事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
太陽生命保険 | 989,290 | 29.2 | 55,314 | 20.5 | 5.6 |
大同生命保険 | 1,183,799 | 34.9 | 101,662 | 37.6 | 8.6 |
T&Dフィナンシャル生命保険 | 1,028,260 | 30.3 | 7,305 | 2.7 | 0.7 |
T&Dユナイテッドキャピタル(連結) | 490 | 0.0 | -2,020 | -0.7 | -412.2 |
その他 | 189,445 | 5.6 | 107,833 | 39.9 | 56.9 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは2024年3月31日現在、当社、子会社20社及び関連会社5社により構成されており、生命保険業を中心に、以下の業務を行っております。
当社グループの報告セグメントは、生命保険会社別に「太陽生命保険」、「大同生命保険」及び「T&Dフィナンシャル生命保険」、並びに生命保険事業と親和性の高い事業領域への投資を行う投資子会社である「T&Dユナイテッドキャピタル(連結)」の4つとしております。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況
2023年度の日本経済は、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行し、社会経済活動の正常化が進むなかで、企業収益が全体として高水準となり、雇用・所得環境が改善するなど、景気は緩やかに回復しました。
金融市場につきましては、世界的に根強いインフレ圧力を抑制するため、年度前半は欧米での利上げが続き、海外金利は上昇しましたが、その後は利上げによる経済・物価への影響や将来の利下げ開始時期等を見極める動きから上昇幅を縮めました。また、国内金利については、日本銀行による長期金利誘導目標の修正・撤廃やマイナス金利政策の解除等により上昇しました。こうした中、国内株式は好調な企業業績や円安を背景に日経平均株価が史上最高値を更新するなど大幅に上昇しました。
生命保険業界におきましては、新型コロナウイルス関連の入院給付金等の支払いが収束したものの、為替ヘッジコストの高止まり等の厳しい経営環境が続きました。一方、国内金利の上昇により、一時払円建て保険の販売が増加するなど、新契約業績は前年度より増加しました。
当社グループは、グループ長期ビジョン「Try & Discover 2025」に基づく、グループ成長戦略に取り組み、絶えず変化する人と社会の課題の解決に貢献することで、社会とともに成長する保険グループを目指しております。
つきましては、2023年度の当社グループの主な取組みについてご報告いたします。
①コアビジネスの強化
当社グループは、お客さま本位をグループ共通の価値観として、お客さまの利益に繋がる真摯・誠実かつ公正・適切な企業活動を行うために、「T&D保険グループお客さま本位の業務運営に係る基本方針」を定めており、基本方針の趣旨・精神を尊重する企業文化の醸成に取り組んでまいります。この基本方針のもと、生命保険3社は、それぞれの特化市場における独自のビジネスモデルに基づき、コアビジネスである生命保険事業の強化に取り組みました。
(注)1 企業の健康診断の受診促進の支援、経営者・従業員個々の生活習慣病等の発症リスク分析、継
続的な健康増進の取組みを促す健康促進ソリューションとインセンティブの提供等、健康経営
に必要なPDCAサイクルの実践を一貫してサポートするWebサービスです。
2 「健康経営® 」は、「特定非営利活動法人 健康経営研究会」の登録商標です。
②事業ポートフォリオの多様化・最適化
当社グループでは、生命保険事業が創出する安定的な収益をクローズドブック事業等の成長事業に配賦すること
で、収益源泉の多様化を進めるとともに、新規事業領域の開拓やグループシナジーの追求等により、事業ポートフ
ォリオの最適化を図っております。
(CVCファンドにおける取組み)
グループ長期ビジョンにおいて、新領域を探索し、当社グループのコアビジネスである生命保険事業の強化を目的とする新規事業に取り組む方針としております。この方針のもと、2022年6月に設立したコーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)ファンドでは、ヘルスケア・インシュアテック・ペット関連の領域で先進的な技術やビジネスモデルを有するスタートアップ企業へ11件(約14億円)の出資を実施しております(2024年3月末時点)。
③資本マネジメントの進化
当社グループでは、資本コストを踏まえた資本効率性指標(修正ROE、ROEV)をグループ財務KPIに設定し、資本マネジメント・リスクマネジメントの進化を通じて、利益水準、資本効率の向上に取り組んでおります。
(資産運用ポートフォリオの改善)
保有資産のリスク対比リターンの改善を図るため、資産運用ポートフォリオの改善を進めております。当社グループの中でも相対的に長期の負債特性を持つ大同生命では、超長期国債の購入等により金利リスクの削減を継続いたしました。また、太陽生命・大同生命における政策保有株式につきましても、段階的な残高縮減を進めております。加えて、為替ヘッジコストの高止まりが続くなか、太陽生命・大同生命では引き続きヘッジ付外貨建て債券の残高圧縮を行っております。これらの取組みにより、資産運用収益の変動抑制を通じた株主資本コストの低減を図るとともに、成長事業を中心としたリスク対比リターンの高い事業への資本配賦を推進してまいります。
(株主還元の充実)
株主還元につきましては、現金配当において安定的・持続的な増配を目指すとともに、資本充足率の水準や成長投資の可能性、株価水準等を踏まえ、継続的に自己株式取得を実施する方針としております。この方針のもと、2023年度の1株当たり年間配当は、9期連続の増配となる、前年度比8円増配の70円(中間配当35円を含む)を予定しております(注)。また、2023年度の株主還元として、2024年5月に500億円を上限とした自己株式取得を決定いたしました。
