2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

モビリティ業 流通業 不動産業 旅行・地域ソリューション業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
モビリティ業 1,145,953 57.3 130,920 65.6 11.4
流通業 237,802 11.9 16,264 8.2 6.8
不動産業 305,467 15.3 46,332 23.2 15.2
旅行・地域ソリューション業 193,087 9.7 529 0.3 0.3
その他 117,316 5.9 5,410 2.7 4.6

3 【事業の内容】

 当社及び当社の関係会社(子会社139社及び関連会社23社)が営んでいる主要な事業内容は、次のとおりであります。

 事業内容の区分については、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表][注記事項]」に掲げる「[セグメント情報]」における事業区分と同一であります。

 なお、当社グループでは、同業種または関連事業を展開するグループ会社及び当社の各部門を一体

と捉えた経営管理単位として「鉄道」、「物販・飲食」、「ホテル」、「ショッピングセンター

(SC)」、「不動産」の5つのカンパニーを設置しております。各カンパニーの構成会社の概要は以

下のとおりであります。

 ・鉄道カンパニー:当社鉄道部門及び以下の業種の連結子会社等

          鉄道事業、船舶事業、車両等設備工事業、機械等設備工事業、電気工事業、

          清掃整備事業、建設事業、駅業務等運営業

 ・物販・飲食カンパニー:物販・飲食業及び流通業セグメントに区分されるホテル業の連結子会社

             等

 ・ホテルカンパニー:ホテル業(流通業セグメントに区分されるものを除く)の連結子会社等

 ・ショッピングセンター(SC)カンパニー:ショッピングセンター運営業の連結子会社等

 ・不動産カンパニー:不動産販売・賃貸業及び不動産投資運用業の連結子会社等

 

(1)モビリティ業

 鉄道事業のほかに、旅客自動車運送事業及び船舶事業を展開しております。

 鉄道事業のうち、当社は、北陸、近畿、中国及び九州北部の2府16県の広いエリアを営業範囲として、新幹線、在来線の特急を中心とする都市間輸送及び京阪神都市圏や広島、岡山等の地方中核都市を中心とする地域での都市圏輸送等を行っております。

 そのほか、各種工事業、清掃整備事業等を展開しております。

 

事業の内容

主要な関係会社

鉄道事業

当社、嵯峨野観光鉄道㈱、関西高速鉄道㈱※、大阪外環状鉄道㈱※

旅客自動車運送事業

JRバス中国㈱、西日本ジェイアールバス㈱

船舶事業

JR西日本宮島フェリー㈱

貸自動車業

JR西日本レンタカー&リース㈱

車両等設備工事業

㈱JR西日本テクノス、㈱JR西日本新幹線テクノス

機械等設備工事業

㈱JR西日本テクシア

電気工事業

JR西日本電気テック㈱、JR西日本電気システム㈱、㈱てつでん

清掃整備事業

㈱JR西日本メンテック、㈱JR西日本中国メンテック、㈱JR西日本金沢メンテック

建設事業

大鉄工業㈱、㈱JR西日本レールテック、㈱ジェイアール西日本ビルト、

広成建設㈱※

その他

㈱JR西日本カスタマーリレーションズ、㈱JR西日本交通サービス、

㈱JR西日本中国交通サービス

(注)㈱てつでんは、2026年6月1日にT-SoLinx㈱に商号変更しております。

 

(2)流通業

 百貨店業のほかに、主要駅における物販・飲食業等を展開しております。

 

事業の内容

主要な関係会社

百貨店業

㈱ジェイアール西日本伊勢丹

物販・飲食業

当社、㈱ジェイアール西日本デイリーサービスネット、

㈱ジェイアール西日本フードサービスネット、

㈱ジェイアールサービスネット広島、㈱ジェイアールサービスネット岡山、

㈱ジェイアールサービスネット金沢、㈱ジェイアールサービスネット福岡、

㈱ジェイアール西日本ファッショングッズ

各種物品等卸売業

ジェイアール西日本商事㈱

ホテル業

㈱JR西日本ヴィアイン

 

 

(3)不動産業

 保有不動産を活用した不動産販売・賃貸業のほかに、ショッピングセンター運営業、ホテル業を展開しております。

 

