2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    5,043名(単体) 31,013名(連結)
  • 平均年齢
    44.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    23.7年(単体)
  • 平均年収
    6,335,018円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

  (2025年3月31日現在)

交通事業
(人)

運送事業
(人)

不動産事業
(人)

レジャー・
サービス

事業
(人)

流通事業
(人)

航空関連

サービス

事業
 (人)

その他の

事業
(人)

全社
(人)


(人)

12,024

9,194

1,481

2,380

1,401

1,193

2,304

1,036

31,013

(1,144)

(2,924)

(574)

(1,265)

(714)

(146)

(515)

(-)

(7,282)

 

(注)1 従業員数は就業人員であり、(外書)は臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

2  「全社」の従業員数は提出会社の本社管理部門等の従業員数であります。

 

(2) 提出会社の状況

  (2025年3月31日現在)

従業員数

(人)

平均年齢

(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与

(円)

5,043

44.6

23.7

6,335,018

 

 

交通事業
(人)

運送事業(人)

不動産事業(人)

レジャー・
サービス
事業

(人)

流通事業
(人)

航空関連

サービス

事業

(人)

その他の

事業

(人)

全社

(人)

(人)

3,987

5

15

1,036

5,043

 

(注)1 従業員数は就業人員であり、休職者10人、組合専従者24人を含んでおります。

2  平均年間給与(税込)は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社の労働組合は、名古屋鉄道労働組合(組合員数4,731人)と称し、日本私鉄労働組合総連合会に加入しております。労使間において特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)   ※1

男性労働者の

育児休業取得率

(%)   ※2

労働者の男女の賃金の差異

(%)         ※1

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

7.1

85

81.1

85.6

60.5

 

(注)1 ※1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

2 ※2「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

 

 

  ② 主要な連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める
女性労働者の割合

(%)  ※1

男性労働者の
育児休業取得率

(%)

労働者の男女の賃金の差異

(%)        ※1

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

豊橋鉄道㈱

7.7

80

※2

69.3

73.4

 

37.4

名鉄バス㈱

3.6

72

※2

76.0

89.3

 

61.3

岐阜乗合自動車㈱

20.0

60

※2

71.9

77.7

 

44.8

宮城交通㈱

2.9

50

※2

69.2

76.3

 

57.6

名鉄観光バス㈱

7.7

 

62.1

74.1

 

49.9

名鉄タクシーホールディングス㈱

6.1

 

 

名鉄西部交通㈱

8.7

100

※2

77.2

83.5

 

74.2

名鉄NX運輸㈱

4.2

37

※2

63.3

73.4

 

77.5

信州名鉄運輸㈱

3.4

20

※2

63.7

71.4

 

69.6

四国名鉄運輸㈱

8.3

14

※2

54.5

76.2

 

57.2

㈱名鉄グランドホテル

19.4

 

 

㈱名鉄インプレス

16.7

33

※2

58.6

73.1

 

101.3

㈱名鉄ミライート

0.0

 

63.6

69.9

 

127.1

名鉄観光サービス㈱

7.9

33

※2

75.6

76.1

 

78.0

㈱名鉄百貨店

13.7

100

※2

73.5

74.7

 

86.8

名鉄協商㈱

7.7

33

※2

65.6

71.8

 

62.7

㈱名鉄生活創研

14.3

100

※3

63.9

70.6

 

103.2

㈱名鉄アオト

7.8

33

※2

75.9

72.8

※4

名鉄都市開発㈱

5.3

 

 

中日本航空㈱

2.1

55

※2

59.1

64.7

 

38.5

名鉄EIエンジニア㈱

80

※2

83.3

91.1

 

90.0

名鉄自動車整備㈱

28

※2

66.7

83.8

 

108.3

㈱メイテツコム

9.4

100

※3

80.9

86.2

 

68.8

 

(注)1 ※1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

2 ※2「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

3 ※3「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

4 ※4パート・有期労働者に女性を雇用しておりません。

5 「4 関係会社の状況」に記載する会社以外については、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、2021年9月に「名鉄グループ サステナビリティ基本方針」を策定し、「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」という名鉄グループの使命のもと、引き続き当社グループの事業領域=「地域を活性化する事業+社会を支える事業」を推進していくことにより、持続可能な社会の実現を目指していくことを宣言いたしました。当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

