2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    920名(単体) 1,014名(連結)
  • 平均年齢
    43.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.6年(単体)
  • 平均年収
    7,836,232円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    7.9%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

<企業理念・企業戦略と人材戦略>

当社は、企業理念の中心に「いちよしのクレド」を置き、「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合言葉に、その実現に取り組んでおり、この「いちよしのクレド」は、当社の社会的存在意義を示す全役職員共通の価値観として、当社のあらゆる戦略の根底となっています。

そして、「いちよしのクレド」では、当社の「存在価値」を「一人一人のお客様のお役に立つことにより、地域社会と証券市場の発展に貢献する」ことと宣言しております。

 


 

 

当社は20数年来、仕組み債など、リスク・リターンの仕組みなどが複雑でお客様による理解が難しく、お客様のためにならない商品は取り扱わないという決意を、「売れる商品でも、売らない信念」と名付けた7つの「いちよし基準」として掲げ、売買手数料中心の「フロー型ビジネスモデル」から、投資信託の信託報酬やラップフィーの安定収益を中心としたお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換を目指して参りました。

 


 

また、2019年からは、急速な環境の変化に対応し、「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層推進するため、20年振りの「改革の断行」に取り組んでおり、新たに、お客様のために為すべきこととして、「売れる商品でも、売らない信念」と並ぶもう一つの柱に「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」を掲げ、お客様一人ひとりのニーズに即したオーダーメイドのポートフォリオ提案に取り組んでおります。

この当社の企業戦略「ストック型ビジネスモデル」の確立は、まさに当社の存在価値である「一人一人のお客様のお役に立つこと」=「お客様第一の理念」をビジネスモデルとして具体化したものです。そしてこのビジネスモデルを実践すべく、ファンドラップや投資信託のご提案を中心としたお客様本位の中長期的な資産運用アドバイスを実行していくためには、お客様一人ひとりのニーズやライフプランにアドバイザーが深く寄り添うことが求められ、その実践力こそが当社の競争優位を生み出します。

このことから、当社は、企業理念たる「いちよしのクレド」におきましても、「社員」「お客様」「株主」「社会」という当社の各ステークホルダーに対して当社があるべき姿を明示するなかで、第一番目に「社員のために」を置き、お客様第一の理念を実践する大前提として、高い専門性と豊かな人間力によってお客様との強い信頼関係を築くことのできる「社員」、すなわち「人材」こそが当社の存在価値の実現のための源泉であり、当社にとって人材戦略が企業戦略の中心であることを宣言しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

私たちは、お断りする事があります。

「いちよし基準」=「個人のお客様向け商品についての原理原則」

 ○公募仕組み債は取り扱いません。

 ○債券は高格付けのみとし、不適格債は取り扱いません。

 ○私募ファンドを取り扱いません。

 ○個別外国株は、勧誘しません。

 ○投信運用会社は、信頼性と継続性で選びます。

 ○先物・オプションは勧誘しません。

 ○FX(外為証拠金取引)は取り扱いません。

私たちは、この「いちよし基準」を20年来守り続けています。

 

私たちは、為すべき事があります。

〇お客様ひとりひとりに最もふさわしい一着を仕立てあげる「テーラー」のように、いちよし証券は、お客様のオンリーワンのパートナーとして長くお取引いただける会社を目指しています。

〇お客様のニーズを十分にお聞きし、お客様のご意向に沿ったポートフォリオをご提案いたします。

〇市場変動やお客様のニーズの変化に応じて、ポートフォリオのアフターフォローに努めます。

 

 

 

 

 

 

 

<人材の「採用」・「育成」・「定着」に対する考え方>

お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換を実践するためには、お客様からの信頼と当社の基礎体力のバロメーターである「預り資産」の拡大が不可欠であり、そのための「採用」(人材の量的増強)とお客様に深く寄り添い、中長期的に伴走させていただくためのアドバイザーの「育成」(人材の質的向上)、そして「定着」(物心両面の労働環境の充実)、この3つの要素をしっかりと循環させ、強化していくことこそが当社の成長、企業価値向上のための最大の先行投資であると考えています。

 

 

 


 

 