事業の内容

主要な関係会社

不動産販売・賃貸業

当社、JR西日本不動産開発㈱、JR西日本プロパティーズ㈱

不動産賃貸業

京都駅ビル開発㈱、JR西日本ステーションシティ㈱

不動産投資運用業

JR西日本不動産投資顧問㈱

ショッピングセンター運営業

JR西日本SC開発㈱、JR西日本京都SC開発㈱、富山ターミナルビル㈱、

山陽SC開発㈱、金沢ターミナル開発㈱、JR西日本アーバン開発㈱、

中国SC開発㈱、㈱和歌山ステーションビルディング、

㈱新大阪ステーションストア、JR西日本大阪開発㈱、JR西日本山陰開発㈱

ホテル業

㈱ジェイアール西日本ホテル開発、和歌山ターミナルビル㈱

 

(4)旅行・地域ソリューション業

 旅行・地域ソリューション業を展開しております。

 

事業の内容

主要な関係会社

旅行・地域ソリューション業

㈱日本旅行

 

(5)その他

 広告業等を展開しております。

 

事業の内容

主要な関係会社

広告業

㈱JR西日本コミュニケーションズ

土木・建築等コンサルタント業

ジェイアール西日本コンサルタンツ㈱

空間情報コンサルタント事業

アジア航測㈱※

情報サービス業

㈱JR西日本ITソリューションズ、鉄道情報システム㈱※

その他

㈱ジェイアール西日本総合ビルサービス、㈱ジェイアール西日本マルニックス、

JR西日本フィナンシャルマネジメント㈱、㈱ジェイアール西日本ウェルネット、

㈱JR西日本イノベーションズ、㈱TRAILBLAZER

 

(注)※ 持分法適用関連会社であります。

 

 以上に述べた事項の概要図は、次のとおりであります。

 

 

(注)1 ※ 持分法適用関連会社であります。

2 各事業の区分ごとの会社名は主たる事業内容により記載しております。

 

 

業績状況

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度においては、大阪・関西万博に伴うご利用、インバウンドのお客様のご利用等が堅調に推移する一方で、労働力不足やインフレ等、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす環境の変化がより顕在化してきました。

このような事業環境の中で、当社グループは、2024年4月にアップデートを行った「中期経営計画2025」のもと、「私たちの志」「長期ビジョン」の実現に向けて、大阪駅や広島駅周辺のまちづくりプロジェクトの開業効果最大化、総合インフラマネジメント事業「JCLaaS」の推進、新決済サービス「Wesmo!」を通じたWESTERワールドの拡大等、リアルとデジタルの双方で、人・まち・社会のつながりの進化に取り組みました。

また、鉄道運行への再生可能エネルギー由来電力の導入を引き続き進めるとともに、国内で初めて次世代バイオディーゼル燃料を100%使用したディーゼル車両による営業列車の運行を開始するなど、地球環境保護の取り組みを推進しました。

その結果、営業収益は前期比8.1%増の1兆8,458億円、営業利益は同9.9%増の1,980億円、経常利益は同10.9%増の1,836億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同11.9%増の1,274億円となりました。

 これをセグメント別に示すと次のとおりとなります。

 

① モビリティ業

当社グループは、2005年4月25日に福知山線列車事故を発生させたことを踏まえ、引き続き、被害に遭われた方々へ真摯に対応してまいります。昨年12月には、「福知山線列車事故 車両保存施設」を整備しました。また、2023年4月にスタートした「安全考動計画2027」に基づき、「お客様を想い、ご期待にお応えする」ことを強く意識して安全性の向上に取り組むよう、安全に対する向きあい方を深め、組織風土として醸成すること等に取り組んでいます。

当連結会計年度においても、ホーム柵の整備を引き続き進めるとともに、お客様の転落を検知し乗務員や駅係員に知らせるホーム安全スクリーンや、ホームと車両の段差・隙間対策等、ホームの安全対策を進めました。具体的な例としては、京都駅、神戸駅、天王寺駅等の一部ホームでホーム柵の使用を、草津駅等でホーム安全スクリーンの使用を開始しました。また、岡山駅、

