2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    702名(単体) 60,138名(連結)
  • 平均年齢
    39.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    10.0年(単体)
  • 平均年収
    11,426,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    9.4%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 当社グループに集う社員への想い

当社グループでは、Employee Philosophy Statement「Daiichi Lifeグループで働く人を考える」を制定し、「一生涯のパートナー」として働く私たちが大切にしてきた想いをグループ各社と共有しております。すべての社員が生き生きと個性を発揮し活躍できる世界の実現、そして企業価値の更なる向上に向け、人財の育成や戦略的な配置、多様な人財が最大限に活躍できる組織風土の醸成に取り組んでおります。

 

Daiichi Lifeグループで働く人を考える

 

成長は、自分ひとりで成し遂げるものではありません。

私たちの100年を超える歴史と経験が教えてくれるように

成長とは、多くの仲間とのつながりの中で生まれるもの。

Daiichi Lifeグループは、あなたのパートナーとして

共に成長し、皆で高め合い、互いに成功を支援し

今も、そしてこれからもすべての人々の幸せを守り、高めます。

あなたがグループのどこにいても、そしてグループのどこへ行っても

私たちは共に歩み、皆ですべての社員が生き生きと個性を発揮し

活躍できる世界(World of Opportunities)の扉を開いていきます。

 

 

 

② グループ人財戦略

当社グループは、パーパスとして掲げる「共に歩み、未来をひらく 多様な幸せと希望に満ちた世界へ」の実現に向けて、生命保険の枠を超えた価値提供を行う「保険サービス業」へと進化することを目指しております。パーパスで志向する姿への道標として、2030年に目指す姿を「日本の保険業界の未来を先導する存在」、「グローバルトップティアに伍する保険グループ」と定めており、時価総額10兆円という目標に向けて、国内保険、海外保険、資産形成・承継アセマネ、新規(非保険)、IT・デジタルの5つの事業戦略とこれらを支えるGroup CXOによるマトリクス型の経営を推進しております。

以上の経営戦略のもと、2030年までに従来の国内保険中心のビジネスモデルから、海外生保事業が利益の過半を占め、新規事業及びアセットマネジメント事業が利益全体の10%を占める姿へと変革していく姿を描いております。このようなビジネスポートフォリオの大きな変革を伴う成長、そして保険サービス業への進化を志向するにあたって、その原動力となるのがグループ約60,000名の人財であり、経営戦略に資する人財基盤を構築することが人財戦略の最大の目的であると考えております。当社グループでは、「多様な人財が可能性を最大限に発揮し、挑戦と変革を実現する」をスローガンとする人財戦略を以下の6つの柱に基づき推進し、主体的にキャリアをひらく人財への支援を強化しております。

 


 

グループの社員が多様な国・地域で働いており、企業価値との関係もそれぞれが担う職務やポストによって異なる中では、個々の社員がそれぞれの持ち場でこれまで以上に生産性を向上させることが、持続的な企業価値向上の源泉であると考えております。生産性は、従業員一人ひとりの働きがいを示す指標であるエンゲージメントの向上と、変化への対応力を高める多様な人財ポートフォリオの構築という2つの要素によってもたらされるととらえております。当社グループの人財戦略のスローガンは、こうした目指す組織像を端的に表したものであります。目指す組織像に向けて変革を進めていく上で、特に以下の3点が課題であると考えております。

 

a.  主体的なキャリア形成文化の定着

従来の会社主導のキャリア形成から、その主体を社員一人ひとりへと移していく。グローバルトップティアの実現にどのように貢献するかを自ら考え、AI・デジタル化等の環境変化もとらえながら、自らの可能性を最も活かせるキャリアを切りひらいていく文化を浸透させる。

b.  公平な不平等の実現・浸透

主体的なキャリア形成の結果として高いパフォーマンスを発揮した人財に対して、マーケット競争力を考慮した報酬水準のもとで、従来以上にメリハリをもって報いることで、社員の貢献実感を高める。

c.  多様な人財ポートフォリオの形成

入社経路や性別にとらわれず、様々なバックグラウンドの社員が同じ組織の中で協働する環境を作るために、キャリア採用者や若手・女性社員の登用、障がい者雇用などを積極的に進めていく。

 

6つの柱に基づく施策を展開する過程で、上記3つの重点課題を乗り越え、企業文化の変革を伴うかたちで人財戦略を推進することを目指しており、以上の考えとプロセスを可視化するために人的資本インパクトパスを以下のとおり策定しております。

 

 


 

③ 人財戦略を支える6つの柱と具体的な取組

a. 財獲得・人財育成

急速に変化する事業環境に対応するため、多様な人財の獲得を推進しております。新卒採用では、特定領域の専門性を高めるスペシャリティコースを拡充し、2025年4月入社から8コース体制としました。2026年卒の新入社員におけるスペシャリティコース採用者の比率は約4割を占めております。

また、事業領域の拡大と深化を支える人財確保のため、キャリア採用にも注力しております。新卒採用が人財育成を通じた中長期的な人財ポートフォリオの多様化に繋がる一方で、キャリア採用は即戦力の確保に加え、社内風土の変革を促す観点からも重視しております。直近2年は、キャリア採用者数が新卒採用者数を上回り、組織の多様性が着実に高まっております。

人財育成では、グローバルトップティアに伍する保険グループ実現に向けて、グローバルで通用する語学力、ビジネス実践力を備えた人財の育成に取り組んでおります。若手~中堅を対象とした国内外の研修や英会話コーチング等の自己啓発支援など、様々な施策を展開しております。グローバル人財の育成状況を測るため、外国人講師との実際のビジネスシーンを想定したミーティング、プレゼンテーション、交渉を通じたアセスメントである「Global Pool Assessment(GPA)」を活用しております。5段階中3.5以上の評価獲得者数をKPIに設定し、2025年度には累計281名と目標の250名を超過達成しました。

加えて、デジタル活用によるビジネスモデル変革・事業効率向上を推進する上で、DX人財の育成に取り組んでおります。2024年度から当社及び国内生保会社を対象に、6つのフェーズで構成されるDX人財育成プログラムを展開しております。これまでに8,000名超が受講し、約4,300名がPhase2に認定されました。Phase2は「デジタル活用層」として、所定の研修受講と国家資格であるITパスポート等の取得を要件とするもので、グループにおけるDXの裾野拡大を図る指標として重視しております。

第一生命保険株式会社における生涯設計デザイナーの育成においては、入社初期教育の充実を図っております。入社後6か月間でスキルやリテラシーを集中的に学ぶ「キャリアカレッジ」をはじめとした教育体制の整備を行っております。各種取組により、金融リテラシーの向上を通じたコンサルティング力強化につながっているほか、入社後の在籍率の改善にも寄与しております。

 

b. 体的なキャリア形成支援

グループ社員に求める人財像である「主体的にキャリアをひらく人財」を体現するための機会として、社員一人ひとりのキャリア形成を支援する様々な制度を整備・提供しております。

国内向けの制度として、グループ内の多様な職務に対して公募を行うMyキャリア制度を運営しており、応募者数・合格者数はいずれも順調に増加しております。2024年度からはラインマネジャー職への公募を開始し、2階級下のポストから応募できる仕組みとすることで、キャリアの早い段階からのマネジメントへの挑戦を後押ししております。

また、国や会社の枠を越えて自ら手を挙げ、グローバルなキャリア機会に挑戦できるグローバル・ジョブポスティングを2022年より開始しております。異国での就業経験を通じて得た学びや気づきを所属元に還元し、グループ一体での成長に貢献することを期待しております。制度開始からこれまでに51ポストで公募があり、118名が応募しております。

さらに、管理職級社員を対象に、一部の国内グループ会社の社長職を公募する「経営人財公募制度『社長やります!』プロジェクト」を2025年度に実施いたしました。新たな視点を持つ人財の経営参画により、既存の常識にとらわれず各社の事業成長を促すことを狙いとしております。将来を担う経営人財の育成の観点から、応募者の年齢を45歳以下とし、21名が応募いたしました。

 

 

c. 人事制度・報酬制度

当社グループでは、職務内容に応じてマーケット競争力のある報酬水準を実現するための制度設計を進めております。人財獲得競争が激化する中、優秀で意欲ある人財の獲得・定着には、パフォーマンスに応じたメリハリある報酬を提供することが不可欠だと考えております。

