リスク
3【事業等のリスク】
当社の経営成績、事業運営及び財務状態その他に関する事項のうち、投資家の投資判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項として、以下のようなリスクがあげられます。これらのリスクは複合、連鎖して発生し、様々なリスクを増大させる可能性があります。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、本項目に記載の事項は必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、また、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1 顕在化の可能性が高いと想定している主なリスク
(1)外部環境に起因するリスク
① 業界競争の激化に伴う収益性低下のリスク
当社グループの主力事業である外国為替証拠金取引サービスは、インターネットを通じた個人投資家向け金融サービスとして市場の拡大を続け多数の金融機関や新規参入事業者が存在する成熟市場となっておりました。
こうした環境下では、各社がスプレッドの引き下げやスワップポイントの引き上げ、取引ツールの機能強化など、顧客獲得を巡って激しい競争を繰り広げており、結果として、業界全体として収益性の低下傾向が続いています。特に、FXサービスにおいては顧客の取引条件に対する感度が非常に高く、わずかな差異が資金流出入に直結するため、当社が競争条件において劣後した場合、預り資産の流出や顧客数・取引量の減少といった負の連鎖が起こるリスクが存在します。
加えて、顧客獲得のための広告費やプロモーション費用も増加傾向にあり、収益性のさらなる圧迫が懸念されます。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 商品力の高いプロダクト開発
日本円よりも低金利のスイスフランを活用したフランクロス通貨ペアなどを投入することにより、他社との差別化を図った商品を提供してまいりました。このような取り組みを通じて、競争力のあるスプレッド及びスワップポイントを備えた商品の開発・提供に努め、当社商品の競争力強化を図っております。
■ 機動的なシステム改修
当社グループ会社であるFleGrowthを活用し、金融商品取引に関するシステムの開発・保守運用を市場環境の変化に即応できる体制で行っております。これにより、多様化・高度化する顧客ニーズへの適切な対応を図るとともに、グループシナジーを活用した効率的かつ低コストな運営体制の構築に努めております。
■ 知財戦略の推進
当社では、高い商品力を有するプロダクトについて特許申請を行うなど、当社サービスの模倣防止及び参入障壁の強化に努めております。これにより、競争優位性を維持し、継続的に高い収益性を確保できる体制の整備を推進しております。
② 法令・規制遵守に関するリスク
金融商品取引業を営む当社グループは、金融商品取引法や同法に基づく政令・内閣府令、金融商品取引業者等向けの監督指針、並びに自主規制機関である金融商品取引業協会の規則等に基づき、厳格な規制の下で事業を行っています。当社グループにおいて、これらの法令・諸規則等に違反する行為や内部管理態勢上の重大な不備、顧客保護上の問題等が認められた場合には、業務改善命令、業務停止命令、登録取消しその他の行政処分、または自主規制機関による処分等を受ける可能性があります。その結果、当社グループの社会的信用、顧客からの信頼、事業運営、財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 内部管理体制の強化
各事業部門における業務フローの見直し及び文書化を進め、リスクの早期検知・是正につなげる内部統制の充実を図っています。また、第1線である事業部門、第2線である管理部門及び第3線である内部監査部門が、それぞれの役割に応じてリスク管理・モニタリング・内部監査を行っています。内部監査等における指摘事項については、対象部門が改善計画を策定し、その進捗状況を関係部門が確認・フォローアップすることで、内部統制の実効性向上に努めています。
■ コンプライアンス・リスク管理体制の整備
コンプライアンス・リスク管理担当部門を中心として、法令遵守状況や顧客保護に関する事項を検証するとともに経営陣への報告体制を整備しており、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会等を通じてリスク情報を共有し、全社的な観点から改善施策の検討及び実施を行っています。
■ 法令改正に対応した即応体制の構築
金融庁や金融商品取引業協会等が公表する法令・制度改正動向を継続的に把握し、影響分析を実施しております。制度変更があった場合には、関連規程・システム・業務フローの見直し及び役職員への周知・教育を速やかに実施し、適切な対応に努めています。
■ 社内規程の整備
法令・規制等の遵守を徹底するため、各種社内規程及び業務マニュアルの整備・見直しを継続的に実施しております。これにより、役職員への周知徹底を図るとともに、適切な業務運営及びコンプライアンス意識の向上に努め、法令・規制違反の未然防止に取り組んでいます。
■ 定期的な社内研修の実施
法令遵守意識の浸透を目的として、コンプライアンスに関する定期研修を実施し、全社員の知識・意識の向上を図っています。また、法令改正や業界動向に応じたテーマ別研修や理解度確認を実施することで、研修効果の向上及びコンプライアンス文化の定着に努めています。
■ 内部通報制度の運用
法令違反や不適切な行為を早期に発見・是正するため、内部通報制度を整備・運用しています。通報者保護を徹底し、役職員が安心して通報できる環境を整備することで、コンプライアンス上の問題の未然防止及び早期対応に努めています。
■ 第三者機関による監査の活用
客観的な視点からの監査を受けることで、潜在的なリスクの洗い出しと対策を講じるよう努めています。
