2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 3,262 100.0 664 100.0 20.3

事業内容

3【事業の内容】

当社の事業は、金融商品取引業を中核とする「投資・金融サービス業」を主な事業の内容とし、顧客に対して資産運用の幅広いサービスを提供しております。

主要業務としては、次の業務を営んでおります。

1.「有価証券の売買」

自己の計算により有価証券の売買(トレーディング業務を含む。)を行う業務であります。

2.「有価証券の媒介、取次ぎまたは代理」

顧客の委託を受けて有価証券の売買を執行することを中心とする業務であります。

3.「有価証券の引受けおよび売出し」

有価証券の発行に際し売出しの目的をもって発行者からその全部または一部を取得し、または、既発行有価証券を広く一般に均一の条件で売出す業務であります。

4.「有価証券の募集および売出しの取扱い」

有価証券の発行者または所有者もしくは引受人の委託を受け、新たに発行される有価証券の募集を取扱ったり、既発行有価証券について広く一般に売出す業務であります。

5.「その他金融商品取引業に付随する業務」

その他金融商品取引業に付随する業務として、金融商品取引法第35条に定められた業務であります。

 

なお、当社は「投資・金融サービス業」という単一の報告セグメントとしております。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)のわが国経済は、4-6月期こそ供給制約緩和下での生産活動回復・輸出増やインバウンド需要の拡大等を背景に力強い成長を示したものの、その後は家計消費や在庫投資などを中心に、基調の弱さが目立つ展開となりました。

海外経済においては、歴史的な大幅利上げにもかかわらず堅調を維持する米国経済に対し、ドイツや英国などの欧州主要国では概ねゼロ成長が継続しました。またアジア諸国においては、インドが高い経済成長率を維持する一方で不動産不況に苦しむ中国の景気回復に勢いが見られないなど、国ごとにばらつきはあったものの、概ね高めの経済成長が維持されました。

国内株式市場では、4月に28,200円台で始まった日経平均株価が夏場には一時33,700円台まで上昇しましたが、日米の金利上昇から下落に転じ、10月には一時31,000円を割り込みました。その後年末にかけてやや持ち直した日経平均は、年明け以降に進んだ急速な日本株再評価の下、海外投資家主導での上昇を継続、結果34年ぶりに過去最高値を更新し40,300円台で3月の取引を終えています。なお、2023年4月~2024年3月の東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は4兆3,804億円(前年同期の1日当たり平均売買代金は3兆2,777億円)となっています。

米国株式市場では、4月に33,200ドル台で始まったダウ平均株価が米銀破綻を受けて一時調整したものの、AI(人工知能)を巡る熱狂等を背景に5月終盤以降は反発に転じ、7月には35,000ドルを突破しました。その後は米長期金利の急伸によって10月に一時33,000ドル割れとなりましたが、早期利下げ期待等を背景に年末にかけ9週続伸し、最高値更新を継続しました。年明け以降も上昇基調を維持したダウ平均は、39,800ドル台で3月の取引を終えています。

このような状況の下、当社では地域に密着した対面による営業をビジネスの柱とし、お客様のニーズに合わせた提案営業を推進するため、国内外の株式、投資信託および外債など、商品ラインナップの拡充を図っております。また、お客様の堅実な資産形成を実現していただくため、投資信託の積立キャンペーンを行うなど、お客様本位の業務運営を行っております。

この結果、当事業年度の財政状態および経営成績は、以下のとおりとなりました。

1)財政状態

当事業年度末の総資産は、2023年3月末(以下、前事業年度末)に比べ20億38百万円増加し113億26百万円、負債は、前事業年度末に比べ15億60百万円増加し34億94百万円、純資産は、前事業年度末に比べ4億77百万円増加し78億32百万円となりました。

2)経営成績

当事業年度の業績は、営業収益32億62百万円(前期比30.4%増)、純営業収益32億58百万円(同30.5%増)、営業利益6億63百万円(同420.6%増)、経常利益7億68百万円(同493.0%増)、当期純利益5億17百万円(同727.3%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物の当事業年度末の残高は、前事業年度末に比べ9億82百万円増加し37億25百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、16億28百万円の収入(前期は69百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは、5億26百万円の支出(前期は10億23百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは、1億19百万円の支出(前期は1億59百万円の支出)となりました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析