こうした考え方のもと、当社では、グループ全体の事業の多角化と深化を支える人財を確保・リテンションするため、ジョブ型人事制度を2025年から導入いたしました。制度適用者は段階的に拡大しており、2026年4月時点で約420名がジョブ型に移行しております。また、第一生命保険株式会社においては、2027年4月に人事制度を改定する予定であります。年次・年齢に関わらず、職務内容・役割の大きさやパフォーマンスと処遇の連動を強化することで、採用競争力の強化や優秀な人財のリテンション、ハイパフォーマーへの処遇向上を狙いとしております。

2024年に導入した従業員株式報酬制度では、従業員持株会に加入している全従業員を対象に、毎年一定数の当社株式を給付しております。また、経営幹部層には、業績達成度に応じて追加的に株式給付を行うことで、企業価値向上への一層のインセンティブを働かせる仕組みとしております。全従業員対象の制度は対象会社を拡大しており、2026年4月時点の国内グループ11社における加入率は9割超と高水準で推移しております。

 

d. 財適所の人財配置

海外事業のさらなる拡大や非保険領域への進出など事業領域を拡大している中、事業戦略遂行を支える人財ポートフォリオの構築を戦略的に進めております。日本国内では、第一生命保険株式会社の事業効率化や成長分野への重点的な人財配置などを目的に戦略的な人財シフトを推進しております。2026年4月時点で、累計約3,600名のシフトを実施いたしました。

 

e. 風土・Well-being

当社グループは意思決定層の多様性を重視し、日本国内における女性活躍推進を重要課題の一つと位置づけております。組織全体の多様性がイノベーション創出の源泉となり、企業風土変革にもつながると考えております。2030年までの女性役員及び女性組織長比率30%達成を目指して各種施策を展開しており、これらの比率は順調に上昇しております。

また、当社及び国内生保各社では、社員が主体的に組織に貢献し、自分らしく働ける職場づくりを目指して、2021年度よりエンゲージメント調査を実施しております。エンゲージメントは経営の重要指標と位置付けており、取締役の業績連動報酬におけるサステナビリティ指標にも組み込んでおります。また、今期策定した人的資本インパクトパスにおいても、生産性向上のキーファクターの1つに位置付けております。多様な働き方が広がる中、総合スコアは調査開始以来4年連続で上昇し、ベンチマークを超える水準で推移しております。

柔軟な働き方推進の観点では、育児・治療・介護などのライフイベントと仕事の両立支援に積極的に取り組んでおります。男性育休は累計1か月以上の取得率100%を目指し、法令を超える取組を実施しております。加えて、多様なライフスタイルに応じた支援を強化するために、2024年度よりベネフィット・ワンの福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」を国内全社員に導入しております。

さらに、健康経営を通じて社会全体のWell-beingに貢献することを目指し、働き方の変化に伴う健康リスクに対応するため、「生活習慣病予防」と「メンタルヘルス対策」を重点領域とし、取組の強化を図っております。

 

f. グループHRガバナンス

当社では、グループCEOを含む役員層で構成される人財コミッティのもと、次世代の経営リーダー育成と多様性向上に取り組んでおります。経営候補人財の安定的な輩出は、将来にわたる経営基盤の安定につながり、持続的な成長を支える重要な経営戦略の一つと位置づけております。また、変化の激しい経営環境に柔軟に適応し、新たな価値を継続的に生み出すためには、組織の多様性が必要不可欠だと考えております。これらを経営陣のコミットメントのもとで推進しており、部門別の取組状況や必要なアクションを共有しながら、取組の強化を図っております。

 

また、従業員だけでなく経営陣の多様性確保にも注力しており、社外からの人財登用を積極的に進めております。2026年4月時点で当社役員のうち約4割が外部出身者であり、業界や当社固有の慣習にとらわれない視点を取り入れながら、企業風土変革と新たな価値創造を図っております。

日本国内だけでなく、海外グループ各社とも連携し、HRガバナンスに取り組んでおります。その一例として、海外グループ会社CEOの報酬ガイドラインを策定し、グループ中期経営計画や各社の事業ステージ、市場水準を踏まえた公正かつ競争力のある報酬水準を設定しております。加えて、グループ経営の高度化を人財の面から推進するため、各社のHR部門との定期的なコミュニケーション機会を通じ、グループ全体でのシナジー創出を進めております。

 

④ 各種取組を図る指標・人財戦略KPI

上記の人財戦略に基づく各人事施策を推進する上で、その進捗を測定するKPIを以下のとおり設定しております。各施策の一次的な効果として顕在化するものをアウトプット、そしてこれらが集積した結果として結実するものをアウトカムとして整理しております。

 

 

項目

指標

2023年度

2024年度

2025年度

目標

アウトプット

人財育成

GPA 3.5以上評価取得者(注)1

187名

205名

281名

2026年度末約320名

 

DX人財育成プログラム
Phase2到達者数(注)2

-

2,359名

4,124名

2026年度末約5,400名

 

Udemy受講者数

239名

525名

974名

拡大

 

Udemy受講者一人あたり学習時間

-

8.1時間

32.7時間

拡大

 

生涯設計デザイナーチャネルに

おける営業収益価値

(2022年度比)(注)3

96.7%

138.0%

149.1%

拡大

 

生涯設計デザイナーチャネルに

おける一件あたり保険料

(2022年度比)

143.3%

200.6%

226.6%

拡大

 

生涯設計デザイナーにおける
入社3年目在籍率(注)4

66.6%

70.8%

70.8%

拡大

キャリア自律

Myキャリア制度応募者数

411名

495名

550名

2026年度600名

 

グローバル・ジョブポスティング
応募者数

26名

38名

21名

拡大

多様性

女性役員比率(注)5

13.7%

17.1%

18.2%

2030年30%

 

女性組織長比率(注)5

19.1%

19.5%

22.0%

2030年30%

働きやすい

職場づくり

年間男性育休取得率(注)6

108.5%

113.1%

107.9%

100%

 

年間男性育休平均取得日数

(注)6

23.1日

25.4日

36.7日

30日

 

プレゼンティーズム

23.4%

23.3%

22.5%

設定なし

アウトカム

エンゲージ

メント

エンゲージメント総合スコア

65.0

66.3

67.6

設定なし

 

(注)1 GPA(Global Pool Assessment)とは、外国人講師との実際のビジネスシーンを想定したミーティング、プレゼンテーション、交渉を通じたアセスメントを指します。

2 DX人財プログラムのPhase2とは、社内のデジタルツールを駆使して業務効率化等を進める「デジタル活用層」の中でも、所定のeラーニング受講及びITパスポート等の資格取得を通じて、DXスキルの基礎となるデジタルツールの活用方法やDXリテラシーを身に着けた水準を指します。

 

3 営業収益価値とは、生涯設計デザイナーの獲得収益を表す当社独自の指標であります。

4 入社後25か月目1日時点で在籍している生涯設計デザイナーの割合であります。

5 実績は2026年4月時点、目標は2030年4月時点であります。女性役員比率は、当社、第一生命保険株式会社を対象としております。また、女性組織長比率は、当社、第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社、ネオファースト生命保険株式会社を対象としております。なお、ネオファースト生命保険株式会社は、2026年4月1日付で第一ネオ生命保険株式会社に商号を変更しております。

6 年間男性育休取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合の算出基準に則して算出しております。なお、前事業年度に配偶者が出産した男性労働者が当事業年度に育児休業を取得した場合を含むため、100%を超えております。また、年間男性育休取得率、年間男性育休平均取得日数の対象会社は、当社、第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社、ネオファースト生命保険株式会社であります。

 

⑤ 従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

当社及び第一生命保険株式会社の従業員の給与その他の給付の額は、「5 従業員の状況等 (2) 従業員の状況 ②提出会社及び最大人員会社の状況」に記載しております。

当社グループがグローバルに事業を展開し、保険サービス業への進化を目指すにあたり、事業領域の拡大と深化を支える高度な専門性を持った人財の確保は極めて重要であるという考え方のもと、当社において職務内容に応じて報酬水準を決めるジョブ型人事制度を2025年4月より導入しております。外部人財の採用や社内人財のリテンションをこれまで以上に強化する必要があるとの課題意識から、外部報酬サーベイを活用し、マーケット競争力を意識した報酬水準を設定しております。これに加えて、高業績人財や極めて高度な専門性を有する人財に対しては、長期インセンティブとして追加で株式給付を行う報酬体系としております。