(ⅰ)人材の採用

お客様との深いリレーションを構築し、中長期的なアドバイス活動を実践させていただくため、アドバイザーには、証券分野を始めとした金融関連の知見のみならず、他の分野への広い見識、高い倫理観、懐の深い人格、これらに基づく高度なコミュニケーション能力が求められます。そのために、当社は新卒採用にとらわれず、中途採用を積極的に行っています。また、当社は従来の「フロー型ビジネスモデル」からお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換を、業界他社に先んじて取り組んでいます。そのため、中途採用においては、従来のビジネスモデルに馴染んだ証券業経験者より異業種からの証券業未経験者のキャリア採用を積極的に行っており、成功しています。

お客様との中長期的なリレーション構築のための地域限定職の採用、結婚・養育・介護など様々な理由で退職を余儀なくされながらも高度なスキルを保有する元社員を迎え入れるためのリターン社員採用、その促進策としてウエルカム・カムバック制度なども整備しております。

また、社員の多様性の尊重の観点から、積極的に外国籍従業員のアドバイザーでの採用も行っております。

 

■その他の人材の採用に関する主な取組み

・新卒、中途の通年採用体制

・新卒採用における女性の積極採用

・再雇用制度の拡充(インセンティブ型の導入)と見直し(ジョブ型再雇用制度の導入)

 

・新卒・中途採用者数の推移(単体)

入社年度

2022

2023

2024

2025

2026

新卒採用者数(名)

38

40

43

46

71

中途採用者数(名)

21

(35.6%)

46

(53.5%)

57

(57.0%)

98

(68.1%)

130*

(64.7%)

合計(名)

59

86

100

144

201*

 

※括弧書きは採用者数に占める割合 * 計画値

 

・新卒・中途採用における女性採用者の割合の推移(単体)

入社年度

2021

2022

2023

2024

2025

新卒女性採用比率(%)

37.5

44.7

47.5

44.2

39.1

中途女性採用比率(%)

22.2

42.9

23.9

26.3

34.7

 

 

・社員に占める中途採用者の割合の推移(単体)

年度末

2021

2022

2023

2024

2025

中途採用者比率(%)

44.9

44.4

45.3

45.9

47.7

 

 

・社員に占める地域限定型社員の割合の推移(単体)

年度末

2021

2022

2023

2024

2025

地域限定型比率(%)

42.9

44.5

47.3

50.5

52.6

 

 

・外国籍採用者数の推移(単体)

入社年度

2022

2023

2024

2025

2026

外国籍採用者数(名)

2

3

4

5

8

 

 

 

(ⅱ)人材の育成強化と評価

「ストック型ビジネスモデル」の構築に向け、お客様一人ひとりのニーズやライフプランに沿ったアドバイスを実践するためには、アドバイザーの質の向上が不可欠です。そのため、「いちよしのクレド」の社員への浸透を最優先に、教育・研修を行っています。具体的には、当社の社会的存在価値を全従業員が共有するため、グループを含む全役職員が常時「いちよしのクレド」を肌身離さず携帯しています。加えて、クレドの唱和のみならず、アドバイザーのクレドの実践例を定期的に全社に紹介するクレドアワーの時間を設け、当社の社員共通の価値観としてのクレドを浸透させています。

また、各アドバイザーの経験年数や職位に応じた階層別研修や管理職研修を行うなど社内研修の充実に努めており、特に経験の浅い新卒・中途採用社員については、インストラクター制度やフォローアップ研修による一層手厚い教育体制により、金融資産アドバイザーとしての基礎を身につけるためのプログラムを整備しております。さらに、新入社員については、OJT(現場教育)として実践でアドバイザーの業務を体得するためのGA(グロース・アドバイザー)制度を導入して指導しています。

社員のスキルアップ支援としては、「自己成長プログラム」を設け、証券アナリストやCFPなどの資格取得をサポートし、資格取得者には報奨金を授与するとともに、資格取得以外の見識を広めるような通信教育講座にも受講料の補助制度を設けるなど、お客様のお役に立つための社員の自己研鑽を奨励しております。

また、同業・異業種を問わず他社への出向を通じて広い見識・経験を培い、業務の視野を広げ、当社業務の効率化や改善に活かすためのトレーニー派遣制度も整備しております。

 