③ 金融規制強化による事業制約リスク
FX市場は個人投資家の参加が多いことから、投資家保護の観点で規制強化が継続的に行われてきました。特に、最大レバレッジの引き下げや強制ロスカット水準の引き上げなど、取引に直接影響を与える規制は、取引量の減少や顧客離れにつながる要因となる可能性があります。
今後も、外国為替市場における急激な相場変動や投資家被害の発生等に応じて、監督当局・自主規制機関の方針変更等により、規制が強化される可能性があり、当社グループの事業活動に制約を与え、財政状態及び業績に重要な影響を及ぼすリスクがあります。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 規制動向の継続的なモニタリング
金融庁、自主規制機関及び業界団体等との情報連携を通じて規制動向を継続的に把握し、想定される制度変更が事業へ与える影響等について分析を行っています。また、複数の規制シナリオを想定した検討を行うことで、迅速な対応・体制の整備に努めています。
■ 顧客へのリスク説明の強化
規制内容や変更の背景を丁寧に説明し、顧客が適切な判断のもとで取引を行えるよう、情報提供体制を強化しています。また、規制変更時にはウェブサイトや取引画面等を通じて迅速な情報発信を行い、顧客への影響を最小限に抑えるよう努めています。
■ 投資対象及びサービスの多様化
FX取引における商品ラインナップの拡充やサービスの高度化を推進することで、顧客の多様な投資ニーズに対応するとともに、特定の商品・サービスへの依存度を低減し、収益基盤の安定化に努めています。
■ 収益源の分散及び事業基盤の強化
規制変更による取引量の変動リスクに対応するため、新たなサービスの開発や顧客基盤の拡大を進めることで、収益源の多様化を図り、事業環境の変化に対する耐性の向上に努めています。
■ システム・業務体制の柔軟性確保
金融商品取引業に係る各種規制は投資家保護のため常に見直しが行われており、最近ではサイバーセキュリティ対策の強化が求められるなかで高度な認証技術を必須化とする監督指針等の改定が行われる等、規制が強化されています。当社グループでは、これら制度等の変更に迅速に対応できるよう、システム及び業務運営体制の整備を進めつつ、規制変更時における顧客サービスへの影響を最小限に抑えるよう努めています。
④ 為替相場の変動等、経済環境の変化に伴うリスク
為替相場の急激な変動は、顧客にとっては損失要因となる場合があり、それに伴う預り資産の減少、取引控え、場合によっては口座解約に発展することがあります。当社グループにおいても、取引量の減少やスプレッド収入の低下、スワップ収益の変動等により、当社グループの営業収益及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。
また、ボラティリティの高まりは、システム処理能力やオペレーション体制にも負荷を与えるため、リスク管理体制の強化が求められます。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ リスク耐性を高める運用支援機能の整備
証拠金維持率のアラートや自動ロスカット機能の高度化等により、顧客への注意喚起及び損失拡大リスクの低減に努めております。
■ サーバー増強・バックアップ体制の強化
想定外のアクセス集中や相場変動にも耐え得るシステム基盤の強化を進めています。
■ カバー先金融機関拡充を通じた流動性の確保
急激な変動や市場流動性の低下等、経済環境の変化に伴うリスクに対応するため、カバー先金融機関の継続的な拡充を通じて取引流動性の確保に努めております。複数のカバー先との接続により、特定の金融機関への依存度を低減するとともに、市場環境の変化時においても安定的な価格取得が可能となる体制の整備を進めております。
■ 急騰落シミュレーションを通じたリスク分析
価格変動が大きくなりやすい高金利通貨等については、急騰落を想定したシミュレーションを実施し、保有ポジション、顧客取引動向、カバー取引の状況及び当社グループの財務状況に与える影響を定期的に点検しております。
■ 急騰落時に安定した価格提示を行うことができるシステムを構築
急変時や市場混乱時において一時的に発生する異常値、いわゆるバッドティックを自動的に検知・除外し、有効な価格を算出するシステムを導入しております。
⑤ 知的財産権侵害に関するリスク
a.当社グループが第三者の知的財産権を侵害するリスク
当社グループは、外国為替証拠金取引(FX取引)を中心とした金融商品取引サービスを提供しておりますが、当社が提供する取引システム、スマートフォンアプリ、注文処理機能、価格配信機能、UI/UX、マーケティング施策その他の事業活動に関連して、第三者が保有する特許権、著作権、商標権その他の知的財産権を侵害していると主張される可能性があります。
特に、FinTech分野においては、システム処理、取引アルゴリズム、情報配信技術等に関する特許出願及び権利化が進展しており、当社グループが認識していない第三者の知的財産権が存在する可能性があります。万一、第三者との間で知的財産権侵害に関する紛争、訴訟、ライセンス交渉等が発生した場合には、損害賠償金の支払い、ライセンス料負担、システム改修、サービス提供の制限又は停止等が生じる可能性があります。
これらの事象が発生した場合には、当社グループの信用低下、顧客離れ、収益機会の減少、追加コストの発生等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
b.当社グループの知的財産権が第三者に侵害されるリスク
当社グループは、事業活動において独自技術のあるサービスについて、特許権その他の知的財産権の取得より、競争優位な事業構築を実現できるよう努めております。しかしながら、第三者による当社グループの知的財産権の侵害が発生し、侵害行為に対して十分な保護や救済を受けられない場合には、当社グループの競争優位性の低下、収益機会の喪失等につながる可能性があります。また、同じ技術領域で他社がすでに特許権を取得していた場合には、当該技術を自由に使えなくなる可能性があります。