第一生命保険株式会社では、主に内勤職と生涯設計デザイナーを主とした営業職があり、異なる給与体系を採用しております。

内勤職の給与水準は、一部の上位職層においては職務評価に基づき処遇水準を設定しているほか、アクチュアリーやファンドマネジャー等高度な専門性を持つ人財に対してはスペシャリスト手当を支給しており、専門性を持った人財の確保・リテンションに取り組んでおります。また、2027年4月に実施予定の人事制度改定に伴い、マーケット水準を前提とした職務評価に基づく報酬体系をより多くの職層へと導入していく予定であります。

生涯設計デザイナーの給与は、営業成績に応じた歩合給がベースとなっております。ただし、2022年度より、生涯設計デザイナーの安定的な確保・長期間の定着を目的に、入社5年目までは固定給と営業成績に連動した成果給を組み合わせた安定的な給与制度としております。

当社と第一生命保険株式会社の平均給与に差が生じておりますが、これは主に第一生命保険株式会社において、相対的に賃金水準の低い定型業務に従事する職掌が一定の割合を占めている点、同社の従業員の多数を占める生涯設計デザイナーの中で、入社年次が浅く、相対的に賃金が低い層の割合が高い点などが要因であります。前者については、2025年度において、全社的な賃上げに加えてベースアップ対応を実施しているほか、後者の生涯設計デザイナーに対しては、営業活動支援費として年4万円分の補助を2026年度に実施しております。

 

 

(2) 【従業員の状況】

 

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(注)1

国内保険事業

48,222

海外保険事業

9,670

その他事業(注)2

2,246

合 計

60,138

 

(注) 1 従業員数は、当社及び連結子会社から他社への出向者を除き、他社から当社及び連結子会社への出向者を含んでおります。また、パートタイマー等の臨時従業員数は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。

2 前連結会計年度末に比べ従業員数が337名増加しておりますが、主として当社に第一生命保険株式会社と第一フロンティア生命保険株式会社の運用執行機能を集約したことによるものであります。

 

提出会社及び最大人員会社の状況

当社および当事業年度における従業員数が最も多い会社である第一生命保険株式会社の状況は下記のとおりであります。

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

(単位未満切捨)

名称

従業員数

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与

平均年間給与の対前

事業年度増減率

第一生命ホールディングス株式会社

702

39歳  1ヶ月

10年 11ヶ月

11,426

千円

9.4

第一生命保険株式会社

46,447

47歳  0ヶ月

12年  3ヶ月

5,170

千円

13.2

 

(注) 1 2026年4月1日付で、第一生命ホールディングス株式会社は株式会社第一ライフグループに商号を変更しております。

2 第一生命ホールディングス株式会社の従業員は全て、セグメント情報の「その他事業」に属しております。また、第一生命保険株式会社の従業員は全て、セグメント情報の「国内保険事業」に属しております。

3 従業員数は、他社への出向者を除き、他社からの出向者を含んでおります。また、パートタイマー等の臨時従業員数は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。

4 従業員のうち、他社からの出向者の平均勤続年数は、各社での勤続年数を通算しております。

5 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。当社と第一生命保険株式会社の平均給与に差が生じている要因は、主に第一生命保険株式会社において、相対的に賃金水準の低い定型業務に従事する職掌が一定の割合を占めている点、同社の従業員の多数を占める生涯設計デザイナーの中で、入社年次が浅く、相対的に賃金が低い層の割合が高い点などであります。

6 第一生命保険株式会社と第一フロンティア生命保険株式会社の運用執行機能を集約したこと等に伴い、第一生命ホールディングス株式会社の従業員数が前事業年度末と比べ増加しております。

 

③ 労働組合との間で特記すべき事項

当社グループ従業員に関する労働組合としては、1952年3月31日に結成された第一生命労働組合があり、全国生命保険労働組合連合会に加盟しております。また、Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limitedには、従業員の過半数が加入し、同社と労働条件に係る折衝を行う第一生命ベトナム労働組合(正式名称:The Trade Union of Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Ltd.)があります。労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

当社は使用人その他の従業員のみを対象とした従業員株式所有制度を導入しております。当該従業員株式所有制度の内容について「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

2026年3月31日現在

名称

管理職に占める女性労働者の割合

(%)

男性労働者の育児休業取得率

(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

全労働者

うち正規
雇用労働者

うちパート・
有期労働者

国内6社計

31.4

104.5

45.6

47.0

35.2

第一生命ホールディングス株式会社

17.7

75.0

58.6

61.8

16.7

第一生命保険株式会社

34.1

116.7

45.1

46.3

41.1

第一フロンティア生命保険株式会社

19.3

116.7

61.5

61.9

-

ネオファースト生命保険株式会社

19.9

81.8

56.6

57.3

52.6

アイペット損害保険株式会社

23.9

50.0

56.4

55.9

135.7

株式会社ベネフィット・ワン

46.9

85.7

60.1

65.8

47.0

 

(注) 1 2026年4月1日付で、第一生命ホールディングス株式会社は株式会社第一ライフグループに、ネオファースト生命保険株式会社は第一ネオ生命保険株式会社に、アイペット損害保険株式会社は第一アイペット損害保険株式会社に、それぞれ商号を変更しております。

2 管理職に占める女性労働者の割合については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、2026年4月1日時点で算出しております。

3 男性労働者の育児休業取得率及び男女の賃金の差異の算出対象期間は、2026年3月期であります。

4 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合の算出基準に則して算出しております。

5 男性労働者の育児休業取得率は、前事業年度に配偶者が出産した男性労働者が当事業年度に育児休業を取得した場合を含むため、100%を超えております。 

6  労働者の男女の賃金の差異=女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金×100%として算出しております。また、平均年間賃金は、総賃金÷従業員数として算出しております。

7  総賃金は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

8 当社及び上表連結子会社から他社への出向者及び他社からの出向者を除いており、当社及び上表連結子会社間の出向者については出向先会社の算定対象としております。

9 正規雇用従業員は、正社員及び無期雇用化したフルタイムの非正社員を含んでおります。

10 パート・有期労働者は、パートタイム又は有期雇用の非正社員であり、派遣社員を除いております。

11 当社グループでは、採用・評価・登用等に関し、性別や国籍、年齢等の属性に関わらず、個人の成果や成長に基づく処遇を行っており、性差が反映する要素はありません。賃金差異の主要因について以下4点を認識しております。

(1) 女性登用を進めている一方で、現時点では賃金水準が相対的に高いマネジメント層において男性の占める割合が高い点

(2) 転勤の可能性がある職掌に対して上乗せで手当を支給しており、当該職掌において男性の占める割合が高い点

(3) 相対的に賃金水準の低い定型業務に従事する職掌において、女性が占める割合が高い点

(4) 第一生命保険株式会社においては、女性の割合が高い生涯設計デザイナーが従業員の多数を占めている中で、入社年次の浅い人財も一定数おり、賃金の上昇には一定の年数を要することが多い点

特に(1)については、グループの経営課題として認識しており、柔軟な働き方やワーク・ライフ・マネジメントを促進し、誰もが働きやすい環境を整えるとともに、女性リーダー育成に向けては2030年までに女性役員及び女性組織長比率30%を目指し、パイプライン強化に取り組んでいます。

具体的には、女性リーダー育成に向けた階層別研修を充実させるとともに、役員部長層による対話(1 for 1※)を通じた育成、役員が作成する担当部門のマネジメントポスト候補者を選定する際は、候補者のうち30%を女性とする運用を行っています。こうした取組みにより、女性管理職比率は30%超、女性組織長比率は20%超と、女性リーダーの比率は着実に伸展しています。

※第一生命版1 on 1

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において、当社及び当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

<サステナビリティ共通>

当社グループでは、「重要課題に対する社会的価値の創造」と「事業活動」の共創に取り組むことを通じて、現世代・将来世代のwell-beingの向上、サステナブルな社会の実現への貢献及び当社事業のサステナブルな成長を目指しております。2025年3月期には、「Financial Well-being for All」、「Healthy People and Society」、「Green Leadership」及び「Proactive Governance and Engagement」の4分野を重要課題(コア・マテリアリティ)として設定し、その解決に向けた取組みを推進しております。グループパーパスで掲げる「多様な幸せと希望に満ちた世界の実現」に向けて、コア・マテリアリティの解決に向けた取組みを通じたサステナビリティ戦略を展開しております。

