人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,401名(単体) 1,794名(連結)
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平均年齢39.0歳(単体)
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平均勤続年数15.0年(単体)
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平均年収6,215,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社における従業員数
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、就業人員数を表示しております。
2 従業員数は、嘱託及び臨時従業員393人を含んでおりません。
3 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
(2) 当行の従業員数
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、就業人員数を表示しております。
2 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。
3 従業員数は、嘱託及び臨時従業員321人を含んでおりません。
4 当行の従業員数合計における臨時従業員数の年間の平均人員は156人であります。
5 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
6 当行の従業員組合は、琉球銀行労働組合と称し、組合員数は1,145人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。
7 当行は執行役員制度を導入しておりますが、当期末現在では該当者はおりません。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 当行
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合および男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 男女の賃金の差異
対象期間 :2024年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)
賃金 :基本給、超過労働に対する報酬等の各種手当、賞与を含み、退職手当等を除く
正規雇用労働者 :出向者については当行から社外への出向者を含み、他社から当行への出向者を除く
非正規雇用労働者:パートタイマー、嘱託を含み、派遣社員を除く
賃金差異について、各区分の男性を100%として算出しております。
4 数値の背景、差異の縮小に向けた取り組みについて、第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本に関する開示に記載しております。
② 連結子会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、管理職および女性労働者には嘱託及び臨時雇員を含めております。
2 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、育児休業を取得した男性労働者には期中で育児休業を取得し、期末までに在籍していない人を含めております。
3 従業員数は、嘱託及び臨時雇員を含めておりません。
4 嘱託及び臨時雇員を除く従業員の平均年齢を算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
<サステナビリティへの取り組み>
琉球銀行は、「地域から親しまれ、信頼され、地域社会の発展に寄与する銀行」であることを経営理念とし、地域社会の皆さまとともに、地元の発展に向けた企業活動を行っています。当行の営業基盤である沖縄県は、四方を海に、また豊かな森林やそこで生息する動植物など、多種多様な自然環境に恵まれており、観光業を中心に第三次産業を基盤とする経済圏を形成しています。しかし、近年は気候変動の影響を受け、沖縄県でも自然環境が少なからず破壊されています。
2021年、IPCCにおける気候変動の自然科学的根拠を担当する第1作業部会(WG1)が公表した第6次評価報告書では、「人間の影響が大気・海洋・陸域を温暖化させたことは疑う余地がない」と記載され、この気候変動は人為的な影響に基づくものだと明確に示されています。また、2023年3月にはIPCCによる第6次評価報告書統合報告書の政策決定者向け要約が公表され、「人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことは疑う余地がない」「継続的な温室効果ガスの排出は更なる地球温暖化をもたらし、短期のうちに1.5℃に達する」との厳しい見通しが示されました。
