2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,378名(単体) 1,772名(連結)
  • 平均年齢
    40.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.0年(単体)
  • 平均年収
    6,097,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2024年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

クレジットカード業

信用保証業

IT事業

その他

合計

従業員数(人)

1,378

55

115

4

205

15

1,772

[176]

[4]

[21]

[1]

[14]

[19]

[235]

 

 

(注) 1 従業員数は、就業人員数を表示しております。

2 従業員数は、嘱託及び臨時従業員415人を含んでおりません。

3 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

 

(2) 当行の従業員数

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与

(千円)

男性

女性

合計

704

674

1,378

40歳 4月

16年 2月

6,097

 

 

(注) 1 従業員数は、就業人員数を表示しております。

2 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3 従業員数は、嘱託及び臨時従業員321人を含んでおりません。

4 当行の従業員数合計における臨時従業員数の年間の平均人員は176人であります。

5 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

6 当行の従業員組合は、琉球銀行労働組合と称し、組合員数は1,105人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。

7 当行は執行役員制度を導入しておりますが、当期末現在では該当者はおりません。

 

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 当行

管理職に占める女性労働者の

割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注2)

男女の賃金の差異(%)(注1、3)

補足説明

全労働者

うち正規雇用

労働者

うち非正規雇用

労働者

24.4

97.3

61.7

67.9

75.5

(注4)

 

 

(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合および男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男女の賃金の差異
対象期間    :2023年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)
賃金      :基本給、超過労働に対する報酬等の各種手当、賞与を含み、退職手当等を除く
正規雇用労働者 :出向者については当行から社外への出向者を含み、他社から当行への出向者を除く
非正規雇用労働者:パートタイマー、嘱託を含み、派遣社員を除く
賃金差異について、各区分の男性を100%として算出しております。

4 数値の背景、差異の縮小に向けた取り組みについて、第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本に関する開示に記載しております。
 

② 連結子会社

セグメントの名称

リース業

クレジットカード業

信用保証業

IT事業

その他

名称

株式会社
琉球リース

株式会社
りゅうぎん
ディーシー

株式会社
OCS

りゅうぎん保証
株式会社

株式会社
リウコム

りゅうぎんビジネス
サービス
株式会社

株式会社
りゅうぎん
総合研究所

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)(注1)

0.0

37.5

36.7

0.0

6.9

33.3

0.0

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注2)

100.0

0.0

33.3

66.7

100.0

(注3)

男性(人)

37

9

46

161

2

女性(人)

18

18

42

4

44

11

2

平均年齢(歳)

(注4)

41歳2月

41歳10月

42歳0月

54歳11月

40歳8月

46歳7月

43歳6月

 

(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、管理職および女性労働者には嘱託及び臨時雇員を含めております。

2 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、育児休業を取得した男性労働者には期中で育児休業を取得し、期末までに在籍していない人を含めております。

3 従業員数は、嘱託及び臨時雇員を含めておりません。

4 嘱託及び臨時雇員を除く従業員の平均年齢を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

<気候変動リスクの把握と対策>

 近年、世界中で異常気象や自然災害による被害が甚大化しており、気候変動への対応は企業経営の大きな課題となっています。当行は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures, TCFD)」の提言に、2021年7月に賛同表明を行い、当行のビジネス活動に影響を及ぼす気候変動の財務上の影響について分析を行ってきました。

 当行グループは、環境の変化や気候変動問題が当行や取引先事業者に及ぼすリスク、機会を分析し、短期・中期・長期の期間ごとに、当行経営への影響を織り込んで開示していきます。また、2022年度からは環境情報開示に関する国際的なNGOである「CDP」の調査への回答を行い、情報開示の充実に努めています。

 こうした取り組みが、広く地域社会、環境の持続的な発展に貢献し、中長期的には琉球銀行のマーケットおよびシェアの拡大、企業価値向上につながるものと考えています。

TCFDの開示推奨項目

項目

開示推奨項目

ガバナンス

気候関連のリスクと機会に関する組織のガバナンスを開示する。

戦略

気候関連のリスクと機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす実際の影響と潜在的な影響について、その情報が重要(マテリアル)な場合は、開示する。

リスク管理

組織がどのように気候関連リスクを特定し、評価し、マネジメントするのかを開示する。

指標と目標

その情報が重要(マテリアル)な場合、気候関連のリスクと機会を評価し、マネジメントするために使用される指標と目標を開示する。

 

 

(1)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示

①ガバナンス(気候関連等の問題に対応するガバナンス体制)

(ア)サステナビリティ委員会

サステナビリティ委員会は、ESG対策等に関する方針・計画・成果指標の設定および取り組み状況を確認し協議する機関として2021年10月に設立しました。

同委員会では、頭取を委員長、総合企画部担当役員を副委員長、委員に関係各部の部長を任じ、ESG対策等の諸課題について四半期に1回議論され、取締役会への報告も四半期に1回行われています。

また、当行グループのシンクタンクである株式会社りゅうぎん総合研究所がオブザーバーとして毎回参加しており、県内・国内を取り巻く環境問題について幅広く情報提供が行われています。

 

(イ)サステナビリティ小委員会

サステナビリティ委員会に諮問する前に、現状の取り組み状況を月1回議論するため、2021年11月にサステナビリティ小委員会を設置しました。

同委員会では、当行融資の約6割は、戸建て住宅、マンション、アパート向けの住宅関連であることから、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)や建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)に合致する建築物向けの積極的な融資推進施策や、省エネ建築、設備事業者との連携強化による県内におけるZEB・ZEH推進施策などを議論しています。

 


 

②戦略

(ア)サステナビリティへの取り組み

琉球銀行は、「地域から親しまれ、信頼され、地域社会の発展に寄与する銀行」の経営理念のもと、地域社会の皆さまとともに、地元発展のため企業活動を行っています。

当行の営業基盤である沖縄県は、四方を海に囲まれ、また豊かな森林やそこで生息する動植物など、多種多様な自然環境に恵まれ、観光業を中心に第三次産業を基盤とする経済圏を形成しています。

一方近年は、気候変動の影響を受け、沖縄県においても少なからず自然環境が破壊されています。

2021年、IPCCにおける気候変動の自然科学的根拠を担当する第1作業部会(WG1)が公表した第6次評価報告書では「人間の影響が大気・海洋・陸域を温暖化させたことは疑う余地がない」と記載され、この気候変動は人為的な影響に基づくものだと断言されています。