(注) 2023年度の期末配当については、2024年6月26日に開催予定の第20回当社定時株主総会において承認
されることを前提としています。
④グループ一体経営の推進
生命保険・損害保険・アセットマネジメント等の事業の垣根を越えた新たなグループシナジーを追求するべく、グループ一体経営の推進及びグループガバナンスの強化に取り組んでおります。
(グループ総力の向上)
全従業員を企業価値向上のための人的資本と認識し、グループ人材交流・グループ内公募等によるグループ全 体のフィールドを活かした人材の育成・活用を進めております。また、グループ内IR・従業員向け株式交付制 度等を通じ、従業員の株主意識を醸成することでグループの持続的成長を図ってまいります。加えて、各社のビジネスモデルを強化しつつ、全体としての総力を引き上げる方針のもと、資産運用、DX(注)・システム、内部監査等、各種機能のグループ目線での高度化にも取り組んでおります。
(注) 進展するデジタル技術とビッグデータ・AIを活用してお客さま・社会のニーズを理解し、新たな価値
の創出に向けてビジネスモデルや組織、業務、企業文化・風土を変革することを指します。
2024年4月の当社設立20周年記念事業の一つとして、初めてのグループCMの放映を2023年4月から開始しております。「すべてのステークホルダーのしあわせに貢献する企業でありたい」という姿勢をこれまで以上に社内外に打ち出すことで、グループ意識の更なる向上を図り、グループ長期ビジョンの達成に向けた歩みを加速してまいります。
(役員体制の強化)
グループ一体経営を推進し、さらに強固なものとするべく、各社の代表取締役社長がよりグループ視点で自社の経営を行うグループ執行役員制度を2024年4月より導入いたしました。当制度の導入により、各社間の連携を強化し、更なるグループシナジーを追求してまいります。
⑤SDGs経営と価値創造
当社グループでは、事業を通じて社会課題を解決し、経済的価値と社会的価値の双方を創出する共有価値の創造により持続可能な社会に貢献するという考えのもと、SDGs経営に取り組んでおります。
(CO2排出量の削減)
当社グループでは、グループ全体で気候変動の緩和と適応に貢献するため、2040年度までに自社のCO2排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)とする長期目標を掲げ、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際的なイニシアティブ「RE100」に加盟しております。2023年4月には、当社、太陽生命、大同生命の本社ビルで使用する電力を100%再生可能エネルギー由来化するなど、使用電力の再生可能エネルギーへの切替えを積極的に進めております。また、当社グループは責任ある機関投資家として、自社の投融資先によるCO2排出量もネットゼロ目標(2050年度まで)の対象としており、目標達成に向けた建設的な対話(エンゲージメント)等の取組みを行っております。
(人権尊重の取組強化)
当社グループでは、「T&D保険グループCSR憲章」において人権の尊重を掲げており、グループすべての役職員及びすべてのステークホルダーの人権を尊重した事業活動を推進しております。その具体的な行動の一つとして「T&D保険グループ人権方針」に基づき、当社グループの事業活動が及ぼす可能性のある人権に対する負の影響を特定し、予防・軽減するために、毎年、人権に関するデューデリジェンスを実施しております。なお、2023年度には人権に関する主要な国際規範を参照し、専門家の知見を得ながら、人権デューデリジェンスの高度化を図っております。
当連結会計年度の業績は、次のとおりです。
(連結収支)
① 経常収益
ア 保険料等収入
保険料等収入は、契約業績好調等により前期比で増加しております。
イ 資産運用収益
資産運用収益は、主に金銭の信託運用益、為替差益の増加等により、前期比で増加しております。
(当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の資産運用収益の状況)
ウ その他経常収益
その他経常収益は、前期に大同生命の既契約終身保険ブロック及びT&Dフィナンシャル生命の既契約一時払終身保険ブロックの再保険取引に伴い責任準備金戻入額が増加したことの反動等により、前期比で減少しております。
② 経常費用
ア 保険金等支払金
保険金等支払金は、前期に再保険取引に伴う再保険料(※)が増加したことの反動等により、前期比で減少しております。
※再保険契約に基づいて再保険会社へ支払う保険料。
イ 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、前期は大同生命の既契約終身保険ブロック及びT&Dフィナンシャル生命の既契約一時払終身保険ブロックの再保険取引に伴い責任準備金戻入となったことの反動等により、前期比で増加しております。
ウ 資産運用費用
資産運用費用は、為替ヘッジコスト上昇等に伴う金融派生商品費用の増加、有価証券売却損の増加等により、前期比で増加しています。
(当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の資産運用費用の状況)
エ 持分法による投資損失
持分法による投資損失は、前期に米国金利上昇に伴いフォーティテュード社において再保険貸資産評価損(※)を計上したことの反動等により、前期比で大幅に減少しております。なお、持分法による投資損失には、フォーティテュード社と生命保険会社3社の再保険取引に係る未実現損益の調整△21億円が含まれます。
※再保険貸資産評価損は、米国会計基準上、再保険貸資産と保険負債の評価方法の相違から発生する一時的な評価損益であり、グループ修正利益の調整に含めております。
③ 経常利益又は経常損失
以上の結果、経常損益は、前期比で大幅に増加し、経常利益に転じております。
④ 特別利益・特別損失
特別利益は、固定資産等処分益の増加等により、前期比で増加しております。
特別損失は、減損損失の増加等により、前期比で増加しております。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損益は、前期比で大幅に増加し、純利益に転じております。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益に対し、市場変動等により会計上生じる経済実態を伴わない損益や負債内部留保の超過繰入(戻入)額を調整したグループ修正利益は、1,035億円(前期比14.7%増)となりました。