■その他の人材の育成に関する主な取組み

・人材開発会議

・女性の管理職登用

・次期幹部候補生向け研修

・エチケットマナー向上推進会議

 

 

<研修体系>

 


 

アドバイザーの能力を最大限高めるべく多種多様な研修を継続的に実施するため、研修関連施設を従来

の倍に増床し、本社内に「研修センター」を設置するなど、研修環境の充実に努めています。

 

 

・各種研修の実施回数及びのべ受講者数の推移(e-learningを除く)(連結)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

実施回数(回)

50

53

59

96

95

のべ受講者数(名)

764

748

1,024

1,812

2,206

 

 

・非管理職を対象とした育成研修の実施回数及びのべ受講者数の推移(連結)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

実施回数(回)

36

39

41

76

78

のべ受講者数(名)

524

440

606

1,495

1,863

 

 

・通信教育講座の提供数の推移

年度

2022

2023

2024

2025

2026

通信教育講座(講座)

192

188

186

207

200

 

 

・自己成長プログラム及び通信教育講座の申込件数の推移(連結)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

自己成長プログラム(件)

40

23

30

38

65

通信教育講座(件)

117

78

75

110

104

 

 

・資格保有者数の推移(連結)

年度末

2021

2022

2023

2024

2025

資格保有者数(名)

423

469

492

514

533

 

※AFP、CFP、アナリスト等(のべ人数)

 

・管理職に占める中途採用者の割合の推移(単体)

年度末

2021

2022

2023

2024

2025

中途管理職比率(%)

45.8

47.0

46.0

46.0

44.5

 

 

・管理職に占める女性の割合の推移(単体)

年度末

2021

2022

2023

2024

2025

女性管理職比率(%)

14.2

16.1

19.0

19.2

20.3

 

 

・部支店長の平均年齢の推移(単体)

年度末

2021

2022

2023

2024

2025

年齢(歳)

50.2

50.4

50.3

49.1

48.9

 

 

評価につきましては、「ストック型ビジネスモデル」の構築に向け、2019年10月からアドバイザーの評価項目のうち「手数料」を除外し、お客様からの信頼のバロメーターと考えている「預り資産の純増」を中心とした評価方法を確立しています。さらに、お客様とのコンプライアンスに関する事項を重視し、総合的な業績評価を行い、成果主義もしっかりと取り入れた評価制度を整えております。

 

(ⅲ)人材の定着

「ストック型ビジネスモデル」の構築には、社員が定着し自らの仕事に誇りと自信を持って意欲的に仕事に取り組むことが必要であり、物心両面にわたる労働環境の充実を実現するため、2017年から「働きやすい・やりがいがある職場」作りに取り組んでいます。経営陣は半期ごとに、「働きやすい・やりがいがある職場」作りのため、労働環境から業務の改善に至るまで50を超える項目について、その進捗度合を精査し、継続的に改善を重ねております。

 

■従業員の給与等の額及び内容の決定に関する方針

当社は、持続的な企業価値向上を牽引する質の高い人材を確保・維持するため、役割と成果に基づいた報酬体系を基本方針としています。

具体的には、職務の難易度及び職務期待能力を基準とした役割に対する役割給に加え、業績目標に対する定量、定性両方の側面からの評価に応じた賞与を導入しています。

 

・従業員の平均年間給与の対前事業年度増減率(単体)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

平均年間給与(円)

6,509,415

6,358,551

6,519,035

7,265,364

7,836,232

対前事業年度増減率(%)

0.97

△2.32

2.52

11.45

7.86

 

 

・男女の賃金差異(単体)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

賃金差異(%)

68.5

70.8

72.2

77.1

78.1

 

 

 

 

■その他の人材の定着に関する主な取組み

・上司と部下のコミュニケーション促進を目的とした1on1ミーティング

・エンゲージメントサーベイ

・給与改定(ベースアップ)

・インフレ一時金の支給

・有給休暇の取得促進

 

・男女の平均継続勤続年数(単体)

年度末

2021

2022

2023

2024

2025

男性

16年0か月

16年11か月

17年0か月

16年7か月

15年6か月

女性

12年6か月

12年9か月

13年1か月

13年2か月

12年8か月

 