また2023年3月にはIPCCによる第6次評価報告書統合報告書の政策決定者向け要約が公表され、「人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことは疑う余地がない」、「継続的な温室効果ガスの排出は更なる地球温暖化をもたらし、短期のうちに1.5℃に達する」との厳しい見通しが示されました。

私たち金融機関は、投融資を通じ様々な企業および個人の活動の原動力となっています。そこで、金融機関が温暖化抑制・廃棄物削減など環境に配慮した健全な投融資活動を行えば、環境保全に大きく貢献できる一方、配慮しなければ環境破壊を助長することになってしまうと考えます。

環境破壊は、観光業やサービス業などはもちろん、建設業、不動産業、製造業、農業、金融業などにも波及し様々な企業や人々に多大な影響を及ぼします。これは、貧困など沖縄県が抱える社会的な問題の悪化を助長する可能性があります。つまり、当地沖縄県においては、環境破壊は環境問題だけでなく社会的な問題に深刻に繋がっていくということです。

そこで私たち琉球銀行は、“地球環境の負荷軽減・再生”、“地域社会の発展、県民のより豊かな生活への貢献”を目標とし、地元の様々な企業や人々と協力しながら、環境と社会という密接に関連する2つの課題解決に果敢に挑戦してまいります。

 

(イ)重要課題(マテリアリティ)と関係整理

“地球環境の負荷軽減・再生”と“地域社会の発展、県民のより豊かな生活”は相互に依存するものと想定しています。自然環境の破壊は沖縄県の主力産業に多大な影響を及ぼし、結果として貧困・低賃金などを助長する可能性があります。一方、生産性が低ければ十分な環境保全は望めないと考えられます。

琉球銀行は、環境・社会への影響を十分踏まえた投融資活動を行います。また、これまでにない金融サービスを提供し、地域社会の仕事をこなす力を底上げし、様々な社会的課題の解決を目指します。

実現に向けての要は、人材であり、高度なガバナンス機能です。誰もが平等に安心して働くことができる環境、持続可能な資源利用、積極的な地域社会との関わり、安全な金融商品の提供やリスクマネジメントの徹底が不可欠と考えます。

 


 

(ウ)気候変動に関する当行の重要な移行リスク、物理的リスク、機会の認識

リスク・機会の種類

対応方針

移行リスク

政策・法律

GHG排出規制の強化等による、建築基準等に変更が生じるリスク。(投融資先の既存資産減損による、当行担保物件の毀損)

炭素税導入のリスク。(投融資先の収益減少による、当行与信関連費用の増加)

沖縄県の二酸化炭素は民生部門(民生家庭部門、民生業務部門)が47%と最大の排出セクターであり、家庭から排出される二酸化炭素を抑制することで、ある一定の排出量抑制が期待できる。また当行の融資ポートフォリオは住宅ローンおよびアパートローン等のレジデンス関連融資が6割を占めているため、レジデンス関連融資先のGHG排出量を削減することで社会全体にインパクトが与えられると認識している。

県内のGHG排出量削減の取り組みとして県内でのZEH住宅等の普及を目的としたZEH住宅等建築に携わる事業者の連携体制(ZEP Ryukyu)を構築。ZEH・省エネ住宅建築に係るノウハウの向上を図るとともに、その他各種支援をおこなっている。(エンゲージメントの強化)

市場

観光客の環境意識の高まりにより、環境に配慮しない観光地や宿泊施設への需要低下のリスク。(投融資先の収益減少による、当行与信関連費用の増加)

原油価格高騰、感染症等の発生頻度増加による観光客が減少するリスク。(投融資先の収益減少による、当行与信関連費用の増加)

評判

沖縄の自然環境を保護するための取り組みが不十分な場合、地域のブランドイメージが低下し観光客が減少するリスク。(投融資先の収益減少による、当行与信関連費用の増加)

技術

脱炭素化に向けた技術開発の遅れによる、既存技術陳腐化のリスク。(投融資先の収益減少による、当行与信関連費用の増加)

物理的リスク

急性

台風の大型化による投融資先および当行の営業拠点の毀損による事業継続に支障をきたすリスク。

投融資先および当行に及ぼす影響額の算定。

投融資先へ物理的リスクの共有および啓発。

慢性

海面上昇による海岸付近の設備や工場等の水没リスク。(投融資先の既存資産減損による、当行担保物件の毀損)

投融資先へ物理的リスクの共有および啓発。

機会

資源効率

省エネ設備の導入によるエネルギー使用の高効率化。

新店舗のZEB化。

エネルギー源

エネルギー源のシフトによる調達コストの低下。

営業車両のEV化の検討。

営業店および社員寮への太陽光設備導入。

製品・サービス

環境に配慮した金融商品・サービス開発による投融資先支援・新市場の創出。

SDGs応援サービスの展開。

ESG関連融資制度、利子補給制度の展開。

市場

環境に配慮した金融商品・サービス開発による投融資先支援・新市場の創出。

環境保全プロジェクトへの投資などの機会の拡大。

SDGs応援サービスの展開。

ESG関連融資制度、利子補給制度の展開。

BORファンドによる出資。

強靭性

台風等の風災対策のためのインフラ投資等によるファイナンス機会の拡大。

ESG関連融資制度、利子補給制度の展開。

 

 

 

(エ)TCFD提言の定義を踏まえた貸出金ポートフォリオに占める炭素関連資産の割合

対象セクター

2024年3月期

エネルギー、運輸、素材・建築物、

農業・食料・林産物

15.1%

 

 

(オ)移行リスクの重要セクター選定

脱炭素社会への移行により、お客さまのビジネスに影響がおよぶリスクが想定されます。

当行では移行リスクを対象としたシナリオ分析を実施し、2050年までの影響を評価しました。沖縄県は亜熱帯海洋性気候の下、美しいサンゴ礁が発達した青い海と多様な野生生物が生息・生育する緑豊かな160の島々から構成され、国内有数の観光リゾート地であり観光産業を基幹産業としていることも考慮しました。

上記内容を踏まえ定性的な分析を行った結果、最も移行リスクの高いセクターとして「観光産業(宿泊業、飲食業、道路旅客運送業)」セクターおよび「電気・ガス・水道」セクターを特定しました。

 