■「名鉄グループ サステナビリティ基本方針」

―私たち名鉄グループは、「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」という使命のもと、地域を活性化し、 また社会を支える事業活動を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。

 

(1) サステナビリティ全般に関する取組

 

 (ガバナンス)

当社は、2021年7月に当社グループのサステナビリティに関する取組みを包括的に推進する機関として、「ESG推進委員会」を設立いたしました。本委員会は、当社の代表取締役社長を委員長とし、委員である総括役員及びESGに関係する部署の担当役員、オブザーバーである常勤監査役により構成されております。本委員会では、グループ全体のサステナビリティに関する取組みを検討、推進するとともに、必要に応じて取締役会へ上程・報告を行っております。ESG推進委員会で抽出されたリスクについては、必要に応じてリスク管理委員会、企業倫理委員会と連動しています。一方、取締役会はESG推進委員会を監督しており、サステナビリティに関する取組み全般におけるガバナンス体制を構築しております。

また、2024年4月に、サステナビリティ施策をグループ全社で横断的に推進する専門組織として当社経営戦略部に「サステナビリティ推進担当」を設置しました。2024年度から当組織が中心となって、グループ各社と連携しながら、目標設定や進捗状況のモニタリング、達成度評価(PDCAサイクル)を実施しています。


 

 

2024年度のESG推進委員会は3回開催しており、詳細は以下のとおりです。

実施日

出席率

(人数)

議題

(審議事項に対する)

審議結果

2024年

4月19日

90%

(9/10)

(1)[審議事項]マテリアリティ「誰もが活躍できる職場づくり・人づくり」

        KPIの見直しについて

(2)[報告事項]前中期経営計画期間中におけるESG推進活動の振り返りと

        今後の取り組みについて

(1)提案の内容にて承認

7月29日

90%

(9/10)

(1)[審議事項]①サステナビリティを巡る重要課題(マテリアリティ)KPIの

          2023年度実績報告について

        ②「名鉄グループ カスタマーハラスメントに対する基本方針」の

         策定について

(1)①提案の内容にて承認

→8月9日 取締役会に上程

②提案の内容にて承認

→9月1日に策定

2025年

2月27日

90%

(9/10)

(1)[審議事項]「名鉄グループ サプライチェーン方針」の策定について

(2)[報告事項]①第三者保証の取得について

        ②ESG外部評価 今年度の状況と次年度対応について

        ③統合報告書2024振り返り、2025年度の製作について

(1)提案の内容にて承認

→3月に策定

 

 

 (リスク管理)

当社グループでは、持続可能な社会の実現につながる取組みを推進するにあたり、2022年4月に名鉄グループのサステナビリティを巡る重要課題(マテリアリティ)を特定いたしました。

 

 ① 重要課題(マテリアリティ)特定のプロセス

社内外からみた名鉄グループに関連のある社会課題を洗い出し、その中から重要度の高いものを選定し、重要課題(マテリアリティ)を特定しました。


[フェーズ1・2] 内部・外部情報調査による社会課題の認識・洗い出し

企業理念や経営計画などの内部情報及び各種ガイドラインや評価機関などの外部情報をもとに、数ある社会課題から当社の社会課題の洗い出しを行いました。

 


[フェーズ3] 評価基準の設定・評価の実施

自社にとっての重要度及びステークホルダーにとっての重要度の2軸について、評価基準を設定しました。評価基準に沿って、フェーズ2で洗い出した社会課題を一つずつ点数付けし、重要度を評価しました。

[フェーズ4] 重要課題(マテリアリティ)の特定・妥当性確認

フェーズ3の結果のうち、自社にとってもステークホルダーにとっても重要な社会課題を重要課題(マテリアリティ)として特定しました。ESG推進委員会において、特定された重要課題(マテリアリティ)の数や粒度について妥当性を確認しました。

 

 

 ② 重要課題(マテリアリティ)

上記のプロセスを経て5つの重要課題(マテリアリティ)を設定し、持続可能な社会の実現につながる取組みを推進していきます。また、それぞれの重要課題(マテリアリティ)にKPIを設定し、定期的にESG推進委員会にて確認、取締役会へ報告することでリスク評価・管理を実施しております。

1. 環境保全への貢献

当社グループでは、持続可能な社会の実現を目指して、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたCO排出量削減の取組みをはじめ、「環境保全への貢献」に取組んでまいります。

