2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,879名(単体) 2,125名(連結)
  • 平均年齢
    41.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.8年(単体)
  • 平均年収
    6,539,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2025年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

その他

合計

従業員数(人)

1,879

49

197

2,125

[341]

[-]

[136]

[477]

 

(注) 従業員数は就業人員であります。なお、銀行業には、執行役員(取締役を兼務する執行役員を除く)12人を含んでおります。また、当連結会計年度の平均臨時従業員数を[ ]内に外書きで記載しております。

 

(2) 当行の従業員数

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,879

[341]

41.2

17.8

6,539

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、執行役員(取締役を兼務する執行役員を除く)12人を含んでおります。また、当期の平均臨時従業員数を[ ]内に外書きで記載しております。

2.当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.当行の従業員組合は、百十四銀行職員組合と称し、組合員数は1,528人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

(3) 当行の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)(注1)

男性労働者の

育児休業等取得率

(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)、(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

16.6

100

50.9

61.2

46.2

(注4)

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。別途当行では支店長代理または調査役と同等以上の役職(管理職を含む)の職員を役席者として定義し、女性役席者比率を算出しております。なお比率は2025年4月1日現在の実績です。

    2025年4月1日現在:31.3%

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

       3.男性の平均年間賃金を100とした場合の比較

       4.補足説明

         労働者の男女の賃金の差異

      〈正規雇用労働者〉

・人事制度上は同一の職種及び役職であれば賃金差異は発生いたしません。賃金差異の発生は、女性は一般職での採用が多かったことに加え、男女間の勤続年数の差(除く出向者:4年8ヶ月)などから、男性の役職登用が女性に比べて多いことが主な要因であります。

・2021年度に実施した人事制度改定以降、勤務地域を限定したエリア総合職へ職種転換をする女性行員が増加しているほか、能力や意欲のある女性の積極的な登用を進めております。

・2022年4月以降、新卒採用は原則総合職としたほか、女性行員のキャリア意識向上やDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を進める施策を整備・強化しております。

          〈パート・有期労働者〉

・当該労働者はパート職員及び嘱託職員で構成されており、パート職員の大半が女性であるのに対して、男性は相対的に賃金の高い嘱託職員が多いことが、男女間の賃金差異の主な要因であります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関する取組み

 当行グループは、長期的な視点で地域社会を取り巻く様々な課題の解決に取り組んでおります。当行においては、地域の成長を自らの成長につなげるサステナビリティ経営を実践することで、経営理念に掲げる「お客さま・地域社会との共存共栄」の実現をめざしております。

  なお、当行のサステナビリティに関する取組状況は以下のとおりであります。

 

① ガバナンス

当行が推進するサステナビリティ関連施策の取組状況等については、適宜適切に取締役会による監督を受ける体制を構築しております。

具体的には頭取を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、気候変動や人的資本への取組み等がもたらす機会及びリスクへの対応方針や取組計画等を策定・実行しており、重要な事項については取締役会へ報告・付議しております。監査等委員及び監査部長は、サステナビリティ委員会にオブザーバーとして、取組方針の策定や戦略・施策の審議に参加し、進捗管理状況の報告を受けております。

役員報酬についても、サステナビリティ経営に関する指標及び目標(CO2排出量削減、女性役席者比率向上等)の達成状況を加味しております。なお、ガバナンスの状況についての詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

 

② 戦略

外部環境の変化やステークホルダーから求められる要素等を踏まえて解決すべき様々な課題の中から、社会及び当行グループのサステナビリティに対する影響度の観点で取り組むべき重要課題を優先順位付けしたうえで「百十四グループマテリアリティ」(以下「マテリアリティ」という。)として設定しております。

マテリアリティの解決に向けた様々な取組みを通じ、お客さま・地域社会の持続可能性に貢献することで、当行グループのサステナビリティ経営を実践してまいります。

 

