 専門知識・スキルを磨き続け、自分の強みとする

抑える意識・行動

• 自分で手を下すプレイヤーでありつづけようとする

• 部下に対して細かい所まで全て指示・命令を出す

• 自分の経験や前例に固執する

• 上司や年上のメンバーに遠慮・過剰配慮し、意見具申をしない

• 日々の業務を回す事だけに関心が向き、部下に向き合わない

 

 

 ③ リスク管理

人材育成方針及び社内環境整備方針

当行創立100周年に向けての長期ビジョンを実現するために、前記した人事ポリシーを踏まえながら「人材育成」と「社内環境整備」に取り組んでおります。なお、両方針に対する「機会」と「リスク」は次のとおりです。

機会

リスク

・多様な考え方や発想を持つ人材の活躍推進による新たな価値の創造

・積極的な人材育成投資による生産性の向上

・能力発揮機会の提供による働きがいの向上

・従業員の健康保持増進による生産性の維持向上

・企業競争力の低下、組織における柔軟性の喪失

・採用競争力の低下、人材の流出

・エンゲージメントの低下

・労働意欲の低下、職場離脱

 

 

 ④ 指標及び目標

a.人材育成

価値共創カンパニーを目指すうえで「人」こそが最も重要な財産であるとの認識のもと、従業員の価値観と職場の多様性を重視しながら、地域課題を解決できるプロフェッショナル人材の育成と個人の成長を促す投資を積極的に行っております。

〔指標〕

・年間の人材育成投資額:100百万円(2025年度実績 100百万円)

(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。

 

 

ア.経験成長サイクルの促進

2024年度からスタートした新人事制度では、個々の業務経験を学びに変えて、次の業務に生かし成長につなげるという「経験成長サイクルの促進」を人材育成の根幹に据え、このサイクルをまわすために必要となる施策を実施しております。

また、その実現に向けた中心的な取組として2024年度より「1on1ミーティング」を導入しており、2025年度は延べ回数で約6,100回のミーティングが開催されております。


イ.プロフェッショナル人材育成の取組実績

当行ではコンサル人材、高度専門人材などの戦略的人材を計画的に育成すべく、有価証券運用やM&Aなどの専門機関への長期トレーニーやグループ内トレーニーに加え、若手行員を主体として中小企業診断士等の公的資格の取得を支援する「いわぎんエキスパートパス(IEP)」の制度を設けており、地域課題を解決できるプロフェッショナル人材の育成と個人の成長を促す人材投資を行っております。

また、人的資本を効果的・効率的に活用することを通じて、組織が目指す目的の実現に貢献するためには、組織とメンバーをつなぐ「管理職」は、事業成果を出しつつ高い従業員エンゲージメント状態を創出するための非常に重要な役割であると考えております。そのため、チャレンジを後押しする企業風土変革に向けて管理職育成に対する人材投資を行っております。

 

2023年度

2024年度

2025年度

中小企業診断士資格取得者数

7名

2名

2名

年間人材育成投資額

80百万円

99百万円

100百万円

 

(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。

ウ.セルフ・キャリアドック

職員のキャリア形成を促進・支援することを目的に、キャリアに関する研修会を入行年次・年齢・役割等級別に実施するとともに、外部のキャリアコンサルティングによる面談を2025年度は328名に対して実施しております。

エ.公募制

本部及びグループ会社で新たな人材を必要とする場合、業務内容や役割、応募条件を提示し、行内から対象者を募集しております。

また、本部や特定の営業店及びグループ会社への異動を希望する行員が志望動機やスキル、自身のアピールポイント等を事前に人事部門へ申請する仕組みを整えており、希望する部署への異動の機会を提供しております。

 

オ.適正な評価運用

評価者ガイダンスを実施し、評価者間の評価目線のばらつきを実感し「評価調整会議」によるすり合わせ手法を習得するとともに、評価後のフィードバックの重要性を理解し、行動変容につなげるフィードバック手法についても習得を進めております。