(カ)重要セクターごとのシナリオ策定、気候変動リスク推移の定量評価

移行リスク

a. 「観光産業(宿泊業、飲食業、道路旅客運送業)」

(a)4つのシナリオを複合的に考慮した観光客減少シナリオ

Ⅰ.原油価格高騰による航空運賃の上昇に伴う観光コストの増加。

Ⅱ.航空運賃以外の飲食・宿泊代金等の上昇に伴う観光コストの増加。

Ⅲ.海外政府による渡航規制や海外旅行に対する世界的なマインドの低下。

Ⅳ.サンゴの白化現象の発生頻度の増加に伴うダイビング等を目的とした観光客の減少。

(b)突発的に発生する与信関係費用

Ⅰ.地球温暖化に伴い、新型コロナウィルスのような、疫病・感染症等の発生頻度が増加。

b. 「電気・ガス・水道」

・炭素税導入によるコスト増、エネルギー転換による大幅なビジネスモデルの転換や設備投資が急務であり、移行リスクが大きいと考えられます。

シナリオ

IEAのネットゼロ排出シナリオ

データ

当行の与信コストデータ、マクロ経済指標、IEAの「ネットゼロ排出シナリオ」情報

分析対象

「観光産業(宿泊業、飲食業、道路旅客運送業)」セクターおよび「電気・ガス・水道」セクター

分析期間

2050年まで

分析結果

与信関係費用の増加分:最大で約117 億円

また、新型コロナウィルスのような感染症が発生・拡大した場合には、突発的な与信関係費用として、約 8 億円増加する見通しです。

 

 

(キ)気候変動リスクの定量評価

物理的リスク

気候変動に伴う異常気象の増加により、当行のお客さまのビジネスにおよぶリスクや当行所有の各営業店設備に対するリスクが想定されます。

沖縄県は北西太平洋や南シナ海で発生した台風が接近するため風水被害が多い土地です。また、河川は他都道府県と比較し、流路延長が短く降雨は海へ直接流出するという特徴があるほか、流域面積が小さく、貯水能力が小さいことから洪水リスクが存在します。

よって、台風・豪雨等の風水害による当行不動産(建物)担保の担保価値影響額および当行各営業店設備等への被害額を分析の対象としました。

ハザードマップ情報、治水経済調査マニュアルのデータや2℃シナリオ・4℃シナリオに基づく将来的な台風による被災状況に関する試算等を踏まえ、2050年までの物理的リスクの分析を行いました。

 

 

シナリオ

IPCCのRCP2.6シナリオ(2℃シナリオ)およびRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)

データ

当行担保物件および台風被害情報、ハザードマップ、治水経済調査マニュアル 他

分析対象

台風・豪雨等の風水害による当行不動産(建物)担保の担保価値影響額および当行営業店設備等への被害額

分析期間

2050年まで

分析結果

与信関係費用の増加分:約5億円

支店における設備等への被害額:約7億円~約18億円

 

 

(ク)気候変動リスクの定性評価

物理的リスク

沖縄県は、美しいサンゴ礁に囲まれた160の島々から構成されており、ダイビング等を目的とした観光客も多く来県します。

地球温暖化に伴う海水温の上昇によりサンゴの白化現象の発生頻度が増加した場合、それに伴う観光客の減少が懸念され、投融資先のビジネスに影響がおよぶリスクが想定されます。

2023年までのおよそ100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.24℃/100年となっており、サンゴの白化が起こった年には平年以上に海水温が高くなっております。

サンゴの白化現象の発生頻度が増加することによる当行への影響額は、移行リスクに伴う与信関係費用の増加分:最大約117億円のうち約19億と試算しました。

 

③リスク管理

(ア)サステナブル投融資方針の策定について

気候変動問題、少子高齢化や人口減少による地域活力の低下、事業後継者不足による廃業の増加など、環境・社会的な課題が地域の持続可能性を脅かすものとなりつつあります。

琉球銀行グループは、これまでも持続可能な地域社会の実現に取り組んできましたが、この取り組みをさらに力強く推し進めるため、今般、「サステナブル投融資方針」を定め、これに基づいた投融資を推進いたします。

 

(イ)環境・社会・経済に肯定的で前向きな影響を与える事業への方針

以下に例示する事業等に対しては、積極的に投融資してまいります。

・気候変動リスクを低減する省エネルギー・再生可能エネルギー事業

・企業の脱炭素化社会への移行対応

・地域経済の持続的発展に資する創業・イノベーション創出・事業承継

・高齢化、少子化等の課題に対応する医療・福祉・教育の充実

・持続可能な社会の形成にポジティブな影響を与える事業

 

(ウ)環境・社会・経済に負の影響を与える可能性が高い事業への方針

以下に基づき適切に対応することで、環境・社会への影響を低減・回避するよう努めます。

a. 石炭火力発電事業

・沖縄県では地理的・地形的、ならびに系統規模の制約から水力・原子力発電等の開発が難しいため、火力発電に頼らざるを得ないことや、再生可能エネルギーの出力変動性を補う調整力や慣性力対応として一定規模の火力発電が必要であることから、石炭火力発電は引き続き重要な役割を果たすと考えられます。新たな石炭火力発電所建設事業に対する投融資は原則として行いませんが、沖縄エリアの構造不利性を踏まえ、石炭火力発電事業に対する投融資は、環境、地域、社会への影響や発電効率性能等(CCUS(注1)、混焼等の技術など)を総合的に勘案したうえで、慎重に取り組みを検討します。

※(注1)二酸化炭素回収・利用・貯留技術(Carbon dioxide Capture,Utilizationand Storage)

 

b. 兵器製造関連事業

・核兵器・化学兵器・生物兵器等の大量破壊兵器や対人地雷・クラスター弾等の非人道的な兵器の開発・製造・所持に関与する先や、国内外の規制・制裁対象となる先、またはそのおそれのある先への投融資は行いません。

 

c. パーム油農園開発事業・森林伐採事業

・環境保全や人権保護の観点から、パーム油農園開発事業への投融資については、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)等の認証取得状況などを考慮し慎重に判断します。

・森林伐採事業に対する投融資に関しては国際認証の取得状況や環境に対する配慮などを考慮し慎重に判断します。

 