これらの事象が発生した場合には、当社グループの事業上の優位性の低下や事業機会の逸失等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 知的財産リスク管理体制の強化
当社グループでは、知的財産リスクへの対応として、知的財産権を所轄する専門の部署を設定して、システム開発及び新サービス導入時における知的財産リスクの評価、外部専門家(弁護士・弁理士)との連携、他社特許に関する調査の実施等を行っております。また、必要に応じて、外部専門家への照会、システム仕様変更等を実施することで、知的財産権侵害リスクの低減に努めております。
■ 他社特許対策
当社グループが提供するサービス(以下「当社サービス」)に関連しそうな他社特許を日々検索し、技術的特徴が似ているなど、何らかの対策が必要と判断した場合には、顧問弁理士と相談のうえ、適切な対応を実施しております。これらの日々の対策のほか、特許事務所に依頼して、当社サービスが他社特許の権利範囲に抵触していないかを確認するための特許侵害調査を定期的に行っております。たとえある時点においては問題がなくても、その後の当社サービスの設計変更、仕様追加又は他社特許の出願内容の変化により、他社特許を侵害している可能性が発生するケースもありえます。このような定期的調査により、かかるリスクの発生を未然防止し、他社特許の侵害リスク回避を図っております。
■ 特許権等の知的財産権の取得及び侵害行為のモニタリング
当社グループでは、事業活動から生じる独自技術について、サービス開発段階から権利化を見据え、速やかな特許権その他の知的財産権の取得による独占化に努めております。また、競合他社のサービスについて継続的なモニタリングを実施し、当社特許権等の知的財産権の侵害の可能性を認識した場合には、顧問弁護士及び顧問弁理士等の外部専門家と連携し、警告、ライセンス交渉、訴訟その他の適切な法的措置を講じることとしております。
■ 社内教育の実施
役職員に対する知的財産教育を継続的に実施し、特許権や著作権をはじめとした、知的財産制度に関する基本的知識の浸透を図ることにより、知的財産リスク管理体制の強化を図っております。
⑥ 地政学的リスク(海外拠点依存に関する業務リスク)
当社グループでは、コスト競争力と技術力を活かす目的で、主に中国及びベトナムの現地法人において、取引システム等の開発・保守業務を行っています。これらの拠点は、当社のIT基盤を支える重要な役割を担っていますが、今後、両国の政治的・社会的情勢の変化、自然災害、パンデミック、あるいはサイバーセキュリティ上の脅威により、現地拠点での業務が停止又は制限されるリスクが存在します。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 技術者集団の確保
技術者の採用・育成を強化し、高度な技術者集団を確保し業務継続性を確保しております。
■ 業務の分散化
中国・ベトナム・日本の3拠点において特定拠点に依存することのないバランスの取れたシステム開発・運用監視体制の構築を推進しております。
■ BCP(事業継続計画)の見直しと定期訓練
有事における代替業務手順や迅速な復旧体制の整備を進め、訓練を通じた対応力の向上を図っております。
(2)当社グループの事業戦略、経営基盤に関するリスク
① 新商品及びシステム開発に伴うリスク
当社グループでは、多様化する顧客ニーズに応えるため、トレイダーズ証券が新商品の導入や既存商品の改善を行い、FleGrowthがこれに対応する形でシステムの機能強化や新規開発を実施しています。しかしながら、開発された商品やサービスが顧客ニーズに合致しない場合や、技術革新のスピードが速く、製品の陳腐化が急速に進む場合には、トレイダーズ証券及びFleGrowthの業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
特に、開発した商品が市場に受け入れられない、又は競合他社の製品と比較して明確に劣ると評価される場合には、これらのリスクが顕在化する可能性があります。加えて、急速な技術進化が求められるシステム開発領域では、こうした状況がしばしば発生し得ることも念頭に置く必要があります。
また、FleGrowthのシステム開発・コンサルティング事業においては、開発したシステムの一部をソフトウエアとして固定資産に計上する場合がありますが、使用中止により除却損が発生し、業績を悪化させる可能性も想定されます。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 市場ニーズの徹底的な検証
新商品・新システムの開発にあたっては、顧客ニーズ及び市場動向を十分に調査・検証した上で、事業性を見極めた計画的な開発を推進しています。
■ 開発コストの厳格な管理
開発初期段階からコスト管理を徹底し、費用対効果の観点から開発可否を慎重に判断しています。
■ 迅速な開発体制の構築
競争力を確保するため、開発プロセスの効率化を図り、短期間で市場投入できる体制を整えています。
② ストレステスト結果が経営の健全性に影響を与えるリスク
トレイダーズ証券は、金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第21号の4に基づき、金融先物取引業協会の規則に従ってストレステストを毎営業日実施しています。このストレステストは、将来発生しうる異常事態における「最大想定損失額」(A)と「固定化されていない自己資本の額」(B)を比較し、BがAを上回ることを求めるものです。
自己資本の減少や、未カバーリスク・未収金リスク・カバー取引先の破綻リスクの増大などにより、最大想定損失額が増加した場合、経営の健全性を確保するために何らかの対応措置を講じる必要が生じるリスクがあります。
