リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業界に対する法的規制
当社グループの主たる事業である引越事業においては、「貨物自動車運送事業法」、「貨物利用運送事業法」及び「自動車NOx・PM法」等による法的規制を受けております。
そのため、社員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備など管理体制の構築等を重要課題とし、法令遵守の体制を整備しておりますが、法令の改正や新たな法的規制、環境問題への関心の高まりによる環境規制等により、営業活動に制限が加わった場合、売上高の減少や規制対応費用が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)引越需要の変動
引越需要は季節により大幅な変動が見られますが、一方、月末や週末に集中するという傾向があります。この需要の偏在は、当社グループにとって人員や車両の配置を狂わせ、車両の稼働にも悪影響を及ぼすこととなっております。この需要の偏在を平準化させ仕事量を継続的、安定的に確保するため、当社グループでは従来から積極的に広告宣伝活動を行い、また法人営業活動の強化を行うことにより、閑散期及び閑散日の需要の喚起、顧客の発掘を行っております。
しかし、この引越需要の変動は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)労働力の確保と支社の開設
労働集約産業である引越運送業務は多数の労働力を必要としておりますが、少子高齢化の社会的傾向から今後、若年層の人材確保が更に困難になる恐れがあります。
当社グループといたしましては、省力機械の導入や作業形態の見直し等、限られた労働力の有効活用を図っておりますが、絶対数の不足から有能な労働力が確保できない場合は、支社の開設に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)家族構成の変化と引越荷物の小口化
引越業界においては、核家族化の進行とライフスタイルの変化により引越荷物が小口化する傾向があります。
引越単価は、サービス内容、運送距離、価格競争等により左右されますが、引越荷物の小口化が引越単価の下落に結びつき、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)顧客情報の保護
当社グループは、個人情報取扱事業者として、業務遂行上様々なタイミングで顧客情報に接しております。当社グループが取り扱う個人情報には、新たな生活をスタートさせる新居の情報等も含まれている為、細心の注意を払い情報管理を行っております。
しかし、管理やシステムの不備等により顧客情報の漏洩等を惹起した場合は、その損害に対する賠償の責任を負うのみに留まらず、顧客からの信用の失墜につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)引越事業への依存度
当社グループは、売上高に占める引越事業の割合が8割以上を占めているため、引越事業の業績が当社グループの業績に大きな影響を与えます。
そのため、予期せぬ事象により当社グループが競争力を喪失した場合や、同業者間の価格競争により想定を超える単価の下落等があった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)災害等の発生
当社グループは、全国各地に支社展開を行っていることから、自然災害、火災等の発生により当社グループの事業拠点が被災した場合、災害等の規模によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)人材流出による事業ノウハウの社外流出
当社グループは、他社との差別化を図るため、人材育成に注力し様々なノウハウを蓄積してまいりましたが、これらのノウハウは法的な保護が難しい為、人材流出とともに外部へ流出した場合、当社グループの優位性が薄れることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)サイバー攻撃やコンピュータウイルス等の脅威
当社グループの業務においてITへの依存度が高まるにつれ、サイバー攻撃やコンピュータウイルス等の脅威も同様に高まってきております。
その対策には万全を期しておりますが、今後想定を超えるサイバー攻撃やコンピュータウイルスに感染した場合、一部コンピュータシステムの停止等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)減損会計
当社グループにおいては減損会計の対象となる固定資産は金額的重要性が高く、今後の地価の変動や、各支社毎の業績推移如何では多額の減損処理が必要となる可能性があります。
(11)労働災害と重大事故について
引越事業は、車両の運転に加え、作業現場の条件により様々な作業が発生します。
そのため、車両の運転技術のみならず、作業技術についても安全を最優先に教育指導を行っておりますが、万が一重大事故を惹起した場合は、その損害に対する賠償の責任を負うとともに、事業の停止等の処分を受ける可能性があります。また、顧客からの信用の失墜にもつながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(12)重要な訴訟によるリスク
当社グループは適正なコンプライアンスとガバナンス体制の構築に努め事業活動を行っていますが、事業活動に関して様々な形で訴訟等の対象となる可能性があり、その結果によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、将来の事業展開に必要な設備投資や経営環境の変化等に備え、企業体質を強化するための内部留保に留意するとともに、キャッシュ・フローに重点を置いた経営に努めております。また株主各位への適切な利益還元を図るため、安定した配当を継続的に行うことを基本方針としており、利益成長の実現を通じて一層、株主各位のご支援にお応えしたいと考えております。したがって業績の順調な伸長が見込まれる状況が確認できた場合には特別配当を行うこととしております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うこととしております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の株主配当金は、上記方針に基づき1株当たり68円の配当といたしました。これにより、当事業年度の連結配当性向は25.8%となります。
内部留保資金については、設備投資や新たな成長に繋がる戦略投資及びその他の資金需要に充当するとともに、今後の事業展開に活用していく所存であります。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年10月31日 |
609 |
30 |
取締役会決議 |
||
2024年6月15日 |
1,545 |
38 |
定時株主総会決議 |