<マテリアリティ(重要課題)の特定プロセス>

(イ)地域からの期待、様々なESG課題、地域社会やステークホルダーにとって重要な要素を網羅的に抽出

(ロ)抽出した課題を「当行グループのサステナビリティに対する影響度」と「社会のサステナビリティに対する影響度」の2軸で分析し、優先順位付けを実施

(ハ)サステナビリティ委員会での議論

(ニ)取締役会での決定

 

 

 <百十四グループマテリアリティ及び主な取組み>

百十四グループマテリアリティ

機会

リスク

主な取組み

地域経済活性化への取組み

・地域活性化に向けた産学官金連携領域の拡大

・地域企業の経営課題の高度化・多様化に伴うコンサルティングニーズの拡大

・地域の人口減少・経済低迷による持続可能性の低下

・地域企業の経営課題への対応遅れによる企業業績の悪化

・地方公共団体等との共創体制の構築による「まち」の活性化

・百十四グループによる法人のお客さまの課題解決に向けた伴走

人生100年時代への対応

・人生100年時代に向けた資産形成・資産運用ニーズの拡大

・高齢化社会の更なる進展による社会構造変化への対応遅れがもたらす競争力の低下

・百十四グループによる個人のお客さまの一生涯のライフデザインへの伴走

・将来世代に対する金融教育の実践

多様な人材が活躍・成長できる環境の整備

・職員のウェルビーイング実感による人材力の持続的成長

・多様な人材の活躍推進による新たな価値創造

・社会構造変化や価値観の多様化への対応遅れによるエンゲージメント低下及び人材流出

・職員の生活の質(QOL)低下による人材力低下

・DE&I推進による多様な人材が活躍できる職場環境の整備

・挑戦機会創出による「働きがい」

 と、ワークライフバランスの充実による「働きやすさ」の向上

・健康経営推進に向けた、健康増進施策の実施

DXの実現と地域社会のデジタル化

・デジタル技術の進展による業務・サービスのデジタルシフト

・地域社会のデジタル化に向けたソリューションニーズの高まり

・デジタル化への対応遅れ及び異業種参入による競争力低下

・デジタルを活用した業務プロセス改革及びデジタルチャネルの高度化

・SNSやホームページ等のコンテンツ拡充

・百十四グループによるお客さまのDX化推進

気候変動等、環境課題への取組み

・環境課題解決に向けたファイナンス・ソリューションニーズの高まり

・気候変動等への対応不足による社会的信頼の低下

・異常気象の発生や脱炭素社会への不適応に伴う地域企業の業績悪化

・2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素・循環型社会への率先した取組み

・サステナブルファイナンス等によるお客さまの脱炭素化に向けた取組みの強化

持続可能な経営基盤の構築

・ガバナンス態勢の高度化及び収益構造改革等による事業基盤の強化

・ガバナンスの不足による社会的信頼の低下

・サイバー攻撃、災害等への対応遅れによる事業活動中断や社会的信頼の低下

・ガバナンスの強化

・収益構造改革による企業価値の向上

・資本戦略の強化及びリスク管理態勢の高度化

・システム・デジタル基盤の強化

 

 

 

③ リスク管理

当行では、取締役会で決定した「リスク管理基本規定」に基づき、対象リスクごとに所管部署と管理規定を定め、独立部署を設置し一元的な管理を行っております。

また、頭取を委員長とするリスク管理委員会や、その下部組織であるリスク管理部会を設置し、定期的に評価・モニタリング等実施しているほか、必要に応じて取締役会への報告も行っております。

また、取締役会にて、当行グループの業務執行及び業績目標の達成に大きな影響をもたらす可能性があるリスクをトップリスクとして特定し、優先的に対応しております。詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

④ 指標及び目標

    当行では6つの「百十四グループマテリアリティ」に対して、2030年度までを目標期間とした「サステナビリティKPI」を設定し、サステナビリティ委員会にて施策の策定・管理等を実施のうえ、その進捗を定期的に取締役会に報告しております。

 

百十四グループマテリアリティ

サステナビリティKPI

数値目標

2024年度実績

地域経済活性化への取組み

地域の課題解決に向けた取組み件数

150件

(2030年度までの累計)