(エ)セクター全体にかかる取組方針

・「人身売買等の人権侵害への加担」や「児童労働や強制労働」への直接的または間接的な関与が認められる企業との投融資取引は行いません。

・「ラムサール条約指定湿地」「ユネスコ指定世界遺産」に重大な負の影響を及ぼす事業、「ワシントン条約」に違反する事業には投融資は行いません。

 

④指標及び目標

(ア)当行グループにおけるScope1・2のGHG(温室効果ガス)排出量と削減目標

a.Scope1・2のGHG排出量

・当行グループでは積極的に営業店のZEB化や営業店照明のLED化、老朽化空調機を効率化空調機へ更新するなどの施策を展開したことにより、Scope1・2の2023年度GHG排出量は2013年度比約35.6%削減(前年比▲5ポイント)となりました。また、2021年11月に導入した沖縄電力が提供する非化石証書を用いた再生可能エネルギー由来の電力「うちなーCO2フリーメニュー」を控除した場合の2023年度GHG排出量は4,282t-co2(2013年度比約61.4%削減)となりました。

 

b.削減目標

・Scope1・2のGHG排出量を2025年度までに2013年度比45%削減、2030年度までに2013年度比60%削減,2050年までに2013年度比100%削減します。

 

 


※2023年度のGHG排出量につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、現在、第三者保証機関による検証作業中となっております。そのため検証結果により2023年度のGHG排出量が変更になる可能性がございます。

 

(イ)当行におけるScope3カテゴリー1~15GHG排出量                      (t-co2)

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

カテゴリー1(購入した商品サービス)

8,054

7,395

5,994

7,297

カテゴリー2(資本財)

5,789

2,248

3,722

8,498

カテゴリー3(Scope1,2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動)

774

712

703

660

カテゴリー4(輸送・配送(上流))

-

-

-

-

カテゴリー5(事業者からでる廃棄物)

-

-

-

-

カテゴリー6(出張)

202

200

229

230

カテゴリー7(通勤)

704

698

795

802

カテゴリー8(リース資産(上流))

-

-

-

-

カテゴリー9(輸送、配送(下流))

-

-

-

-

カテゴリー10(販売した製品の加工)

-

-

-

-

カテゴリー11(販売した製品の使用)

-

-

-

-

カテゴリー12(販売した製品の廃棄)

-

-

-

-

カテゴリー13(リース資産(下流))

-

-

-

-

カテゴリー14(フランチャイズ)

-

-

-

-

カテゴリー15(投融資)

※194,842

※191,515

159,467,443

100,369,004

 

※2021年3月期、2022年3月期のカテゴリー15(投融資)の排出量は住宅ローンおよび商業用不動産(アパートローン)のみ算出。

※2024年3月期のGHG排出量につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、現在、第三者保証機関による検証作業中となっております。そのため検証結果により2024年3月期のGHG排出量が変更になる可能性がございます。

 

(ウ)当行におけるScope3カテゴリー15(投融資) GHG排出量

a.住宅ローン

 

2023年3月期

2024年3月期

GHG排出量(データクオリティスコア:1)

t-co2

t-co2

GHG排出量(データクオリティスコア:2)

t-co2

t-co2

GHG排出量(データクオリティスコア:3)

43

t-co2

146

t-co2

GHG排出量(データクオリティスコア:4)

87,791

t-co2

81,897

t-co2

GHG排出量(データクオリティスコア:5)

t-co2

t-co2

合計

87,834

t-co2

82,043

t-co2

加重平均データクオリティスコア

3.9

 

3.9

 

 

※住宅ローンのGHG排出量につきましては、当行住宅ローンにおけるZEH専用住宅ローン(データクオリティスコア:3)の割合を高めることで削減に努めてまいります。

※2024年3月期のGHG排出量につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、現在、第三者保証機関による検証作業中となっております。そのため検証結果により2024年3月期のGHG排出量が変更になる可能性がございます。

 

 

データ

クオリティ

カテゴリー

具体例

アプローチ

 


Score 1

開示情報に基づく排出量

実際の排出量データ

(第三者機関認証あり)

個社

ベース

アプローチ

Score 2

実際の排出量データ

(第三者機関認証なし)

活動量データに基づく

推定排出量

エネルギー消費量等のデータに基づく推定排出量

Score 3

生産量などデータに基づく

推定排出量

Score 4

財務指標に基づく

推定排出量

各企業の売上高データに基づく

推定排出量

セクター

平均

アプローチ

Score 5

各企業の資産データに基づく

推定排出量

 

 

b.商業用不動産(アパートローン)

 

2023年3月期

2024年3月期

GHG排出量(データクオリティスコア:1)

t-co2

t-co2

GHG排出量(データクオリティスコア:2)

t-co2

t-co2

GHG排出量(データクオリティスコア:3)

t-co2

t-co2

GHG排出量(データクオリティスコア:4)

57,220

t-co2

58,909

t-co2

GHG排出量(データクオリティスコア:5)

t-co2

t-co2

合計

57,220

t-co2

58,909

t-co2

加重平均データクオリティスコア

4.0

 

4.0

 

 

 

 

データ

クオリティ

カテゴリー

具体例

アプローチ

 


Score 1

開示情報に基づく排出量

実際の排出量データ

(第三者機関認証あり)

個社

ベース

アプローチ

Score 2

実際の排出量データ

(第三者機関認証なし)

活動量データに基づく

推定排出量

エネルギー消費量等のデータに基づく推定排出量

Score 3

生産量などデータに基づく

推定排出量

Score 4

財務指標に基づく

推定排出量

各企業の売上高データに基づく

推定排出量

セクター

平均

アプローチ

Score 5

各企業の資産データに基づく

推定排出量

 

 

c.事業ローン

炭素関連資産

エネルギー

運輸

業種

電力・

ユーティリティ

石油・ガス

石炭

旅客空輸・航空貨物

海運

陸運

自動車

鉄道・輸送

Scope1+2

(Mt-co2)

(注1)

3.9

7.8

0.0

0.1

4.6

3.2

0.8

0.2

 

 

 

炭素関連資産

素材・建築物

農業・食料・林産物

その他

業種

金属

鉱業

化学

建材

資本財

不動産管理・開発

(注2)

飲料

食品

農業

紙・林産物

その他

Scope1+2

(Mt-co2)

(注1)

8.7

0.3

4.6

8.3

0.9

0.5

3.3

0.1

0.3

52.5

 