広島駅の新幹線ホーム等でホームと車両の段差や隙間を縮小する整備を実施しました。

自然災害への対策としては、斜面防災対策や降雨時運転規制へのレーダー雨量活用をはじめとした豪雨対策を引き続き実施しました。山陽新幹線における地震対策については、耐震補強対策及び逸脱防止対策を全線に拡大すべく、主要な対策は2027年度末までの完了をめざし、着実に整備を進めました。在来線における建物・高架橋等の耐震補強等についても、計画に基づき着実に整備を進めました。

鉄道事業の持続的進化に向けては、機会を捉えた需要創出や価値創造、デジタルを活用した新たな価値提供の取り組みを推進するとともに、鉄道DXによる業務プロセスの変革等、鉄道事業の持続的な運営に向けた安全性向上・生産性向上に取り組みました。

 

・大阪・関西万博を契機とした需要喚起の取り組み(大阪デスティネーションキャンペーン

(4月~6月)、「プラスワントリップ」(4月~10月))、アクセス輸送の整備(「エキスポ

ライナー」の設定(~10月)、会場シャトルバスの運行(4月~10月))

・地域の魅力発信、沿線誘客を目的とした車両リニューアル、記念施策(特急「まほろば」安寧編成(4月~)・同悠久編成(10月~)、特急「くろしお」60周年記念ラッピング列車(7月~))

・QRチケットサービスを活用したインバウンド向け周遊乗車券「WEST QR 関西エリアパス」等の発売(4月~)

・有料着席サービスのさらなる展開(「うれしート」の拡大(10月、3月)、有料着席サービスの

統一ブランド「SUWALOCA(すわろか)」の立ち上げ(2月))

・新幹線予約サービス「LINEからEX」の提供開始(10月~)

・コト消費を訴求した旅行プロモーションの展開(「動け、好奇心。」キャンペーン(10月~)等)

・光ファイバセンシング技術の鉄道分野への応用(通信用光ファイバを振動センサーとして列車位置検知や設備異常検知等に活用)に向けたNTT西日本㈱との共同検証開始(11月)

・山陽本線姫路~英賀保駅間に手柄山平和公園駅開業(3月)

 

モビリティ業セグメントでは、大阪・関西万博やインバウンドに加え、万博後も国内需要が堅調であったこと等により、営業収益は前期比5.6%増の1兆1,056億円、営業利益は同6.9%増の1,309億円となりました

 

② 流通業

流通業セグメントでは、大阪・関西万博オフィシャルストアの出店やコラボレーション商品の開発のほか、外部との提携店舗の拡充や、地域商品作り等、将来に向けた成長の基盤づくりの取り組みを推進しました。

また、流通業セグメントに区分される宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」については、ヴィアイン品川大井町の客室内装リニューアルを実施し、競争力の向上に努めました。

流通業セグメントでは、大阪・関西万博関連事業や駅構内店舗、「ヴィアイン」のご利用が好調であったこと等により、営業収益は前期比11.7%増の2,326億円、営業利益は同17.6%増の162億円となりました。

 

③ 不動産業

不動産業セグメントでは、大阪駅や広島駅周辺のまちづくりプロジェクトの開業効果最大化等、「駅・まち」の魅力を高める取り組みを推進しました。

ショッピングセンター運営業では、「北千里グリーンプレイス」を7月に開業するとともに、昨年度開業した「うめきたグリーンプレイス」、広島駅「minamoa」等の安定した事業運営に取り組みました。

ホテル業では、大阪・関西万博やインバウンドの需要を着実に取り込むとともに、さらなる事業成長をめざしてホテル運営会社の再編を実施しました。

不動産販売・賃貸業では、国内での事業推進に加え、米国テキサス州ヒューストン、豪州シドニーでの集合賃貸住宅の開発等に取り組みました。

不動産業セグメントでは、まちづくりプロジェクトの開業効果等によりショッピングセンター業、ホテル業が好調に推移したことや、不動産販売・賃貸を拡大したこと等により、営業収益は前期比22.8%増の2,857億円、営業利益は同19.1%増の463億円となりました。

 

④ 旅行・地域ソリューション業

旅行・地域ソリューション業セグメントでは、当社のアプリ内で提供する旅行プラン「tabiwaトラベル」のコンテンツ拡充と販売強化に取り組むとともに、地域の社会課題解決のニーズに応えるソリューションの総合提案を推し進めました。

