2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,526名(単体) 1,653名(連結)
  • 平均年齢
    39.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.2年(単体)
  • 平均年収
    6,771,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2025年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

その他

合計

従業員数(人)

1,531

32

90

1,653

[582]

[3]

[31]

[616]

 

(注) 1  従業員数は、当行グループから当行グループ外への出向者23人、嘱託及び臨時従業員768人を除き、当行グループ外から当行グループへの出向者61人及び執行役員7人を含んでおります。

2  臨時従業員数は、[  ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

(2) 当行の従業員数

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,526

39.1

16.2

6,771

[582]

 

(注) 1  従業員数は、当行から他社への出向者64人、嘱託及び臨時従業員713人を除き、他社から当行への出向者79人及び執行役員7人を含んでおります。

2 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3  臨時従業員数は、[  ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4 平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、当行から他社への出向者及び他社から当行への出向者を除いて算出しております。

5  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

6  当行の組合は、大分銀行労働組合と称し、組合員数は1,195人であります。労使間において特記すべき事項はありません。

 

(3) 女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女間賃金差異

                                                                        2025年3月31日現在

管理・監督職に占める

女性労働者の割合(注)2

男性の育児

休業等取得率(注)3

男女の賃金の差異(注)1

任意の追加的

な記載欄

 

うち管理職に占める

女性労働者の割合(注)1

全労働者

うち

正規雇用

うち

非正規雇用

18.6%

5.1%

87.7%

43.6%

63.0%

51.5%

(注)4~8

 

 

○対象期間 :2024事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)

○賃金   :基本給、超過労働に対する報酬、賞与、通勤手当等を含み、退職手当等を除く。

○正規雇用 :行員、技術行員、保健師、社員(※)。出向者については、当行から他社への出向者を含み、他社から当行への出向者を除く。

○非正規雇用:嘱託行員、嘱託社員(※)、嘱託員、パートタイマー。

※社員、嘱託社員については、2022年4月1日付で大銀ビジネスサービス株式会社を吸収合併しており、2024年4月1日以降も当行で社員、嘱託社員として就業している者。

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したもので、労働組合における非組合員としております。

2 管理・監督職は(注)1の管理職に、管理職の手前の職位者及び同等の権限を有する者で管理職の候補者層である次長・支店長代理職を監督職として加えております。

3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71号の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

4 「管理職に占める女性労働者の割合」につきましては、2024年度実績は5.1%(前年度対比+1.6%)。行内における女性活躍進展の観点からも女性管理職は必要であると考えており、「管理職」に占める女性の割合については、2030年度は10%以上を目標として取り組んでまいります。また、長期継続的に取り組む観点から、「管理職」の候補者層である「監督職(次長・支店長代理職)」についても積極的な登用が必要と考えております。「管理・監督職」に占める女性割合については、2026年度:20%以上を目標として取り組んでおり、2024年度実績は18.6%(前年度対比+2.9%)となっております。

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2030年度

目標

女性管理職比率

3.5%

5.1%

10%以上

 

 

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2026年度

目標

女性管理・監督職比率

15.7%

18.6%

20%以上

 

 

5 「男性の育児休業等取得率」につきましては、2024年度実績は87.7%(前年度対比+16.0%)。なお、行内規程において、育児休業等取得については子が2才に達する日を限度としているため、単年度実績として反映していない場合があります。育児や家事等の役割分担に対する固定概念を払拭し、一層の女性活躍を後押しするため、「育児休業制度」の分割取得、「出生時育児休業(産後パパ育休)」の創設を行うなど、取得しやすい環境整備や従業員の意識改革に取り組んでおります。引き続き、男性行員の育児参画を促すための施策などを通じ、2026年度は100%以上を目標として取り組んでまいります。

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2026年度

目標

男性の育児休業等取得率

71.7%

87.7%

100%以上

 

 

6 「男女の賃金の差異」につきましては、2024年度実績は43.6%(前年度対比△0.2%)、正規雇用のみでは63.0%(前年度対比+0.8%)。「男女の賃金の差異」に与える影響は、「管理職に占める女性労働者の割合」が大きく、正規雇用のうち管理職(総合職7級)を除いた差異は74.7%(前年度対比+1.4%)となっております。また、正規雇用のうち、総合職においては転居を伴う異動の有無によりコースが異なり(賃金差異あり)、男性行員の95.9%が転居を伴う異動のあるコースを選択、女性行員の84.5%が転居を伴う異動のないコースを選択していることも差異が生じる要因となっております。

