2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    962名(単体) 5,262名(連結)
  • 平均年齢
    38.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.4年(単体)
  • 平均年収
    14,504,365円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    18.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループでは、事業の持続的成長及び環境変化への適応力強化に向け、事業の成長や変革をリードするとともに、変化に柔軟に対応できる人材の確保・育成に取り組んでいます。また、安全で最適なサービスの提供を行うため、事業に関わる個人が常に心身の健康を維持し、多様な価値観をもった社員がその能力を最大限に発揮できる労働環境の整備に努めています。

 

 人材の確保については、新卒採用に加え通年でのキャリア採用を実施しており、採用に際しては、国籍、学歴、性別等にかかわらず、多様な価値観を有する人材の確保に努めています。

 

 人材の育成については、モラル及びコンプライアンス重視の風土を大切にしながら、「事業の持続的成長・変革をリードしていく人材」及び「事業環境の変化に柔軟に対応できる人材」の育成を目的として、階層別研修に加え、海運実務研修、乗船研修、会計・財務研修、マネジメント研修、DX研修等の各種研修プログラムを実施しています。また、全世界のグループ従業員を対象とした集合研修である“K” LINE UNIVERSITYを通じて、海外現地法人スタッフとの一体感の醸成にも取り組んでいます。

 

 労働環境の面では、法令を上回る育児・介護休業制度や独自の休暇制度を整備することで、性別にかかわらず従業員の育児参加を支援し、介護に直面する従業員が安心して働けるような環境の整備に努めています。また、心身の健康を保つため、過重労働の防止や休暇取得の推進にも取り組んでいます。加えて、社内外にハラスメント相談窓口を設け、プライバシーに配慮した相談体制を構築するとともに、役職員向けのハラスメント防止セミナーを継続的に実施しています。

 

 また、当社の従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針については、事業の持続的成長及び環境変化への適応力強化という経営戦略のもと、その実現を担う、成長・変革をリードしつつ変化に柔軟に対応できる人材の確保・育成を目的として定めています。具体的には、当該人材の安定的な確保の観点から、外部労働市場水準、物価・経済動向及び当社の経営状況等を総合的に勘案して報酬水準を決定しています。加えて、かかる人材の確保・育成の観点から、役割及び成果に応じた処遇を基本とし、賞与については当社業績を主要な基礎として位置付け、その動向を反映する形で所定の手続きに基づき決定するとともに、個人の業績評価も反映し、業績向上に資するインセンティブとして機能する仕組みとしています。

 

(2)【従業員の状況】

 ① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

ドライバルク

190

(5)

エネルギー資源

222

(5)

製品物流

3,702

(392)

その他

644

(58)

全社(共通)

504

(46)

合計

5,262

(506)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は、年間平均雇用人員数を( )外数で記載しています。

    2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。

 

 ② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

962

(59)

38.0

13.4

14,504,365

18.6

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ドライバルク

109

(5)

エネルギー資源

162

(5)

製品物流

187

(3)

全社(共通)

504

(46)

合計

962

(59)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(嘱託、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、年間平均雇用人員数を( )外数で記載しています。

    2.平均年間給与は、賞与及び時間外手当等を含んでいます。

    3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。

 

 ③ 労働組合の状況

当社(川崎汽船㈱)において、陸上従業員の労働組合は川崎汽船労働組合と称しています。上部団体には加盟していません。海上従業員は全日本海員組合に加入しており、労働条件に関する基本的事項の交渉は、同組合と当社(川崎汽船㈱)の所属している船主団体「日本船主協会外航労務部会」との間で行われています。

 

 ④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の

   額の差異

ア 提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の

割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業

取得率(%)

 

   (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.(注)3.

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期

労働者

9.2

82.2

65.7

67.4

61.5

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

     当社では2004年から女性の総合職採用を本格的に開始しています。職場におけるジェンダーバランスの強化に向けて「女性活躍推進及び次世代育成支援のための行動計画」を策定するなど、多様性の更なる促進に取り組んでいます。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

  当社では男性の育児参加への機会促進のため、育児休業と別に当社独自の育児目的休暇である「配偶者出産休暇」・「父親のための育児休暇」を導入しており、従業員のワーク・ライフ・バランスを支援しています。

