2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

運輸業 流通業 不動産業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
運輸業 1,502,266 73.9 649,747 92.3 43.3
流通業 171,481 8.4 15,623 2.2 9.1
不動産業 86,669 4.3 22,874 3.2 26.4
その他 272,623 13.4 15,578 2.2 5.7

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループの営んでいる主要な事業内容は以下のとおりです。

(1) 運輸業

 東海道新幹線及び東海地方の在来線における鉄道事業を営むほか、バス事業等を営んでいます。

[主な関係会社]当社、ジェイアール東海バス㈱

(2) 流通業

 JRセントラルタワーズ内で百貨店業を営むほか、主に、駅構内及び列車内等における物品の販売等を行っています。

[主な関係会社]㈱ジェイアール東海髙島屋、㈱JR東海リテイリング・プラス、ジェイアール東海商事㈱

 

(3) 不動産業

 駅ビル等不動産賃貸事業のほか、不動産分譲事業を営んでいます。

[主な関係会社]当社、ジェイアールセントラルビル㈱、ジェイアール東海不動産㈱、

新横浜ステーション開発㈱、東京ステーション開発㈱、名古屋ステーション開発㈱、

ジェイアール東海関西開発㈱

(4) その他

 当社の主要駅等でホテル業を営むほか、旅行業、広告業等を営んでいます。

 また、鉄道車両等の製造、各種設備の保守・検査・修繕、その他事業を営んでいます。

[主な関係会社]

ホテル・サービス業 ㈱ジェイアール東海ホテルズ、㈱ジェイアール東海ツアーズ、

               ㈱JR東海エージェンシー

その他       日本車輌製造㈱、ジェイアール東海建設㈱、日本機械保線㈱、

               中央リネンサプライ㈱、東海交通機械㈱、新生テクノス㈱

以上に述べた事項及び当社の主な関係会社の概要図は次のとおりです。

(注) ※印は持分法適用の関連会社を示しています。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績の概要)

 当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全の確保を最優先に、サービスの一層の充実、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化に取り組みました。その上で、生活様式や働き方の変化によりニーズが多様化していることや、労働力人口の減少により業務のあり方の変革が求められていることなど、当社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、飛躍的に進化しているAIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化に取り組みました。

 東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、N700Sの投入を進めるとともに、既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を完了しました。さらに、脱線・逸脱防止対策等の地震対策や大規模改修工事を進めました。加えて、豪雨時における最適な運転規制に繋げるための取組みを進めました。

 在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めました。

 営業施策については、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約・チケットレス乗車サービスである「EXサービス」について、一昨年開始した「EX旅パック」、「EX旅先予約」、最大1年先の指定席の予約が可能なサービス等を活用して、ご利用の拡大を図りました。また、各種事業者や沿線自治体と連携しながら、ご自身の「推し」に会いに行く「推し旅」をさらに充実させて提案する「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線を号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を実施できる「貸切車両パッケージ」を販売しました。さらに、「そうだ 京都、行こう。」、「いざいざ奈良」、「会いにいこう」等のキャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線開業60周年に当たり、記念企画を実施しました。

 超電導リニアによる中央新幹線については、工事実施計画の認可を受けた品川・名古屋間について、用地取得等を進めるとともに、関東車両基地(仮称)の工事に着手したほか、大深度地下をシールドマシンで掘削する第一首都圏トンネル梶ヶ谷工区及び東百合丘工区で本格的な掘進を開始するなど、沿線各地で工事を進めました。引き続き、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視し、コストを十分に精査しつつ、各種工事を精力的に進めます。

 なお、南アルプストンネル静岡工区においては、静岡県等の理解が得られず、トンネル掘削工事に着手できない状態が続いています。こうした中、大井川の水資源への影響及び南アルプスの環境保全について、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」の報告書を踏まえて、静岡県等と対話を重ねており、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議」において、静岡県との対話の状況等を報告しています。また、昨年11月に、事前に地質・湧水等の状況を把握するために山梨県側から進めていた高速長尺先進ボーリングが県境を越え、静岡県内に入りました。さらに、昨年6月に続いて、1月に社長が静岡県知事と面会し、丁寧かつスピード感を持って対話を進めていくという認識を双方で共有しました。加えて、昨年11月に大井川流域8市2町首長との意見交換会を行い、3月から、大井川の水を守るための取組みに関する説明会を開始しています。引き続き、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。