7 正規雇用における資格別(総合職・専任職<55歳以上60歳未満>)での男女の賃金差異については、以下のとおりです。

資格

1級

2級

3級

4級

5級

6級

7級

(管理職)

総合職

―(女性のみ)

96.8%

 85.9%

 85.1%

 86.1%

 89.5%

 90.5%

(うち転居あり)

―(女性のみ)

107.9%

 85.4%

 91.8%

 97.0%

 96.3%

100.1%

(うち転居なし)

―(女性のみ)

99.6%

 97.1%

 94.5%

 94.6%

 91.1%

100.1%

専任職

―(該当なし)

―(該当なし)

101.4%

 90.7%

 99.9%

 94.5%

 93.2%

 

 

8 女性人財に対しては、以下の取組みを実施することにより、「管理職に占める女性労働者の割合」・

 「男女の賃金の差異」の改善に繋げてまいります。

(1)2024年4月「ダイバーシティ推進室」を新設以降、管理・監督職層の女性全員のキャリア面談を実施。今後、面談内容を踏まえ、タレントパイプラインの構築、女性行員の職域拡大に向けた対応、両立支援に向けた職場環境整備等の実現。

(2)「セルフキャリアドック」により行員一人ひとりのキャリア開発を支援し、積極的に新たな職位や業務に

   取り組む意識の醸成。

(3)「キャリア開発プログラム(CDP)」により、自身の能力や各業務に必要なスキルを見える化すること

   による効率的な能力開発の支援。

[「女性活躍推進に関するアンケート」を実施し、女性行員が管理職への昇進を望まない最も多い理由が「自身の能力に自信がない」であったことから、「キャリア開発プログラム(CDP)」の中で、「女性向けキャリア開発支援プログラム(研修)」の充実に取り組むなど、育成体制を強化しております。]

女性向けキャリア開発支援プログラム(研修)

2024年度

受講者数

累計受講者数

 

次世代女性リーダー養成研修

17名

161名

(2016年度新設、毎年開催)

女性役職者マネジメントスキルUP研修

開催なし

 56名

(2017年度新設、隔年開催)

女性マネジャースキルUP研修

20名

 20名

(2024年度新設、管理・監督職対象)

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。

 

これまで当行は経営理念「地域社会の繁栄に貢献するため銀行業務を通じ最善をつくす」のもと、CSRへの取組みやSDGs達成に向けた地域課題解決への取組みを実践してきました。また2024年4月にステークホルダーに「未来世代」を追加した、大分銀行グループのVision2031「地域の持続可能性を高める価値創造カンパニー~ステークホルダーとともに~」を長期ビジョンとして掲げ、地域と当行のサステナビリティを高める取組みを実践しております。

そのようななか、気候変動や人権問題をはじめとする環境・社会課題への対応の重要性はさらに高まっており、これらサステナビリティを巡る課題への取組みは重要な経営課題であるとの認識のもと、以下のとおりサステナビリティに関する基本方針を定め推進態勢を整備することで、より高いレベルでのサステナビリティ経営の実践をめざします。

 

<サステナビリティ基本方針>

大分銀行グループは、サステナビリティを巡る課題への対応を重要な経営課題として認識し、解決に向けて積極的に取り組むことで、持続可能な社会の実現と持続的な企業価値の向上をめざしてまいります。またサステナビリティに関する取組みについて情報開示や対話を行い、各ステークホルダーとの信頼関係の構築に努めます。

 

(1) サステナビリティ共通

①ガバナンス

イ.当行は、気候変動を含むサステナビリティに関する課題への取組みを推進するため、取締役会においてサステナビリティ委員会及びサステナビリティ基本方針を制定しております。

ロ.取締役会議長を委員長とするサステナビリティ委員会における提言をもとに、サステナビリティワーキンググループをはじめとする各執行部門において全行横断的な協議を行い、取締役会へ報告・付議を行う態勢としております。なお2024年度については、サステナビリティ委員会を2回開催し、「マテリアリティへの取組み」「気候変動への対応」及び「企業価値向上への取組み」に関する提言・議論を行っております。