43件

法人のお客さまへのコンサルティング等の提供件数

年間3,000件(2030年度)

1,497件

人生100年時代への対応

資産形成をサポートする顧客数

16万人(2030年度)

11.8万人

金融教育受講者数

3万人
(2030年度までの累計)

11,119人

多様な人材が活躍・成長できる環境の整備

エンゲージメントスコアの持続的向上

(注1)

持続的向上

67pt

女性役席者比率(注2)

30%以上(2026年度末)

※2026年度までに新たな

  目標を再設定

31.3%

DXの実現と地域社会のデジタル化

デジタルでつながる顧客数

40万人(2030年度)

10.4万人

ICTコンサルティング取組み先の倍増

100先(2030年度)

108先

気候変動等、環境課題への取組み

CO2排出量(Scope1・2)

(2013年度比)

△75%(2030年度)

△55.1%

サステナブルファイナンス実行額

(2021-2030年度累計)

5,000億円
うち環境系2,000億円

2,438億円
うち環境系1,020億円

持続可能な経営基盤の構築

政策保有株式の計画的削減

連結純資産比率

20%以下

連結純資産比率

      33.9%

ステークホルダーとの対話拡充

 

(注)1.株式会社アトラエが提供するエンゲージメントサーベイ「Wevox」の総合スコア(パート・スタッフ含む全職員を対象に実施)

2.役席者とは支店長代理又は調査役と同等以上の役職(管理職を含む)の職員

 

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)

 当行では気候変動及び環境課題への取組みを重要な経営課題のひとつとして捉えており、環境に配慮した商品・サービスのご提供はもちろんのこと、地域の環境・森林保全活動等にも積極的に取り組んでおります。また、TCFD提言(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、同提言のフレームワークに基づいた情報開示の充実にもつとめております。

 

①ガバナンス

当行の気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については「(1)サステナビリティ全般に関する取組み ①ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

当行グループは、マテリアリティの一つに「気候変動等、環境課題への取組み」を掲げており、中長期的な目線でお客さまや地域の気候変動対策や脱炭素社会への移行を支援することが、金融機関にとってビジネス機会の創出・拡大につながると認識しております。当行は、気候変動に伴うリスクと機会が事業活動に与える影響を認識し、適切なリスク管理を行うとともに、お客さま・地域の低炭素社会への移行を支援するために、金融・非金融の両面から様々なソリューションを提供しております。

当行における気候変動に伴う機会及びリスク(物理的リスク・移行リスク)は以下のとおりです。短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で定性的な分析を行っております。

種類

想定される事象と影響

時間軸

機会

・再生可能エネルギー事業へのファイナンス

・お客さまの温室効果ガス排出削減支援

・環境負荷軽減を目的としたサービスの提供等

短期~中期

短期~長期

短期~中期

リスク

移行

リスク

・気候関連の政策・規制強化

・脱炭素に向けた技術革新の進展等の影響を受けるお客さまに対する信用リスクの増加等

中期~長期

中期~長期

 

物理的

リスク

・異常気象に伴うお客さまの資産の毀損

・事業活動の停滞による信用リスク及び当行の営業店舗等の損壊等によるオペレーショナルリスクの増加

中期~長期

中期~長期

 

 

 

 ※ 金融・非金融におけるソリューション例

金融

114ポジティブ・インパクト・ファイナンス、サステナビリティ・リンク・ローン、114グリーンローン、114ソーシャルローン、カーボンオフセット応援私募債

非金融

百十四カーボンニュートラル取組支援パッケージ、114脱炭素コンサルティングサービス

 

 

<シナリオ分析>

気候変動に関するリスクが当行に与える影響を把握するため、一定のシナリオを用いて、移行リスク及び物理的リスクについて分析を行いました。2024年度に実施した分析結果は以下のとおりです。

 

移行リスク

物理的リスク

シナリオ

IEA(国際エネルギー機関)の2℃シナリオ及び1.5℃シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の2℃シナリオ及び4℃シナリオ