カ.専門性サーベイ

プロフェッショナルとして求められる専門性の発揮度を多面的に評価することにより、周囲の期待や今後の能力開発の方向性を確認することを目的に実施しております。

キ.360度サーベイ

マネジメントに従事する行員の行動ならびにコンプライアンスへの取組が、上司や同僚、部下にどのように伝わっているかを自身が確認し、自己認識との違いを踏まえてその行動を見直すことにより、マネジメント能力の向上や店内コミュニケーションの良化、ハラスメントのない職場づくりにつなげることを目的に実施しております。

b.社内環境整備

チャレンジ性にあふれた企業風土を組織全体に浸透させ、全ての従業員が誇りと働きがいを持ち続け、自由闊達に意見を述べ、安心して活躍できる組織づくりに取り組みます。

〔指標〕

・エンゲージメントサーベイにおける次の3項目の回答結果4.00以上(従業員は1~5の5段階で回答)

 2025年6月実施結果

エンゲージメントスコア

(全体)

当行で働いていることへの誇り

仕事に対するやりがい

3.67

3.83

3.61

 

・役席者の新規登用女性割合40%以上(2025年度実績 45.7%)

・健康診断等の結果を踏まえた再検査受診率90%以上(2025年度実績 92.2%)

・習慣的な運動実施率20%以上(2025年度実績 21.5%)

(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。

 

ア.エンゲージメントサーベイの実施

人事ポリシーで掲げる「職員一人ひとりと銀行がともに成長し続ける」姿を実現するためには、「エンゲージメント」(職員の仕事に関連するポジティブで充実した心理状態、企業に対する共感度合)の向上により、一人ひとりが実力を最大限発揮することが必要不可欠となります。

当行の現状を可視化することで様々な課題を洗い出し、エンゲージメントの向上に向けて必要な施策を実施していくため、2025年6月に非正規を含めた全職員を対象に実施しました。

サーベイ結果を踏まえ、「行外における経営層との対話機会の創出」や「経営へのメッセージBOX設置」などエンゲージメント向上に向けた取組を展開しております。

 

イ.D&Iの推進

当行では、多様な価値観を受け入れ柔軟な発想を創出することや、行員の経営参画意識と生産性の向上により企業価値を高めることなどを目的としてD&Iに取り組んできていますが、2022年度より「目指す姿」ならびに「指標と目標」を次のとおり設定し、取組のさらなる充実に向けて推進しております。

1.目指す姿

  行員一人ひとりが安心して成長と活躍ができる組織づくり

2.推進キーワード

(1)対話機会の創出

(2)キャリア開発の支援

(3)人材の積極的登用

3.2030年度までに向けた指標と目標

(1)女性行員の役席者登用

   役席者の新規登用女性割合   30%以上

※2025年度以降は40%以上としております

(2)男性行員の育児休業等取得

   男性行員の育児休業等取得率  100%以上

 

ウ.いわぎん健康経営宣言

2021年8月、「健康経営」への取組の基本方針として、「いわぎん健康経営宣言」を制定しております。内容は次のとおりです。

1.「いわぎん健康経営宣言」

岩手銀行は「従業員の心身の健康」が「地域社会の発展に対する貢献」と「当行の持続的な成長」に不可欠であるとの考えに立ち、「健康経営」を推進してまいります。

また、健康経営の推進のため、従業員一人ひとりの健康意識の向上と働きやすい環境や体制整備に取り組んでまいります。

2.主な取組

(1)からだ

  ・定期健康診断の完全実施

  ・各種検診、再検査等の受診率向上

  ・禁煙の推進による喫煙率減少と敷地内全面禁煙の継続

  ・運動習慣の定着支援及び情報提供

(2)こころ

  ・ストレスチェックの継続実施によるメンタルヘルス不調の予防

  ・ストレスチェック結果を活用した職場巡回の強化

  ・メンタルヘルス不調者の職場復帰支援(組織的体制の構築)

  ・職場内コミュニケーションの促進による働きやすい職場環境の整備

 

 

エ.健康経営の推進

当行では、従業員一人ひとりの健康意識の向上と心身の健康の保持・増進及び働きやすい環境づくりに取り組み、従業員の活力向上を通じて、生産性及び企業価値の向上へつなげることを目的に健康経営に取り組んでおりますが、2025年度より「指標と目標」を次のとおり設定し、取組のさらなる充実に向けて推進しております。