サステナビリティに関する考え方及び取組においては、コア・マテリアリティのうち、当社グループの財務に与える影響の観点から抽出した、重要性の高いサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報を記載しております。サステナビリティ関連のリスク及び機会に係る内容については、「(2)戦略」をご参照ください。なお、人的資本に関する戦略、指標及び目標については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」をご参照ください。

 


 

(1) ガバナンス

当社グループでは、サステナブルな社会の実現に向けた取組みを力強く推進するために、取締役会、経営会議及びグループサステナビリティ推進委員会を中心としたサステナビリティ推進体制を構築しております。取締役会の役割をはじめとするコーポレート・ガバナンス全般に関する事項は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 

 

当社グループのサステナビリティ推進体制 ※ 2026年6月時点


 

① サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に責任を負うガバナンス機関

当社グループは、取締役会がサステナビリティ関連のリスク及び機会への監督に責任を負うガバナンス機関であると位置付けております。当社グループは、お客さま、株主、社会及び従業員等のステークホルダーへの社会的責任を果たすとともに、当社の持続的な成長及び企業価値の向上を実現することを目的とした「コーポレート・ガバナンス基本方針」において、サステナビリティを巡る課題への対応状況について、定期的に取締役会へ報告を行うことを定めております。

 

 

<「コーポレート・ガバナンス基本方針」(「第4編 ステークホルダーとの協働」抜粋)> ※ 2026年6月時点

第4編 ステークホルダーとの協働

1. 方針

当社は、Daiichi Life グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、お客さま、株主、社会、従業員等のステークホルダーとの間での良好な関係を築き、適切な協働に努める。

2. グループ行動規範

Daiichi Life グループは、ステークホルダーからの期待に応え続け、持続可能な社会づくりに貢献するため「Daiichi Lifeグループ行動規範」を策定し、ステークホルダーとの協働を確保しつつ、これを実践する。

3. サステナビリティ(持続可能性)を巡る課題への対応

Daiichi Life グループは、グループ行動規範の実践によってサステナビリティを巡る課題に適切に対応する。また当社は、Daiichi Life グループによる課題への対応状況等について、定期的に取締役会へ報告を行う。

4. 多様性の推進

Daiichi Life グループは、人財一人ひとりの個性を最大限に活かすことで、新たな価値を創造し、持続的な成長を支えるべく、多様性の確保を推進する。

5. 内部通報制度

当社は、内部通報に係る適切な体制整備を行う。また、その一環として経営陣から独立した内部通報に係る窓口を設置し、通報者の秘匿と不利益取扱に関する規律を整備、運用する。

 

 

取締役会は、Group Chief Sustainability Officer(グループCSuO)主導で審議及び決定されるグループ経営上の重要なサステナビリティ関連のリスク及び機会の識別並びに関連する取組みの報告を受け、業務執行を適切に監督しております。また、中期経営計画(2024-2026)で定められている目標についても審議及び承認を行っており、定期的に進捗状況のモニタリングを実施しております。

加えて、上記目標に関連して、CO2排出量削減進捗に関する指標については、2022年7月より、当社役員報酬の業績連動型株式報酬の一部に組み込まれております。役員報酬全体のうち、CO2排出量に係る気候関連指標を含む業績連動型株式報酬の割合は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」に記載のとおりであります。なお、業績連動型株式報酬の評価指標に気候関連の項目が組み込まれているものの、報酬額の算定にあたり、他の評価項目と乗算して算定を行っており、気候関連の評価項目に係る評価割合を独立して識別できないことから、気候関連の評価項目については、業績連動型株式報酬全体を算定する際に設定した数値(割合)について記載をしております。

2026年3月期における取締役会での議論の内容は以下のとおりであります。

 

2026年3月期の取締役会での主な議論

開催月

概要

内容

2025年5月

2025年3月期までのサステナビリティ取組報告、2026年3月期における取組方向性の確認

サステナビリティ関連のリスク及び機会の見直しを含めた2025年3月期までの取組みの報告、2026年3月期における取組みの妥当性及び優先順位の確認

2025年11月

2026年3月期におけるサステナビリティ取組みの中間報告

インパクトパス策定やグループ責任投資方針の策定を中心とした、2026年3月期におけるサステナビリティ取組みの中間報告

2026年3月

2026年3月期及び2027年3月期有価証券報告書開示における財務マテリアリティ

有価証券報告書開示における財務マテリアリティ(リスク)の選定結果及び内部統制に係る今後の取組み

 

 

 

当社グループは、サステナビリティ領域に精通した取締役を選任しております。取締役が国内外のサステナビリティ動向や当社グループとして必要な対応を把握する体制を整備するため、取締役向けのサステナビリティに関する勉強会や意見交換会を実施し、サステナビリティに関するスキル及びコンピテンシーの開発を行っております。

 

② 経営者の役割

当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会をモニタリングし、管理し、監督するために用いるガバナンスのプロセス、統制及び手続における経営者の役割として、「グループサステナビリティ推進委員会」を中心とした推進体制を構築し、グループCSuOを設置しております。グループCSuOは、グループサステナビリティ戦略を推進する職責を担うとともに、執行メンバーとしてサステナビリティに関わる経営上の課題を担当し、取締役会に報告を行っております。また、グループCSuOがグループサステナビリティ推進委員会の委員長を務めております。

グループサステナビリティ推進委員会では、サステナビリティに関するグループ方針及び戦略や対外コミットメントを含む効果的な情報発信の検討、グループ各社における取組み遂行状況のモニタリング等について、複数の外部有識者の意見も踏まえ、グループ横断的かつ中長期的な視点で議論しております。当社グループとして、サステナビリティ関連のリスク及び機会を適切に管理できるよう、本委員会にはリスク管理部門、コンプライアンス部門及び経営企画部門等の責任者も出席し、サステナビリティ課題と既存のリスク管理プロセス及びコンプライアンス体制を連動させる体制を構築しております。委員会にて議論された内容は、経営会議及び取締役会に報告しております。

2026年3月期におけるグループサステナビリティ推進委員会での議論の内容は以下のとおりであります。

 

2026年3月期のグループサステナビリティ推進委員会での主な議論

開催月

概要

2025年5月

・ 戦略との統合に向けたサステナビリティ経営の全体像に係る協議

・ リスクと機会に関連する非財務指標の開示に向けた協議

・ 外部評価報告と今後の対応方針

・ 契約者・株主向けサステナビリティ・責任投資アンケート結果報告

2025年9月

・ SSBJ基準対応方針、温室効果ガス排出量算定態勢に係る報告

・ グループ責任投資方針策定に向けた協議

・ インパクトパス策定に向けた協議

2025年12月

・ グローバルでの開示規制動向等サステナビリティトレンドの共有

・ グループ責任投資方針策定検討状況の報告

・ インパクトパス策定に向けた協議

・ 社員向けサステナビリティアンケート結果報告と社内浸透に向けた協議

・ SSBJ基準対応方針に係る協議

2026年3月

・ 2026年3月期サステナビリティ取組総括と来期取組方針に係る協議

・ インパクトパスを踏まえた今後の取組方針及び自然資本への取組みの方向性に係る協議

・ 2027年3月期サステナビリティ情報開示方針に係る協議

・ 2026年3月期グループ人権取組結果報告

 

 

 

(2) 戦略

① サステナビリティ関連のリスク及び機会

a. リスク及び機会の識別、評価及び優先順位付けのプロセス

当社グループでは、財務的に重要性の高いサステナビリティ関連のリスク及び機会を特定するため、当社グループにおいて実施しているコア・マテリアリティの分析を基礎として、バリュー・チェーン上の活動に紐づく多様なステークホルダーに関わるリスク及び機会の識別、評価及び優先順位付けを実施いたしました。なお、サステナビリティ関連のリスク及び機会のうちリスクについては、当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性のある「重要なリスク」においても識別しており、サステナビリティ関連のリスクには「重要なリスク」として識別したリスクも含まれております。当社グループの「重要なリスク」については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

当該プロセスの概要は、以下のとおりであります。

 

b. リスク及び機会の識別

コア・マテリアリティ分析を通じて選定した社会課題を、SASBスタンダード等のガイドラインに基づき精査し、当社グループを取り巻くサステナビリティ課題を選定しております。そのうえで、当社グループのバリュー・チェーンと照らし合わせ、サステナビリティ課題に紐づくリスク及び機会を特定しております。なお、リスク及び機会の識別に当たっては、実務を担当する関係部署の関与のもと、バリュー・チェーン上の活動において想定されるリスク及び機会を、一定のシナリオを設定しながら識別し、「重要なリスク」も加味して洗い出しております。