私たち金融機関は、投融資を通じて様々な企業および個人の活動の原動力となっています。そこで、金融機関が温暖化の抑制や廃棄物削減など、環境に配慮した健全な投融資活動を行えば、環境保全に大きく貢献できる一方、配慮しなければ環境破壊を助長することになってしまうと考えます。環境破壊は、観光業やサービス業などの第三次産業はもちろん、建設業、不動産業、製造業、農業、金融業などにも波及し、様々な企業や人々に多大な影響を及ぼします。これは、貧困など沖縄県が抱える社会的な問題の悪化を助長する可能性があります。つまり沖縄県においては、環境破壊は環境問題だけでなく社会的な問題に深刻に繋がっていくということです。
そこで私たち琉球銀行は、“地球環境の負荷軽減・再生”、“地域社会の発展、県民のより豊かな生活への貢献”を目標とし、地元の様々な企業や人々と協力しながら、密接に関連するこれら二つの課題解決に果敢に挑戦してまいります。
(1)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示
①ガバナンス(ESG関連の問題に対応するガバナンス体制)
(ア)サステナビリティ委員会
サステナビリティ委員会は、自然資本を含むESG対策等に関する方針・計画・成果指標の設定および取組状況を確認し協議する機関として2021年10月に設立しました。
同委員会では、頭取を委員長、総合企画部担当役員を副委員長、委員に関係各部の部長を任じ、ESG対策等の諸課題について四半期に1回議論され、取締役会への報告も四半期に1回行われています。
また、オブザーバーとして監査役や琉球銀行グループのシンクタンクであるりゅうぎん総合研究所のほか、全部店・全グループ会社より1名が毎回参加しております。
(イ)サステナビリティ小委員会
サステナビリティ小委員会は、関係各部で現状の取り組み状況を四半期に2回議論する機関として、2021年11月に設置しました。
同委員会では、琉球銀行グループおよび沖縄県の脱炭素化や気候変動の対応、自然資本の保護などのESG対策について議論しています。
(ウ)組織改正
気候変動問題への対策や従来から展開してきた地域貢献活動等をより推し進めるため、2021年10月にサステナビリティ推進室を新設しました。
②戦略
(ア)重要課題(マテリアリティ)と関係整理
“地球環境の負荷軽減・再生”と“地域社会の発展、県民のより豊かな生活”は相互に依存するものと想定しています。自然環境の破壊は沖縄県の主力産業に多大な影響を及ぼし、結果として貧困・低賃金などを助長する可能性があります。一方、生産性が低ければ十分な環境保全は望めないと考えられます。
琉球銀行は、環境・社会への影響を十分踏まえ投融資活動を行います。また、これまでにない金融サービスを提供し、地域社会の仕事をこなす力を底上げし、様々な社会的課題の解決を目指します。
実現に向けての要は、人材であり、高度なガバナンス機能です。誰もが平等に安心して働くことができる環境、持続可能な資源利用、積極的な地域社会との関わり、安全な金融商品の提供やリスクマネジメントの徹底が不可欠と考えます。
(イ)気候変動に関する当行の重要な移行リスク、物理的リスク、機会の認識
(ウ)TCFD提言の定義を踏まえた貸出金ポートフォリオに占める炭素関連資産の割合
(エ)移行リスクの重要セクター選定
脱炭素社会への移行により、当行のお客さまのビジネスに影響がおよぶリスクが想定されます。
当行では移行リスクを対象としたシナリオ分析を実施し、2050年までの影響を評価しました。沖縄県は亜熱帯海洋性気候の下、美しいサンゴ礁が発達した青い海と多様な野生生物が生息・生育する緑豊かな160の島々から構成され、国内有数の観光リゾート地であり観光産業を基幹産業としていることも考慮しました。
上記内容を踏まえ定性的な分析を行った結果、最も移行リスクの高いセクターとして「観光産業(宿泊業、飲食業、道路旅客運送業)」セクターおよび「電気・ガス・水道」セクターを特定しました。
(オ)重要セクターごとのシナリオ策定、気候変動リスク推移の定量評価
移行リスク
a.「観光産業(宿泊業、飲食業、道路旅客運送業)」セクターについて以下のシナリオを想定して評価しました。
(a)4つのシナリオを複合的に考慮した観光客減少シナリオ
Ⅰ.原油価格高騰による航空運賃の上昇に伴う観光コストの増加。
Ⅱ. 航空運賃以外の飲食・宿泊代金等の上昇に伴う観光コストの増加。
Ⅲ. 海外政府による渡航規制や海外旅行に対する世界的なマインドの低下。
Ⅳ. サンゴの白化現象の発生頻度の増加に伴うダイビング等を目的とした観光客の減少。