 

・男性の育児休業取得率(単体)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

取得率(%)

45.5

57.1

106.3

108.3

110.0

 

 

・有給休暇の取得率(単体)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

取得率(%)

52.8

58.9

58.4

53.1

56.5

 

 

・リフレッシュ休暇の取得率(単体)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

取得率(%)

93.6

92.7

89.7

87.8

86.4

 

 

・一人あたりの所定外労働時間(月間)の推移(連結)

年度

2021

2022

2023

2024

2025

所定外労働時間(時間)

17.21

16.55

15.45

14.50

15.16

 

 

・新卒採用における入社年度別3年以内の離職率の推移(単体)

入社年度

2019

2020

2021

2022

2023

離職率(%)

56.4

40.0

43.8

50.0

27.5

 

 

・従業員持株会の加入者比率(連結)

年度末

2025

加入者比率(%)

82.8

加入者数(名)

844

対象者数(名)

1,019

 

 

※ 文中及び表内の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2026年3月31日現在

 

従業員数(名)

連結会社合計

1,014

〔24〕

 

(注) 1  当社グループは、投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、全連結会社の従業員数の合計を記載しております。

2  従業員数は就業人員であり、〔  〕内は年間の平均臨時雇用者数を外書きしております。

3  従業員数は、執行役員(5名)、契約社員(225名)及び歩合外務員(1名)を含め、エグゼクティブ・アドバイザー(11名)、参与(1名)及び嘱託(2名)を除いております。また、臨時雇用者には、アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除いております。

 

(2) 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

920

〔19〕

43.1

14.6

7,836,232

7.86

 

(注) 1  当社は、投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、当社の従業員数の合計を記載しておりま

         す。

2  従業員数は、当社から他社への出向者を除いた就業人員であります。

3  従業員数は就業人員であり、〔  〕内は年間の平均臨時雇用者数を外書きしております。

4  従業員数は、執行役員(4名)、契約社員(194名)及び歩合外務員(1名)を含め、エグゼクティブ・アドバイザー(5名)、参与(1名)及び嘱託(2名)を除いております。また、臨時雇用者には、アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除いております。

5  平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。

6  平均年齢及び平均勤続年数は、歩合外務員(1名)を含んでおりません。

 

(3) 労働組合の状況

いちよし証券従業員組合は経済生活の向上と労働条件の改善のため、1969年7月30日に結成されました。当組合は当社グループの職員のみをもって組織する単一組合であり、外部上部団体には所属しておりません。現在、労使関係は終始円満に推移しており、労使関係については特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

 

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

当社

20.3

110.0

78.1

73.8

80.4

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの

     であります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等と育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

(5) 使用人等のみに対して付与した新株予約権の内容

  当社は使用人等のみに対する新株予約権を付与しております。当該新株予約権の内容は「第5 経理の状況      1 連結財務諸表等 注記事項」の(ストック・オプション等関係)に記載しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<サステナビリティ推進のための基本方針と運営体制

当社では、より一層の取組みを強化するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献するための基本的な考え方として「サステナビリティ基本方針」を策定しております。

 


 

 


 

業務執行の監督機能を有する取締役会の傘下に、サステナビリティ推進への取組みを企画・実行・検証・改善を行う会議体として「サステナビリティ推進会議」を設置しています。議長は執行役社長が務め、取締役会への定期的な報告を行います。事務局である「サステナビリティ推進室」は、専門部署として当社のサステナビリティ推進の中核を担います。

 

<重要課題(マテリアリティ)>

 社員のために

・社員の働きがいを醸成する企業文化の浸透とエンゲージメントの強化

・時代の変化に対応できる人材教育の充実と社員研修の強化

・ジェンダーに配慮した働きやすさの実現

・多様な働き方を考慮した人事、給与制度の構築

 お客様のために

・中長期分散投資による資産形成を重視した「ストック型ビジネスモデル」の進展

・お客様独自のオーダーにお応えできるリサーチ力、運用力、アドバイス力の強化

・お客様の利便性向上に資するサービス、デジタル化の強化

 株主のために

・実効性と透明性の高いガバナンス体制の維持・向上

・資本の有効活用と株主還元の実行

・職業倫理やコンプライアンスに反する行為に対する未然防止態勢の構築

・気候変動を含むリスク管理の強化

 社会のために

・CO2排出量削減への取組み強化

・地域貢献への取組み強化

・金融リテラシー向上への貢献

・SDGsに貢献する商品の開発、取扱い

 

