2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

メンタリティマネジメント事業 就業障がい者支援事業 リスクファイナンシング事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
メンタリティマネジメント事業 6,501 76.0 1,076 59.4 16.5
就業障がい者支援事業 1,726 20.2 504 27.8 29.2
リスクファイナンシング事業 327 3.8 232 12.8 71.0

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社及び子会社4社(株式会社ARM総合研究所、ここむ株式会社、株式会社Mediplat及び株式会社フィッツプラス)により構成されております。

当社グループは、「人々が『安心して働ける環境』と企業の『活力ある個と組織』を共に創る」という企業理念に基づき、メンタル不調の予防や不調者対応のみならず、エンゲージメント(仕事への熱意度)向上、人材採用・育成支援などポジティブサイドまでを総合的にカバーする「メンタリティマネジメント事業」、病気やケガで長期間働けなくなった方を経済的にサポートするGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度の構築・運用支援を中心とした「就業障がい者支援事業」、個人や個人が働く場である企業の抱えるリスクに対してより良い保障あるいはスキームの商品を提案する「リスクファイナンシング事業」を、主な事業として取り組んでおります。

 

 

各事業の内容は、次のとおりであります。なお、セグメント情報の区分と同一であります。

 

(1)メンタリティマネジメント事業

従業員のストレスと心の健康問題が深刻化する中、職場のメンタルヘルス対策を実施する企業の数は増えています。しかし、既に対策を実施している企業において、メンタルヘルス不調による企業のコスト負担やリスクの軽減、不調発生の予防、組織の活性化などの具体的な成果があったと認識されているケースは、必ずしも多くありません。

当社グループでは、「成果」にフォーカスを当て、各企業が抱える現状の課題と目指すべき方向性に応じて、以下の各種サービスを通じて総合的なメンタルヘルス対策を提案します。

①アドバンテッジタフネス

職場におけるメンタルヘルスケアの一次予防(健康増進と疾患の発生防止を目指すもので、一般的に”予防”とよばれているもの)に重点を置いたプログラム。従業員と組織のストレス状況下での「コミットメント」(=対処すべき課題に積極的に取り組む行動様態、前向きに仕事に向かう姿勢)に着目し、従業員が前向きに充実感を持って仕事に取り組むために重要となるスキルや考え方を習得し、組織の課題を把握し活性化のための施策を推進することで、個人と組織のメンタルタフネス強化を実現するサービスです。個人のストレス状況と組織の活性度の診断と改善策のアドバイスをし、個人の診断結果に応じたストレス対処法やポジティブ思考の習得をサポートし、モチベーションを高めることを目的とした管理者及び一般職向け教育(eラーニング、集合研修)などのサービスを提供いたします。

②アドバンテッジウェルビーイングDXP、アドバンテッジpdCa(ピディカ)

ストレスチェック結果や健康診断結果など心身の健康データや、勤怠・休業等の人事労務情報を集約し、ダッシュボードで「見える化」するとともに、「見える化」したデータを専門的知見に基づいて分析、課題を抽出して効果的なソリューションを提案する人事課題解決型データマネジメントプラットフォーム「アドバンテッジウェルビーイングDXP」、ならびに「見える化」された組織課題に対応するソリューション施策の効果を検証するため、簡易的な調査を短期間に繰り返し実施して組織改善のPDCAを加速するパルスサーベイシステム「アドバンテッジpdCa(ピディカ)」を提供いたします。こうしたサービスにより、メンタルヘルスケアに関する多種多様なデータを集約して組織・従業員個人の全体像を把握し、本質的な課題の顕在化、的確なソリューション実行へと導くとともに、その後の結果把握、効果分析まで網羅的に対応いたします。

 

③アドバンテッジEAP

職場におけるメンタルヘルスの一次・二次(早期発見・早期治療)・三次予防(再発防止・復帰支援)を行うための包括的なプログラム。ココロの健康診断eMe(イーミー)で把握したメンタルヘルス予備軍に精神科医と臨床心理士が能動的に働きかけることで、早期発見、早期対応を実現するサービスです。メンタルヘルス不調の予防、ストレス管理や組織活性化につながる組織診断も充実し、復職支援、ポストベンション(事故・事件・災害発生時の事後フォロー)、メンタルヘルス研修、人事向け労務相談等のサービスも提供いたします。精神科医、認定産業医、臨床心理士などのクオリティの高い専門スタッフを擁する東京海上日動メディカルサービス㈱と共同運営を行っております。