(注)1 Mt-Co2=1,000,000t-co2

   2 住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)を除く。

(注) Scope3カテゴリー15計測に関する補足(住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)、事業ローン)

・Scope3カテゴリー15(投融資)につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、現在、第三者保証機関による検証作業中となっております。そのため検証結果により2024年3月期の算定結果が変更になる可能性がございます。

・PCAFスタンダードのメソドロジーの変更・高度化や、計測・目標設定上の実務的な基準(各種定義・計測範囲・時点等)の明確化等により、将来的に計測方法を変更する可能性があります。その場合には、変更点を明らかにした上で計測結果を開示していきます。

・事業ローンの計測については推計値(score4)となっているため、取引先の実際の排出量とは少なからず乖離があります。今後は取引先とのエンゲージメントを通じてGHG排出量の削減に努めてまいります。

 

 

(エ)環境問題に対する新たなサービスや当行内の取り組み状況

a.住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)のScope3削減について

・全国と沖縄県の部門別二酸化炭素排出量(2020年度)の排出構成を比較すると、沖縄県の産業構造が全国と比べて製造業の割合が小さいという地域性から、産業部門が全国では34%を占めているのに対し、沖縄県では12%となっています。

・一方、沖縄県では民生部門(民生家庭部門、民生業務部門)が47%と、全国(33%)と比べて高い割合を占めており、家庭から排出される二酸化炭素を抑制することで、ある一定の排出量抑制が期待できます。

・また当行の融資ポートフォリオは住宅ローンおよびアパートローン等のレジデンス関連融資が6割を占めているため、レジデンス関連融資先のGHG排出量を削減することで社会全体にインパクトが与えられると認識しております。

・当行は沖縄県の特徴、マーケット、課題等に適した脱炭素社会実現の取り組みとして、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)や建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)に合致する建物建築を推進することで、沖縄県全体のGHG排出量削減に寄与してまいります。

・また金融機関において、投融資先のGHG排出量削減は重要であると認識しています。

・計測および削減に向けた目標設定はチャレンジングな課題と考えており、引き続きサステナビリティ委員会で検討や議論を深めたうえで削減目標を開示してまいります。

 

沖縄県の排出構成(2020年度)

全国の排出構成(2020年度)

 


 


 

 

当行の貸出金使途別残高割合(2023年度)

 


 

 

b.PRB(責任銀行原則)署名

2024年3月29日、持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定と整合した事業活動を銀行に促すことを目的に、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱する「責任銀行原則(PRB=Principles for Responsible Banking)」に署名しております。

※国内の地方銀行(地方銀行グループ)が署名するのは琉球銀行が3番目となります。

 

 

c.りゅうぎんグループ自身の脱炭素化

温室効果ガス排出量削減目標の前倒し達成

■省エネ設備の導入加速

■浦添ビル(ITセンター)の省エネ化

■ZEB認証店舗の拡大

 ※2024年3月時点:6店舗取得済

■再生可能エネルギー創出

 設備の取得検討


 

d.地域の脱炭素化支援

地域のZEH普及へのリーダーシップ発揮

ZEH普及に関するアライアンス「ZEP-Ryukyu」を2022年に発足。

※2024年3月末で115社加盟


J-クレジット運営管理事業へ参入

J-クレジット※の地域内循環による脱炭素化の推進を目的として、 2023年全国の銀行で初めてJ-クレジット運営管理事業へ参入。


※J-クレジット制度:省エネ設備や再生可能エネルギー設備等の活用による
温室効果ガスの排出削減量などをクレジットとして国が認定する制度

e.イニシアチブへの参画


 

 

(2)人的資本に関する開示

①人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略(当行)

事業環境の変化、顧客ニーズの多様化が加速する中で、経営理念を実現するための経営戦略も絶えず進化を続けています。経営戦略と連動した人事戦略実践のため、価値の源泉である人材の獲得、専門人材への育成、戦略的配置による人材ポートフォリオの最適化、高度化を図ります。また、多様な価値観やライフスタイルを持つ職員のエンゲージメント、ウェルビーイングの向上も経営理念の実現に欠かせない要素であると位置付け、各種人事施策を展開してまいります。

図1


 

(ア)人材育成方針

a.『自身の強みを磨き上げる』

職員一人ひとりの強みを磨き上げ、成長し続けるための人材育成を行っています。育成段階に応じて必要なスキルを身につけられるよう、効果的な育成施策を実施しています。

 

○若手行員の集中的な研修プログラム

近年の採用の増加により経験の浅い若年層が厚みを増しています。若年層の健全かつ早期の育成が、地域に提供するサービス、ソリューションの源泉であり、当行が目指すサービスの高度化を図るための重要項目の一つだと考えています。

 

取り組み概要

新入行員から3年目までの若手研修

2023年度から若手行員の研修プログラムをブラッシュアップし、1年目の集中的な研修プログラム実施期間後も、3年目まで段階的に育成しています。

プログラム組成においては、1年目から「事業性フィールド」「リテールフィールド」の2つの育成フィールドに分け、インプットとアウトプットを繰り返し、成長実感を得ながら進めていく実践的な業務研修と、今後の成長をイメージできる中長期的なキャリアを意識したプログラムを実施しています。

また、PCスキルなどのビジネススキル研修の実施等、現場実践ではカバーできない業務スキルや教養を習得する場を設けています。

新入行員に対しては、年5回のフォローアップ面談を人事部および所属店上司等で実施し、成長をサポートしています。

 

図2


 

○自律的に学習する環境整備・リスキリングの促進

銀行内の研修プログラム以外にも職員が自律的に学習する環境整備を進めています。

自律的に学ぶ体制、自己啓発の支援策も充実させており、学び続ける職員と学びを応援し続ける会社が伴走することで、学びの持続可能性を高めております。

 

取り組み概要

2023年度実績

キャリア形成
支援

行内で実施される若手向けの研修の中で、一部自身のキャリアを意識させるカリキュラムを実施しています。

中堅行員へは、スキルに応じた業務研修以外に、今後のキャリアとライフプランを考えるキャリアデザイン研修を実施しています。

また、職員が自ら希望する職務へ応募できる公募制による配置も実施しています。

キャリアデザイン研修

受講者累計

58名

公募制による人材配置

7名

自己啓発
計画書の制定

職員一人ひとりが、高度な専門知識を自律的かつ計画的に習得することを後押しするため、自身で選定した資格取得や講座受講の費用を補助する自己申告制の支援制度を実施しています。