2. 安全・安心の確保

安全の確保は、多様な交通サービスを有する当社グループにおいて何よりも優先すべき社会的な責任であると考え、お客さまに安心してご利用いただけるよう「安全・安心の確保」に取組んでまいります。

3. 地域価値の向上

当社グループは、地域社会の発展とグループの発展は不可分であるとの認識のもと、「持続可能な社会の実現」に真摯に向き合い続けてきました。これからも、地域を活性化する事業や社会を支える事業を通じて、「地域価値の向上」に努め、永く社会に貢献してまいります。

4. 誰もが活躍できる職場づくり・人づくり

従業員は当社グループの持続的な成長に必要不可欠な財産です。個性や能力を発揮でき、心身共に健康で活き活きと働ける「誰もが活躍できる職場づくり・人づくり」に取組んでまいります。

5. ガバナンスとリスクマネジメントの強化

当社グループでは、コーポレートガバナンスの充実と的確なリスク管理を重要な経営課題の一つとして認識しています。適正な組織体制を整備し、経営の健全性や透明性、効率性の確保と充実に努めることにより、「ガバナンスとリスクマネジメントの強化」に取組んでまいります。

 

(2) 気候変動への対応

当社グループは、「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」という使命のもと、地域を活性化し、また社会を支える事業活動を通じて、持続可能な社会の実現を目指しており、中でも名鉄グループのサステナビリティを巡る重要課題(マテリアリティ)の1つとして「環境保全への貢献」を位置付けております。

2022年4月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFDという。)」提言への賛同を表明しており、今後、TCFD提言に基づく情報開示を進め、気候変動への対応をはじめとした環境保全への貢献に取組んでまいります。

 

 

 (ガバナンス・リスク管理)

「(1) サステナビリティ全般に関する取組」に記載しております。

 

 (戦略)

 ① シナリオ分析における大枠(世界観)の設定

産業革命前からの世界の平均気温上昇が2℃を十分に下回る場合(2℃シナリオ)と成り行きの4℃の場合(4℃シナリオ)を想定し、国際機関が想定している情報を基に世界観を設定しました。

 

[想定する世界観]

産業革命前からの世界平均気温上昇

2℃

4℃

2030年、当社グループを取り巻く事業環境

炭素排出に関する制度、規制が進み、脱炭素技術の高い車両・設備が導入される

企業の脱炭素化のための政策が進まず、設備更新は従来水準にとどまる

政策として炭素の価格付けがなされ、炭素排出がコストとして事業活動に組み込まれる

炭素の価格付けがなされず、炭素排出に対してコストはかからない

主力電源が火力発電から、再生エネルギー発電へ移行され、再エネ比率が高まる

主力電源は火力発電のままで、再エネ比率は従来水準にとどまる

ステークホルダーのカーボンニュートラルに対する目線が一般化され、CO排出の低い移動手段として鉄道等が選好される

カーボンニュートラルに対する厳しい目線は一部のステークホルダーに留まり、利用者の行動変容は起きない

異常気象は、現在顕在化している水準から大きくは増えない

気象災害の規模・頻度が大きくなり、影響を受ける事業所・サプライチェーン・消費者が増加。事業継続に必要な対策コストが高騰する

移行リスク・機会

IEAによるWEO2021持続可能な開発シナリオ(SDS)等

IEAによるWEO2021公表政策を基にしたシナリオ(STEPS)等

物理的リスク

IPCCによるRCP2.6シナリオ

IPCCによるRCP8.5シナリオ

 

(注)IEA       International Energy Agency(国際エネルギー機関)

WEO2021     World Energy Outlook 2021(世界のエネルギー見通し2021)

IPCC      Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)

SDS       Sustainable Development Scenario (持続可能な開発シナリオ)

STEPS     Stated Policies Scenario (公表政策を基にしたシナリオ)

RCP       Representative Concentration Pathways (代表濃度経路シナリオ)

 

 