このリスクは、トレイダーズ証券の業績が悪化して自己資本が減少した場合、あるいは市場環境等の変化により最大想定損失額が増加した場合などに顕在化する可能性があります。
具体的には、FX取引事業において業績の低迷等により自己資本が不足する状況に陥った場合、「最大想定損失額」が「固定化されていない自己資本の額」を上回らないよう、顧客の証拠金倍率等に追加的制限を加えることや資本の積み増し、カバー取引先の分散の他、利益を犠牲にしてでも取引ポジションの調整を行う必要があり、結果として当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 未カバーポジションの適切なリスク管理
為替リスクに対するポジションの過不足を常時監視し、マーケットの状況を勘案しつつ、適切なリスク管理を行っています。相場変動時等は、過度なリスクを回避する管理体制を構築しています。
■ カバー先の拡充及びポジションの分散管理
信用リスクの集中を避けるため、信用力の高いプライムブローカーをカバー取引先に追加するなど、カバー取引先の拡充を進めています。また、それらカバー取引先にポジションを適切に分散し、リスクの低減に努めています。今後は、複数のプライムブローカーをカバー取引先とすることで、より一層の信用力強化と分散管理の徹底を進め、カバー取引先破綻リスクの低減を図ってまいります。
■ 自己資本の充実と強化
継続的に利益を計上することによる安定的な利益体質の維持により、内部留保の積み増しを恒常的に行い、自己資本の強化によるストレス耐性の向上を図っています。
(3)事業活動、顧客取引に関するリスク
① オンライン取引のシステム障害に伴うリスク
トレイダーズ証券では、主力商品であるFX証拠金取引において、顧客からの注文をインターネット経由で受け付け、社内のコンピュータ処理システム及び第三者機関との接続を通じて取引を執行しています。
当社グループでは、サーバーの増強や基幹システムの外部データセンターへの移設、システム改善、人材育成、障害時業務フローの整備に加え、設計・開発・テストの各工程における品質管理、ならびに24時間365日の監視体制の整備などを通じて、システム障害の未然防止、早期検知及び迅速な対応に努めています。しかしながら、サイバー攻撃による不正アクセスやシステム障害、誤作動などにより、システムが機能不全に陥った場合には、以下のような影響を被る可能性があります。
▶ 顧客からの注文を受け付けられず、取引の執行が不可能となる
▶ カバー先に対する取引を適時に実行できず、多額のトレーディング損失が発生する
▶ 顧客の信頼を損ない、損害賠償請求に発展する可能性がある
これらの事態は、日常的に発生し得るものであり、特に重大なシステム障害が発生した場合には、顧客対応に多大な支障をきたすおそれがあります。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 障害対応マニュアルの整備と即応体制の構築
システム障害発生時に備え、障害内容や影響に応じた代替手段の確保と、迅速な対応が可能な体制を構築しています。
■ 24時間体制のシステム監視
FleGrowthの海外子会社がシステムを24時間体制で監視し、異常を検知した際には直ちにアラートを発報、関係部門が迅速に対応できる体制を整えています。
■ 人材育成の強化
異常発生時に適切に対応可能なスキルを備えた人材の育成を、グループ全体で継続的に推進しています。
■ キャパシティ管理・性能検証の実施
ユーザー数や注文数の増加等に伴い、サービス品質や処理性能に影響が生じる可能性がある場合には、サーバー増強、システム最適化及びパフォーマンステストの実施等により、必要な処理能力の確保に努めています。
② 資金繰りリスク(トレイダーズ証券)
トレイダーズ証券では、顧客やカウンターパーティーとの資金決済代金や証拠金の受け渡し、信託銀行への顧客資産の区分管理信託金の預託など、多額の資金移動を日々行っており、厳格な資金繰り管理を実施しています。
ただし、海外口座で資金授受を行うカウンターパーティーとの資金決済は一営業日ないし複数営業日遅延することがあり、その間、信託銀行への預託金差入、顧客への証拠金返還支払いなどについてトレイダーズ証券が立て替えるケースがあります。加えて、為替相場が大きく変動した場合、カウンターパーティーとの資金決済代金や区分管理信託の受払に関する必要額が予見しづらく、多額の立替資金が必要となる可能性があり、資金繰りが一時的に逼迫するリスクがあります。
このような事態は、過去実績を踏まえ発生する可能性があると想定されます。
特に、FX相場の急激な変動などによって、想定を超える立替資金が必要となった場合には、資金繰りへの圧迫が一時的に深刻化する可能性があります。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 資金繰り管理の徹底
毎朝、関係部門の責任者が集まり、カウンターパーティーに預託する証拠金や日々の取引損益の値洗いに伴う資金決済代金、顧客への証拠金返還支払額の他、顧客区分管理信託の受払に伴う代金等、一元的に把握するとともに、それら資金需要に基づき確実に資金準備を行い、手許流動性の維持・確保に努めています。
■ 借入及び当座貸越枠、コミットメントラインの確保
緊急時に備え、金融機関からの借入、当座貸越枠やコミットメントラインの設定を積極的に進めています。
■ カウンターパーティーの多様化
カウンターパーティーとの証拠金率の交渉の他、緊急時に国内での資金決済が対応可能なカウンターパーティーの数を増やし、資金移動の柔軟性を高める体制を整えています。
③ 市場リスク
トレイダーズ証券では、顧客とのFX証拠金取引に関して、カウンターパーティーとのカバー取引を適宜実施することで、為替相場の変動による市場リスクの低減を図っています。