分析手法

炭素税が導入された場合の与信先(ポートフォリオ)の状況等を分析し、当行財務への影響度を試算。

当行営業地域全域で2050年までに想定される大規模水害による与信先(ポートフォリオ)への影響を分析し、当行財務への影響度を試算。

分析対象

電力・ガス・海運

当行全与信先

対象期間

2050年まで

2050年まで

分析結果

与信費用増加額:最大約32億円(累計)

与信費用増加額:最大約23億円(累計)

営業店舗等の損失影響額:最大5億円(累計)

 

 

 

<炭素関連資産>

・TCFDが開示を推奨する炭素関連資産4セクター(エネルギー、運輸、素材・建築物、農業・食料・林産物)の、当行貸出残高に占める炭素関連資産の割合は42.0%です。(2025年3月末)

・今後も当該セクターとのエンゲージメントを通じて、サステナブルファイナンスの他、脱炭素に向けた様々なソリューションの提供に取り組んでまいります。

<生物多様性への取組み>

気候変動に関する取組みだけでなく、生物多様性に関する取組みも持続可能な社会を実現する上で大前提と考えております。2024年4月に参画した「TNFD(自然関連情報開示タスクフォース)フォーラム」を通じて、国際動向の把握や情報の収集につとめ、自然関連の財務情報開示や地域の気候変動への対応、自然環境保護に取り組んでまいります。

 

③リスク管理

当行は、気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが当行の事業運営、戦略、財務計画に大きな影響を与えることを認識し、統合的リスク管理の枠組みにて、これらのリスクを管理する態勢の整備を進めております。

2020年12月に「環境及び社会に配慮した投融資方針」を定め、環境及び社会の課題解決に向けた事業を支援するとともに、負の影響が大きい事業や事業者との取引については、その影響の低減・回避につとめております。

 

④指標と目標

<CO2排出量の長期削減目標>

気候変動リスクの低減に向けて、事業活動を通じて発生するCO2排出量を中長期的に削減し、政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に貢献することを目的に、CO2排出量の長期削減目標を設定しております。

目標の達成に向けて、営業車両の導入や再生可能エネルギーの利用のほか、当行が所有する太陽光発電設備(香川県さぬき市津田)で発電した電力の自己活用等、様々な取組みを行ってきたことで、2024年度の当行グループ全体の削減実績は、2013年度比55.1%(単体削減実績59.3%)と、順調に推移しております。

なお、削減の進捗が順調であったことから、2024年度より、CO2排出量削減目標の対象を当行グループ全体に拡大するとともに、2030年度の削減目標を2013年度比75%削減へと上方修正しました。

(イ)百十四グループ目標

定義

Scope1及びScope2に該当するCO2排出量

目標

[中間目標] 2030年度までに2013年度比75%削減

[最終目標] 2050年までにカーボンニュートラル実現

 

 Scope1:当行自身が燃料(ガソリン等)を燃焼等することにより直接的に発生するCO2排出量

Scope2:他社から供給された電気等を使用することにより間接的に発生するCO2排出量

 

(ロ)実績

 

Scope1

(直接的排出)

Scope2

(間接的排出)

合計

削減率

(2013年度比)

2024年度

889t-CO2

4,247t-CO2

5,136t-CO2

△55.1%

(うち単体)

548t-CO2

3,442t-CO2

3,990t-CO2

△59.3%

 

 


CO2排出量の算定・開示にあたり、数値の信頼性を確保するため、2023年度排出量実績については一般財団法人日本品質保証機構による第三者検証を取得しており、2024年度実績については対象範囲をScope1、2に加え、Scope3の一部に拡大のうえ、同検証の取得に向けた手続きを行っております。

 

<サステナブルファイナンスの長期目標>

投融資を通じて地域やお客さまのサステナビリティ向上への取組みをサポートするため、サステナブルファイナンスの長期目標を設定し、目標達成に向け取り組んでおります。

(イ)目標

定義

地域やお客さまの環境課題や社会課題の解決に向けた取組みを支援・促進する投融資

目標

[目標期間] 2021年度~2030年度の10年間

[目標金額] 投融資累計額 5,000億円(うち環境系 2,000億円)