活用実績は、2022年度5名、2023年度は10名と増加しています。

活用実績

10名

取得資格実績

 

・クレカウンセラー(注)

・統計学検定 等

資格検定試験の受験支援、資格取得斡旋

金融検定やIT関連の試験、公的資格取得等の推奨資格取得にかかる受験料や資格維持にかかる費用などを補助しています。

 また公募制により、IT資格等の取得を推進しています。

補助額実績

13,070千円

資格取得斡旋実績

ITコーディネーター

Eラーニングの充実

銀行内ポータル動画掲載サイト「RYU-TUBE」にて、学習動画を掲載しています。職場のPCのみならず、全職員に貸与しているスマートフォンでも視聴することが可能で、隙間時間で学習できるようにしています。

動画本数

707本

50歳以上対象施策

50歳達齢者には、ライフプランセミナーを実施し、60歳からの働き方を考える研修を行っています。今後の働き方を考える中で、リスキリングを促進しています。

また、マネジメント力のさらなる向上、金融業を超えた幅広い知見や高い視座の獲得を図るため、管理職向けの動画研修BBTパーソナライズを導入しており、60歳以降のキャリア展開に活かしています。

ライフプランセミナー

受講者累計

60名

 

(注)クレカウンセラーとは、一般社団法人日本クレジット協会が認定する資格となります。

 

資格保有者

 

項目

2022年度実績

2023年度実績

1

FP1級・CFP資格取得者

85

88

2

中小企業診断士

28

28

3

宅地建物取引士

100

101

4

不動産証券化マスター

5

5

5

証券アナリスト

6

6

6

クレカウンセラー

2

2

7

ITパスポート

227

258

8

キャリアコンサルタント

8

12

 

 

○スキルの可視化とスキル習得状況に応じた研修実施

タレントマネジメントシステムを用いて、営業店の職員層・管理職層のスキルを収集しております。研修プログラムの組成において、可視化されたスキルに応じた、効果的な研修を実施しています。

 

取り組み概要

2023年度実績

スキル判定と活用

・営業店の全職員層を対象に、営業店で必要とされる業務スキルを「事業性フィールド」「リテールフィールド」のそれぞれの育成フィールドに沿って96項目に分類し、スキル判定を実施しています。

・営業店管理職層に対しては、必要とされるマネジメントスキル等を55項目に分類し、スキル判定を実施しています。

・上司から行員本人に対して、スキル情報に基づいたフィードバックおよび育成目標の設定を行っています。

・可視化されたスキルデータは、行員本人・上司・人材育成担当部署で共有し、研修企画等の人材育成実施に活用しています。スキル状況を反映し、営業体制と成長環境の最適化を目指した人材配置も行っています。

実施回数

全職員

年2回

(9月・3月)

 

うち管理職層

年1回

(12月)

 

図3


 

 

○先端的な専門性を伸ばす取り組み

高度金融サービスを拡大するには、職員一人ひとりの専門性を高める必要があると考えています。専門人材の増加が営業現場のスキルアップにつながり、銀行全体のレベルアップにつながると考えるため、長期の研修・出向者数を増やしています。

 

取り組み概要

2023年度実績

積極的な

外部研修派遣

これまでの銀行業務だけでなく、新規事業領域に挑戦する人材も育成していきます。育成を目的とした外部への出向派遣など越境学習や、他社・異業種との交流を踏まえた研修への派遣などをこれまで以上に実施し、幅広い専門スキルの習得機会を増やします。

派遣者数

36名

派遣終了後の

行内での活躍

積極的な外部研修派遣により、先端的なスキルを身に付けた職員が行内で活躍しています。継続的な研修派遣により高度な専門スキルを持つ職員が増加しており、法人向けサービスやカードビジネス関連における手数料収入は増加しています。

図5、図6、図7参照

 

図4


図5


 

 

 

図6


 

 

図7


 

 

b.『個の力を組織の力に』

一人ひとりの磨き上げた力を結束し、チームが一丸となることで、より高いパフォーマンスを発揮することができます。管理職のマネジメントを中心として、組織と個人のビジョンを重ねるためのコミュニケーションを重視しています。

 

○管理職マネジメントスキル強化

各職位に必要とされるスキルを意識した研修を実施しています。

図8


 

取り組み概要

2023年度実績

新任部長・
営業店ブロック長研修

経営者としての視野を拡げ、視座を高めることを目的に、新任部長・営業店ブロック長を対象に研修を実施しています。研修受講前にアセスメントを行い、アセスメント結果に基づいた個別カリキュラムを受講することで研修効果を高めています。

・PLIアセスメント

「適正・資質・価値観・モチベーション」と「行動特性」を統合的・多面的に測定、自己理解を深める。

・BBTパーソナライズ

アセスメント結果に基づき、受講生一人ひとりのニーズ・課題に沿った、個別対応カリキュラムを実施。動画受講+レポートの提出も行う。

実施期間

 

3か月

 

 

うち

動画視聴時間

60時間

受講人数

累計

34名

新任管理職向け研修

新任の初期段階から体系的な研修を行うことで、偏った知識に頼ることのないマネジメント力を醸成しています。

・自身の特性と他者を理解する手法を学び、対人面を強化する研修。

・管理職としての問題解決力や意思決定、業績管理を考え抜くインバスケット演習と、部下職員との面談ロープレ等を踏まえた、実践的な研修。管理職としての業務PDCAや育成等の体系を学習する動画研修。
・自身の経験を振り返り、語る場を設ける。内省の機会を提供。

実施期間

 

1年

 

課題レポート等

実施回数

10回開催

 

受講人数

累計

12人

 

 

 

○対話機会の創出

従業員が組織の方向性に納得感をもって働くために、経営層の考えを従業員まで浸透させる施策を実施しています。

 

取り組み概要

2023年度実績

経営方針の浸透

経営トップの考えを全職員にダイレクトに伝えることを目的として、頭取が営業店長会議にて経営方針を発表する様子をライブ配信しています。

組織ビジョンの浸透や経営方針の周知などを目的として、役員が全営業店や本部部署を回り、質疑応答を中心としたディスカッション形式の説明会を開催しています。

説明会

実施回数

93回

役員・部長合宿

全取締役(社外含む)、全監査役(社外含む)、全部長、全グループ会社社長が参加する宿泊研修を実施しています。

外部講師による講義に加え、同講義内でグループディスカッション等を行い、各種知見を深めつつ、経営層同士の相互理解や連携強化につなげています。

開催回数

年1回

 