 ② 気候変動リスク・機会による事業影響評価

当社グループの交通、運送、不動産、レジャー・サービス、流通、航空関連サービス、その他の各セグメントを対象とし、TCFDの枠組みに基づいて当社グループ事業に影響のあるリスク・機会項目を抽出しました。抽出したリスク・機会項目に対して、ESG推進委員会にて重要度を審議し、重要度の高いリスク5項目、機会5項目を選定するとともに、2℃、4℃シナリオに基づき影響度を評価しました。このうちリスク項目については、各シナリオに基づいて財務への概算影響額を試算しました。気候変動による影響を分析した結果、2℃シナリオにおいては、炭素税の導入による大幅なコスト増加が見込まれる一方、CO排出量の少ない交通手段の需要増やMaaSの拡大、DX推進などにより、収益機会の増加や業務効率向上によるコスト低減を期待できることが分かりました。

また、4℃シナリオにおいては、燃料費の高騰によるコスト増加による影響を大きく受けることに加え、保有資産の洪水被害による損壊額の増加や風水害による鉄道営業停止に伴う収益減少のリスクが増大することが分かりました。

当社グループが長期にわたり安定的な経営を続け、持続可能な社会の実現に貢献するために、連結会社を対象にインターナルカーボンプライシング制度を導入し、各社の省エネ設備投資を促進するための体制を構築しました(2024年4月以降の設備投資を対象とする)。省エネ設備投資等を漸次進めて、化石燃料の使用量を順次減らしていくことなど、気温上昇が2℃を十分に下回る世界の実現に向けた取組みを進めてまいります。

 

[事業影響評価]

事業影響評価の対象項目

内容

対象範囲

炭素税導入によるコスト増加

全セグメント

再エネ電力調達によるコスト増加

全セグメント

燃料費の高騰によるコスト増加

全セグメント

保有資産の洪水被害による損壊額の増加

鉄軌道事業

風水害による鉄道営業停止に伴う収益減少

鉄軌道事業

CO排出量の少ない交通手段需要増に伴う旅客数の増加

交通

MaaS拡大による旅客輸送関連サービス利用増に伴う収益増加

交通、その他

配送ルート最適化等の排出削減に寄与するDX推進による業務効率向上(ドライバーの生産性向上等)

運送

再エネ電力発電(洋上風力発電等)の建設・維持に伴う物資輸送需要の増加

航空関連サービス

環境配慮型商品・サービスの提供による収益増加

不動産を中心とした全セグメント

 

 

 

 (指標及び目標)

当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、2030年度のCO排出量(Scope1+2)について、連結会社全体では2020年度比25%削減、名古屋鉄道の鉄軌道事業においては2013年度比46%削減を目標に掲げています。

当社グループは、省エネ設備投資や再生可能エネルギーの活用等のCO排出量削減に向けた取組みを進めることによって、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

[カーボンニュートラル目標]

対象

CO排出削減目標

(Scope1+2)

CO排出量

基準年度

2030年度目標

2024年度実績

名鉄グループ

(連結会社)

エネルギー起源のCO排出量を2030年度に2020年度比で25%削減する

675,759 t-CO

(2020年度)

506,819 t-CO

2025年10月頃発行の統合報告書にて開示予定

名古屋鉄道

鉄軌道事業

エネルギー起源のCO排出量を2030年度に2013年度比で46%削減する

238,479 t-CO

(2013年度)

128,779 t-CO

 

 


2023年度のエネルギー起源のCO排出量の実績は、当社グループ連結で702,576t-COで基準年度である2020年度の675,759t-COに対して4.0%増加、鉄軌道事業(名古屋鉄道)単体では175,923t-COで基準年度である2013年度の238,479t-COに対して26.2%削減となりました。グループ全体で使用電力量を2022年度比84%に削減することができましたが、使用電力に係る排出係数の変動を受け、CO排出量は増加となりました。

なお、データの客観性・正確性を確保するため、以下のデータについて、LRQAリミテッドによる第三者検証(※)を実施し、保証証明書を取得いたしました。

※ISO14064-3:2019に準拠した検証、限定的保証となります。

[対象データ]

- エネルギー起源のCO の総排出量(スコープ1+スコープ2)(トンCO

- エネルギー起源のスコープ1 CO 排出量(トンCO

- エネルギー起源のスコープ2 CO 排出量(マーケット基準)(トンCO

[対象期間]

2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)

[バウンダリ]

名古屋鉄道㈱及び国内連結子会社

 

(今後対応を検討する項目)