ハ.特に「気候変動」「人的資本・多様性」に関しては、当行の長期ビジョン「地域の持続可能性を高める価値創造カンパニー」実現のために優先すべき重要な課題である「マテリアリティ」の項目として、「気候変動への対応」「従業員エンゲージメントの向上」「多様性の尊重」を特定のうえ、取組みを行っております。

 

<サステナビリティに関するガバナンス体制>


 

(2) 気候変動

①戦略

イ.リスク・機会

(イ) 当行は、気候変動に関連して、以下の「リスク」と「機会」を認識しております。なお「リスク」については、顕在化の時期及び事業への影響度を考慮のうえ、「特に重要なリスク」として認識したものです。

 

リスク

移行

リスク

政策・法規制

脱炭素に関する諸規制の変化(税制の変更・法規制や取引先からの要請強化・業界における技術開発の変化等)による融資先の事業活動や財務への影響

短期~長期

技術・市場

脱炭素化に向けた技術開発の遅延、既存技術の陳腐化リスクに伴う融資先の事業活動や財務への影響や、インバウンド含む観光客の環境意識の高まりなどから、観光事業や宿泊施設における事業活動や財務への影響

短期~長期

評判

環境に悪影響を及ぼす事業者やプロジェクトに対する投融資等による当行の評判の悪化

短期~中期

物理的

リスク

急性

台風や洪水など自然災害が深刻化・増加することによる突発的なリスク

短期~中期

慢性

降雨・気象パターンの変化や海面上昇など長期にわたるリスク

中期~長期

 

 

機会

資源の効率性

省資源化(ペーパーレス等)の推進や再生可能エネルギー活用による生産性向上及びコスト削減

短期~中期

エネルギー源

エネルギー源のシフトによる調達コストの低下

短期~中期

製品/サービス

当行取引先の脱炭素関連の事業や設備投資に関する資金需要の増加

短期~中期

気候変動や自然災害に対する顧客の意識・行動変化に伴う、環境関連商品・サービスや保険商品の需要増加

中期~長期

市場

気候関連問題への適切な対応や積極的な開示による各ステークホルダーからの評価の向上

中期~長期

強靭性

気候変動や自然災害に対するインフラ投資、エネルギー源シフトに伴う設備導入等によるファイナンス機会の創出・拡大

中期~長期

 

 

ロ.シナリオ分析 ≪リスク≫

(イ) 当行においては気候変動がもたらす将来の与信関係費用の増加額を試算するため、「移行リスク」「物理的リスク」に関するシナリオ分析を以下のとおり実施しております。


 


(ロ) 移行リスクについては、今回対象セクターに「石油」業を追加し分析を行っております。分析の結果、「移行リスク」「物理的リスク」による財務影響は限定的と評価しております。

(ハ) 今後もシナリオ分析手法の高度化や対象範囲拡大により、気候変動関連リスクが当行の財務に与える影響の把握に努めてまいります。

 

ハ.炭素関連資産(2024年度)
炭素関連資産は一般的にCO2排出量が比較的多い資産とされており、当行貸出金における炭素関連セクターの占める割合は以下のとおりとなっております。

項目/セクター

炭素関連セクター(2025年3月末基準)

エネルギー

運輸

素材・建築物

農業・食料
・林産品

貸出金額
(百万円)

54,424

124,975

226,666

51,661

457,726

割合

2.4%

5.5%

9.9%

2.3%

20.1%

 

 

ニ.分析の評価と支援 ≪機会≫

シナリオ分析は、分析対象セクターや対象地域が一部であること、シナリオの策定にあたり様々な仮定を置いていることから、必ずしも当行全体の明確なリスクを評価しているものではないと考えております。

引き続き、気候変動がお客さまへ与えるリスクと機会を適切に評価し、事業の成長戦略に組み込むことが必要と考えております。

また、これまでの分析をお客さまとのエンゲージメントに活用し、気候変動に対するレジリエンスを高めていくための支援(下記参照)を実施してまいります。 

 

 

(支援内容:ソリューションについて)

お客さまの脱炭素経営を実行するために、各ステップ(知る・測る・減らす)に応じてさまざまな支援メニューで伴走支援を行っております。


 

≪SDGsソリューション≫


 