旅行・地域ソリューション業セグメントでは、ソリューション事業が好調であったこと等により、営業収益は前期比0.2%増の1,892億円となったものの、コストの増加等により、営業利益は同53.3%減の5億円となりました。

 

 モビリティ業のうち、当社の鉄道事業の営業成績は以下のとおりであります。

ア.輸送実績

 

区分

単位

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

 

前事業年度比

営業日数

日

365

-

キロ程

新幹線

キロ

937.7

937.7

 

在来線

キロ

(28.0)

3,959.8

(28.0)

3,959.8

 

計

キロ

(28.0)

4,897.5

(28.0)

4,897.5

 

客車走行キロ

新幹線

千キロ

616,193

101.8

%

在来線

千キロ

721,206

100.5

 

計

千キロ

1,337,399

101.1

 

輸送人員

定期

千人

1,079,125

101.4

 

定期外

千人

728,864

104.9

 

計

千人

1,807,990

102.8

 

輸

送

人

キ

ロ

新幹線

定期

千人キロ

1,127,564

108.9

 

定期外

千人キロ

21,964,913

106.3

 

計

千人キロ

23,092,478

106.4

 

在

来

線

近

畿

圏

定期

千人キロ

16,866,809

101.0

 

定期外

千人キロ

10,740,426

103.7

 

計

千人キロ

27,607,236

102.0

 

そ

の

他

定期

千人キロ

3,325,383

100.8

 

定期外

千人キロ

2,941,681

101.1

 

計

千人キロ

6,267,064

100.9

 

計

定期

千人キロ

20,192,193

101.0

 

定期外

千人キロ

13,682,107

103.1

 

計

千人キロ

33,874,300

101.8

 

合計

定期

千人キロ

21,319,758

101.4

 

定期外

千人キロ

35,647,020

105.0

 

計

千人キロ

56,966,779

103.6

 

乗車効率

新幹線

%

48.1

46.0

 

在来線

%

37.0

36.9

 

計

%

40.8

40.1

 

(注)1 キロ程欄の上段括弧書は、外数で第三種鉄道事業のキロ程であり、それ以外は第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業のキロ程であります。また、前事業年度比は、前事業年度末の数値を記載しております。

2 客車走行キロ数には、試運転、営業回送を含めておりません。

3 輸送人キロ欄の近畿圏は、京都府(南部)、大阪府(一部を除く)、兵庫県(南部)、滋賀県、奈良県(一部を除く)及び三重県(一部)について記載しております。

4 乗車効率欄の前事業年度比は、前事業年度の数値を記載しております。

なお、乗車効率は次の方法により算出しております。

乗車効率 =

輸送人キロ

客車走行キロ × 客車平均定員(標準定員)

 

イ.収入実績

 

区分

単位

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

 

前事業年度比

旅

客

運

輸

収

入

旅

客

収

入

新幹線

定期

百万円

14,622

109.6

%

定期外

百万円

533,638

107.6

 

計

百万円

548,260

107.6

 

在

来

線

近

畿

圏

定期

百万円

108,973

101.3

 

定期外

百万円

209,038

106.1

 

計

百万円

318,012

104.4

 

そ

の

他

定期

百万円

20,715

101.2

 

定期外

百万円

60,976

104.7

 

計

百万円

81,691

103.8

 

計

定期

百万円

129,688

101.3

 

定期外

百万円

270,014

105.8

 

計

百万円

399,703

104.3

 

合計

定期

百万円

144,310

102.0

 

定期外

百万円

803,653

107.0

 

計

百万円

947,964

106.2

 

荷物収入

百万円

0

5.1

 

合計

百万円

947,964

106.2

 

鉄道線路使用料収入

百万円

4,723

102.4

 

運輸雑収

百万円

70,747

102.4

 

収入合計

百万円

1,023,435

105.9

 

(注) 旅客収入欄の近畿圏は、京都府(南部)、大阪府(一部を除く)、兵庫県(南部)、滋賀県、奈良県(一部を除く)及び三重県(一部)について記載しております。

 

(2) 資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の総資産額は、3兆9,867億円となり、前連結会計年度末と比較し2,343億円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加によるものです。

負債総額は、2兆6,495億円となり、前連結会計年度末と比較し1,773億円増加しました。これは主に、借入金の増加によるものです。

純資産総額は、1兆3,372億円となり、前連結会計年度末と比較し570億円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,094億円増の2,348億円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益などにより、営業活動において得た資金は3,616億円(前連結会計年度は2,814億円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