 

c. リスク及び機会の財務影響の評価

各リスク及び機会について、社会のトレンド、業界動向及び当社グループとしての認識を踏まえ、財務への影響度(大・中・小)及び発生可能性(高・中・低)の2軸で評価しております。影響度については、経営に重要な影響を及ぼす可能性のある予見可能なリスクとして特定している「重要なリスク」の影響度評価基準を参考としつつ、金額目安に加え、経営責任等の定性的要素も考慮して評価しております。発生可能性については、リスク及び機会の影響が生じると合理的に見込み得る時間軸として、短期を3年未満に1回、中期を3年以上10年未満に1回、長期を10年以上に1回と設定しております。当該時間軸は、当社グループが戦略的意思決定に用いる計画期間との整合性を踏まえ設定したものであります。具体的には、「重要なリスク」の発生可能性に係る時間軸を参照しつつ、短期については現中期経営計画の期間、長期については主軸事業である生命保険事業の長期性等も考慮して定義しております。

 

d. リスク及び機会の優先順位付け

財務影響の評価結果を踏まえ、影響度及び発生可能性の双方が相対的に高いリスク及び機会を重要性のある候補として選定しております。選定した候補については、SASBスタンダード及び「重要なリスク」の選定結果も踏まえ、グループサステナビリティ推進委員会において議論を行い、当社グループにとって重要性が高く、優先順位の高いサステナビリティ関連のリスク及び機会として特定しております。なお、気候関連以外のリスク及び機会については、中長期事業戦略における外部環境認識等も踏まえた設定が必要であることから、2027年3月期以降、詳細な開示を行う予定であります。

 

② 重要性の高いリスク及び機会

当社グループでは、上記の財務マテリアリティ分析プロセスに基づき、当社グループを取り巻く様々なリスク及び機会の中から、財務的に重要性の高いリスク及び機会を特定しております。

 

 

a. 財務的に重要性の高いリスク及び機会(気候関連)

気候関連のリスク及び機会については、以下のとおり認識しております。当該リスクに係る時間軸、バリュー・チェーン、財務、戦略及び意思決定への影響については、「③リスク及び機会が、バリュー・チェーン、財務、戦略及び意思決定に与える影響」をご参照ください。

リスク及び機会

内容

気候変動への対応

物理的リスク

投融資先企業が、気候変動による自然災害の増加に対して、脆弱な拠点やバリュー・チェーンを有する場合の、当社グループの保有する運用資産の毀損

移行リスク

投融資先企業が、政策・法規制の強化、技術革新、消費者行動の変容等への対応が不十分な場合の、当社グループの保有する運用資産の座礁資産化

 

気候関連のリスク及び機会として、当社グループでは、上記以外にも、気候変動による保険金・給付金支払額増加への影響等のリスクや、新たな投融資機会の獲得等の機会を認識しておりますが、上記プロセスに基づく分析の結果、現時点において当社グループの財務に与える影響は限定的であり、重要性は相対的に高くないと認識しております。

 

b. 財務的に重要性の高いリスク(気候関連以外)

気候関連以外のリスクについては、2026年3月期時点において、ビジネス倫理に関するリスク及びサイバーセキュリティに関するリスクを特に重要性の高いリスクとして再確認しております。

当社グループは2031年3月期に「グローバルトップティアに伍する保険グループ」となることを目指しており、事業のグローバル化や非保険領域への進出等により、事業活動を通じた社会価値及び企業価値の創出と向上に取り組んでおります。

当社グループの事業戦略として保障と資産形成の一体的な価値提供を進める中、資産形成商品の販売においては、商品特性を踏まえた市場リスクの適切な説明や適合性の確保などが求められ、これらの対応が不十分な場合には不適切な販売行為の発生等、ビジネス倫理に係るリスクが顕在化する可能性があることを認識しております。

また、当社グループは、主たる事業である生命保険事業において従来から大量の個人情報を取り扱っておりますが、近年注力している非保険領域を中心とした新規事業においても、デジタルプラットフォーム上でのサービス展開を図るうえで大量の顧客情報や取引情報を取り扱うことから、サイバー攻撃やシステム障害等に起因する情報漏えい、サービスの中断、データの改ざん等が発生した場合、お客さまに深刻な影響を与えるだけでなく、事業継続にも重大な支障を来すリスクが従来以上に高まっていると認識しております。

国内外で生命保険事業を中心に事業を展開する当社グループにとって、これらのリスクはこれまでも重要なリスクとして認識しておりますが、今後更なる事業拡大を進め、新たなビジネス・モデルを展開するにあたり、保障を中心とした保険領域における従来の業務特性とは異なる観点からの対応強化が求められます。当社グループとしてより一層管理すべきリスクであることから、ビジネス倫理に関するリスク及びサイバーセキュリティに関するリスクを特に重要性の高いリスクとして特定いたしました。

当社グループでは、従来からのコンプライアンス遵守に向けた取組みに加え、グループ行動規範の制定・周知やコンダクトリスク管理強化等を通じてビジネス倫理の徹底に取り組んでおり、グループ全体及び各社におけるコンプライアンス態勢の高度化によって、進出国ごとに異なる法令や商慣習等を前提に、不適切な販売行為や情報資産の取扱い等が生じることのないよう健全な事業活動の推進を図っております。また、デジタル化の進展により益々深刻化しているサイバー脅威に対して、お客さまや取引先等のセンシティブ情報・機密情報の適切な管理・保護に努めるとともに、システムの中断やデータの改ざん等を防止すべく、サイバーセキュリティ強化に取り組んでおります。これらの取組みを通じて、今後とも社会から信頼される企業として、持続的な価値提供の実現を目指してまいります。

関連する戦略、指標及び目標等については継続的な検討を行っており、今後モニタリング態勢を整備したうえで、2027年3月期以降、詳細な開示を行う予定であります。また、機会については財務への影響の精査段階にあり、中長期事業戦略における外部環境認識等も踏まえ、2027年3月期以降に特定及び開示を行う予定であります。なお、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」及び「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」において、オペレーショナル・テクノロジー・サイバーに関するリスク、法令違反・コンダクト・企業文化に関するリスクを含む「重要なリスク」並びにこれらのリスクに対するグループ全体としての取組状況を記載しておりますので、併せてご参照ください。

リスク及び機会

内容

取組状況(概要)

ビジネス倫理

リスク

不適切な募集行為や情報資産の取扱い、経営理念や行動規範の浸透が不十分なこと等から生じるその他コンプライアンス課題の発生による、企業レピュテーションやブランド価値、お客さまからの信頼の低下、及びガバナンス上の不備是正に伴う事業活動の低迷

・ コンプライアンス推進に関しては「グループコンプライアンス基本方針」、情報資産保護については「グループ情報資産保護管理基本方針」に基本的な事項を定め、運営等詳細な事項を各種規程で整備

・ グループ各社のコンプライアンス態勢の高度化や、コンプライアンス意識向上・教育研修の充実に向けた指導・支援を実施

サイバーセキュリティ

リスク

センシティブ情報・機密情報の漏洩、重要なシステム及びデータ利用の継続的な中断、システムやデータの改ざんによる事業活動の中断、レピュテーション低下

・ 不正アクセスやウイルス等の検知・防御の仕組みを複数組み合わせる、多層防御の整備

・ 「CSIRT」(注)1 を設置し、役員・従業員を対象にサイバー攻撃を想定した対応訓練を実施

 

(注)1 Computer Security Incident Response Team

 

③ リスク及び機会が、バリュー・チェーン、財務、戦略及び意思決定に与える影響

当社グループでは、「(2)戦略 ②重要性の高いリスク及び機会 a 財務的に重要性の高いリスク及び機会(気候関連)」で認識した気候関連のリスクについて、当社グループのバリュー・チェーン、財務、戦略及び意思決定への影響を特定しております。なお、現時点において重大な財務的影響は発生しておらず、以下は主として今後想定されるリスクに関する影響を記載したものであります。

当社グループでは、気候関連のリスクとして、運用資産の毀損及び座礁資産化を認識しております。当該リスクに係る時間軸、バリュー・チェーン、財務、戦略及び意思決定への影響は、以下のとおりであります。

 

時間軸

ビジネス・モデル、バリュー・チェーンに与える影響

財務的影響

戦略及び意思決定に与える影響

 