しかしながら、相場が急変した際には、カバー取引が即時に行えず、多額の損失を被るリスクが存在します。これらのリスクは日常的に発生しうるものであり、特に急激な相場変動時には、カバー先からのレート配信が一時的に停止されることで、トレイダーズ証券が多額の未カバー損失ポジションを抱え、損失が拡大する可能性が想定されます。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ カバー先の多様化とリスク分散
国内外複数のカウンターパーティーとカバー取引を実施することで、特定の取引先への依存を避け、リスクを分散しています。
■ 市場監視体制の強化
相場の急変に即応するための監視体制を強化し、取引執行リスクの低減を図っています。
④ カバー取引先(カウンターパーティー)のリスク
トレイダーズ証券は、顧客とのFX証拠金取引において、複数の金融機関等のカウンターパーティーを相手方としてカバー取引を行い、証拠金及び決済資金を差し入れています。しかしながら、世界的な景気後退や金融危機等の外部要因により、カウンターパーティーに財政状態の悪化や法的整理などの事態が発生するリスクが存在します。
具体的には、カウンターパーティーの破綻等により、差し入れた証拠金や決済資金が回収不能となり当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 財務状況の継続的なモニタリング
カウンターパーティーについては、取引開始時の審査及び開始後のモニタリングとして、トレイダーズ証券のリスク管理委員会(月次開催)において、財務状況を把握し、安全性を定期的に確認しています。検証が必要と判断した場合には、書面等にてヒアリングを実施しています。
■ 緊急時対応体制の構築
景況が急変した際には、トレイダーズ証券の役員間で即時に協議を行うとともに、臨時のリスク管理委員会を招集し、各カウンターパーティーの健全性を再評価し、迅速に対応できる体制を整備しています。
⑤ 顧客立替金が発生するリスク及び同債権が貸倒れとなるリスク
トレイダーズ証券は、顧客とのFX証拠金取引において、約定代金の4~100%を必要証拠金として預託を受け、建玉維持に際しては一定の証拠金維持率を求めています。また、FleGrowthが開発した自動ロスカットシステムを採用し、急激な相場変動時で顧客に決済損失が発生した場合でも、預り証拠金の範囲内に損失額が収まるように顧客の与信管理に努めています。
しかしながら、FX市場終了から開始までの間(例:週明け)に極端な相場変動が発生した場合、始値が前営業日終値と大きく乖離し、顧客の決済損失が預り証拠金を上回り、その不足額を即時に支払えない事態が生じる可能性があります。
このリスクは、値飛び(配信レートの大幅な乖離)を伴う激しい相場変動時に顕在化する可能性があると認識しており、多額の顧客立替金が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
具体的には、以下のような影響が想定されます。
▶ 顧客の決済損失が預り証拠金を超過し、トレイダーズ証券が一時的に立替金を負担
▶ 立替金の回収が困難となり、その全部又は一部に対してトレイダーズ証券が貸倒損失を被る
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 事前のリスク情報提供及び建玉の制限並びに証拠金倍率変更等
相場急変の可能性が高まった場合には、顧客に対し建玉決済や証拠金の追加預託を促すなど、投資リスクに関する情報を積極的に提供しています。また、実際に相場が急変した場合には、建玉上限数量の制限や、証拠金倍率の変更等、更なる追加的措置を検討・実施することとしています。
■ 立替金回収体制の整備
万が一立替金が発生した場合でも、迅速な対応により顧客からの回収を図る体制を整えています。
■ システムの継続的改善
FleGrowthにおいて、自動ロスカットシステムの更なる高度化を図り、損失拡大の抑止とシステムリスクの低減に努めています。
⑥ サステナビリティ課題への取り組みに関するリスク
企業の持続的な成長には、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を経営に取り入れることが求められており、気候変動や人権問題等の社会的課題への対応が不十分な企業は、株主や顧客、取引先といったステークホルダーからの信頼を失うリスクが高まっています。
このリスクは、企業活動のあらゆる場面において、日常的に顕在化し得るものであると認識しています。また、サステナビリティに関する対応が不十分と評価された場合、企業ブランド及び社会的信用の毀損、人材確保への影響、取引先との関係悪化、並びに投資家からの評価低下等を通じて、当社グループの事業運営及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、以下のような影響を想定しています。
▶ サステナビリティへの取り組みが不十分と見なされ、顧客が取引を停止
▶ 投資家が当社への投資を控え、経営成績や財務状況の悪化を招く
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 環境配慮活動の推進
社内のペーパーレス化や電力消費の削減に取り組むほか、再生可能由来電力の利用によるGHG排出量の削減を推進しています。また、環境保護に資する金融商品・サービスの開発・提供を進めるとともに、地域清掃活動への参加等、地域社会と連携した環境保全活動にも取り組んでいます。
■ 社会的責任の実行
大学・小学校・中学校・高等学校等の教育機関や官公庁と連携し、実社会と接続した金融経済教育の機会提供を推進しております。金融リテラシー向上及び教育支援を通じて、持続可能な社会の実現への貢献に取り組んでおります。
■ ガバナンス体制の強化