④アドバンテッジインサイト

右肩上がりの経済環境下での人材採用においては、順応性と性格が重視されてきましたが、変化の時代では、適応性と感情能力が求められています。今後の変化の時代における各企業の採用要件に「ストレス耐性の高さ」「コミュニケーション力(相手の感情を理解し、適切な行動をとれる力)」が重要となります。当社グループでは、新入社員のコミュニケーション能力不足と、ストレスを原因としたメンタル不調による「早期休職・早期退職」が増加している背景から、適応能力とポテンシャルの高い人材を見極めるための「アドバンテッジインサイト」を提供しております。アドバンテッジインサイトは従来型の性格適性検査では測れなかった変化適応能力であるEQとストレス耐性の指標を用いて、変化に強くタフな人材を選抜するために効果的な採用検査です。入社後の「成果」につながるポテンシャルを数値化することで、近年増加している採用後の課題を軽減するサービスです。

⑤EQ研修プログラム

EQを活用することにより、企業の人材が活性化します。EQの理論を理解するEQ概論セミナー、EQ検査の結果から行動特性を読み取るEQプロファイリングセミナー、EQを伸ばすEQ能力開発プログラム、コミュニケーション手法、フィードバック手法、アサーションなど、EQを基軸とした能力開発のメソッドを用意し、研修によって人材育成をトータルに行います。これらの研修メソッドは企業のニーズに即し、効果的に組み合わせて管理者研修などで提供いたします。また、自分で必要なEQを伸ばすためのセルフスタディプログラムなどの研修も提供しております。

⑥産業医・産業保健師の業務委託サービス

「労働安全衛生法の一部を改正する法案」において、職場のメンタルヘルス対策強化のために労働者に対する医師又は保健師等によるストレスチェックや、希望する労働者への医師面談の実施が義務付けられています。今後想定される大きな課題として、労働者のメンタルヘルスを適切にケアできる医師が不足することが指摘されています。メンタルヘルス対応が求められる業務は複雑かつ難易度が高く、昨今従業員との訴訟等、社会的にも重要度が高い課題となっています。このサービスはメンタルヘルスに対応できる専門チームが、法定・法定外の産業保健業務をトータルサポートします。

⑦健診管理システム

健康診断の実施は企業に義務付けられており、未実施の場合は法令違反となります。また事後措置や保管にも指針があり、適切な対応をとる必要があるなど健康診断業務は担当者の負担が大きく業務の効率化が課題となっています。健康診断の予約から結果管理、産業保健スタッフとの連携までの業務をシステム化することにより健康診断業務全体の効率化を図ります。さらに、データ化することにより従業員の健康状態を見える化し企業の健康経営推進をサポートします。

⑧特定保健指導関連サービス

健康保険組合の依頼を受けて管理栄養士が対面またはオンラインで実施する生活指導であり、生活習慣病予防健診(特定健診)を受けたのちに、メタボリックシンドロームのリスク数に応じて、生活環境の改善が必要と判断された人を対象にサービスを提供しております。

⑨クラウド型健康管理サービス(first call)

法人向けに、①オンライン医療相談、②オンライン産業医面談、③ストレスチェック、④健診管理サービスの4つのサービスを提供しております。

 

(2)就業障がい者支援事業

就業障がい者支援事業では、就業不能発生時の金銭面の支援及び事務業務、復職に向けた人事担当者、就業障がい者本人の支援を行っており、支援内容によりGLTD販売、付帯サービス及びADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)の3つに大別されます。

①GLTD販売

病気や怪我により長期間働けなくなった場合は、収入が大幅に減少するため、本人及び家族の生活に大きな影響を与えることになります。そのリスクをカバーするために、従業員が長期間働けなくなった際に最長定年まで給与の一定割合を補償する保険を、企業を通じて従業員に提供しております。加入形態としては企業が福利厚生の一環として負担する一括部分と、従業員が任意で加入する上乗せ部分の2層構造となっております。

