2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    10,988名(単体) 22,469名(連結)
  • 平均年齢
    45.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.3年(単体)
  • 平均年収
    5,108,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

運送事業

20,874

(3,896)

貸切事業

流通加工事業

262

(422)

国際事業

641

(4)

その他事業

283

(193)

全社(共通)

409

(18)

合計

22,469

(4,533)

(注)1  従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者及びパートタイマーは含まれていない。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は(  )内に年間平均人数を外書で記載しております。

2  臨時雇用者数は1日当たり平均労働時間により換算しております。

3  同一の従業員が運送事業と貸切事業に従事しているため、一つのセグメントとして記載しております。

4  全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

5  輸送品質維持のため臨時雇用者数が前連結会計年度末より増加しております。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

10,988

(2,744)

45.3

15.3

5,108

 

セグメントの名称

従業員数(名)

運送事業

10,412

(2,314)

貸切事業

流通加工事業

138

(373)

国際事業

76

(4)

その他事業

112

(45)

全社(共通)

250

(8)

合計

10,988

(2,744)

(注)1  従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者及びパートタイマーは含まれていない。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は( )内に年間平均人数を外書で記載しております。

2  臨時雇用者数は1日当たり平均労働時間により換算しております。

3  平均年間給与は、正社員にて算出しております。

4  平均年間給与には、賞与及び基準外賃金が含まれております。

5  同一の従業員が運送事業と貸切事業に従事しているため、一つのセグメントとして記載しております。

6  全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

7  輸送品質維持のため臨時雇用者数が前事業年度末より増加しております。

 

 

(3) 労働組合の状況

  提出会社の労働組合は、1959年9月に結成され2025年3月31日現在の組合員数は8,121人であり、上部団体には加盟せず、労使関係は円満に推移しております。連結子会社における労働組合は20社が結成し22社が結成しておりませんが、労使関係は総じて円滑に推移しております。

  なお、当連結会計年度末における総組合員数は17,478人であります。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

3.0

22.7

58.4

72.0

87.6

(注)1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3  パート・有期労働者は派遣社員を含んでおりません。

 

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率

  (%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

北海道福山通運㈱

6.7

68.3

82.3

79.0

北東北福山通運㈱

10.0

18.2

75.0

81.5

119.9

南東北福山通運㈱

22.2

68.0

74.6

140.3

関東福山通運㈱

58.3

64.4

86.9

甲信越福山通運㈱

4.5

66.5

73.2

129.5

近畿福山通運㈱

14.3

25.0

67.9

74.7

86.1

四国福山通運㈱

2.7

25.0

69.0

78.5

86.9

山陰福山通運㈱

64.4

80.9

98.8

九州福山通運㈱

6.5

27.8

67.3

75.6

91.4

南九州福山通運㈱

13.0

62.5

74.2

81.1

福山ロジスティクス㈱

10.0

69.9

73.4

66.2

福山エクスプレス㈱

28.6

55.0

63.7

76.8

ジェイロジスティクス㈱

5.0

40.0

65.9

81.9

107.9

東京福山通運㈱

3.7

100.0

66.6

73.3

77.9

(注)1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3  パート・有期労働者は派遣社員を含んでおりません。

4  連結子会社のうち、常時雇用する労働者が301名以上の国内子会社を記載しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) サステナビリティに対する基本的な考え方

  当社グループでは、「物流」が社会インフラのひとつであり、安定した輸送サービスを継続して提供することが、物流事業者としての社会的責任であると認識し、事業活動を推進しております。また、サステナビリティを巡る課題への対応については、リスクの減少のみならず収益機会にも繋がる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取組むため、多様なステークホルダーの視点及び当社グループにとっての経営課題や重要性から優先順位付を行っています。環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の各種施策に取り組むことで持続可能な成長を実現し、企業価値の向上に努めています。サステナビリティへの取組は、アクションプランを設定した上で推進状況を管理しております。取締役会では、毎年、中期経営計画の達成状況を振り返る中で、これらの重要課題の実施状況を監督しております。

 

 

(2) ガバナンス

  2023年5月、サステナビリティ課題への取組をより一層推進するため、サステナビリティ委員会を設置いたしました。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長がサステナビリティ委員会の委員長を務め、取締役または執行役員である委員3名以上で構成しております。気候変動を含む社会・環境に係るリスク及び機会への対応方針・取組状況に関して、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会で審議し、取締役会による検討を支援してまいります。