(セグメントの収支)
○生命保険会社3社
<太陽生命>
① 経常収益
ア 保険料等収入
保険料等収入は、主に企業保険の増加により、前期比で増加しております。
イ 資産運用収益
資産運用収益は、有価証券売却益の増加等により、前期比で増加しております。
ウ その他経常収益
その他経常収益は、責任準備金戻入額の減少等により、前期比で減少しております。
② 経常費用
ア 保険金等支払金
保険金等支払金は、解約増加に伴い解約返戻金が増加したものの、満期保険金及び年金の一括前払が減少したこと等により、前期比で減少しております。
イ 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、前期比で増加しております。
ウ 資産運用費用
資産運用費用は、有価証券売却損の増加、ヘッジコスト上昇に伴う金融派生商品費用の増加等により、前期比で増加しております。
エ 事業費
事業費は、概ね前期並みとなっております。
③ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前期比で増加しております。
④ 特別利益・特別損失
特別利益は、固定資産等処分益の増加により、前期比で増加しております。
特別損失は、概ね前期並みとなっております。
⑤ 当期純利益
以上の結果、当期純利益は、前期比で増加しております。
<大同生命>
① 経常収益
ア 保険料等収入
保険料等収入は、契約業績好調等により、前期比で増加しております。
イ 資産運用収益
資産運用収益は、利息及び配当金等収入の増加や為替差益の増加等により、前期比で増加しております。
ウ その他経常収益
その他経常収益は、前期に既契約終身保険ブロック再保険取引に伴い責任準備金戻入額が増加したことの反動等により、前期比で減少しております。
② 経常費用
ア 保険金等支払金
保険金等支払金は、前期に既契約終身保険ブロック再保険取引に伴い再保険料が増加したことの反動や新型コロナウイルス感染症による保険金・給付金の支払が減少したこと等により、前期比で減少しております。
イ 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、前期は既契約終身保険ブロック再保険取引に伴い責任準備金戻入となったことの反動等により、前期比で増加しております。
ウ 資産運用費用
資産運用費用は、為替ヘッジコスト上昇に伴う金融派生商品費用の増加や、有価証券売却損の増加等により、前期比で増加しております。
エ 事業費
事業費は、概ね前期並みとなっております。
③ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前期比で増加しております。
④ 特別損失
特別損失は、主に減損損失の増加により、前期比で増加しております。
⑤ 当期純利益
以上の結果、当期純利益は、前期比で増加しております。
<T&Dフィナンシャル生命>
① 経常収益
ア 保険料等収入
保険料等収入は、一時払商品の販売好調等により、前期比で増加しております。
イ 資産運用収益
資産運用収益は、金銭の信託運用益の増加等により、前期比で大幅に増加しております。
ウ その他経常収益
その他経常収益は、前期に既契約一時払終身保険ブロック再保険取引に伴い責任準備金戻入が増加したことの反動により、前期比で大幅に減少しております。
② 経常費用
ア 保険金等支払金
保険金等支払金は、主に解約返戻金の減少等により、前期比で減少しております。
イ 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、前期は既契約一時払終身保険ブロック再保険取引に伴い責任準備金戻入となったことの反動により、前期比で大幅に増加しております。
ウ 資産運用費用
資産運用費用は、主に金融派生商品費用の減少等により、前期比で減少しております。
③ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前期比で減少しております。
④ 特別損失
特別損失は、概ね前期並みとなっております。
⑤ 当期純利益
以上の結果、当期純利益は、前期比で減少しております。
○T&Dユナイテッドキャピタル(連結)
前期に米国金利上昇に伴いフォーティテュード社において再保険貸資産評価損等を計上したことの反動により、親会社株主に帰属する当期純損益は、前期から2,100億円増加し、24億円の親会社株主に帰属する当期純損失(前期は2,124億円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 なお、修正利益については、前期から25億円減少し、57億円(前期比30.4%減)となりました。
なお、フォーティテュード社への出資及び出再の状況は以下のとおりです。
① 出資
※前事業年度末と当事業年度末の出資額合計の差額は、前事業年度末の出資コミットメント額の予約時と実行時の為替レート差によるものです。
② グループ内出再(出再責任準備金残高)
※出再責任準備金の大部分について、担保を設定しており、フォーティテュード社の信用リスクが顕在化した場合の影響は限定的と考えております。
※再保険取引のリスク管理については、「3 事業等のリスク-(3)事業のリスク-①生命保険事業のリスク-ア.保険引受リスク」をご参照ください。
(生命保険会社3社の契約業績等(単体))
生命保険会社3社(合算)の契約業績は以下のとおりであります。
当連結会計年度の個人保険及び個人年金保険を合計した新契約年換算保険料(新契約には、転換による純増加を含みます。以下同じ)は、個人定期保険や円貨建て一時払商品等の主力商品の販売好調により1,983億円(前期比31.5%増)となり、前期比で増加しました。医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料についても、419億円(同9.5%増)となり、前期比で増加しました。