②付帯サービス

就業障がい者の復職支援にあたっては、初動時の対応から職務復帰に向けてのケアが必要となります。そのためには、適切な医療に加えて、職務復帰に必要な能力を取り戻すための「職業リハビリテーション」のノウハウを踏まえた専門的なサポートが重要となりますが、この部分は「医療」と「労働」のはざまにあたり、適切なフォローが受けられないケースが多くみられます。

当社は、人事コンサルタント、臨床心理士、キャリアカウンセラー、精神保健福祉士などの専門的スタッフを取揃え、様々な就業障害原因についての対応が可能な体制を構築しております。また、休職期間、復職準備期、復職判定、リハビリ出社、復職後というプロセスにおいて、就業障害発生の段階から回復までを視野に入れた計画に基づき、休職者が発生した際に人事担当者及び休職者に対して、一貫したサービスを提供しております。

当社では、GLTDを1995年より取り扱っていることから、就業困難に関する情報を蓄積しており、当社が代理店としてGLTDを提供している団体(企業、労働組合等)に対して、保険金請求手続き事務を含む復職支援サービスを提供しております。

③ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)

休業者・復職者管理業務は、偶発的に発生することに加え、産休・育休、傷病、メンタル疾患など、休業の理由によって必要な書類や手続きが異なるため、企業・団体の人事部門の負担は大きくコストもかかります。「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」は、「システムによるサポート」と「専門家による代行」により、多岐にわたる休業者・復職者管理業務を支援し、人事部門の負担とリスクを軽減します。メンタル・フィジカルの傷病、育児・介護休業など全ての休業種類に対応し、休業者・復職者の情報や必要な諸手続きの進捗状況などを一元的に管理し、今まで手作業中心だった煩雑な管理業務を大幅に効率化します。

 

(3)リスクファイナンシング事業

リスクファイナンシング事業は、主に個人に対して保険加入/保険の見直しのサービスを提供し、企業に対して企業が抱える様々なリスクへの対策として、様々な保険商品を提供しております。損害保険会社11社、生命保険会社9社と代理店契約を結ぶことにより、さまざまなニーズに対応した保険商品を提供できる体制を構築しております。個人に対する保険の提供においては、企業の職域を通じて加入する団体扱いという形式を主力としており、電話やメール、郵送により手続きが行える体制となっております。

 

事業の系統図は以下のとおりであります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善、インバウンド需要や企業の設備投資増加などを背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇の継続や米国通商政策の動向など、依然として先行き不透明な状態が続いております。

このような経済環境の下、当社グループは、「企業に未来基準の元気を!」をコーポレートメッセージに掲げ、「安心して働ける環境」と企業の「活力ある個と組織」の創出をミッションとし、ウェルビーイング関連領域(*)における事業活動を展開してまいりました。2024年5月に「中期経営計画2026」(2024年度~2026年度)を策定し、“効果につながるプラットフォームとソリューションをより多くの企業に提供し、ウェルビーイング領域における圧倒的地位を目指す”ことを骨子に、実効性のある豊富で質の高いサービスをワンストップで提供することにより、顧客企業の真のパートナーとしてウェルビーイング経営を支援することを基本方針としております。具体的には、(1) 「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」(**)を基軸とした総合販売の継続と進展、(2) 既存事業のオーガニックグロース強化、(3) 飛躍的成長のための新たな取り組みの推進、(4) チャネル販売の推進、(5) システム・業務改革の推進および収益性の向上を重点テーマとして各種施策を推進いたしました。

当連結会計年度におきましては、「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」を軸に、複数サービスの総合提案による新規顧客の獲得と、ウェルビーイング関連領域における企業課題に即した様々なソリューションの提案活動を行ってまいりました。加えて、オンライン医療相談や産業医紹介サービス等の企業の産業保健の支援を主力事業としてクラウド型健康管理サービス「first call」を提供する株式会社Mediplatと、特定保健指導サービスを展開する株式会社フィッツプラスの全事業を、2024年9月30日を効力発生日として当社設立の連結子会社が吸収分割により承継し、2024年10月より連結業績へ寄与しております。

 