 取締役会の議長である代表取締役社長は、本業や経営戦略との一体化を図りながらサステナビリティへの取り組みを推進するとともに、気候変動に関する課題について責任を持つ取締役として、サステナビリティ委員長を兼務し、取締役会における監督責任を担っております。

  また、当社グループは気候変動に関するリスクを最も注意すべきリスクのひとつとして認識しております。定期的にモニタリングを行うとともに、企業経営リスクを明確化し、経営に及ぼす影響の大きさを審議・評価し、サステナビリティ課題への取組と経営戦略との一体化を図りながら推進しております。

 

(3) 戦略

①気候変動に対する取組

  気候変動問題等の地球環境問題は、世界規模でサステナビリティに関する重要課題として認識されており、脱炭素社会へ向けた取組等が進められております。当社グループにおきましても、このような経営環境下であることを踏まえ、気候変動に起因する社会・環境問題は喫緊の課題として捉え、気候変動関連リスク及び機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響を分析し、対応を検討しました。

 

 

 

 

 

<シナリオ分析の前提条件>

・実施対象範囲:グループ売上高の9割以上を占める運送事業、貸切事業及び流通加工事業を対象

 

 

・参照した気候関連シナリオ

  最悪の状況を想定し、それに備えることが重要であると考え、影響が最大になる「1.5℃」と「4℃」のシナリオを採用

 

IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機関

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):国連:気候変動に関する政府間パネル

 

・時間軸

  グループ中期経営計画実行年度及び日本の温室効果ガス排出削減目標の時間軸に合わせ、中期2030年、長期2050年に設定

 

・影響度

  リスクアセスメント基準を基に、影響度「小」「中」「大」の3つに分類。

その他、事業インパクトの定量評価に参照したデータ及びパラメータは以下の通りです。

WEO(World Energy Outlook ):世界エネルギー見通し

 

 

<リスクと機会の特定及び事業インパクトの定性評価>

 当社グループは、気候変動が事業環境に与える影響を重大なものと認識し、シナリオ分析に基づいて、気候変動に起因する重要なリスクおよび機会の特定と、それに伴う事業インパクトの評価を実施しました。

 

 

 1.5℃シナリオにおいては、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの普及が進み、炭素税の導入や車両の脱炭素化が加速すると予想されます。これらの変化に対応するため、当社グループでは、行動計画に基づき環境対応車両の導入や太陽光発電の活用を進め、脱炭素社会への適応を図ってまいります。

 4℃シナリオでは、異常気象の頻発による物理的リスクに加え、平均気温の上昇に伴う労働生産性の低下や人材確保の困難化といったリスクが懸念されます。これに対しては、職場環境の整備による人材確保や、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務効率化を進めてまいります。

 また、「2024年問題」に伴う深刻な輸送力不足や環境問題への対応など、物流業界を取り巻く事業環境の変化については、いずれのシナリオにおいても重要な課題であると認識しております。当社グループでは、ダブル連結トラックの導入やモーダルシフトの推進に加え、他社との共同配送などの協業を通じて、輸送効率の向上を図るとともに、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。

 

※時間軸は、グループ中期経営計画実行年度および日本の温室効果ガス排出削減目標の時間軸にあわせ、中期2030年、長期2050年に設定しました。影響度は、リスク管理委員会のリスクアセスメント基準を基に、影響度「小」「中」「大」の3つに分類しています。

 

 

<事業インパクトの定量評価>

 特定したリスクのうち、事業インパクトが大きいと判断した3項目については、インパクトの定量的な評価を実施しました。今後につきましても、事業インパクトの定量的評価の実施範囲を広め、対応策の検討を深めてまいります。なお、今回の評価は、気候関連シナリオにおける各種データやパラメータに基づく試算であり、市況等の外部環境変化により変動する可能性があります。

 

・炭素税導入による影響予測について

  「炭素税」とは、CO2排出量を抑えることを目的とした政策手段であり、企業などが燃料や電気を使用して排出したCO2の量に応じて課せられる税金です。現在、EU諸国等の先進国を中心に炭素税を導入する動きが広がっており、将来的には我が国においても導入される可能性があると考えております。