(b)突発的に発生する与信関係費用
Ⅰ.地球温暖化に伴い、新型コロナウィルスのような、疫病・感染症等の発生頻度が増加。
b. 「電気・ガス・水道」セクターについては以下のシナリオを想定しました。
・炭素税導入によるコスト増、エネルギー転換による大幅なビジネスモデルの転換や設備投資が急務であり、移行リスクが大きいと考えられます。
(カ)気候変動リスクの定量評価
物理的リスク
気候変動に伴う異常気象の増加により、当行のお客さまのビジネスにおよぶリスクや当行所有の各営業店設備に対するリスクが想定されます。
沖縄県は北西太平洋や南シナ海で発生した台風が接近するため風水被害が多い土地です。また、河川は他都道府県と比較し、流路延長が短く降雨は海へ直接流出するという特徴があるほか、流域面積が小さく、貯水能力が小さいことから洪水リスクが存在します。
よって、台風・豪雨等の風水害による当行不動産(建物)担保の担保価値影響額および当行各営業店における設備等への被害額を分析の対象としました。
ハザードマップ情報、治水経済調査マニュアルのデータや2℃シナリオ・4℃シナリオに基づく将来的な台風による被災状況に関する試算等を踏まえ、2050年までの物理的リスクの分析を行いました。
(キ)気候変動リスクの定性評価
参考:移行リスク
サンゴの白化減少の発生頻度の増加に伴う影響の定量評価
沖縄県は、美しいサンゴ礁に囲まれた160の島々から構成されており、ダイビング等を目的とした観光客も多く来県します。
地球温暖化に伴う海水温の上昇によりサンゴの白化現象の発生頻度が増加した場合、それに伴う観光客の減少が懸念され、投融資先のビジネスに影響がおよぶリスクが想定されます。
下図の通り、2024年までのおよそ100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.33℃/100年となっており、サンゴの白化が起こった年には平年以上に海水温が高くなっております。
サンゴの白化現象の発生頻度が増加することによる当行への影響額は、移行リスクに伴う与信関係費用の増加分:最大約110億円のうち約12億円と試算しました。
③リスク管理
(ア)サステナブル投融資方針の策定について
気候変動問題、少子高齢化や人口減少による地域活力の低下、事業後継者不足による廃業の増加など、環境・社会的な課題が地域の持続可能性を脅かすものとなりつつあります。
琉球銀行グループは、これまでも持続可能な地域社会の実現に取り組んできましたが、この取り組みをさらに力強く推し進めるため、今般、「サステナブル投融資方針」を定め、これに基づいた投融資を推進いたします。
(イ)環境・社会・経済に肯定的で前向きな影響を与える事業への方針
以下に例示する事業等に対しては、積極的に投融資してまいります。
・気候変動リスクを低減する省エネルギー・再生可能エネルギー事業
・企業の脱炭素化社会への移行対応
・地域経済の持続的発展に資する創業・イノベーション創出・事業承継
・高齢化、少子化等の課題に対応する医療・福祉・教育の充実
・持続可能な社会の形成にポジティブな影響を与える事業
(ウ)環境・社会・経済に負の影響を与える可能性が高い事業への方針
以下に基づき適切に対応することで、環境・社会への影響を低減・回避するよう努めます。
a. 石炭火力発電事業
・沖縄県では地理的・地形的、ならびに系統規模の制約から水力・原子力発電等の開発が難しいため、火力発電に頼らざるを得ないことや、再生可能エネルギーの出力変動性を補う調整力や慣性力対応として一定規模の火力発電が必要であることから、石炭火力発電は引き続き重要な役割を果たすと考えられます。新たな石炭火力発電所建設事業に対する投融資は原則として行いませんが、沖縄エリアの構造不利性を踏まえ、石炭火力発電事業に対する投融資は、環境、地域、社会への影響や発電効率性能等(CCUS(注1) 、混焼等の技術など)を総合的に勘案したうえで、慎重に取り組みを検討します 。
※(注1)二酸化炭素回収・利用・貯留技術(Carbon dioxide Capture,Utilizationand Storage)
b. 兵器製造関連事業
・核兵器・化学兵器・生物兵器等の大量破壊兵器や対人地雷・クラスター弾等の非人道的な兵器の開発・製造・所持に関与する先や、国内外の規制・制裁対象となる先、またはそのおそれのある先への投融資は行いません。
c. パーム油農園開発事業・森林伐採事業
・環境保全や人権保護の観点から、パーム油農園開発事業への投融資については、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)等の認証取得状況などを考慮し慎重に判断します。
・森林伐採事業に対する投融資に関しては国際認証の取得状況や環境に対する配慮などを考慮し慎重に判断します。
(エ)セクター全体にかかる取組方針