(*)当社事業における心身の健康、従業員の成長、リスクの予防と発生時の支援、

   両立支援、福利厚生、余暇支援、会社との一体感醸成等の業務領域

(**)ストレスチェック義務化対応プログラム「アドバンテッジ タフネス」による調査結果や健康診断結果

    など心身の健康データや、勤怠・休業等の人事労務情報を集約し、ダッシュボードでの見える化、

    データ分析、課題抽出、効果的なソリューションの提案を行うデータマネジメントプラットフォーム

 

当連結会計年度の売上高につきましては、メンタリティマネジメント事業及び就業障がい者支援事業が堅調に推移し、増収となりました。費用面につきましては、従業員の賃金アップに伴う人件費の増加や、成長戦略に基づくシステム投資によりソフトウェア償却費が増加するなど経費負担が増加いたしましたが、売上高が伸長したことにより増益となりました。また、2024年10月から、株式会社Mediplatおよび株式会社フィッツプラスの業績が連結業績に寄与いたしております。

その結果、当連結会計年度の売上高は8,554百万円(前期比22.2%増)、営業利益は1,022百万円(前期比40.9%増)、経常利益は1,023百万円(前期比38.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は744百万円(前期比47.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は以下の通りです。

 

(メンタリティマネジメント事業)

当事業におきましては、ストレスチェックやエンゲージメントサーベイを起点に組織改善までを担うワンストップサービス「アドバンテッジ タフネス」の新規顧客の獲得に注力いたしました。また、組織改善のPDCAを加速するパルスサーベイシステム「アドバンテッジpdCa(ピディカ)」の導入などエンゲージメント領域の拡大や顧客企業の課題解決ニーズに対応した効果につながる様々なソリューションの提案活動を推進いたしました。

当連結会計年度の売上高につきましては、「アドバンテッジ タフネス」の販売価格改定の効果やソリューション売上の好調、さらに株式会社Mediplatおよび株式会社フィッツプラスの寄与もあり、大幅な増収となりました。費用面につきましては、人件費やシステム投資に伴う償却費負担の増加により経費負担が増加いたしましたが売上が伸長したことにより増益となりました。

これらの結果、メンタリティマネジメント事業の売上高は6,500百万円(前期比27.9%増)、セグメント利益は1,075百万円(前期比55.0%増)となりました。

 

(就業障がい者支援事業)

当事業におきましては、新たな連携先との関係構築及び既存連携先との関係深化によるGLTD(Group Long Term Disability:団体長期障害所得補償保険)の新規顧客開拓に取り組みました。また、会社と傷病休のほか産休・育休・介護休業等により休業中の従業員を繋ぎ、人事部門の負担とリスクの軽減と休業者の復職や仕事の両立をサポートする休業者管理支援クラウドサービス「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」の営業活動を推進いたしました。

当連結会計年度の売上高につきましては、GLTD販売および「ADVANTAGE HARMONY (アドバンテッジハーモニー)」の新規契約が堅調に推移し増収となりました。費用面につきましては、システム関連など経費負担が増加いたしましたが、売上高が伸長し、増益となりました。

これらの結果、就業障がい者支援事業の売上高は1,726百万円(前期比9.2%増)、セグメント利益は503百万円(前期比7.4%増)となりました。

 

(リスクファイナンシング事業)

主に企業等に勤務する個人を対象として保険商品を販売している当事業におきましては、当連結会計年度の売上高は前期比で減収となりました。費用面につきましては、効率的なオペレーション業務体制の維持によりコスト抑制に努めました。

これらの結果、リスクファイナンシング事業の売上高は326百万円(前期比2.6%減)、セグメント利益は232百万円(前期比9.7%減)となりました。

 

なお、財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態の分析」をご参照ください。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末より303百万円増加し、1,725百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は1,705百万円(前期比32.0%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が789百万円、減価償却費が810百万円となったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2,262百万円(前期比138.6%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が721百万円、吸収分割による支出が1,501百万円になったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は860百万円(前期は182百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入が1,822百万円、自己株式の取得による支出が564百万円、配当金の支払が203百万円となったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

 前期比(%)

メンタリティマネジメント事業(千円)

6,500,901

+27.9

就業障がい者支援事業(千円)

1,726,334

+9.2

リスクファイナンシング事業(千円)

326,841

△2.6

合計(千円)