 国際エネルギー機関(IEA WEO2022)は、2030年時点での先進国におけるCO2排出量1tあたりの炭素税額について、1.5℃シナリオの場合は140ドル、4.0℃シナリオの場合は90ドルと予測しています。2030年に我が国に炭素税制度が導入されると仮定し、当社グループが2030年度の目標達成に向けてCO2排出量を2013年度比35%削減した場合と2022年度から削減しなかった場合の炭素税額を試算し比較すると、1.5℃シナリオでは、約20.7億円(=約67.3億円*1 -約46.6億円*2)のコスト増が想定されます。なお、CO2排出量の削減政策が比較的進まないと仮定した4℃シナリオであっても、削減した場合と削減しなかった場合の炭素税額を試算し比較すると、約13.3億円(=約43.2億円*3-約29.9億円*4)のコスト増が想定されます。

 運送事業を中心として活動する当社グループでは、運送に伴う車両燃料によるCO2排出量削減に向け、専用ブロックトレイン等へのモーダルシフト、水素燃料電池トラックや電気小型トラックなど環境対応車両の導入、1人のドライバーで大型トラック2台分の荷物を輸送できるダブル連結トラックの導入拡大等に取り組んでおります。今後におきましても、CO2排出量のモニタリングを続けるとともに、さらなる排出量削減に向けた取り組みを加速してまいります

 

 

・EV/FCEV車両の導入による影響予測について

  当社グループは、従来のディーゼル車等の一般車両と比べて、CO2や大気汚染物質等の排出量が少なく、環境への負荷が小さい環境対応車両の導入を進めております。

 国際エネルギー機関(IEA WEO2021)は、トラック販売台数におけるEV/FCEV車両の割合について、2030年時点のEV/FCEV車両の販売割合は、1.5℃シナリオの場合は30%、4℃シナリオの場合は4%と予測しております。また、将来的にEV/FCEV車両の価格は、既存車両と比較して2倍になると予測しています。これらを踏まえて、当社グループは、所有するトラックが代替時期を迎えた際に、市場での販売状況に合わせてEV/FCEV車両に代替すると仮定し、EV/FCEV車両の導入に伴う財務影響額を試算しました。

 当社グループにおける2030年のEV/FCEV車両の導入に関する財務影響については、1.5℃シナリオの場合は、2022年度において所有する小型トラックの30%をEV/FCEV車両に代替すると仮定し試算すると、約87億円*1の導入コスト増となり、4℃シナリオの場合は、4%をEV/FCEV車両に代替すると仮定し試算すると、約12億円*2の導入コスト増となります。

 

 

 なお財務影響額は、 EV/FCEV車両とエンジン車両との車体取得価格の差額で算出しており、また、現時点で中型・大型トラックのEVなどの技術は確立されておらず、取得可能な車両は存在していないため、小型トラックのみをEV化して導入することを想定しております。

 今後、EV/FCEV車両については、関連情報(価格、性能、補助金など)を収集し、社会情勢や販売市場の変動に伴う購入の容易さ、財務上の影響を考慮しながら、計画的に導入していく予定です。

 

 

・熱ストレスによる労働生産性の変化予測について

 当社グループは、屋外での作業や移動、快適な温度及び湿度環境が確保しづらい施設内での作業を行うドライバーにおいて、平均気温上昇は、熱ストレスの増加を招き、労働生産性の低下につながると考えております。熱ストレスとは、身体が生理的な障害なしに耐え得る限度を上回る暑熱を指し、熱ストレスの増加は、熱中症等による人間の身体機能や身体能力の低下に伴う労働生産性の低下を意味しております。

 Climate Analyticsが提供するClimate impact explorerでは、2030年時点で日本における熱ストレスに伴う労働生産性は、1.5℃シナリオ(RCP2.6)の場合は、▲0.9%、4℃シナリオ(RCP8.5)の場合は、▲1.1%と予測されています。これを踏まえて、当社における財務的影響を試算すると、2022年度の売上高を基準にした場合、1.5℃シナリオでは生産性が0.9%減少することで約23億円*1の売上高の減少、4℃シナリオでは生産性が1.1%減少することで約28億円*2の売上高の減少が予想されます。

 当社グループでは、熱ストレスの増加に備え、ドライバーの安全と健康の確保に取り組むとともに、暑熱対策に関する職場環境改善に努めてまいります。

 