1)財政状態

(ⅰ)資産

当事業年度末の総資産は、2023年3月末(以下、前事業年度末)に比べ20億38百万円増加し113億26百万円となりました。主に変動した項目としては、「現金・預金」の8億25百万円増加、「約定見返勘定」の7億87百万円増加、「投資有価証券」の4億20百万円増加、「預け金」の3億57百万円増加、「トレーディング商品」の5億12百万円減少であります。

(ⅱ)負債

負債は、前事業年度末に比べ15億60百万円増加し34億94百万円となりました。これは主に、「預り金」が9億67百万円増加、「未払法人税等」が2億73百万円増加、「受入保証金」が1億9百万円増加したことによるものです。

(ⅲ)純資産

純資産は、前事業年度末に比べ4億77百万円増加し78億32百万円となりました。これは主に、「当期純利益」により5億17百万円増加、「剰余金の配当」により1億19百万円減少したことによるものです。

 

2)経営成績

(ⅰ)受入手数料

当事業年度の受入手数料は、23億15百万円(前期比39.1%増)となりました。その内訳は以下のとおりであります。

(委託手数料)

「委託手数料」は、16億8百万円(同22.1%増)となりました。これは主に、株式の委託手数料が15億82百万円(同28.6%増)になったことによるものです。

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、5億32百万円(同139.6%増)となりました。これは主に、投資信託の販売手数料の増加によるものです。

(その他の受入手数料)

「その他の受入手数料」は、1億74百万円(同40.0%増)となりました。これは主に、投資信託の信託報酬の増加によるものです。

(ⅱ)トレーディング損益

「トレーディング損益」は、8億81百万円(同15.1%増)となりました。これは主に、外国株式の売買高が増加したことによるものです。

(ⅲ)金融収支

金融収支は、62百万円の利益(同7.3%減)となりました。これは、「金融収益」が66百万円(同8.8%減)、「金融費用」が3百万円(同27.5%減)となったことによるものです。

(ⅳ)販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、25億94百万円(同9.5%増)となりました。これは主に、「人件費」が1億38百万円増加し14億39百万円(同10.7%増)、「取引関係費」が46百万円増加し2億96百万円(同18.8%増)、「事務費」が18百万円増加し4億91百万円(同4.0%増)、「租税公課」が12百万円増加し56百万円(同28.0%増)となったことによるものです。

(ⅴ)営業外損益

営業外損益は、1億5百万円の利益となりました。これは主に、保有していた投資信託を売却したことによる「投資有価証券売却益」および「受取配当金」によるものです。

(ⅵ)特別損益

特別損益は、2百万円の損失となりました。これは主に、「金融商品取引責任準備金繰入れ」によるものです。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

1)キャッシュ・フローの状況の分析

現金及び現金同等物の当事業年度末の残高は、前事業年度末に比べ9億82百万円増加し37億25百万円となりました。

(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、16億28百万円の収入(前期は69百万円の収入)となりました。これは主に、「預り金及び受入保証金の増減額」が10億77百万円、「税引前当期純利益」が7億66百万円、「トレーディング商品の増減額」が5億12百万円、「約定見返勘定の増減額」が△7億87百万円であったことによるものです。

(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、5億26百万円の支出(前期は10億23百万円の支出)となりました。これは主に、「投資有価証券の取得による支出」が16億61百万円、「定期預金の預入による支出」が2億円、「投資有価証券の売却による収入」が14億5百万円であったことによるものです。

(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、1億19百万円の支出(前期は1億59百万円の支出)となりました。これは、「配当金の支払額」が1億19百万円であったことによるものです。

 

2)資本の財源及び資金の流動性について

当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は37億25百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行5行と当座貸越契約または貸出コミットメント契約を締結しております。

なお、現在重要な資金の支出の予定はございません。

 

③重要な会計方針および見積り

当社の財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、投資有価証券の評価、金融債権にかかる貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損処理などの資産・負債および収益・費用の状況に影響を与える見積りおよび判断については、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。多くの不確実な要素が存在する状況において、もっとも適切と考えられる前提条件、情報を通じて実施しておりますが、前提となる客観的な事実や事業環境の変化などにより、見積りと将来の実績が異なる場合があります。

 

④経営指標の達成状況

当社は2022年9月に策定しました中期経営計画において、2025年3月末までに預り資産2,400億円、月間投資信託積立金額1億50百万円を目標としております。当事業年度末の預り資産は2,667億円、月間投資信託積立金額は1億16百万円となりました。