≪ サステナビリティ関連ソリューション ≫


(項目)                    (連携先)

・CO2排出量の見える化

㈱ゼロボード、アスエネ㈱

・福利厚生支援

㈱福利厚生クラブ九州、㈱KOMPEITO 他

・PPA事業

㈱シェアリングエネルギー、大和エネルギー㈱

・省エネルギー導入

㈱NEXYZ

・フードロス

サインポスト㈱

・Jクレジット創出・売却

㈱バイウィル

・事業継続支援

デジタルデータソリューション㈱

・新電力

新電力おおいた㈱、㈱ぶんごおおのエナジー 他

 

 

②リスク管理

イ. 当行は、気候変動に関するリスクが当行の事業運営や財務内容等に影響を及ぼすことを認識しており、統合的リスク管理態勢の枠組み(※)において、シナリオ分析等の実施により識別・評価をしております。今後もシナリオ分析の対象範囲の拡大及び高度化に取り組んでまいります。

※当行では「統合的リスク管理」の定義を、当行の直面するリスクに関して、それぞれのリスクカテゴリー毎(信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスク等)に評価したリスクを総体的に捉え、当行の経営体力(自己資本)と比較・対照することによって、自己管理型のリスク管理を行うこととしております。

 

ロ. 気候変動に影響を与えるセクターへの投融資に関しては、「環境・社会に配慮した投融資方針」に則り適切に判断を行っております。

<環境・社会に配慮した投融資方針>

大分銀行グループは、国連の定めた持続可能な開発目標の趣旨等を踏まえ、地域経済を支える金融機関として環境・社会課題の解決に向けて積極的に取り組みます。投融資においては以下のとおり分野ごとの方針を明確にし、適切に対応いたします。

1. 積極的に取り組む分野

(1) 再生可能エネルギー、脱炭素社会の実現、生物多様性保全等、環境問題の解決に資する事業

(2) 持続可能な社会づくりに資する事業

2. 取組みを原則行わない分野

(1) 核兵器やクラスター弾など非人道的な兵器の開発・製造を行う事業

(2) 人権侵害や違法伐採が認識されるパーム油農園開発事業

(3) 新設の石炭火力発電事業

ただし、例外的に取組みを検討していく場合は、国のエネルギー政策等を参考に個別案件ごとの背景や特性を勘案し、慎重に対応します。

 

 

③指標と目標

イ.指標

CO2排出量(SCOPE1・2及び3)の実績については、以下のとおりです。

 

CO2排出量                                       (単位:t-CO2)

計測内容

2024年度

 

 

対象:当行グループ

SCOPE1

直接的エネルギー消費(ガソリン、LPG、都市ガス)

881

SCOPE2

間接的エネルギー消費(電気)

マーケット基準

3,075

*ご参考(ロケーション基準)

(4,097)

合計

3,956

 

対象:銀行単体

SCOPE3

カテゴリー1

購入した製品・サービス    

2,390

カテゴリー2

資本財

2,252

カテゴリー3

電気(SCOPE1・2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動)

684

カテゴリー4

輸送〈上流〉

1,316

カテゴリー5

事業からでる廃棄物

161

カテゴリー6

出張

204

カテゴリー7

雇用者の通勤

593

カテゴリー15

投融資

5,379,580

合計

5,387,180

 

 

脱炭素社会の実現に向け重要な指標であると認識しており、今後についても分析の強化・高度化を図ってまいります。

 

 

(イ) SCOPE1・2について

 対象:当行グループ                                                   (単位:t-CO2)

 

2013年度

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

SCOPE1(ガソリン、LPG、都市ガス)

1,218

877

931

931

881

SCOPE2(電気)

9,029

3,738

3,139

3,770

3,075

合計

10,247

4,615

4,070

4,701

3,956

 

 

削減率(2013年度比)

 

55.0%

60.3%

54.1%

61.4%

 

㋑CO2排出量の算定プロセスについて

・ガソリンにかかる排出量:車両燃料費及び大分県ガソリン単価により算出

・SCOPE1・2にかかる排出量:「省エネ法定期報告書」における排出量を採用

㋺2024年度は一部店舗(施設含む)での再エネ由来エネルギー利用等により削減が進んでおります。

引き続き、再エネ電力の利用店舗拡大など能動的な施策により更なる削減を推進していく方針。

 