 

 

(ロ)実績

2021年4月~2025年3月末(累計)  2,438億円 (うち環境系 1,020億円)

 

<Scope3排出量把握への取組み>

Scope1及び2については、長期目標を設定のうえ実績を算定してきましたが、2021年度より算定対象にScope3カテゴリー1~14を追加、2023年度実績からは、算定対象をScope3カテゴリー15まで拡大しました。算定結果は、お客さまとの対話(エンゲージメント)に活用し、お客さまのCO2排出量削減をご支援することにより、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

 

CO2排出量実績(Scope3)                                                      (単位:t-CO2)

算定項目

2023年度

2024年度

1   購入した製品・サービス

コピー用紙、データ通信費、郵便料金、図書新聞、文房具等

2,954

3,133

2   資本財

事業用建物、動産、ソフトウェア

3,531

7,212

3   Scope1、2に含まれない燃料及び
  エネルギー関連活動

購入した電気・蒸気、燃料の上流側の排出

600

598

4   輸送・配送(上流)

送料(他社輸送、当行が荷主)

302

736

5   事業から出る廃棄物

廃棄物全般

370

340

6   出張

雇用者の出張

271

250

7   通勤

雇用者の通勤

889

897

8~14  リース資産(上流)、輸送 
 (下流)、販売製品加工 等

(該当なし)

(該当なし)

(該当なし)

小計(除カテゴリー15)

8,917

13,166

15  投資

事業法人向け融資

7,966,196

6,999,774

合計

7,975,113

7,012,940

 

・Scope3の算定方法、排出係数等は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」

 「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」を使用。

・Scope3(カテゴリー15)の算定は、PCAFスタンダード(金融業界のためのグローバル温室効果ガス計測・報告スタンダ
ード)に基づくものです。

・算定方法の見直しやお客さまの開示状況等により、排出量の算定結果は今後変動する可能性があります。

 

 

<Scope3カテゴリ15(投融資)について>

金融機関にとって投融資による間接的な排出量はScope3の大きな割合を占めており、当行の気候変動への取組みにおいて重要な指標であると考えております。当行ではカテゴリ15(投融資)にかかる排出量について、PCAFスタンダードに基づく排出量の算定に取り組んでおり、2023年度以降は事業法人向け融資を対象に算定を実施しております。

※PCAFスタンダード:国際的なイニシアティブであるPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)スタンダードが作成した、金融機関の投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量を計測・開示する基準。

 

 

〔算定対象〕

2025年3月末時点の事業法人向け融資(国内事業者を対象とし、プロジェクトファイナンスを除く)

なお、算定に必要な財務データ等の不足する先は対象外としており、百十四銀行単体の事業法人向け融資の88%をカバーしております。

 

 

〔算定手法〕

PCAFスタンダードに基づき、融資先各社毎に、以下の算式で算定しております。なお、算定手法に変更はありませんが、2024年度実績については株式会社NTTデータが提供する算定ツールC-TurtleFEにより算定しております。

 


 

※1排出量の把握

融資先各社の排出量はボトムアップ・トップダウン方式を併用して算出しております。

・ボトムアップ方式:各社が開示する排出量を利用

・トップダウン方式:各社の売上高に、業種に応じた平均的な排出係数(環境省排出原単位データベースを利用)を掛け合わせて推計

 

PCAFの定めるデータクオリティスコアは3.18となっており、今後も情報精度向上に取り組んでまいります。

 

大分類

小分類

融資残高

(百万円)

融資先にかかる

排出量

(t-CO2)

<参考>

炭素強度※2

t-CO2/百万円)

エネルギー

石油及びガス

37,590

147,320

3.9

 

石炭

1,653

8,962

5.4

 

電力ユーティリティ

96,880

671,026

6.9

運輸

航空貨物

1,411

3,375

2.4

 

旅客空輸

753

7,702

10.2

 

海上輸送

118,207

863,620

7.3

 

鉄道輸送

20,003

526,463

26.3

 

トラックサービス

74,752

157,617

2.1

 

