2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    224名(単体) 298名(連結)
  • 平均年齢
    39.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    6.5年(単体)
  • 平均年収
    8,071,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

当社グループのセグメントは、財産コンサルティング事業の単一セグメントであります。

 

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

財産コンサルティング事業

211

全社(共通)

87

合計

298

(注)1.従業員数は、就業人員であります。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

3.従業員数が前連結会計年度末に比べ8名増加しましたのは、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

224

39.2

6.51

8,071

 

 

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

財産コンサルティング事業

164

全社(共通)

60

合計

224

(注)1.従業員数は、就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3)労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

 

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

提出会社

17.6

57.1

70.0

72.4

37.4

提出会社及び

国内連結子会社

(注)3

20.6

45.5

65.2

73.2

20.8

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としておりますが、海外子会社は含めておりません。

(補足説明)

男女の給与差については、男性の平均年齢が高いこと(+3.0歳)、男性の平均勤続年数が長いこと(+0.6年)ならびに男性の管理職比率が高いこと(79.4%)等が影響しております。そのため職種/職位別に比較すると給与額について大きな差は見られません。女性従業員比率と女性管理職比率を増加させていくことで、給与差は今後縮小していく見込みとなっております。

      また、パート・有期労働者については、定年再雇用者を主とする賃金ベースの高い役職者の男性比率が高いため、格差が大きくなっております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次の通りです。

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは総合財産コンサルティング会社であり、お客様の大切な財産や事業の永続的な発展のご支援をさせていただく立場として、気候変動に対した環境負荷低減の取り組みやお客様の財産に関わるお悩みを解決するための商品、サービスの提供を通じて、経営目的である「財産の承継・運用・管理を通じてお客様の幸せに貢献」を実現できるよう尽力いたします。「100年財産コンサルティング」を標榜する当社グループは、コンサルティングの源泉である人材育成を土台とし、企業が持続的に成長していく必要があります。2022年2月、取締役会と連携する体制でサステナビリティ委員会を新設し、本委員会を筆頭に、持続可能な社会の実現を目指し全社を挙げて邁進しております。

サステナビリティ委員会は、取締役会で決議する目標の進捗管理や評価などを目的として、持続可能な成長基盤の構築を目指すとともに、サステナビリティの方針や戦略、施策について監督・モニタリング機能を果たします。

メンバーは代表取締役及び常勤取締役で構成され、代表取締役社長が運営委員長を務めます。

サステナビリティ委員会の傘下には、5つの分科会「TCFD推進」「経営理念浸透・人材強化」「働き甲斐のある会社創造」「社会貢献」「ガバナンス強化」を設置し、テーマに基づいて多様な視点から、具体的な改善活動の提言と推進を行います。各分科会のメンバーは事務局長が関連部署の担当者から選定し、各分科会はゴールと、それに向けたプランを設定し、議論と検証を重ねながら活動を推進していきます。分科会の活動内容はサステナビリティ委員会へ毎月報告され、サステナビリティ委員会より取締役会へ3か月に一度報告を実施しています。取締役会ではサステナビリティ委員会からの報告をもとにリスク管理方針の検討を行い、経営計画や戦略、施策の決定を行っています。

(2)戦略

①TCFD(シナリオ分析)

当社グループは、不動産をはじめとする当事業活動にともない排出される温室効果ガスが気候変動に大きな影響を与えると考えており、主要なリスクだと捉えています。そのため、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言へ賛同しております。

TCFD推進はサステナビリティ委員会内の分科会として位置づけられ、気候関連のリスク及び機会の評価、戦略策定ならびに温室効果ガスの排出量算出等に取り組んでおります。

戦略の検討では、「ADVANTAGE CLUB(アドバンテージクラブ、以下「AD」)」をシナリオ分析の対象といたしました。ADは2023年における総売上高比率約65%、CO₂排出量比率約66%を占め、当社における代表的な商品であり、また主要なCO₂排出源となっております。シナリオ分析の結果を将来的に経営戦略へと反映させ、今後一層環境に配慮した施策に取り組み、資産価値の向上と社会的課題解決に貢献し、お客様・テナント様のニーズに応えてまいります。

 

前提条件

選択シナリオ:2、4

移行リスク:2030年時点を想定、物理リスク:2050年時点を想定

不動産業界(不動産小口化商品)におけるリスクと機会は以下のように推測します。

 

 

IEA、環境省等のデータに基づき、それぞれのシナリオ(2℃、4℃)における世界観を想定し、各リスクが財務へ及ぼす影響について、試算をいたしました。いずれのシナリオにおいても組成規模の拡大により粗利額は増加しますが、気候変動リスクによるインパクトまたはその対策費用により粗利額へ影響が出ることを想定しています。いずれのシナリオにも対応できるよう、社内外関係者からのフィードバックを通じて、戦略のブラッシュアップ・経営戦略への反映をサステナビリティ委員会が中心となって実施してまいります。引き続きADVANTAGE CLUBの安定した運用に努め、お客様の大切な資産を守ってまいります。

 

