事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 13,807 | 100.0 | -368 | 100.0 | -2.7 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は「世界を照らす。」という経営理念を掲げ、「一人ひとりが商売を生み出し、拡大させ、経済を回すこと」、そして「人財自らも成長して輝き、世界を照らしていくこと」を目指して事業を展開しております。当社が持つマーケティング力によって、特に「まだ照らされていない商品やサービス」に光を照らしていきたいと考えております。
(1) 事業概要
当社は、レベニューシェア型の報酬体系(詳細は下記参照)にて顧客企業のマーケティング支援を行う、シェアリング型統合マーケティング事業を展開しております。主に化粧品、日用品、機能性表示食品等のインターネット通販会社、及び美容サロンや金融サービス等を展開する企業に対し、インターネットを通じた売上拡大を支援しております。
従来のマーケティング支援会社は主に予算型の報酬体系を採用しており(以下、「予算型マーケティング支援会社」といいます。)、同社に依頼する場合、顧客企業はその効果を十分に見通せないまま、事前に多額の予算を確保する必要があります。また、期待した効果が出ない場合、顧客企業におけるユーザー獲得コスト(CPA)(※1)は上昇することとなります。さらに、予算型マーケティング支援会社の場合、事前に決められたマーケティング予算の範囲内での支援となるため、実施できるマーケティング施策の量には限りがあります。
一方、当社の場合、顧客企業から初期費用やコンサルティング料を受領せず、新規ユーザーの獲得など実際に当社が実現したマーケティング効果に応じて報酬を頂く、レベニューシェア型の報酬体系を採用しております。
当社は、このような報酬体系を採用することにより、予算が限られた中小・中堅企業を含めて幅広い顧客企業を支援することが可能です。また、顧客企業は、事前にユーザー獲得コスト(CPA)を確定することができるため、収益の見通しが立ちやすくなります。さらに、当社のマーケティング支援に基づき顧客企業が新規ユーザーの獲得等のマーケティング効果を発揮するほど当社の売上高も増えていくことから、当社は効果のある施策を次々に実施することができ、様々な顧客企業の売上拡大に貢献しております。
当社は、マーケティング戦略の構築、広告制作、広告運用などの一連のマーケティング支援機能のほぼ全てを内製化しております。これにより、マーケティング戦略から施策実行までを一貫させるとともに、大量のA/Bテスト(※2)を行い、仮説構築・実行・検証・改善を高速で行うこと(高速PDCA)が可能となり、マーケティング効果を最大化しております。また、大量のデータやノウハウを全て社内に蓄積することで、マーケティング力を継続的に進化させています。
このように、当社は、レベニューシェア型の報酬体系により顧客企業が事前にユーザー獲得コスト(CPA)を確定できること、また支援機能を内製化しており一気通貫でマーケティング支援を提供できる等の特徴を持つ、独自のビジネスモデルを有しております。当社は、このような独自のビジネスモデルにより、顧客企業における売上拡大とマーケティング費用の抑制を両立し、顧客企業と当社が共に成長できる顧客本位のサービスを展開してまいります。
なお、当社はシェアリング型統合マーケティング事業の単一セグメントであります。また、事業の内容に関しましては、章末に「用語集」として用語の解説を記載しております。
(2) サービスの流れと報酬体系
当社はまず、当社が独自に蓄積しているマーケティング関連データ等に基づき、商材に関するマーケティング戦略を検討し、当該戦略に基づき広告を制作の上、当社の費用負担にてLINEやYahoo!などのウェブメディア(広告媒体)に広告を出稿していきます。そして、当社は、新規ユーザーを獲得した後、その数と、予め顧客企業と合意した新規ユーザー獲得当たりの報酬単価(レベニューシェア単価)を乗じて計算されるレベニューシェア額を顧客企業から受領します。
(3) 主な顧客対象企業とターゲット市場
当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用しているため、潤沢なマーケティング予算を確保しにくい中小・中堅企業を含め、企業規模を問わずマーケティングDX支援が可能です。特に、魅力的な商品やサービスを持ちながらもCMO(Chief Marketing Officer)が不在である等、デジタルでのマーケティングノウハウを持たない企業を支援し、その商品やサービスのポテンシャルを最大限引き出すことを強みとしています。当社は幅広い分野・領域の商品やサービスについてマーケティング支援を行っておりますが、本書提出日現在においては、化粧品、日用品、機能性表示食品等のインターネット通販、並びに美容サロンや金融サービス等を中心に支援しております。
当社は、独自のビジネスモデルを軸に、マーケティングDX支援への顕在化されたニーズを取り込んでおります。加えて、従来のマーケティング支援会社のビジネスモデルでは捉えきれなかった潜在的なニーズを掘り起こし、EC化率向上や国内消費者市場そのものの拡大を図っていきます。
なお、広告主との仲介を行う広告代理店経由の取引が主であり、一部広告主と直取引を行っております。
(4) 商材パイプラインと商材選定
当社は独自のビジネスモデルと豊富なマーケティング支援実績を有することから、顧客企業や広告代理店等から多数のお問い合わせを頂いております。これまで支援を行った主な商材は、化粧品、ヘアケア・日用品、機能性表示食品などのインターネット通販、美容サロン等の店舗事業、金融サービスなど多岐に亘ります。