また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約年換算保険料は1兆6,336億円(同4.4%増)となり、前期比で増加しました。
当連結会計年度の個人保険及び個人年金保険を合計した新契約高(新契約には、転換による純増加を含みます。以下同じ)は、4兆4,902億円(同11.0%増)となり、前期比で増加しました。
また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約高は51兆7,569億円(同2.0%減)となり、前期比で減少しました。
以下、生命保険会社3社の契約業績に重要な影響を与えた要因について説明いたします。
① 太陽生命
当連結会計年度の個人保険及び個人年金保険を合計した新契約年換算保険料は、前期の新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療保険の販売増加の反動等により、324億円(前期比2.7%減)となり、前期比で減少しました。医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料についても、194億円(同6.1%減)となり、前期比で減少しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約年換算保険料は、5,641億円(同1.5%減)となり、前期比で減少しました。
当連結会計年度の個人保険及び個人年金保険を合計した新契約高は、2,409億円(同1.6%増)となり、前期比で増加しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約高は11兆4,618億円(同11.8%減)となり、前期比で減少しました。
② 大同生命
当連結会計年度の個人保険及び個人年金保険を合計した新契約年換算保険料は、お客さまの幅広い保障ニーズにお応えする丁寧なコンサルティング営業を実践したこと等により、735億円(前期比9.8%増)となり、前期比で増加しました。医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料についても、182億円(同5.0%増)となり、前期比で増加しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約年換算保険料は、8,064億円(同0.5%増)となり、概ね前期並みとなりました。
当連結会計年度の個人保険及び個人年金保険を合計した新契約高は、3兆3,822億円(同8.4%増)となり、前期比で増加しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約高は36兆3,432億円(同0.7%減)となり、概ね前期並みとなりました。
③ T&Dフィナンシャル生命
当連結会計年度の個人保険及び個人年金保険を合計した新契約年換算保険料は、円貨建て一時払商品等の主力商品の販売好調により、923億円(前期比82.7%増)となり、前期比で増加しました。医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料についても、43億円(同-%)となり、前期比で増加しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約年換算保険料は、2,630億円(同38.3%増)となり、前期比で増加しました。
当連結会計年度の個人保険及び個人年金保険を合計した新契約高は、8,671億円(同26.1%増)となり、前期比で増加しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約高は3兆9,517億円(同21.3%増)となり、前期比で増加しました。
以下、[保険引受業務] ア 保有契約高明細表、イ 新契約高明細表、ウ 保有契約年換算保険料明細表、エ 新契約年換算保険料明細表、オ 保険料明細表及びカ 保険金等明細表に記載の各数値は、太陽生命、大同生命及びT&Dフィナンシャル生命の合算数値であります。
[保険引受業務]
ア 保有契約高明細表
当連結会計年度末のセグメント別保有契約高
(注) 1 個人年金保険、団体保険(年金特約)の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資(ただし、変額個人年金保険は、責任準備金(最低保証に係る部分を除く))と年金支払開始後契約の責任準備金額の合計額であります。
2 団体年金保険の金額は、責任準備金額であります。
3 その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計で表示しております。なお、各々の計上基準については、財形保険、財形年金保険の金額は、責任準備金額(財形年金保険(財形年金積立保険を除く)の年金支払開始前契約は年金支払開始時における年金原資)、医療保障保険の金額は入院給付金日額、就業不能保障保険の金額は就業不能保険金月額であります。
イ 新契約高明細表
当連結会計年度のセグメント別新契約高
(注) 1 個人保険及び個人年金保険は、転換による純増加を含みます。
2 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
3 団体年金保険の金額は、第1回収入保険料であります。
4 その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計で表示しております。なお、各々の計上基準については、財形保険、財形年金保険の金額は、第1回収入保険料(財形年金保険(財形年金積立保険を除く)の年金支払開始前契約は年金支払開始時における年金原資)、医療保障保険の金額は入院給付金日額、就業不能保障保険の金額は就業不能保険金月額であります。
ウ 保有契約年換算保険料明細表
当連結会計年度末のセグメント別保有契約年換算保険料
(注) 1 年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
エ 新契約年換算保険料明細表
当連結会計年度のセグメント別新契約年換算保険料
(注) 転換による純増加を含みます。
オ 保険料明細表
当連結会計年度のセグメント別保険料