気候変動への対応を含めたサステナビリティ活動の品質向上を引き続き目指してまいります。具体的項目としては、上記のとおり開示をしているCO排出量(Scope1+2)に加え、サプライチェーンにおける排出量であるCO排出量(Scope3)についても、算定・開示を進めてまいります。また、引き続き2024年度実績に対しても第三者保証の取得を進めてまいります。

 

(3) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

 

当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。

 

 ① 名鉄グループ人財育成・社内環境整備方針

当社グループは、大きく変化する社会の中においても「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」企業グループであり続けるため、多様な人財の活躍の実現を目指し、従業員の採用・能力開発・専門性向上に取組んでまいります。また、心身ともに健康にその能力を最大限に発揮し、自律・挑戦できる環境を整えてまいります。

 

また、中長期経営戦略の重点テーマの一つとして「人的資本の充実」を掲げ、人財投資による当社グループで働く人々のウェルビーイング向上を通じて、人財の確保・育成など人的資本の充実を図るとともに、中長期経営戦略と連動する形で、以下の人事ビジョン・人事戦略を推進してまいります。


 

 ② 人財力の基盤とウェルビーイング

当社グループには、高い「社会的使命感」と「地域愛」を持った従業員が集まっています。こうした人財に対し、グループ全体で積極的な人財投資を行うことで、「人財力の基盤」の確立と「人財力の向上」の実現を目指していきます。従業員一人ひとりが能力を発揮するための「人財力の基盤」として、「人権」「健康」を定義し、グループ全ての従業員が安心して働ける職場環境を提供していくとともに、従業員一人ひとりの「人財力の向上」を実現していくために、「挑戦・創意工夫」「成長・能力発揮」「DE&I」の3要素を軸とする各種施策を進めていきます。

こうした施策を通じて、自らの能力を高め、より良い職場環境の中でやりがいを感じて仕事に取組むことが、従業員エンゲージメントの向上やウェルビーイングの実現につながり、一人ひとりがより高い成果を生み出していくことで、グループとしての企業価値創出に結びついていくと考えます。同時に、グループによる企業活動がお客さまと地域社会の豊かさにつながり、地域に貢献しているという実感として従業員に還元されることで、さらなる従業員のウェルビーイング向上へとつながっていき、「お客さま・地域社会と人財の好循環」が生まれます。

なお、従業員の人財力向上やウェルビーイング、地域貢献の実感を定量的に観測するための指標として「従業員エンゲージメント」をKPIとして設定し、継続的に進捗を確認していきます。

 


 


 

■人権の尊重

当社グループでは、社内および社外全ての方々の人権を尊重し、あらゆる差別や人権侵害につながる活動を一切行わないよう、2023年4月に「名鉄グループ人権方針」を策定しました。社内の各部門に人権啓発推進委員を設置し、従業員の人権意識向上に努めています。また、従業員に対しては、ハラスメント等の相談窓口を設置するとともに、入社時および定期的に人権研修を実施し、人権問題について確実に知得し、対応する仕組みを設けています。

また、昨今社会問題化するカスタマーハラスメントに対して、従業員の人権を守り、安心して働ける環境を整えるため、2024年9月に「名鉄グループカスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定しました。

 

■健康経営の推進

当社グループは、2024年10月に「名鉄グループ健康経営方針」を策定しました。従業員の健康保持・増進に積極的に取り組んでいくこととし、推進にあたっては、当社社長を健康経営責任者、人事総括役員を推進責任者とし、人事部(産業医・保健師含む)を中心に、グループ会社・健康保険組合が一体となって課題分析や各種施策の推進に中長期目標を設定して取組んでいます。

当社では疾病予防に向けて、定期健康診断や特定健診の受診率100%を維持し、受診後の個別指導を行っています。また、2024年度からは健康アプリを導入し、健診結果の確認や日々の健康記録のほか、運動や健診受診によるポイント付与で健康行動を促進し、現状36.7%の運動習慣率を2030年度までに50%以上へ引き上げることを目指しています。職場環境整備としては、労働災害を未然に防ぐ安全教育や安全衛生委員会での発生事案共有、熱中症対策としての空調服の導入・飲料配布、年次有給休暇取得目標の設定などソフト・ハード両面で取組んでいます。なお、安全衛生委員会は、各事業場で関係部門の部署長、産業医、組合代表者などで構成し、労使で安全衛生に関するさまざまなテーマについて議論をしています。今後も信頼の源泉である「安全」を守るため、従業員の心身の健康維持と健康意識向上に継続的に取組み、誰もがいきいきと働き能力を最大限に発揮できるようにします。