8,554,077

+22.2

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

東京海上日動火災保険株式会社

743,706

10.6

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末より2,178百万円増加し、8,724百万円となりました。流動資産は845百万円増加し、3,700百万円となりました。これは主に、吸収分割により取得した事業により各流動資産項目が増加したことによるものです。固定資産は1,333百万円増加し、5,023百万円となりました。これは主に、Resily事業にかかる固定資産の減損損失計上による減少があった一方で、吸収分割により取得した事業によりのれんや顧客関連資産等の無形固定資産が増加したことによるものです。

当連結会計年度末の負債は前連結会計年度末より2,199百万円増加し、4,764百万円となりました。流動負債は678百万円増加し、2,887百万円となりました。これは主に、新規の借入により1年内返済予定の長期借入金が増加したこと、吸収分割により取得した事業により各流動負債項目が増加したことによるものです。固定負債は1,521百万円増加し、1,876百万円となりました。これは主に、新規の借入により長期借入金が増加したことによるものです。

当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末より20百万円減少し、3,959百万円となりました。これは主に、配当を実施したこと、自己株式の取得及び消却を実施したことによるものです。なお、保険会社に帰属する保険料で当社の口座に残高のあるものについては、保険代理店勘定及び保険料預り金として対照勘定処理を行っております。これらを除いた場合の自己資本比率は45.9%となります。

 

② 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、前期比22.2%増の8,554百万円となりました。メンタリティマネジメント事業の売上高は、主力サービスである「アドバンテッジ タフネス」の販売価格改定の効果やソリューション売上が好調に推移、さらにM&Aの効果により売上高は大幅に伸長し、前期比27.9%の増収となりました。就業障がい者支援事業につきましては、GLTD(Group Long Term Disability:団体長期障害所得補償保険)の販売が堅調に推移したことに加え、「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」の新規契約が増加したことにより前期比9.2%の増収となりました。リスクファイナンシング事業につきましては、前期比2.6%の減収となりました。

当連結会計年度の売上原価は前期比27.9%増の2,642百万円、販売費及び一般管理費は前期比16.2%増の4,888百万円となりました。これはシステム投資によるソフトウエア償却費の増加や従業員の賃上げによる人件費の増加、連結子会社の増加によるものです。

当連結会計年度の営業利益は、前期比40.9%増の1,022百万円となりました。

当連結会計年度の経常利益は、前期比38.8%増の1,023百万円となりました。

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比47.2%増の744百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(789百万円)、減価償却費(810百万円)、減損損失(234百万円)の計上に対して、法人税等の支払(284百万円)等があり、1,705百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出(721百万円)及び吸収分割による支出(1,501百万円)等があり、2,262百万円の資金の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払(203百万円)や自己株式の取得による支出(564百万円)に対して、長期借入れによる収入(1,822百万円)等があり、860百万円の資金の増加となりました。

この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は前連結会計年度末から303百万円増加し、1,725百万円となりました。

当社グループの資金の流れは、数ヶ月間の営業活動を実施の後、サービス提供に応じた売上が計上され、役務提供の開始後約1ヶ月後に現金が振り込まれる、という構造をとる事業が大半であり、資金の収支に関するタイムラグはあまり大きくはありません。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は、事業部門を基礎としたセグメントを、サービスの内容が概ね類似する「メンタリティマネジメント事業」、「就業障がい者支援事業」及び「リスクファイナンシング事業」の3つに集約し報告セグメントとしております。

 「メンタリティマネジメント事業」は、ストレスチェックからカウンセリング、組織分析、その後のソリューションまでパッケージで提供するメンタルヘルスケア事業と、ストレス耐性とEQを軸とした採用適性検査、及びEQ検査や研修を活用した人材育成・組織活性化プログラムを提供する採用・EQソリューション事業を行っております。「就業障がい者支援事業」は、GLTD(団体長期障害所得補償保険)に関する総合的なサービスを提供しており、保険商品の販売のみならず、制度設計・提案・コンサルティング、復職支援、休職者管理までを含めた専門的なノウハウと付帯サービスを提供しております。「リスクファイナンシング事業」は、主に企業等に勤務する個人を対象に、がん保険等の個人向け保険を販売しております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。

 報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

 

 

 

(単位:千円)

 

メンタリティ

マネジメント事業

就業障がい者

支援事業

リスクファイナ

ンシング事業

合計

売上高

 