 一方、超電導リニア技術については、高温超電導磁石の営業車両への投入を前提に、山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を進めるとともに、最新のICTを活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発において、AI等による画像やビッグデータの分析システムの改良・実証等を進めるなど、一層のコストダウンとブラッシュアップに取り組みました。また、中央新幹線の開業に向けて期待感を醸成するため、SNSによるキャンペーン等も活用しながら、超電導リニアの体験乗車を実施するとともに、主に小学生を対象に、ワークショップ、クイズラリー、体験乗車を組み合わせたイベントを初めて開催しました。

 高速鉄道システムの海外展開については、米国における高速鉄道プロジェクトについて着実に取り組みました。また、台湾高速鉄道について技術コンサルティングを進めるとともに、台湾高速鉄道を運営する台湾高速鐵路股份有限公司と、N700Sをベースとした新型高速鉄道車両の調達に関する技術コンサルティング契約を新たに締結しました。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めました。

 鉄道以外の事業については、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーを一体的に運営し、収益の拡大を図るとともに、JRセントラルタワーズ開業25周年に当たり、これまでのご愛顧に感謝を示す記念キャンペーン等を実施しました。また、三島駅、新横浜駅、岐阜駅、名古屋駅等の駅商業施設の拡張・リニューアルや静岡駅近隣の高架下開発を進めるなど、競争力、販売力の強化に取り組みました。さらに、当社グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」について、駅売店等を対象施設に追加するなど利便性の向上を図りました。加えて、東海道新幹線「こだま」号の業務用室を活用した荷物輸送サービス「東海道マッハ便」を開始しました。

 上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、前期比4.4%増の638億5千2百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比7.1%増の1兆8,318億円、経常利益は前期比18.7%増の6,492億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比19.3%増の4,584億円となりました。

 

 これをセグメントごとに示すと次のとおりです。

 

運輸業

 東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行うとともに、多くのお客様に予め座席を確保して安心してご利用いただくため、全ての「のぞみ」の3号車を自由席から指定席に変更しました。また、N700Sの投入を進めるとともに、既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を完了しました。さらに、脱線防止ガードの敷設をはじめとする、東海道新幹線全線を対象とした脱線・逸脱防止対策等の地震対策を進めるとともに、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を進め、トンネルと鋼橋の工事を完了しました。加えて、ハザードマップ等を踏まえ、鉄道設備の浸水対策を進め、予定していた全ての対策を完了するとともに、豪雨時における最適な運転規制に繋げるために、営業線盛土の一部区間において、実際の降雨時における土中の水の分布を詳細に把握するモニタリングを実施しました。このほか、新大阪駅で車両とプラットホームの段差・隙間対策を完了するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。

 在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、通勤型電車315系の投入を進め、これまで投入してきた名古屋地区に加えて、静岡地区にも投入しました。さらに、TOICAについて、2路線15駅に導入し、ご利用エリアを拡大しました。加えて、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めるとともに、名古屋駅を発着する313系への車内防犯カメラの整備を進めました。このほか、名古屋駅で東海道本線下りホーム及び中央本線ホームへの可動柵設置工事を進めるとともに、刈谷駅でホームの拡幅、可動柵設置等に向けた工事を進め、このうち、名古屋駅の東海道本線下りホームについて、昨年度の6番線ホームでの可動柵の使用開始に続いて、5番線ホームで可動柵の使用を開始するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。

 新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の吊り天井の脱落防止対策や駅のプラットホーム上家の耐震補強工事といった地震対策を進めるとともに、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に適切に対応するため、実践的な訓練を繰り返し実施しました。

 営業施策については、「EXサービス」について、一昨年開始した「EX旅パック」、「EX旅先予約」、最大1年先の指定席の予約が可能なサービス等を活用して、ご利用の拡大を図りました。また、各種事業者や沿線自治体と連携しながら「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売し、企業の報奨旅行等、様々な形でご利用いただきました。さらに、京都、奈良、東京、飛騨等の観光資源を活用した各種キャンペーンを展開するとともに、「会いにいこう」キャンペーンを展開しました。東海道新幹線開業60周年に当たっては、イベントの実施等によりこれまでのご愛顧への感謝を示すとともに、中央新幹線を含む将来の高速鉄道の進化に対する期待感の醸成に取り組み、他社と連携した企画の実施等により、グループ会社とも連携しながら収益の拡大を図りました。高山本線全線開通90周年及び御殿場線90周年に当たっても、沿線自治体等と連携しながら記念企画を実施しました。加えて、東急株式会社と、静岡県の観光振興と地域活性化を目的としたクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS ~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」を運行し、株式会社オリエンタルランドとは、東海道新幹線の特別編成「Wonderful Dreams Shinkansen」を運行しました。訪日外国人に対しては、国や地域ごとの旅客動向や商品のご利用の分析を進め、より効果的な宣伝を展開するとともに、旅行会社との連携強化により、東海道新幹線開業60周年にあわせた旅行商品の拡充や、販路の拡大を進めるなど、営業施策を強化しました。このほか、東海道新幹線車内における個室タイプの「ビジネスブース」の本格的な導入を完了するとともに、「エクスプレス予約」法人会員に対する、東海道・山陽・九州新幹線におけるCO排出量実質ゼロ化サービス「GreenEX」の導入企業を拡大しました。