固定資産の取得などにより、投資活動において支出した資金は2,536億円(前連結会計年度は2,631億円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

社債や借入による調達と返済などにより、財務活動において得た資金は0億円(前連結会計年度は1,261億円の支出)となりました。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

当社及びその連結子会社(以下「当社グループ」という。)の大多数は、受注生産形態を取らない業態であります。このため、生産、受注及び販売の状況については、「4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]」における各事業のセグメント別経営成績に関連付けて示しております。

 

(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、基幹事業である鉄道事業において安全性の向上に全力で取り組むとともに、その他のグループ事業においては、各事業の特性を活かしたさまざまな施策の展開及び保有資産の有効活用等に努めてきました。

当連結会計年度においては、大阪駅や広島駅周辺のまちづくりプロジェクトの開業効果最大化、大阪・関西万博やインバウンドによる増収等により、営業収益、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加しました。

ア.営業収益

営業収益は、前連結会計年度に比べ8.1%、1,378億円増加の1兆8,458億円となりました。

モビリティ業セグメントについては、大阪・関西万博やインバウンドに加え、万博後も国内需要が堅調であったこと等により運輸収入が増加し、営業収益は前連結会計年度に比べ5.6%、588億円増加の1兆1,056億円となりました。

運輸収入のうち、新幹線については、前連結会計年度に比べ7.6%、388億円増加の5,482億円、在来線については、前連結会計年度に比べ4.3%、164億円増加の3,997億円となりました。

流通業セグメントについては、大阪・関西万博オフィシャルストアや駅構内店舗、流通業セグメントに区分される宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」のご利用が好調であったこと等により、前連結会計年度に比べ11.7%、243億円増加の2,326億円となりました。

不動産業セグメントについては、まちづくりプロジェクトの開業効果等によりショッピングセンター業、ホテル業が好調に推移したことや、不動産販売・賃貸を拡大したこと等により、前連結会計年度に比べ22.8%、530億円増加の2,857億円となりました。

旅行・地域ソリューション業セグメントについては、ソリューション事業における取扱増等により、前連結会計年度に比べ0.2%、4億円増加の1,892億円となりました。

イ.営業費用

賃金・労務単価上昇に伴う人件費や修繕費の増加に加え、万博関連経費の計上等により、前連結会計年度に比べ7.9%、1,199億円増加の1兆6,477億円となりました。

ウ.営業利益

営業利益は、前連結会計年度に比べ9.9%、179億円増加の1,980億円となりました。

エ.営業外損益

営業外損益については、前連結会計年度と同水準の143億円の損失となりました。 

オ.経常利益

経常利益は、前連結会計年度に比べ10.9%、180億円増加の1,836億円となりました。

カ.特別損益

特別損益については、47億円の損失(前連結会計年度は11億円の損失)となりました。

キ.親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ11.9%、135億円増加の1,274億円となりました。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因

ア.収益に影響する要因

[モビリティ業]

 モビリティ業セグメントは鉄道運輸収入が大宗を占めております。鉄道運輸収入は、主に鉄道利用者数により左右され、航空機を含めた他の輸送モード、同業他社との競争や、経済情勢、少子高齢化等、多くの要因により影響を受けます。また、鉄道利用者は、安全性、信頼性をベースに、所要時間・ネットワーク性・運賃・快適性を基準として選択を行うと考えております。

 新幹線の収入は、主として、ビジネスや観光旅行客の数に左右され、経済環境や航空機との競争、訪日観光客の動向等に影響を受けます。

 近畿圏の収入は経済情勢による増減やワークスタイルの変化、少子高齢化や都市化等の人口推移による影響を受けると考えております。

 その他在来線のうち、都市間輸送の収入は経済情勢や高速バス、自家用車との競争による影響を受けます。また、ローカル線の収入は自家用車との競争や地域の経済情勢及び人口の推移による影響を受けます。

[流通業]

 流通業セグメントの収入は、主に百貨店業、物品販売業及び飲食業からの収入で構成されております。当セグメントの収入は、経済情勢及び他の百貨店、物販店舗、レストランとの競争に左右されます。当セグメントの事業の多くが駅やその周辺で行われているため、鉄道輸送量も影響を受ける要因です。また、新規店舗の開発や既存店舗の廃止によっても左右されます。