    3.以下は男女の賃金の額の差異に関する補足説明になります。

            <全労働者>

      当社では性別を理由とした、賃金の額に関する不利益な取扱いを行っておらず、全ての従業員が働き甲斐を

      持っていきいきと働ける企業となることを目指しています。

      なお、全労働者に対する人数比率は、正規雇用労働者:94.6%、パート・有期労働者:5.4%です。

 

      <正規雇用労働者>

      当社では2004年から女性の総合職採用を本格的に開始しているため、平均勤続年数の差異により男女の賃金

      の額に差異が発生していますが、女性の採用を拡大し、性別にかかわらず活躍できる配置に取り組んでいま

      す。

      正規雇用労働者のコース別の賃金の額の差異・平均勤続年数・人数比率は以下のとおりです。

 

男女の賃金の額の差異(%)

平均勤続年数(年)

人数の比率(%)

男性

女性

(正規雇用労働者計に対する比率)

陸上従業員

Gコース(総合職)※1/ EKコース(地域総合職)

71.3

14.1

8.6

65.5

Sコース(一般職)※2

20.9

7.9

海上従業員

62.8

12.5

4.2

26.6

※1.Gコースは陸上勤務中の海上従業員も含む

※2.Sコースは女性のみ

 

      <パート・有期労働者>

      主に定年再雇用ですが、定年退職時のコースに応じた処遇となるため、男女の賃金の額に差異が発生してい

      ます。

 

イ 連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の

育児休業取得率

  (%)

 

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

ケイラインロジスティックス㈱

21.9

33.3

74.6

71.8

72.7

㈱ダイトーコーポレーション

15.0

94.7

80.8

82.3

74.9

日東物流㈱

9.8

100.0

79.8

82.6

89.8

川崎近海汽船㈱

100.0

61.7

65.1

53.9

㈱ケイラインビジネスシステムズ

22.7

85.9

84.1

109.4

ケイラインローローバルクシップマネージメント㈱

3.0

133.0

47.7

56.9

17.5

㈱シーゲートコーポレーション

7.5

100.0

84.4

85.8

56.3

北海運輸㈱

6.5

100.0

65.0

63.3

62.8

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)基本的な考え方

当社グループは、海運業を主軸とする物流企業として、人々の豊かな暮らしに貢献し、全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、グローバル社会のインフラを支えることで持続的成長と企業価値向上を目指しています。企業理念とビジョンを実現し、人々の生活や経済を支えるインフラとしての使命を果たしていくために、サステナビリティ(環境・社会・経済の持続可能性)の視点を経営の重要な課題としています。当社グループは、中期経営計画に基づいて持続的成長や企業価値向上を果たしつつ、社会課題の解決にも貢献するために取り組むべき重要課題として特定した「マテリアリティ」を軸として、サステナビリティ経営を推進しています。

 

(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス

グローバルな価値観や行動様式の変容が加速し、地球温暖化による環境負荷の低減に対する意識が高まるなか、当社グループは、サステナビリティ経営を中長期的な企業価値向上の実現に向けた重要課題の一つとして捉え、取締役会において継続的に議論しています。

当社グループは当連結会計年度まで、代表執行役社長を委員長とする「サステナビリティ経営推進委員会」及び「GHG削減戦略委員会」を設置し、当社グループのサステナビリティ経営方針、推進体制や、燃料転換を主体としたGHG削減戦略の審議・策定を通じて、企業価値向上を図ってまいりました。

当該連結会計年度におけるサステナビリティ全般に関するガバナンス体制図や、各委員会での討議内容は以下のとおりです。

 

(当連結会計年度までのガバナンス体制)

 

 

(2025年度委員会開催実績)

委員会

開催月

主な議題

サステナビリティ経営推進委員会

(全2回)

7月

・「購買方針」及び「サプライチェーンにおけるCSRガイドライン」改正の件

・“K”LINE環境ビジョン2050環境目標改訂

・環境規制関連アップデート(IMO中期対策、EU-ETS/FuelEU Maritime社内体制構築)

・マテリアリティに関するKPI 2024年度実績及び2025年度目標

12月

・“K”LINE環境ビジョン2050環境目標改訂

・IMO海洋環境保護委員会臨時会合、IMO第20回GHG排出削減中間作業部会結果報告

・SSBJ基準に基づくサステナビリティ情報開示義務化に向けた対応進捗報告

・サステナブル調達対応進捗報告

・投資評価に適用するインターナルカーボンプライシング価格設定

サステナビリティ専門委員会

(全2回)