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計で表示しております。
カ 保険金等明細表
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度のセグメント別保険金等
保険金
年金
給付金
解約返戻金
その他返戻金
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計で表示しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
資本の財源及び資金の流動性については、「(2)財政状態の状況」及び「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は17兆2,071億円(前年度末比2.6%増)となりました。
主な資産構成は、公社債を中心とする有価証券12兆2,809億円(同4.2%増)、貸付金1兆7,433億円(同0.8%減)、金銭の信託1兆1,557億円(同5.1%減)、現金及び預貯金1兆1,376億円(同0.3%減)、有形固定資産3,780億円(同1.2%減)であります。
負債合計は15兆7,971億円(同0.1%増)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は14兆3,017億円(同1.7%増)となっております。
純資産合計は1兆4,099億円(同41.9%増)となりました。純資産の部中、その他有価証券評価差額金は6,681億円(同143.1%増)となっております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、保険料等収入によるキャッシュイン、保険金等支払によるキャッシュアウトが大半を占めております。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前期から5,703億円収入増の2,627億円の収入となりました。これは主に、保険料等収入の増加及び保険金等支払金の減少によります。
なお、保険料等収入は、前連結会計年度から2,963億円増加し、2兆4,745億円となりました。
保険金等支払金は、前連結会計年度から3,828億円減少し、2兆1,651億円となりました。
当社グループの投資活動によるキャッシュ・フローは、収入保険料の運用に係るキャッシュ・フローが中心です。主な資産運用に関するキャッシュ・フローは有価証券の取得・売却等、資金の貸付・回収等です。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前期から8,462億円支出増の1,802億円の支出となりました。
これは主に、前期に大同生命の既契約終身保険ブロック及びT&Dフィナンシャル生命の既契約一時払終身保険ブロック再保険取引に伴い有価証券の売却・金銭の信託の解約を行い投資活動によるキャッシュ・フローが6,659億円の収入となっていたことの反動によります。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前期から273億円支出減の792億円の支出となりました。
支出減少の主な要因は、前期に社債償還による支出370億円を行ったこと等によります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期から64億円増加し、1兆1,720億円(前年度末残高は1兆1,655億円)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業である生命保険業における業務の特殊性により、該当する情報がないため記載しておりません。
(5)その他重要事項
生命保険会社3社合算の基礎利益は1,258億円(前期比35.2%増)、順ざや額は393億円(同29.4%減)となりました。
当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は995.7%となりました(前連結会計年度末は920.1%)。また、連結実質純資産は2兆222億円となりました(同1兆8,691億円)。
生命保険会社3社のその他重要事項は以下のとおりです。
① 太陽生命
基礎利益は、新型コロナウイルス感染症による給付金の支払が減少したこと等により407億円(前期比91.4%増)となりました。順ざや額は、為替ヘッジコストの増加等により195億円(同53.6%減)となりました。
ソルベンシー・マージン比率は716.2%(前年度末は580.9%)となりました。また、実質純資産額は7,394億円(同6,177億円)となりました。
② 大同生命
基礎利益は、順ざやの増加や新型コロナウイルス感染症による保険金・給付金の支払が減少したこと等により865億円(前期比15.3%増)となりました。順ざや額は、利息及び配当金等収入の増加や、前期に実施した既契約終身保険ブロック再保険取引等に伴う予定利息負担の減少等により209億円(同33.7%増)となりました。
ソルベンシー・マージン比率は1,193.5%(前年度末は1,116.1%)となりました。また、実質純資産額は1兆3,126億円(同1兆2,632億円)となりました。
③ T&Dフィナンシャル生命
基礎利益は、△14億円(前期は△32億円)となりました。逆ざや額は10億円(前期比44.1%減)となりました。
ソルベンシー・マージン比率は567.6%(前年度末は659.4%)となりました。また、実質純資産額は241億円(同645億円)となりました。
(当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の基礎利益)
(当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の順ざやの状況)
(注) 1 順ざや額は、次の算式で算出しております。
順ざや額=(基礎利益上の運用収支等の利回り-(期中)平均予定利率)×一般勘定(経過)責任準備金
2 基礎利益上の運用収支等の利回りは、基礎利益に含まれる運用収支(一般勘定分の資産運用損益)から契約者配当金積立利息繰入額を控除したものの、一般勘定(経過)責任準備金に対する利回りのことであります。