自動車及び部品

42,391

61,348

1.4

素材・建築物

金属・鉱業

44,527

311,332

7.0

 

化学

70,294

215,295

3.1

 

建設資材

15,200

309,635

20.4

 

資本財

380,697

1,519,158

4.0

 

不動産管理・開発

193,711

66,264

0.3

農業・食料・林産品

飲料

1,988

2,423

1.2

農業

7,853

151,633

19.3

 

加工食品・加工肉

42,327

269,330

6.4

 

製紙・林業製品

43,689

222,606

5.1

その他

その他

859,220

1,484,663

1.7

総計

 

2,053,147

6,999,774

3.4

 

※2排出量を融資額で除することで算出しており、融資額1百万円あたりの排出量として、融資による間接的な排出量のインパクトの大きさを表しております。

 

 

 

 

 

(3)人的資本

①ガバナンス

当行の人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については「(1)サステナビリティ全般に関する取組み ①ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

<人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>

・当行グループでは、中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)において、HRX(Human Resources Transformation)を「経営戦略と人事戦略の連動により人的資本の最大化を図る成長エンジン」と定義し、DX推進との相乗効果によりお客さま・地域への価値提供力を極大化すべく、経営戦略と連動した人材の最適配置や人材のポートフォリオの構築をめざしております。

・当行は、役職員の行動規範を示した「百十四銀行 行動指針」を踏まえ、多様な属性・価値観を持つ職員が互いの個性を尊重しつつ、その能力を存分に発揮することを基本方針として、組織の持続可能性向上につとめております。なお、「百十四銀行 行動指針」の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営の基本方針 ②行動指標」に記載しております。

・働きがいと働きやすさの両立により職員のウェルビーイング最大化を図り、お客さま・地域の課題解決に熱意をもって取り組む人材力を強化するため、人事制度の改定及び行内資格制度の見直しを進めております。

・様々な教育・自己啓発制度等を通じて戦略実現に必要な人材を育成するとともに、休暇制度の創設等による職員の健康増進及びDE&I推進を通じて多様な人材が活躍できる社内環境の整備に取り組んでおります。

イ.人材力強化

(ⅰ) 戦略遂行に向けた人材力の強化

当行では、中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」における重点戦略「総合コンサルティング・グループの進化」の実現をめざし、数多くの実践的な研修のほか、FP1級や中小企業診断士、経営コンサルタントなどの有資格者輩出にも注力しております。

加えて、当行独自の認定制度として行員が自発的に選択した分野に的を絞って資格取得にチャレンジできる「114マイスター制度」を2017年度より導入しております。銀行業務をコンサルティング、融資管理、ライフプラン、DXなど8分野に分類し、分野毎に「オフィサー」(初級)、「リーダー」(中級)、「マイスター」(最上位)の3段階の資格を設定、それぞれの認定基準に試験、研修・トレーニー、営業実績、上司評価を取り入れ、知識と実務能力を兼ね備えた総合力のある人材を育成しております。

当行では、中期経営計画の実現に必要となる優秀な人材ポートフォリオの確保に向け、キャリア採用の拡充や採用手法の多様化を図るとともに、教育・育成(リスキリング含む)への積極投資や計画的な配置を行ってまいります。

 


(ⅱ) 自律的なキャリア形成支援

当行では、職員の自律的なキャリア形成を後押しすることで、モチベーション向上や中核人材の育成を行うとともに、多様な働き方や能力開発の促進等を通じて、めざすキャリアの実現を支援しております。

 

・世代別キャリア研修

  当行では各世代に応じたキャリア研修を職員の内的キャリア形成の柱として体系化し、職員の自律的・主体的なキャリア形成を継続的に支援しております。昨年度に引き続き2024年度は若手行員(20代)、中堅行員(30代)、ベテラン行員(40代)、シニア行員(50代)を対象としたキャリア研修を開催しました。2024年度における各世代でのキャリア研修には合計234名が参加いたしました。

 