6月

2025年7月開催のサステナビリティ経営推進委員会と同じ

12月

2025年12月開催のサステナビリティ経営推進委員会と同じ

環境専門委員会

(全1回)

12月

・環境マネジメントシステム(EMS)内部監査結果

・環境マネジメントシステムマネジメントレビュー

・環境負荷推移報告(当社運航船のCO2排出効率推移)

・環境負荷推移報告(国内外グループCO2排出総量推移)

・社会貢献活動報告

・MEPC83臨時会合概要と今後の見通し

・EU-ETS進捗状況及びFuelEU Maritimeセットアップ(報告)

・“K”LINE環境ビジョン2050環境目標改訂

GHG削減戦略委員会

(経営会議/機能戦略会議)

※環境・技術戦略グループ

(2025年3月設置)主管

(全5回)

7月~2月

・脱炭素動向

・低炭素/脱炭素化を機会とする当社の成長戦略

・環境技術戦略

・低炭素/脱炭素化の推進体制の再構築

 

なお、サステナビリティ経営の更なる推進のため、2026年4月からサステナビリティ全般に関するガバナンス体制を再編し、これら2つの委員会に代わって「サステナビリティ経営推進会議」と「環境・技術会議」を設置する体制に変更しています。これら二つの会議体は、同じく2026年4月より新たに設置された「ジオエコノミクス会議」及び「デジタル会議」とともに、事業戦略と機能戦略をより統合した形で効率的に推進するために、機能戦略の推進を担う主管グループの補完的機関となる「統合戦略会議体」として設置されたものです。「統合戦略会議体」は、外部環境を継続的・網羅的に把握したうえで、当社が持つ知見を踏まえた戦略上の論点、選択肢、優先順位及び実行上の留意点等を整理する役割を担っています。

「サステナビリティ経営推進会議」は、議長である代表執行役専務のもと、当社グループが特定しているマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)の各課題に対する管掌部門の担当役員及び事業部門の担当役員で構成されており、当社グループのサステナビリティ経営の推進に関する中長期的な方針、戦略及び重要施策の立案又は見直しを行う役割を担っています。

また、「環境・技術会議」は、従来の「GHG削減戦略委員会」の役割を発展させ、環境・技術分野全般に関する戦略及び施策の短期・中期・長期それぞれの立案、並びに前提条件の定期的な見直しも行い、必要に応じて戦略・施策の更新や追加対応の方向性を整理する役割を担っています。

 

(2026年4月以降の体制図)

 

(3)サステナビリティ全般に関するリスク管理

当社はサステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、管理するための過程の一環として、必要に応じてマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)の見直しを行っています。

直近に実施した2022年度の見直しでは、新たに5分野、12項目のマテリアリティを特定しました。

マテリアリティの特定に際しては、ISO26000やOECD多国籍企業行動指針など、主として CSR(企業の社会的責任)に関連する各種ガイダンスを参考に、SDGsなどで掲げられる社会課題を考慮しつつ、事業戦略との整合性や価値創造の観点なども加味して、「自社にとっての重要性」(ビジネス視点での重要性)と「社会にとっての重要性」(ステークホルダー視点での重要性)という2軸から、マテリアリティの分析・評価を行いました。

 

 

マテリアリティ分析のステップ

Step1 社会課題リストの作成

    ・SDGsなどを中心に社会課題をリストアップ(社会課題のロングリスト作成:全115項目)

    ・自社事業との関連性並びに海運特有の社会課題を加味して社会課題の絞り込みを実施(社会課題のショートリスト作成:全50項目)

 

Step2 社会課題の評価(自社にとっての重要性評価、社会にとっての重要性評価)

    ・Step1で絞り込まれた全50項目の社会課題に対して、以下の観点でその重要性評価を実施

     – 自社にとっての重要性

    ・各社会課題について、リスクと機会の観点から自社の企業価値への影響度を評価。当社グループ役職員へのアンケートも実施し、当社グループが優先的に対処すべき社会課題について意見を聴取

     – 社会にとっての重要性

    ・各社会課題について、当社グループにとって重要なステークホルダー(顧客、投資家、従業員、地域社会、国際社会)に与える影響度を、それぞれのステークホルダーの立場に立脚して分析

 