 

 

 

外部顧客への売上高

5,081,659

1,581,367

335,574

6,998,601

セグメント間の内部売上高

又は振替高

5,081,659

1,581,367

335,574

6,998,601

セグメント利益

693,793

468,822

257,044

1,419,660

セグメント資産

2,530,595

1,511,949

149,355

4,191,901

その他の項目

 

 

 

 

減価償却費

437,510

171,825

609,336

のれんの償却額

13,836

13,836

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

765,128

123,733

54,328

943,189

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)

 

 

 

(単位:千円)

 

メンタリティ

マネジメント事業

就業障がい者

支援事業

リスクファイナ

ンシング事業

合計

売上高

 

 

 

 

外部顧客への売上高

6,500,901

1,726,334

326,841

8,554,077

セグメント間の内部売上高

又は振替高

6,500,901

1,726,334

326,841

8,554,077

セグメント利益

1,075,724

503,647

232,080

1,811,451

セグメント資産

4,777,311

1,572,807

129,298

6,479,417

その他の項目

 

 

 

 

減価償却費

552,422

195,930

2,833

751,186

のれんの償却額

24,274

24,274

減損損失

234,699

234,699

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

1,984,038

125,063

21,179

2,130,280

 

4.報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

(単位:千円)

売上高

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

6,998,601

8,554,077

連結財務諸表の売上高

6,998,601

8,554,077

 

(単位:千円)

利益

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

1,419,660

1,811,451

全社費用(注)

△693,827

△788,629

連結財務諸表の営業利益

725,832

1,022,822

(注)全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない管理部門等の販売費及び一般管理費であります。

 

(単位:千円)

資産

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

4,191,901

6,479,417

全社資産(注)

2,353,342

2,244,624

連結財務諸表の資産合計

6,545,244

8,724,042

(注)全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金及び管理部門等に係る資産等であります。

 

(単位:千円)

その他の項目

報告セグメント計

調整額

連結財務諸表計上額

前連結

会計年度

当連結

会計年度

前連結

会計年度

当連結

会計年度

前連結

会計年度

当連結

会計年度

減価償却費

609,336

751,186

47,673

59,356

657,009

810,542

のれんの償却額

13,836

24,274

13,836

24,274

減損損失

234,699

234,699

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

943,189

2,130,280

71,947

11,910

1,015,137

2,142,191

(注)減価償却費の調整額は、本社建物附属設備等共用資産の減価償却費であり、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、管理部門等への設備投資額であります。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

メンタリティ

マネジメント事業

就業障がい者

支援事業

リスクファイナ

ンシング事業

合計

外部顧客への売上高

5,081,659

1,581,367

335,574

6,998,601

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

東京海上日動火災保険株式会社

743,706

就業障がい者支援事業

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

メンタリティ

マネジメント事業

就業障がい者

支援事業

リスクファイナ

ンシング事業

合計

外部顧客への売上高

6,500,901

1,726,334

326,841

8,554,077

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

メンタリティ

マネジメント事業

就業障がい者

支援事業

リスクファイナ

ンシング事業

合計

減損損失

234,699

234,699

(注)「メンタリティマネジメント事業」セグメントにおいて、Resily事業にかかる固定資産について、投資額の回収が見込めなくなったことから減損損失を計上しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

メンタリティ

マネジメント事業

就業障がい者

支援事業

リスクファイナ

ンシング事業

合計

当期償却額

13,836

13,836

当期末残高

273,062

273,062

(注)「メンタリティマネジメント事業」セグメントにおいて、当連結会計年度にここむ株式会社及びResily株式会社の全株式を取得したことによりのれんが286,899千円発生しております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

メンタリティ

マネジメント事業

就業障がい者

支援事業

リスクファイナ

ンシング事業

合計

当期償却額

24,274

24,274

当期末残高

252,106

252,106

(注)「メンタリティマネジメント事業」セグメントにおいて、Resily事業にかかるのれんの未償却残高204,506千円を減損損失として特別損失に計上しております。

また、「メンタリティマネジメント事業」セグメントにおいて、株式会社Mediplat及び株式会社フィッツプラスの全事業を吸収分割により承継したことにより、のれんが207,824千円発生しております。なお、のれんの発生金額は暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額であります。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。