 

(イ)社内環境整備

経営戦略を支える人材の獲得、多様な人材の能力を最大限に活かす社内環境を整備します。

 

a.  Diversity〈多様な人材の獲得〉

新卒採用のみならず、キャリア採用や地銀人材バンク(注1)の活用など採用活動の幅を拡げ、多様な人材の獲得に努めています。

 

取り組み概要

2023年度実績

前年度比

社会人経験者採用

・コア人材のキャリア採用

 

2023年度の社会人経験者採用は一括採用、コア人材のキャリア採用は通年で実施しております。他にも地銀人材バンクでは他行勤務経験のある職員を採用しており、即戦力人材の確保とともに、異なる視点や経験を持つ人材を積極的に採用しております。

また、若手行員10名をリクルーターに任命し、新卒採用活動を強化するとともに、内定者への丁寧なフォローアップにより入行前の不安解消に努めております。

社会人経験者

採用人数

26名

+7名

コア人材の

キャリア採用人数

4名

+1名

地銀人材バンク

採用人数

1名

±0名

正社員登用

臨時職員の正社員登用を継続的に実施しております。臨時職として採用されたキャリアやバックグラウンドの違う多くの職員が、正社員として活躍しています。

正社員

登用人数

16名

+1名

チャレンジ(障がい者)雇用

障がいのある職員が、その能力や適性を存分に活かせるよう、様々な仕事の創出や特性に配慮した配置を行っています。

実際に文書配送センター、書庫センター等の文書管理業務や各部店の庶務担当として活躍しております。

雇用率(注2)

2.6%

+0.1%

 

(注)1 地銀人材バンク・・県外への転居により退職となる職員を転居先の地方銀行へ紹介し、キャリア
  の継続を支援する地方銀行間の枠組み。

   2 厚生労働省へ報告する障がい者雇用率は2.4%(2023年6月1日基準)となります。

 

b.  Equity〈公平な活躍機会(働きやすさの追求)〉

多様な働き方を実現するワークライフバランス両立支援施策の充実を図り、組織のパフォーマンス向上を目指します。

取り組み概要

2023年度実績

前年度比

働き方

職種や所属部署に関わらず誰でも利用できるテレワーク制度や、県内に2か所設置しているサテライトオフィスを活用し、所属部店以外で働くことができる環境を整備しています。BCP対策だけでなく、業務に集中する時間の創出、子育てや介護等と仕事の両立など、生産性向上に役立てています。

月平均所定外労働時間数

10.7
時間

▲1.3
時間

副業制度

職場外での各人の強みや専門的知識、スキルを磨く機会を支援するため、副業制度を導入しています。地域創生に関するアドバイザーやデザイン関連の分野で活躍するなど制度を活用する職員は徐々に増加しています。

活用実績

8名

±0

休暇制度

個々人の希望に合わせて1日単位、半日単位、時間単位で柔軟に取得可能な年次有給休暇制度を導入しております。他にも連続休暇制度や、有給休暇積立制度、不妊治療など様々なライフイベントに利用可能な「ライフデザイン休職」など、休暇制度の充実を図っています。

有給休暇平均取得率(全職員)

72.7%

+6.1%

有給休暇平均取得日数(全職員)

13.0日

+0.8日

男性育休支援

男性職員が取得する産後パパ育休や育児休業について、経済的負担を軽減するため、休業期間のうち4週間を有給としています。分割取得も可能としており、家庭環境や家族の要望に応じて柔軟に取得できる制度となっています。

また、2023年10月より支店支援部署へ営業店管理職経験者を2名配置し、男性管理職が育休を取得する際、その代替要員として営業店勤務する等、営業店サポート体制を拡充しております。限られた人員の中でも、安心して育児休業を取得できる環境を整備しています。

男性育休取得率

97.3%

+31.3%

企業主導型

保育所

子育て支援の取り組みとして、当行施設内に企業主導型保育所「にじいろたまご保育園」を設置しています。「手ぶら保育」を行う等特色ある保育内容で、育児と仕事の両立を支援しています。

定員充足率

92.6%

+14.8%

 

図9


 

 

 

c.  Inclusion〈個を活かした活躍〉

多様な価値観を持つ職員が、能力を十分に発揮し活躍できる環境・制度の充実化に注力しております。

 

取り組み概要

2023年度実績

前年度比

シニア層の活躍

当行では55歳になるとポストオフとなる、いわゆる役職定年制度を2018年4月に廃止しました。

また、2023年4月に行員の継続雇用制度の見直し、雇用形態を時給制のパートタイマ―から月給制の嘱託へ変更し、賃金水準を26%程度引き上げました。更には、継続雇用制度移行後もライン長(課長相当)としての活躍を可能としております。

60歳以上のライン長の人数

11名

+7名

女性活躍推進

~管理職および幹部候補者の育成~

管理職の多様性を促進するため、女性の活躍推進に取り組んでおります。

今年度は経営幹部候補者の育成として、役員がメンターとなり女性管理職を指導・育成する役員メンター制度を導入しました。毎月のメンタリングで、経営層の経験や知見などに触れることにより、さらに高い視座での考え方やリーダーシップ向上を目指します。

また、次年度に引き続き女性管理職者の育成として、管理職手前の女性職員を対象にマネジメント関連の研修プログラムを実施しております。

役員メンター制度受講者数

12名

マネジメントプログラム研修受講者数

16名

±0

女性活躍推進

~管理職登用~

昇格に必要な経験年数について、育児休業や介護休業の取得期間を差し引かないよう基準を変更するなど、女性職員が積極的にチャレンジできる環境を整えております。

女性管理職者比率

24.4%

+1.3%

 

うち支店長クラスの女性比率

11.5%

+0.2%

うち副支店長職以上に従事する女性比率(注)

26.7%

+1.1%

男女賃金差異への対応

同一職務による男女賃金差はありませんが、正規雇用労働者については管理職層の女性割合が低いこと、非正規雇用労働者では賃金の高い定年退職後の継続雇用者に男性が多いこと、全労働者では非正規雇用労働者における女性割合が大きいことが男女賃金差異の要因と捉えています。