中長期的な企業価値の向上を目指し、取締役会におけるサステナビリティ課題への監督機能強化や、社外取締役比率の向上等、コーポレート・ガバナンスコードに沿った体制整備を進めています。
(4)オペレーショナルリスク、その他のリスク
① オペレーショナルリスク
当社グループでは、事務処理の複雑化、管理対象範囲の拡大に伴う業務遂行過程において、オペレーショナルエラーなどが発生した場合、顧客又は取引先からの損害賠償請求や監督官庁による行政処分を受けるといった影響を被る可能性があります。
こうしたリスクは、新たな事務処理手続の導入、法令や規則の変更、従業員の退職や人員異動などの局面で顕在化しやすくなります。
具体的には、当社グループの役職員による不適切な事務処理や、内部統制の不備により、適切なサービス提供が困難となる事態を想定しています。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 人材の確保と育成
優秀な人材の採用と適切な人員配置を行い、業務遂行能力の維持・向上に努めています。
■ 教育体制の充実
外部研修や社内セミナーの実施により、従業員の知識・スキル向上を図り、オペレーショナルリスクの低減に取り組んでいます。
■ 業務記述書及びマニュアルの整備
業務記述書及び各種マニュアルの整備・文書化を進めることにより、従業員の退職や人事異動等の局面においても円滑な業務引継ぎを可能とし、安定的な業務遂行能力を維持できる体制の整備に努めております。
■ ITを活用した業務管理体制の強化
当社グループでは、業務遂行過程におけるオペレーショナルエラーの発生防止及び早期発見を目的として、各種業務システムにおけるITを活用したチェック機能や承認機能の整備・強化を進めております。これにより、事務処理の正確性向上及び不適切処理の未然防止を図るとともに、法令・規則改正や組織変更等の環境変化にも適切に対応できる業務運営体制の構築に努めております。
■ 内部監査による内部統制モニタリング
各事業部門における業務フローの見直しと文書化を進め、リスクの早期検知・是正を可能にする内部統制の充実を図りつつ、内部監査部による内部統制のモニタリングを行うことにより内部統制の実効性担保を行っております。
② システムの瑕疵によるリスク
当社子会社であるFleGrowthでは、金融商品取引に関するシステムの開発・保守運用を行い、外部金融機関等に提供しています。万一、提供システムに重大な品質事故や不具合が発生した場合、提供先からの賠償請求を受けるリスクがあります。
このようなリスクは、システムの安定運用において継続的に考慮すべきリスクであり、常に注意が必要です。
具体的には、納品済みシステムに重大なバグが存在し、提供先においてシステム停止などの損害が発生し、FleGrowthが賠償責任を負うといった影響を想定しています。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 品質管理体制の徹底
開発プロセス全体において、要件定義、設計、開発、テスト、受入確認の各工程の管理を実施し、重大な不具合の発生防止に努めています。
■ 受入テスト(UAT)の実施
納品前に提供先と共同で受入テストを実施し、リリース前の不具合を未然に防止するよう努めています。
③ 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、ランサムウェア等のサイバー攻撃によるシステム停止や、サイバー攻撃・内部不正による個人情報や機密情報の漏洩等により、損害賠償請求や行政処分を受けるリスクがあります。
これらのリスクは、特定の時期に限らず常に存在し、日常的に顕在化し得るものと認識しています。また、後述の「顧客口座の不正利用に関するリスク」とも密接に関連しており、認証情報の漏洩が顧客被害につながる可能性も含めて、一体的なリスク管理が必要であることも認識しています。
具体的には、以下のような影響を想定しています。
▶ FX取引に関するシステムやサーバーの暗号化による長期間の業務停止
▶ サイバー攻撃による多額の身代金の支払い要求
▶ 情報漏洩に伴う損害賠償や対応コストの発生
▶ 社会的信用低下に伴う顧客資産・取引量の減少による収益悪化
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ セキュリティ体制の強化
トレイダーズ証券サイバーセキュリティ対策部及びFleGrowthを中心に情報セキュリティ管理体制を整備し、サイバー攻撃の予防に努めています。
■ インシデント対応・復旧体制の整備
インシデント発生時に備えた検知・初動対応・復旧の各プロセスを定め、事業継続計画(BCP)と連動した対応体制を構築しています。重大インシデント発生時には、関係当局への速やかな報告及び被害拡大防止に向けた初動対応を実施します。
■ 社内教育と訓練
標的型メールへの注意喚起、法令遵守研修の実施、内部管理体制の整備により、役職員による不正の未然防止を図っています。
■ テレワーク環境の整備
暗号化通信の導入、社内環境への接続制限等により、安全な勤務環境を構築しています。
■ 委託先の適正管理
外部委託先管理規程に基づき、定期的なチェックを行い、重大リスクを早期に把握・対応できる体制を整えています。
④ 顧客口座の不正利用に関するリスク
当社グループが提供するオンライン取引サービスでは、インターネットを通じて顧客が自らの取引口座にアクセスし、取引や出金等を行う仕組みを採用していますが、近年では、フィッシング詐欺やマルウェア等を通じて顧客の認証情報が第三者に不正取得される事案が増加しており、業界全体で口座乗っ取り被害が深刻化しています。
当社においても、こうした手口による不正ログインや不正出金等が発生した場合、顧客資産の毀損に対する補償対応や信頼喪失により、経済的損失や企業価値の毀損といった影響を受けるリスクがあります。とりわけ、顧客側の情報管理に依存する部分もあるため、当社単独の対策では完全に排除することが困難な側面がある点も、重大な経営上の懸念事項です。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 認証技術の高度化