②人的資本・多様性に対する取組

  当社グループは、「すべての多様な人々と協働し、安全・安心な物流サービスを通じて、心豊かで活力ある社会を実現する」ことを経営理念としています。持続的な成長と企業価値向上のためには、多様な視点や価値観を尊重し、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境づくりが不可欠と考えています。そのため、性別、経験、技能、キャリアの異なる人材を積極的に採用し、多様な人材が能力を発揮できる労働環境の整備を進めています。

 

<人材育成方針>

  当社グループは持続的な企業価値向上のために、人材の確保と育成が重要であると考えております。人材採用については、主力事業の運転者の確保に向けて、従来から行っているリファラル採用に加え、アルムナイ採用を導入・推進しています。さらに、車両整備士や運転者の人手不足に対応するため、外国人技能実習生や特定技能人材の採用も積極的に進めており、多様な人材が戦力として活躍できる環境づくりに取り組んでいます。また、多様な人材の活用および適正な配置に努めるとともに、各事業の強化に向けたキャリア人材の採用・育成にも注力しています。管理者や事務職の能力開発と成長を支援するため、eラーニングシステムを導入し、継続的な学習機会や明確なキャリアパスも提供しています。

具体的な施策:

・リファラル採用・アルムナイ採用の推進

・次世代幹部・管理職育成 eラーニングプログラムの実施

・新任管理職(店長)向け研修の実施

・専門キャリア人材の採用強化

・外国人技能実習生及び特定技能人材の計画的受け入れと支援体制の整備

 

 

<社内環境整備方針>

  従業員の満足度を高めるために、当社は仕事と私生活の両立を支援する柔軟な労働環境の整備に取り組んでいます。柔軟な労働時間制度やワークライフバランス支援制度の導入により、従業員の健康と幸福を重視した職場づくりを進めています。また、労働環境改善の一環として、定期的に従業員エンゲージメントサーベイを実施することで職場の課題を「見える化」し、その結果をもとに制度・業務改革を行い、帰属意識と生産性の向上を目指しています。

具体的な施策:

・休日の確保、有給休暇取得の促進

・時間外労働の削減

・両立支援制度の拡充

・従業員エンゲージメントサーベイの導入による職場環境の可視化

・人事・給与制度改革、業務プロセスの改善による生産性向上

 

<多様性への取組>

  当社はダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(受容性)を推進するため、すべての従業員がその能力を最大限に発揮できる職場環境づくりに取り組んでいます。性別や年齢、国籍、入社時期などに関係なく、平等な機会と公正な評価を提供し、多様な人材の活躍を支援しています。特に、女性やシニア人材の活躍推進を重視し、管理職への登用を積極的に進めています。また、車両整備士および運転者の人手不足に対応するため、外国人技能実習制度および特定技能制度を活用し、海外人材の受け入れを積極的に進めています。日本語教育や生活支援、業務研修体制を整えることで、外国人材が長期的に安心して働ける環境の構築に努めています。今後も整備・輸送の中核人材として、技能実習・特定技能の外国人材を計画的に受け入れ、多様な人材による安定的な事業運営体制の強化を図ってまいります。

具体的な施策:

・女性社員の管理者への登用

・シニア人材が活躍できる場の提供

・D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)体制の構築

 

(4) リスク管理

  当社グループでは、グループ全体のリスク管理・危機管理を推進するため、リスク管理委員会を設置し、リスクマネジメントを強化しています。リスク管理委員会では、気候変動リスクを含む、リスクと対応状況をモニタリングし、長期的な視点で当社グループ事業への影響を確認しています。現在の対応は以下の通りですが、今後については、シナリオ分析を高度化し、リスクを定量化していくことで、より精緻にリスクをモニタリングできる体制を構築してまいります。

・取締役会で決議されたリスクマネジメント方針・実行計画をもとに、リスク管理委員会がリードしてリスクマネジメントシステムを構築しています。

・全社的なリスク管理プロセスをとっており、評価頻度は年に1回以上、対象となる時間軸は短期、中期、長期です。

・事業のリスクマネジメント活動は、「リスクの識別(特定)、分析、評価」、リスク管理プロセスにおいては、「リスクへの対策、リスクのモニタリング、リスクの検証」の3ステップを実施しています。