3 (期中)平均予定利率は、予定利息の一般勘定(経過)責任準備金に対する利回りのことであります。
4 一般勘定(経過)責任準備金は、危険準備金を除く一般勘定部分の責任準備金について、以下の方式で算出しております。
一般勘定(経過)責任準備金=(期始責任準備金+期末責任準備金-予定利息)×1/2
(当連結会計年度末(2024年3月31日)のソルベンシー・マージン比率の状況)
(当連結会計年度末(2024年3月31日)の実質純資産額の状況)
(参考1)固有指標の説明
1.基礎利益
基礎利益とは生命保険本業における期間収益を示す指標の一つであります。
生命保険会社においては、株式、債券、為替市況等の運用環境が変動した場合、有価証券売却損益、有価証券評価損及び為替差損益が発生し、経常利益に大きな影響を与えることがあります。そのため、生命保険会社各社は、ディスクロージャー推進の一環として一般社団法人生命保険協会が定める「ディスクロージャー開示基準」に基づき、2001年3月期決算から、保険本業の期間収益を示す指標として、基礎利益を公表しております。基礎利益は、「経常利益」から有価証券売却益、有価証券売却損、有価証券評価損等の「キャピタル損益」と危険準備金戻入額、危険準備金繰入額、貸付金償却等の「臨時損益」を控除したものであります。基礎利益については、損益計算書に項目が設けられていませんが、参考情報として開示しております。
2.順ざや・逆ざや
生命保険会社は、保険契約者が支払う保険料を計算するにあたって、あらかじめ資産運用による一定の運用収益を見込み、その分保険料を割り引いて計算しております。この割引率を予定利率といいます。そのため、保険会社は、毎年割り引いた分に相当する金額(予定利息)を運用収益等で確保する必要があります。
予定利息を実際の運用収益等でまかなえている状態を「順ざや」といい、まかなえていない状態を「逆ざや」といいます。
3.責任準備金
責任準備金とは、将来の保険金等の支払いを確実に行うため、保険料や運用収益等を財源として積み立てる準備金のことで、生命保険会社の負債の最も大きな部分を占めております。
なお、責任準備金は期末において繰入と戻入とを相殺した差額を損益計算書に計上します。すなわち、繰入額が戻入額を上回る場合はその差額を責任準備金繰入額として経常費用の科目に表示し、戻入額が繰入額を上回る場合はその差額を責任準備金戻入額として経常収益の科目に表示します。
4.ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージンは、大地震や株の暴落等、通常の予測を超えて発生するリスクに対応するための財務的な余裕である「支払余力」を意味しております。保険会社は、将来の保険金等の支払いに備えて通常予測できる範囲のリスクについては、責任準備金を積み立てて対応しておりますが、ソルベンシー・マージンは、これを超えるリスクへの備えとなります。ソルベンシー・マージン比率は、「ソルベンシー・マージン総額」(純資産の部合計、価格変動準備金、危険準備金、一般貸倒引当金等)を、通常の予測を超えて発生するリスクを計量化した「リスクの合計額」の2分の1で割ることにより算出される比率であります。
ソルベンシー・マージン比率が200%以上であれば、健全性について一つの基準を満たしていることを示しております。
5.実質純資産額
実質純資産額とは、貸借対照表の資産を基礎として計算した額(有価証券・不動産等について一定の時価評価を行ったもの)から負債を基礎として計算した額(負債の額から価格変動準備金・危険準備金等の額を差し引いた額)を控除した金額をいい、金融庁による早期是正措置において、実質的な債務超過の判定基準として用いられる行政監督上の指標の一つです。
(参考2) 連結ソルベンシー・マージン比率
(注) 1 上記は、保険業法施行規則第210条の11の3、第210条の11の4及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
2 「最低保証リスク相当額 R7」は、標準的方式を用いて算出しております。
(参考3) 生命保険会社3社のソルベンシー・マージン比率
太陽生命
(注) 1 保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
2 「最低保証リスク相当額 R7」は、標準的方式を用いて算出しております。
大同生命
(注) 1 保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
2 「最低保証リスク相当額 R7」は、標準的方式を用いて算出しております。
T&Dフィナンシャル生命
(注) 1 保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
2 「最低保証リスク相当額 R7」は、標準的方式を用いて算出しております。
(参考4) 市場整合的エンベディッド・バリュー(MCEV)
①市場整合的エンベディッド・バリューについて
エンベディッド・バリュー(Embedded Value、以下、EV)とは、株主に帰属すると考えられる価値であり、貸借対照表などから計算される「修正純資産」と、保有契約に基づき計算される「保有契約価値」を合計したものであります。EVは、生命保険会社の企業価値を評価する指標の一つとされております。
現行の生命保険会社の財務会計では、新契約獲得から会計上の利益の実現までにタイム・ラグがあります。
一方、EVでは、将来の利益貢献が新契約獲得時に認識されるため、財務会計による財務情報を補強することができると考えられております。
当グループでは、欧州の主要保険会社のCFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)から構成されるCFOフォーラムによって公表されたEV計算の基準である「The European Insurance CFO Forum Market Consistent Embedded Value Principles(※)(MCEV原則)」に基づいたEV(以下、MCEV)を開示しております。(※)Copyright© Stichting CFO Forum Foundation 2008
②MCEV及びGroup MCEV