パスキー及び多要素認証を用いたログイン認証・出金認証機能を導入し、本人確認の強化に取り組んでいます。今後も、フィッシング耐性の高い認証方式の採用拡大など、認証技術の継続的な高度化に取り組みます。
■ 不正アクセス防止策の多層化
認証技術に加え、不正な接続元の遮断、デバイス情報の確認、アクセスログの監視等を組み合わせた多層的な防御により、不正アクセスの防止を図っています。
■ 不正検知・遮断システムの強化
外部の脅威情報を活用した分析(脅威インテリジェンス)と、潜在的な不正の兆候を能動的に探索する取り組み(脅威ハンティング)を組み合わせたプロセスにより、不正検知・対応を強化しています。さらに、検知精度の向上に向けたAI技術の導入についても、段階的に検討を進めています。
■ 顧客への注意喚起及び啓発活動の継続
定期的なセキュリティ警告や、偽サイト・詐欺メールへの対処方法を含む情報発信を行い、顧客のリスク意識向上と自己防衛力の強化を図っています。
■ 被害発生時の迅速対応体制の整備
不正利用が発生した場合には、関係当局への報告及び被害拡大防止を含む初動対応を速やかに実施する体制を整えています。
⑤ データ管理の不備によるリスク
当社グループでは、顧客情報や業務データを電子媒体・紙媒体で記録・保存していますが、これらが適切に管理されなかった場合、漏洩や消失等のリスクが生じます。
このようなリスクは、バックアップの不備、媒体の故障、委託先での管理ミス等により、日常的に発生し得るものです。
具体的には、以下のような影響を想定しています。
▶ 情報漏洩に伴う損害賠償やデータ復旧費用の発生
▶ 社会的信用低下に起因する顧客・取引量・預り資産の減少
▶ FleGrowthへの損害賠償請求や取引先離脱による売上減少
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ システム管理体制の強化
トレイダーズ証券及びFleGrowthに専門部署を設置し、重要データを国内で安全に管理できる体制を整備しています。
■ 委託先の監督強化
外部委託先管理規程に基づき、委託先の適正性を定期的に確認し、早期にリスクを察知・対応できるよう努めています。
2 顕在化の可能性が低いと想定している主なリスク
(1)外部環境によるリスク
災害の発生によるリスク
当社グループでは、地震・津波・風水害などの大規模自然災害や事務所の火災等の発生により、従業員や保有資産の被災、必要人員の確保困難、通信障害や電力供給不足などが生じ、業務運営の継続や業績に重大な影響を及ぼす可能性があると認識しています。
このようなリスクは、過去の事例からみると、おおむね10年に1回から数回程度の頻度で発生し得るものと考えられます。
具体的には、以下のような影響を想定しています。
▶ FX取引事業において、業務継続が困難となり、長期間にわたり収益が喪失する
▶ システム開発・システムコンサルティング事業において、FXシステム等の保守・運用業務の停止、システム開発の中断による納品遅延
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ BCP(事業継続計画)の整備と訓練
トレイダーズ証券において緊急時対応を想定したBCPを策定し、代替事務所を遠隔地に確保しています。また、定期的に社内訓練を実施し、緊急時の課題抽出と備えを強化しています。
■ 拠点分散とテレワークの活用
システム開発・保守業務においては、テレワーク体制を整備するとともに、業務拠点を国内外に分散させ、リスク軽減を図っています。具体的には、宮城県仙台市にニアショア拠点を設立し、実効性のあるリスク分散策を推進しています。
(2)当社グループの事業戦略、経営基盤に関するリスク
自己資本規制比率が低下するリスク
トレイダーズ証券は、第一種金融商品取引業者として、金融商品取引法第46条の6に基づき、自己資本規制比率(固定化されていない自己資本をリスク相当額で除した比率)を120%以上に維持することが求められています。業績の低迷等によりこの比率が120%を下回るときには、金融当局から業務の方法の変更を命じられ、更に100%を下回るときには3月以内の期間を定めて業務の全部又は一部の停止を命じられる可能性があります。また、業務停止後3月を経過した日においても100%を下回り、かつ、回復する見込みがないと認められるときは、金融商品取引業者の登録を取り消すことができるとされており、今後、上記要件に抵触した場合、業務停止や登録取消等の行政処分を受けるリスクがあります。
このリスクは、業績の悪化に伴って自己資本が大きく減少した場合、又はリスク相当額が増加した場合に顕在化する可能性があります。具体的には、FX取引事業において業績の低迷が続き、金融当局から行政処分等を受けた結果、信用失墜が生じ、当社グループ全体の財政及び業績悪化につながる可能性を想定しています。
なお、2026年3月31日現在のトレイダーズ証券の自己資本規制比率は、662.8%となっております。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ リスク管理体制の徹底
トレイダーズ証券において、適切なリスク評価・管理を継続的に実施しています。
■ 収益基盤の強化
顧客の預り資産及び取引量の拡大を図り、トレーディング損益の増加を通じて自己資本の持続的な積み上げに努めています。
(3)事業活動、顧客取引に関するリスク
発注先の信用リスク
FleGrowthでは、システム開発及びシステム運用・保守において、発注先と契約を締結し、前受金又は納品時・サービス提供時に対価を受領していますが、発注先が信用不安や破綻に陥った場合、売掛金の回収不能やシステム開発の中止等により損失が発生するリスクがあります。
このようなリスクは、日常的に顕在化する可能性があると認識しています。