Step3 マテリアリティの特定

    ・Step2において、自社、ステークホルダーそれぞれに対して重要性の高い項目を、自社の企業価値への影響度が高い社会課題と位置付け、さらにこれらを「社会課題解決へのアクション」として全12項目に集約し、マテリアリティ案を作成

    ・外部有識者と当社経営陣によるダイアログを実施し、マテリアリティ案について意見交換

    ・ダイアログを踏まえて最終化されたマテリアリティ案を、サステナビリティ経営推進委員会で討議し、経営会議での協議を経て、取締役会に報告

 

(4)マテリアリティ

当社グループはマテリアリティを、中期経営計画に基づいて企業理念やビジョンを実現するために取り組むべき重要課題と位置付けています。当社が特定したマテリアリティ12項目は、中期経営計画で掲げる機能戦略の4本柱である「安全・品質」「環境・技術」「デジタライゼーション推進」「人材」と、それらの土台としての「経営基盤」の5分野に分類して整理されています。

 

 

分野

社会課題解決へのアクション

=マテリアリティ

基本方針

経営基盤

人権の尊重

グループの事業活動に関わる全てのステークホルダーの人権尊重に向けた取組みを推進する。

コーポレートガバナンスの強化

企業の社会的責任を果たし、株主等ステークホルダーの負託に応え、持続的に成長していくために、グループ全体に企業倫理を徹底しつつ、有機的かつ効果的なガバナンスの仕組みを構築し、収益・財務体質の強化と相まって企業価値を高めるよう継続して努力していく。

コンプライアンスの推進・強化

国内外の法令や社会規範を遵守し、公正、透明、自由な競争及び適正かつ誠実な取引を行う。

安全・品質

安全運航の推進

船舶の安全運航及び乗組員と貨物の安全確保に最優先課題として取り組むとともに、顧客を第一に考えた、より高品質で安全かつ最適なサービスの提供に努める。

 

 

環境・技術

自社の低炭素化・脱炭素化

グループ方針である2050年GHG排出ネットゼロに向けて、サプライチェーン全体で環境負荷の低減活動を推進し、地球規模の脱炭素社会の構築に貢献する。

社会の低炭素化・脱炭素化支援

自社からの海洋・大気への環境影響の限りないゼロ化

事業活動におけるあらゆる環境リスクを考慮し、その対策に取り組むとともに、生物多様性の保全と持続可能な社会の実現への取組みを推進する。

イノベーションの促進

低炭素・脱炭素社会の構築に取り組むため、安全・環境・品質面でのイノベーションの追求に取り組む。

デジタライゼーションの推進

DX対応の強化

情報・業務プロセス及び船舶のデジタライゼーションを一層進め、データやデジタル技術の活用により、安全・環境・品質のコアバリューを磨き上げ、競争力の源泉として付加価値を向上する。

人材

ダイバーシティ&

インクルージョンの促進

多様性を「競争力の源泉」と位置付け、国籍、大学、学部、性別、職種(事務系・技術系)を問わない一括採用・キャリア採用を実施している。また、それによって生み出される価値観の多様性も尊重している。さらに、男性の育児参加を促進するとともに、“K”LINE UNIVERSITYを通じた海外現法スタッフとの一体感の醸成・融合など多様性の更なる促進に取り組んでいる。

労働環境の整備・

健康経営の促進

グループ従業員の人格、個性及び多様性を尊重し、安全で働きやすい職場環境の整備・向上を図るとともに、ゆとりと豊かさの実現を目指して、育児介護休業制度、コンプライアンス相談窓口の設置、過重労働対策、ストレスチェック、メンタルヘルスセミナーの実施などの施策に取り組んでいる。

人材の確保・育成

社会的価値及び経済的価値の向上に向けて各事業ポートフォリオの需要に応じた人材の量的・質的な確保・育成に取り組んでいる。新卒採用に加えて通年でのキャリア採用も実施しており、「事業の持続的成長・変革をリードしていく人材」、「事業環境変化に柔軟に対応できる人材」の育成を目的に多様な研修プログラムを実施している。

 

 

(5)重要分野への対応

当社グループは、マテリアリティの中でも「環境・技術」や「人材」を特に重要な分野として捉えています。

これらの分野に関する具体的な方針や対応は以下のとおりです。

 

  ①気候変動への対応(自社の低炭素化・脱炭素化、社会の低炭素化・脱炭素化支援)