②人的資本

当社グループにおいて、コンサルティングの源泉である「人的資産(資本)」は極めて重要な経営資本です。社員の能力と人間力を向上させ高品質なサービスを提供するとともに、社員の多様性を高めることでお客様のさまざまな価値観・ご要望に応え、財産コンサルティングのさらなる高付加価値化を促してまいります。人的資本への投資は事業基盤やその土台となるサステナビリティ経営への投資であり、当社グループが持続的に成長していくために不可欠なものです。人的資本への投資に対するリターンの総合的な指標として、従業員一人当たり営業利益をモニタリングしております。人的資本に関する各施策の進捗により、従業員一人当たり営業利益の向上を目指します。

 

経営目標の達成へ向け、人材戦略が「財産コンサルティング事業」の「営業利益」ならびに「営業利益率」の向上に寄与するための要素を検討いたしました。

営業利益についてロジックツリーを作成し、可視化された要素に対する人材戦略を検討しました。その結果、今後事業を拡大していく当社が取り組むべき人材戦略上のポイントを「採用」「教育」「人間力の向上」「働く環境の整備」の4点に集約いたしました。

 

a.採用

 地域金融機関等の提携数の増加に伴い、コンサルティング案件や、ADVANTAGE CLUB等の商品販売に繋がる顧客の紹介を受けた結果、当社グループの顧客数は順調に増加傾向にあります。社内体制の効率化(組織体制、業務の標準化、DX)を推進しておりますが、それを上回る紹介数であるため、対応するコンサルタントの採用を進めております。人員ならびに採用に伴う費用は増加しておりますが一人当たり営業利益も増加傾向となっております。採用施策として採用要件の明確化と採用チャネルの強化・最適化について重点的に取り組んでおります。

 

b.教育

 従来は中途採用による即戦力を重視しておりましたが、今後は在籍しているコンサルタントへの教育にも注力いたします。コンサルタント全体のレベルを引き上げることにより、当社の提供価値の向上と標準化を行います。当社グループの根幹であるコンサルティング分野の品質向上は新たなお客様からのご相談に繋がり、更なる好循環を生む起点となります。

 コンサルタント育成

 コンサルタントに関する専門スキルの体系化を行い、当社グループのコンサルタントとして必要な要件を整理いたしました。専門スキルの体系化により業務の標準化と専門スキルの均一化(底上げ)を促し、生産性を改善、お客様へ均一で高品質なコンサルティングを提供いたします。教育内容は「専門知識」と「営業総合力」に大別され、「専門知識」では税務・会計等のコンサルティングを行うにあたり必要となる専門知識を、「営業総合力」では商談をまとめていくために必要となる一般的な営業上の知識・テクニックを学習します。数年間におよぶ研修プログラムを通して、より難易度が高く高単価な案件に取り組める力を培います。

幹部人材育成

 当社グループを牽引する幹部人材の育成にも取り組みます。外部研修を活用し経営において必要となる知識を学び、異業種との交流により見識を深めるプログラムと、現役役員と連携しながら課題解決に取り組む高密度体験プログラムを並行して進めます。推薦を受けた候補者は数年をかけプログラムへ参加し、グループを牽引するのに必要な力を培います。

 

c.人間力向上

 お客様の大切な財産や事業についてご相談いただくには、コンサルタントがお客様から信頼を得ることが最も重要です。そのためには、誠実さ、優しさ、思いやりなどを兼ね備えた「人間力」が高いコンサルティング集団へと成長することが欠かせません。また、財産や事業の承継などに「正解」はありません。大切なのは合理的な「正解」ではなく、お客様にとっての「最適」を目指すことです。お客様の目線に立ち、お客様と伴走するためにも「人間力」が必須です。人間力向上は直接的に経営目標に寄与するものではございませんが、当社グループの基本的価値観として重要視しております。当社グループの価値は、一人一人の人間力の総和です。

 

d.働く環境の整備

 従業員エンゲージメントと生産性には正の相関関係がみられることが各種調査で明らかになってきております。また、従業員エンゲージメントの向上は生産性に限らず、一般的に離職率の低下や採用成功率の上昇などにも寄与すると言われており、事業規模を拡大している当社グループにとって重要な課題です。

 健康経営

 当社グループは、これまでも社員の健康増進のために、専門家による社員向けの健康セミナーやリフレッシュルームへの酸素ボックスの設置、またマインドフルネスを導入し、瞑想ルームの設置等、様々な取り組みを行ってまいりました。また、2022年7月には健康経営宣言を制定いたしました。宣言の目的は、「弊社グループ社員の心と体の健康を守ることで、社員満足度を高めていくこと」、「社員満足度向上により、社員が自身の能力を最大限発揮でき、お客様への貢献にも繋がり、弊社グループの持続的成長と企業価値の向上につながること」の2点としています。

 健康経営宣言

 当社グループは「社員の健康が全ての基本」を経営課題とし、経営目的の「お客様の幸せに貢献し、共に働くメンバーの物心両面の幸せを目指す」を実現します。

 健康経営優良法人2024への認定

 上記の取組みの結果、当社は経済産業省と日本健康会議が共同で運営する「健康経営優良法人認定制度」において、「健康経営優良法人 2024(大規模法人部門)」に認定されました。引き続き、グループを挙げて健康経営への取り組みを推進してまいります。