 

 

(1) 社員のために(人的資本について)

① 人材育成に対する考え方
a.人材育成方針

当社は、「いちよしのクレド」を2006年に制定し、証券業を通じて様々なステークホルダーとのエンゲージメントを重視するとともに、持続的な企業価値の向上に取り組んで参りました。

「いちよしのクレド」には当社の存在意義が掲げてありますが、人材こそが成長の源泉であり、最大の先行投資の対象であると認識しております。

そして、重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組みとして「時代の変化に対応できる人材教育の充実と社員研修の強化」を掲げ、取組みを継続しております。

 

② 社内環境整備に対する考え方
a.社内環境整備方針

社内環境整備につきましては、2017年より「働きやすい・やりがいがある職場作り」を目指し、50を超える項目について半年に一度、その進捗を精査して参りました。重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組みとして「社員の働きがいを醸成する企業文化の浸透とエンゲージメントの強化」、「ジェンダーに配慮した働きやすさの実現」、「多様な働き方を考慮した人事、給与制度の構築」を掲げておりますが、「働きやすい・やりがいがある職場作り」の項目につきましても取組みを継続して参ります。

 

b.多様性への対応

当社では、多様化する社会に対応して持続的な企業価値の発展を図るためには、女性の活躍が不可欠と考えております。女性がいきいきと活躍するための雇用環境の整備に取り組んでおり、継続勤続年数等の男女差縮小に向けた環境整備と管理職に占める女性割合を高めるための施策等を実施しています。

家庭と仕事を両立させるための制度を充実させ利用を促していることに加え、実際に休業や退職をした社員に対して復職アシスト制度やリターン・トゥー・ワーク制度などにより復職しやすい環境を整えています。また、定年後もモチベーションを高く維持し、安心して長く働くことができるように、ジョブ型再雇用制度を設けています。

 

c.職場環境への対応

「働きやすい・やりがいがある職場作り」の取組みには、実際に社員がどのように感じ業務に取り組んでいるのかを把握するエンゲージメントが重要となります。当社では部支店長と社員との1on1ミーティングを定期的に実施するとともに、エンゲージメントツールを利用し、定期的に社員へのアンケートを行っています。さらに、上記アンケートに加えて、自己申告による人事アンケートと人事部による面談をベースに、各人の能力に合わせた配置やキャリアアップについて協議されます。

 

 

③ 指標と目標

多様性に対する取組みの進捗状況

 

目標(2030年3月末)

2026年3月末

 女性管理職比率 (単体)

23%

20.3%

 男性の育児休業取得率 (単体)

100%

110.0%

 男女の平均継続勤続年数 (単体)

男女間差異2年

男性15年6ヶ月

女性12年8ヶ月

 

 

なお、上記のほかに当社が注視している指標は以下のとおりです。

a.管理職に占める中途採用者の割合の推移(単体)

2016年

3月末

2017年

3月末

2018年

3月末

2019年

3月末

2020年

3月末

2021年

3月末

2022年

3月末

2023年

3月末

2024年

3月末

2025年

3月末

2026年

3月末

49.2%

51.2%

51.2%

53.7%

52.0%

47.5%

45.8%

47.0%

46.0%

46.0%

44.5%

 

 

b.その他

 

2026年3月末

 男女間の賃金差異 (単体) 

78.1%

 新卒・中途採用における女性採用比率 (単体)

36.1%

(2025年度入社 採用数144名、うち女性52名)

 有給休暇の取得率 (単体)

56.5%

 

 

 

なお、企業理念・企業戦略と人材戦略や、人材の「採用」・「育成」・「定着」に対する考え方は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。

 

(2) お客様のために(お客様本位の業務運営について)