[不動産業]

 不動産業セグメントの収入は、主に駅やその周辺施設の賃貸収入、沿線におけるマンションの分譲販売、ホテル業により得られます。当セグメントは、経済情勢の影響や、マンション分譲事業の販売数の増減により業績が変動するほか、ホテル業の収益は、宿泊料金や他ホテルとの競争、訪日観光客の動向に影響されます。賃貸事業において、駅は比較的安定したご利用があるものの、賃貸物件の需給状況による影響を受けます。テナントは立地の利便性から駅構内及びその周辺オフィスを好むことから、同業他社に比べ、経済情勢による影響は少ないと考えております。

[旅行・地域ソリューション業]

 旅行・地域ソリューション業セグメントの収入は、主に他旅行業者との競争、経済情勢やテロ等旅行を妨げる状況により影響を受けます。また、官公庁や自治体の事業や公務の受託状況により影響を受けます。

 

イ.費用に影響する要因

[人件費]

 当社は、労働力不足が拡大する中、必要な人財確保の安定を図るとともに、構造改革による生産性向上を推進しつつ、新規採用等により事業運営に必要な社員数を確保してきております。当事業年度の人件費は2,199億円となっております。

 人財確保については、新卒採用に加え、社会人採用やカムバック採用、リファラル採用といった幅広いチャネルを設定することで、さらに多様性のある人財ポートフォリオへの転換を図ります。当事業年度においては新卒採用及び社会人採用等合計約1,400名の採用を行いました。

 また、年齢構成により退職者数が多い中で、一層円滑な技術継承を図ることなどの観点から、従来の定年退職後の再雇用制度に加え、2023年度から65歳以上の再雇用にも取り組んでいます。

[物件費]

 当社は、鉄道事業の特徴である、(ⅰ)多くの設備を有し、安全の確保のために必要なメンテナンスに係るコストの比重が大きい、(ⅱ)収益に連動しない「固定費用」の割合が高いなどの事情から、安全性の確保を大前提として、メンテナンスが容易な車両及び設備の導入、機械化、既存のインフラの改良等により、これらの経費を構造的に削減する取り組みを行っております。一方で、労働力不足の拡大を見据え、サプライチェーン全体の持続可能性を高めるための人財への投資などにより、今後も必要となる費用の増加が想定されます。

 また、対抗輸送機関との競争力向上のため、サービスレベルの向上、販売促進のためのIT化、効率化に寄与する外注化等による費用の増加も想定されます。

 さらに、電気料金の値上げを始めとした物価高騰等の継続による費用の増加が想定されます。

[支払利息]

 営業外費用のうち、重要なものとして支払利息があります。当社グループとしては、経営の安定性を保つために有利子負債残高や支払利息の水準を注視しております。当連結会計年度の当社グループの支払利息については217億円となり、前連結会計年度に比べ22億円増加しております。

 

③ 流動性と資本の源泉

ア.キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

イ.資本需要と設備投資

 当社グループは、当連結会計年度において総額2,864億円の設備投資を実施し、そのうちモビリティ業では1,961億円、流通業では36億円、不動産業では825億円、旅行・地域ソリューション業では7億円、その他では32億円をそれぞれ実施しました。モビリティ業に関する設備投資においては、安全性の向上を中心とした鉄道インフラの整備や、老朽車両の更新等を目的とした新型車両の購入を行っております。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業及びその他における当社グループの設備投資においては、新設備の建設や老朽設備の改築等を行っております。

 今後も災害の激甚化を見据えた地震対策や労働人口減少を踏まえた労働生産性向上に向けた設備投資の増大が想定されます。

 

ウ.資金調達

 資金調達については、既存債務の返済資金や設備投資資金・配当等のうち当社グループのフリー・キャッシュ・フローで賄いきれない分の調達を主としており、その調達手段は社債及び銀行等からの長期借入金等、市場動向や金利動向等を総合的に勘案しながら決定しております。

 また、短期的に資金を必要とする場合には、主として短期社債やコミットメントライン等で賄うことを基本としております。

 なお、コミットメントラインについては、地震が発生した場合でも、あらかじめ定めた条件によって資金調達が可能な契約内容となっております。

 

