2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 11,289 100.0 694 100.0 6.1

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び子会社1社から構成されており、その主たる事業は、有価証券の売買等及び売買等の受託、有価証券の引受け及び売出し、有価証券の募集及び売出しの取扱い、その他の金融商品取引業であります。国内金融商品取引市場を中核として営業拠点を設け、投資・金融サービスを提供しております。

事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当社グループの業績は、米国景気の先行きに対する期待や不安、日銀の利上げ、トランプ政権への期待や政策の不透明感などから日米の株式相場が大きく乱高下する環境の中で投資信託の代行手数料、米国株取扱手数料や金融収支が増加しましたが、日本株委託手数料や投資信託の募集手数料が大幅に減少しました。ただし、固定資産の減損及び繰延税金資産の計上の前提となる将来収支計画の見積りに関しては、将来の不確実性等一定の影響を考慮して算定しております。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は緩やかな拡大局面が続きました。しかし、米国で新政権が発足して間もなく浮上した相互関税に係る警戒感が景気後退懸念につながったほか、世界主要各国・地域の分断が進むとの観測が重荷となりました。

このような状況のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、投資信託の代行手数料、米国株取扱手数料や金融収支が増加しましたが、日本株委託手数料や投資信託の募集手数料が大幅に減少しました。その結果、営業収益は112億89百万円(前連結会計年度比6.1%減)、経常利益は10億36百万円(前連結会計年度比27.8%減)と減収減益となりましたが、投資有価証券売却益(特別利益)の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は26億53百万円(前連結会計年度比103.2%増)と大幅な増益になりました。

なお、主な内訳は以下のとおりであります。

イ 受入手数料

受入手数料の合計は85億75百万円(前連結会計年度比9.7%減)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。

(委託手数料)

当連結会計年度の東証の1日平均売買代金は5兆3,357億円(前連結会計年度比14.1%増)になりました。当社の国内株式委託売買代金は8,682億円(前連結会計年度比5.2%減)、外国株式委託売買代金は562億円(前連結会計年度比2.7%増)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は36億12百万円(前連結会計年度比9.4%減)になりました。

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は株式の引受高の大幅な増加等により23百万円(前連結会計年度比65.2%増)になりました。

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が870億円(前連結会計年度比26.6%減)に減少したため、21億95百万円(前連結会計年度比31.7%減)になりました。

(その他の受入手数料)

証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が3,395億円(前連結会計年度比18.8%増)に増加したため、27億43百万円(前連結会計年度比20.4%増)になりました。

ロ トレーディング損益

トレーディング損益は米国株店頭取引売買代金の増加により株券等が16億76百万円(前連結会計年度比5.9%増)、外国債券の売買損益の減少等により債券等が40百万円(前連結会計年度比34.6%減)、中国株取引に係る為替手数料の減少等によりその他が2億49百万円(前連結会計年度比9.7%減)で合計19億67百万円(前連結会計年度比2.3%増)になりました。

ハ 金融収支

金融収益は信用取引収益及び受取利息の増加等により6億46百万円(前連結会計年度比21.2%増)になりました。また、金融費用は支払利息の増加等により1億79百万円(前連結会計年度比53.9%増)になりました。この結果、差引金融収支は4億67百万円(前連結会計年度比12.0%増)になりました。

ニ 販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、事務費がシステム関連の事務委託費の増加等により21億15百万円(前連結会計年度比10.5%増)と増加しましたが、退職給付費用及び業績の落ち込みによる賞与の減少により人件費が49億53百万円(前連結会計年度比10.0%減)と減少したため、合計で103億1百万円(前連結会計年度比3.1%減)になりました。

 

ホ 営業外損益

営業外収益は投資有価証券配当金や投資事業組合運用益の増加等により3億76百万円(前連結会計年度比17.2%増)、営業外費用は為替差損の減少等により34百万円(前連結会計年度比9.7%減)で差引損益は3億42百万円(前連結会計年度比20.8%増)になりました。

ヘ 特別損益

特別利益は投資有価証券売却益等により22億51百万円(前連結会計年度比21億33百万円増)、特別損失はアドバイザリー費用等により3億38百万円(前連結会計年度比554.1%増)で差引損益は19億12百万円(前連結会計年度比18億46百万円増)になりました。

ト 資産の状況

資産合計は693億87百万円と前連結会計年度末に比べ113億63百万円の減少になりました。主な要因は、投資有価証券が40億93百万円、現金・預金が26億99百万円、預託金が21億79百万円、信用取引資産が15億82百万円減少したことによるものであります。

チ 負債の状況

負債合計は392億64百万円と前連結会計年度末に比べ20億81百万円の減少になりました。主な要因は、短期借入金が29億円増加したものの、信用取引負債が13億71百万円、繰延税金負債が13億47百万円、預り金が10億82百万円減少したことによるものであります。