当社は、このような多数のパイプラインの中から、当社が独自に蓄積した過去のマーケティング関連データ等に基づく独自の選定メカニズムにより、売上拡大余地が大きい商材を選定します。商材選定にあたっては、実際にマーケティング施策を実行するテストマーケティングがプロセスに含まれております。テストマーケティングでは数十万円~100万円程度の広告宣伝費を投下しますが、これにより本運用前に商材の売上拡大余地とマーケティング戦略における仮説を高精度で検証することができます。
(5) マーケティング戦略構築と施策の実施
当社は、これまでに蓄積したマーケティング関連データや最新の消費トレンド、市場調査等を踏まえ、商材における消費者への訴求ポイント(USP)(※3)、利用する広告媒体や配信面の選択を含むウェブにおける広告戦略を検討します。また、当社は顧客企業に対し、ユーザーの動線や訴求ポイントを含めて顧客ランディングページ(LP)(※4)についても改善提案を行います。
その上で、当社内で当該戦略に基づく広告を制作し、当社の費用負担にてウェブメディア(広告媒体)に広告を出稿します。
当社はレベニューシェア型の報酬体系であり当社の裁量で広告宣伝費を設定することができるため、当社のマーケティング支援に基づき顧客企業が新規ユーザーの獲得等のマーケティング効果を発揮するほど当社も売上高を増やせることから、当社は効果のある施策を次々に実施することができます。また、当社は、社内に多数のマーケターやクリエイターを抱えており、マーケティング支援機能のほとんどを内製化しております。そのため、マーケティング施策における高速PDCAが可能であり、一定の獲得コストの中でより多くの新規ユーザーを獲得できるよう、マーケティング効果を最大化していきます。さらに、当社は、独自のビジネスモデルを構築する上で、マーケター各々が、高く設定した目標から逆算して課題を徹底的に洗い出し、その解決に向けて全力で行動する等の行動指針を浸透させております。
(6) 主に利用する広告媒体、マーケティング手法
当社は顧客企業の商品やサービス(商材)の特性に応じて、LINE、Yahoo!、Pangle、Google、Facebook等のウェブメディア(広告媒体)の中から適切な配信面やターゲットを選択し、広告を配信しています。これらの広告媒体におけるディスプレイ広告(※5)、リスティング広告(検索連動型広告)(※6)等のインターネット広告を活用しています。
当社は特にディスプレイ広告の活用に強みを持っております。ディスプレイ広告は、まだ課題に気づいていない、或いは具体的な行動には至っていないユーザー(潜在層)に訴求し、ニーズを掘り起こすことができる広告です。リスティング広告との比較では、コンバージョン率(CVR)(※7)は低いものの、インプレッション数(※8)が多く広告のクリック単価が安いこと、画像や動画等で視覚的に訴求できること等から、適切に運用すれば低いユーザー獲得コスト(CPA)で多くの新規ユーザーを獲得することが可能です。
当社は、LINEやYahoo!等のウェブメディアを通じてディスプレイ広告を配信し、当社制作の広告ページを経て、顧客LPにユーザーを誘導します。ディスプレイ広告にて、ユーザーの興味を適切に誘引し、当社制作の広告ページにて支援対象となる商材の魅力をストーリーを交えて伝え、そして顧客LPにてユーザーに購買や申し込み等を促すことで、顧客企業の新規ユーザーを獲得しております。当社はCookieを利用した広告のリターゲティング機能(※9)には頼らず、知名度の低い商品やサービスであっても、その場で魅力を訴求して購買に至るダイレクトマーケティング(※10)に強みを持っております。
(7) 広告審査体制
当社は、独自の広告審査体制を設けております。社内担当者のチェックに加えて、外部の弁護士や専門機関のレビューも受けることで、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)や医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」という。)等の広告関連法令の遵守はもちろん、一般の消費者から見て誤認を招くことがないか等を広告配信前に確認する体制を構築しております。
(8) 広告運用体制と収益管理
当社は、広告媒体への広告出稿額(広告宣伝費)に対して、顧客企業から受領したレベニューシェア額(売上高)の比率として算出されるROAS(※11)、及び売上高から広告宣伝費を控除して算出される広告利益(※12)を収益指標として管理しております。
当社は、広告運用において、一定水準以上のROASを維持するよう、商品や広告媒体、広告キャンペーン(※13)毎にタイムリーにモニタリングを行い、広告出稿額の調整等を行っております。広告出稿額を増やすと、メインターゲットからやや外れたユーザーにも広告が配信される等の要因により,基本的にコンバージョン率(CVR)は下落し、ROASは低下する傾向にあります。ROASが低下した局面では、当社独自の判断で広告出稿額を縮小することで利益率の低下を防ぎます。一方、高いROASを維持できる場合には、広告出稿額を増やし広告のインプレッション数を増やすことでより多くのユーザーを獲得し、広告利益の拡大を図ります。当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用しているため、当社独自の判断で広告出稿額を大幅に増やすことが可能であることから、当社の高い売上グロース力の一因になっております。