 

[健康に関するKPI]※1

主な取組み

2030年度目標

2024年度実績

健康診断有所見者の受診率※2

 100 

97.8

BMI有所見率※3

  25 以下

28.0

運動習慣率※4

  50 以上

 36.7

高ストレス者率※5

   7 以下

7.6

年次有給休暇の取得率

  90 以上

96.6

 

(注)1 ※1いずれも名古屋鉄道単体の数値であります。

   2 ※2健康診断の結果、会社より受診指示を受けた者のうち、指示どおり受診した者の割合でありま
      す。(2025年6月時点)

   3 ※3BMI 25.0以上=肥満度Ⅰ以上となった者の割合であります。

   4 ※4問診にて、運動習慣について「週1~2回」以上と回答した者の割合であります。

   5 ※5ストレスチェックで高ストレス判定をされた者の割合であります。

 

 ③ 人財力の向上に向けて

経営ビジョンに掲げるような当社グループならではの価値を提供するチャレンジングな取組みを行っていくためには、価値創造に共感し、「社会的使命感」や「地域愛」を持った多様な従業員一人ひとりが、「挑戦していく意欲を持ち」、「自身の能力とスキルを向上させ」、「多様な価値観を受け入れながら、さまざまな視点から考えることができる」ことが重要です。これらの力を伸ばすことが「人財力の向上」であると考え、「挑戦・創意工夫」「成長・能力発揮」「DE&I」を「人財力の3要素」として定義しました。

従業員一人ひとりの人財力の向上に向けて、「人財力の3要素」の観点から各種人事施策に取組んでいきます。

 

[人財力向上に関するKPI]

指標

目標

2024年度実績

女性管理職比率※1

2030年度までに  30 以上

6.7

中途管理職比率※1

2030年度までに  30 以上

34.4

育児休業取得状況※1※3

2030年度まで 100%

70.4

キャリアチャレンジ制度 利用件数※2※4

継続的に前年度を上回る

17件

資格取得支援制度    利用件数※2

継続的に前年度を上回る

96件

 

(注)1 ※1連結会社全体の数値であります。

   2 ※2当社単体の数値であります。

   3 ※3育児休業取得状況の2024年度実績につきまして、男性は56.4%、女性は100.0%であります。

   4 ※4公募により異動した件数であります。

 

■挑戦・創意工夫

当社グループは、チャレンジとイノベーションを創出する企業風土をつくるため、従業員の「挑戦・創意工夫」を後押ししています。当社では、総合職を対象として、年齢に偏らない進級と早期登用を実現するために「挑戦と貢献度」を基準とする評価制度を導入しました。また、挑戦できる機会の創出としてグループ内副業や社内外のポジションを公募する「キャリアチャレンジ制度」の充実やグループ外の会社・自治体等との人財交流を促進しているほか、創造性を生み出していくために、グループ全体でさまざまなスキルやバックグラウンドを持った人財の獲得に取組んでいます。なお、グループの中で優れた能力を発揮している従業員やチームには、各種表彰制度でその成果を表彰しています。

 

■成長・能力発揮

当社グループは、信頼されるサービスの提供と新たな価値創造ができる人財の育成に向けて、従業員の能力開発・専門性向上に取組むとともに、能力を最大限に発揮し、自律・挑戦できる環境と制度を整えています。また、従業員一人ひとりが主体的にキャリアを考え選択していく中で自主性を育てていくことで、組織全体の活力向上を目指しています。

 

■DE&I

「人財力」の3要素におけるDE&Ⅰとは、個人が多様な価値観を受け入れる柔軟性や行動の公平性を指しています。企業という枠内に個人が収まっている同質的な人財集団ではなく、企業として共通な軸は持ちつつも、個人として多様な価値観を持った人財集団になることで、新たな価値やイノベーションが生まれると考えています。

ライフステージの変化等によって能力発揮が妨げられることがなく、従業員一人ひとりがやりがいをもって、いきいきと働き続けられるよう、会社として、組織の多様性や公平性を提供する制度の策定などを通じて、さまざまな意見や個性が受容される職場環境づくりに取組んでいきます。