   「TCFDフレームワークに基づく情報開示」

   a)考え方

     当社グループは、地球規模での気候変動対策を国際社会全体で強化すべき課題として捉え、「2050年GHG排出ネットゼロへの挑戦」を2021年11月に宣言しました。また、2022年5月公表の中期経営計画における長期ビジョンとして、持続的成長と企業価値向上に向けて、自社・社会のスムーズなエネルギー転換にコミットし、低炭素・脱炭素社会の実現に向けた活動を推進しています。2024年8月には、刻々と変化する最新の状況を踏まえ、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が提言するシナリオ分析を見直すとともに、そこで特定された「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目における気候変動リスクと機会に関する財務インパクトの試算を実施し、開示内容を拡充しています。

 

   b)ガバナンス

     「(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス」をご参照ください。

 

   c)リスクと機会

     社内へのサーベイ調査、関連部門へのインタビューを基に気候変動によるリスク・機会項目の発現可能性、発現時期、財務インパクトを整理し、当社事業への重要度を分析しました。そのうえで、各リスク・機会項目に対して、事業への影響に対する考察・対応策を整理しました。

 

 

   気候変動という長期にわたる不確実な課題に対する経営戦略の持続可能性・強靱性を評価する観点から、「2.4℃シナリオ」、「1.7℃シナリオ」、「1.4℃シナリオ(財務インパクト評価:1.5℃以下シナリオ)」の3つのシナリオを想定し、気候変動によるリスク・機会項目が実際に起こったと仮定して、財務への定量的な影響を把握、対応策を検討しています。また、物理的リスクにおいては、2.4℃よりも温度上昇の高いシナリオ(3.0 ℃以上、RCP8.5相当)を想定してリスク分析を行っています。

 (財務インパクト評価の結果)

  どのシナリオにおいても、低炭素・脱炭素化に向けた取組みを行わなければ、当社へのマイナスインパクトが長期にかけて発生し続けることをあらためて再認識しました。また、当社事業を持続的に発展させ、人々の豊かな暮らしに貢献し続けるためには、どのシナリオにおいても当社の自助努力にもかかわらず、カバーできない低炭素・脱炭素施策におけるコスト増加を、収入への反映を通して社会全体で負担する必要があると定量的なインパクトとしても認識することとなりました。

 

 

 なお、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムの運用により、環境マネジメントシステム関係者による各部門・グループ会社におけるリスクと機会の抽出・評価を年一回実施、認識されたリスクと機会への対応については、サステナビリティ経営推進会議において方針、戦略、施策の立案又は見直しが行われ、経営会議において審議されます。

 

   d)指標と目標

 2030年に向けては、これまで「“K”LINE 環境ビジョン2050」で掲げてきた中期マイルストーンの目標達成に向けて、アクションプランを着実に推進、2050年の目標としては、GHG排出ネットゼロに挑戦していきます。

 

 

   e)戦略と取組み

 2050年GHG排出ネットゼロに挑戦する過程において、まずは2030年中期マイルストーン達成に向けた取組みとして、自社の低炭素・脱炭素化という観点から、LNG燃料船、LPG燃料船、アンモニア/水素燃料等ゼロエミッションの新燃料船への転換を進めていきます。また自動カイトシステム「Seawing(風力推進)」や統合船舶運航・性能管理システム「K-IMS」などの活用によるCO2排出削減の取組みも推進していきます。

 

 

 当社グループの気候変動に対する具体的な取組みにつきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。

 「サステナビリティ」>「環境」>「気候変動への対応」>「戦略と取組み」

  https://www.kline.co.jp/ja/sustainability/environment/climate_change.html#005

 

   f)温室効果ガス排出実績

 

  (目標に対する進捗)

 

2008年(基準年)

2025年

基準年比改善率

CO2排出効率

7.21g-CO2/トンマイル

4.13g-CO2/トンマイル

43%

CO2排出総量

1,368万トン

684万トン*

50%

* スコープ1とスコープ2(Market Base)の合計

 

2025年における当社グループの事業に伴う温室効果ガスの排出量(GHG Protocolによる算定・報告の基準による)は、スコープ1(化石燃料の使用に伴う直接的な排出)6,835,473トン、スコープ2(供給を受けた電力等による間接的な排出)4,656トン、スコープ3(スコープ1・2を除くその他の間接的排出)4,593,911トン、バイオ燃料使用に伴う温室効果ガスの排出量は46,808トンという結果となりました。