(注) 1 当グループの生命保険事業を対象にしております。
2 当グループの生命保険以外の事業に係る会計基準に基づく純資産であります。
対象事業のMCEVの内訳
(注) 当年度中に販売した新契約(転換契約を含む)の年度末における価値を表したものであります。
当事業年度末のMCEVは、新契約の獲得、内外株価上昇および国内金利上昇等により5,429億円増加し、3兆9,832億円となりました。修正純資産は内外株価上昇等により増加し、保有契約価値は新契約の獲得、国内金利上昇等により増加しました。
新契約価値は52億円減少し、1,617億円となりました。
③各社別のMCEV
(注) T&Dフィナンシャル生命の新契約価値は契約獲得時点の評価としております。
④第三者機関の意見
当グループは、保険数理に関する専門的知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、当グループのMCEV及びGroupMCEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
(参考5) 資産運用業務(連結)
① 運用資産明細表
② 有価証券明細表
③ 貸付金明細表
④ 海外投融資明細表
(注) 「円貨額が確定した外貨建資産」は、為替予約等が付されていることにより決済時の円貨額が確定し、当該円貨額を資産の貸借対照表計上額としているものであります。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「会計方針に関する事項」に、重要な見積りは「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、会計上の見積りについては、財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき、その現況が継続するとの仮定により、見積りを実施しております。
① 責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。保険料及び責任準備金の算出方法書に記載された計算前提(予定発生率・予定利率等の基礎率)が、直近の実績と大きく乖離することにより、将来の債務履行に支障を来すおそれがあると認められる場合には、追加の責任準備金を計上する必要があります。
② 支払備金の積立方法
保険業法第117条及び保険業法施行規則第72条に基づき、連結会計年度末時点において支払義務が発生したもの、又は、まだ支払事由の報告を受けていないものの支払事由が既に発生したと認められるもののうち、それぞれ保険金等の支出として計上していないものについて、支払備金を積み立てております。
既発生未報告支払備金(まだ支払事由の発生の報告を受けていないが保険契約に規定する支払事由が既に発生したと認める保険金等をいう。以下同じ。)については、新型コロナウイルス感染症と診断され、宿泊施設又は自宅にて医師等の管理下で療養をされた場合(以下「みなし入院」という。)の入院給付金等を支払う特別取扱を2023年5月8日以降終了したことにより、平成10年大蔵省告示第234号(以下「IBNR告示」という。)第1条第1項本則に基づく計算では適切な水準の額を算出することができないことから、IBNR告示第1条第1項ただし書の規定に基づき、以下の方法により算出した額を計上しております。
(計算方法の概要)
IBNR告示第1条第1項本則に掲げる全ての連結会計年度の既発生未報告支払備金積立所要額及び保険金等の支払額から、みなし入院に係る額を除外した上で、IBNR告示第1条第1項本則と同様の方法により算出しております。
なお、前連結会計年度末においては、当該みなし入院に係る額の代わりに、重症化リスクの高い方以外のみなし入院に係る額を除外しておりましたが、第1四半期連結会計期間中にみなし入院の入院給付金等の取扱いを終了したことにより、当該みなし入院に係る額を除外して算出する方法に見直しております。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
③ 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、年金資産の期待運用収益率や将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。このため、主要な仮定である割引率や長期期待運用収益率等が変動した場合、退職給付に係る資産・負債に重要な影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損処理
固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しております。回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込み額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としております。今後、主要な仮定である保険営業活動から生じる損益や投資用資産の収支見込みが悪化し、割引前将来キャッシュ・フローが変動した場合、新たに減損損失が発生する可能性があります。なお、固定資産の減損処理に係る基準は「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「連結損益計算書関係」にも記載しております。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際し、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。なお、当社及び生命保険会社3社を含む一部子会社は、当社を通算親会社とするグループ通算制度を適用しております。そのため、グループ通算制度を適用するグループ全体の連結課税所得の見積りに依存しますので、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
⑥ 有価証券の減損処理