具体的には、システム開発・コンサルティング事業において、納品後に発注先の信用悪化により売掛金が回収できず、FleGrowthが損失を被る事態を想定しています。
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 信用調査の徹底
契約締結前に、発注先の財務状況や信用力を十分に審査し、信用リスクを適切に評価・判断するようFleGrowthにおいて体制を整備しています。
(4)オペレーショナルリスク、その他のリスク
① 役職員の不正行為によるリスク
当社グループでは、役職員による不正又は予測困難な不正行為により、ブランドイメージの毀損や信用失墜を招く可能性があります。
このようなリスクは、特定の時期に限らず、突発的に発生する可能性があるものと認識しています。
具体的には、以下のような影響を想定しています。
▶ 不正行為の発覚による風評リスクの増大
▶ 行政処分(課徴金・過怠金・業務改善命令等)の対象となる可能性
▶ 社内外の信頼性低下により事業遂行が困難となる
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 法令遵守意識の徹底
役職員向けに毎月、コンプライアンス研修を実施し、研修内容の理解度テストを実施するなど、法令遵守意識の定着を図っています。
■ 内部管理体制及び内部監査部の体制強化
適切な内部統制環境を整備し、内部監査部による内部統制のモニタリングを行うことにより不正が発生しにくい内部統制体制を構築しています。
■ 内部通報制度の整備
「公益通報者保護規程」を策定し、総務部、常勤監査等委員及び外部弁護士につながるホットラインを通じ、匿名・安全に通報可能な環境を整備し、不正行為の早期発見・未然防止を図っています。
② 外部業者への業務委託に伴うリスク
当社グループは、システム開発・コンサルティング事業における一部業務を外部業者に委託していますが、委託先によるサービス品質の低下や不正行為により、当社グループの事業運営に支障を来すリスクがあります。
このリスクも予測が難しく、いつでも顕在化し得るものと考えられます。
具体的には、以下のような影響を想定しています。
▶ 委託業者による個人情報・機密情報の漏洩や改ざん
▶ 委託業者の経営悪化による成果物の品質劣化・納品遅延
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 外部委託先の適正性確認
外部委託先管理規程を整備し、定期的に委託業者の信用状況や管理体制を確認しています。
■ リスクの早期把握と是正対応
委託業者の変更や業務代替策を含む対応体制を整備し、早期にリスクを把握し適切に対応できるよう努めています。
③ 犯罪による収益の移転防止に関するリスク
トレイダーズ証券は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」に基づき、顧客の本人確認、取引記録の保存、疑わしい取引の届出などの措置を講じています。しかしながら、業務の一部が法令に準拠していない場合には、行政処分や信用失墜といった影響が生じる可能性があります。
このリスクは、口座開設や取引時など、継続的に存在するものと考えられます。
具体的には、以下のような影響を想定しています。
▶ 犯罪組織による口座利用が発覚した場合、業務改善命令等の行政処分を受ける
▶ 信用失墜により顧客預り資産が減少し、取引量が減退、結果として収益が悪化し、企業価値の毀損につながる
このようなリスクに対して、当社グループでは以下の対応を進めています。
■ 社内教育の実施
犯罪収益移転防止に関する法令遵守の意識向上を図るため、年度計画に従い、社内セミナーを継続的に実施しています。
■ 厳格な本人確認と記録保存
同法に基づく本人特定事項の確認を徹底し、取引記録の保存や疑わしい取引の届出を確実に行う体制を整えています。
配当政策
3【配当政策】
当社は、グループ目標達成に向けて将来の事業展開を総合的に勘案し、経営基盤強化のために必要な内部留保にも留意しながら、連結純資産配当率(DOE)4%を目安に年2回の安定的な配当を継続して行うことを基本方針としております。なお、2026年4月30日公表の「配当方針の変更に関するお知らせ 連結純資産配当率(DOE)目 安引き上げ(4%以上から「5%以上」へ引き上げ)」のとおり、2027年3月期以降の配当方 針につきましては、DOE5%目安に配当を継続して行う方針に変更しております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。また、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
当期の配当につきましては、同基本方針を基に当期の好調な通期連結業績の見通しを踏まえ、前期実績の32円00銭から1株当たり8円増配し40円00銭(年間増配率25%)とする予定であります。中間配当として1株につき16円00銭をお支払いしておりますので、2026年6月24日開催予定の第27回定時株主総会で期末配当を24円00銭とすることを決議する予定であります。
2027年3月期の中間配当につきましては、1株当たり22円を計画しております。2027年3月期の期末配当につきましては、1株当たり23円を計画しております。
当社は、配当の成長率と透明性、そして安定化に注力し、株主の皆様からのご支援に応えてまいりたいと考えております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
|
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
|
2025年10月21日 |
426 |
16.00 |
|
取締役会決議 |
||
|
2026年6月24日 |
632 |
24.00 |
|
定時株主総会決議(予定) |