・行内留学制度

  当行では、短期間の本部業務経験を通じて、専門人材を育成及び発掘することを目的とした「行内留学制度」を2022年5月より開始し、職員一人ひとりが業務面の幅及び視野を広げ、自身の外的キャリアを積極的に形成していけるよう支援しております。2024年度は留学先を拡充させ、91名(前年度比32名増)が参加いたしました。

 

 

・114リスキリングサポート制度

本制度は従来の行内自己啓発制度において指定している資格試験以外にも、職員自身が現在の業務に関わらず学びたい分野(例:語学学校や外部のセミナー等)を選び、費用面の補助を行う制度として2023年10月に制定しました。当行ではリスキリングを通じた多様な能力開発を職員のめざすキャリアの実現に必要不可欠なものと位置付けており、自身が学びたい自主的な自己啓発を積極的に支援しております。

 

引き続き、これらの流れを加速し、職員一人ひとりが自らのスキルや個性を生かし、働きがいを持って仕事ができる環境の整備につとめてまいります。

 

ロ.エンゲージメント醸成

(ⅰ) 挑戦を後押しする企業風土の改革

当行では、活気ある職場及び生産性向上には、組織へのエンゲージメントが欠かせないとの認識のもと、2021年度より1on1ミーティングを一部の営業店・本部で試行し、徐々に試行店を拡大させながら2024年8月には1on1ミーティングの全店展開を行いました。

また、2024年度は役員及び部室店長に対し、エンゲージメントに関する勉強会を実施し、エンゲージメントに対する向き合い方を学びました。

これらの取組みにより、エンゲージメントスコアの上昇だけでなく、職場における心理的安全性の醸成に一定の効果が現れていると評価しており、今後は組織全体に定着させ、上司のコーチングスキル向上等を通じた信頼関係やエンゲージメントの強化に加え、職員に気づきや自律的な行動を促すことで、生産性の向上や企業風土改革にもつなげてまいります。

 

(ⅱ) 誰もが安心して活躍できる場の創出

女性活躍推進

当行では、多様な属性や価値観を持つ職員の活躍を通じた、生産性及び持続可能性向上を目的にDE&I推進に積極的に取り組んでおり、これまでの様々な取組みが評価され、厚生労働大臣より以下の認定を取得しております。

認定種類

取得時期

えるぼし(最上位)(注1)

2016年6月

(四国初)

プラチナくるみん(注2)

2017年6月

(香川県金融機関初)

プラチナくるみんプラス(注2)

2022年11月

 

 (注)1.女性活躍推進法

    2.次世代育成支援対策推進法


 

 

これらの結果、2024年度の当行の全管理職に占める女性管理職の割合は、16.6%となっております。


 

健康経営の強化

  当行が地域社会に貢献していくためには、働く従業員とその家族が心身ともに健康であることが重要であると考えております。
 2018年8月10日の「健康経営宣言」以降、以下に記載の施策に積極的に取り組んだ結果、7年連続で「健康経営優良法人」、2年連続で大規模法人部門ホワイト500(香川県下では1社のみ)に認定されております。

  定期健康診断及び人間ドック受検率100%

  二次検診(再検査・精密検査)の受診勧奨

  ルナルナ オフィス(働く女性の健康課題をサポートするフェムテ
 ックサービス)導入

  生理休暇の名称変更(ヘルスサポート休暇)

・ 女性特有の健康課題への取組み(月経セミナー、

  更年期セミナー、妊活セミナー、生理痛体験セミナー)

・ 禁煙デーの導入(毎月22日・就業時間内禁煙)

・ 介護相談窓口の設置と介護セミナー実施

・  休暇制度の充実

 


 

 

[主な休暇制度]

休暇名

出生サポート休暇

ファミリーサポート休暇

健診休暇

用途等

不妊治療に係る通院等

配偶者・子又は子の配偶者の出産

健康診断、二次検診受診

取得可能日

5日間/年

5日間/年

2日間/年

2024年

取得状況

取得人数 6名

男性の平均取得日数 3.9日

取得人数 756名

 

 