(ロ) SCOPE3について

対象:銀行単体                                                (単位:t-CO2)

SCOPE3

2022年度

2023年度

2024年度

カテゴリー1~7

11,427

7,242

7,601

カテゴリー15(ファイナンスド・エミッション)

4,960,660

5,379,580

 

㋑CO2排出量の算定対象について

対象範囲を銀行単体、対象区分はカテゴリー1~7及び15として算出しております。

㋺算定結果については、お客さまとのエンゲージメントに活用し、地域サプライチェーンにおける脱炭素社会の実現に向けた取組みを実践、今後も分析・算出の高度化及び対象範囲の拡大に努めてまいります。

 

(カテゴリー15:ファイナンスド・エミッションについて)

・SCOPE3のなかで特にカテゴリー15の投融資による排出量は、金融機関において重要なCO2排出量削減の対象であり、PCAFスタンダードの手法に基づき、投融資先の排出量を試算しております。

・算定プロセスは、業種ごとの排出係数を使用して排出量を試算・算出する「トップダウン方式」を採用しております(アセットクラス:事業性融資、データクオリティ:4.0)。

・引き続き、計測手法の高度化やお取引先の脱炭素化の促進に向けたエンゲージメント活動へのさらなる活用や試算対象範囲の拡大を検討してまいります。

 

 

カテゴリー15(ファイナンスド・エミッション):投融資                                (単位:t-CO2)

セクター/業種

2024年度

エネルギー

石油・ガス

377,116

電力

912,491

運輸

空運

41,750

海運

569,383

陸運

129,625

自動車

39,648

素材・建築物

金属・鉱業

240,828

化学

299,287

建築資材・資本財

558,532

不動産管理・開発

33,746

農業・食料・林産物

飲料・食品

196,784

農業

10,029

製紙・林業

48,415

その他

1,921,945

合計

5,379,580

 

*算定結果については、国際的な基準の明確化や分析・推計の高度化により、今後大きく変動する可能性があります。

 

ロ.目標

(CO2排出量削減)

当行は「気候変動への対応」をマテリアリティとして特定し、自社の事業活動におけるCO2排出量削減目標に向けた取組みを行っております。この取組みをさらに加速するため、2024年3月 「カーボンニュートラル宣言」を実施。使用電力量が多い店舗・施設から優先して再エネ電力契約への変更等により、2013年度対比で約61.4%のCO2排出量削減が進んでおります。

当行グループは、これからも気候変動を含む地域課題の解決に向けた取組みなど、サステナビリティ経営を推進してまいります。



 

 

 

(SDGs投融資)

当行では、SDGsの趣旨等を踏まえた「環境・社会に配慮した投融資方針」に基づき、地域経済を支える金融機関として行う環境・社会課題の解決に資する投融資を「SDGs投融資」としております。2024年度末時点のSDGs投融資実行額は2,332億円となりました。そのうち以下に該当するものを「環境関連」投融資として集計を行っております。

※環境関連:再生可能エネルギー、脱炭素社会の実現、生物多様性等、環境問題の解決に資する事業への投融資

 

 

2023年度~2030年度
累計目標額

2024年度末
実績

SDGs投融資実行額
(うち環境関連)

5,000億円
(2,000億円)

2,332億円
(551億円)

 

 

(3)人的資本

①戦略

当行においては、2008年3月に「従業員は銀行の重要な財産である」との経営姿勢を明確にし、人を育てる企業風土及び自ら学び自己実現を促す組織風土の構築を目指し、「人財育成基本計画」を策定しております。また、2011年10月には従業員は「財(たから)」であるという企業風土のもと、人事部を人財開発部へ変更しております。

 

2024年4月よりスタートした「中期経営計画2024」において、「従業員」は当行グループにとって最も大切なステークホルダーであり重要な財産であることを掲げており、従業員エンゲージメント向上へ徹底してこだわり、更なる向上に向け、人的資本経営の実践を通じ従業員一人ひとりが働きがいを実感し、地域の価値創造に向け躍動する『人・組織・風土』づくりに取り組んでおります。

 

イ.人材育成方針

人財育成基本計画において基本理念を『自主自立の気概に溢れ、環境の変化に適応できる人財の創造』とし、自主的に自己の価値を高め、主体性をもってアグレッシブに行動し、環境の変化に柔軟に適応できる人財を育成することで、競争力のある銀行を創りたいと考えております。