また、様々なデータによりマーケティング効果を測定・分析しながら、商材の訴求ポイントや広告に使用するコピーライトや画像等のクリエイティブ、広告の配信方法等について高速PDCAを繰り返し、マーケティング施策を継続的に更新・改善することで、ROASの維持・向上、及び広告利益の最大化を図っております。
(9) 商材と社内リソースのポートフォリオ管理
当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用しているため、基本的に当社にて新規商材に関する支援開始、支援の規模や期間、及び取り扱い中止について判断・決定することができます。そのため、新規商材の取り扱いにおいては、当社にて、過去のマーケティング関連データ等に基づき売上の拡大余地を分析し、支援の開始・継続の可否や優先度を決定しております。また、消費者トレンドの変化や商品ライフサイクル等により、売上の拡大余地に限りがあると判断された商材については、当社の判断で支援の規模を縮小又は中止することができます。
また、売上の拡大余地が大きい商材に社内リソース(マーケターの工数や外注費等)を再配置していくことで、その商材の売上をより伸ばしていく戦略を採用しております。一定の広告媒体や配信面で売上を伸ばした商材について、社内リソースを追加投入し、その“勝ちパターン”を他の広告媒体や配信面にも展開していくことで、売上の拡大余地が大きい商材の売上高をより拡大し、当社の売上高や広告利益も拡大していきます。
<用語集>
用語 |
説明 |
※1 CPA(Cost per Acquisition) |
顧客獲得単価。1ユーザーを獲得するために要した費用 |
※2 A/Bテスト |
広告のコピーライトやクリエイティブ(画像・動画)などを複数パターン制作・配信し、マーケティング効果を比較・検証すること |
※3 USP(Unique Selling Proposition) |
競合商品などと比較した際の、商品やサービスが持っている独自の強み、提供価値 |
※4 顧客LP(Landing Page) |
顧客企業が制作する商品購買ページやサービスページ |
※5 ディスプレイ広告 |
WEBサイトやアプリの広告枠に表示される画像広告、動画広告、テキスト広告のこと |
※6 リスティング広告(検索連動型広告) |
GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト広告 |
※7 CVR(Conversion Rate) |
顧客ランディングページに訪問したユーザーのうち購買に至ったユーザーの比率 |
※8 インプレッション数 |
広告が表示された回数 |
※9 リターゲティング機能 |
過去にWebサイトを訪れたことのあるユーザーに対して、再度同様の広告を表示させる機能 |
※10 ダイレクトマーケティング |
初めて広告やWebサイトを訪問したユーザーにその場で商品やサービスの魅力を訴求し、購入や申し込みを行うことを企図したマーケティング手法 |
※11 ROAS(Return on Advertising Spend) |
投資した広告費に対して得られるレベニューシェア額の比率であり、当社の収益性を表す。計算式は下記の通り レベニューシェア額(売上高)÷広告出稿額(広告宣伝費(売上原価)) |
※12 広告利益 |
レベニューシェア額から、それを受領するために投資した広告費を差し引いた額で、収益の絶対額を表す。計算式は下記の通り レベニューシェア額(売上高) - 広告出稿額(広告宣伝費(売上原価)) |
※13 広告キャンペーン |
広告を管理するための単位、予算やターゲットセグメント等を設定 |
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、当社はシェアリング型統合マーケティング事業の単一セグメントのため、セグメント情報は記載しておりません。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は前事業年度末より4,327,665千円増加し、12,900,894千円となりました。これは主に、現金及び預金が3,740,249千円及び未収還付法人税等が311,536千円、未収消費税等が87,999千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は前事業年度末より1,654,157千円減少し、3,667,631千円となりました。これは主に、長期借入金が720,000千円及び未払法人税等が510,632千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は前事業年度末より5,981,823千円増加し、9,233,262千円となりました。これは主に、資本金が3,275,642千円及び資本剰余金が3,275,642千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢不安の長期化、原材料価格の高騰及び円安の進行等により依然として不透明な状況が続いておりますが、新型コロナ感染症の終息による経済活動の再開や物価高対策等の各種政策効果によりマクロ経済の回復が見込まれております。
このような状況下、当社におきましては、インターネット通販市場やインターネット広告市場の引き続きの拡大、当社独自のビジネスモデルへの需要の高まりを受けて、商材ジャンルやマーケティング手法の拡大、新規顧客の獲得等に取り組んで参りました。また、これらを実行するため、マーケターを中心とする人材採用と教育を強化し、事業規模を拡大してまいりました。