日本生命保険相互会社が提供するニッセイ健康増進コンサルティングサービス(通称:Wellness-Star☆)を活用し、ICTやデータ分析を活用した健康経営に関する取組みの体系化を図っております。アプリを活用したウォーキングイベントの実施や、ストレスチェックの分析結果を活用した様々な切り口での傾向分析(所属・職種別等)及び分析を基にした臨店指導等により、職場改善・職員のウェルビーイング向上につなげております。今後も健康経営強化に向け、より一層効果的な取組みを行ってまいります。

 

福利厚生の充実

職員自身の資産形成を支援する取組み(ファイナンシャル・ウェルネス)として、ライフプランに関する研修に加え、従業員持株会のインセンティブ強化など各種手当を含めた福利厚生制度の拡充を進めております。

[主な福利厚生]

分野

福利厚生

備考

資産形成支援

各種商品

財形預金等

確定給付年金制度

10年保証の終身年金制度

従業員持株会制度

株式購入のインセンティブ付与*

ライフプラン支援

事業所内保育所

本店隣接地で「百十四ももっこらんど」運営

遠隔地勤務手当

勤務地に応じた各種手当の支給

教育制度

資産形成を支援する研修

その他

社員食堂

ヘルシーメニューの提供、各種健康イベント開催

社有社宅

社有社宅(寮)の建替え

各種チケット配付

スポーツ観戦、万博等のチケットを配布

 

 *持株会の奨励金率を2025年5月買付分より5%→10%へ引上げ

 

③リスク管理

当行は、社会構造変化や価値観の多様化への対応遅れによるエンゲージメント低下及び人材流出、職員の生活の質低下による人材力低下といったリスクに備え、多様な人材が活躍できる職場環境の整備や、挑戦機会創出による「働きがい」の向上並びに健康経営に向けた取組みを積極的に推進しております。

また、「サステナビリティKPI」として、女性役席者比率やエンゲージメントスコアを設定し、サステナビリティ委員会にて施策の策定・管理等を実施のうえ、その進捗を定期的に取締役会に報告しております。

 

 

④指標と目標

上記「②戦略」において記載した「<人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>」のもと、当行は以下の項目を重要な指標と考えております。その実績の推移は以下のとおりとなっております。

連結グループの主要な事業を営む会社において、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、必ずしも連結グループに属する全ての会社で行われている訳ではないため、当行単体の指標及び目標を記載しております。

 

項目

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

女性役席者比率

支店長代理・調査役
以上

25.1%

26.6%

29.0%

31.3%

女性管理職比率

次長・グループ長
以上

10.8%

10.8%

14.0%

16.6%

新卒採用男女比率(注)

52.8%

50.0%

49.3%

57.7%

 

(注)新卒採用職員に占める女性職員の採用の割合

 

 

これらに加え、再雇用制度等の新たな制度導入や時間単位の有給休暇、テレワークによる在宅勤務、既存制度の拡充等、男女ともに多様な働き方が可能となる社内環境整備を進めております。

また、当行業績や地域の発展に寄与することを目的に2023年4月から副業制度を開始しました。神主や映画監督等、2025年3月末時点で24名の職員が特色ある副業を行っており、人材の多様化につながっております。

 

 

実績

(2023年度)

実績

(2024年度)

目標

(2025年度)

人的資本投資額(注1)

213百万円

336百万円

400百万円

階層別業務別研修

のべ開催時間

31,860時間

34,428時間

40,000時間

のべ参加人数

5,692名

6,974名

8,000名

114マイスター制度「マイスター」認定者数(注2)

73名

95名

100名

年次有給休暇取得日数

12.7日

13.0日

14日

エンゲージメントスコア

65pt

67pt

69pt

 

(注)1.外部講師費用、行外研修派遣費用、試験及び通信講座補助、長期トレーニー派遣者人件費、研修会館管理費用等。

2.当行独自の認定制度。銀行業務をコンサルティング、融資管理、ライフプラン、DXなど8分野に分類し、それぞれ3段階で設定した最上位資格。研修受講や営業実績に加え、FP1級や中小企業診断士等の難関資格取得を認定条件としております。