リ 純資産の状況

純資産合計は301億22百万円と前連結会計年度末に比べ92億82百万円の減少になりました。主な要因は、利益剰余金が55億77百万円、その他有価証券評価差額金が28億38百万円減少したことによるものであります。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は221億81百万円と前連結会計年度に比べ23億85百万円の減少になりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、顧客分別金信託の増減額21億54百万円(前連結会計年度比56億41百万円の増加)、信用取引資産の増減額15億82百万円(前連結会計年度比43億36百万円の増加)、税金等調整前当期純利益29億49百万円(前連結会計年度比14億46百万円の増加)、立替金及び預り金の増減額△10億65百万円(前連結会計年度比68億44百万円の減少)、信用取引負債の増減額△13億71百万円(前連結会計年度比25億91百万円の減少)、投資有価証券売却損益△22億47百万円(前連結会計年度比21億74百万円の減少)等により8億53百万円(前連結会計年度比26億37百万円の減少)になりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入22億82百万円(前連結会計年度比15億35百万円の増加)、定期預金の払戻による収入7億9百万円(前連結会計年度比10億31百万円の減少)等により22億95百万円(前連結会計年度比7億89百万円の増加)になりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に計上した長期借入金の返済による支出△30億円がなくなったこと、短期借入金の純増減額29億円(前連結会計年度比23億50百万円の増加)、自己株式の取得による支出△80億円(前連結会計年度比79億99百万円の減少)等により△54億60百万円(前連結会計年度比33億54百万円の減少)になりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の実績等については、「①財政状態及び経営成績の状況」欄に含めて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に影響を及ぼす可能性があります。

イ 貸倒引当金

当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。

なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を1億33百万円計上しております。

ロ 有価証券の減損

当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を保有しております。保有する株式については時価の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券評価損を計上しております。市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態や将来性等、当社所定のルールに従い算定した額を時価とみなし、判定をしております。

なお、当連結会計年度は、該当事項はありませんでした。

ハ 固定資産の減損

当社グループのグルーピングは、当社においては管理会計上で区分した部及び支店並びに賃貸用不動産をキャッシュ・フローを生み出す最小単位として捉え、その単位を基礎に、連結子会社においては会社全体を1つの単位として、グルーピングを行っております。

また、本店、厚生施設等については独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としてグルーピングを行っております。

当社グループは、固定資産の収益性が低下し、その固定資産に対して投資した金額が回収できないと認識した場合に、所定のルールに従い、回収可能な金額まで固定資産の帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の減損損失の認識に際して用いた割引前将来キャッシュ・フローや、測定に際して用いた回収可能価額は第六次中期経営計画を基礎とした将来収支計画の見積りに基づいており、将来収支計画の見積りはトランプ大統領による関税政策をめぐる不透明感等の一定の影響を考慮して算定しております。

なお、2025年3月末の減損対象資産は当社グループでは28億35百万円(当社の共用資産は3億11百万円)であります。当連結会計年度について営業活動から生じる損益がプラスに転じたため、共用資産を含む大きなグループについては兆候には該当しません。

また、資産グループについては1支店において営業損益が2期連続マイナスとなり、減損の兆候に該当し、28百万円の減損損失を計上しました。

ニ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。繰延税金資産の算定に際して用いた将来の課税所得の算定の基礎となる収支計画の見積りにおいてはトランプ大統領による関税政策をめぐる不透明感等の一定の影響を考慮して算定しております。

なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を2億76百万円計上しております(うち、2億57百万円については連結貸借対照表上、繰延税金負債と相殺表示)。

 

ホ 年金給付費用

当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。

確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。

当連結会計年度は退職給付費用を△3億96百万円計上し、当連結会計年度末現在の年金運用資産の額が退職給付債務額を上回っているため、その差額を退職給付に係る資産として、41億72百万円計上しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループは、お客さま本位の業務運営を追求し、お客さま満足度の向上により顧客基盤を拡充することで、企業価値向上を図るビジネスモデルの確立を目指しております。このビジネスモデルの確立に向けて、当社グループは、国内株式や投資信託に加えて、中国株・米国株等の外国株をお客さまの中長期的な資産形成の選択肢の一つとしてポートフォリオへ組み入れることを提案しております。

当連結会計年度の当社グループの国内株、中国株の取引高は減少し、当社グループの委託手数料は36億12百万円と前連結会計年度に比べ3億75百万円減少しましたが、米国株の店頭取引売買代金の増加等によりトレーディング損益は19億67百万円と前連結会計年度に比べ45百万円増加しました。

また、当社グループは、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。当該方針のもと、当連結会計年度は投資信託の販売に注力しましたが、投資信託の販売手数料は21億95百万円と前連結会計年度に比べ10億22百万円減少、一方、信託報酬(代行手数料)は24億75百万円と前連結会計年度に比べ4億72百万円増加しました。

販売費・一般管理費はシステム関連費用を中心に事務費が増加したものの、退職給付費用や賞与の減少により、人件費が減少したため、合計で103億1百万円となり、前連結会計年度に比べ3億38百万円減少しました。

この結果、当社グループの営業利益は6億94百万円となり、前連結会計年度に比べ4億59百万円の減少となりました。

ロ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。このため、当社グループは上記のとおり、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。

ハ 資金の財源及び流動性についての分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は221億81百万円と前連結会計年度に比べ23億85百万円の減少になりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により8億53百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入等により22億95百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得等により54億60百万円の支出となりました。

この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ23億85百万円減少し221億81百万円となりましたが、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。

また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行9行それぞれと当座貸越契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)及び当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

当社グループの報告セグメントは、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)及び当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

(1)商品及びサービスごとの情報

単一の商品・サービスの区分の外部顧客への営業収益が連結損益及び包括利益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)地域ごとの情報

① 売上高(営業収益)

本邦の外部顧客への営業収益が連結損益及び包括利益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

② 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(3)主要な顧客ごとの情報

外部顧客への営業収益のうち、連結損益及び包括利益計算書の営業収益の10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)及び当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

当社グループの報告セグメントは、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)及び当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)及び当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

該当事項はありません。