 当期における輸送実績(輸送人キロ)は、東海道新幹線は前期比4.7%増の552億1千万人キロ、在来線は前期比2.9%増の86億4千2百万人キロとなりました。

 バス事業については、安全の確保を最優先として顧客ニーズを捉えた商品設定を行い、収益の確保に努めました。

 上記の結果、当期における営業収益は前期比6.7%増の1兆5,022億円、営業利益は前期比16.1%増の6,497億円となりました。

 

 また、運輸業の大部分を占める当社の鉄道事業の営業成績は次のとおりです。

区分

単位

前事業年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

新幹線

在来線

合計

新幹線

在来線

合計

営業日数

366

366

366

365

365

365

営業キロ

キロ

552.6

1,418.2

1,970.8

552.6

1,418.2

1,970.8

客車走行キロ

千キロ

1,022,423

228,322

1,250,745

1,050,605

223,994

1,274,599

定期

千人

12,140

245,092

255,232

12,653

249,171

259,732

定期外

千人

146,066

129,858

266,002

155,202

135,160

279,958

千人

158,206

374,949

521,234

167,855

384,331

539,690

旅客輸送人キロ

百万人キロ

52,751

8,400

61,151

55,210

8,642

63,852

定期

百万円

13,957

31,275

45,233

14,649

32,028

46,677

定期外

百万円

1,234,010

63,583

1,297,594

1,316,580

69,269

1,385,849

百万円

1,247,968

94,858

1,342,827

1,331,230

101,297

1,432,527

小荷物運賃・

料金

百万円

1

1

1

1

合計

百万円

1,247,968

94,860

1,342,829

1,331,230

101,298

1,432,528

鉄道線路使用料収入

百万円

3,809

3,793

運輸雑収

百万円

53,608

57,456

収入合計

百万円

1,400,247

1,493,778

輸送効率

座席利用率

62.6

乗車効率

28.2

座席利用率

63.8

乗車効率

29.7

 (注) 1 旅客運輸収入の新幹線及び在来線区分は、旅客輸送計数により区分しています。また、旅客輸送人員の合計については、新幹線、在来線の重複人員を除いて計上しています。

2 輸送効率の算出方法は次のとおりです。

新幹線座席利用率=

旅客輸送人キロ

×100

 

座席キロ(編成別列車キロ×座席数)

 

在来線乗車効率 =

旅客輸送人キロ

×100

 

客車走行キロ×平均定員

3 旅客運輸収入のうち主要なJR他社(当該会社の旅行代理店等を含む。)による発売額の構成比は、次のとおりです。

会社名

前事業年度(%)

当事業年度(%)

 

東日本旅客鉄道株式会社

19.7

17.1

 

西日本旅客鉄道株式会社

15.3

14.5

 

 

 

流通業

 「タカシマヤ ゲートタワーモール」において開業以来最大規模となるリニューアルを完了するなど、収益力の強化に取り組みました。また、駅売店等について、土産品、弁当等をワンストップで購入できるように集約・大型化するとともに、多様なニーズに対応した商品を取り揃えることで、便利で魅力ある店舗づくりを進めました。さらに、駅やホテルの人気商品やオリジナル鉄道グッズ等を取り揃えた多彩なオンラインショップが集うショッピングサイト「JR東海MARKET」では、東海道新幹線開業60周年の記念商品を販売するとともに、サイト開設3周年の記念企画として、新幹線電気軌道総合試験車923形0番代(ドクターイエロー(T4編成))の引退特集を開催するなど、商品力の強化に取り組みました。

 上記の結果、当期における営業収益は前期比6.7%増の1,714億円、営業利益は前期比13.1%増の156億円となりました。

 

不動産業

 三島駅、新横浜駅、岐阜駅、名古屋駅等の駅商業施設の拡張・リニューアルや静岡駅近隣の高架下開発を進めるなど、競争力、販売力の強化に取り組みました。また、社宅跡地等の開発について、稲沢市内の宅地分譲「セントラルガーデン・ステージ稲沢駅前Ⅱ」の販売、名古屋市内のガレージ付き賃貸住宅「Avance G 野立」の賃貸等を進めました。さらに、駅構内や駅直結ビルにおけるワークスペース「EXPRESS WORK」の拡充を進めました。