しかし、既存商材において、商品ライフサイクルの経過や一部顧客による販売戦略の変更の影響に加え、一部の広告媒体におけるルール変更などにより、ROASが悪化しております。また、中長期的な成長のため、新規商材・新規ジャンルの拡大に注力し商材ポートフォリオの転換を図っており、この取り組みは着実に進捗しているものの、そのマーケティング施策の効果発現、業績貢献までに想定以上の時間を要しております。さらに、大手製薬メーカーの不祥事による機能性表示食品や健康食品全体に対する消費者マインドの低下の影響により、当社が取り扱う一部の商材についても影響を及ぼしております。
この結果、当事業年度の経営成績につきましては、売上高13,806,783千円(前期比15.7%減)、営業損失367,956千円(前年同期は営業利益2,173,412千円)、経常損失429,693千円(前年同期は経常利益2,147,928千円)、当期純損失554,543千円(前年同期は当期純利益1,465,026千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より3,739,149千円増加し、9,628,509千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって支払った資金は1,858,366千円となりました(前事業年度は2,259,281千円の獲得)。その主な内訳は、税引前当期純損失427,460千円の計上、売上債権の増加額66,553千円、前渡金の増加額67,556千円、買掛金の減少額108,103千円、未払金の減少額144,108千円、未払消費税等の減少額189,329千円、及び法人税等の支払額862,007千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支払った資金は191,721千円となりました(前事業年度は111,309千円の獲得)。その主な内訳は、投資有価証券の取得による支出16,709千円、有形固定資産の取得による支出12,328千円、無形固定資産の取得による支出93,746千円、敷金の差入による支出78,598千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られた資金は5,789,238千円となりました(前事業年度は879,377千円の獲得)。その主な内訳は、株式の発行による収入6,551,276千円、長期借入金の返済による支出720,000千円、上場関連費用の支払による支出42,038千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
|
売上高(千円) |
前年同期比(%) |
|
シェアリング型 統合マーケティング事業 |
13,806,783 |
84.3 |
合計 |
13,806,783 |
84.3 |
(注)1.シェアリング型統合マーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
当事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社アール |
10,273,412 |
62.7 |
6,513,750 |
47.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しており、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に含めて記載しております。
b 経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ2,570,267千円減少し、13,806,783千円(前年同期比15.7%減)となりました。これは主にAランク商材数が年間平均で3.0商材減少して3.5商材となったことが要因です。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ2,003,504千円減少し、1,396,743千円(前年同期比58.9%減)となりました。これは主にROASが133.9%から120.1%に減少し、広告利益が1,842,460千円減少して2,308,226千円(前年同期比44.4%減)になったことが要因です。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当事業年度の営業損失は、前事業年度(営業利益2,173,412千円)から2,541,369千円減少し、367,956千円となりました。これは主に、事業拡大に伴う人件費や業務委託費等の計上を主要因とし販売費及び一般管理費が増加し、かつ売上総利益が減少したことが要因です。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当事業年度の営業外収益は48,127千円減少し、7,004千円になりました。営業外収益が減少した主な要因は、保険解約返戻金が52,327千円減少したことによるものです。また、営業外費用は11,875千円減少し、68,741千円となりました。営業外費用が減少した主な要因は、融資手数料が30,791千円減少したことによるものです。この結果、当事業年度の経常損失は、前事業年度(経常利益2,147,928千円)から2,577,622千円減少し、429,693千円となりました。
(当期純損失)
当事業年度において、特別利益は2,297千円となりました。特別利益の計上は新株予約権戻入益を2,297千円計上したことによるものです。一方、特別損失は63千円(前期比99.8%減)となりました。特別損失が減少した主な要因は、投資有価証券評価損が38,203千円減少して63千円となったことによるものであります。また、当事業年度における法人税等合計は、前事業年度に比べ516,729千円減少して127,082千円となりました。この結果、当事業年度の当期純損失は、前事業年度(当期純利益1,465,026千円)から2,019,570千円減少し、554,543千円となりました。
c キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
当該指標の推移については以下のとおりであります。
指標 |
前事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
当事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
||
各指標数値 |
成長率(%) |
各指標数値 |
成長率(%) |
|
売上高 |
16,377,050千円 |
12.1 |
13,806,783千円 |
△15.7 |
広告利益 |
4,150,687千円 |
64.8 |
2,308,226千円 |
△44.4 |
ROAS |
134% |
10.8 |
120% |
△10.4 |
Aランク商材数(注)1 |
6.5件 |
85.7 |
3.5件 |
△46.1 |
Bランク商材数(注)1 |
2.0件 |
△28.6 |
3.8件 |
90.0 |
Cランク商材数(注)1 |
0.5件 |
△86.7 |
3.0件 |
500.0 |
Dランク商材数(注)1 |
2.5件 |
△37.5 |
2.8件 |
12.0 |
Aランク商材平均売上高(注)1 |
2,086,779千円 |
△23.2 |
2,261,169千円 |
8.4 |
Bランク商材平均売上高(注)1 |
828,095千円 |
△4.1 |
912,263千円 |
10.2 |
Cランク商材平均売上高(注)1 |
529,564千円 |
28.3 |
460,518千円 |
△13.0 |
Dランク商材平均売上高(注)1 |
197,272千円 |
△2.3 |
218,564千円 |
10.8 |
マーケター人員数(注)2 |
71.3人 |
50.6 |
79.2人 |
11.1 |
マーケター1人当たり売上高 |
230,122千円 |
△29.1 |
174,260千円 |
△24.3 |
(注)1.各ランクの商材数はランク別四半期商材数の平均(通期÷累計四半期会計期間)を、各ランクの平均売上高は1商材当たりの通期平均売上高(ランク別売上高通期合計÷四半期商材数の平均)を記載しております。
2.マーケター人員数は、当社マーケティング事業部の通期平均人員数を記載しております。
また、ランク別コア商材数及び商材ランク別売上高の四半期推移は以下のとおりであります。
<ランク別コア商材数>
(件) |
2022年6月期実績 |
2023年6月期実績 |
2024年6月期実績 |
|||||||||
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
|
Aランク |
2 |
3 |
4 |
5 |
7 |
5 |
6 |
8 |
5 |
4 |
3 |
2 |
Bランク |
4 |
2 |
2 |
3 |
1 |
3 |
3 |
1 |
2 |
3 |
5 |
5 |
Cランク |
2 |
3 |
5 |
5 |
1 |
1 |
0 |
0 |
1 |
2 |
4 |
5 |
Dランク |
5 |
6 |
3 |
2 |
3 |
2 |
2 |
3 |
3 |
4 |
1 |
3 |
合計 |
13 |
14 |
14 |
15 |
12 |
11 |
11 |
12 |
11 |
13 |
13 |
15 |
<商材ランク別に係る売上高>
(百万円) |
2022年6月期実績 |
2023年6月期実績 |
2024年6月期実績 |
|||||||||
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
|
Aランク |
1,171 |
1,661 |
2,397 |
4,302 |
4,159 |
3,118 |
2,585 |
3,700 |
3,027 |
2,326 |
1,596 |
965 |
Bランク |
857 |
440 |
390 |
685 |
172 |
643 |
643 |
197 |
418 |
753 |
1,185 |
1,064 |
Cランク |
255 |
306 |
456 |
527 |
133 |
131 |
0 |
0 |
80 |
257 |
454 |
590 |
Dランク |
287 |
280 |
147 |
93 |
142 |
128 |
78 |
144 |
146 |
210 |
63 |
183 |
合計 |
2,572 |
2,688 |
3,391 |
5,607 |
4,606 |
4,021 |
3,307 |
4,042 |
3,671 |
3,545 |
3,298 |
2,801 |
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、広告掲載に係る売上原価、人件費、及び人員拡大のための採用コストになります。財政状態と投資のバランスを重視しつつ、事業活動に必要な運転資金及び新規事業等に対する投資コストは、主として手許の自己資金、金融機関からの借入により調達いたします。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の経営陣は、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。そのためには、収益性のさらなる向上、特定の商材やクライアントへの偏りの解消といった事業面と、内部管理体制の強化といった組織面の双方の強化を図り、事業展開を行ってまいります。