・「人身売買等の人権侵害への加担」や「児童労働や強制労働」への直接的または間接的な関与が認められる企業との投融資取引は行いません。
・「ラムサール条約指定湿地」「ユネスコ指定世界遺産」に重大な負の影響を及ぼす事業、「ワシントン条約」に違反する事業には投融資は行いません。
④指標と目標
(ア)当行グループにおけるScope1・2のGHG(温室効果ガス)排出量と削減目標
a.Scope1・2のGHG排出量
・琉球銀行グループでは、営業店のZEB化や営業店照明のLED化、老朽化空調機を効率化空調機へ更新するなど、GHG排出量の削減に積極的に取り組んでいます。
・2021年11月に導入した、沖縄電力が提供する非化石証書を用いた再生可能エネルギー由来の電力「うちなーCO2フリーメニュー」の使用量を加味した2024年度GHG排出量は3,917t-co2(2013年度比約64.7%削減)となりました。
b.削減目標
・Scope1・2のGHG排出量を2027年度までに100%削減します。
※2021年度以降のGHG排出量は、沖縄電力が提供する非化石証書を用いた再生可能エネルギー由来の電力「うちなーCO2フリーメニュー」の使用量を加味したGHG排出量を記載しております。
※2022年度、2023年度のGHG排出量につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、第三者保証機関による保証を受けております。
※2024年度のGHG排出量につきましては、現在、第三者保証機関による検証作業中です。検証により2024年度のGHG排出量を修正する可能性がございます。
(イ)当行におけるScope3カテゴリー1~15GHG(温室効果ガス)排出量 (t-co2)
※2021年度のScope3カテゴリー15(投融資)の排出量は住宅ローンおよび商業用不動産(アパートローン)のみ算出。
※2022年度、2023年度のGHG排出量につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、第三者保証機関による保証を受けております。
※2024年度のGHG排出量につきましては、現在、第三者保証機関による検証作業中です。検証により2024年度のGHG排出量を修正する可能性がございます。
※2024年度のGHG排出量は、GHG排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle FE」を利用して算定しました。Scope3カテゴリー15(投融資)の算定で用いる排出係数が2023年度までと異なるため、数値に大幅な変動が生じていますが、今後は2024年度の数字を基準としてGHG排出量を算定し、削減に取り組みます。
(ウ)当行におけるScope3カテゴリー15(投融資) GHG(温室効果ガス)排出量
対象としたセクター:住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)、事業ローン
a.住宅ローン
※2023年度のGHG排出量につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、第三者保証機関による保証を受けております。
※2024年度のGHG排出量につきましては、現在、第三者保証機関による検証作業中です。検証により2024年度のGHG排出量を修正する可能性がございます。
※住宅ローンのGHG排出量につきましては、当行住宅ローンにおけるZEH専用住宅ローン(データクオリティスコア:3)の割合を高めることで削減に努めます。
b.商業用不動産(アパートローン)
※2022年度、2023年度のGHG排出量につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、第三者保証機関による保証を受けております。
※2024年度のGHG排出量につきましては、現在、第三者保証機関による検証作業中です。検証により2024年度のGHG排出量を修正する可能性がございます。
c.事業ローン ※2024年度(TCFDの開示推奨セクターを参考に分類)
※住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)を除く。
※Scope3カテゴリー15計測に関する補足(住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)、事業ローン)
・2024年度のGHG排出量は、GHG排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle FE」を利用して算定しました。Scope3カテゴリー15(投融資)の算定で用いる排出係数が2023年度までと異なるため、数値に大幅な変動が生じていますが、今後は2024年度の数字を基準としてGHG排出量を算定し、削減に取り組みます。