男女賃金差異

61.7%

+3.4%

全労働者

 

うち正規雇用

67.9%

+0.9%

既に取り組みを強化している女性職員のキャリアアップ支援、管理職登用、臨時職の正社員登用を積極的に推進することが、男女賃金差異の縮小につながると考えており、引き続き女性職員がその能力を最大限に発揮できる環境を整えていきます。

尚、今年度の非正規雇用労働者における賃金差異の縮小は、2023年4月に実施した継続雇用制度の見直しにより、賃金水準が改善した職員割合について、女性が多かったことによるものと分析しています。

 

うち非正規雇用

75.5%

+13.9%

 

(注)営業店は副支店長職以上、本部は課長職以上を対象としています。

 

 

 

〇えるぼし認定(3段階目)の取得

女性管理職者の育成や、昇格制度の改定などの取り組みが評価され、2023年4月女性活躍推進企業認定において「えるぼし認定(3段階目)」を取得いたしました。

 

 

図10


 

〇TSUBASAダイバーシティ&インクルージョン宣言

TSUBASAアライアンス参加行による「TSUBASAダイバーシティ&インクルージョン宣言」を実施し、参加行共同で研修を開催するなど、ダイバーシティに関する理解の浸透に努めています。

 

 

図11


 

 

〇ジェンダーダイバーシティへの理解促進

多様化する価値観への理解や、無意識の思い込み、差別の解消に努める職場づくりに注力しています。主に、管理職向けダイバーシティセミナーの実施、男性職員の育児休業取得推進、女性臨時職の正社員登用や、女性管理職割合の増加等に取り組んでいます。

また、福利厚生として導入している保養所利用において、同性パートナー等を家族扱いとするなど、セクシャルマイノリティへの対応を開始しています。

 

 

 

d.  Belonging〈組織への帰属意識〉

職員の状態を通した環境の可視化、その動的ウォッチを通じて常に改善策を講じるため、定期的なエンゲージメントサーベイ(従業員満足度調査)を開始しました。また、これらの人事戦略には、職員が心身ともに健康で高い意欲を持つことが重要であり、その実現のため、健康経営に積極的に取り組んでいます。

 

 

取り組み概要

2023年度実績

エンゲージメントサーベイの開始

2024年2月より、全従業員を対象としたエンゲージメントサーベイを開始しました。総合スコアは業種別平均スコア(ベンチマーク)+5ptの75点となりました。

今後継続して測定し、変動要因についての分析を行うことにより、職場環境の改善に向けた施策等の実施に取り組んでまいります。

 

回答率

98%

総合スコア

75点

セルフ・ヘルスケアの実現

職員自らが健康管理や健康保持に責任を持ち、主体的に取り組む「セルフ・ヘルスケア」をテーマとして掲げ、健康経営を実施しています。

施策のひとつとして、希望する全職員へウエアラブルデバイス(Fitbit)を貸与しています。自分の活動量や睡眠状況を知り健康維持・増進に役立てるとともに、職場全体で開催するウォーキングイベントの歩数計測に活用するなど、健康増進イベントでも積極的に活用しています。

これらの取り組みが評価され、「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人」に5年連続認定されました。また、本年は認定法人のうち上位500社を表彰するホワイト500の認定となりました。

健康経営優良法人2024

(ホワイト500)認定


スポーツに親しめる環境づくり

当行施設内に設置された体育館、スポーツジムを活用したクラブ活動の積極的な支援やスポーツジムでのトレーニング指導、集団でのスタジオレッスンを開催し、スポーツに親しめる環境を作っています。このような取り組みが評価され、「スポーツエールカンパニー2024」の認定を受けました。

スポーツエールカンパニー

2024認定


 

健康経営に関する取り組みの詳細は、当行のホームページに記載しています。

 

健康経営|琉球銀行について|琉球銀行(りゅうぎん) (ryugin.co.jp)


 

 

 

②人材の育成及び社内環境整備に関する指標と目標(当行)

 

(ア)人材育成に関する指標および目標

 

項目

2022年度実績

2023年度実績

2024年度目標

1

外部研修派遣者数(注2)

31名

36名

42名

2

公募制による配置人数(注3)

5名

7名

5名

3

研修参加人数(注4)

3,382名

5,566名

5,400名

4

年間の総研修時間

14,868時間

20,195時間

23,800時間

5

従業員一人当たりの平均研修時間

10時間

13.5時間

16時間

6

年間の総研修費用

80,209千円

109,297千円

140,000千円

7

従業員一人当たりの平均研修費用

52千円

73千円

93千円

 

(注)1 人材育成に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である琉球銀行単体を対象としています。

   2 外部研修派遣者数は、2024年3月時点の出向者のうち、副参事未満かつ50歳未満の出向者および、研修登録している長期派遣者の合計を育成目的の外部派遣者として計上しています。(副参事:支店長クラスの経営者層)

3 公募制による配置人数は、行内の公募制を活用して異動配置を行った人数を計上しています。

4 行内開催研修の参加人数(延べ人数)は、業務時間内に開催した研修の参加人数について、研修後の受講報告件数をもとに算出した人数を計上しています。

 

(イ)社内環境整備に関する指標及び目標

 

項目

2022年度実績

2023年度実績

2024年度目標

1

チャレンジ(障がい者)雇用率(注2)

2.5

2.6

2.7%以上

2

3年以内の離職率

15.4

23.1

26.3%以下

3

有給休暇平均取得率(全職員)

66.6

72.7

60%以上

4

男性育休取得率

66.0

97.3

90%以上

5

女性管理職比率

23.1

24.4

24%以上

6

定期健康診断受診率

100

100

100%

7

定期健診後の精密検査受診率

48.7

43.2

65%以上

8

特定保健指導実施率

24.0

 

25%以上

9

喫煙率

7.6

6.7

7%以下

10

肥満度

37.4

38.0

35%以下

11

健康施策の従業員満足度(5点満点)

3.9

4.7

4点以上

12

ストレスチェック受検率

97.7

95.7

95%以上

13

高ストレス者率

4.5

4.9

7%以下

14

プレゼンティーイズム

78.9

77.9

80%以上

 

(注)1 社内環境整備に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である琉球銀行単体を対象としています。

   2 厚生労働省へ報告する障がい者雇用率は2.4%(2023年6月1日基準)となります。