 上記の結果、当期における営業収益は前期比4.1%増の866億円、営業利益は前期比12.9%増の228億円となりました。

 

その他

 ホテル業については、高品質なサービスの提供に努めるとともに、「ホテルアソシア新横浜」において東海道新幹線開業60周年を記念した特別な部屋を販売するなど、需要の喚起に向けた取組みを進めました。

 旅行業については、京都、奈良、東京、飛騨等の各方面へ向けた魅力ある旅行商品に加えて、「推し旅」キャンペーン等に関する新たな旅行商品を販売するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売しました。

 鉄道車両等製造業については、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。

 上記の結果、当期における営業収益は前期比6.8%増の2,726億円、営業利益は前期比0.7%増の155億円となりました。

 

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営成績

① 営業収益

営業収益は、前期比1,214億円(7.1%)増の1兆8,318億円となりました。

運輸業においては、当社の運輸収入は前期比896億円(6.7%)増の1兆4,325億円となりました。東海道新幹線では、輸送実績(輸送人キロ)が前期比4.7%増加した結果、運輸収入は前期比6.7%増の1兆3,312億円となりました。また、在来線では、輸送実績(輸送人キロ)が前期比2.9%増加した結果、運輸収入は前期比6.8%増の1,012億円となりました。

運輸業以外の流通業、不動産業、その他の事業においても、それぞれ前期比6.7%、4.1%、6.8%増加し、すべての事業区分において増収となりました。

② 営業費

営業費は、前期比260億円(2.4%)増の1兆1,290億円となりました。

③ 営業利益

営業利益は、前期比954億円(15.7%)増の7,027億円となりました。

④ 営業外損益

営業外損益は、前期と比べて69億円改善しました。

⑤ 経常利益

経常利益は、前期比1,023億円(18.7%)増の6,492億円となりました。

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

上記に法人税等などを加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比740億円(19.3%)増の4,584億円となりました。

 

(2) 財政状態

当期末の資産残高は、前期末から3,814億円増加し10兆3,233億円となりました。また、セグメント別の資産残高について、運輸業は前期末から7,886億円増加し9兆5,564億円、流通業は前期末から145億円増加し1,639億円、不動産業は前期末から257億円増加し4,021億円、その他は前期末から515億円増加し5,179億円となりました。

当期末の負債残高は、前期末から534億円減少し5兆6,647億円となりました。なお、長期債務の当期末残高は、4兆7,786億円となりました。そのうち、中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務残高は1兆7,786億円となり、前期末と比べ675億円減少しました。

当期末の純資産残高は、前期末から4,348億円増加して4兆6,585億円となり、自己資本比率は前期末の41.9%から当期末は44.6%になりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

① キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比べ4,270億円減の3,947億円となり、資金の流動性を確保していると判断しています。

営業活動によるキャッシュ・フローは、6,245億円の資金の増加となりました。前期が6,728億円の資金の増加であったことと比べ、当社の運輸収入は増加したものの、法人税等の支払額が増加したことなどから、483億円の減少となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、9,560億円の資金の減少となりました。前期が4,365億円の資金の減少であったことと比べ、資金運用による支出が増加したことなどから、5,194億円の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、955億円の資金の減少となりました。前期が1,251億円の資金の減少であったことと比べ、社債の償還による支出が減少したことなどから、295億円の増加となりました。

② 生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業内容は、受注生産形態をとらない場合が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。

③ 重要な資本的支出の予定及びその資金の源泉

「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。

④ 株主還元

「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。

⑤ 資金調達

資金調達については、中央新幹線などの設備投資計画や債務償還計画等を考慮し、経済情勢、金融市場動向を踏まえた上で、必要な資金を安定的、機動的かつ低利に確保することを基本としています。

設備投資や債務償還等の資金については、自己資金のほか、社債の発行や金融機関からの借入金により調達しており、当期は、国内普通社債(グリーンボンド)200億円を発行し、長期借入金により365億円を調達しました。

なお、中央新幹線の建設については、2016年度、2017年度に財政投融資を活用した長期借入を行い、当面必要となる資金を確保しています。

当社では、円滑な資金調達を行うため、当期末時点でムーディーズ・ジャパン株式会社よりA2、株式会社格付投資情報センターよりAA、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社よりA+、株式会社日本格付研究所よりAAAの格付けを取得しています。