・2024年度のScope3カテゴリー15(投融資)につきましては、現在、第三者保証機関による検証作業中です。検証により2024年度のGHG排出量を修正する可能性がございます。
・PCAFスタンダードのメソドロジーの変更・高度化や、計測・目標設定上の実務的な基準(各種定義・計測範囲・時点等)の明確化等により、将来的に計測方法を変更する可能性があります。その場合には、変更点を明らかにした上で計測結果を開示していきます。
・事業ローンの計測については推計値(加重平均DC:3.7)となっているため、取引先の実際の排出量とは少なからず乖離がございます。今後は取引先とのエンゲージメントを通じてGHG排出量の削減に努めてまいります。
(エ)目標
琉球銀行グループはGHG(温室効果ガス)排出量の削減に向けて以下の目標を設定し、段階的な目標達成を目指しています。
Scope1・2の排出量について、2025年4月に削減目標を修正し、沖縄電力が提供する非化石証書を用いた再生可能エネルギー由来の電力「うちなーCO2フリーメニュー」の導入拡大等により、2027年度までにカーボンニュートラル達成を目標に掲げています。
さらに、Scope3においても、2050年度までにカーボンニュートラルを目標とし、特に住宅ローンに関連する排出量については、2030年度までに2021年度比で35%削減することを掲げています。
加えて、サステナブル投融資についての目標は、2023年度から2030年度までに、5,000億円の投融資を行うことを掲げています。
これらの目標は、事業の持続可能性と地域経済の発展を両立させるための重要な指標であり、目標の達成を通じて環境負荷の低減に取り組んでまいります。
(オ)Scope3カテゴリー15(投融資)GHG(温室効果ガス)の削減に向けた取り組みについて
・全国と沖縄県の部門別二酸化炭素排出量の排出構成を比較すると、沖縄県の産業構造が全国と比べて製造業の割合が小さいという地域性から、産業部門が全国では34%を占めているのに対し、沖縄県では11%となっています。
・一方、沖縄県では民生部門(民生家庭部門、民生業務部門)が52%と、全国(32%)と比べて高い割合を占めており、家庭から排出される二酸化炭素を抑制することで、一定の排出量の抑制が期待できます。
・また当行の融資ポートフォリオは住宅ローンおよびアパートローン等のレジデンス関連融資が約6割を占めているため、レジデンス関連融資先のGHG排出量を削減することで社会全体に一定のインパクトが与えられると認識しております。
・当行は沖縄県の特徴、マーケット、課題等に適した脱炭素社会実現への取り組みとして、ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)や建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)に合致する建物建築を推進することで、沖縄県全体のGHG排出量削減に寄与してまいります。
・また金融機関において、Scope3カテゴリー15(投融資) GHG排出量削減は重要であると認識しているため、サステナビリティ委員会で検討や議論を重ね、2025年3月にカテゴリー15(投融資)を含めたScope3GHG排出量の削減目標を掲げました。
・目標の達成に向け、事業ローンについても、取引先とのエンゲージメントを通じてScope3GHG排出量の削減に努めてまいります。
(カ)移行計画
・2025年3月、琉球銀行グループは脱炭素化や気候変動への対応について、具体的にどのように取り組むかを示す「移行計画」を策定しました。
・移行計画を策定する目的は、環境対応にとどまらず、持続可能な経済成長と地域課題の解決を両立させることにあります。
✓琉球銀行グループにおけるカーボンニュートラル実現の道筋を明確化
➢2050年度のカーボンニュートラル達成に向けた中長期的なロードマップを策定し、具体的な削減施策を示します。
✓ステークホルダーとの協働による円滑な移行
➢企業・自治体などと連携し、地域の脱炭素化を加速します。
✓透明性の向上と信頼性の維持
➢ステークホルダーに対し、移行計画の進捗や対応状況を適切に開示し、透明性を向上させることで信頼性を維持します。
※移行計画の詳細は、琉球銀行ホームページでご参照ください。
(https://www.ryugin.co.jp/common/uploads/ecarbonization_plan.pdf)
(キ)PRB(責任銀行原則)署名
・2024年3月29日、持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定と整合した事業活動を銀行に促すことを目的に、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱する「責任銀行原則(PRB=Principles for Responsible Banking)」に署名しました。