「中期経営計画2024」においては、「人」づくりとして「経営戦略の実現及び地域価値を創造できる自律的な人財の育成」、「キャリア自律に向けた共創人財の育成」に取り組んでまいります。

<「人」づくり>

「経営戦略の実現及び地域価値を創造できる自律的な人財の育成」に関する主な取組みは以下のとおりです。

・経営戦略実現に向けたグループ人財ポートフォリオの構築並びに個人、組織の能力を最大限発揮する適所適材の人員配置

・HRデータ活用によるデータドリブン人事の実践(経営戦略実現に向けた現状とのギャップ分析並びに必要スキル・能力の見える化)

・経営戦略実現に向けた新卒・キャリア採用の強化

・将来の経営中枢を担えるような「次世代リーダー」や多彩なアイデアを創出する「イノベーション人財」の発掘、育成

・地域価値創造、経営戦略実現に向けた「プロフェッショナル人財」の育成

・「プロフェッショナル人財」の活躍フィールドを広げる多様なキャリアパスの構築

・地域価値創造に資する資格取得者の育成支援

・地元企業等への積極的な人員派遣による地域の人財供給拠点としての機能強化

 

「キャリア自律に向けた共創人財の育成」に関する主な取組みは以下のとおりです。

・キャリアや仕事を主体的に捉え、自律・自走しながら周囲と共創する人財(キャリアオーナーシップ人財)の育成

・視座を高め、新たな視点で価値を創造できる人財の育成

 

ロ.社内環境整備方針

従業員が”働きがい””やりがい”を持ち、成長できる職場環境を整備することで、従業員エンゲージメントを高め、多様な人財が活躍できる仕組みづくりを進めてまいります。

「中期経営計画2024」においては、「組織」「風土」づくりとして「挑戦心あふれる企業に向けたカルチャーイノベーション」、「労働生産性を確保した働きやすい職場環境の整備」、「ダイバーシティ&インクルージョン向上」に取り組んでまいります。

 

<「組織」・「風土」づくり>

「挑戦心あふれる企業に向けたカルチャーイノベーション」に関する主な取組みは以下のとおりです。

・企業内大学の更なる充実(社会人基礎力から高度専門分野までの幅広い育成プログラムを構築し、行内の学び合う文化の醸成)

・重点分野への人財配置を可能とするリスキリング支援

・挑戦機会を増大させる新たなチャレンジ制度の新設等による手上げ文化の醸成

・役割と処遇の公平性・納得性を向上させる人事制度づくり

・若手の早期登用に向けた仕組みづくり

 

「労働生産性を確保した働きやすい職場環境の整備」に関する主な取組みは以下のとおりです。

・多様な価値観に応じて柔軟に選択できる多様な働き方オプションの確保

・場所にこだわらない働き方づくり

・ワークライフインテグレーションに向けた仕組みづくり

・ウェルビーイング向上に向けた健幸経営の取組み強化

 

「ダイバーシティ&インクルージョン向上」に関する主な取組みは以下のとおりです。

・女性活躍推進に向けた取組み強化

・シニア人財の活躍支援強化(新たな活躍フィールドの創出、職務・役割、貢献度に応じた処遇の検討)

・キャリア人財、障がい者、外国人の活躍支援

・多様な勤務スタイルの実現

・パフォーマンスを最大限引き出す両立支援の更なる充実

・行内人財が立場、垣根を越えてつながる仕組みづくり

 

②指標と目標

「人材育成方針」・「社内環境整備方針」に関する指標の内容や当該指標による目標・実績の開示

「従業員」は「財(たから)」であるという企業風土のもと、「従業員」は当行グループにとって最も大切なステークホルダーであり重要な財産であることを掲げております。

人材育成方針及び社内環境整備方針に基づく各種取組みを通じ、従業員エンゲージメント向上へ徹底してこだわっていくため、「従業員エンゲージメント」を重要な指標と位置づけ、85%以上の継続を2026年度までの目標として取り組んでまいります。 

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2026年度

目標

従業員エンゲージメント

87.5%

89.7%

85%以上の継続

 

(目標年度は中期経営計画の最終年度としております)

 