 組織サーベイの実施

 2022年より会社と従業員の相互理解を測る目的で「組織サーベイ」を実施いたしました。エンゲージメントスコア(ES, サーベイ参加企業内における偏差値)を用いることで、今まで不明瞭であった心の充実・拡大について現在の立ち位置を計測いたしました。今後も定期的に調査を実施することで「会社と従業員の関係」を定量的に把握し組織改善に向けた社内施策立案に活用いたします。定期的なサーベイによりESの向上がされているかモニターしてまいります。調査の結果、共に働く社員の人柄や事業の優位性・社会的意義、財務基盤の健全性に強みがあること、一方で社内の体制やリソース、ナレッジの標準化等に課題があることが明確になりました。

 

(3)リスク管理

①TCFD(気候変動リスク・機会への対応)

 当社グループ全体に関わる中長期的な視点での気候変動リスク・機会についてはサステナビリティ委員会が統括し、取締役会と連携する体制で監督・モニタリングを実施し、経営戦略への反映をおこなってまいります。また、当社グループでは創業時より不動産ソリューションサービスを提供しており、都心部の高価な不動産を取り扱っております。個別案件ごとのリスク管理を行うため、「不動産プロジェクト諮問会議」、「コンプライアンス委員会」を以前より設置しており、所定の条件を満たす案件においては、本諮問会議・委員会での審議が実施されています。審議の一部として気候変動に関わるリスク管理も実施されています。

 

②人的資本

 当社グループでは、日常の個々の社員に関するリスク管理は主に人事部により実施されています。体と心に関するリスクが主要なリスクであると定義し、管理ならびに相談の受付を行っています。 当社グループ全体に関するリスクについては「サステナビリティ委員会」ならびに「コンプライアンス委員会」によって管轄され、リスクを最小化するための管理体制を整えております。

 

 

 

(4)指標及び目標

①TCFD(CO₂総排出量)

 当社グループにおけるCO₂総排出量の実績は以下の通りです。

 

ADVANTAGE CLUBの運用規模拡大、社員数の増加等に伴い、CO₂総排出量は増加傾向にあります。しかしながら、省エネルギー設備の導入や電力契約をカーボンフリープランへ変更することにより、㎡あたりのCO₂排出量(CO₂排出量原単位)を削減しております。2030年または2050年に向けた排出量削減目標につきましては現在検討中となります。今後もCO₂排出量抑制の施策を継続・拡大し、気候変動リスクへの対応を行ってまいります。

 

②人的資本

a.女性労働者数ならびに管理職に占める女性労働者の割合

今後の取り組みにより女性従業員比率を40%へ、女性管理職比率を30%へ引き上げます。

社内の意識改善施策、キャリア形成支援、労働環境改善(残業時間の抑制、突発的な休暇発生時のバックアップ体制の構築等)を通し、多様な働き方が実現できる制度の確立と社内の雰囲気を醸成してまいります。

女性活躍推進についてはサステナビリティ委員会において分科会を設立・活動しております。2023年には取締役会のコミットメントも得ており、いっそう施策を展開してまいります。

 

b.男性労働者の育児休業取得率

 男性にとっても休暇が取得しやすく、ライフイベントに合わせ働き方を変えることができる環境を目指し、男性の育児休暇の取得を推進しております。

 

 

c.労働者の男女の賃金の差異

男女の給与差については、男性の平均年齢が高いこと(+3.0歳(2023年))、男性の平均勤続年数が長いこと(+0.6年(2023年))ならびに男性の管理職比率が高いこと(79.4% (2023年))等が影響しております。そのため職種/職位別に比較すると給与額について大きな差は見られません。女性従業員比率と女性管理職比率を増加させていくことで、給与差は今後縮小していく見込みです。

 

区分

男女の賃金の差異

(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)

全労働者

65.2%

 正社員

73.2%

 パート・有期社員

20.8%

 

d.健康診断受診率

 2022年から継続して2023年も健康診断受診率は100%となっております。

 

e. 平均勤続年数ならびに離職率

お客様を長期的にサポートし信頼関係を構築するためには、担当社員が安心して心身ともに健康で長期間勤務し続けられることが大切です。当社グループの平均勤続年数、離職率は下記の通りです。

厚生労働省発表「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると令和4年の一般労働者(パートタイム労働者を除く常用労働者)の離職率は11.9%、学術研究,専門・技術サービス業(経営コンサルタント業、法律・公認会計士・税理士事務所を含む)における離職率は10.0%となっており、当社グループの離職率はいずれの水準よりも低いものとなっております。

また、平均勤続年数にかかる男女比(女性の平均勤続年数/男性の平均勤続年数)は約92%となっており、比較的高い数値を維持しております。 なお、当社単体では直近で社員数が大幅に増加しており(入社5年未満の社員が過半を占めております)、平均勤続年数を下げる要因となっています。 今後も働く環境の整備を継続し、全ての従業員が安心して長期間勤務できる体制を構築します。