いちよしグループは、「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合言葉とし、「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」を目指しています。当社は創業以来「お客様第一」を理念として業務を行ってきました。1990年代後半の「日本版金融ビッグバン」を契機に、「貯蓄から投資へ」の推進に向け、お客様の資産を安全・着実にじっくりと増やすために、お役に立てる証券会社を目指し、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」(資産管理型ビジネスモデル)への転換を図っております。

 

[ いちよしグループの「トライアングル・ピラミッド経営」]

いちよしグループでは独自の「トライアングル・ピラミッド経営」を実践しています。「リサーチ」を基盤として、「商品・運用」、「リテール部門」、「法人部門」の正三角形4面体と土台である「バックアップ」でそれぞれを支えあうことにより、各部門及び関係各社の機能を最大限に発揮させることを目的とした経営スタイルです。さらに各部門のコ・ワーク(共同業務推進)によるシナジー効果により、お客様に「より良いサービス」、「より良い商品」、「より良い情報」をご提供し、その結果として、お客様の大切な金融資産の運用及び企業経営のお役に立つことになると考えております。

 


 

 

いちよしグループはこれからも、「売れる商品でも、売らない信念」と「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」のもと、お客様本位のアドバイス活動を実践し、お客様本位の対面アドバイスにこだわり抜いた「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の実現を目指して参ります。

 


 

私たちは、お断りする事があります。

「いちよし基準」=「個人のお客様向け商品についての原理原則」

 ○公募仕組み債は取り扱いません。

 ○債券は高格付けのみとし、不適格債は取り扱いません。

 ○私募ファンドを取り扱いません。

 ○個別外国株は、勧誘しません。

 ○投信運用会社は、信頼性と継続性で選びます。

 ○先物・オプションは勧誘しません。

 ○FX(外為証拠金取引)は取り扱いません。

私たちは、この「いちよし基準」を20年来守り続けています。

 

私たちは、為すべき事があります。

〇お客様ひとりひとりに最もふさわしい一着を仕立てあげる「テーラー」のように、いちよし証券は、お客様のオンリーワンのパートナーとして長くお取引いただける会社を目指しています。

〇お客様のニーズを十分にお聞きし、お客様のご意向に沿ったポートフォリオをご提案いたします。

〇市場変動やお客様のニーズの変化に応じて、ポートフォリオのアフターフォローに努めます。

 

 

 

 

 

(3) 株主のために(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について)

当社は、かねてより、株主を始めとするあらゆるステークホルダーの期待に応えるため、中長期的な企業価値の向上を計り持続的な成長の実現を目指し、P/L(損益計算書)の売上や利益水準を意識するのみでなく、

B/S(バランスシート)をベースとする資本コストや資本収益性を十分に意識した経営に取り組んで参りました。

B/Sをベースとした企業価値の指標の一つであるPBR(株価純資産倍率)は、ROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)の積で求められますが、当社は、ROEの向上、特に自己資本比率を高い水準で維持した上での資本収益性の向上が、PBRの改善のためにも最も重要であると考えております。

具体的には、当社の経営目標であるお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の確立を目指す中で、中長期的に継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し持続的成長を実現するために、安定収益の源泉となる投資信託やラップを中心とした預り資産の拡大を計っております。

また、預り資産の増加と営業収益の増加は相関関係にあることが検証されていることから、この預り資産の拡大こそが営業収益を増加させると考えております。そして、この営業収益のなかでも信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の増加がコストカバー率(安定収益の販売費・一般管理費に対する比率)を高め、ROEの上昇に繋がり、PBRの向上に資すると考えております。

よって、「預り資産残高」とストック型ビジネスモデル確立の進捗状況を計る指標としての「コストカバー率」を経営の最重要指標としており、中期経営計画におきましても「預り資産」「コストカバー率」「ROE」を目標値として掲げております。

 

[ 新中期経営計画「ターゲット5 <ONE TEAM>」]

2026年4月よりお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層加速させるべく、新中期経営計画「ターゲット5 <ONE TEAM>」(計画期間:2026年4月から2030年3月末までの4年間)をスタートしております。

 

ターゲット5 <ONE TEAM> の計画目標

項  目

数値目標

(2030年3月末)