「従業員エンゲージメント」につきましては、年1回従業員意識調査の中で実施しております(設問内容:当行の従業員であることを誇りに思う⇒回答:①そう思う、②まあそう思う、③あまりそう思わない、④そう思わない、のうち①②の肯定的な回答割合)。

 

イ.人材育成方針に関する指標につきましては、次のとおりです。

<「人」づくり>

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2026年度

目標

キャリア開発支援に関する従業員満足度

83.6%

86.7%

85%以上の継続

キャリア開発プログラムにおける
レベル3以上の行員数

519名

511名

550名以上

 

(目標年度は中期経営計画の最終年度としております)

 

 

『キャリア開発支援に関する従業員満足度』

・「キャリア研修」・「キャリア面談」・「1on1ミーティング」等により、キャリア形成・促進を支援し「キャリア自律の実現」に取り組んでおります。これらを通じて、行員が明確な夢や目標を持てるよう支援を行うため、「キャリア開発支援に関する従業員満足度」を指標とし、85%以上の継続を2026年度までの目標として取り組んでまいります。

「キャリア開発支援に関する従業員満足度」につきましては、年1回従業員意識調査の中で実施しております(設問内容:当行のキャリア開発支援について満足していますか⇒回答:①満足している、②まあ満足している、③あまり満足していない、④満足していない、のうち①②の肯定的な回答割合)。

 

『キャリア開発プログラムにおけるレベル3以上の行員数』

・「キャリア開発プログラム」において、新入行員から管理職までの一貫した育成体系を構築し、経営戦略・営業戦略等を実現する上で必要な専門性や能力等を定義することで行員一人ひとりの保有能力の見える化(レベル判定)に取り組んでおります。行員が目指したい職務に対して、企業内大学や実践的な育成プログラムを構築し自律的な能力開発を促すことにより、法人・個人・専門の各領域でレベル3以上の人員数確保を目指しております(最大レベル4)。

「キャリア開発プログラムにおけるレベル3以上の行員数」を指標として、550名以上を2026年度までの目標として取り組んでまいります。

 

ロ.社内環境整備方針に関する指標につきましては、次のとおりです。

<「組織」づくり>

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2026年度

目標

有給休暇取得率

68.4%

67.2%

70%以上

一人あたり月平均時間外労働時間

9時間50分

8時間45分

9時間以内の継続

 

 (目標年度は中期経営計画の最終年度としております)

『有給休暇取得率』・『一人あたり月平均時間外労働時間』

・ワークライフインテグレーション(「仕事」と「生活」を別のものではなく統合的にとらえ、双方を充実させる考え方)の実現により、仕事において活力を生み出すことで生産性向上等収益拡大に取り組んでおります。ワークライフインテグレーションの実現に向けて、有給休暇取得率の向上、長時間労働の見直し、業務効率化等ができればプライベートを充実させやすくなり、結果としてモチベーション向上や仕事と家庭の両立が期待できることから、「有給休暇取得率」・「一人あたり月平均時間外労働時間」を指標として、それぞれ70%以上・9時間以内の継続を2026年度までの目標として取り組んでまいります。

 

<「風土」づくり>

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2030年度

目標

女性管理職比率

3.5%

5.1%

10%以上

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2026年度

目標

チャレンジ制度利用者数

107名

134名

200

 

(目標年度はVision2031及び中期経営計画の最終年度としております)

『女性管理職比率』

・経営環境の変化やお客さまニーズの高度化の中において、多様な人財が活躍できる環境整備が必要であり、特に行内における女性活躍進展の観点より女性行員に対する「キャリア開発プログラム」による効果的な能力開発支援に取り組んでおります。これらを通じて、女性人財の更なる活躍推進を行うことから、「女性管理職比率」を指標として、10%以上を2030年度までの目標として取り組んでまいります。

 

『チャレンジ制度利用者数』

・挑戦心あふれる企業へのカルチャーイノベーションに向け、挑戦機会を増大させるチャレンジ制度(トレーニーや他社他行の従業員との研修等、多様な就業体験機会の提供)の利用者増加に取り組んでおります。これらを通じて、キャリア実現に向け積極的に挑戦する企業風土改革に繋げるため、「チャレンジ制度利用者数」を指標として、200名を2026年までの目標として取り組んでまいります。