短 期 〜 長 期

気候変動により頻度や規模の拡大が想定される風水害等の各種自然災害に対して、投融資先企業の拠点やバリュー・チェーンが脆弱である場合、これら災害の発生によって事業継続が困難となり、当該企業に対して当社グループが保有する運用資産の毀損へとつながる物理的リスクが想定されます。また、投融資先企業が炭素税や気候変動関連規制の導入、消費者行動の変容等の環境変化に十分な対応を講じていない場合、当該企業に対して当社グループが保有する運用資産が座礁資産化する移行リスクが想定されます。

これらの運用資産の毀損及び座礁資産化にかかるリスクは、当社のバリュー・チェーンにおいて保険料を原資とする資産運用における損失、ひいては保険金・給付金支払いの滞りへと影響を及ぼし、生命保険事業基盤の弱体化につながる恐れがあります。

気候変動に関連して生じる運用資産の毀損及び座礁資産化は自然災害増加、市場・社会環境変化による複合的な要因を伴うものであり、関連する財務的影響の測定には不確実な要素が多いことから、定量的な情報を提供することは困難と考えています。一方、気候変動対応は当社グループの投融資ポートフォリオにおける多くの企業に関係する重要な事項であり、当社グループのネットゼロ移行計画、また第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社共同で策定した「責任投資の中期取組方針(2030年3月迄)」においても、気候変動対応を重要課題と位置づけています。これらを踏まえ、定性的な観点から、企業における気候変動対応が不十分なことによる運用資産の毀損及び座礁資産化は当社グループの資産運用収益に重要な影響を与える可能性があります。なお、運用資産の物理的リスク及び移行リスクによる影響分析のため、中核子会社である第一生命保険株式会社の保有する株式及び社債並びに第一フロンティア生命保険株式会社の保有する社債(総額約10兆円)に対し、MSCI社の気候バリューアットリスク(CVaR: Climate Value-at-Risk)を用いた分析を行っております。詳細は「⑤気候関連のリスクに対するレジリエンス」をご参照ください。

第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社では、将来的な財務的影響を抑制する取組みとして、投融資判断への気候変動リスクのインテグレーション(注)2、投融資先のリスク低減に向けた気候変動対応に関するエンゲージメント強化や、気候変動問題の解決に資する環境・気候変動ソリューション投融資を積極的に実行しています。投融資判断における気候変動リスクのインテグレーションにおいてはCVaR分析結果も参考にしています。

なお、関連する計画及び目標として、当社グループのネットゼロ移行計画については「④ネットゼロ実現に向けた移行計画」、目標は「(4) 指標及び目標<気候関連>④温室効果ガス排出削減目標に関する開示」をご参照ください。

 

 

 

(注)2 当社グループは気候変動問題の解決を責任投資における最重要課題と位置付け、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでおります。第一生命保険株式会社及び第一フロンティア生命保険株式会社では、責任投資に関する最上位の方針として「責任投資の基本方針」を策定し、責任投資の目的や基本的なスタンス、日本版スチュワードシップ・コードへの取組方針等を定めております。また、第一生命保険株式会社では各アセットの特性を踏まえて環境、社会及びガバナンス要素の投融資判断への組込み(インテグレーション)を行っております。今後も更なる高度化に向けて継続的に取組みを進めてまいります。

 

 

各アセットにおけるインテグレーション

アセット区分

評価の視点

具体的なインテグレーションの取組み

株式/社債・融資

公開情報・ESG評価機関の評価、投融資先との対話時に得た情報等を踏まえ、サステナビリティ要素の企業価値や信用力への影響を評価

・ サステナビリティ・アナリストが重要なテーマについてアセット横断的に分析を実施

・ サステナビリティ評価を投融資判断に使用

国債

・ クレジットアナリストが各国の環境・人権・ガバナンス等の取組みを評価

・ サステナビリティ評価を投融資判断に使用

プロジェクトファイナンス

・ 赤道原則等を参照した環境・社会に関するアセスメントを実施

・ 特に留意する分野・事業においては固有のリスクへの対応状況も確認

不動産

建物の環境性能等、主に環境の要素による収益性への影響を評価

・ 建物の環境性能等を評価し、投融資判断に使用するハードルレート(投資基準利回り)に反映

外部委託(ヘッジファンド等を含む)

インテグレーションの体制や、サステナビリティに関する情報報告態勢等、外部委託先の取組みを評価

・ 委託先選定及び定期モニタリングの際にサステナビリティに関する取組みをヒアリング

・ 外部委託先の取組みをスコア化し、投融資判断に組込み

 

 

④ ネットゼロ実現に向けた移行計画

当社グループの中核子会社である第一生命保険株式会社は、経済の脱炭素化への移行を支援する金融機関のグローバルな連合体であるGFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)の一員であります。当社グループは2023年8月、GFANZの移行計画ガイダンスに基づき、日本の保険会社として初めて「ネットゼロ移行計画」を策定し、公表しております。本計画の策定に当たっては、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑えるとのパリ協定の目標に整合する形で、投融資先企業を含む社会・経済全体が移行することを前提としております。

本計画では、気候関連のリスク及び機会に対応するためのロードマップを提示するとともに、事業会社としての立場及び保険契約者からお預かりした保険料を運用する機関投資家としての立場の双方から、ネットゼロ実現に向けた目標を設定しております。本計画の実現に当たっては、当社グループの取組みのみならず、エンゲージメントを通じた投融資先企業との協働等による脱炭素化の推進が不可欠であると認識しております。

本計画の進捗状況及び実績の詳細については、「(4) 指標及び目標」をご参照ください。

 

 


 

a. 事業会社としての取組み

当社グループでは、事業活動におけるネットゼロ実現に向けて、省エネルギー化及び使用電力の再生可能エネルギー化等に取り組んでおります。特に、中核子会社である第一生命保険株式会社では、スコープ1及びスコープ2の排出削減に向け、再生可能エネルギー由来電力の活用、省エネルギー取組みによる電力消費の低減及び省エネルギー効果の高い設備の導入等を実施しております。今後は、長期的に安定調達が可能な再生可能エネルギー調達手段への切替えの検討及び炭素吸収・除去等、残余排出に対する対応策の研究を進めてまいります。

対象

現在の取組み(2026年3月期時点)

今後の対応計画

スコープ1及びスコープ2排出量削減

・ 第一生命保険株式会社を中心とする主要な子会社の電力調達における再生可能エネルギー割合100%の維持

・ 省エネルギー取組みによる電力消費の低減

・ 省エネルギー効果の高い設備の導入

・ 長期的に安定調達可能な再生可能エネルギー調達手段への切替えの検討

・ 炭素吸収・除去等、残余排出に対する対応策の研究

 

 

b. 機関投資家としての取組み

当社グループが気候関連のリスクとして認識した運用資産の毀損及び座礁資産化に対し、第一生命保険株式会社及び第一フロンティア生命保険株式会社では、各種取組を通じて投融資先企業の物理的リスク及び移行リスクの低減を図るとともに、機関投資家としてネットゼロ実現に向けた取組みを推進しております。具体的には、スコープ3カテゴリ15(投融資)に係る温室効果ガス排出量の管理、環境・気候変動ソリューション投融資の拡大、投融資によるポジティブ・インパクトの創出、並びに投融資先及び外部イニシアティブとのエンゲージメントを推進しております。

 

現在の取組状況については、「(4) 指標及び目標」も併せてご参照ください。

対象

現在の取組み(2026年3月期時点)

今後の対応計画

スコープ3カテゴリ15に係る温室効果ガス排出量の管理

「(4) 指標及び目標<気候関連>③スコープ3カテゴリ15に関する情報」及び「(4) 指標及び目標<気候関連>④温室効果ガス排出削減目標に関する開示」をご参照ください

・ 第一生命保険株式会社・第一フロンティア生命保険株式会社協働でのエンゲージメントやトランジション・ファイナンスを通じた投融資先企業の脱炭素化取組みの継続的なサポート