また、短期的な流動性確保のため、当期末現在1,000億円のコミットメントラインを設定しています。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループにおける見積りのうち、退職給付に係る負債及び退職給付費用については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(退職給付関係)」において割引率、長期期待運用収益率等を記載しています。なお、割引率、長期期待運用収益率等に変動が生じた場合には、退職給付債務が増減することに伴い、退職給付に係る負債及び退職給付費用に増減が生じます。

 

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

  (セグメント情報)

  1 報告セグメントの概要

   当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であ

  り、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために当社の取締役会に定期的に報告される対象となってい

  るものです。

   当社グループは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「運輸業」、「流通業」及び「不

  動産業」の3つを報告セグメントとしています。

   「運輸業」は、東海道新幹線及び東海地方の在来線における鉄道事業を行うほか、バス事業等を行ってい

  ます。「流通業」は、JRセントラルタワーズ内で百貨店事業を営むほか、主に、車内・駅構内における物

  品販売等を行っています。「不動産業」は、駅ビル等不動産賃貸事業のほか、不動産分譲事業を行っていま

  す。

 

  2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

   報告されている事業セグメントの会計処理方法は、注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要

  な事項」における記載と同一です。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。セグメント間の

  内部売上高及び振替高は第三者間取引価格に基づいています。

 

 

  3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位 百万円)

 

運輸業

流通業

不動産業

その他

(注1)

調整額

(注2)

連結

財務諸表

計上額

 (注3)

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

1,391,569

153,144

49,522

116,170

1,710,407

1,710,407

セグメント間の内部

売上高又は振替高

16,800

7,497

33,716

139,071

197,086

△197,086

1,408,370

160,642

83,239

255,241

1,907,493

△197,086

1,710,407

セグメント利益

559,678

13,811

20,260

15,471

609,222

△1,840

607,381

セグメント資産

8,767,826

149,372

376,404

466,479

9,760,083

181,812

9,941,896

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

193,633

3,704

14,987

4,081

216,406

216,406

持分法適用会社への投資額

11,809

11,809

11,809

有形固定資産及び無形固定

資産の増加額

414,841

6,113

10,370

5,886

437,212

437,212

 (注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ホテル業、旅行業、広告業、鉄道車両等製造業及び建設業等を含んでいます。

2 調整額は、以下のとおりです。

  (1) セグメント利益の調整額△1,840百万円は、セグメント間取引消去です。

  (2) セグメント資産の調整額181,812百万円には、セグメントに配分していない全社資産841,365百万円(主な内容は当社の長期投資資産(投資有価証券)及び余資運用資金(預金等))及びセグメント間消去△659,552百万円(セグメント間の債権の相殺消去等)が含まれています。

3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位 百万円)

 

運輸業

流通業

不動産業

その他

(注1)

調整額

(注2)

連結

財務諸表

計上額

 (注3)

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

1,490,531

163,158

51,821

126,336

1,831,847

1,831,847

セグメント間の内部

売上高又は振替高

11,734

8,323

34,848

146,286

201,193

△201,193

1,502,266

171,481

86,669

272,623

2,033,041

△201,193

1,831,847

セグメント利益

649,747

15,623

22,874

15,578

703,824

△1,029

702,794

セグメント資産

9,556,470

163,972

402,109

517,992

10,640,544

△317,199

10,323,345

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

184,903

3,838

15,044

4,257

208,042

208,042

持分法適用会社への投資額

12,764

12,764

12,764

有形固定資産及び無形固定

資産の増加額

459,253

5,443

28,324

4,275

497,298

497,298

 (注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ホテル業、旅行業、広告業、鉄道車両等製造業及び建設業等を含んでいます。

2 調整額は、以下のとおりです。

  (1) セグメント利益の調整額△1,029百万円は、セグメント間取引消去です。

  (2) セグメント資産の調整額△317,199百万円には、セグメントに配分していない全社資産416,648百万円(主な内容は当社の長期投資資産(投資有価証券)及び余資運用資金(預金等))及びセグメント間消去△733,847百万円(セグメント間の債権の相殺消去等)が含まれています。

3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。

 

  (関連情報)

  1 製品及びサービスごとの情報

  前連結会計年度及び当連結会計年度において、セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しています。

 

  2 地域ごとの情報

  (1) 売上高

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の

90%を超えるため、記載を省略しています。

 

  (2) 有形固定資産

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対

照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しています。

 

  (報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報)

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要性がないため、記載を省略しています。

 

  (報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報)

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、該当事項はありません。

 

  (報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報)

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、該当事項はありません。