2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 3,082 100.0 441 100.0 14.3

事業内容

3【事業の内容】

当社の事業は、金融商品取引業を中核とする「投資・金融サービス業」を主な事業の内容とし、顧客に対して資産運用の幅広いサービスを提供しております。

主要業務としては、次の業務を営んでおります。

1.「有価証券の売買」

自己の計算により有価証券の売買(トレーディング業務を含む。)を行う業務であります。

2.「有価証券の媒介、取次ぎまたは代理」

顧客の委託を受けて有価証券の売買を執行することを中心とする業務であります。

3.「有価証券の引受けおよび売出し」

有価証券の発行に際し売出しの目的をもって発行者からその全部または一部を取得し、または、既発行有価証券を広く一般に均一の条件で売出す業務であります。

4.「有価証券の募集および売出しの取扱い」

有価証券の発行者または所有者もしくは引受人の委託を受け、新たに発行される有価証券の募集を取扱ったり、既発行有価証券について広く一般に売出す業務であります。

5.「その他金融商品取引業に付随する業務」

その他金融商品取引業に付随する業務として、金融商品取引法第35条に定められた業務であります。

 

なお、当社は「投資・金融サービス業」という単一の報告セグメントとしております。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)のわが国経済は、生鮮食品を中心とするインフレの高止まりが消費マインドを下押しする一方、6月から行われた所得減税や、企業の前向きな賃上げなどが個人消費を下支えしました。また、インバウンドがコロナ前の2019年を上回り過去最高となったことで、宿泊・観光業界などに恩恵が広がりました。

海外経済においては、雇用や個人消費の底堅さを背景に米国経済が堅調を維持しました。一方、ユーロ圏は一時の低迷からは脱却したものの、低空飛行を継続しました。またアジアにおいては、減速気味だったインドが回復を見せたほか、中国経済は消費財の買い替え促進策や輸出の回復(「トランプ関税」前の駆け込み需要の可能性)などを背景に、持ち直す展開となりました。

国内株式市場では、4月に40,600円台で始まった日経平均株価が、円安を背景に7月には42,400円台まで上昇しました。しかし8月には、日銀のサプライズ利上げや円高を受けて、一時31,100円台まで急落、その後は米株上昇に支えられて持ち直し、年内は39,000円前後で一進一退となりました。2025年になると、「トランプ関税」への警戒からリスクオフの流れが強まり、日経平均株価は35,600円台まで下落して3月の取引を終えました。なお、2024年4月から2025年3月の東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は5兆631億円(前年同期の1日当たり平均売買代金は4兆3,804億円)となっています。

米国株式市場では、4月に39,800ドル台で始まったダウ平均株価が、良好な景気や長期金利の低下等を背景に概ね上昇基調を維持しました。夏場に40,000ドル台を固めたダウ平均株価は、9月の米利下げ開始や11月5日のトランプ氏の大統領再選を機にさらに上昇、12月初めには45,000ドル台の過去最高値を付けました。しかしその後は「トランプ関税」を巡る不透明感から乱高下する展開となり、最終的には42,000ドル台で3月の取引を終えました。

このような状況の下、当社では地域に密着した対面による営業をビジネスの柱とし、お客様のニーズに合わせた提案営業を推進するため、国内外の株式、投資信託および外国債券など、商品ラインナップの拡充を図っております。また、お客様の堅実な資産形成を実現していただくため、投資信託の積立キャンペーンを行うなど、お客様本位の業務運営を行っております。

この結果、当事業年度の財政状態および経営成績は、以下のとおりとなりました。

1)財政状態

当事業年度末の総資産は、2024年3月末(以下、前事業年度末)に比べ14億9百万円減少し99億17百万円、負債は、前事業年度末に比べ11億70百万円減少し23億23百万円、純資産は、前事業年度末に比べ2億38百万円減少し75億93百万円となりました。

2)経営成績

当事業年度の業績は、営業収益30億82百万円(前期比5.5%減)、純営業収益30億77百万円(同5.6%減)、営業利益4億41百万円(同33.5%減)、経常利益5億99百万円(同22.0%減)、当期純利益3億92百万円(同24.3%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物の当事業年度末の残高は、前事業年度末に比べ8億50百万円減少し28億75百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、35百万円の支出(前期は16億28百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは、4億95百万円の支出(前期は5億26百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは、3億19百万円の支出(前期は1億19百万円の支出)となりました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