当社グループは、資産運用を目的として株式等の有価証券を保有しております。売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価もしくは実質価額が著しく下落したものについては、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っております。なお、減損処理に係る合理的な基準は「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「有価証券関係」の注記に記載しております。将来、金融市場の変動により、多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。
⑦ 金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しておりますが、市場価格がない場合には合理的に算定された価額によっております。時価の算定方法については、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「金融商品関係」に記載しております。将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積り額は変動する可能性があります。
⑧ 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積り額を計上しております。将来、債務者の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報の入手が可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、主に生命保険会社及び保険業法の規定により子会社とした会社の経営管理を営んでいる保険持株会社であり、当社のもとで、独自の商品戦略及び販売戦略を有する生命保険子会社3社がグループコアビジネスである生命保険事業を展開しております。「太陽生命保険」は家庭マーケット、「大同生命保険」は中小企業マーケット、「T&Dフィナンシャル生命保険」は乗合代理店マーケットをそれぞれ販売市場としており、独自の販売方針のもと、異なる販売商品を有しております。
また、T&Dユナイテッドキャピタルは、グループ事業ポートフォリオの多様化・最適化を目指し、生命保険事業と親和性の高い新たな成長事業領域への戦略的な事業投資を通じてプロフィットセンター機能の確立・強化に取り組んでいます。
従って、当社は、「太陽生命保険」、「大同生命保険」、「T&Dフィナンシャル生命保険」及び「T&Dユナイテッドキャピタル(連結)」の4つを報告セグメントとしております。
2 報告セグメントごとの経常収益、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。
3 報告セグメントごとの経常収益、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注)1 売上高にかえて、経常収益の金額を記載しております。
2 調整額は、以下の通りであります。
(1) 経常収益の調整額△1,110百万円は、主に経常費用のうち責任準備金繰入額779百万円を連結損益計算書上は経常収益のうち責任準備金戻入額に含め、経常収益のうち退職給付引当金戻入額338百万円を連結損益計算書上は経常費用のうち退職給付引当金繰入額に含めたことによる振替額であります。
(2) セグメント利益又は損失(△)の調整額△51,745百万円は、主に当社が計上した関係会社からの受取配当金の消去額であります。
(3) セグメント資産の調整額△1,082,280百万円は、主に当社が計上した関係会社株式の消去額であります。
(4) セグメント負債の調整額△311,148百万円は、主にセグメント間の債権債務消去額であります。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)1 売上高にかえて、経常収益の金額を記載しております。
2 調整額は、以下の通りであります。
(1) 経常収益の調整額△31,526百万円は、主に経常収益のうち責任準備金戻入額31,433百万円を連結損益計算書上は経常費用のうち責任準備金繰入額に含めたことによる振替額であります。
(2) セグメント利益又は損失(△)の調整額△110,285百万円は、主に当社が計上した関係会社からの受取配当金の消去額であります。
(3) セグメント資産の調整額△1,085,562百万円は、主に当社が計上した関係会社株式の消去額であります。
(4) セグメント負債の調整額△312,769百万円は、主にセグメント間の債権債務消去額であります。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
外部顧客への売上高
(注) 売上高にかえて、保険料等収入の金額を記載しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高(経常収益)に区分した金額が連結損益計算書の売上高(経常収益)の90%を超えるため、地域ごとの売上高(経常収益)の記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、地域ごとの有形固定資産の記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高(経常収益)のうち、連結損益計算書の売上高(経常収益)の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
外部顧客への売上高
(注) 売上高にかえて、保険料等収入の金額を記載しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高(経常収益)に区分した金額が連結損益計算書の売上高(経常収益)の90%を超えるため、地域ごとの売上高(経常収益)の記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、地域ごとの有形固定資産の記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高(経常収益)のうち、連結損益計算書の売上高(経常収益)の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。