項目

算出方法

2025年度実績

KPI

アブセンティーズム

(1人あたりの欠勤日数)

疾病による30日以上の累計休暇日数/フルタイム勤務者(行員+嘱託)

2.0日

1.5日以内

プレゼンティーズム

(生産性損失)

毎年実施のストレスチェック項目から算出される活性度(生産性)指標を活用する。

生産性損失

19%

生産性損失

15%以内

エンゲージメントスコア

(業務負荷・WLB)

エンゲージメントサーベイにおける業務負荷・WLBの項目を活用する。

3.72点

4.0点以上

 

オ.岩手銀行イクボス宣言

2017年1月、育児や介護へのさらなる理解、ワーク・ライフ・バランスの充実、多様な人材の活躍をとおした地域貢献について積極的に取り組んでいくため、そして全ての役職員が仕事と生活の両立ならびに充実を促す「イクボス」の理念を実現させていくために「岩手銀行イクボス宣言」を次のとおり策定し宣言しております。

一、 私たちは、「イクボス」の精神に則り、育児や介護と仕事を両立しやすい環境づくりに努めます。

一、 私たちは、共に働く職員のワーク・ライフ・バランスを尊重し、自らもその充実に向けて率先して取り組みます。

一、 私たちは、男女ともに多様な人材の活躍をとおして、地域社会の発展に貢献します。

(ご参考)イクボスについて

職場で共に働く部下・スタッフのワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、仕事でも結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のことをいいます。

 

カ.年次有給休暇取得への取組

職員の福祉向上を目的として「連続休暇制度」を規定し、年度内に1人1回連続して7日間以上10日間以内で利用しています。なお、フルタイムの職員は原則として全員が利用するルールとしております。

キ.働き方改革(休暇・休職制度など)への取組

導入・新設時期

内 容

備 考

2020年4月

フレックスタイム制度の新設

 

2021年4月

時間単位年休の導入

 

就業時における服装の多様化導入

同時に女子行員事務服を廃止

2022年10月

産後パートナー休暇の新設

出生後8週間以内における28日間を限度とした休暇制度(有給)

あんしん積立休暇制度の新設

時効消滅する年休積立制度の使用目的を拡大

ライフデザイン休職制度の新設

キャリア形成、家族の介護等のイベント発生時における休職選択制度

テレワーク制度の新設

新型コロナウイルス感染症対策として運用していた仕組みを制度化

2024年4月

エリア選択制度の新設

育児・介護など所定の事由に該当する場合には一時的に転居転勤の有無を選択可能

単身赴任手当の新設

転居を伴う異動となり単身により赴任する場合の経済的負担を緩和

 

 

ク.資産形成支援(ファイナンシャル・ウェルネス)

給与及び賞与支給時に一定の資金を拠出することにより、当行株式を取得することができる従業員持株会を設けています。なお、拠出1口(1,000円)に対して50円の奨励金を付与しております。

2026年3月1日現在の加入者数・加入者割合

加入者数

加入者割合

1,217名

88.4%

 

(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。

また、従業員持株会を活性化し、従業員の安定的な財産形成を促進するとともに、従業員のエンゲージメントを高め、経営参画意識の向上と業績向上へのインセンティブを付与することにより、当行の中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として、2023年度に「従業員持株会信託型ESOP」を導入しております。

ケ.賃上げへの取組

従業員のエンゲージメント向上と人的資本投資の強化に加え、将来の当行を担う優秀な人材を確保することを目的として、2023年4月以降3年連続でベースアップと初任給の引き上げを実施しました。

コ.非正規から正規雇用への取組

嘱託から行員へキャリアアップする機会を2013年度より提供しており、2025年度までの累計者数は42名となっております。

2023年度

2024年度

2025年度

31名

36名

42名

 

(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。

サ.障がい者雇用への取組

外部機関から講師を招聘し本部における管理職向け研修会を開催するなど、障がい者の雇用促進に向けて積極的に取り組んでおります。なお、2026年3月1日現在の雇用率は2.51%となっております。

(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。