・ 温室効果ガス排出量計測・削減目標設定の対象資産拡大

環境・気候変動ソリューション投融資

「(4) 指標及び目標<気候関連>⑤気候関連のリスク及び関連する資本投下に関する開示」をご参照ください

・ 優良な投融資候補案件の探索・選定の強化

・ 既存投融資先のネットゼロ移行計画進捗状況のフォローアップ

投融資によるポジティブ・インパクト創出

・ 温室効果ガス排出削減貢献量:300万t-CO2e/年。2026年度240万t-CO2e/年とする目標を前倒し達成したため、目標改定を実施

・ 第一生命保険株式会社において、「インパクト志向の投融資に関する取組方針」を策定

優良な投融資候補案件の探索・選定の強化

トランジション・ファイナンス等における温室効果ガス排出削減効果(インパクト)の測定・開示手法の検討

投融資先・外部イニシアティブとのエンゲージメント

・ セクター別の削減目標水準(電力・鉄鋼)を活用し、投融資先温室効果ガス排出上位50社に対するエンゲージメントを実施

・ エンゲージメント先について、ネットゼロ実現に向けた進捗状況の評価を実施

・ GFANZプリンシパルズ・ミーティングや傘下作業部会等、外部イニシアティブとの協働

・ セクター別の削減目標水準を活用したエンゲージメントによる高排出セクターの温室効果ガス排出削減取組みの更なる促進

・ 投融資先へのエンゲージメントの実効性向上(ネットゼロへの取組状況の分析高度化、協働エンゲージメントを含む効果的な対話手法の検討等)

・ 外部イニシアティブ(NZAOA・GFANZ等)への参画、協働等を通じた知見拡大及びエンゲージメント遂行能力の向上

 

 

⑤ 気候関連のリスクに対するレジリエンス

当社グループでは、気候関連の重要性の高いリスクとして、「(2)戦略 ② 重要性の高いリスク及び機会 a 財務的に重要性の高いリスク及び機会(気候関連)」に記載のとおり、物理的リスク及び移行リスクの顕在化による資産運用事業への影響を認識しております。将来的な財務的影響を抑制する取組みとして、第一生命保険株式会社と第一フロンティア生命保険株式会社では、気候変動リスクの投融資判断へのインテグレーション、投融資先の移行リスク低減に向けた気候変動対応に関するエンゲージメントの強化、並びに気候変動問題の解決に資する環境・気候変動ソリューション投融資を推進しております。

また、運用資産の物理的リスク及び移行リスクによる影響分析のため、中核子会社である第一生命保険株式会社の保有する株式及び社債並びに第一フロンティア生命保険株式会社の保有する社債(総額約10兆円)を対象として、長期のリスクを視野に入れ、最長2100年を対象期間としたMSCI社の気候バリューアットリスク(CVaR: Climate Value-at-Risk)を用いた分析を毎年実施しております。当該分析は、NGFS(気候変動に関する中央銀行・金融当局ネットワーク)が公表している気温上昇シナリオ別に資産価値への影響を総合的に評価するものであります。当該シナリオは、気候変動による直接的な影響のみならず、気候変動がマクロ経済及び金融市場を通じて及ぼす影響も分析可能であることから、機関投資家としてのレジリエンス分析に用いております。なお、当該評価においては、特に不確実性の高い領域として、気候変動関連の政策・規制動向及びこれに伴うイノベーション動向を認識しております。

2025年3月末のデータに基づく分析では、分析に用いたシナリオのうち、1.5℃シナリオであるNet Zero 2050において影響が最も大きい結果となりました。投融資判断における気候変動リスクのインテグレーションに当たっては、当該分析結果を参考情報として活用しております。

分析に用いた主要な前提は、以下のとおりであります。なお、NGFS第5版シナリオの詳細については、当該シナリオ本体をご参照ください。

項目

内容

カテゴリ

Orderly

(秩序的)

Disorderly

(非秩序的)

Hot House World

(温暖化進行)

Too little, too late

(対策が少なすぎ・手遅れ)

NGFSシナリオ

Net zero 2050

Delayed Transition

NDCs

Fragmented World

シナリオ概要

厳格な気候変動政策、イノベーションを通じて世界の気温上昇を1.5℃に抑制し、2050年に世界でネットゼロの達成を目指すシナリオ

2030年まで排出が減少せず、気温上昇を2℃以下に抑えるために強力な政策の実施やイノベーションの急速な進行を想定するシナリオ

各国が約束したすべての政策(現時点では実施されていないものも含む)が実施されると想定したシナリオ

気候政策導入が遅れ、国家間で分断されることにより、物理的リスクと移行リスクの両方が高くなる。ネットゼロ目標を掲げる国では目標は達成されず、それ以外は現行政策に従うことを想定したシナリオ

気候関連の政策

迅速かつ円滑

遅延

NDCs(国が決定する貢献)に沿った達成

遅延かつ各国政策の分断により不十分

国・地域間における気候関連政策の進捗格差

中程度

大きい

中程度

大きい

技術の進展

速い

遅い/速い

(2030年時点の政策、イノベーション動向によって変動する可能性あり)

遅い

遅い/各国政策の分断により不十分

 

 

(3) リスク管理

当社グループでは、ERMの枠組みにおいて、経営に重要な影響を及ぼす可能性のある予見可能なリスクを「重要なリスク」として特定しており、気候変動に関するリスクも2020年3月期以降、「重要なリスク」の一つとしてリスク管理を強化しております。当社グループの全社的なリスク管理体制及びリスク管理プロセスについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備状況」に記載のとおりであります。なお、気候関連のリスクとその他のリスクとの間に優先順位は設けておりません。

また、社会・環境の中長期的な変化を見据えた、当社グループにおける財務的に重要性の高いサステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、評価、及びモニタリングについては、当社のサステナビリティ取組みの企画・推進を担うサステナビリティユニットが中心となり、全社的なリスク管理体制及びリスク管理プロセスとの連携や関連部門との協議を実施しております。サステナビリティユニットは、サステナビリティ関連のリスク及び機会に対する取組状況や指標及び目標の進捗状況、課題等を収集、整理し、グループサステナビリティ推進委員会及び経営会議にて報告し、議論しております。重要事項については取締役会に報告し、適切な監督を行っております。リスク及び機会を識別、評価、及び優先順位付けするプロセスは、「(2)戦略 ①サステナビリティ関連のリスク及び機会」をご参照ください。なお、リスク管理プロセスについて過年度からの変更はございません。

 

 

(4) 指標及び目標

 

<サステナビリティ共通>

持続可能な社会の実現に向けた中長期の目標を定め、グループ一体で取組みを着実に進めております。2025年3月期より、コア・マテリアリティの進捗を測る指標の中でも特に重視している指標として、「お客さま数」「ESG総合インデックス」を中期経営計画のKPIに設定しております。具体的な目標については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態、経営成績」をご参照ください。また、気候変動や人的資本に関する具体的な目標については<気候関連>の「④ 温室効果ガス排出削減目標に関する開示」及び「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」をご参照ください。

 

<気候関連>

① 温室効果ガス排出の測定方法等に関する開示

当社グループでは、当社グループ国内拠点及び海外拠点のスコープ1及びスコープ2温室効果ガス排出について、測定を行っております。

また、スコープ3温室効果ガス排出については、当社グループの事業特性上の重要性評価に基づいて、開示カテゴリを選定しております。

 

a. 温室効果ガス排出の測定アプローチ

当社グループは国内外で多角的に事業を展開しており、グループ全体の排出量を包括的に管理するため、経営方針の決定・実行権限を有する企業を対象とする経営支配力アプローチを採用しております。当該アプローチは多くの企業で採用されており、他社及び当社グループの従前開示データとの比較可能性の確保、またスコープ1及びスコープ2を中心に活動量に係る精緻なデータの取得が可能となり、グループ全体の目標進捗管理を容易にするものと考えております。

 

b. 温室効果ガス排出の測定方法

当社グループは、次の方法及び算定期間により温室効果ガス排出を測定しております。

 

(a) スコープ1温室効果ガス排出(注)3

当社グループにおけるスコープ1温室効果ガス排出の発生要因は、主に入居ビル(注)4における燃料の使用及び冷媒ガスの漏洩であります。経営支配力のある国内外グループ会社を対象としており、当連結会計年度における入居ビル等におけるガス等の燃料消費量及び空調機器等から生じる冷媒ガスの回収量に、サプライヤー提供値の排出係数や「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき公表されているエネルギー別排出係数、個別の係数を取得できない場合には「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」及び国際エネルギー機関(IEA)の公表する排出係数等を乗じることにより、スコープ1温室効果ガス排出を見積りに基づき測定しております。