 

   (スコープ別排出量一覧)

カテゴリ

GHG排出量(ton)

スコープ1

6,835,473

スコープ2 *Location Base

10,261

スコープ2 *Market Base

4,656

スコープ3

4,593,911

<スコープ3の内訳>

購入した物品・サービス

62,405

資本財

42,078

燃料・エネルギー関連

411,172

事業から発生する廃棄物

1,839

出張

673

従業員の通勤

2,435

13

下流のリース資産

446

15

投資

4,072,864

Outside of scopes(バイオ燃料使用に伴うGHG排出量)                46,808

 

  ②生物多様性保全への対応(自社からの海洋・大気への環境影響の限りないゼロ化)

「TNFDフレームワークに基づく情報開示」

   a)考え方

     当社グループの事業は、海洋を主とした自然資本に依存する事業であり、気候変動問題のみならず、海洋を中心とした生物多様性保全への取組みは、当社の事業活動において重要なテーマの一つと捉えています。

        当社は、TNFDフレームワークに基づく情報開示の一環として、当社事業における環境リスクや自然関連の影響を評価、適切な対応の検討を目的にTNFDが提唱するLEAPアプローチを導入しました。

       気候変動と自然資本の包括的な理解のもと、リスク・機会管理の強化を目指し、持続可能な未来の構築に向けて、今後も継続的な評価・分析及び情報開示を実施していきます。

 

   b)ガバナンス

「(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス」をご参照ください。

 

 

   c)戦略、リスクと影響の管理、指標と目標

 当社運航船の航路・寄港頻度の多寡などをベースに各事業拠点及び操業箇所の重点エリアの選定を実施。併せて、生物多様性の重要性が高い海域を「UN Biodiversity Lab」を用いて特定、更に双方を照らし合わせて、当社事業活動がより多くの自然との接点を持つ優先地域を特定した各地域において、当社事業に関わる自然関連の依存度・影響度について評価し、事業リスクを特定した結果、全ての優先地域に該当する「油濁汚染」「大気への影響」「海洋生物の移動」「哺乳類への影響」の4つを重点分野として集約・特定しました。それぞれのリスクに対する対応の詳細や目標と指標については以下となります。

 

(LEAPアプローチにより当社事業の関連リスクとして特定された4つの重点分野と、その対応及び目標・指標)

 

 

   生物多様性保全への対応の詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。

   「サステナビリティ」>「環境」>「自社からの海洋・大気への環境影響低減」>「考え方」>「TNFDフレーム

   ワークに基づく情報開示」

   https://www.kline.co.jp/ja/sustainability/environment/impact_mitigation.html#001

 

   なお、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムの運用により、環境マネジメントシステム関係者による各部門・グループ会社におけるリスクと機会の抽出・評価を年一回実施、認識されたリスクと機会への対応については、サステナビリティ経営推進会議において方針、戦略、施策の立案又は見直しが行われ、経営会議において審議されます。

 

  ③人的資本多様性(ダイバーシティ&インクルージョンの促進、労働環境の整備・健康経営の促進、人材の確保・育成)

   a)人材育成方針・社内環境整備方針

     「第4提出会社の状況 5従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」をご参照ください。

 

   b)指標と目標

     当社では、仕事と家庭の両立を図りながら、全ての従業員が能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を目的として、「女性活躍推進及び次世代育成支援のための行動計画(計画期間:2025年4月1日~2027年3月31日)」を策定し、以下の目標を設定しています。

    ① 計画期間末迄に管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合を15%とする。

    ② 一人当たりの月平均法定残業時間を30時間未満とする。

    ③ 男性社員の育児のための休暇・休業取得率を50%以上とする。

    ④ 年次有給休暇と企業独自の法定外休暇(年度内に7日間を限度)を合わせた取得日数を12日以上とする。

 

     なお、連結子会社については各社状況に応じた目標設定を行っています。

 

   c)目標の進捗状況

     2026年3月末時点における目標の進捗状況について、①管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合と③男性労働者の育児休業取得率は、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異 ア 提出会社」をご参照ください。また、②一人当たりの月平均法定残業時間は6.9時間、④年次有給休暇と企業独自の法定外休暇(年度内に7日間を限度)を合わせた取得日数は15.4日です。

 

   なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。