・気候変動を含むサステナビリティ課題に関しては、サステナビリティ委員会と定期的に情報共有、連携を図っています。

・リスクマネジメント実行計画に落とし込んだリスク対策を推進するとともに、リスク管理指標により実施進捗を評価し、顕在化の未然防止に努めています。リスクが顕在化または顕在化する恐れがある状況を確認した場合、直ちに取締役会へ報告するとともに、リスクを最小限に抑える初動対応と、再発防止策を速やかに実施しています。

・今後は、リスク低減のみならずサステナビリティ関連の事業機会獲得を推進すべく、機会管理のマネジメント強化についても検討してまいります。

 

 

 

(5) 指標と目標

①気候変動に対する取組

<CO2排出量削減目標>

 当社グループでは、2030年度を期限としてCO2排出量を2013年度比35%削減することを目標としています。CO2排出量のScope1,Scope2を公表しており、削減に向けた取り組みを進めています。この度、新たにScope3カテゴリ6:出張、カテゴリ7:雇用者の通勤の算定を行いました。算定結果につきましては、関連データをご参照ください。

 今後はカーボンニュートラルに挑戦すべく、2050年度目標の設定およびその道筋について検討し、対応策を講じていくことが重要であると認識しています。

 

指標

目標(2030年度)

実績(当連結会計年度)

CO2排出量削減量

(Scope 1,2)

132.7CO2(千t)

35%(2013年度対比)

21.6CO2(千t)

5.7%(2013年度対比)

 

<その他の目標の設定>

指標

目標(2030年度)

実績(当連結会計年度)

太陽光発電施設数(累計)

6店所

5店所

環境配慮額車両導入割合*1

100%

-

ダブル連結トラック保有台数(累計)

439台

225台

*1 環境配慮型車両とは、従来のディーゼル車等の一般車両と比べて、CO2や大気汚染物質等の排出量が少なく、

  環境への負荷が小さい車のことを指します。

  なお、当連結会計年度の実績につきましては、提出日現在で算定中であります。

*2 ダブル連結トラック保有台数は、前方のトラックと連結する後方のトレーラーをそれぞれ1台としてカウントしております。

 

 

<関連データ>

 なお、当社グループ各社の業容や規模は様々であり、連結全体での記載が困難であることから、集計対象範囲を当社及び国内子会社としております。

*1 エネルギー使用量の集計範囲は福山通運単体であります。

*2 2023年4月の「改正省エネ法」施行に伴い、2023年度以降は改正後省エネ法の換算係数に基づき算出しております。

*3 CO2排出量の算定方法見直しにより、前年度までの開示数値と異なっております。

*4 従業員が出張等、業務における従業員の移動の際に使用する交通機関から排出される排出量であります。

*5 従業員の工場・事業所への通勤時に使用する交通機関から排出される排出量であります。

*6 CNGトラックから環境対応車両や共同配送等への切替を順次行っているため、保有台数が減少しております。

*7 東京・埼玉・名古屋・大阪・広島・福岡

 

 

②人的資本・多様性に対する取組

 各取組に対して課題を認識し、各数値目標を設定しております。

 なお、当社グループ各社の業容や規模は様々であり、連結全体での記載が困難であることから、当社及び国内子会社における実績と目標を記載しております。

<課題と各数値目標>

課題

指標

2025年3月期(実績)

2027年3月期(目標)

人材の確保・育成

運転者採用人数

14,200人

15,000人

離職率(集配者/運行者)

8.9%/8.5%

4.0%/4.0%

eラーニング参加時間

1,772時間

27,000時間

管理職研修受講者数

300人

1,000人

キャリア採用人数

2人

20人

社内環境整備

運転者年間休日取得率

56.0%

100.0%

運転者の平均月間残業時間

55時間

50時間

従業員エンゲージメント調査回数

-回

年6回実施

多様性の取組

女性管理職比率

5.6%(211人)

11.0%(400人)

女性ドライバー数

247人

400人

シルバー人材活用数

142人

300人

外国人特定技能人材の採用人数

27人

65人

*1 「シルバー人材」は65歳以上の正社員及び契約社員であります。

*2 「キャリア採用」は即戦力の中途採用(専門職・管理職)であります。

*3 「エンゲージメント調査」は社内システムを用いた満足度・意識調査であります。

*4 「外国人特定技能人材」を採用する職種は車両整備士と運転者を対象としています。