※国内の地方銀行(地方銀行グループ)が署名するのは琉球銀行が3番目です。
(ク)地域課題解決の先導(サステナビリティに向けた取り組み)
・カーボンニュートラルへの取り組みをはじめとしたESG経営の実践により、沖縄県の自然環境の保護や持続可能な地域社会の実現に貢献します。
(2)人的資本に関する開示
①人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略(当行)
当行は経営理念の実現に向けて、事業環境の変化と顧客ニーズの多様化に対応するため、絶えず経営戦略を進化させ続けています。また、経営戦略と連動した人事戦略実践のため、頭取を委員長とした人材育成委員会を設置し、価値の源泉である人材の獲得、専門人材への育成、戦略的配置による人材ポートフォリオの最適化、高度化を図ります。併せて、多様な価値観やライフスタイルを持つ職員のエンゲージメント、ウェルビーイングの向上も経営理念の実現に欠かせない要素であると位置付け、各種人事施策を展開してまいります。
図1
②経営戦略と人事戦略の連動
(ア)戦略的人材ポートフォリオの構築
高度金融サービスの提供や新規事業領域への挑戦に向け、研修目的の外部出向を増やすなど職員の幅広い専門スキル習得機会を増やしています。2024年度研修派遣者数は52名となっており、今後も研修派遣者数を維持していきます。動的な人材ポートフォリオ構築のため、経営戦略に連動させ、順次見直しを行い、最適化、高度化を図っていきます。
図2
③人材育成及び社内環境整備
(ア)人材育成方針
a.『自身の強みを磨き上げる』
職員一人ひとりの強みを磨き上げ、成長し続けるための人材育成を行っています。育成段階に応じて必要なスキルを身に付けられるよう、効果的な育成施策を実施しています。
近年の採用増加により若手職員の層が厚くなっています。サービスの高度化を目指す中で、若手層の健全かつ早期の育成が今後5~10年の組織の強化につながるとともに、 地域へのサービス・ソリューション提供の基盤となるため、重要項目として位置づけています。
図4
人材育成を制度面(育成プログラムの体系化・環境づくり)、心理面(学ぶ意識・意欲への豊かな土壌づくり)、設計面(育成支援フローの構築)の3点を意識して取り組みを行っています。若手層には業務スキルと基礎ビジネススキルの定着を優先し、3年以内で標準レベルまでの引上げを支援しています。中堅層以上には自発的・自律的な学びを推進し、学びの幅を広げてもらい、高度な専門性を自主的につける支援をしています。
図5
〇若手行員の集中的な研修プログラム
近年の採用増加に伴う若手層の育成に対し、各種プログラムを実施しています。
<3年育成プログラム>
図6
できる業務を増やす‘’成長実感‘’と2~3年後の業務をイメージできる‘’成長予感‘’を得られるカリキュラムを実施するとともに、各段階で求められる業務スキルとビジネススキル、ヒューマンスキルの両方を習得できるカリキュラムを実施しています。
図7
<事業性営業担当者のスキルアッププログラム>
〇専門人材の育成
競争の激しい市場で勝ち抜く他社にない独自の能力確保(競争優位の確立)、リソースを最も効果的に活用するための能力確保(効果的な資源配分)、経営環境の変化に柔軟に対応できる能力確保(組織の柔軟性と適応力)が重要であり、その能力を育成する環境の確保も重要だと考えています。
<外部出向派遣>
高度金融サービスを拡大するには、職員一人ひとりの専門性を高める必要があります。また、盤石な業務基盤構築のために、他業種の知見を取り入れることでより多角的な視点を持つことが必要だと考えています。専門人材の増加が営業現場のスキルアップにつながり、銀行全体のレベルアップにつながると考えるため、長期の研修・出向者数を増やしています。
(外部研修派遣先内訳:2024/4~2025/3)
(外部研修派遣終了後の配置:2024/4~2025/3)
研修派遣者と収益の連動
<デジタル人材の育成>
デジタル技術は常に進化しており、システムと業務の一体化は加速しています。
サービスの提供を検討するうえで、データ利活用やシステム導入スキルは不可欠だと考えています。昨今デジタル化について課題を持っている取引先企業も増加しており、その支援も重要だと捉えています。
デジタル人材の育成にあたって、分野毎、役割毎に必要なスキルや目指す人物像を明確にしています。行員のデジタルスキルやマインドを可視化し、レベルに合った人材育成を進めています。
図10
今年度初めて、全職員向けDXアセスメントを実施。
全職員のITリテラシーおよびデジタルマインドを可視化しています。
DXアセスメント結果を活用しながらデジタル人材育成研修を実施しています。
〇キャリア自律制度