預り資産

5兆円

ベース資産(ドリコレ)・

準ベース資産(いちばん星&ミズナラ)等の

預り資産全体に占める割合

30%

コストカバー率 ※

100%

ROE(自己資本当期純利益率)

15%

 

       ※ コストカバー率=(信託報酬+ラップフィー)/販売費・一般管理費

 

 

[剰余金の配当等の決定に関する方針と実績]

① 剰余金の配当等の決定に関する方針

当社の配当は、業績連動型の配当方針を基本とし、配当性向をベースとした配当を行っておりますが、株主の皆様への適切な利益還元を継続して充実させていくことを目的として、純資産配当率(DOE)についても勘案して配当額を決定しています。

具体的には、連結ベースでの配当性向(50%程度)と純資産配当率(DOE2%程度)を配当基準とし、半期毎に算出された金額について、いずれか高いものを採用して配当金を決定しております。

 

② 剰余金の配当の実績

上記①の配当方針に基づき、当期の剰余金の配当は、中間配当、期末配当ともに連結配当性向を算出基準として採用させていただきました。

また当社が、2025年8月18日に創立75周年を迎えたことを記念し、株主の皆様の日頃のご支援に感謝の意を表するため、創立75周年記念配当として、2025年9月末の株主に対して中間配当時に1株当たり10円、2026年3月末の株主に対して期末配当時に1株当たり10円、の合計年間20円とする方針を決定しております。

以上により、当期の1株当たりの配当金は中間配当30円(うち記念配当10円)、期末配当59円(うち記念配当10円)の年間89円とさせていただきました。

 

過去3年間 配当金推移

 

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

中間配当金

17円

17円

20円

期末配当金

17円

17円

49円

記念配当金

20円

年間配当金

34円

34円

89円

 

 

 

 

 

(4) 社会のために(気候変動について)

① 気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響

当社顧客の中長期的な資産運用において適正な資産評価と資産配分を実現するためには、投資対象企業による気候変動関連のリスクや収益機会に関する一貫性のある適切な情報開示が必要であり、これがなければ、当社顧客の金融資産運用に支障をきたす要因になります。その結果、顧客の金融資産運用の安定性や中長期パフォーマンスが低くなれば、当社との取引機会が減り、当社の業績が悪化することにつながります。

反対に、投資対象企業による一貫性のある適切な情報開示がなされれば、これによる当社顧客の金融資産運用の安定性や中長期パフォーマンスの向上が見込まれ、当社業績の拡大につながります。

こうした観点から、中小型成長株のリサーチに長年、特化している当社グループのいちよし経済研究所(IRI)においては、気候変動を含むESG達成に向けた対象企業の取組みをリサーチ銘柄選別の際の重要な基準の一つとし、そのリサーチ結果を当社顧客の資産運用に活かしています。

また、当社グループのいちよしアセットマネジメント(IAM)においても、IRIによるESG関連のリサーチ結果を投資信託運用に活かしています。

さらに、IAMはESG達成に向け積極的に取り組む企業を投資対象に組み入れた「いちよしSDGs中小型株ファンド」を運用しています。

従って、気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響を検証する有力な指標の一つは、当社の預り資産とIAMの公募投信運用資産残高の推移と考えています。

 

② TCFD提言に基づく気候変動への対応について

当社は、サステナブルな社会の実現に貢献するための基本的な考え方として「サステナビリティ基本方針」を策定し、社会全体に存在する課題の中から、当社として取り組むべき課題を重要課題(マテリアリティ)として特定しておりますが、そのうち「社会のために」として「CO2排出量削減への取組み強化」を掲げ、気候変動に取り組む社会の一員として貢献していきたいと考えております。

そして、この取組みを社内外に伝える気候関連財務情報開示の重要性に鑑み、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、これに基づく情報開示の拡充にも取り組んで参ります。

 

a.ガバナンス

当社は、業務執行の監督機能を有する取締役会の傘下に、サステナビリティ推進への取組みを企画・実行・検証・改善を行う会議体として「サステナビリティ推進会議」を設置しています。議長は執行役社長が務め、取締役会への定期的な報告を行います。事務局である「サステナビリティ推進室」は、専門部署として当社のサステナビリティ推進の中核を担います。