エ.流動性

 日々の収入金も確保していることから、流動性資金は十分な水準を確保しているものと考えております。

 また、資金効率向上はキャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)により、グループ内資金の有効活用を図っております。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、主に「モビリティ業」「流通業」「不動産業」「旅行・地域ソリューション業」の事業活動を展開しており、当社及びグループ会社が構成するこれら事業の種類別の区分により、当社及びグループ会社ごとに経営を管理しております。

 したがって、当社グループは、事業別のセグメントから構成されており、「モビリティ業」「流通業」「不動産業」「旅行・地域ソリューション業」の4つを報告セグメントとしております。「モビリティ業」は、鉄道事業を中心とした旅客運送事業のほか、駅業務等運営業、清掃整備事業、建設事業、機械等設備工事業、車両等設備工事業及び電気工事業等の事業を展開しております。「流通業」は、物販・飲食業、百貨店業及び各種物品等卸売業の事業を展開しております。「不動産業」は、不動産販売・賃貸業、ショッピングセンター運営業及びホテル業の事業を展開しております。「旅行・地域ソリューション業」は旅行・地域ソリューション業を展開しております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における会計処理の方法と概ね同一であります。なお、報告セグメント間の取引は、連結会社間の取引であり、市場価格等に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

モビリティ業

流通業

不動産業

旅行・地域

ソリュー

ション業

その他

(注1)

合計

調整額

(注2)

連結

財務諸表

計上額

 (注3)

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

1,046,794

208,271

232,686

188,778

31,413

1,707,944

-

1,707,944

セグメント間の内部

売上高又は振替高

42,892

5,281

17,366

3,758

68,401

137,700

△137,700

-

計

1,089,687

213,552

250,052

192,536

99,814

1,845,644

△137,700

1,707,944

セグメント利益

122,508

13,833

38,908

1,133

4,141

180,526

△365

180,161

セグメント資産

2,319,346

111,761

983,754

62,419

74,805

3,552,087

200,272

3,752,359

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

130,720

5,700

33,321

613

1,552

171,908

△2,555

169,352

減損損失

283

2,229

2,774

32

114

5,435

-

5,435

持分法適用会社への

投資額

43,133

-

-

-

8,627

51,761

-

51,761

有形固定資産及び

無形固定資産の

増加額

174,242

7,124

102,671

1,212

2,948

288,200

-

288,200

(注)1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、広告業等を含んでおります。

2 調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益の調整額△365百万円は、セグメント間取引消去であります。

(2) セグメント資産の調整額200,272百万円には、セグメントに配分していない全社資産284,496百万円、セグメント間債権債務消去等△84,224百万円が含まれております。

(3) 減価償却費の調整額△2,555百万円は、セグメント間取引消去であります。

3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

モビリティ業

流通業

不動産業

旅行・地域

ソリュー

ション業

その他

(注1)

合計

調整額

(注2)

連結

財務諸表

計上額

 (注3)

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

1,105,693

232,641

285,762

189,203

32,539

1,845,840

-

1,845,840

セグメント間の内部

売上高又は振替高

40,260

5,161

19,705

3,883

84,777

153,787

△153,787

-

計

1,145,953

237,802

305,467

193,087

117,316

1,999,628

△153,787

1,845,840

セグメント利益

130,920

16,264

46,332

529

5,410

199,457

△1,375

198,081

セグメント資産

2,400,454

111,704

1,026,302

86,578

81,989

3,707,028

279,692

3,986,721

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

134,857

5,736

37,288

668

1,853

180,404

△2,556

177,847

減損損失

772

625

13,671

43

-

15,112

-

15,112

持分法適用会社への

投資額

46,466

-

-

-

9,018

55,484

-

55,484

有形固定資産及び

無形固定資産の

増加額

202,092

4,808

82,318

753

3,274

293,247

-

293,247

(注)1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、広告業等を含んでおります。

2 調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益の調整額△1,375百万円は、セグメント間取引消去であります。

(2) セグメント資産の調整額279,692百万円には、セグメントに配分していない全社資産368,392百万円、セグメント間債権債務消去等△88,699百万円が含まれております。

(3) 減価償却費の調整額△2,556百万円は、セグメント間取引消去であります。

3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載すべき事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。