(ⅰ)資産

当事業年度末の総資産は、2024年3月末(以下、前事業年度末)に比べ14億9百万円減少し99億17百万円となりました。主に変動した項目としては、「現金及び預金」の10億87百万円減少、「約定見返勘定」の5億9百万円減少、「預託金」の3億円減少、「投資有価証券」の3億74百万円増加であります。

(ⅱ)負債

負債は、前事業年度末に比べ11億70百万円減少し23億23百万円となりました。これは主に、「預り金」が5億45百万円減少、「未払法人税等」が2億21百万円減少、「受入保証金」が1億62百万円減少、「信用取引負債」が1億30百万円減少したことによるものです。

(ⅲ)純資産

純資産は、前事業年度末に比べ2億38百万円減少し75億93百万円となりました。これは、「当期純利益」により3億92百万円増加、「剰余金の配当」により3億19百万円減少、「その他有価証券評価差額金」の変動により3億11百万円減少したことによるものです。

 

2)経営成績

(ⅰ)受入手数料

当事業年度の受入手数料は、22億48百万円(前期比2.9%減)となりました。その内訳は以下のとおりであります。

(委託手数料)

「委託手数料」は、12億63百万円(同21.4%減)となりました。これは主に、株式の委託手数料が12億35百万円(同21.9%減)になったことによるものです。

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、7億6百万円(同32.7%増)となりました。これは主に、投資信託の販売手数料の増加によるものです。

(その他の受入手数料)

「その他の受入手数料」は、2億78百万円(同59.7%増)となりました。これは主に、投資信託の信託報酬の増加によるものです。

(ⅱ)トレーディング損益

「トレーディング損益」は、7億14百万円(同18.9%減)となりました。これは、株券等トレーディング損益・債券等トレーディング損益がともに減少したことによるものです。

(ⅲ)金融収支

金融収支は、1億13百万円の利益(同83.0%増)となりました。これは、「金融収益」が1億18百万円(同79.7%増)、「金融費用」が4百万円(同25.6%増)となったことによるものです。

(ⅳ)販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、26億35百万円(同1.6%増)となりました。これは主に、「事務費」が32百万円増加し5億23百万円(同6.6%増)、「取引関係費」が28百万円増加し3億24百万円(同9.5%増)、「人件費」が24百万円減少し14億14百万円(同1.7%減)となったことによるものです。

(ⅴ)営業外損益

営業外損益は、1億58百万円の利益となりました。これは主に、保有していた投資信託を売却したことによる「投資有価証券売却益」によるものです。

(ⅵ)特別損益

特別損益は、3百万円の利益となりました。これは主に、保有していた非上場株式を売却したことによる「投資有価証券売却益」によるものです。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

1)キャッシュ・フローの状況の分析

現金及び現金同等物の当事業年度末の残高は、前事業年度末に比べ8億50百万円減少し28億75百万円となりました。

(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、35百万円の支出(前期は16億28百万円の収入)となりました。これは主に、「預り金及び受入保証金の増減額」が△7億7百万円、「法人税等の支払額又は還付額」が△4億18百万円、「税引前当期純利益」が6億3百万円、「約定見返勘定の増減額」が5億9百万円であったことによるものです。

(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、4億95百万円の支出(前期は5億26百万円の支出)となりました。これは主に、「投資有価証券の取得による支出」が24億72百万円、「投資有価証券の売却による収入」が17億95百万円であったことによるものです。

(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、3億19百万円の支出(前期は1億19百万円の支出)となりました。これは、「配当金の支払額」が3億19百万円であったことによるものです。

 

2)資本の財源及び資金の流動性について

当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は28億75百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、不測の事態に備えるため、当社は取引金融機関6社と当座貸越契約または貸出コミットメント契約を締結しております。

なお、現在重要な資金の支出の予定はございません。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、投資有価証券の評価、金融債権にかかる貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損処理などの資産・負債および収益・費用の状況に影響を与える見積りおよび判断については、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。多くの不確実な要素が存在する状況において、もっとも適切と考えられる前提条件、情報を通じて実施しておりますが、前提となる客観的な事実や事業環境の変化などにより、見積りと将来の実績が異なる場合があります。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

④経営指標の達成状況

当社は2022年9月に策定しました中期経営計画において、2025年3月末までに預り資産2,400億円、月間投資信託積立金額1億50百万円を目標としておりました。当事業年度末の預り資産は2,490億円、月間投資信託積立金額は1億62百万円となりました。