 

b.戦略

複数の気候変動の将来予測シナリオ(※1)を参照し、当社のサステナビリティに関する考え方やビジネスモデルにおいて気候変動がどのような影響を与えるかを検証いたしました。

気候変動が当社の事業に与えるリスクと機会のうち、リスクについては、低炭素経済への「移行」に関するリスクと、気候変動による「物理的」変化に関するリスクを想定し、想定される事態や影響についての評価を検討いたしました。また、機会については、「商品/サービス」、「市場」の側面を捉え、想定される状況や影響について検討いたしました。

検証の結果、リスクについては当社の事業に重大な影響を与えるものではないと認識しておりますが、状況変化を監視し定期的な検証を続けて参ります。

 

リスク
(ⅰ)移行リスク
・政策・法規制リスク

GHG排出規制の強化により、新たな税金の発生や既存エネルギー使用料金等の増加、または代替手段への移行に伴いコストが増加すること等が想定されます。短期から中期の期間(※2)での影響が想定され、環境に配慮したエネルギーの利用等による対応を検討して参ります。

・市場リスク

投資家行動が低炭素経済に大きく急速に変化することにより、既存の商品・サービスが陳腐化し販売額が減少すること等が想定されます。短期から中期の期間での影響が想定され、リサーチやモニタリングを強化すること等による対応を検討して参ります。

評判リスク

低炭素経済の移行に対応ができず、評判の低下により預り資産や口座数が減少すること等が想定されます。長期での影響が想定され、サステナビリティ推進を強化すること等による対応を検討して参ります。

(ⅱ)物理リスク
・急性リスク

台風・洪水等の増加や激甚化により、当社施設やデータセンターなど関連施設の使用停止や復旧などの対応でコストが増加すること等が想定されます。中期から長期の期間での影響が想定され、事業継続計画(BCP)における各種対策を強化すること等による対応を検討して参ります。

 

機会
(ⅰ)商品・サービス

低炭素経済を指向するお客様ニーズに合致した商品・サービスの提供により、預り資産・口座数が増加し、販売額が増加すること等が想定されます。短期から中期の期間での影響が想定され、引き続きグループの強みを活かしたリサーチ力、運用力、アドバイス力の強化、商品・サービスの開発力の強化を図って参ります。

(ⅱ)市場

気候変動や低炭素に対して積極的に取り組んだ企業や当該企業を組み入れた投資信託への資金流入や株価・基準価額等の上昇による預り資産の増加等が想定されます。中期から長期の期間での影響が想定され、上記同様、引き続きグループ力の強化を図って参ります。

 

※1 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、国際エネルギー機関(IEA)、気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)、気象庁が公表しているシナリオ・予想等を参照しています。

※2 短期(0~3年)、中期(4年~10年)、長期(11年超)を想定しています。

 

c.リスク管理

気候変動関連リスクは単独で当社に影響を与えるのではなく、金融商品取引業者としての業務上のリスクに広範かつ複雑に関連することが想定されることから、当社の主要なリスクの一つとして全社的なリスク管理の協議機関である「リスク管理会議」にて管理を行います。リスク管理会議での協議の内容は「内部統制委員会」に報告され、同委員会での審議・検討を経て取締役会に報告されます。

具体的には財務的に影響があるリスクとして、低炭素経済への「移行」に関するリスクと気候変動による「物理的」変化に関するリスクを想定し、主にリーガルリスクやレピュテーショナルリスク、災害リスクの軽減を図ります。

 

 

d.指標と目標

サプライチェーン排出量に関する国際的基準である温室効果ガス(GHG)プロトコル等との整合を図るため、環境省と経済産業省が策定した「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に基づき、当社のGHG排出量(Scope1、2)を算出しました。

なお、当社では脱炭素社会の実現に向けて、当社のGHG排出量(Scope1、2)を2050年度までにネットゼロとすることを目標に掲げています。

この指標と目標により気候変動のリスクと機会を評価し、当社の取組みの進捗状況などを測って参ります。

 

GHG排出量(単位:t-CO2

 

Scope1

Scope2

合計

2024年度

432

852

1,284

2025年度

416

859

1,275

 

(注)算定の対象は当社及び連結子会社。社員寮は対象外としています。