(注)3 2025年3月期以前は、第一生命保険株式会社の営業に利用する私有車からの排出の計上先をスコープ1としておりましたが、当連結会計年度より当該項目の計上先をスコープ3に変更しております。なお、当社グループの温室効果ガス排出量への影響は限定的であります。 

4 「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」の届け出基準を基にエネルギー管理権原があると判断した物件を対象とするものであります。

 

(b)スコープ2温室効果ガス排出

当社グループにおけるスコープ2温室効果ガス排出の発生要因は、主に入居ビルにおける電力の使用であります。一部営業用不動産におけるエネルギー利用量等の活動量の把握が困難な項目については、推計を行っております。

 

ア. ロケーション基準

当社グループは、経営支配力のある国内外グループ会社を対象として、当連結会計年度における入居ビル等における電力、冷温水、蒸気の使用量等に、国内グループ会社は環境省の「電気事業者別排出係数」における全国平均係数を、海外グループ会社はIEAの国別電力排出係数を乗じることにより、ロケーション基準によるスコープ2温室効果ガス排出を見積りに基づき測定しております。

 

イ. マーケット基準

当社グループは、ロケーション基準によるスコープ2温室効果ガス排出量に加え、マーケット基準によるスコープ2温室効果ガス排出量を開示することを選択しております。ロケーション基準と同様、経営支配力のある国内外グループ会社を対象として、当連結会計年度における入居ビル等における電力、冷温水、蒸気の使用量等に、拠点ごとのエネルギー提供事業者・契約メニュー別の排出係数を、契約ごとの排出係数を把握できない場合はIEAの国別排出係数を乗じることにより、マーケット基準によるスコープ2温室効果ガス排出を見積りに基づき測定しております。

 

c. 温室効果ガス排出の算定期間

当社グループは、スコープ1及びスコープ2については当連結会計年度を算定期間として、温室効果ガス排出を測定しております。

 

② 温室効果ガス排出に関する開示

当社グループ(注)5の2025年3月期のスコープ1及びスコープ2(マーケット基準)は3.2万t-CO2eとなりました。2026年3月期の値(概算値)については下表をご参照ください。なお、スコープ1及びスコープ2の確定値については2027年3月期中に発行するサステナビリティデータブックにおいて公表予定であります。

(注)5 2025年3月期の集計対象企業の範囲は、当社と連結子会社及び非連結子会社を含む40社であります。2026年3月期の集計対象企業の範囲は、連結財務諸表と同一であります。

 

区分

当連結会計年度(概算値)

スコープ1

0.5万t-CO2e

スコープ2

ロケーション基準

5.9万t-CO2e

マーケット基準

0.5万t-CO2e

 

 

③ スコープ3カテゴリ15に関する情報

スコープ3カテゴリ15は、PCAFスタンダード(2022年)における算出手法を参考に、算出・集計しております。2024年3月期時点の第一生命保険株式会社の上場株式・社債・不動産・融資ポートフォリオにおけるスコープ1及びスコープ2を対象として、不動産については第一生命保険株式会社が把握した保有物件の活動量、不動産以外についてはMSCI Solutions (UK) Limited提供の投融資先排出量データを使用した見積りに基づき算出・集計しております。

第一生命保険株式会社の上場株式・社債・不動産・融資ポートフォリオにおける2024年3月期の温室効果ガス排出量は、757万t-CO2e(2020年3月期比41%削減)となりました。

 

④ 温室効果ガス排出削減目標に関する開示

当社グループは、2021年3月に、スコープごとの温室効果ガス排出削減目標を設定し、2023年8月に策定した「ネットゼロ移行計画」においても当該目標を反映しております。削減に向けた戦略に関する情報は、「(2)戦略 ④ネットゼロ実現に向けた移行計画」をご参照ください。

スコープ1及びスコープ2については当社グループ全体のネットベースの絶対量目標であり、長期目標として2041年3月期までにネットゼロを達成することを掲げております。2031年3月期までの中間目標としては、2020年3月期比75%削減する目標を設定しております。

なお、グロスベースの絶対量目標は、今後具体的にオフセットする手段と必要量が定まった後に設定する予定であります。

スコープ3カテゴリ15について、第一生命保険株式会社及び第一フロンティア生命保険株式会社の両社では、2050年までに投融資ポートフォリオ全体でネットゼロを達成することを長期目標として掲げております。この長期目標の達成に向けて、各社において2025年及び2030年を目標年とする中間目標を設定しております。詳細は下表をご参照ください。

目標は、スコープ1及びスコープ2については冷媒漏洩による排出を除く温室効果ガス排出に対して、スコープ3カテゴリ15についてはCO2、CH4、N2O、HFCs、NF3、PFCs及びSF6の排出量の合計値に対して設定したものであります。目標に対する第三者による認証は受けておりませんが、パリ協定での目標を見据えて設定し、スコープ3カテゴリ15の中間目標についてはNZAOAプロトコル(目標設定ガイドライン)に従って設定しております。

区分

ネット/グロス

中間目標

目標

実績

スコープ1及びスコープ2(対象:当社グループ)

ネット

2031年3月期 75%減(2020年3月期比)

2041年3月期 ネットゼロ

2025年3月期 84%減

2026年3月期 86%減(注)6

スコープ3カテゴリ15(対象:第一生命保険株式会社、第一フロンティア生命保険株式会社)(注)7

グロス

2025年3月期 25%減

(第一生命保険株式会社)、15%減(第一フロンティア生命保険株式会社)

2030年3月期 50%減(いずれも2020年3月期比)

2050年3月期 ネットゼロ

2024年3月期 41%減(第一生命保険株式会社)

 

(注)6 2025年3月期の集計対象企業の範囲は、当社と連結子会社及び非連結子会社を含む40社であります。2026年3月期の集計対象企業の範囲は、連結財務諸表と同一であります。なお、2025年3月期及び2026年3月期の削減実績は、第一生命保険株式会社の営業に利用する私有自動車に係る温室効果ガス排出量の計上先をスコープ3として算定しております。

7 第一生命保険株式会社は上場株式・社債・不動産・融資ポートフォリオを対象(絶対量ベース)。2025年中間目標は上場株式・社債・不動産ポートフォリオを対象。第一フロンティア生命保険株式会社は社債ポートフォリオを対象(インテンシティベース)。

 

当社グループは、毎年上期に、スコープ1及びスコープ2、スコープ3カテゴリ15に対して、それぞれの基準年比の削減率を用いて、目標に対する進捗をモニタリングし、状況を経営会議に報告しており、目標の変更要否も含めて検討しております。

 

⑤ 気候関連のリスク及び関連する資本投下に関する開示

当社グループは、運用資産の毀損及び座礁資産化を気候関連のリスクと認識しており、関連する資本投下として、気候変動を含む社会課題の解決に向けた投融資(サステナビリティ・テーマ型投融資)を実行しております。

第一生命保険株式会社及び第一フロンティア生命保険株式会社では、2030年までのグローバルな資金ギャップと両社の運用資産規模を踏まえ、2030年3月期末までに同投融資を累計5兆円以上、また、気候変動問題への対応強化として、環境・気候変動問題の解決に資する投融資(環境・気候変動ソリューション投融資)を累計2.5兆円以上に拡大する目標を設定しております。2026年3月期末時点で、サステナビリティ・テーマ型投融資の累計は3.7兆円(参考:2025年3月期末時点は3.1兆円)、うち環境・気候変動問題の解決に資する投融資の累計は1.9兆円(参考:2025年3月期末時点は1.5兆円)となっております。

また、投融資によるポジティブ・インパクトの拡大に向けて、インパクト目標として温室効果ガス削減貢献量を2027年3月期末までに240万t-CO2e/年まで拡大する目標を設定しておりましたが、2025年3月期末時点において目標を超過達成したため、2030年3月期末までに450万t-CO2e/年とする目標を新設し、更なるポジティブ・インパクトの拡大に向けて取り組んでおります。

 

⑥ 気候関連の機会に関する開示

当社グループは財務影響評価の結果、気候関連の機会について、現時点において当社グループの財務に与える影響は限定的であり、重要性は相対的に高くないと認識しております。気候関連のリスク及び機会並びに評価プロセスに関する情報は「(2)戦略 ①サステナビリティ関連のリスク及び機会」をご参照ください。

 

⑦ 内部炭素価格に関する開示

当社グループは意思決定に内部炭素価格を使用しておりません。

 

⑧ 報酬に関する開示

報酬に関する開示については、「(1) ガバナンス」及び「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照ください。