専門人材を確保・定着させるため、またスタッフ職として専門性を磨いていくことを希望する職員の働きがいやモチベーション向上のため、マーケットバリューに合った専門コースを2025年4月新設しました。併せて、職員一人ひとりが主体的に考動し、目指すポジションに挑戦できるよう自律的なキャリア形成を行う機会を提供するため、キャリア自律制度(マイキャリア)を新設しています。
〇自律的に学習する環境整備・リスキリング
銀行内の研修プログラム以外にも職員が自律的に学習する環境整備を進めています。
自律的に学ぶ体制、自己啓発の支援策も充実させており、学び続ける職員と学びを応援し続ける会社が伴走することで学びの持続性を高めています。
2024年度には「学ぶ企業文化の再構築プロジェクト」を発足し、学びに対する新たな取り組みを実施しています。
<新たな取り組み>
〇りゅうぎんグループ連携強化
地域経済の好循環サイクルを実現し、地域とともに成長する金融グループを目指しています。グループ企業の連携を強化することで、りゅうぎんグループの金融機能拡充による取引先への貢献が図れると考えています。
b.『個の力を組織の力に』
一人ひとりの磨き上げた力を結束し、チームが一丸となることで、より高いパフォーマンスを発揮することができます。管理職のマネジメントを中心として、組織と個人のビジョンを重ねるコミュニケーションを重視しています。
〇管理職マネジメントスキル強化
各職位に必要とされるスキルを意識した研修を実施しています。
○対話機会の創出
従業員が組織の方向性に納得感を持って働くために、経営層の考えを従業員まで浸透させる施策を 実施しています。
(イ)社内環境整備
経営戦略を支える人材の獲得、多様な人材の能力を最大限に活かす社内環境を整備します。
a. Diversity〈多様な人材の獲得〉
新卒採用やキャリア採用など採用活動の幅を拡げ、多様な人材の獲得に努めています。
(注)厚生労働省へ報告する障がい者雇用率は2.52%(2024年6月1日基準)です。
b. Equity〈公平な活躍機会(働きやすさの追求)〉
多様な働き方を実現するワークライフバランス両立支援施策の充実を図り、組織のパフォーマンス向上を目指します。
図11
(注)育休取得平均日数は、2021年度より集計を開始しています。
c. Inclusion〈個を活かした活躍〉
多様な価値観を持つ職員が、能力を十分に発揮し活躍できる環境・制度の充実化に注力しております。
(注)営業店は副支店長職以上、本部は課長職以上を対象としています。
〇TSUBASAダイバーシティ&インクルージョン宣言
TSUBASAアライアンス参加行による「TSUBASAダイバーシティ&インクルージョン宣言」を実施し、参加行共同で研修を開催するなど、ダイバーシティに関する理解の浸透に努めています。
図12
〇ジェンダーダイバーシティへの理解促進
多様化する価値観への理解や、無意識の思い込み、差別の解消に努める職場づくりに注力しています。主に、管理職向けダイバーシティセミナーの実施、男性職員の育児休業取得推進、女性臨時職の正社員登用や、女性管理職割合の増加等に取り組んでいます。
また、福利厚生として導入している保養所利用において、同性パートナー等を家族扱いとするなど、セクシャルマイノリティへの対応を開始しています。
d. Belonging〈組織への帰属意識〉
職員の状態を通した環境の可視化、その動的ウォッチを通じて常に改善策を講じるため、定期的なエンゲージメントサーベイ(従業員満足度調査)を開始しました。また、これらの人事戦略には、職員が心身ともに健康で高い意欲を持つことが重要であり、その実現のため、健康経営に積極的に取り組んでいます。
健康経営に関する取り組みの詳細は、当行のホームページに記載しています。
④人材の育成及び社内環境整備に関する指標と目標(当行)
(ア)人材育成に関する指標および目標
(注)1 人材育成に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である琉球銀行単体を対象としています。
2 外部研修派遣者数は、各年度4月1日から3月31日までの出向者のうち、副参事未満かつ50歳未満の出向者および長期派遣者の合計を育成目的の外部派遣者として計上しています。(副参事:支店長クラスの経営者層)
3 公募制による配置人数は、行内の公募制を活用して異動配置を行った人数を計上しています。
4 行内開催研修の参加人数(延べ人数)は、業務時間内に開催した研修の参加人数について、研修後の受講報告件数をもとに算出した人数を計上しています。
(イ)社内環境整備に関する指標及び目標
(注)1 社内環境整備に関する指標及び目標は、グループの主たる事業会社である琉球銀行単体を対象としています。
2 厚生労働省へ報告する障がい者雇用率は2.52%(2024年6月1日基準)です。